米国の弱めの統計を受けて軟調
- MRA商品市場レポート
2022年7月4日 第2230号(簡易版)商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米国の弱めの統計を受けて軟調」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品価格は総じて軟調な推移となった。景気そのものに焦点が当たる中、注目の米ISM製造業指数が発表され、市場予想以上に景気が減速していることが確認されたことが材料となった。
その一方で、リビアのフォースマジュールや、OPECプラスの増産は当面は起きない、との見方から需給がタイトな状況に変化がないエネルギーは高値を維持。
中国の景気減速懸念が強まる中で、米ISM製造業指数の悪化を受けた「リスク回避」でドルが物色される中で非鉄金属を初めとする鉱物資源価格は大きく水準を切下げた。
ISM製造業指数のうち、特に需要の指標である新規受注に注目していたが、市場予想が52.0、前月が55.1だったのに対して49.2と閾値の50を下回り、雇用に関しても47.3(市場予想50.0、前月49.6)と急減速している。
結局、1.循環的な景気減速局面入りしていること、2.FOMCのアナウンスメント効果により長期金利が上昇し、実体経済に影響が及んでいること、などが顕在化していることを改めて確認する内容だったといえる。
恐らく米国の金融引締めは続き、ファイナンシャル面で商品価格を押し下げるが、徐々にその効果が顕在化し始めており、需給ファンダメンタルズ面でも価格を押し下げる可能性が高まっている状況。
【本日の見通し】
週明け月曜日は米国が独立記念日で主要市場が休場であるため動意薄く、現状水準でのもみ合いが想定される。
ただし、中国政府の経済対策実施方針が徐々に明らかになる中で、割安感から工業金属価格に上昇圧力が掛かる展開が想定される。ただし、景気は下りのエスカレーターに乗っている状態であるため、戻りも限定されると考える。
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