なお残る日米金融政策スタンスの不透明感
- MRA外国為替レポート
2023年4月17日号
◆先週の市場総括
先週のドル円相場は132円~134円で上下。週初は132円ちょうどで始まりドル安円高に振れた。
前週末の雇用統計が予想ほど弱くなかったことでドルが反発した流れのなか、植田新総裁が現行の超金融緩和政策の維持を表明したことから円安に。133円台後半に上昇した。
その後、週央にかけて発表された米国の物価指標が弱く米金利先高感が後退し米長期金利が低下したことでドルは軟調。132円ちょうど近辺に押し戻された。
ただ週末にはFRB高官からタカ派発言が続き、期待インフレ率の上昇もみられたことから米金利は反発しドル円相場は持ち直し。133円80銭で引けた。
ユーロドル相場は週初に1.09で始まり1.08台前半に下落したあと1.10台後半にユーロ高ドル安が進んだ。週末は反落して1.10ちょうど近辺で引け。米国株は利上げ打ち止め期待から底固く推移。ただ景気懸念は重石。
日経平均は堅調。バフェット氏が日本株に強気の見方を示したことが終始支えとなった。
月曜日の東京市場では日経平均は上昇。前週末の米雇用統計がさほど弱い数字ではなかったことから過度な景気懸念が一服。週末の米国株式市場が休場だったことから手掛かり難で買い一巡後は上値が重くなった。
オセアニア、香港、欧州市場が休場だったことも閑散要因。引けは前週末比+155円高の27,633円。
ドル円相場は132円20銭で始まり朝方131円80銭に下落。ただすぐに反発して仲値の決まる10:00頃には132円70銭。その後は60銭~80銭で上下。
19:00の植田総裁会見前は132円ちょうど近辺。ユーロ円相場も144円20銭で始まり143円80銭に下落。すぐに反発して144円50銭~70銭で推移。会見前は144円10銭~20銭で様子見。
ユーロドル相場は1.09ちょうど近辺で小動き、会見前は1.0920。注目の植田総裁就任会見で総裁は、現行の金融緩和政策、イールドカーブ・コントロール(YCC)やマイナス金利政策を維持する意向を示した。
副作用はあることから修正はありうるが今後政策委員会で議論となろう、と述べた。
これを受けて円安に振れ、ドル円相場は133円80銭へ、ユーロ円相場は145円10銭へ急騰した。ドル円相場の上昇の勢いが勝りユーロドル相場は1.0830へ下落。ただその後は調整。ドル円相場は133円60銭近辺にやや下落して引け。
ユーロ円相場は横ばい145円10銭。ユーロドル相場は1.0860で引け。
米国株は朝方軟調に始まったが、雇用統計がさほど悪くなかったことから景気警戒感が和らぎ景気敏感株に買い。一方でCPIの発表を前に上値も重かった。
長期金利が上昇したことでハイテク株に重石。NYダウは木曜日対比+101ドル高の33,586ドル。ナスダックは▲3ドル安の12,084ドル。
米10年債利回りは3.415%に、2年債は4.01%に上昇した。発表されたNY連銀調査の期待インフレ率(1年)は前回の4.2%から4.7%に上昇した。
火曜日の東京市場では日経平均は続伸。日銀の早期緩和政策修正観測が後退。円が軟調となり株価の支えとなった。
バフェット氏が日本株投資を拡大との報道もプラス。上昇幅は一時400円。引けは+289円高の27,923円。
ドル円相場は133円60銭で始まり朝方一時20銭台に下落したが早々に70銭に反発。その後は40銭中心にもみ合った。欧州市場ではやや下押して133円ちょうど~20銭近辺で上下動。ユーロ円相場は145円10銭で始まりドル円相場と同様の値動き。午後は145円10銭~30銭で上下した。
ユーロドル相場はアジア時間に一貫してユーロ高ドル安。1.0860で始まり1.0920へ上昇した。
米国では長期金利が前日に続き小幅上昇。10年債利回りは3.432%、2年債は4.033%。
NY連銀総裁は、金融混乱とFRBの利上げの関連性を否定、年内あと1回の利上げが妥当、と述べた。イエレン財務長官は米国経済に自信を示した。
一方、シカゴ連銀総裁は、金融システム不安が経済へ与える影響を見極めるため、利上げに積極的になりすぎないよう注意すべき、と述べた。
米国株は前週末の雇用統計が想定より悪くなかったことから景気先行き不安が後退するなか上昇。前日比+98ドル高の33,684ドル。ナスダックは長期金利上昇が重石となり▲52ドル安の12,031ドル。
ドル円相場はリスクオン、米金利上昇に支えられ堅調。133円70銭~80銭で上下して引け。ユーロ円相場も145円90銭近辺に上昇しもみ合い引け。ユーロドル相場は1.0910~20近辺で横ばいもみ合い。
水曜日の東京市場では日経平均は小幅続伸。バフェット氏が日本株に強気、買い増しとの見方が支え。商社株が堅調。運用リスクをとる動きが強まった。
ドル円相場は133円70銭で始まり60銭近辺でもみ合い。その後134円ちょうどに上昇したあと欧州市場にかけて133円60銭~134円ちょうどで上下した。
ユーロ円相場は145円90銭で始まりじり高。午後は146円20銭~40銭で上下。欧州市場ではやや押して146円ちょうど~20銭で上下した。ユーロドル相場は動意なく1.0920~30で小動き横ばい。
注目された米国の消費者物価指数(CPI、3月)は前月比が+0.1%と前月+0.4%から上昇が鈍化。前年同月比も+5.0%と前月+6.0%から大きく低下し予想+5.2%を下回った。
上昇率は9ヵ月連続で低下。コア指数は前月比が+0.4%と小幅鈍化。前年同月比は予想通り+5.6%と前月+5.5%からやや加速。サービス価格が依然として高い伸び。
予想以上に鈍化したCPIを受けて長期金利は低下。10年債利回りは一時3.36%に低下した。
ドルは下落。ドル円相場は133円90銭から132円80銭に急落。ユーロドル相場は1.0990に上昇した。ただその後はドル安一服。ドル円相場は133円10銭~30銭で上下し引けは133円20銭近辺。一方ユーロドル相場は1.10ちょうど近辺で底固く引け。
ユーロ円相場はCPIで146円80銭~145円80銭で乱高下したあと146円40銭で引け。
米10年債利回りは入札が不調となり反発して3.402%。2年債は3.97%と4%割れで引け。
米国株は朝方のCPIを受け安心感から堅調に始まったが、公表されたFOMC議事要旨で金融システム不安が燻り景気懸念が強まって下落。週末の銀行決算を睨み様子見となった。NYダウは前日比▲38ドル安の33,646ドル。ナスダックは▲102ドル安の11,929ドル。
公表されたFOMC議事要旨(3月21日・22日開催分)では、銀行の混乱は貸付、経済成長、雇用、インフレを抑制する可能性が高いが影響は不明確、とした。数人の当局者が利上げ停止するかどうか検討、スタッフは本年終わりに緩やかな景気後退が開始すると予想、とした。
多くの当局者がピーク金利見通しを引き下げ、幾人かの当局者が政策の柔軟性の必要性を強調した。
リッチモンド連銀総裁はなお利上げの必要性を強調した一方、サンフランシスコ連銀総裁は今後各会合での利上げは想定しておらず利上げなしでも減速が続く可能性が大きいとハト派的な発言をした。
木曜日の東京市場では日経平均が小幅上昇、5営業日続伸。FOMC議事要旨を受けた米国景気先行き懸念で朝方は幅広く売られたが、一方でインフレ鈍化、利上げ打ち止め観測の台頭が支え。引けは前日比+74円高の28,156円。
ドル円相場は133円20銭で始まりやや下落して133円ちょうど近辺。その後は持ち直し40銭までじり高となったが夕刻は132円90銭に下落した。
ただ米国市場朝方にかけては持ち直し133円40銭。ユーロ円相場は堅調。146円40銭で始まり欧米市場にかけてじり高。
米国市場朝方は70銭~80銭。ユーロドル相場は1.0990近辺で始まり1.10ちょうど~1.0980で上下小動き。米国市場朝方は1.10ちょうど近辺。
米国で発表された生産者物価指数(PPI、3月)は前月比▲0.5%と前月▲0.1%から予想以上に下落加速。前年同月比は前月の+4.9%から+2.7%へ大きく鈍化した。
コア指数も前月比は▲0.1%と下落、前年同月比は+3.4%に低下した。前年同月比はいずれも2021年初以来の水準。利上げ打ち止め観測が強まり米長期金利は3.37%近辺に低下した。
ドルは下落。ドル円相場は132円ちょうど近辺へ。ユーロドル相場は1.1070へユーロ高ドル安。ユーロ円相場はドル安円高につれて146円10銭近辺に下落した。その後ドル安は一服。持ち直してドル円相場は132円80銭をつけて引けは60銭。
ユーロドル相場は1.1050~60で上下し引けは1.1050。ユーロ円相場は146円70銭に持ち直し引けは50銭。ドルインデックスは101ポイントちょうど近辺まで下落した。
米10年債利回りは30年債入札が不調だったことで反転上昇し3.447%。結果的に前日比でやや上昇した。2年債はやや低下して3.964%。
米国株は上昇。インフレ圧力の後退、早期利上げ打ち止め観測の台頭、が支えとなり幅広く買われ、とくに高PER株、ハイテク株が堅調。NYダウは前日比+383ドル高の34,029ドル。34,000ドルの大台を回復した。
ナスダックは+236ドル高の12,166ドル。VIX指数は17.80まで低下し、リスク回避の緩和を示した。
金曜日の東京市場では日経平均が6営業日続伸。業績予測を上方修正したファストリテイリングが大幅高となり指数全体を押し上げた。米国株高も支えとなり、バフェット氏の日本株強気発言が引き続き投資家心理を支え全般に買われた。引けは+336円高の28,493円。
ドル円相場は132円60銭で始まり上値重く30銭~60銭で上下し夕刻は132円20銭。ユーロ円相場も同様に146円50銭で始まり50銭~70銭で上下し夕刻は146円20銭。
ユーロドル相場は1.1050で始まり1.1070近辺で動意なく小動きもみ合い。欧米市場ではFRB当局者のタカ派発言や期待インフレ率の上昇を受けてドル高・円安が進んだ。
FRBウォラー理事は、金融政策の一段の引き締めが必要、金融政策は市場が想定するより長期間引き締め的であるべき、と述べ、一段の利上げに前向きな姿勢を示した。アトランタ連銀総裁も次回会合では利上げが妥当とした。
ミシガン大学消費者信頼感指数(4月速報)は前月62.0から予想61.8に対し63.5へ上昇。1年期待インフレ率は前月3.6%から4.6%に大きく上昇した。
米長期金利は上昇。10年債は3.517%、2年債は4.103%。ドル円相場は133円80銭に上昇しもみ合い引け。
ユーロドル相場は1.0980に下落し引けは1.10ちょうど近辺。ユーロ円相場も一貫して上昇、じり高となり147円10銭近辺で引けた。
IMFの対日審査責任者は、イールドカーブ・コントロールに調整の余地がある、としつつ、マイナス金利は維持すべき、と述べた。
米国株は利上げ長期化で景気が冷えるとの懸念が高まり軟調。小売売上高が弱い数字だったことも重石となった。NYダウは前日比▲143ドル安の33,886ドル。ナスダックは▲42ドル安の12,123ドル。
発表された米国の小売売上高(3月)は前月比▲1.0%と前月▲0.2%から減少が加速し予想▲0.4%を下回った。
鉱工業生産は同+0.4%と伸びが加速。設備稼働率は前月の78.0%から79.8%に上昇した。
◆今週の3つの注目ポイント
1.ベージュブック(地区連銀経済報告)
水曜日(日本時間木曜日未明3:00)にベージュブックが公表される。5月2日・3日に開催されるFOMCでの議論のベースとなる景気物価動向がどう報告されているか。
景気悪化度合い、金融混乱の影響、雇用情勢の緩みはみられるか、インフレ鎮静化が一段と明確になっているか。あるいは逆になおも雇用のタイトさや粘着質のインフレが報告されているか。
5月のFOMC会合での利上げの有無、その思惑を左右し、ドル金利・ドル相場の動向に与える影響はどうか。
2 欧米の景況感指数
実数値に比べ景況感指数は足が速く景気動向を早く反映する。今週発表される数字はどうか。金融混乱の影響などもあり悪化がみられるか、あるいは悪化は軽微か。
月曜日 NY連銀製造業景気指数(4月、予想▲18.6、前月▲24.6)
火曜日 ドイツZEW景況感指数(4月、期待指数、予想15.0、前月13.0)
木曜日 フィラデルフィア連銀製造業景気指数(4月、予想▲15.6、前月▲23.2)、景気先行指数(3月、前月比、予想▲0.3%。前月▲0.3%)
金曜日 PMI景況感指数(4月速報、ユーロ圏、製造業、予想48.0、前月47.3、サービス業、予想54.6、前月55.0、米国、製造業、予想47.0、前月49.2、サービス業、前月52.6)
3 日本の貿易収支
木曜日に通関統計(3月)が発表される。貿易収支は前月の▲8,980億円の赤字から減少するか。
前年同月は▲6,700億円の赤字。円安の主要因は超金融緩和と巨額の貿易赤字。前者は植田新体制で修正の可能性が取り沙汰されているが、後者はどうか。
資源価格、とくに原油価格の動向が鍵。景気後退観測で調整してきたが、OPECほかの減産強化で持ち直している。影響が出るにはタイムラグがあるが、足元ではどれくらい赤字が縮小したか。円先高感を左右するほどの変化がみられるか。
ほか、火曜日に中国で3月の小売・鉱工業生産、1-3月期GDPなど主要経済指標が発表される。景気持ち直しが意識され市場心理を支えるか。
◆今週のMRA's Eye
なお残る日米金融政策スタンスの不透明感
日米の金融政策スタンスにはなお不透明感が残り市場の見方は当局者の発言に揺れている。
米国ではインフレ鈍化がみられ利上げ打ち止めやさらに利下げ観測が強まっているものの、当局者からはなお明確なヒントは得られていない。
日本では逆に行き過ぎた緩和政策の修正が期待されるが、当初の期待よりも不透明感は増しているようにみえる。
日銀の政策を巡っては、植田新総裁が就任会見で現状の超金融緩和政策、すなわちイールドカーブ・コントロール、マイナス金利、いずれも継続する意向を示した。
市場では新総裁が政策修正に前向きに取り組むとの期待が高まっていた。
新総裁候補として正式に指名されたあとの議会公聴会では、黒田総裁の任期中でもあり、日銀の政策について修正するとのコメントは差し控えられたのは当然だろう。
ただそのスタンスはハト派的なニュアンスがみられた。
今回の就任会見では、より自由な発言が可能だったものの、現状の政策維持を表明した。ただこれまでの政策の効果検証が必要との発言もみられ、また副作用や修正の必要性は政策委員会で議論があろうと述べた。現状維持ながら修正に含みを残したかたちだ。
ただその真意はなお不透明だ。修正の意向があるのか、どの政策を修正するのか、みえてこない。
植田新総裁は国際派とされるが、先週、IMFの日本審査担当は、イールドカーブ・コントロールは修正の余地があるが、マイナス金利は維持するのが妥当と発言。このあたり、植田新総裁はどう考えているのか。
タイミングの問題もある。
米国景気は遅くとも年末にかけて後退するとFRBは予測している。世界景気の動向も悪化しているとみられ、日本への影響は不可避だろう。
そうした状況で過剰な緩和策の修正とはいえ、緩和解除・縮小方向の政策変更ができるか。変更は困難となる可能性が高い。
また植田総裁は現時点では2%のインフレ目標にコミットしている。そして来年はまた2%を割り込むと考えているようだ。
イールドカーブ・コントロールの修正・撤廃はありうるとして、マイナス金利の解除が可能かは微妙な情勢だ。銀行収益に悪影響を及ぼしているという観点からはマイナス金利をゼロ金利に変更する可能性はあるが、さらにプラス金利に引き上げる可能性はかなり低いと思われる。
米国ではインフレ鈍化がさらに明確になってきた。景況感の悪化が続き、雇用情勢もなお堅調とはいえ緩みつつある。
先週発表された米国の消費者物価指数は総合指数の上昇率が想定以上に鈍化した。前年同月比は+5.0%となり、現在の政策金利、FF金利誘導水準4.75%-5.00%と一致。
生産者物価指数は前月の+4.9%から+2.7%まで大きく低下。コア指数は+4.4%から+3.4%まで低下した。
一方、期待インフレ率はNY連銀調査で+4.2%から+4.7%に上昇。ミシガン大学の調査でも+3.6%から+4.6%に上昇した。なお5%を下回っているものの、これまでの順調な低下傾向に歯止めがかかったのか、気になるところだ。
あしもとの金融システム動揺が加わりFRB当局者の意見は割れているようにみえる。
タカ派は金融システム懸念は金融政策に影響しないとし、利上げおよび高水準での政策金利の長期継続を主張する。
一方、前回3月の会合では利上げの停止が検討されたようだ。それが一時停止であり、利上げ継続のなかでの様子見だったかどうかは判然としない。
ただ金融機関の融資姿勢が一段と厳格化しているのは確か。数週間にわたり融資残高は減少している。景気悪化が一段と鮮明となるか、いくつかの雇用関連指標には雇用情勢の悪化がみられれば、景気に強気な見方も維持が難しくなる。
焦点は利下げのタイミング。一段のインフレ鈍化と景気後退とくに雇用悪化が明確となるタイミングが重要だ。
市場の見方は夏場、あと3ヵ月程度を想定。一方、FRB当局の見方では年末にかけて緩やかに景気後退に陥るとされる。
市場の見立てが正しければ、利下げのタイミングは9月頃には現実的になる。FRBの見方では年内利下げせずとなる。
FRBの景気予測が正しければ、景気悪化は来年にかけて続き、景気底入れは来年央頃となる可能性もある。
長期にわたるインフレ率と政策金利の動向を振り返れば、今回の利上げ開始は従来のケースからみると1年遅れている。その結果景気は過熱しインフレは高進した。
それを取り返すため意図的に年内利下げなしとすれば、あとあとの景気悪化の深度が深まり、底入れが後ずれする。
こうした日米の金融政策の状況を踏まえてドル円相場の動向を考えれば、当面の不透明感から相場は気迷い、130円台前半で時間を経過する可能性がある。
ただ5月のFOMCで利上げ打ち止めが明確となり、米国の景気悪化・インフレ鈍化を示す指標が続けば、市場の利下げ期待は維持され、あるいは一段と強まるだろう。緩やかに130円割れを試すと考えられる。
日銀の政策変更は6月となる可能性が高い。それでもマイナス金利の修正に至らなければ円高圧力は弱い。年末にかけて125円割れを試す程度に止まるとみるのがメインシナリオだ。
仮にFRBの見立て通り、あるいは政策金利予測のとおり、年内の高金利維持が現実となれば、ドル安円高はメインシナリオより緩慢となる。
ただその後の景気悪化や米景気底入れの後ずれから、ドル安円高の調整は大きくなる可能性があるので留意を要する。
米国景気が堅調に推移あるいは再拡大する材料に乏しく、想定以上にドル高に振れ140円に達する可能性は相当程度低いとみられる。
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