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米欧の金融政策に注目
  • MRA外国為替レポート

2023年1月30日号

◆先週の市場総括


先週のドル円相場は総じて130円を中心に方向感なく上下した。週初は堅調。129円台半ばで始まり火曜日には一時131円まで上昇した。強めのPMI景況感指数が支えとなり、中国景気回復期待がリスク選好を支えた。

しかし週央にカナダ中銀が利上げ幅を0.25%に縮小し利上げ停止を示唆するとFRBの利上げペースダウンや近々の利上げ打ち止め観測が強まりドルを圧迫。10-12月期のGDPが強くソフトランディング期待が強まったことでドルは支えられたが週末には反落。

東京都区部の1月のCPIが前年同月比+4.3%に予想以上に上昇し日銀の金融政策修正への思惑が強まった。

一方で米国の個人消費支出価格指数(12月)はコア指数が前年同月比+4.4%に低下。ドル円相場の上値が重くなり週末は129円80銭台で取引を終えた。

米10年債利回りは3.5%近辺で横ばい。米国株は堅調。インフレ鈍化、ソフトランディング期待、中国景気回復期待が下支え。

そうしたなか個別決算で上下した。日経平均はドル円相場が安定するなか米国株堅調が支えとなり週後半は27,000円台前半で推移。ただ翌週に重要イベントを控え次第に様子見姿勢が強まった。

月曜日の東京市場では日経平均が上昇。週末の米国株がハイテク中心に堅調。ドル高円安に振れたことから、値がさ株、半導体関連株がしっかり。前週末比+352円高の26,906円で引けた。

ドル円相場は129円60銭近辺で始まり昼頃には129円ちょうど近辺に下落。ただその後夕方にかけては130円30銭近辺まで円安ドル高が進んだ。ユーロ円相場も140円60銭で始まり50銭~80銭で上下したあと142円ちょうど近辺まで円安ユーロ高。

この日、日銀は先日の金融政策決定会合で導入を決めた共通担保オペを実施。応札は良好。

これを受けて銀行が国債を購入するとの思惑から長期金利が低下。円安要因となった。欧州市場では一時129円60銭に反落したものの米国市場朝方にかけて130円90銭近辺まで円安ドル高が進んだ。その後は上昇一服となったが130円60銭~70銭で引け。

ユーロ円相場も141円30銭に下落したあと141円90銭~142円ちょうどで引けた。ユーロドル相場は東京市場では動意薄。1.0860で始まり夕刻は1.0900~20とややユーロ高ドル安。

ECB理事が2月の理事会で0.50%の利上げも議論の余地があると発言しユーロを支えた。

その後はドル高に押されて1.0850に反落。米国市場の引けにかけてはじり高となり1.0870近辺。

米国市場ではWSJ紙が、今春の利上げ停止のため労働需要、支出、インフレ鈍化がどの程度必要か検討を開始、と報じたことで利上げ停止期待が高まった。

これを受けてハイテク株が堅調。ナスダックは前週末比+223ドル高の11,364ドル。NYダウは+254ドル高の33,629ドル。米10年債利回りはやや上昇して3.519%、2年債は4.232%。

IMFは、世界経済悪化は数か月前の予想ほどではない、とした。

火曜日の東京市場では日経平均が3営業日続伸。前日に米ハイテク株が上昇、半導体関連株を支えた。春節で中国景気回復期待も高まり景気敏感株もしっかり。上げ幅は一時470円に達した。

しかし引けにかけては利益確定売りで伸び悩み。終値は前日比+393円高の27,299円。

ドル円相場は130円60銭~70銭で始まり夕刻まで軟調。129円70銭台に下落した。ユーロ円相場も同様に142円ちょうどで始まり欧州市場では141円30銭まで下落。ユーロ円相場は1.0870~80で始まりもみ合い横ばい。

欧州市場で一時1.09ちょうど近辺に強含んだが1.0850へ反落した。

発表されたPMI景況感指数(1月速報)は、ユーロ圏製造業が前月47.8から48.8へ、サービス業が49.8から50.0へ改善した。ドイツは製造業が47.1から47.0へほぼ変わらず。サービス業が49.2から50.4へ改善。

一方、米国は製造業が46.2から46.8へ、サービス業が44.7から46.6へ改善したがいずれも50を割り込んだ状態が続いた。

米国のリッチモンド連銀製造業指数(1月)は前月の1から▲5への悪化予想に対し▲11と下振れ。ドル円相場は米PMIの改善で一時131円10銭に上昇したが、いずれも50割れかつリッチモンド指数が弱く急反落して129円90銭。

ユーロ円相場も連れて142円20銭に急上昇したあと141円30銭に急反落。その後は落ち着きやや円安に振れて引けはドル円相場が130円10銭~20銭、ユーロ円相場が141円60銭近辺。

ユーロドル相場は1.0840に下落したあと反発して1.0880~90で引け。米長期金利はPMI改善も景況感の分かれ目である50割れが続きリッチモンド連銀製造業指数が下振れたことで低下。

10年債利回りは3.455%、2年債は4.210%。米国株は長期金利低下も景気業績懸念や利益確定売りで上値重い展開。NYダウは前日比+104ドル高の33,733ドル。ナスダックは▲30ドル安の11,334ドル。

水曜日の東京市場では日経平均が小幅ながら4営業日続伸。朝方は利食い売りに押されたが景気敏感株が幅広く買われた。引けは前日比+95円高の27,395円。

ドル円相場は130円10銭~20銭で始まり午後にかけて堅調。上下しながら60銭に上昇し40銭~60銭で上下。ユーロ円相場も141円60銭で始まり142円20銭近辺に上昇してもみ合い。

ユーロドル相場は1.0880~90で始まり小幅高。1.09ちょうど~1.0910近辺でもみ合い。欧州市場に入るとユーロ安、円高が進んだ。ユーロ円相場は140円80銭まで下落。ドル円相場は129円60銭へ。ユーロドル相場は1.0860へ下落した。

発表されたドイツIFO景況感指数(1月)は前月88.6から90.2に改善したが予想90.6は下回った。改善は4ヵ月連続。

米国市場朝方には円高・ユーロ安一服、円安に振れてドル円相場は130円ちょうど近辺、ユーロ円相場は141円40銭近辺。その後は米利上げ早期打ち止め期待が強まりドル円相場が129円30銭近辺に下落。ユーロドル相場は1.0920へ戻した。

この日カナダ中銀が政策金利を4.25%から4.50%へ0.25%利上げ。ただ利上げを停止すると表明。利上げが十分か検討するとして打ち止めを示唆した。

また状況が正常に戻るなかある時点で緩やかな利下げが検討される、との見方も示した。

これにより米国でも利上げ打ち止め、さらには先々の利下げ期待が強まりドルを押し下げた。ドル円相場の引けは129円50銭~60銭。ユーロドル相場は1.0910~20。

ドルインデックスは101.63に下落した。ユーロ円相場は下げ止まり141円40銭~50銭。米国株は概ね横ばい。マイクロソフト社の決算で売上見通しが予想を下回りハイテク関連株の上値が重かった。引き続き個別企業の決算待ち。NYダウは前日比+10ドル高の33,743ドル。ナスダックは▲20ドル安の11,313ドル。

木曜日の東京市場では日経平均が小幅反落。1ヵ月ぶりの高値をつけたことで戻り売りが優勢となった。全体的には個別物色でまちまちの動き。円高で輸出関連株の上値が重かった。引けは前日比▲32円安の27,362円。

ドル円相場は129円50銭~60銭で始まり10銭近辺に下落したあと129円台前半で上下し昼過ぎに129円ちょうど近辺。その後夕刻、欧州市場朝方にかけては130円ちょうど近辺まで上昇した。

ユーロ円相場は141円40銭~50銭で始まり141円割れ。その後下げ止まり夕刻には141円70銭に反発した。ユーロドル相場は1.0910~20で始まり小動きもみ合い。欧州市場から米国市場にかけてはドルが堅調、ユーロが軟調。

発表された米国の10-12月期GDP速報は前期比年率+2.9%と前期+3.2%から減速したものの予想+2.6%を上回った。

耐久財受注(12月)も前月比+5.6%と前月▲1.7%から加速して予想を上回った。米国景気悪化懸念の後退で米長期金利が上昇。ドルを押し上げた。

ドル円相場は130円60銭へ、ユーロドル相場は1.0850へ。その後はドル高一服。ドル円相場は130円20銭、ユーロドル相場は1.0890で引け。ユーロ円相場は141円台前半では底固く、上下しながら引けは141円90銭に上昇。

米国株は景気悪化懸念の後退で上昇。ソフトランディング期待が強まり投資家心理が改善した。NYダウは前日比+205ドル高の33,949ドル、ナスダックは+199ドル高の11,512ドル。米10年債は3.502%、2年債は4.187%。

金曜日の東京市場では日経平均は底固く前日とほぼ同水準わずかに上昇。米国株が底固く推移したことで買い先行。一方、最近の上昇で利益確定売りも相応に上値を抑えた。

翌週の重要イベントを前に全般に様子見。引けは前日比+19円高の27,382円。

ドル円相場は130円20銭で始まり朝方円高。発表された東京都区部のCPI(1月)が除く生鮮食品ベースで前年同月比+4.3%と前月+4.0%から上昇が加速し+4.1%の予想を上回った。日銀の金融政策変更への期待が高まり円高が進んだ。

ドル円相場は129円50銭に上昇。その後は70銭近辺を中心にもみ合い。ただ夕刻から欧州市場にかけては反発し130円20銭に戻した。

ユーロ円相場も同様に141円90銭で始まり朝方141円10銭に下落。その後は10銭~50銭で上下し夕刻は141円30銭。ユーロドル相場は1.0890で始まり1.09手前で小動き上下動。

米国市場ではドルの上値は重く、円は総じて堅調に推移した。

発表された米国の個人所得・消費支出(12月)は前月比+0.2%・▲0.2%と所得の伸びは予想通りも支出は予想より弱かった。インフレを考慮した実質消費支出は前月比▲0.3%と前月▲0.2%から減少が加速。

注目の消費支出価格指数は前年同月比+5.0%と前月+5.5%から上昇鈍化。コア指数も前月+4.7%から+4.4%へ鈍化した。

これによりFRBが利上げをペースダウンするとの見方が一段と強まった。

ドル円相場は一時129円60銭に下落。その後は戻して129円80銭~90銭で推移して引けた。ただユーロドル相場は反応しきれず一時1.0830台に下落するなど上値重く引けは1.0870近辺。

ユーロ円相場は140円80銭台に下落するなど円買いが勝った。引けにかけては戻して141円10銭~20銭。

米国株は小幅高。インフレ鈍化や利上げペース鈍化期待が支えとなり、好決算銘柄に買いも入ったが、翌週の重要イベントや主力ハイテク企業決算を前に動意薄だった。

NYダウは前日比+28ドル高の33,978ドル、ナスダックは+109ドル高の11,621ドルで引け。米10年債は3.507%、2年債は4.201%。

発表されたミシガン大学消費者信頼感(1月)確報は、64.9と速報64.6から上方修正。期待インフレ率1年は速報4.0%から3.9%に、5年-10年も3.0%から2.9%に下方修正された。

◆今週の3つの注目ポイント


1.FOMC、パウエル議長会見

火曜日・水曜日の2日間、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催される。今回は利上げ幅を前回0.50%からさらに縮小。FF金利誘導水準は4.25%-4.50%から4.50%-4.75%へ0.25%引き上げられるとの見方が大勢。

すでにFRB当局者から0.25%の利上げを支持する発言が散見される。

パウエル議長が会見でどのような見通しを示すか。次の焦点は利上げ打ち止め水準、時期、さらに利下げ開始がいつになるか。次回会合で最後となるか、何等かの示唆があるか。前提となる景気物価見通しはどうか。

2 米国の経済指標

米国では景気悪化・インフレ鈍化基調が続く。ただ雇用は底固さを示しており、景気悪化の深度は浅くなるとのソフトランディング期待も強まっている。今週は重要指標が相次ぐ。景況感は持ち直し予想が多い。

景気先行き見通し、さらに金利見通しにどう影響するか。

月曜日 ダラス連銀製造業活動指数(1月、前月▲18.8)

火曜日 雇用コスト指数(10-12月期、前期比、予想+1.2%、前期+1.2%) ケースシラー住宅価格指数(11月、前年同月比、予想+6.9%、前月+8.6%) シカゴ購買部協会景気指数(1月、予想48.9、前月45.1) 消費者信頼感指数(1月、予想108.9、前月108.3)

水曜日 ADP雇用報告(1月、雇用者数前月比増減、予想+155千人、前月+235千人) ISM製造業景気指数(1月、予想48.2、前月48.4) JOLT求職者数(12月、予想10,200千人、前月10,458千人)

木曜日 労働生産性、週次の失業保険申請件数

金曜日 ISM非製造業景気指数(1月、予想50.5、前月49.6) 雇用統計 1月、非農業部門雇用者数・前月比、予想+175千人、前月+223千人 失業率、予想3.6%、前月3.5% 平均時給、予想+4.4%、前月+4.6%

3 ECB理事会、BOE金融政策決定会合

木曜日にECB理事会が開催されラガルド総裁が定例会見を行う。今回の会合では政策金利を2.50%から3.00%へ0.50%引き上げると予想されている。利上げ幅はFRBを上回る見通し。

インフレにようやく鈍化の気配もみえるがなお水準は高く、景気見通しがやや改善するなか今後の政策金利見通しはどうか。

ラガルド総裁がどのような見通し、スタンスを示すか注目される。またBOE(イギリス中銀)は水曜日・木曜日の2日間、金融政策決定会合を開催。今回は3.50%から4.00%へ0.50%引き上げる見通し。

ほか、米国では決算発表が続く。中国のPMIが火曜日に、民間調査の財新PMIが水曜日(製造業)、金曜日(サービス業)に発表され、中国景気回復期待が強まるか注目。

◆今週のMRA's Eye


米欧の金融政策に注目

今週は米欧で金融政策決定会合が相次ぐ。FRBは0.25%の利上げ、ECBとBOEは0.50%の利上げが予想されている。

ここにきて米欧の利上げ幅が逆転することとなりそうだ。限界的な欧米の金融政策格差がユーロ高ドル安を促すか、ひいてはドルインデックスの下落を促すか。あるいはすでに織り込み済みのため反応は薄いか。

昨年末来のドル安円高が米長期金利の低下を上回っており、ドル円相場の米長期金利離れが指摘されている。

その原因を日銀の金融政策修正、長期金利の上昇とみる見方も多い。ただドルインデックスも同様に下落。ドル円相場とドルインデックスはパラレルに下落しており、円高ではあるがドル安でもある。

ドルインデックスの大勢を占めるのはユーロドル相場。ユーロドル相場の米長期金利離れという面もある。

背景には欧州金利の先高感や長期金利上昇。米欧金利差の縮小、とくに政策金利動向を反映しやすい2年債利回りの金利差縮小がユーロ高ドル安に影響しているとみられる。

米欧の金融政策のギャップをもたらしているのは景気物価動向の相違。金融政策を左右するインフレ動向は、米国の物価上昇の勢いを欧州が上回っている。すでに米国ではインフレ鈍化が明確。川上から川下へインフレ鈍化が広がっている。

生産者物価指数は昨年3月に前年同月比+12%に迫るまで上昇したが直近は+6%近辺まで低下。消費者物価指数はそれに遅れて昨年6月に+9%台に上昇してピークをつけたあと+6.5%まで低下した。

これに対してユーロ圏では消費者物価指数は昨年10月まで上昇。ピーク+10.6%をつけた。そこから年末にかけてようやくピークアウトしつつあるが、なお水準は+9.2%と高水準だ。

米国では物価上昇のペースは速いが鈍化も速い。ユーロ圏では上昇のペースは米国と同様で、上昇は長期化し水準も上回った。ピークアウトのタイミングにラグがあり、今後の鈍化の勢いにも懸念が残る。

一方、景気に関しては米国経済の悪化ペースが際立つ。

雇用情勢に底固さもみられるなかソフトランディング期待が残る。これに対しユーロ圏ではエネルギー供給不安から景気悪化懸念が根強く、物価高騰と景気悪化、スタグフレーションに陥るのではないか、との懸念が強かった。

それがここにきて想定外の暖冬で景況感は改善。予想より景気悪化が緩和するとの見方が強まっている。

一般的にも、米国経済には柔軟性・機動性があるのに対し、欧州経済は相対的に硬直的で物価には粘着性がある。

こうした欧米の物価動向におけるタイムラグ、欧米それぞれの景況感の変化、がFRBとECBの金融政策の相違をもたらしている。FRBの昨年の利上げは俊敏で極めてペースが速かった。

経済全体への信頼感があることから、インフレ抑止重視で金融政策を修正し利上げを加速させた。

これに対しECBは景気にも配慮して利上げ加速は限定的で利上げペースは相対的に緩慢だった。FRBは速く利上げ、早くピークアウト。ECBは緩慢に利上げ、ピークアウトは遅延、となりそうだ。

こうした金融政策のタイムラグが、当面は米欧金利差の縮小につながり、ユーロドル相場を支え、ドルインデックスを軟調にする要因となりそうだ。ただやや長い目でみれば、欧州経済のリスクから利上げが秋以降まで長期化するとは考えにくい。

金融政策格差、金利差のユーロ優位は解消するとみられる。その後はFRBの利下げが早期に到来するかどうか。それによりユーロ高ドル安が継続するか、ドルインデックスの軟調が継続するかが左右されよう。そのタイミングやそうした状況が到来するかどうかは現時点で不明確だ。

ドル円相場の米長期金利離れのもうひとつの要因である円高、市場の日銀の金融政策見通し対する見方の変化も同様にタイムラグに起因する。日本の消費者物価指数の上昇はなお続いている。

東京都区部の1月の物価上昇率は生鮮食品を除くベースで前年同月比+4.3%まで上昇した。上昇率は加速している。足元ではなお値上げの動きが続き、今後しばらく上昇加速が続きそうだ。

米国の消費者物価上昇率を日本の上昇率が上回る可能性もある。日本では円安によるコスト上昇の影響が残るなかでも、需給が緩慢ななかで企業の価格転嫁が遅延。少しずつ様子見ながら値上げが実施されている。

さらにようやく春闘で大企業を中心に有意な賃金上昇がみられそうだ。こうした状況が金融政策に反映されれば、遅ればせながらイールドカーブコントロール撤廃、さらにマイナス金利解除まで視野に入る。日米金融政策のタイムラグはドル安円高方向に働きそうだ。

ただ日米間のタイムラグはいずれ解消され、やがて円高圧力の緩和となる。イールドカーブコントロールの撤廃でも、日本の10年債利回りは1%程度までの上昇となりそうだ。

すでにスワップレートがそこまでの上昇を織り込む局面があった。また日本の銀行株の急騰をみれば、マイナス金利の解除までは織り込まれているとみられる。それが為替市場でも同様に織り込まれていれば円高圧力は限定的ということになる。

メインシナリオは緩やかなドル安円高、バイアスはドル安円高方向、これに対するリスクは上下同程度。想定ほどドル安円高にならないリスク。

ドル円相場が横ばい圏で推移する可能性。もう一方は、想定以上にドル安円高になるリスク、ドル円相場が120円割れに下落していくリスク。

ドル円相場の帰趨はやはりドル金利がどこまで低下するか、その背景である米国経済の悪化がどの程度となるか、とくに雇用賃金情勢がどの程度悪化するかによる。

米国の雇用統計の重要度、注目は一段と高まる。


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