ドル高ピークアウト~焦点は米国景気へシフト
- MRA外国為替レポート
2022年11月14日号
◆先週の市場総括
先週は週末にかけて大きくドル安・円高が進んだ。前週末の米雇用統計がまちまちの内容となったことから、FRBが利上げペースを緩めるとの期待が強まりドルの上値が重い展開。
注目の米中間選挙では民主党が予想外に健闘し、法人増税が難しくなるなどビジネスよりの政策がとられるとの期待が後退。株価は反落。米長期金利は低下。
ドル円相場は146円台中心に上下。145円台は底固い値動きとなった。
そうしたなか木曜日に発表された注目の米消費者物価指数CPI(10月)は市場予想を大きく下回り上昇率が鈍化。FRB当局者から利上げペースダウンを示唆する発言が相次ぎ、米長期金利が大きく低下。10年債利回りは4%を割り3.82%まで低下した。
ドルは上値の重い値動きが続いていたが、CPIを受けて急落。ドル円相場は140円台へ急落。ユーロドル相場は1.02台へ上昇。週末にはさらにドルの手仕舞い売り、円買い戻しが広がり、ドル円相場は138円台半ば、ユーロドル相場は1.03台半ば、ユーロ円相場は143円半ばで引けた。米国株は利上げペースダウン、景気悪化懸念後退から木曜日に急騰。日経平均も週末は28,263円と高値引け。
月曜日の東京市場では日経平均が上昇。前週末の米雇用統計がまちまちの内容でFRBの金融引き締め強化への警戒感が解け米国株が堅調に推移したことが支え。値がさ株中心に買われた。
ただ上値警戒感は解けず伸び悩み。引けは前週末比+327円高の27,527円。
中国のコロナ政策は規制緩和の報に対しゼロコロナ政策は不変との報も。
発表された中国の貿易統計(10月)は輸出入ともに前年同月比やや減少となった。ドル円相場は147円20銭で始まり朝方146円70銭に下落。その後は反発して147円20銭近辺を中心にもみ合い。
ユーロ円相場は堅調。145円70銭で始まり右肩上がり。夕刻から欧州市場にかけて146円80銭に上昇した。ユーロが堅調、ドルが軟調。
ユーロドル相場は0.9910で始まりその後は0.9930~40中心にもみ合ったが欧州市場に入ると1.00(パリティ)近辺に上昇した。
ドル円相場は147円60銭近辺に上昇していたが、146円50銭割れに下落した。その後80銭に反発したものの米国市場にかけて146円10銭に下落。米10年債利回りが4.13%に低下したのに押された。
ユーロドル相場は0.9970に押したが1.0030へ上昇。引けはやや押して1.0020。ドル円相場は米10年債利回りが反発したことで下げ止まり146円70銭に反発し引けは146円60銭近辺。
ユーロ円相場は146円10銭に押したが米国市場でも堅調で146円90銭~147円ちょうどで推移した。
米10年債利回りは4.211%、2年債は4.719%と高止まり。リスク選好が強まり株高・長期金利上昇となるなかドルは下落した。
米国株は中間選挙を前に様子見姿勢が強かったが、支持率維持のため法人増税案が見直しになるとの期待から上昇。NYダウは前週末比+423ドル高の32,827ドル。ナスダックは+89ドル高の10,564ドル。
火曜日の東京市場では日経平均は続伸。米中間選挙による議会共和党優勢で増税策が滞るなど企業に不利な政策が実現する可能性が後退したとの見方が強まり株価を後押し。日本株にも買いが広がった。引けは前日比+344円高の27,872円。
ドル円相場は146円60銭~70銭で始まり朝方30銭に下落。ただすぐに反発して60銭~80銭で上下し夕刻には146円90銭台に上昇した。
ユーロ円相場は146円90銭~147円で推移し夕刻はやや下落して146円70銭。ユーロドル相場は1.0020~30で推移したあと欧州市場にかけてじり安。さらに円買い戻しが進んで146円20銭に下落した。
ドル円相場も146円20銭割れに下落。ユーロドル相場も0.9970に小幅下落した。
米国株は続伸。中間選挙の結果で増税案が進まずとの見方が支え。NYダウは前日比+333ドル高の33,160ドル。ナスダックは+51ドル高の10,616ドル。米10年債利回りは4.142%へ、2年債は4.669%へ低下した。
ドルは全面安。ドル円相場は146円50銭から145円30銭へ大幅安。ユーロドル相場は1.0090へ上昇。その後はドル安が一服したが上値重くドル円相場は145円60銭~70銭。
ユーロドル相場は1.0070~80で取引を終えた。ユーロ円相場は146円ちょうどに下落したあと90銭近辺に急反発するなど不安定な値動き。146円台後半で上下し146円70銭で引け。
水曜日の東京市場では日経平均は下落。決算を材料に売買され、失望する内容の銘柄に売りが入った。値がさ株にも利益確定売り。引けは前日比▲155円安の27,716円。
ドル円相場は145円60銭で始まり70銭台に上昇したあと概ね20銭~80銭で方向感なく上下して夕刻は145円20銭。米中間選挙で民主党が善戦。翌日のCPI発表を前に思惑交錯。ユーロドル相場も1.0070~80台で始まりその後も60~80中心にもみ合い夕刻は1.0080。
ユーロ円相場は146円70銭で始まり40銭に下落したあと持ち直し。夕刻は146円60銭~80銭上下。欧州市場から米国市場にかけてはやや円安に振れた。
ドルは堅調。ドル円相場は146円60銭に上昇し145円台に押したが引けは146円80銭~50銭。ユーロドル相場は1.00台後半に上昇したが概ね1.00台前半を中心に上下。引けは1.00ちょうど~10近辺。
ユーロ円相場は146円60銭中心にもみ合ったあと147円ちょうどに上昇。その後は反落して146円50銭~80銭で上下して60銭近辺で引け。
米国株は大幅安。民主党が予想外に健闘したことでビジネス寄りの政策に傾くとの期待が剥落した。NYダウは前日比▲646ドル安の32,513ドル、ナスダックは▲263ドル安の10,353ドル。
米10年債利回りは入札不調で4.165%に上昇したものの株安を受けて4.084%に低下。2年債は4.58%に低下。ただドルは堅調でドルインデックスは110.47に上昇した。
木曜日の東京市場では日経平均は下落。前日に米国株が大きく崩れたことで売り優勢。CPI発表を前に後場には動きが鈍った。引けは前日比▲270円安の27,446円。ドル円相場は146円50銭近辺で始まり146円ちょうど近辺に下落。ただその後は持ち直し欧州市場から米国市場にかけては146円台前半で上下しCPI発表前は146円20銭。
ユーロ円相場は146円40銭~60銭で上下して午後は70銭。ユーロドル相場も1.0010で始まり40に上昇。その後欧州市場から米国市場にかけてユーロは下落。ユーロドル相場は0.9940近辺。ユーロ円相場は145円50銭近辺に下落。
注目の米国CPI(10月)は前月比+0.4%と前月+0.4%と同水準で予想+0.7%を下回り、前年同月比は+7.7%と前月+8.2%から大きく低下して予想+8.0%を下回った。より注目されたコア指数も前年同月比は+0.3%と前月+0.6%から低下して予想+0.5%を下回った。前年同月比は+6.6%から+6.3%へ低下して予想+6.5%から上昇率が鈍化した。
想定以上にインフレ率が低下したことで今後の利上げ幅縮小期待が強まった。
FF金利の予想到達水準は5.25%近辺から5%割れに低下。米10年債利回りは4%を割り込み3.82%まで低下。2年債は4.332%に低下した。
ドルは急落。ドル円相場は141円50銭に5円ほど急落。一時142円20銭に反発したものの再度下落して140円20銭まで急落した。引けはやや戻して140円60銭近辺。
ユーロドル相場は1.0180近辺に急騰し、1.01近くに反落したあと1.0220へ再び急騰して引け。ユーロ円相場は乱高下したあと144円ちょうど~50銭で上下。その後円買い戻しに押され143円20銭に下落し引けは70銭。
ドルインデックスは前日の110ポイント台から107.91へ急落した。
米国株はインフレ率の低下、金融引き締めペースダウンを期待して大幅高。NYダウは+1,201ドル高の33,715ドル。ナスダックは+760ドル高の11,114ドル。
FRB当局者からも利上げペースダウンを示唆する発言が相次いだ。ダラス連銀総裁は、金融経済情勢の展開をよりきちんとした形で評価できるよう利上げペースを緩めることが近く適切となりうる、と述べた。
サンフランシスコ連銀総裁は、追加利上げはなお行われるが、ペース原則が適切、最終的な水準は不明、漸進的なアプローチが適切、積極的引き締めの累積的効果を認識すべき、とした。
フィラデルフィア連銀総裁は、今後数か月で利上げペースは減速すると予想、これまで実施してきた引き締めの累積を考えると我々は十分に景気抑制的なスタンスに近づいている、と述べた。
金曜日の東京市場では日経平均が大幅高。前日に米国株が急騰。ハイテク株中心に幅広く買われた。FRBが利上げペースダウンとの見方が強まり景気悪化懸念が和らいだ。引けは前日比+817円高の28,263円。
為替市場では急速にドル売りが進んだ。
ドル円相場は140円60銭で始まり早朝に142円ちょうどに上昇。その後は141円40銭へ下落、142円40銭に反発と乱高下。ただ上値は重く夕刻には141円60銭に下落。さらに欧州市場にかけて急落して138円台をつけた。
その後140円ちょうどに反発したが上値重く、米国市場では再びじり安。138円50銭まで下落して引けは70銭近辺。
ユーロドル相場は東京市場で朝方1.0220から1.0160台へ下落したが下値は固く反発。その後は右肩上がりで欧州市場朝方には1.0270。さらに米国市場早朝に1.0320へ上昇。その後下押す場面もあったが堅調な流れは変わらず、米国市場の引けは1.0350と大幅にユーロ高ドル安となった。
ドルインデックスは106.36に続落。ユーロ円相場は東京市場で朝方143円70銭から144円70銭に上昇。その後は144円~145円で方向感なく上下した。
ただ欧州市場では円買い戻しが強く142円70銭に下落。その後はユーロ高ドル安に支えられて143円半ばを中心に上下して引けは143円70銭近辺。
米国市場は債券市場が休場。米国株はハイテク株が堅調。NYダウは前日比+33ドル高の33,749ドル。ナスダックは金融引き締め緩和期待が支えとなり+209ドル高の11,323ドル。
発表されたミシガン大学消費者信頼感指数(11月)は前月59.9から54.7へ大幅に悪化し予想を下回った。一方、期待インフレ率は1年が前月5.0%から5.1%へ、長期5年~10年が2.9%から3.0%へ小幅上昇した。
ボストン連銀総裁は、金利がピークに達したと言及するのは時期尚早、ただ過剰な利上げのリスクが高まった、と述べた。
◆今週の3つの注目ポイント
1.米国の経済指標
インフレピークアウト感が高まるなか今週は景気関連指標が注目される。利上げペースダウン期待のダメを押すか。
火曜日 NY連銀製造業景気指数(11月、予想▲5.0、前月▲9.1) 生産者物価指数(10月、前年同月比、予想+8.4%、前月+8.5%)
水曜日 小売売上高(10月、前月比、予想+0.9%、前月+0.0%) 輸入物価指数(10月、前月比、予想▲0.5%、前月▲1.2%) 鉱工業生産(10月、前月比、予想+0.2%、前月+0.4%) 設備稼働率(予想80.4%、前月80.3%) NAHB住宅市場指数(11月、予想36、前月38)
木曜日 住宅着工件数(10月、季節調整済み年率換算、予想1,420千戸、前月1,439千戸) 週次失業保険申請件数 フィラデルフィア連銀製造業景気指数(11月、予想▲5.0、前月▲8.7)
金曜日 中古住宅販売(10月、季節調整済み年率換算、予想438万戸、前月471万戸)
2.欧州の経済指標
欧州では依然としてスタグフレーション懸念が強い。足元でユーロ高ドル安が進んでいるがユーロ反発に水を差すか。
月曜日 ユーロ圏鉱工業生産(9月、前月比、予想+0.1%、前月+1.5%)
火曜日 ユーロ圏7-9月期GDP改定値、ZEW景況感指数(11月、ドイツ、期待指数、予想▲54.0、前月▲59.2)
木曜日 ユーロ圏CPI(10月、前年同月比、予想+10.7%、前月+10.7%)
木曜日にはラガルド総裁の発言機会があり、景気物価・金融政策見通しに何らかの示唆があるか。
3.日本の経済指標
日本経済は欧米経済に比べて相対的に底固いとみられているが数字はどうか。円が急速に買い戻されるなか貿易収支も注目される。
火曜日 GDP(7-9月期、前期比年率、予想+1.2%、前期+3.5%)
水曜日 機械受注(9月、前年同月比、予想+3.3%、前月+9.7%)
木曜日 通関統計(10月、貿易収支、予想▲1兆7千億円の赤字、前月▲2兆1千億円の赤字、季節調整済みは前月から増加の予想)
金曜日 消費者物価(10月、前年同月比、総合、予想+3.7%、前月+3.0%、除く生鮮食品、予想+3.5%、前月+3.0%、除く生鮮・エネルギー、予想+2.3%、前月+1.8%)
ほか、火曜日に中国で10月の小売・鉱工業生産・固定資産投資が発表される。
◆今週のMRA's Eye
ドル高ピークアウト~焦点は米国景気へシフト
先週末にかけてドルは大きく下落。先週初にドル円相場のリスクバイアスがすでにドル安サイドに傾いていることに留意としたが、早々とそのリスクが現実となった。
ドルインデックスは今年9月下旬に114ポイント台の高値をつけた後、上下しながら高値を切り下げる展開。先週初は111ポイント台で始まったが、週末には106ポイント台に急落。こうした値動きからだけみてもドル高がピークアウトしたことが明確となった。
各国の利上げペース鈍化に続き、ついに米FRBも利上げペース鈍化が確実になってきた。
11月初に開催されたFOMCの声明文に、利上げの影響が顕在化するまでのタイムラグを考慮する、との1文が加えられ、これまでの積極的な利上げスタンスの変化を示唆。
その後の強弱まちまちの雇用統計、インフレ率の予想以上の低下、の傍らで景気失速リスクを考慮すべきという複数のFRB地区連銀総裁発言が相次いでいる。
これにより、これまでより利上げのピークが確実に視野に入ってきた。焦点はピーク水準に移っている。一連の経済指標、FOMC、当局者発言を受けて、市場のピーク水準予想は低下した。
今後の利上げについては、現時点で12月0.50%、1月0.25%、3月0.25%ないし見送りで打ち止めとみられている。
FF金利のピーク水準は5.25%から5%ないし5%割れに。さらに、パウエル議長ほかは、利下げを検討するのは時期尚早、として市場の先走りを牽制しているものの、市場では年後半には利下げとの見方が台頭している。
これにより上昇していた米長期金利が政策金利に先んじてピークアウト。10年債利回りは4%を割り込んで3.8%台まで低下した。
FRBはこれまでインフレ抑制を最大の課題として景気悪化を厭わず引き締め、利上げを強化してきた。しかしここにきてインフレ率の低下基調が鮮明に。FRB当局者にも、利上げの累積的効果を判断するべき、景気失速リスクが従来よりも高まっている、との発言が多くなってきた。
物価と景気のバランスにおいて、徐々に景気にも配慮する姿勢が強まってきたようだ。
今後は景気動向が焦点になる。
景気悪化基調はすでに続いているが悪化ペースが早まるか。市場はこれまで景気悪化を示す指標には反応薄。
たとえばISM景気指数が景況感の分かれ目である50に近づき、またPMI景況感指数が50を割り込んでも、FRBの利上げ継続、米金利先高感を中心にドル先高感、ドル買いを継続してきた。
しかし今後は景気関連指標への反応に要注意だろう。
とくに遅行指標である雇用統計の悪化はさらに金利先安感を醸成する可能性がある。ドルはすでに上値が重くなっていたが、高値をつけてピークアウトしたとみられる。今後はドル安方向への調整スピードが焦点となりそうだ。
一方、円を巡る為替需給は円買い介入でここ2か月ほど円高サイドに傾いた。9月、10月の2か月間で合計9兆円を上回る円買いを実施。貿易赤字の4か月分に相当する。
ただドルに換算すれば、控えめにみて145円で計算しても620億ドル程度。リーマンショック後の介入額16兆円がドル円相場80円換算で2,000億ドルなので3割程度を「利食った」に留まる。
なおかなりの余裕があるが、そもそも足元の値動きからすれば、すでに追加の円買い介入を実施する必要性はなくなったようだ。
介入には限度があり効かない、円安を止めるのは難しい、との議論は風化。現時点ではやはり介入に効果があったとの見方が強まっているようだ。むしろ急激な円高に「効きすぎ」との見方もありそうだ。
足元で急激にドル安円高が進んだ背景として大きいのはドルサイドの状況変化。米国の景気物価バランスの変化、FRBのスタンス変化、ドル金利先高感の変化、米長期金利の低下などがある。
円サイドの状況には変化がないが、9月下旬以降の当局による巨額の円買い介入による為替需給調整の効果がタイムラグをもって着実に顕在化したということだろう。
介入は実施した瞬間は効かないようにみえるが「冷酒効果」がある。あとからじわじわと効くのが一般的だ。
今回のように巨額の介入を実施すれば着実にその効果が市場に残る。相場反転材料が早期に揃ったことで想定よりもやや早くドル安円高に動き始めた。
ドル安円高が急速に進んだのは、投機筋の反対売買、円売りポジションの手仕舞い、円買い戻し・ドル売戻しによるところが大きい。
11月にはファンド決算が多い。1年のパフォーマンスの集大成の月だ。ただでさえ利益確定が出やすいタイミングだ。材料になんら変化がなければそのままポジションを、決算期をまたいで保有し越年することもありうる。
しかしドル高を牽引してきた材料に変化があり、日本の通貨当局が強力な円安抑止策に動いた状況でそれは難しい。「一戦終了」として手仕舞いが活発化したのは当然だ。
今後は、リスクバイアスが一段とドル安円高サイドに強まる可能性に留意が必要だ。
日米の金融政策格差は依然として継続、短期金利差が拡大することで、日本のFX投資家にはなおドル買い円売りを継続する動きがみられる。今回のドル安円高を絶好の押し目買いとみる向きもあるようだ。
しかしこれほど相場変動が大きくボラティリティが高ければ金利差による収益は一瞬にして吹き飛ぶ。ボラティリティが低水準でなければ高金利通貨買い・低金利通貨売りのいわゆるキャリートレードは機能しない。
足元の値動きで上値は着実に重くなり、下値での押し目買いが衰える可能性に留意が必要だ。
そうしたなか、年末にかけてはさらにドル安円高に振れるリスクがある。
12月のFOMCでは利上げ幅縮小とともにメンバーの予測で利上げのピークが示される可能性がある。投機筋や金融機関の手仕舞い、あるいはFX投資家にも利益確定(損失確定)が嵩む可能性がある。
加えて米国の大手暗号資産取引業者の破綻もポジション手仕舞いを加速する可能性があり要注意だろう。
ドル円相場の予想水準は年内から年初は緩やかにドル安円高が進み140円台とみていた。
しかし従来よりもドル安円高ペースを早く、また水準を大きくドル安円高サイドにシフトする必要が生じた。すでに140円台の上値は重く、来年は130円台から125円の「黒田ライン」を上から試す展開になりそうだ。
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