パウエルショック、SVBショックで乱高下
- MRA外国為替レポート
2023年3月13日号
◆先週の市場総括
先週のドル円相場はパウエル議長の議会証言を前に週初はドル高一服、136円近辺でもみ合い。
議長が、データ次第で利上げを加速する用意がある、インフレ軟化が一部反転し想定より強い、と述べたことでドル金利先高感が強まりドルを押し上げた。
2年債は5%台に上昇。ドル円相場は一時138円目前まで上昇した。ただ同時に景気失速懸念も強まり10年債は4%には乗せず。2年債と10年債の逆イールドは1%以上に拡大した。
その後発表された雇用関連指標は想定より弱め。景気不透明感も。そうしたなか大手地銀SVBの破綻が急速にリスク回避を強め株価は週末にかけ急落。
雇用統計も利上げ加速するほど強くなかったことで長期金利は低下し10年債は3.69%へ。2年債は4.58%へ。
ドル円相場は急落して一時134円10銭をつけ引けは135円ちょうど近辺。ユーロ円相場も143円70銭。
日経平均は週後半に28,600円台まで上昇したが週末に反落。週明けも下落が予想される。
月曜日の東京市場では日経平均は続伸。昨年12月半ば以来の28,000円の大台を回復。前週末に米ハイテク株が上昇したことが支えとなり幅広い銘柄に買いが入った。中国景気回復期待も支え。大台越えで短期筋の買い戻しも入った。
ただパウエル議長の議会証言を前に午後は上昇一服。引けは前週末比+310円高の28,273円。
ドル円相場は136円ちょうどで始まり135円40銭に下落。ただその後夕刻から欧州市場にかけては持ち直し136円20銭に上昇した。
ユーロ円相場は144円40銭で始まり20銭~60銭で上下。ユーロドル相場は1.0620で始まり1.0640~50でもみ合いのあと1.0620。夕刻から欧米市場にかけてはユーロ高が進んだ。
ECBレーン専務理事は、現在の情報は3月以降の利上げ継続を示唆している、と述べた。またオーストリア中銀総裁は、3月、5月、6月、7月の会合で0.50%の利上げを辞意すべき、と述べた。
タカ派発言を受けて欧州金利先高感が強まり欧州長期金利が上昇、ユーロを押し上げた。ユーロドル相場は米国市場で1.07目前まで上昇し引けは1.0670~80。
ユーロ円相場は145円40銭に上昇し引けは20銭。ドル円相場は米長期金利に支えられた一方、ユーロ高ドル安に抑制された。135円60銭~80銭で上下したあと持ち直し136円ちょうど近辺で引け。
米10年債利回りは朝方3.89%に低下したが反発し3.964%。2年債は4.886%に小幅上昇。
米国株は上値重くパウエル議長証言、タカ派寄りの発言への警戒感から様子見。NYダウは前週末比+40ドル高の33,431ドル。ナスダックは▲13ドル安の11,675ドル。
火曜日の東京市場では日経平均が小幅高。前日の米国株が方向感なく大幅高のあとで一服感。ただ日本株先高感が強まるなか先物中心に堅調。幅広く買いが支えた。引けは前日比+71円高の28,309円。
ドル円相場は136円ちょうど近辺で始まり20銭に上昇したあと136円ちょうど近辺でもみ合い、夕刻には一時135円60銭に下落。欧州市場では136円20銭中心にもみ合い。
ユーロ円相場も東京時間には動意薄。145円20銭で始まり40銭近辺で小動き。夕刻には144円60銭に下落したが持ち直し欧州市場では145円30銭。
ユーロドル相場は1.0680~90でもみ合いのあと夕刻には1.0660に下落した。注目のパウエル議長議会証言で議長は、データ次第で利上げを加速する用意がある、としインフレについては、軟化傾向が一部逆転した、想定よりも強いことを示している、と述べた。
これを受けて市場は3月FOMC会合で0.50%の利上げを過半の確度で織り込んだ。
2年債は5%の大台に乗せ5.008%に上昇。10年債は逆に3.965%に低下。2年債と10年債の逆イールド幅は1%超に拡大した。利上げ加速、長期化、最終到達金利水準(ターミナルレート)の引き上げ、を織り込み、景気悪化懸念が強まった。
市場心理はリスクオフに振れて株価は大幅安。NYダウは前日比▲574ドル安の32,856ドル。ナスダックは▲145ドル安の11,530ドル。
ドルは大幅高。ドル円巣叔母は136円80銭近辺で上下したあと137円10銭に上昇して引け。一方、リスクオフでクロス円相場は下落。ユーロ円相場は145円30銭から144円60銭に下落。ユーロドル相場は1.0550へ下落した。ドルインデックスは105.62に上昇。
水曜日の東京市場ではドル円相場は昼過ぎにかけて堅調。137円10銭で始まり午後には137円90銭まで上昇した。ユーロ円相場は144円60銭で始まり上下しながら145円20銭に上昇。
ユーロドル相場は1.0550で始まり動意薄なかやや軟化して1.0530~40近辺で小動き。
朝方発表された日本の国際収支(1月)は経常収支が▲1兆9,800億円の赤字となり赤字幅は予想を大きく上回った。貿易収支は▲3兆1,800億円の赤字。依然として対外収支の悪化による円安圧力が根強いことを示した。
その後欧州市場から米国市場にかけてドルは利食い売りに押されて反落。パウエル議長はこの日、前日の上院に続いて下院で議会証言を行った。次回会合での利上げ幅はまだ何も決めていない、と修正したものの、ターミナルレートは予想以上に高くなる可能性がある、と述べた。
発言を受けてドル円相場は一時136円50銭まで下落。ただその後は反発して137円30銭で引け。ユーロドル相場は1.0570へ上昇したあと反落して1.0550で引け。終始方向感なく小動き。
ドルインデックスは前日と同水準の105.64。ユーロ円相場は144円20銭台に下落したあと反発して引けは144円80銭。米10年債利回りは一時低下したものの10年債入札が不調だったことから上昇し3.99%。2年債は5.07%に上昇した。
米国株は前日の大幅安のあと反動で買いが入ったが利上げ再加速懸念は拭えず上値重い値動き。指標が労働市場の堅調さを示したこと、パウエル議長が前日と同様の発言を繰り返し、長期金利が上昇したことで反発力は鈍かった。
NYダウは前日比▲58ドル安の32,798ドル。ナスダックは+45ドル高の11,576ドル。
ADP雇用報告(2月)は雇用者数前月比+242千人と予想をやや上回り前月+119千人から増加が加速。JOLT求人数(1月)は前月11,234千人から10,824千人に減少したものの予想10,600千人は上回った。
地区連銀経済報告では、1月中旬以降の米経済はわずかに成長、供給網の混乱は落ち着き、労働市場は堅調、とされた。ただ多くの関係者が今後数か月で景気が大きく回復する見込みは薄い、とした。
報告ではなお人手不足の指摘が多くみられた一方、価格転嫁が困難になってきたとの報告もみられた。
木曜日の東京市場では日経平均が続伸。前日の米国株がハイテク中心に底固く、ドル高円安の進行も支えとなって5営業日続伸した。引けは前日比+178円高の28,623円。
ドル円相場は137円30銭で始まり朝方136円80銭に下落。その後も137円20銭に戻したが137円台では定着できず。この日から始まった日銀金融政策決定会合への警戒、米銀信用不安によるリスク回避でポジション手仕舞い、円買い戻しが優勢となった。
夕刻にかけては136円60銭~90銭、さらに欧州市場では136円ちょうどまで下落した。ユーロ円相場は144円80銭で始まり144円台半ばを中心に上下しながらも上値の重い展開。欧州市場では143円80銭まで下落した。
ユーロドル相場は小動き。1.0550で始まり欧州市場では1.0580へ小幅上昇。
この日、米国で発表された雇用関連指標はやや弱め。景気失速懸念がやや強まり米長期金利は低下。一部地銀(SVB)の経営不安、長期金利上昇による運用債券や住宅ローン担保証券の含み損拡大が主因と伝えられた。
これにより急速にリスク回避が強まり長期金利を下押した。10年債利回りは3.907%へ、2年債利回りは4.872%へ大幅低下。
ドル円相場は一時135円90銭台に下落し136円ちょうど~40銭で上下して引けは136円10銭。ユーロドル相場は1.0550に下落したあとは1.0570~90で上下し1.0580で引け。
ユーロ円相場は143円60銭に下落のあと144円30銭に反発し引けは144円ちょうど近辺。
米国株は大幅安。NYダウは前日比▲543ドル安の32,254ドル。ナスダックは▲237ドル安の11,338ドル。VIX指数は大きく上昇して22.61。
発表されたチャレンジャー人員削減数(2月)は77,770件と前月102,943件から減少したものの前年同月の15,254件を大きく上回った。週次の失業保険申請件数は新規申請が前週の190千件から211千件に増加。継続受給者数も1,655千件から1,718千件に増加した。
金曜日の東京市場では日経平均が6営業日ぶりに大幅反落。下げ幅は今年最大となった。前日の米国株が一部地銀の破綻懸念から大幅安となったことが重石。
日銀の政策現状維持は想定通り。前日まで1,100円も上昇したことから週末の利食い売りも上値を抑制した。引けは前日比▲479円安の28,143円。
為替市場では日銀金融政策決定会合の結果発表待ちでやや円高推移。ドル円相場は136円10銭で始まり昼前には135円80銭~136円ちょうどで推移。
昼頃に公表された結果は現状維持。市場は政策変更に身構えていたが、この結果を受けて大きく円安に振れ137円ちょうどへ急上昇。その後は反落して136円40銭~80銭で推移したが夕刻は136円10銭近辺に下落した。
ユーロ円相場も同様の値動き。144円ちょうど~40銭で上下していたが、結果を受けて145円ちょうどに急騰。早々に反落して144円60銭~90銭で上下し夕刻は144円10銭。
ユーロドル相場は終始1.0580~1.06ちょうどで小動きもみ合い。欧州市場に入り再び円安に振れ、ドル円相場は137円ちょうど、ユーロ円相場は145円ちょうど。ただ米国市場にはいると大きくドル安・円高に振れた。
発表された雇用統計(2月)は非農業部門雇用者数こそ前月比+311千人と予想+200千人を上回ったが前月+517千人から鈍化。失業率は3.4%から3.6%に上昇。
注目の平均時給の上昇率は前月比が+0.3%から+0.2%へ鈍化、前年同月比は+4.4%から+4.6%へ上昇したが予想+4.7%を下回った。
週平均労働時間は34.7時間から34.5時間に減少。内容は3月の利上げ幅を0.50%に加速させるほど強い内容ではないと受け止められ長期金利は低下。
加えてSVB銀行(カリフォルニア州)が破綻。総資産約2,090億ドル(約28兆円)、全米16位の規模で、広くテクノロジー関連を中心とするスタートアップ企業へ融資していただけに不安が広がった。
当面、預金が引き出し不能となるとともに、預金保険でカバーされる25万ドルを上回る資金は保証されず。市場ではリスク回避が強まり株価は大幅安、債券には逃避資金が流入して長期金利は大きく低下。10年債利回りは3.69%へ、2年債は4.58%へ。
NYダウは一時▲400ドル下落し引けは▲345ドル。ナスダックは▲199ドル安の11,138ドル。ドル円相場は134円10銭台に急落したあと135円20銭に戻したが引けは135円ちょうど近辺。
ユーロドル相場は1.07に上昇し引けにかけ反落し1.0640台。ユーロ円相場も円買い戻しに143円50銭に急落し、さらに143円10銭をつけ、引けは143円70銭。ドルインデックスは104.63へ急落した。
◆今週の3つの注目ポイント
1 米国の経済指標
今週は物価指標、および小売・生産指標が注目される。
火曜日 消費者物価指数(2月、前月比、予想+0.4%、前月+0.5%、前年同月比、予想+6.0%、前月+6.4%、コア指数、前年同月比、予想+5.5%、前月+5.6%)
水曜日 生産者物価指数(同、前月比、予想+0.3%、前月+0.7%、前年同月比、予想+5.4%、前月+6.0%)
水曜日 NY連銀製造業景気指数(3月、予想▲8.0、前月▲5.8) 小売売上高(2月、前月比、予想▲0.3%、前月+3.0%)
木曜日 住宅着工件数(2月、季節調整済み年率換算、予想1,350千戸、前月1,339千戸) フィラデルフィア連銀製造業景気指数(3月、予想▲14.0、前月▲24.3) 週次失業保険申請件数
金曜日 鉱工業生産(2月、前月比、予想+0.4%、前月+0.0%) 設備稼働率(予想78.5%、前月78.3%) ミシガン大学消費者信頼感指数(3月確報)
2 ECB理事会、ラガルド総裁会見
木曜日にECB理事会が開催されラガルド総裁の定例会見が行われる。今回の会合では政策金利が3.00%から3.50%へ引き上げられると予想されている。
その後の利上げについて、タカ派はさらに3回程度0.50%を継続すべきと主張。5%までの利上げを視野に入れる。
一方、利上げペースも含め、もうすこしハト派的な見方が市場のコンセンサス。ラガルド総裁の見解は、タカ派寄り、ハト派寄り、いずれとなるか。このところ米金利先高感でユーロ高ドル安は一服しているが、再びユーロの支えとなるか。景気物価見通しも含め、見解が注目される。
3 日本の貿易収支
木曜日に2月の貿易統計が発表される。1月は大幅な赤字で赤字幅は3兆5千億円に迫った。1月は季節柄収支が悪化しやすいが、2月はどの程度改善するか。
予想では1兆1,400億円ほどの赤字に縮小が予想されている。輸出が想定外に不振、輸入金額が高止まりとなっていることが主因だったが、輸出が盛り返すか、輸入金額の増加が一服、減少に転じるか。ベースラインでの円安圧力がどの程度緩和するか。
ほか、水曜日に中国の主要経済指標(小売売上高、鉱工業生産、固定資産投資、2月)が発表される。
◆今週のMRA's Eye
パウエルショック、SVBショックで乱高下
先週のドル円相場は大きく上下動。株式市場や債券市場も含めた市場全体の動きをみると、総じてリスク回避が強まり、金利・金融政策・景気見通しに不透明感が高まった。
米国では堅調なサービス消費、良好なサービス業の景況感、インフレ低下ペースに鈍化がみられたことから、市場では大幅な利上げ、年内利上げなし、政策金利の長期高止まり、を織り込んだ。
12月のFOMCでの政策金利予想、5.25%まで利上げとの見方に対し、以前は市場の見方が下回り、5%で打ち止め、年後半利下げ、を織り込んでいた。
しかし足元では利上げ幅を0.50%へ再加速、5.75%まで利上げ、その後も高金利継続との見方が主流となった。この市場の見方に対し、パウエル議長が抑止するのか、擦り寄るかたちとなるのかが注目された。
先週火曜日に行われたパウエル議長の上院での議会証言では、議長はデータ次第で利上げを加速、0.25%まで縮小していた利上げ幅を0.50%に再拡大する用意があると発言。
ターミナルレート(政策金利の最終到達水準)は従来の見通しより高くなる、とした。
また2月の会合で、ディスインフレが始まっている、インフレ率鈍化が始まった、と明言していたが、今回の証言では、インフレなどについて軟化傾向が一部反転した、想定より強いことを示唆している、とし1ヵ月あまりで物価の見方を一変させた。
翌日の下院での証言では、まだ何も決めていない、と修正したが、ターミナルレートは従来の見通しより高くなる、との発言は維持。一連の発言は想定外、よりタカ派で市場にショックを与えた。
データ次第といえば聞こえは良いものの、FRBは予測困難に陥っているとの印象を与えることとなった。
インフレを抑制できていないとなると、景気を犠牲にしても一段の利上げ強化を行うとの見方につながる。景気先行き不透明感が再び強まり、政策当局の右往左往も不安感を高める。
政策金利動向を色濃く反映する2年債利回りは5%台に上昇し新たな水準へ。一方で先行きの景気物価動向を反映する10年債利回りの上昇は抑制され4%台は回復せず昨年のピークは依然として抜けず。2年債と10年債の逆イールドは1%を超えて景気後退リスクをさらに強く示唆した。
市場の景気見通しは、ソフトランディングとの見方からノーランディング、つまり景気悪化は生じず好調を維持するとの見方まで台頭していた。
しかし、足元では一転してハードランディングのリスクが高まったとの見方が台頭してきた。より明確なインフレ率低下のためには失業率の上昇、景気悪化が必要との見方から、市場の不安感が高まっている。
こうした状況は、逆金融相場(金利上昇による資産価格への逆風)に加え、逆業績相場(景気悪化による資産価格への逆風)も強まっていることを意味する。
このふたつの局面の移行期で両者が重なり、市場には強いストレスがかかる。リスクオフのなか投資家はリスク回避に傾き、資産売却が生じやすく、それがまた資産価格の下落につながりやすい。
FRBでも予測困難となるなか、様々な市場でのボラティリティ上昇を示唆。それが資産価格評価も悪化させる悪循環となるリスクがある。
そうしたなかで生じたのがSVBショック。SVB銀行はシリコンバレーでスタートアップ企業中心に業務を拡大し、総資産額は約28兆円に達し、全米16位の規模となっていた。
破綻の主要因は長期金利の上昇とされる。
余剰資金を国債やMBS(住宅ローン担保証券)で運用していたが、急激な長期金利上昇=債券価格下落によって巨額の含み損を抱え、増資計画の表明も及ばず預金流出が止まらずに破綻に至った。
金利上昇は一般的に金融機関にとって利ザヤ拡大でプラスとされるが、長期金利上昇・債券価格の下落は含み損拡大要因となる。足元では後者に注目され、第二のSVB探し、あるいは金融システムへの警戒感が広がった。
結果的にさらに市場のリスク回避を強め、資産価格に逆風。米国株は急落。VIX指数(ボラティリティ・インデックス)は週初の18ポイントから25ポイント近くまで急速に上昇。
ポジション手仕舞いは円買い戻しにつながり円高となった。米債への資金流入が米長期金利を押し下げ、これもドル安円高要因となっている。
今回のSVB破綻が金融システム不安を高めているようだが、そうした事態にまではならないとみられる。
当該銀行は小さいとはいえないが、グローバルバンクが破綻するような事態にはならないとみられる。リーマンショック後の資本増強やリスク管理強化により安定性は確保されているはずだ。
ただ地銀や中小金融機関の規模では不透明。またリスクとして想定していた、ノンバンクを起点とする市場混乱は、本件がクレジットリスクの顕在化ではなく金利上昇リスクの顕在化で生じたものの、運用資産の価格下落、運用失敗から生じたという点では現実のものとなった。
今後は、運用リスク資産の見直し、売却などから、様々な市場で価格下落、ボラティリティの上昇が続く可能性がある。
またSVB破綻はFRBの金融引き締めスタンスにも影響を与える可能性がある。市場が混乱するなかFRBは急速な金融引き締めは回避する可能性がある。
本件は米国固有のリスク。米金利見通し、米金利先高感を修正し、結果として、このところのドル全面高は休止ないし反転調整する要因となる可能性がある。
上昇してきたドル円相場は当面頭打ちないし反転、推し戻されるリスクが生じた。
FRBのタカ派姿勢、利上げ強化・継続により、ドル円相場が135円~140円で年央まで高止まり、その後にドル安円高に転ずるとの見方に修正していたものの、今一度微調整が必要に。様々なリスクシナリオを考慮する必要がある。
ドル円相場は高原状態続け、そののちに急落するリスクシナリオ、足元からドル安円高に振れて130円~135円に押し戻されるシナリオ、さらに深押すリスク。確実なのは、従来よりも様々な市場のボラティリティが上昇、リスクが従来よりも高まった状態が続くとみられる点だ。
主要指標は、有料版「MRA外国為替レポート」にてご確認いただけます。
【MRA外国為替レポート】について