金融危機懸念で総じて軟調
- MRA商品市場レポート
2023年3月16日 第2413号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「金融危機懸念で総じて軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格は総じて軟調な推移となった。市場が米銀2行破綻の「次」を探し始める中、問題の根本が異なるがクレディ・スイス問題取り沙汰され、リスク回避の動きが強まったことが背景。
クレディ・スイスの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンクが追加投資をすることはないと否定したことを受けて、急速に信用リスクが高まった。
クレディ・スイスは過去2年の財務報告と管理手順に問題があったと公表、これを是正する新たな計画があるとした。このことは、同行が何かしらの会計操作を行っているのではないかとの疑念を市場にもたらしている。
今後、クレディ・スイスの経営陣が追求されることは不可避と言えるが、市場の混乱回避のためにスイス国立銀行が必要があれば救済すると発言しており、取りあえず目先の混乱は一服することが期待される。
ただ、インフレへの対応が遅れたことで欧米の金融引締めは恐らくペースを緩やかにしながら継続すると予想され、経営状態が悪化する金融機関は今後、増えることが予想される。その都度、結局当局が救済を行い、統廃合を進めていくという流れになるのではないか。
その中で懸念されるのは、銀行・証券会社は当局の目が行き届き、必要であれば救済されると思われるが、市場の変動性が高まっていることにより、オプション制のある商品をポートフォリオに組み込んでいる、ないしはボラティリティ自体をインデックスとする商品に投資を行っているファンドなどが破綻する可能性がある点だろう。
なお、原油や銅などの景気循環系商品は、足下、リスク回避のポジション整理(と、意図的なショートポジションの増加)に押され価格が下落しているが、危機収束後は買い戻しが入り上昇するとみる。
そしてその後は景気の減速を受けて再び年末に向けて水準を切下げる展開になるだろう。
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