統計減速と米利上げ継続で手仕舞い売り
- MRA商品市場レポート
2022年12月19日 第2350号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「統計減速と米利上げ継続で手仕舞い売り」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格は総じて軟調な推移となった。日米欧のPMIが発表され、欧州は前月から概ね改善が見られたものの、各国・地域とも好不況の閾値である50を下回っており、景気循環通りの減速が見られていることが、景気循環系商品需要の減少に繋がる、との見方が強まったことが背景。
しかし、この状況においてもインフレは減速しつつも高い水準を維持しており、のこり75bpではあるがFRBは利上げを継続する見通しであることが市場参加者の弱気を誘った。
そもそも「利上げペースの鈍化」を材料にリスク資産価格が上昇することの方が違和感があり、利上げ継続・足下の統計悪化であれば価格が下落しないと辻褄が合わない。クリスマス休暇前の駆け込み、とも言える。
来年の市場は上期中が景気減速と各国のリオ上げがどこまで起きるかがテーマであり、後半はこれまで強く意識されてきた「脱炭素」「脱ロシア」「東西対立」「中国・インドの近代化」に伴うインフラ投資がどの程度出るのか、に焦点が当たることになる。大きな流れでは、「下落→上昇」がメインシナリオだ。
ただ、昨日閉幕した中国の中央経済工作会議は経済支援に舵が切られており、場合によると年初から工業金属が上昇する可能性はある。ただ、同国の財務体力はそれほどあるわけでは無く、かつ、ゼロコロナ解除に伴う感染拡大が再びロックダウンをもたらす可能性もあり、不透明感は強いままだ。
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