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FRB予測を上抜けた市場のドル金利先高感
  • MRA外国為替レポート

2023年2月28日号

◆先週の市場総括


先週は欧米の強い景況感指数、とくに週末には米国の強い個人消費・インフレ指標を受けて利上げ長期化観測が一段と強まった。

米長期金利は上昇。利上げを織り込んで2年債は4.8%台へ。10年債は一時4%目前に迫り3.95%へ。米金利先高感が強まりドルを押し上げた。

金曜日には注目の次期日銀総裁・植田氏に対する所信聴取が行われた。植田氏は現行の政策の副作用を意識しイールドカーブコントロールの修正を匂わせたが、なお金融緩和が必要との姿勢を示した。

日銀の政策変更への警戒が解けると円は下落。ドル円相場は週末の海外市場にかけて2円ほど上昇し136円台半ばで引け。ユーロ円相場も144円ちょうどに上昇した。

ユーロドル相場は前週末の1.06台半ばから1.05台半ばに下落。米国株は金融引き締め長期化懸念、景気悪化懸念、から大幅安。NYダウは前週末比▲1,000ドル安となった。日経平均はもみ合い。米国株安を受け27,000円台半ばでは上値が重かった。

月曜日の東京市場では日経平均は上値の重い値動き。午後は米市場休場を前に閑散小動きとなった。米金利高止まり、米ハイテク株下落が重石。引けは前週末比+18円高の27,531円。

ドル円相場は134円30銭で始まり134円ちょうど~20銭を中心に小動きもみ合い。夕刻に一時30銭に上昇したが押し戻されて欧州市場でも終始134円ちょうど~10銭で動意薄だった。引けは20銭~30銭。

ユーロ円相場も同様に緩やかに上下動。143円50銭~60銭で始まり20銭~60銭で上下したが欧州市場では143円ちょうど近辺に下落。

引けは持ち直し143円40銭~50銭。ユーロドル相場は1.0690で始まり1.0670~1.07ちょうどで上下し引けは1.0680~90。

火曜日の東京市場では日経平均は小幅安。前日の米国市場が休場だったことから手掛かり難。ただ米金融引き締め長期化懸念で警戒感が重石となった。引けは前日比▲58円安の27,473円。

為替市場では終始ドルが堅調。ドル円相場は134円20銭~40銭でもみ合いからじり高となり夕刻、欧州市場に入ると134円80銭に上昇した。その後は50銭~70銭で上下。

米国市場に入ると強い米国のPMI景況感指数を受けて135円20銭に上昇した。

ユーロドル相場は1.0680台で始まりじり安、ドルがじり高。夕刻から欧州市場では1.0650~60でもみ合い。欧州のPMI景況感指数も強めだったがユーロ高ドル安とはならず。

一方ユーロ円相場は143円40銭台で始まり夕刻には強い欧州PMIを受けて144円ちょうどに上昇。その後143円40銭近辺に反落したが、ドル円相場が135円20銭に上昇するにつれて144円20銭に上昇した。

ユーロ圏のPMI景況感指数(2月速報)は、製造業が48.5と前月48.8からやや悪化し予想49.3を下回ったが、サービス業が53.0と前月50.8から予想51.0を上回って改善した。総合指数は前月50.3から52.3へ改善。

ドイツも製造業は47.3から46.5へ悪化した一方、サービス業は50.8から51.3へ改善。

ドイツZEW景況感指数(2月)は期待指数が前月16.9から28.1へ予想23.0を上回って上昇。ユーロ圏も16.7から29.7へ改善した。

米国のPMIは製造業が前月46.9から47.8へ予想47.2を上回り、サービス業は46.8から50.5へ予想47.7を超え景況感の分かれ目である50も上回った。総合指数も46.8から50.2へ改善し50を超えた。

強い指標を受けて欧州長期金利が上昇。ラガルド総裁が3月会合で0.50%の利上げする姿勢を示したとの報道でECBの利上げ長期化観測が強まった。

また米国でも利上げ停止先送り観測が強まり長期金利が上昇。米10年債利回りは3.954%と4%に迫った。2年債利回りは4.729%と昨年11月末以来の高水準となった。

米国株は大幅下落。決算で業績先行き不透明感が強まるなか長期金利が上昇したことで大きく下押した。NYダウは一時▲700ドル超下落し引けは前日比▲697ドル安の33,129ドル。ナスダックは▲294ドル安の11,492ドル。

ドル円相場は134円70銭に下落したあとじり高で引けは135円ちょうど近辺。ユーロドル相場は1.0650近辺。ユーロ円相場は143円50銭に下落したあと引けは143円70銭。

水曜日の東京市場では日経平均が下落。前日の米国株が長期金利上昇から大幅安となり、グロース中心に売られた。下げ幅は一時▲400円超。円安一服で輸出関連銘柄の上値も重かった。米中関係悪化懸念からアジア株も軟調に推移したことも心理を悪化した。引けは▲368円安の27,104円。

為替市場ではドル円相場はアジア時間から欧米にかけて終始134円台後半で上下動。ユーロが欧米市場で下落。ドルは堅調。ユーロ円相場は一貫して軟調に推移した。

ドル円相場は東京市場で135円ちょうど近辺で始まり午前中に134円40銭に下落し、その後は戻して90銭近辺でもみ合い夕刻は60銭。欧州市場では135円ちょうどに反発したが40銭~60銭で上下したあと米国市場では堅調で135円ちょうどで引けた。

ユーロドル相場は1.0650~60で小動きのあと、欧州市場で1.0620台に下落、さらに1.06ちょうど近辺まで下落した。ドルインデックスは104.54に上昇。

ユーロ円相場は東京市場では143円70銭で始まり、概ね143円台後半で上下。欧米市場では143円10銭に下落したあと143円台前半で上下して引けは143円ちょうど。

フランス中銀総裁は、9月までの会合で利上げする義務は全くない、政策金利は引き締め水準に達している、と述べた。

ドイツIFO景況感指数(2月)は91.1と前月90.2から上昇したが予想91.2をわずかに下回った。

米国時間終盤にはFOMC議事録(1月31日、2月1日開催)が公表された。同会合では0.25%の利上げが実施され利上げ幅が縮小されたが、数人から0.50%の利上げを支持する意見があったことが明らかに。

ただ最終的には0.25%は全員支持。インフレリスクは上方、経済リスクは下方、とされた。

セントルイス連銀総裁は、引き続き5%超までの利上げが必要、としつつ、2023年にはインフレを抑制できる見込み、と述べた。

米長期金利は小幅低下。5年債入札が堅調で金利が低下したが、FOMC議事要旨でやや反発。10年債は3.92%、2年債は4.697%。米国株はまちまち。FOMC議事要旨は概ね予想通りの内容だったが、引き続き利下げ転換が遠のくとの見方が上値を抑制。

NYダウは前日比▲84ドル安の33,045ドル。ナスダックは+14ドル高の11,507ドル。

木曜日の東京市場は休場。アジア時間の為替市場は全般に小動き。ドル円相場は135円ちょうどで始まり134円80銭~135円ちょうどでもみ合いのあと、70銭~90銭にややレンジを下げて小動き。

ユーロ円相場は143円ちょうど~10銭でもみ合い夕刻は143円20銭台。ユーロドル相場は1.06ちょうど近辺から1.0620~30でもみ合いに。

欧州市場に入るとユーロがやや下落。ユーロドル相場は1.0590~1.06ちょうどでもみ合い。ユーロ円相場は142円80銭に下落。ドル円相場は135円ちょうどに強含み。

注目の米GDP(10-12月期)改定値は速報+2.9%から+2.7%へ下方修正、個人消費は+2.1%から+1.4%へ大幅下方修正となった。一方でデフレーター(インフレ率)は前期比+3.9%から+4.3%に上方修正された。

発表直後はデフレーターの上方修正に反応してドル高に振れたが、個人消費、成長率全体が下方修正されたことで景気懸念から長期金利が低下。

ドル円相場は反落した。134円60銭台~90銭で上下し、その後は50銭~70銭で上下、引けは134円70銭。ユーロドル相場は1.0620から1.0580へ下落し引けは1.06ちょうど近辺。

ユーロ円相場は143円50銭から142円60銭~70銭へ下落し引けは142円80銭台。米国株は反発。GDPデフレーターが上方修正されたことから利上げ長期化観測が強まりNYダウは一時▲250ドル安。

成長率下方修正で景気不安から債券が買われ長期金利は低下。米10年債は3.883%、2年債は4.702%に小幅低下した。

長期金利低下で株価は持ち直し、NYダウは前日比+108ドル高の33,153ドル、ナスダックは+83ドル高の11,590ドル。その他の経済指標は、シカゴ連銀全米活動指数(1月)は+0.23と前月▲0.46からプラスに改善し予想▲0.25を上回った。

週次の失業保険新規申請件数は前週194千件から192千件にわずかに減少し予想200千件を下回った。

金曜日の東京市場では日経平均は上昇。前日の米国株がしっかり。午前中に行われた植田次期日銀総裁候補に対する公聴会で金融緩和の継続姿勢が示されたことで安心感も強まった。引けは休日前比で+349円高の27,453円。

植田氏は、緩和継続姿勢を示す一方、現行の政策の副作用への配慮、修正を匂わせる発言もみられた。ドル円相場はやや円高に振れたものの発言内容はほぼ想定通りでもみ合い。134円70銭で始まり40銭~70銭で上下。その後夕刻にかけては60銭~80銭で推移した。

ユーロ円相場も同様。142円70銭で始まり40銭~70銭で上下。30銭から90銭に上昇したが、夕刻にかけて軟調で142円60銭。ユーロドル相場は動意薄。1.06ちょうど近辺で小動きもみ合い横ばいに終始した。

欧州市場に入ると円安が強まった。植田氏の発言で金融政策修正への警戒感が緩和、ハト派スタンスが確認され、イベント通過も手伝って円売りが活発化した。

ドル円相場は米国市場朝方にかけて135円80銭に上昇。さらに強い米インフレ指標を受けて136円50銭へ続伸した。その後は40銭~50銭で上下し引けは136円50銭。

ユーロ円相場は一貫してユーロ高円安。144円ちょうどまで上昇して引け。ユーロドル相場は1.0540へユーロ安ドル高となったあとは40~60でもみ合い引けは1.0550。ドルインデックスは105ポイントを回復した。

発表された米国の個人所得・消費支出(1月)は、前月比+0.6%・+1.8%と特に消費が高い伸びを示した。また消費支出物価指数は前年同月比で前月+5.4%に上昇。前月分が+5.0%から+5.3%に上方修正された。

またコア指数も+4.7%と上方修正された前月+4.6%から+4.3%への減速予想に反して加速。インフレ圧力の強さを示した。

米長期金利は上昇。10年債は一時3.98%をつけ引けは3.947%、2年債は4.816%に大幅上昇。市場では3月、5月、6月のFOMC会合で各0.25%、あと3回合計0.75%の利上げを織り込んだ。

米国株は下落。利上げ長期化見通しがさらに強まり景気悪化懸念とともに株価を下押した。NYダウは一時▲500ドル超下落して引けは▲336ドル安の33,816ドル。ナスダックは▲195ドル安の11,394ドル。

その他の指標は、新築住宅販売(1月)が季節調整済み年率換算670千戸と前月616千戸から増加。

ミシガン大学消費者信頼感指数(2月確報)は速報66.4から67.0へ上方修正。一方、1年期待インフレ率は速報4.2%から4.1%へ小幅下方修正された。

◆今週の3つの注目ポイント


1.米国の経済指標

今週から米国では重要経済指標の発表が多い。

月曜日 耐久財受注(1月、前月比、予想▲3.9%、前月+5.6%) ダラス連銀製造業活動指数(2月、前月▲8.4)

火曜日 ケースシラー住宅価格指数(12月、前年同月比、予想+4.6%、前月+6.8%) シカゴ購買部協会景気指数(2月、予想45.0、前月44.3) リッチモンド連銀製造業指数(2月、予想▲5、前月▲11) コンファレンスボード消費者信頼感指数(2月、予想108.5、前月107.1)

水曜日 ISM製造業景気指数(2月、予想48.0、前月47.4)

木曜日 週次の失業保険申請件数、単位労働コスト(10-12月期確報、前期比、予想+1.4%、前期+1.1%)

金曜日 ISM非製造業景気指数(2月、予想54.5、前月55.2)

このほかPMI製造業景況感指数(2月)の改定値が水曜日に、サービス業改定値が金曜日に発表となる。

2.ECB理事会議事要旨、ユーロ圏CPI

木曜日に2月2日に開催されたECB理事会の議事要旨が公表される。同会合では前日にFRBが0.25%に利上げ幅を縮小したのに対し、0.50%の利上げが実施された。

会合後の定例記者会見でラガルド総裁は、3月会合でも0.50%の利上げを示唆。ただ成長とインフレ見通しが一段と均衡してきた言及、市場では利上げ停止が近づいたとも受け止められた。

同会合ではどのような意見がみられたか。タカ派寄りかハト派寄りだったか。また同日にはユーロ圏CPI(2月速報、前年同月比、予想+8.2%、前月+8.6%、コア指数、同、予想+5.3%、前月+5.3%)が発表される。米国と異なりインフレ鈍化の継続が確認されるか。

3.日本の経済指標

理論派、経済動向に忠実に政策判断するとみられる植田総裁に交代することで、日本の景気物価動向も次第に注目を集めよう。

火曜日 鉱工業生産(1月速報、前年同月比、予想▲0.7%、前月▲2.4%) 小売売上高(同、予想+4.0%、前月+3.8%)

金曜日 都区部CPI(3月、除く生鮮食品、予想+3.3%、前月+4.3%) 失業率(2月、予想2.5%で前月と不変)

物価上昇率が抑制的な場合、円安が維持される可能性がある。

ほか、中国では水曜日にPMI景況感指数(2月、製造業、予想50.7、前月50.1、サービス業、前月54.4)、財新PMI製造業(同、予想51.3、前月49.2)、金曜日に財新サービス業PMI(予想54.8、前月52.9)が発表される。

◆今週のMRA's Eye


FRB予測を上抜けた市場のドル金利先高感

先週、市場のドル金利先高感がさらに強まり、12月のFOMCで示されたメンバー予測を大きく上回った。

現時点での市場コンセンサスは、3月、5月、6月、のFOMC会合で3回連続0.25%の利上げ、さらに7月会合でも3割ほどの利上げを織り込んだ。

さらに年内利下げの可能性はないと修正された。

FF金利の最終到達水準(ターミナルレート)は5.50%~5.75%まで見込むまでとなった。

12月時点でFOMCメンバーによる予測中心値は5.1%台であり、5.25%がターミナルレートとなっていた。3月、5月、の2回の0.25%利上げで終了という見方。市場の予測大勢はこの予測を大きく上抜けている。

この間の物価指標は、消費者物価指数(CPI)の上昇率鈍化が捗々しくなく、1月は総合指数が前年同月比+6.5%から+6.2%に低下する予想に対し、+6.4%と下げ渋り。

コア指数は、+5.7%から+5.5%への低下予想に対し+5.6%にとどまった。

生産者物価指数(PPI)も同様に、総合指数が+6.2%から+5.5%への低下予想に対し+6.0%、コア指数は+5.5%から+4.9%への低下予想に対し+5.4%と極めて小幅の低下。低下傾向を維持しつつもその勢いが鈍化し予想よりは高い数字となった。

これに対して先週発表された消費支出物価指数(PCEデフレーター、1月)は前月よりも上昇率が加速。低下傾向が続くとの見方を覆す数字となった。

総合指数は前月の+5.0%が+5.3%に上方修正され、+5.0%への低下予想に対し+5.4%に上昇率が加速。コア指数は前月が+4.4%から+4.6%に上方修正され、当月は+4.7%と加速した。

前月比が+0.6%と大幅となったことが、インフレ鈍化傾向の継続期待を大きく揺るがした。

個人所得の伸びは前月比+0.6%に加速、消費支出の伸びは+1.8%と高水準。クリスマス商戦にかけて11月、12月の数字が低迷していたことで、消費鈍化、インフレ鈍化、が期待されていたが、それが覆されている。

2月初に発表された1月の雇用統計は極めて強い数字だった。

非農業部門雇用者数は前月比+500千人を超える増加。概ね+200千人台で推移していたペースから急増。失業率は3.5%から3.6%への上昇予想に対し3.4%に低下。平均時給の上昇率は+4.6%から+4.4%へ鈍化したが比較的高い伸びを維持している。

ISM非製造業景気指数は49.6から50.5への改善予想に対し、これを大きく上回る55.2となった。新規受注指数が大きく上昇したことでサービス業の景況感が大きく改善していることが窺えた。

単月の数字で判断するのは尚早だが、ひとまずこれらの数字を総合してみれば、雇用所得の堅調が続くなか、消費が下支えられ、消費者物価の低下が抑制されたということになる。

サービス支出を中心に個人消費が堅調で、インフレ鈍化は一筋縄ではいかないことを示している可能性がある。市場は数字に敏感に反応し、先読みし、その見方もブレやすい。ここにきて政策金利見通しが大きく上方修正されたのはもっともだ。

問題は、こうした数字を受けてFRBもターミナルレートを上方修正するか。次回3月会合でメンバーの予測が示されるが、インフレ見通し、政策金利見通しが上方修正されるか。

パウエル議長がどのような見解を示すか。

すでにディスインフレ=インフレ鈍化が始まった、と発言しているが、その見方に揺らぎがみえるか。インフレ抑制は一筋縄ではいかない、との認識を示し、その道のりはでこぼこだ、とも述べていた。そうした認識であれば足元の数字に動揺することはないだろう。

一方、足元で上昇した市場の金利見通しにFRBメンバーの見解がサヤ寄せされる可能性もある。

この場合、市場はある意味で納得するかもしれないが、それで安堵することはなく、むしろ不安が広がる可能性がある。

FRBが政策判断を誤っている、見通しが甘い、インフレのコントロールができていないのではないか、という疑念が生じかねない。それにより市場は動揺する可能性がある。

足元でソフトランディング、あるいは景気堅調が続くノーランディングとの見方も強まっていた。しかし、利上げが一段と強化されれば再びハードランディングのリスクが強まる。

株式市場には、金利上昇と景気悪化、両サイドから下落圧力が強まる。金利志向で資金が流入したクレジット市場では信用スプレッドが縮小しているが、これが急拡大する可能性がある。

ボラティリティの上昇、クレジットスプレッドの拡大、となると、市場のシナリオ、投資ポジションが大きく動揺する可能性がある。

ファンド、年金基金、などがリスク資産を売却した場合、とくに流動性の低い市場では混乱が生じ、それが他市場に波及する可能性がある。

金融システム不安は高まっていないが、足元ではそうした金融市場混乱リスクが高まっていることには留意が必要だ。

為替市場においては、足元で強まるドル金利先高感、高止まり感、によってドルが堅調さを回復した状況が当面は続きそうだ。中期的にみればドル高局面は転換しドル安基調との見方を変える状況ではないが、その時期は遅延し、ペースは緩慢に。

現時点でドル円相場のリスクは上下双方に均衡。短期的にはドルが一段高の可能性もあるが、米経済がハードランディングとの見方が強まればドル急落という可能性もある。

金融市場混乱が生じた場合にはリスク回避でドルと円の双方が強い状況となり、足元でドル売り円買いが再び強まった状況では円買い戻しが強まろう。


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