ISM・PCEの減速で総じて堅調
- MRA商品市場レポート
2022年12月2日 第2338号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ISM・PCEの減速で総じて堅調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格は総じて堅調な推移となった。注目の米PCEデフレータが物価上昇ペースの鈍化を示唆する内容で、FOMCでの利上げペースが鈍化するとの期待が高まり、その後発表されたISM製造業指数も在庫と生産を除く全ての指標が閾値の50を下回ったことで、市場参加者のFOMCでの大幅利上げはないとの見方が強まったことが上げを助長した。ファイナンシャルな面での価格上昇といえる。
しかし、粘着質なインフレは継続しており、帰属家賃などの上昇は続き、サービス業の回復でこちらの分野の雇用はタイトな状態が続いていること、何より前年比で5%内外の物価上昇率であれば利上げを継続することは是とされるため、昨日の商品価格の上昇はやや過剰であった感は否めない。
ただ、中国で徐々にゼロコロナ政策を修正する方向に舵が切られているように見えること(同時にロックダウンは継続しているため、「ように見える」と表現している)も、景気循環系商品価格を押し上げていることも事実である。
恐らくこの状態だと、パウエル議長の主張するように利上げの幅は拡大しないものの、利上げ期間が長くなるという可能性は高くなったと考えられる。
商品市場では期待インフレ動向が価格に影響を与えるため、12月4日のOPECプラス、5日が期限とされるロシア産原油に対する上限設定問題の行方が注目される。
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