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米統計悪化も利上げは継続で総じて軟調
  • MRA商品市場レポート

2023年4月21日 第2439号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米統計悪化も利上げは継続で総じて軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は多くの商品が水準を切下げた。米雇用関連統計の減速も確認されこれまでであれば金融緩和期待を高めて価格の押し上げ要因となり得たが、フィラデルフィア連銀製造業指数が想定外の悪化となり、中古住宅販売も減速、同時に住宅価格上昇で利上げは5月も行われるとみられたことで、米国の景気減速懸念が強まった事が背景。

ただ、統計を細かく見ると新規受注・受注残ともマイナスのままでは有るが前月から改善し、出荷も同様に回復している。恐らく在庫が▲17.9(▲11.2)となった影響が大きかったと見られる。

とはいえ、統計全体はマイナスであり、米製造業を巡る環境が厳しいことには変わりはない。

一方、昨日の米中古住宅販売は減速しており、金利引き上げの影響が顕在化している。しかし中古住宅販売価格の中央値は、375,700ドル(363,600ドル)と先月から上昇しており、リーマンショック後の住宅供給不足、コロナ以降の「大きな家・郊外の家」を求める動きは継続していることを示唆している。

結果、CPIに影響が大きい住宅価格が高止まりするため、金融引締めは継続せざるを得ない。

居住用住宅とは逆で、コロナの影響で空室が目立つ商業用不動産市況は悪化を始めており、さらにSV銀行の破綻を受けた融資基準の厳格化から、商業用不動産市況の悪化を通じてその他の住宅市場に波及するリスクもある。

結局のところ、1.インフレが抑制され、2.景気が底入れ、するまではこうした下向きのリスクはつきまとうことになる。


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