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景気減速と中国懸念で景気循環系商品は総じて軟調
  • MRA商品市場レポート

2022年11月28日 第2335号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「景気減速と中国懸念で景気循環系商品は総じて軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品価格はエネルギー価格が引き続き調整、ロックダウンの動きによる中国の経済成長への不安から非鉄金属を初めとする工業金属価格も下落した。

基本的には景気の循環による景気減速が見込まれていることから、景気循環系商品の水準は低下しやすい。ただし、非鉄金属は中国の不動産業者向けの支援への期待から先行して上昇しており、弊社の想定よりもまだ価格はかなり高い。

一方で、OPECプラスの減産の影響とロシア産原油への価格上限設定、購入制限などの影響で高止まりするとみていた原油価格は大幅に下落している。これはロシアに対する制裁が今の交渉の状況だとややなし崩し的になり、供給への懸念が後退していることによる。

11月末を意識したポジション解消の動きと、中国のコロナ感染者数が過去最大に膨れ上がっており、各地で暴動も発生していることが世界景気減速への懸念をさらに強めていることも要因だろう。

また、OPECプラスが増産を検討している、と報じられていることも価格を押し下げている。これはバイデン政権がカショギ氏暗殺問題を不問にする方針を示したことでムハンマド皇太子の態度が軟化したため、と言える。

この場合、来年のOECD在庫水準が増加するため、弊社予想価格も下方修正する必要が出てくる。12月4日のOPEC閣僚会合は注目である。

また、12月15日のFOMCでは50bpの利上げが見込まれているが、サプライズはないとみている。しかし、問題は非常にタカ派になっているパウエル議長が「緩やかな利上げを継続する」場合のリスクは意識しなければならない。

とはいえ、市場は早くもクリスマスを意識した動きに移行しつつあり、売買の薄い中で値を飛ばしやすい展開になっていくと予想される。


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