米ISM非製造業指数ショックによるドル安で総じて堅調
- MRA商品市場レポート
2023年1月9日 第2365号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米ISM非製造業指数ショックによるドル安で総じて堅調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格は高安まちまちながらも総じて堅調、という印象。
米雇用統計は市場予想を上回る改善となったが、その後発表された米ISM非製造業指数が想定を遙かに上回る悪化となったため、米国のサービス業の景況感悪化が意識される形となった。
昨日の雇用統計は、労働参加率の上昇に伴い雇用環境のタイトさが緩和、賃金の伸び率の低下や不完全失業率の低下も確認され、徐々に雇用環境が改善していることを示唆する内容で「強い統計ながらも、雇用情勢にとってはプラス」「インフレ抑制に寄与する」と期待された。
しかし、雇用統計は「経済動向のバックミラー」的な統計であり、過去のもの。それに対してISM非製造業指数はフォワードルッキングな指標であり、今後のサービス業の景況感が悪化することを示唆する内容だった。
一方で、仕入価格や販売価格は高止まりしており、緩やかながらも米国が利上げを継続しなければならないことも示唆する内容だった。
この結果、米国が最大消費国であるエネルギーは需給ファンダメンタルズ要因が金融要因を上回ってドル安進行下でも下落。一方で、中国が最大消費国であったり、基本的に現物需給はタイトにならない金などはドル安が価格を大きく押し上げた。
やはり、景気の減速に従って景気循環系の商品価格が下落する、という見通しは堅持してよいが、消費地の差による値動きの乖離は今後も続くことになろう。
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