総じて軟調な推移続く
- MRA商品市場レポート
2022年7月7日 第2233号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「総じて軟調な推移続く」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格は多くの商品が続落となった。米国景気の先行きへの懸念が強まり、中国のロックダウンの可能性が高まる中、特に景気循環系商品とインフレ系商品に下押し圧力が掛かる展開となった。
FOMC議事録は目新しい材料が出てこず、今まで通りの反応。実需が存在しない株価は戻りを試したが、商品市場にはそれほど大きな影響をもたらさなかった。
足下、原油価格と米期待インフレ率の相関性が高く、恐らく原油価格動向を睨みながら物価連動債が売買されている、と考えられる。
その中で、(恐らくだが)7月に入り、欧米の原油生産者が下期の価格下落リスクヘッジを入れ、それを切っ掛けに、100日移動平均線のテクニカルなサポートラインを割り込んだことで、やはりテクニカルな売りが加速したためと考えられる。
この1~2年、商品価格に対する10年期待インフレ率の説明力が高い。このことは「原油価格の下落が多くのインフレ資産価格下落のトリガーになり得る」ことを意味している。
今回の下落は上述の通り、ややテクニカルな下げだったと考えられるため一旦買い戻しで上昇すると見ているが、その前にBrentで200日移動平均線(96ドル程度)をトライする動きがみられると考える。
【本日の見通し】
本日は原油価格が「取りあえず」200日移動平均線のサポートラインを試す動きになっているため、その他の商品(特にインフレ系資産)にも下押し圧力が掛かる展開が想定される。
しかし、株などと異なり商品市場では「実需」の市場参加者が存在するため、ここまでの下落による割安感からの安値拾いの買いが入ると予想されるため、そろそろ底固めの動きになると考える。
今日は「重要統計の狭間」の日であり、それほど注目される統計発表はない。強いて言えば景気の遅行指標である米週間新規失業保険申請件数(市場予想23万件、前週23.1万件)に注目している。
予定されているイベントでは、やはりG20外相会合。米露の歩み寄り、意見交換がどの程度あるか、といったことに注目しているが、基本的には「非難の応酬」となり期待されるようなポジティブな進捗は余り期待していない。
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