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主要市場休場~雇用統計は市場予想より強気
  • MRA商品市場レポート

2023年4月10日 第2430号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「主要市場休場~雇用統計は市場予想より強気」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は欧米のほとんどの主要市場が休場だったため、オープンしていた日本や中国の市場も動意薄かった。

昨日発表された米雇用統計は、非農業部門雇用者数は前月比+23.6万人(市場予想+23.0万人、前月+32.6万人)と減速も市場予想は上回った。

そして失業率は3.5%(3.6%、3.6%)と前月、市場予想とも下回っている。さらに労働参加率は62.6%(62.5%、62.5%)と上昇しており、まだ雇用市場がタイトであることを示唆している。

注目の平均時給は前月比+0.3%(+0.3%、+0.2%)、前年比+4.2%(+4.3%、+4.6%)と前年比では減速も前月比ベースで伸びが加速している。

これまで米国の経済統計の「サプライズ指数」は4月に入ってから急速に減速していた。これはアナリストが想定するよりも経済状態が悪化していることを示す。

しかし、昨日の雇用統計は米国の雇用環境がアナリストが想定しているよりも強気であること、粘着質なインフレが継続していることを示唆するものだ。

このことはアナリストの想定より景気が減速しているが、雇用情勢とインフレの継続から利上げの回数は制限されたとしても政策金利の高止まりは続き、年後半の景気急減速のリスクが高まっているといえる。

実際、昨日短縮取引だった米国債市場は売り圧力が強まり金利が上昇、ドルは上昇している。恐らく、来週の商品市場はドル高進行と緩やかな景気の加速ペース鈍化から軟調な推移になるものが目立つのではないか。

なお、景気減速下での高金利継続は、金融機関の経営状態の悪化に繋がり、場合によると財政出動を伴う救済が必要になることも想定される。この場合、6月が期限とされる債務上限問題に影響を及ぼすリスクも無視できない。


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