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メインシナリオのロジックとリスク
  • MRA外国為替レポート

2023年2月6日号

◆先週の市場総括


先週は重要イベントが目白押し。火曜日・水曜日の2日間開催されたFOMCを前に週前半のドル円相場は小動き。130円を中心に概ね横ばい。

FOMCでは予想通り0.25%の利上げが実施され利上げ幅が縮小。パウエル議長はインフレ鈍化のプロセスが始まったとして想定よりもタカ派姿勢が弱く市場で早期利上げ停止期待が強まった。

ドル円相場は128円台前半に下落。ユーロドル相場は1.10へ上昇。ECBは木曜日に0.50%の利上げを実施し3月も0.50%の利上げを行う姿勢を示したが、ラガルド総裁が景気とインフレが均衡してきたとしたことで年央の利上げ打ち止め期待が強まった。

ユーロドル相場は1.09へ反落。週末に発表された注目の米雇用統計(1月)は極めて強い数字。早期利上げ停止期待が剥落して米長期金利が上昇。ドルを押し上げた。

ドル円相場は131円台前半に急騰。ユーロドル相場は1.08へ続落。米10年債利回りは3.4%近辺に低下していたが週末は3.52%。2年債は4.10%へ低下していたが4.29%に反発した。

米国株は個別決算を睨み、また週央までは利上げ早期打ち止め期待でハイテク株中心に堅調。ただ週末の雇用統計で金利が反発すると上値が重くなった。日経平均は米国株堅調に支えられ底固く27,500円の攻防となった。

月曜日の東京市場では日経平均は小幅高。前週の米国株が堅調だったことでしっかり。インフレ鈍化で過度な金融引き締めへの警戒感が後退。一方でイベント前に利益確定売りが上値を抑えた。

円高に振れたことも重石。引けは前週末比+50円高の27,433円。

ドル円相場は129円80銭で始まり130円30銭近辺に上昇したあと昼過ぎに129円20銭台に急落。令和国民会議(令和臨調)が、政府と日銀のアコード修正を提言。2%のインフレ目標を長期目標とし、金融政策の柔軟性、財政の健全性確保を求めた。

これを受けて日銀の金融政策修正期待が再燃した。ただその後は円高一服、129円40銭~70銭でもみ合い。さらに夕刻から欧州市場にかけては130円20銭まで反発した。

ユーロ円相場も同様の動き。141円ちょうど近辺で始まり60銭に上昇したあと140円60銭に急落。上下したあと夕刻にから欧州市場にかけては141円80銭へ上昇した。

ユーロドル相場は1.0860~70で動意なく小動きもみ合い横ばい。夕刻から欧州市場にかけてはユーロ高ドル安に振れて1.0910台へ上昇した。米国市場に入るとドルが堅調。

ドル円相場はじり高となり130円60銭まで上昇して引けは130円40銭近辺。ユーロドル相場は1.0840に反落して1.0850で引け。ユーロ円相場はじり安となり141円50銭で引けた。

発表されたダラス連銀製造業活動指数(1月)は前月▲18.8から▲8.4へ改善。ドイツGDP(10-12月期速報)は▲0.2%と前期+0.4%から予想外に減速した。

FOMCを前にこのところ軟調だったドルの買い戻しが強く、株式市場でもイベントを前に前週の堅調相場のあと利食い売りが優勢となった。

NYダウは前週末比▲260ドル安の33,717ドル、ナスダックは▲227ドル安の11,393ドル。米長期金利は小幅上昇。10年債利回りは3.542%、2年債は4.24%。

火曜日の東京市場では日経平均が3営業日ぶり反落。前日の米国株下落が重石。27,500円近辺では利益確定売りで上値重く、決算巡り個別物色となった。引けは前日比▲106円安の27,327円。

ドル円相場はイベントを前に方向感なく上下動。130円40銭で始まり10銭に下落したが持ち直し。夕刻にかけては130円20銭近辺でもみ合い。

ユーロ円相場も同様に141円50銭で始まり20銭に下落したあとは20銭~40銭で上下。欧州市場に入るとユーロ売りドル買いに押されて140円80銭に下落した。

ユーロドル相場は1.0850で始まり1.0830にじり安となったあと、欧州市場で1.08ちょうど近辺まで下落した。ただその後米国市場にかけては持ち直し1.0860。

米国で発表された雇用コスト指数の上昇率が鈍化。賃金インフレの鎮静化からFRBの利上げペースダウン期待がドルを圧迫した。

ドル円相場は129円80銭に下落。連れてユーロ円相場も140円80銭に下落した。ただドル安は早々に一服し持ち直し。ドル円相場は130円30銭に反発し引けは130円10銭近辺。

ユーロドル相場は1.0840~60で上下し1.0870に上昇したあと引けは1.0860。ユーロ円相場は141円40銭~50銭に反発して引けた。

米10年債利回りは一時3.50%を割ったが引けは3.51%。2年債は4.205%。

米国株は上昇。インフレ鎮静化、利上げペースダウン期待、長期金利低下が支え。個別決算・業績を睨んで上下した。ナスダックは前日比+190ドル高の11,584ドル。NYダウは+368ドル高の34,086ドルで引け。

雇用コスト指数(10-12月期)は前期比+1.0%と前期+1.2%から上昇鈍化。ケースシラー住宅価格指数(11月)は前年同月比+6.8%と前月+8.6%から上昇鈍化。シカゴ購買部協会景気指数(1月速報)は前月45.1から44.3へ予想44.9を下回って低下した。

消費者信頼感指数(1月)は前月108.3から小幅改善予想に反して107.1へ悪化した。

水曜日の東京市場では日経平均は小反発。米株高を受け朝方は一時+200円高も27,500円超では上値重く午後は下落。米ハイテク大手決算見極め、FOMC結果を前に様子見姿勢も強まった。引けは前日比+19円高の27,346円。

ドル円相場は130円10銭で始まり一時129円90銭に下落したが夕刻にかけては堅調で130円40銭に上昇。ユーロ円相場は141円40銭で始まり10銭近辺に下落して推移したあと夕刻は141円80銭に上昇。

ユーロドル相場は1.0860で始まり欧米市場にかけて一貫して堅調。夕刻は1.0890近辺。欧州市場から米国市場朝方にかけては円高・ドル安に振れた。

ドル円相場は129円80銭近辺に下落。さらにADP雇用報告、ISM製造業景気指数が弱い数字となると129円30銭に急落した。その後JOLT求職者数が強い数字となると一時129円70銭に反発したが30銭近辺に反落してもみ合いFOMC待ち。

FOMCの結果は予想通り利上げ幅は0.25%に縮小。声明文ではインフレ緩和を認めたが水準は依然として高いとされ、利上げ継続が適切との文言は維持された。

結果を受けて一時129円80銭台に上昇。ただパウエル議長が会見でディスインフレ(インフレ率の鈍化)のプロセスが始まった、と述べタカ派姿勢を緩和したととられた。

ドル円相場は128円60銭に急落。その後は戻して129円ちょうど近辺で引けた。ユーロ円相場の141円ちょうど近辺へ下落。もみ合いのあと、引けにかけて上昇し141円70銭で取引を終えた。

ユーロドル相場は1.0920まで上昇したあとFOMCの結果を受けて一時1.0890に下落したが会見で急反発し1.10ちょうどへ急騰。引けは1.0990。

ドルインデックスは101.16に下落して引け。米長期金利は低下。10年債は3.417%、2年債は4.100%。

米国株は早期利上げ打ち止め停止期待、長期金利低下を好感しハイテク株がしっかり。ナスダックは前日比+231ドル高の11,816ドル。

ADP雇用報告(1月)は雇用者数前月比+106千人と前月+235千人から予想より大幅に減少。ISM製造業景気指数(1月)は47.4と前月48.4から大きく悪化。一方、JOLT求人数(12月)は11,012千人と前月10,458千人から増加した。

木曜日の東京市場では日経平均は小幅続伸。前日の米国市場では長期金利低下を受けてハイテク株が堅調に推移したことから高PER銘柄が買われた。一方、円高が重石となり輸出関連株やバリュー株が軟調。引けは前日比+55円高の27,402円。

前日からのドル安の流れを受けてドル円相場は129円で始まり朝方128円20銭に下落。その後80銭に反発し夕刻にかけて40銭~80銭で上下した。

ユーロ円相場は141円70銭で始まり朝方20銭台に下落。その後に戻して60銭~70銭でもみ合い、夕刻にかけては40銭~80銭で上下した。

ユーロドル相場は1.0990で始まり1.1030へ上昇したあと1.1020近辺でもみ合い。その後1.0980~1.1000で推移。

欧州市場ではECB理事会とラガルド総裁会見を受けてユーロが下落。この日のECB理事会では予想通り、政策金利は2.50%から3.00%へ0.50%引き上げられた。ただラガルド総裁が会見で、3月も0.50%の利上げの移行を示すも、成長とインフレ見通しが一段と均衡した、と述べたことでタカ派スタンスが緩和したと解釈された。

欧州長期金利が低下しユーロを下押し。ユーロドル相場は1.0890へ。ユーロ円相場は140円10銭まで下落した。

ドル円相場は方向感なく高下。128円10銭に下落したあと10銭~40銭台で上下し、その後も128円90銭に上昇、20銭台に下落と振れて引けにかけてはじり高となり128円70銭。

ユーロドル相場は1.0910で、ユーロ円相場は140円40銭近辺で引けた。米10年債利回りも低下して3.402%。2年債は変わらず4.10%。

イギリス中銀もこの日3.50%から4.00%へ0.50%の利上げを実施。ただ据え置きを主張して2人の委員が反対した。

米国株は業績懸念の後退、長期金利低下でハイテク株が堅調。半導体株がしっかり。逆にヘルスケア、ディフェンシブ銘柄が軟調。ナスダックは前日比+384ドル高の12,200ドル、NYダウは▲39ドル安の34,053ドル。

発表された米国の労働生産性(10-12月期)は前期比+3.0%と前期+0.8%から上昇、単位労働コストは前期比年率+1.1%と前期+2.4%から低下してインフレ鈍化を示した。

金曜日の東京市場では日経平均は小幅続伸。米欧の金融引き締め緩和期待、米ハイテク株の上昇を受けて値がさ株中心に堅調。ただ雇用統計を前に午後は伸び悩み。引けは前日比+107円高の27,509円。

為替市場では米雇用統計を前に小動き。ドル円相場は128円70銭近辺でもみ合い横ばい小動きに終始。雇用統計発表前はやや下落して128円30銭台。

ユーロ円相場は140円40銭で始まり140円ちょうどに下落したが持ち直し140円50銭~30銭。ユーロドル相場は1.0910で始まり1.09を割ったが雇用統計前は1.0930~40でもみ合い。

注目の雇用統計(1月)は、非農業部門雇用者数前月比が+517千人と極めて強い数字に。前月も+260千人増に上方修正された。

失業率は3.5%から3.4%に低下。週平均労働時間も前月34.3時間から34.7時間に増加した。

一方、平均時給は前年同月比+4.4%と前月+4.6%から上昇率が鈍化した。極めて強い内容だったことから早期利上げ停止観測が後退。長期金利が上昇。ISM非製造業景気指数が強かったことも後押しとなりドルは急騰した。

ドル円相場は131円20銭へ。その後130円80銭に反落したが引けにかけては堅調となり131円20銭で取引を終えた。

ユーロドル相場は雇用統計直後に1.0830へ下落。その後は1.0810~70で大きく上下し、引けにかけては緩やかにユーロ安ドル高が進んで1.08ちょうど近辺で取引を終えた。

ユーロ円相場はドル高円安に押し上げられ142円40銭へ急上昇。ただ引けにかけては軟調となり141円60銭近辺で引けた。

米国株は早期利上げ期待が後退し長期金利が上昇したことが重石となりハイテク株中心に軟調。ナスダックは前日比▲193ドル安の12,006ドル。NYダウは▲127ドル安の33,926ドル。

米10年債利回りは3.519%へ、2年債は4.287%へ上昇した。

ISM非製造業景気指数(1月)は前月49.6から50.5への改善予想を上回り55.2と大幅に改善。雇用指数は49.8から50.0へ、新規受注指数は45.2から60.4へ、価格指数は68.1から67.8へ低下した。

◆今週の3つの注目ポイント


1 パウエル議長発言

火曜日にパウエル議長の発言機会がある。重要イベントが一巡したあとであらためてパウエル議長がどのような見解を示すか。

FOMC後の会見ではインフレ鈍化が始まったことを認め、タカ派的な発言を想定していた市場の予想よりもハト派な認識を示した。その後の雇用統計などを踏まえ、あるいは市場が楽観的な見通しを強めて金利先高感が後退する動きがみえるなか、それを牽制する発言となるか。

タカ派寄りに修正するか、引き続きややハト派的な発言にとどまるか。

2 日本の国際収支

水曜日に日本の国際収支(12月)が発表される。11月の経常黒字は所得収支が大幅黒字だったことから大きく黒字幅が拡大したが一時的とみられる。

12月は黒字が維持できるか。その程度か。あるいは赤字になるか。通関統計ベースの貿易収支には改善の兆しがみえるが、国際収支ベースではどの程度赤字が縮小するか。この間の円安の主要因だった対外収支の動向にもこのところの円高傾向を支える動きが確認できるか。

3 欧州の経済指標

先週ECBは0.50%の利上げを実施し、なお次回3月も0.50%の利上げ方針を示した。ただラガルド総裁はインフレと景気のバランスが一段と均衡してきた、として利上げ打ち止めが視野に入ってきたことも示した。

足元の景気鈍化が続き、金利先高感がさらに抑制されるか。

月曜日にドイツ製造業新規受注(12月、前年同月比、予想▲11.4%、前月▲11.0%)、ユーロ圏小売売上高(12月、前年同月比、前月▲2.8%)、火曜日にドイツ鉱工業生産(12月、前年同月比、予想▲1.9%、前月▲0.4%)、などが発表される。

ほか、日銀総裁の後任人事が当初10日金曜日に国会に提出される予定だったが、次週に持ち越しとなる見込み。

◆今週のMRA's Eye


メインシナリオのロジックとリスク

先週、FRBは利上げ幅を通常の0.25%に縮小。パウエル議長やFOMCメンバーはインフレ鈍化基調にあることを明確に認め、タカ派スタンスは後退。利上げ打ち止めが速ければ次回3月の会合、ないし遅くともその次の5月の会合になるとの見方が強まっている。

欧州ではECBがなお0.50%の利上げを続け、次回も0.50%の利上げを実施する見込み。ただラガルド総裁は成長とインフレが一段とバランスしてきた、として利上げ打ち止めが視野に入ってきたことを示唆した。

欧米の景気悪化・インフレ鈍化、利上げ打ち止めにより、相対的に円高傾向が続くというのがメインシナリオだ。

大きな流れを振り返れば、この間の景気・インフレ・金融財政政策・相場動向に大きな影響を与えたのはコロナ禍とウクライナ問題だ。

コロナ禍に対する金融政策のオーバーリアクション、過度な金融緩和とその修正である急速な金融引き締めに動き、それがようやく最終局面を迎えている。

財政政策では給付金など所得支援策がかえって消費を刺激し、また就労を停滞させ、とくにシニアの労働市場からの退出を促して人手不足をもたらした。

ただでさえコロナ禍による労働敬遠が生じやすいなか、人手不足を加速し、流通停滞やその結果として物流コスト上昇を招いた。そこにウクライナ問題によるエネルギー価格・農産品価格上昇が加わりインフレが加速した。

コロナ禍の収束とともに景気が急回復、さらに景気が過熱、資源高や物流コスト上昇、賃金上昇などに起因するインフレ高騰に対し、足元まで急速な金融引き締めが続いた。

それが、ここにきて金融引き締めの効果もあり循環的な需要過熱が一服。景気悪化・インフレ鈍化が明確になったことから金融引き締めが最終局面を迎えている。

ただ、なおインフレ警戒を完全に解いたわけではない。強い警戒を緩めた程度。ようやくインフレが加速しない程度に景気が鈍化。景気とインフレのバランスがとれてきたとの認識だ。

今後は、さらなる景気悪化・インフレ鈍化をにらんだ引き締め解除・利下げが想定される。

FOMCのメンバーの予想では来年、再来年、それぞれ1%の利上げが想定され、3%程度まで政策金利が低下するとされている。

現状を踏まえれば、利下げ開始はやや前倒しになる可能性が大きいのではないか。今年後半、秋にも利下げが実施される可能性がある。

ただ今回の利下げは景気浮揚のための「金融緩和」ではなく、「調整利下げ」となりそうだ。

インフレ警戒は維持しながら、インフレ鈍化に応じて政策金利を慎重に調整。金利を引き下げなければインフレ鈍化により「名目金利-インフレ率」である実質金利が上昇。金融引き締め強化となる。そのため政策金利を調整的に引き下げるかたちとなりそうだ。

これにより景気を過度に悪化させることなくソフトランディングが可能となる。現時点ではそうした「バラ色」のシナリオがメインシナリオとなりつつある。

こうした流れのなかで為替相場を振り返り、今後を展望すれば、昨年の急速なドル高円安はすでに折り返し、緩やかなドル安円高基調をたどるとの見方となる。

昨年秋までの急速な円安の背景は資本と貿易双方から生じた。資本面では、欧米のインフレ急騰・急速な金融引き締め、日銀の超金融緩和継続、その結果として内外金利差が急拡大。投機筋の円売り、国内投資家の海外投資が活発化し円安を招いた。

また貿易面では、資源農産品価格急騰により日本の貿易収支が急激に悪化。貿易赤字が急拡大し為替需給が大きく円売りに傾いた。これが足元でいずれも変化しつつあることがドル安円高基調とみる背景だ。

米国では景気悪化・インフレ鈍化トレンドが明確となっている。FRBは利上げ打ち止めから利下げ睨みへ。米長期金利は低下基調となりそうだ。

一方、日本のインフレ率は欧米に遅行して上昇。内外インフレ格差が縮小。日銀の金融政策修正が視野に入るのは当然だ。世界景気鈍化による資源価格調整により、日本の貿易赤字の縮小の兆しもみえる。ただFRBの利下げが景気配慮の積極的な政策転換による利下げではなく、「調整利下げ」にとどまるのならドル安円高の勢いは緩慢ということになるだろう。

こうしたメインシナリオに対するリスクは、景気とインフレのバランスが再び均衡を失うケースだ。

上振れケースは景気が想定よりも強く再びインフレ圧力が強まる場合。中国景気の回復が力強く、世界景気全体が押し上げられ、米国では雇用を中心に景気の底固さが維持され、利上げ打ち止めで景気鈍化にブレーキがかかる、などのケースだ。

昨年のような景気過熱には至らないまでも、米欧の金融当局は再びインフレ警戒に軸足を移すことになる。

利下げは見込めず、日本からみた内外金利差は縮小せず、むしろ長期金利ベースでは再拡大。資源価格の再上昇・高止まりなどで日本の貿易赤字は巨額のまま改善せずないし再拡大。昨年のようなドル高円安に戻るケース。

米国では再利上げではなく高金利維持となると想定するため、ドル円相場が昨年の高値150円台を試すとは想定しないものの、140円を回復する可能性は排除できない。

一方ダウンサイドにバランスを失うケースは、景気悪化が想定以上に強まり、インフレ率には低下圧力が強まるケース。

中国景気の持ち直しが捗々しくなく、欧米では利上げの効果が効きすぎ、雇用情勢が急速に緩和・悪化する場合。

このケースではFRBの利下げは「調整利下げ」ではなく、景気配慮の本格的かつ積極的な利下げとなる。

政策金利は速い段階で3%まで引き下げられる可能性が生じる。こうした景気情勢では資源価格は大きく調整するだろう。内外金利差は大きく縮小、日本の貿易赤字は大きく改善。ドル安円高の勢いは強まり110円を試す展開が想定される。

今のところリスクは上下バランスしているか、やや上振れリスクの方が勝っているようにみえる。ただ今のところメインシナリオの確度は7割程度、相応に高そうだ。


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