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インフレ懸念折り込みリスクテイク続く
  • MRA商品市場レポート

2022年9月13日 第2281号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「インフレ懸念折り込みリスクテイク続く」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品価格は総じて堅調な推移となった。米国のインフレがピークに達したのではないか、という楽観からこれまで金融引締め強化観測で売られてきた商品に買い戻しが入る流れが続いた。

主に、株価が堅調に推移していることが市場参加者のマインドを好転させていると考えられる。

ただし、これらがファンダメンタルズに根ざしたものではなくファンドの買い戻しであれば11月の決算期に向けて再び売られることになるため、特にインフレに影響しやすい原油価格の動向は、増産が見込まれる11月以降、特に重要に成ってくると考えられる。

昨日の株価上昇はiPhone14の予約販売が好調だったことも材料となったようだ。日本でもiPhone14はニュースになっているが「性能が変わっていないのに値段が高い」と余り評価が良くない。ネットでもこの点は話題になっているため、少し計算してみた。

IT関連の性能については詳しくないため単純に価格のみ比較すると、米国ではiphone14の値段は消費者物価が上昇するなかでコスト低減を意識して800ドルで据え置きとなった。

この間、米国所得は前年比で+4%程度増加していることを考えると、実質値下げとなる。新たな性能を盛り込んで製品の性能を上げるコストを掛けるよりも、今回は守りに徹した、ともいえるだろう。

一方、日本での販売価格は98,800円から119,800円と+21.3%値上げとなっている。為替が昨年から▲24%程度円安になっているため、これを反映した形だろう。

しかしこの間の賃金上昇率は直近の毎月勤労統計では前年比+1.8%に止まっている。円安はインバウンド消費にはプラスかもしれないが、それを上回る賃金上昇がなければ個人消費にはマイナスに作用している、というのが実感なのではないか。

こうした事象はこれからも各所で散見されることになると予想される。

【本日の見通し】

本日は堅調地合を維持しながらも、米金融政策に大きな影響を及ぼす消費者物価指数に注目しており、神経質な推移となろう。

市場予想よりも強い内容であれば引締め強化観測で下落、そうでなければ楽観が広がりリスク資産価格が広く上昇することが予想される。

8月米消費者物価指数 市場予想 前月比▲0.1%(前月±0.0%)、前年比+8.1%(+8.5%)

コア 前月比+0.3%(+0.3%)、前年比+6.1%(+5.9%)

【昨日のトピックス】

昨日発表された日本の工作機械受注は、前年比+10.7%の1,393億円と前月の+5.5%から大きく回復した。外需は+7.7%の875億円、内需は+16.3%の518億円と今回の回復は内需が牽引している。

工作機械受注は日本景気の先行指標であり、特に景気減速局面では先行して落ち込む傾向がある。

同指標は過去のケースをみるに、前年比+10%を下回ると景気減速(リセッション)局面入りすることが確認されている。

中国のロックダウンなどの付加的要素が加わるためこれまでと同じ議論をすることはできないが、やはり年後半、OECD景気先行指標などを参考にすると来年のQ123以降、日本景気が減速局面入りする可能性は高まった、と見るべきだろう。

実際、FRBはリセッション入りしても金融引締めを遂行し、インフレ率を2%に戻すと、強い意志を表明している。ただ、東西が再び分裂しはじめた世界の中で、本当に2%が適切な物価上昇率かどうかは分からず、3%や4%が適切となる可能性はある(弊社はむしろ後者の考え方を支持)。

この場合、2%を目標に引締めを続ければ「オーバーキル」となるリスクが出てくることになる。日本の景気は海外景気に遅行する傾向が強いため、来年以降のさらなる下振れリスクと、それに伴う円安進行は、内需系企業にとっては小さくないリスクになるといえるだろう。

なお、円安が国益に叶うと日銀は主張し、アベクロダノミクス中は一貫して円安政策を遂行し、結果、その目標が外的要因も含めて達成されつつあるが、円安は輸出企業の価格競争力を増したり、インバウンド消費をもたらしたりとプラスの面があるものの、価格転嫁が厳しい状況のなかでは輸入企業の業績悪化に繋がる。

日本のGDPに締める輸出の比率は2割に満たない。それは国内市場が大きいから相対的にその比率が低下するので当然なのだが、GDPの6割を締める個人消費は言わずもがなの内需である。

これまで円安政策が明確に日本の賃金上昇には繋がっていないことを考えると、この10年に及ぶ超金融緩和政策のプラス面とマイナス面を総括して、日本が進むべき方向性を明確にして次に進む必要があるだろう。

【昨日のセクター別動向と本日の見通し】

◆原油

原油価格は上昇した。アップルのiPhone予約販売の好調などを背景に、株式市場が米利上げを織り込んで堅調に推移する中、リスクテイクのドル安が進行したこともあって買い戻しが優勢となった。

ただし、年末に掛けて米国で増産がはじまる見通しであり、価格高騰と金融引締めなどの影響で需要が減速の見通しであり、この価格を維持するには、生産国のかなり大規模な減産がなければ、価格を維持することは難しい。

前回コロナ・ショック時以降の価格上昇は、

1.大規模経済対策で景気が回復基調にあったこと2.想定よりもかなり早くワクチン開発に成功し、経済活動が早期に回復したこと2.減産を渋っていたロシアをサウジアラビアが押さえ込み、大幅減産を成功させたこと

が価格上昇に寄与した。

しかし今回は景気が減速する局面であり、3.が達成できたとしても効果が減じられ、最終的にはOPEC諸国が外貨獲得競争に陥り、増産に踏み切るという展開はありえる。この場合価格は大きく下落することが予想される。

価格は供給よりも需要の動向、景気動向が左右するため、最大消費国である米国が強い意志を持って金融引締めを継続している以上、基本的に価格は中期的に下落すると予想される。

現在の「原油価格の実力値」の指標である「BrentとUralの平均値」は83.48ドル(前日比+1.48ドル)と上昇、Brentの実力ベースとの価格乖離は10.52ドルと10ドル台で安定してきた。

なお、引き続き脱ロシアの動向が価格に影響を与えることも間違いがない。G7はロシア産原油に上限価格を設定し、上限を超える石油の海上輸送に保険会社が保険を提供することを禁止する方針を決定した。

これによってロシア産原油は回避されることになるが、そうなるとその他の原油価格が代替品需要で上昇することが予想される。

具体的にはマーカー原油で言えば、BrentやWTI、ドバイの価格に上昇圧力が掛ることになるだろう。しかし、エネルギーの安定供給に指標がでる場合は例外としている。

しかし、こうした良いとこ取りをロシア側が認めるかどうかは不透明であり、ロシアとの取引を断絶していない中立国(中国やインド、OPECプラスメンバーである中東諸国など)経由で西側諸国が原油を購入するルートはまだ残ると考えられる。

今後の比較的短期的な見通しは以下の通り。現在は3.の状態にある。しかし、エネルギー不足に喘ぐ欧州がロシア産原油を容認する動きがみられ始めており(ギリシャ沖での「瀬取り」も然り)、4.に移行する可能性が出てきた。

この場合、BrentとUralのスプレッドが縮小することになり、Brent価格の下げ要因となる(逆にUralは上昇)。

<シナリオ別原油価格見通し>

1.ロシア・ウクライナ情勢沈静化せず、ロシアの原油が半分程度市場に出てこず、非OPECプラスも増産しない Brent 110-140ドル

2.戦闘状態が継続し、欧州をはじめとする西側諸国がロシア原油を段階的に禁輸とし、それが実行される(ないしはOPECプラスの減産)Brent 85-110ドル

3.1.ないしは2.の状態で産油国(非OPECプラス)が増産するBrent 80-110ドル

4.戦闘状態が継続するがロシアからの原油・石油製品供給が減少しないBrent 75-105ドル

5.4.の状態で産油国(非OPECプラス)が増産するBrent 75-100ドル

6.ロシアがウクライナから撤退Brent 85-100ドル

7.6.に加えて産油国(非OPECプラス)が増産するBrent 65-90ドル

(ここから先は比較的中・長期のシナリオ)

8. 脱ロシア完了(西側諸国+OPECで完全にロシア産原油代替可能の場合)Brent 60-90ドル

9. 東西冷戦構造が構築されなかった場合(前回オイルショック時と同様に化石燃料の生産が増えて顕著な供給過剰となる場合)Brent 40-60ドル

※産油国の増産は、鍵となるイランで130万バレル、ベネズエラで50万バレル程度を想定している。

※上記価格レンジは市場動向を反映して、逐次微修正している。

長期的な視点では、基本的には下りのエスカレーターに乗る中で、供給面の材料が価格を高止まりさせる、という見通し。

2024年以降は、現在のインフレ抑制がどの程度進むか、脱ロシアがどのような形で収束するか、に依拠するためまだなんともいえないところ。

現在~Q422 需要の伸び減速・供給制限継続・金融引締め継続(↓)  想定よりも早くリセッション入りした場合(↓↓) Q422~Q123 需要の伸び減速・供給不足期 (↓)      グローバル・リセッションの場合 (↓↓)Q323~Q423 需要減速底入れ・供給回復期 (→)2024年以降 需要回復・脱ロシア進捗(非OPECプラスの増産) (↑)

※矢印の向きは価格の方向性。

本日は、株式市場が堅調に推移するなかで、投機的な買い戻しが入ると予想される。

ただし、注目の米消費者物価指数が市場予想通りの減速となれば価格は上昇しようが、市場予想ほどの減速になっていなければ金融引締め観測が高まり、価格は下落すると予想される。

◆天然ガス・LNG

欧州天然ガス先物価格は下落した。欧州の価格抑制策への懸念から売り圧力が強まっている状況。また、欧州諸国のガス在庫の水準も想定よりも速いタイミングで満杯になりつつあり、足下の調達意欲が低下していることが影響しているとみられる。

ガスの場合、石炭や原油と異なり、長期にわたって在庫を維持することが困難であるため、必要以上の調達が現状、手控えられていると考えられる。また、今のままであれば欧州の景気減速は不可避、との見方も徐々に価格を下押ししているようだ。

欧州の先物市場で取引をしている市場参加者は、価格高騰と高変動性に伴うマージンコール(証拠金)の引き上げを受けて市場参加者の資金繰りが極端に悪化しており、クレジット・クランチに繋がるのではないか、との懸念が広がっている。

ただし、取引所に当局が介入して価格をゆがめた場合、その市場で取引する参加者が減少して、市場が機能不全に陥るリスクがある。

また、実勢と乖離して電気やガスの市場価格を変更した場合、価格上昇による需要減少が起きず、却ってエネルギー不足が発生するリスクも高まることになる。

EUは財政規律を重んじるため、日本のように財政出動で目先の光熱費の上昇を抑制する、という手段を取り難いため、このような判断になっていると考えられる。

しかし、ロシアは価格上限を設定すればガスを止めると発言しており、11月以降の需要期の気温や米国の供給動向も合わせて考えると、まだ欧州のガス危機が去った、といえるタイミングではない。

ガス価格の下落があるとすれば冬場を乗り切って、目先の安心感が広がる春頃になるのではないか。一方で。冬期の上限価格は、ウクライナ危機時に付けた345ドルが意識される。

なお、ロシア安全保障理事会でメドベージェフ副議長(議長はプーチン大統領)が欧州のガス価格が年末までにスポットで5,000ユーロ/1,000立方メートルに達する可能性がある、と発言している。

TTFベースに換算すると474ユーロ/Mwh、JKMに換算すると137ドル/MMBtu。これはロシアが今後もガスを供給するつもりがないことを示唆している。

欧州は猛暑、渇水、渇水に伴うエネルギー輸送能力の低下、水力不足による冷却水の不足で原発の稼働が低下していること、風力低下などのエネルギー不足に喘いでおり、ロシアのガス供給停止は欧州域内に、「我々の生活を犠牲にしてまでロシアを制裁する必要はないのではないか」という世論を形成しやすい。

※週次(原則金曜日)の更新となります。

LNGの輸入は高水準だが、輸入キャパシティ一杯まで輸入が行われている国も多く、仮に本当にロシアのガス供給が停止した場合、ドイツはLNGでの輸入手段を持たないため2ヵ月半で在庫が尽きると予想され、欧州全体でも3ヵ月弱で在庫が枯渇する可能性があると予想されている。

域内最大の消費国であるドイツはガス供給に関し、早期警告、警報、緊急の3段階を設置しており、今は警報のレベル。

仮に緊急(Emergency)となった場合、病院や家庭など向けの供給を優先することになるため、企業活動が停止するリスクが高まることになる。

ドイツはLNGのターミナルを持たないため、少なくともあと数年は

1.域内供給の増加2.その他の熱源の利用(風力、太陽光含む)3.需要の削減

によってガス在庫を積み上げるしかない。2.で石炭火力の使用を許可する方向に舵を切っているが、冬場に向けて決断が遅かったといわざるを得ないだろう。

また、域内の電力供給が一番に取り上げられて報じられているが、ガス供給が充分ではない場合、世界最大の総合化学メーカーである独BASFなどの化学セクターへの影響は小さくなく、場合によると化学製品の供給途絶を通じて世界経済に大きな打撃となる可能性も否定出来ない。

BASFは緊急時には原料用のガスを一般消費用に開放する方針も表明している。

こうなると恐らく原発を早期に稼働させる必要が出てくる。原発の稼働が仮に過去5年平均程度まで回復すれば、同国のガス発電のシェアを、机上の計算では半分に減らせることになる。

最早、この選択を排除して脱ロシアを考えることは相当厳しい状況にいるといえるのだが、足下、異常気象に伴う冷却水不足でこの選択も取れる状況ではなくなってきた。

現在の天然ガス・LNGのスポット価格変動要因を整理すると概ね以下に集約される。

1.脱ロシアの継続(スポットカーゴ価格の上昇要因)2.LNGターミナル・ガス田の不慮の停止3.西側消費国に対するロシアの嫌がらせ(価格の上昇要因)4.景気減速(価格下落要因)5.気象状況(今のところ需要増加で価格上昇要因)6.季節要因7.そもそもの在庫不足(在庫積増しバイアスで価格上昇要因)

「脱ロシアの供給ソースの完全確保」が出来るまではスポット価格は高い水準を維持、脱ロシア完了後は下落、というのがメインシナリオとなる。

現在、2.に関して、米Freeport社のLNGターミナル火災による輸出停止リスクが顕在化している。再開予定は11月上旬から中旬。

3.は欧州・日本で顕在化している状況で、4.のリスクも高まっている。

5.に関して欧州で記録的な熱波に襲われた。ただしこの影響はそろそろ夏が終了するため沈静化すると見られる。

しかし、渇水の影響で燃料が種別を問わず運べない、冷却水不足で原発も稼働率を下げざるを得ない、という事態は季節的にも今後も続く可能性が高い。やはり本番は冬である。

LNGのタンカーレートはスエズ以東・以西とも上昇している。

欧州は、ロシアの供給が回復しない中、LNGでの調達を急いでいたが、中国の渇水などの影響と、冬場の調達が始まったとみられる。

※週次(原則金曜日)の更新となります。

米国天然ガス先物は上昇。幅広くコモディティが買い戻される中、天然ガスにも買い戻しが入った。想定よりも米経済の減速ペースが速くないことと、米国のガス在庫の水準の低さが価格を押し上げている。

なお、米国の気温は中部~東部で例年を大きく上回る気温上昇が見込まれており、ガス需要は旺盛。

※週次(原則金曜日)の更新となります。

JKM先物は下落した。欧州ガス価格が下落したことが材料となった。

世界的な構造的ガス不足は景気の急減速や冷夏・暖冬がない限り簡単に解消するものではないため、結局、夏場~冬場にかけての価格リスクはこの状況においても上向きとなる。

中国の8月の天然ガス輸入は前年比▲15.2%の885万トン(前月▲6.9%の870万トン)と前年比での減少幅が拡大はしたが、過去5年平均を上回る水準を維持した。

中国の国としてのガスへの転換は進んでいるが、ロックダウン後の経済活動の回復が遅れていることを示唆している。また、中国国内の天然ガス生産が増加していることも輸入の伸びが鈍化している背景にある。

中国の天然ガス生産は7月時点で+8.2%の170億6,000万立方メートル(前月+0.5%の173億立方メートル)と、伸びが鈍化しているが過去5年の最高水準だった前年を上回っている。

※中国のガス統計は、データソースや単位換算で数値が一致しないことがあります。予めご容赦ください。

サハリン2は中長期的な観点では以下の2点が強く意識すべきリスクとなる。

1.ロシアが契約を一方的に履行しない場合はスポット市場で調達せざるを得ず、その場合は調達コストが3倍~4倍に上昇し、コスト増加は1兆円/年を超える

2.仮に契約が継続したとしても欧米からのメンテナンスのための部品がなければ、LNGプラントの稼働が困難になり、生産量が自然に減少してしまう

9月4日時点の日本の発電用LNG在庫は265万トン(前年同月末246万トン、2017~2021年平均194万トン)と弊社の集計でも過去5年平均を上回り「足下の」在庫水準は潤沢になった。

しかしこれも欧州と同様で、冬場のフローの確保が重要になる。日本の場合長期契約の比率が高いため問題ないと考えるが、欧州・ロシア情勢次第でロシアが嫌がらせをしてくる可能性は排除できない。

8月22日-28日のLNGトレードは677万トンと減少、スポット取引のシェアは20%(前週27%)と低下した。

スポット需要の減少は、主に台湾の輸入減少によるもの。日本と中国のスポット調達も減少、一方で韓国の輸入は増加。

本日は、欧州の規制強化観測と景気先行き懸念の強まりが価格を下押しするものの、ガス在庫積増しは継続する見通しであり、TTF・JKMとも底堅い推移を予想する。

※LNGの数量とガスベースの換算レートは、注記がなければBP提示の数値を使用している。 1トン=1,360立方メートル 1BCF=28百万立方メートル 1Gwh=10.55百万立方メートル=1,055万立方メートル 1Mwh=10.55千立方メートル

◆石炭

豪州石炭スワップはほぼ変わらず、高値を維持した。欧州のガスタンクのキャパシティが一杯になりつつある中、ガスに比べれば保管が容易な石炭が、発電燃料として選好されている可能性が高く、ガス価格の下落はあっても高値を維持している状況。

なお、この間、欧州の石炭輸入・石炭生産とも顕著に増加はしていない。一方で豪州炭の輸出は低迷しており、恐らく足下の価格上昇はガスとある意味同様だが、供給ソースの不足が影響しているとみられる。

この場合、景気が減速する、ないしは冬場が終了、ないしは暖冬の時に価格は下落することが予想されるが、需要のピークである冬はまだ始まってもいない。

8月の中国の石炭輸入は原料炭・燃料炭合計で前年比+5.0%の2,945万6,000トン(前月▲22.1%の2,352万3,000トン)と急回復し、過去5年平均を上回った。

価格水準は高いが、国内の供給が低迷している、ないしはロシアを支援するために輸入を増加させていると考えられる。

7月の中国の石炭生産は、前年比+18.6%の3億7,266万トン、1,202万トン/日(前月+17.4%の3億7,931万トン・1,264万トン/日)と、生産は前年比では高い水準を維持したが、海外からの輸入がほぼ不用になる政府目標(1,260万トン/日)は下回った。

中国の国内生産増加で輸入需要が減少していたが、ロックダウン解除や夏の気温上昇を受けて発電向けの需要が増加したためと考えられる。まだ中国の主力熱源は石炭である。

現在は中国国内と海上輸送炭市場は分離しているが、中国が経済対策を実行し、冬場のリスク回避姿勢を強めた場合、海上輸送炭市場に影響を及ぼすリスクは無視できないだろう。

※週次(原則金曜日)の更新となります。

現在、ロシア炭を西側諸国が使うことは(建前上)できないため、いわゆるコストカーブの「低価格帯」がごっそり抜け落ちた形となっている。そのため、ロシアを抜いた需給バランスが豪州炭価格を押し上げている状況であり、ロシアの石炭輸出も週次ベースで減少を続けている。

期先の価格をみるに、2022年初の限界生産コストは125ドル程度だったが、これが280ドル程度まで上昇してしまった。これが解消するには需要の減少か、鉱山生産の増加が必要条件となる。

恐らく景気が減速するなかで石炭需要も減少が見込まれるものの、「脱ロシア」を進める中では高カロリー炭の需要は継続する見込みであり、かつ、欧州は石炭活用に舵を切っていること、欧州がこれまで行ってきた脱石炭への強制的な取組みにより、供給能力は制限されていることから、下がっても250ドル程度が基準となってしまう。

需給ファンダメンタルズの前提条件が変わってしまった、ということだ。

仮にロシアへの制裁が解除されれば、下落時の価格は280ドルではなく、125ドル程度になるが、当面それは見込み難い。

異常気象に伴う事故も多く、少なくとも今年の冬のピークシーズンの間は流動性リスクが高い状態が続きそうだ。

本日も冬場に向けた在庫積増しの動きは継続すると見られ、高値を維持すると考える。

この冬が終了した場合、基本は景気減速とラニーニャ現象収束(期待)を受けた需要の減少で下落すると見ているが、現在の供給環境に大きな変化が期待できない中、下落余地も限定されると考える。

◆非鉄金属

LME非鉄金属価格は上昇した。ドル指数が米国株の上昇を受けたリスクテイクで下落する中、割安感からの買いが入った。

ベンチマークである銅価格は株価との連動性が高く、4月以降の中国ロックダウンを契機にファンドの手仕舞いが進んだが、短期的に買い戻しが入っている形。

供給はそもそも逼迫しているため、ここに来て供給懸念が材料になった、というよりは、株の上昇によるファイナンシャルな面が強く出たためと考える方が適切ではないか。

今後の非鉄金属価格動向は、短期・中期・長期で分けて考える必要がある。

短期的には、米金融引締め長期化観測が強まっていること、中国の電力不足やロックダウン、洪水・地震、足下の欧州のガス価格の下落による生産回復期待の影響で軟調な推移になると考える。

ただし同時に、中国政府の経済対策が価格を下支えすると予想する。

短期的に非鉄金属価格が上昇するには、

1.中国の経済活動が回復すること(必要条件)

2.株価が上昇すること

3.期待インフレ率が上昇すること

が必要となるが、現在、1.が洪水とロックダウンの影響はあるものの、金融緩和策が奏功したか中国のファイナンスが回復しており、やや満たされつつある。ただし、3.は満たされていない。

この状況を勘案すると、足下の買い戻し圧力は強まり、年末に向けて一時的な価格上昇はあると考えている。

中期的には景気の循環によって、恐らく来年のQ223~Q323あたりが景況感の底になると考えられ、当面調整圧力が掛かることになる。

ただし、世界景気が在庫の投資循環サイクル通りに起きるのであれば、特段政府が対策を行わなかった場合(自然体の場合)、景気後退入りはQ323からとなるため、Q323~Q423が景気の底になる可能性も否定しない。

この場合はQ124~Q224に回復基調に戻る展開が想定される(欧米の調査機関はこちらのシナリオを支持しているところが多い)。

2023年は最大消費国である中国で「財政の崖」が発生するリスクがあるため、いずれにしても2023年の価格のリスクは下向きである。

長期的には脱炭素、脱ロシア、中国・インドの「W人口ボーナス期」入り、といった材料を考えるとやはり鉱物資源需要は増加し、価格には構造的な上昇圧力が掛かると考えるのが妥当だろう。

来年後半から再び長期的な上昇トレンドに入ることになると予想している。

ただしその価格上昇の発射台となる価格が、例えば銅で6,000ドル台になるのか、7,000ドル台になるのかは、今年から来年に掛けての中国の景気減速度合いに依拠するため、まだなんともいえない。

本日は、中国のファイナンス統計の改善を受けた中国の経済活動の再開期待と、米国のインフレがピークアウトしたとの期待が買い戻しを誘い、上昇余地を探る展開に。

しかし、中国は依然ロックダウンを継続していることから上値も重い。

なお、今晩発表の米消費者物価指数が市場予想よりも強ければ、ファイナンシャルな面で下落、弱ければ上昇すると見ている。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは下落、豪州原料炭スワップ先物は変わらず、大連原料炭価格は休場、上海鉄筋先物は休場

直近発表された中国のファイナンス関連統計は中国国内の経済活動が、政府の景気刺激策の影響で回復しつつある(というよりはソフトランディングを目指した政府の対策効果が顕在化した、と表現する方が適切か)こと、を確認する内容であり、秋の建築シーズンに向けた需要回復が予想される。

中国の不動産セクターは低迷しており、恐らく人口動態的に今後も減速は不可避と考えられる。しかし、不動産セクターが不調だと中国地方政府の重要な財源である不動産関連収入が減少するため、何らかの対策を行わなければ、中国経済がスパイラル的に悪化する可能性が出てくる。

この状況で不動産セクターのテコ入れをすることは非常に議論が割れるだろうが、現状は対策実施は不可避の状況と整理するのが適切だろう。

なお、中国政府は不動産業を救済するよりは信用不安の拡大にならないよう、金融機関の支援(資本注入)を優先すると考えられ、リーマン・ショックのような信用不安の連鎖的な拡大リスクは「今のところ」回避できると見ている。

基本は鉄鋼製品価格で説明可能なブレーク・イーブン価格程度までの下落はあろうが、相場がオーバーシュートすることも多いため、その場合、期先の価格が参考になる。足下、鉄鉱石では80ドル程度、原料炭は230ドル程度となる。

本日も、経済対策実施期待と各地の天災の影響による経済活動の強制停止の綱引きとなり、現状水準を維持すると考える。

◆貴金属

昨日の金価格は上昇した。米長期金利の上昇による実質金利の上昇はあったが、リスクテイクのドル安進行が価格を押し上げた。

銀価格は金価格の上昇を受けて大きく水準を切り上げ、金銀レシオは久しぶりに90倍を下回った。PGMは連動性が足下高まっている株価の上昇もあって上昇。

金の基準価格は▲18ドルの1,023ドル、リスク・プレミアムは+26ドルの703ドル。

仮に過去5年平均程度にリスク・プレミアムが回帰するとすれば240ドル程度が現在の平均であるため、あと▲450ドル程度の下落余地があることになり、金価格は1,300ドルを割り込む可能性が出てくる。

ETFの管理残高と金価格の間には高い相関性が見られるが、過去10年のデータを元にするとここまでの下落の場合、現在のETFの管理残高の凡そ3分の1に当たる▲1,200トン弱の金が流出する必要が出てくる。

荒唐無稽なレベル、と思われるかもしれないが2016年のETFはこの水準であり、このときの金価格は1,100ドル台だった。

大規模プレイヤーの金市場からの退場は、ETFの他、各国中央銀行の金準備売却のいずれかとなるが、後者が戦争や制裁による国の資金繰り悪化で金を売却せざるを得ないときに恐らく限定されることを考えると、引き続きETFの動向は重要。

なお、足下、金価格に対して説明力が高いのは「期待インフレ率」であり、金融政策動向、原油価格動向、QTの動向が影響していることがわかる。

Q422の弊社予想原油価格を元に期待インフレ率・金価格の推定を行うと1,640ドル程度が予想され、金融引締めがあっても下げ余地は比較的限定されることになる。

恐らく最終的に実質金利で説明可能な水準に回帰していくと考えられるが、当面は期待インフレ率を基準に分析と併用する必要があろう。

銀価格はバイデン大統領が太陽光パネル計画を発表する前の水準まで低下していたが、コロナ前の15~20ドルのレンジに戻ったようだ。

1.太陽光パネルの設置は歳入歳出法(インフレ抑制法)成立で今後も増えること(2030年までに9億5,000万枚の太陽光パネル設置)

2.IOTの進捗によって銀の需要は構造的な増加が続くと考えられること

からレンジは切り上がっていると考えられる。上記の期待インフレ率を元にした分析の結果、金価格は2023年1,640ドル程度になると予想されることから、金銀レシオを仮に90倍とすれば、銀価格は18.2ドル程度となる。

本日は、米消費者物価指数の結果を受けて神経質な推移が予想される。市場予想よりも強い内容であれば下落、弱ければ上昇、ということになろう。

◆穀物

シカゴ穀物市場はまちまち。米需給報告で生産見通しが下方修正されたトウモロコシと大豆は上昇、前日の上昇が大きかった小麦は下落した。

昨日発表の米需給報告は以下の通り。

・9月米単収見通し実績(市場予想、前月)トウモロコシ 172.5Bu/エーカー(172.43、175.4)大豆 50.5Bu/エーカー(51.53、51.9)小麦 47.5Bu/エーカー(NA、47.5)

・9月米生産見通しトウモロコシ 139億4,400万Bu(140億8,960万Bu、143億5,900万Bu)大豆 43億7,800万Bu(44億9,959万Bu、45億3,100万Bu)小麦 17億8,300万Bu(NA、17億8,100万Bu)

・9月米輸出見通しトウモロコシ 22億7,500万Bu(NA、23億7,500Bu)大豆 20億8,500万Bu(NA、21億5,500万Bu)小麦 8億2,500万Bu(NA、8億2,500万Bu)

・9月米在庫見通し(市場予想/前月)トウモロコシ 12億1,900万Bu(11億9,496万Bu、13億8,800万Bu)大豆 2億Bu(2億4,578万Bu、2億4,500万Bu)小麦 6億1,000万Bu(6億1,815万Bu、6億1,000万Bu)

トウモロコシは米国ではその需要の4割がエタノール向けであり、輸送燃料に用いられている。そのため、これまでは景気と価格が連動しない商品だったが、この10年で「準景気循環系商品」になっている。

そのため、米国が金融引締めを行い、世界的にも景気が循環的な減速をするなかではトウモロコシを初めとする穀物価格は下落しやすい。

しかし、秋~冬にかけてのラニーニャ現象の発生もあり、さらに、夏場~冬場のラニーニャ現象発生はアラビア半島周辺に降雨をもたらし、バッタの大量越冬を可能にするため、2023年にかけて穀物供給リスクが来年まで継続する可能性があること、ロシア・ウクライナの穀物輸出が継続する保証はないことから、中・長期的なリスクは引き続き上向きと考えている。

本日は、朝方発表の米作況がトウモロコシ・大豆とも非常に悪いことから上昇、小麦は冬小麦の作付が例年を上回るペースで進捗していることから下落を予想。

※中長期見通しは、7月・11月にリリースの商品市場為替市場動向見通しをご参照ください(有料)。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・米国経済が正常化する中で金融引き締めが加速、経済をオーバーキルしてしまった場合(価格下落要因)。

また、米国の金融引締めが新興国経済(特に、中東、北アフリカ、東欧、中南米など)に打撃を与える可能性。

・中国のゼロコロナ政策にこだわるスタンスがロックダウンを頻発させ、中国景気がハードランディングする場合(工業金属などの景気循環系商品を筆頭に、リスク資産価格の下落要因)。

それに伴う各地での暴動発生。

・渇水、猛暑厳冬、発電燃料供給不足による工場稼働停止や消費低迷で景気が減速する場合(リスク資産価格の下落要因)。

・脱炭素・脱ロシア進捗による資源需要の高まりによる価格上昇や、資源の供給不足、ロシアの意図的な供給指定(枯渇のリスクも)が発生し、経済活動が抑制される場合(価格上昇→景気減速による価格下落リスク)

・米中対立激化にロシア問題も加わり、緩やかな新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(既にメインシナリオ)。

台湾有事の発生(リスク資産価格の下落要因)。

・自由主義国vs専制主義国の対立加速、自国内の混乱などを理由に急に「手打ち」となった場合(景気のポジティブリスク・中国がさらに力を付け、将来米中が武力衝突するリスク)。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

逆に脱炭素に向けたインフラ投資の加速で資源価格が急上昇、金融緩和マネーが大量に市場に滞留する中でハイパーインフレとなるリスク。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023年後半~2024年頃。

・日本政府の財政規律感の欠如による、実質的な日銀による財政ファイナンスにより海外からの信認が低下、円が暴落して先進国市場に混乱をもたらす場合(今のところ角度の低いリスク要因)。

◆本日のMRA's Eye


「ロシア軍事侵攻のプラチナ価格への影響-その1」

◆プラチナ価格の決定要因

プラチナ価格は2000年のコロナ・ショック時に急落、その後世界的な金融緩和と景気刺激策の実施、それに伴う実質金利の低下や株価上昇を受けて急速に水準を切り上げ、2021年2月には一時1,339.73ドル/トロイオンスまで上昇した。

しかし、コロナ・ショックの影響によるサプライチェーンの崩壊で自動車生産に必要な半導体を確保できず、自動車の排ガス触媒向けの需要が減少して価格は下落した。

その後、ロシアがウクライナに軍事侵攻してインフレが加速したため、米FRBは金融引締めを強化してインフレ沈静化に舵を切り、その影響で世界景気の先行き懸念が強まり、プラチナ価格も下落した。しかし足下は、プラチナの主要生産国であるロシアがプラチナ供給を制限するのではとの見方が価格を下支えしている。

プラチナ価格は貴金属セクターのベンチマークである金価格と基本的には連動して変動しやすいが、金価格は米国の10年実質金利に最も影響を受ける。

実質金利がプラスの状態が普通の状態と言われているが、10年国債の利回りを期待インフレ率が上回った場合、実質金利はマイナスになる。実質金利がマイナスになると、銀行などにお金を預けて付く利息以上にモノの価格が上昇する状態になっていることを表し、資産を現金で持つよりも株やモノに投資した方が良いと考える人が増え価格が上昇する。

金は昔からインフレ(物価上昇)リスクヘッジ目的で広く選好されてきたが、どちらかと言えば一部の富裕層や中央銀行、機関投資家の投資対象という位置づけであり、小額からの取引が可能になり幅広い投資家の支持を獲得したのは2003年に金の上場投資信託(ETF)が開発されてかである。

プラチナも同様に現物を裏付け資産とするETFが存在し、株式市場に滞留している資金の受け皿となっている。

足下、プラチナ価格に対して最も説明力が高いのはこのプラチナETFの保有残高であるが、プラチナの需給バランスは、投機需要を除くと供給過剰の状態にあるため価格は市場参加者の思惑で変動しやすい。

株式市場で投資を行っている市場参加者は、企業のクレジットリスクを取らなければならないプラチナ生産者の株を買うよりも、直接、プラチナを購入した方が良いと判断する人もいる。ETFは株式の口座を保有していれば気軽に売買できるため、プラチナETFが株式市場に上場されている以上、株価動向に左右されやすくなる。

そのため、プラチナ価格動向を占うためには、金価格の動向はもちろんであるが、株価動向も重要になるのだ。

では中長期的なプラチナ価格の見通しはどうだろうか。長期的にはこうした金価格や株価動向以上に、需要動向が重要になる。そして現在、ロシアがウクライナに侵攻したことを契機に供給面の制限や、新たな需要の伸びが加速する可能性が出てきた。

◆ロシアの軍事侵攻がもたらす供給懸念

ロシアは2021年からウクライナ東部との国境付近に軍隊を集結、ウクライナに対して圧力を掛けてきた。しかし経済合理性の観点から、実際にロシア軍が越境してウクライナを攻撃する経済的メリットがある戦争ではないため、攻撃すると見せかけた圧力を掛けることでウクライナ東部の自治を勝ち取る戦略と思われていた。

しかし、実際には一方的にウクライナ東部の親ロシア地域の独立を認め、そこの治安維持という名目で西部を除くほぼ全土に全面的な攻撃を仕掛けた。

ロシアは世界でも有数の資源国であり、原油は米国・サウジアラビアに比肩する世界トップの生産能力を誇り、ガスも米国に次ぐ2位の生産量を有する。

そして、米地質調査所の調べでは2021年のパラジウムの生産シェアがトップの南アフリカに次ぐ37.0%、プラチナも同様に2位の10.6%、金や銀もPGMほどではないが世界生産に占めるシェアは大きく、貴金属の供給国として非常に重要な地位を占める。

しかし、ロシアのウクライナに対する軍事侵攻を契機に、これまで緩やかに強まっていた自由主義国陣営と専制主義国陣営の対立がより強まる形となり、ロシアからの資源供給が今後も約束されるかどうか非常に不透明になってきている。

ウクライナ問題がどのような形で収束するか誰も分からないが、少なくとも確実にいえることは、ロシアは最早、信頼出来る資源の供給国ではなくなったということだ。

西側諸国と東側諸国の分裂は1989年のベルリンの壁崩壊を契機に統合に向かい、世界の消費者は「より安いものを世界中から探して調達すること」が出来た。しかし今後はそうなる可能性が低く、供給が高い確率で保証されるのは同盟国間だけになるかもしれない。

プラチナは最大生産国が南アフリカであるため、ロシアが仮に「非友好国」に対してプラチナ供給を制限したとしても、目先の調達が全く出来なくなるリスクはパラジウムほどではない。

しかし、南アフリカを初めとする鉱産国は脱炭素・脱ロシアの流れの中で自国の資源の需要が増加することは理解しているため、こうした資源国で資源ナショナリズムの動きが強まる可能性も排除出来ず、プラチナ調達のリスクとなり得る。場合によると西側と東側で一物二価が成り立つこともありえるだろう。


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