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やや弱めの米統計を受けて上昇
  • MRA商品市場レポート

2022年6月3日 第2209号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「やや弱めの米統計を受けて上昇」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はその他農産品や自国通貨建ての商品が下落したが、軒並み水準を切り上げる展開となった。

米ADP雇用統計は前月比+12.8万人と市場予想の+30万人に届かなかったこと、3ヵ月連続で伸びが鈍化していること(2月 60万人→3月 24.9万人→4月 20.2万人→5月 12.8万人)から、米金融引締めの鈍化期待が高まったこと、あるいは米景気の先行き不安でドル安が進行したことが材料と考えられる。

ただ、同時に発表されたチャレンジャー社の解雇予定人数も20,712人(前月24,286人)と減速したものの高い水準を維持したこと、などで雇用市場に若干の変化が見られ始めている。

これらの米国の統計減速があっても、恐らくFRBはインフレ抑制のために金融引締めを行うとみられる。ただ、MMTで議論されたような「インフレになってから対応すれば良い」ということはなく、実際にインフレになってしまっている状況では、相当苛烈に引締めを行う必要性が出てくる。

そのため、足下はやや市場に安心感が広がっているが、FRBが金融引締めの手綱を緩める可能性はそれほど高くないと考えられ、やはり年末に向けて景気の減速があり、商品価格を下押しする可能性は高い。

なお、昨日OPECプラスは増産を決定したが昨日の市場での影響は限定された(詳しくは昨日のトピックスをご参照ください)。

【本日の見通し】

本日は米雇用統計に注目が集まるが、恐らくインフレ(実質賃金の上昇率)が鈍化する見通しであり、米金融引締めへの懸念がやや後退すると考えられ、多くの商品に上昇圧力がかかる展開が予想される。

しかし、昨日の市場概況のところで説明したように、米国のインフレを放置して金融引締めペースを鈍化させる方針を変更するという感じはないため、景気循環系商品が戻りを試す展開になったとしても中期的な下落局面でのあや戻し、という感じになるのではないだろうか。

本日は上述の雇用統計とISM非製造業指数に注目している。市場予想は以下の通り。

非農業部門雇用者数 前月比+32万人(前月+42.8万人)失業率 3.5%(3.6%)平均時給 前月比+0.4%(+0.3%)、前年比+5.2%(+5.5%)

ISM非製造業指数 56.5(57.1)

【昨日のトピックス】

昨日のOPECプラスでは事前に情報が流れていたように増産目標が43万2,000バレルから64万8,000バレルに増加された。ただ、この64万8,000バレルの根拠は示されていないが、9月末までに増産を終了する見通しであるため、この3ヵ月(7~9月分)を2ヵ月で一気に前倒しする、とういことなのだろう。

計算上は、43万2,000バレル×3ヵ月÷2ヵ月=64万8,000バレル である。

今回の増産はロシアが増産出来なかった分を肩代わりするという形での増産と考えられるが、上述の通りスケジュールを早めたと考えるとロシアにも配慮し、消費国にも配慮した形になる。9月の生産に関してはまだ明確なコメントは出ていない。

このように考えると計画の延長線上での増産、という整理になり、ロシアの肩代わりという感じは余りしない。

では仮にEUのロシア産原油禁輸に伴う、ロシア原油のOPECによる肩代わり、という形なったらそれは対応可能なのか。

増産余力という観点では、OPEC全体で456万5,000バレルであり(5月時点)、この中で実質増産可能なキャパシティを有しているのは

サウジアラビア 107万バレルUAE 116万バレルイラク  47万バレル

あたりで、合計は270万バレルだ。これであれば20万バレル内外の下振れをカバーすることは可能である。しかし、ロシアに対して制裁が行われて400万バレル近い原油の供給が不足した場合、これをカバー出来る余力はない。

仮にカバーするとすれば「ちょっとしたこと」でも原油価格が高騰することになる。今のところOPECプラスの結束維持が基本方針であるため、ロシアの原油をOPECプラスがカバーする、というのは少なくとも2ヵ月は見送られたことになる。

基本的に原油の見通しは景気減速で下向きであり、多くのリサーチハウスもその見通しは同じだ。ただ、それがどのタイミングで始まるか、の問題に帰結している。

また、今回の増産があったとしても脱ロシアが継続する中では、原油価格は高止まり、調達コストを押し上げ、スタグフレーションに陥るリスクを高めることになると考える。

【昨日のセクター別動向と本日の見通し】

◆原油

原油価格は上昇した。OPECプラスが追加増産に舵を切り、大幅に下落する局面もあったが、実はこれまでの増産の延長線上にある増産であること(詳しくは昨日のトピックスを参照)、米石油統計が市場予想を上回る強気な内容だったことが価格を押し上げた。

昨日の米石油統計は市場予想比で強気な内容。原油、石油製品とも市場予想以上に在庫が減少した。

内訳を見ると、原油は生産が変わらず、輸入が減少(▲0.3MBD)、稼働率は規模が大きいPADD3の低下(▲2.2%)が顕著だった。しかしガソリンの得率は改善して生産が増加(+0.5MBD)、代わりにディスティレートの生産が減少(▲0.2MBD)という形で、供給体制が脆弱であることを確認する形に。

需要はガソリン・ディスティレートともに過去5年平均を下回り、価格上昇が需要面に影響しているとみられる。

一方、ジェット燃料は脱コロナの影響で出荷が加速しており、過去5年平均を大きく上回っている。規模的にはガソリン・ディスティレートほど大きくはないが、製品出荷の減速を下支えした。なお、石油製品輸出を含めた出荷は過去5年の最高水準であり、まだ総じて需要は堅調である。

これに加えて、今年の夏の北半球の猛暑、各地で発生している渇水が水力発電を減じ、特にディーゼルオイルの需要を増加させること、そもそも石油製品の在庫水準が低い状態が続いていることから買いが入りやすくなっている。

今後の展開でやや気になっているのが、OECDで協調放出した原油の「在庫再積増しが即時に行われるかどうか」。現状を考えると先送りされることになるとは思うが、仮に価格が下落していて、やはり在庫積増しとなれば価格の上昇要因となる。

なお、掘削~生産開始までのリードタイムが1年程度に長くなってしまった。北米の生産者の上流部門投資は増加しているのだが、いろいろな制限の下、恐らく増産が始まるのは年後半以降になると予想される。

一方中期的な視点では景気が下りのエスカレーターに乗っている状況に変わりはなく、多くの景気循環系商品と同様、年末に向けて水準が切り下がるという見通しは維持でよいとみている。

ただし、

1.レーショニングの影響で弊社が予想していた水準よりも低い価格で着地

2.供給不足の継続で弊社予想よりも高い水準での着地

の判断が難しい。今のところ弊社は1.2.のうち、2.の可能性が高まっているとみている。

今後の比較的短期的な見通しは以下の通り。OPECプラスが形式的にでも増産ペースを加速させたため、現在は3,の状態にあると考えられる。

ただ、今までの増産の延長線上で、予定通り増産は9月で打ち止めとなれば、2.の状態に戻ると予想される。

<シナリオ別原油価格見通し>

1.ロシア・ウクライナ情勢沈静化せず、ロシアの原油が半分程度市場に出てこない Brent 120-150ドル

2.戦闘状態が継続し、欧州をはじめとする西側諸国がロシア原油を段階的に禁輸とし、それが実行されるBrent 100-130ドル

3.1.ないしは2.の状態で産油国のいずれかが増産する(規模による)Brent 90-125ドル

4.戦闘状態が継続するがロシアからの原油・石油製品供給が減少しないBrent 85-120ドル

5.4.の状態で産油国のいずれかが増産する(規模による)Brent 75-110ドル

↑ 上記は停戦が行われない場合のシナリオ

↓ 下記は停戦が行われた場合のシナリオ(現在は徐々にこちらに移りつつある)

6.ロシアがウクライナから撤退するが原油の脱ロシアが進むBrent 95-120ドル

7.6.に加えて産油国のいずれかが増産する(規模による)Brent 75-110ドル

8. 脱ロシア完了(東西諸国の分裂が発生した場合)Brent 60-90ドル

9. 東西冷戦構造が構築されなかった場合(前回オイルショック時と同様に化石燃料の生産が増えて顕著な供給過剰となる場合)Brent 40-60ドル

※産油国の増産は、鍵となるイランで130万バレル、ベネズエラで50万バレル程度を想定している。OECD諸国の戦略備蓄130万バレル放出は半年の時限付。

※上記価格レンジは市場動向を反映して、逐次微修正している。

本日は、昨日の流れを受けて高値での推移になると考える。米雇用統計での物価上昇率は今ところ前月から上げ幅を縮小する見通しであり、金融引締めペースの鈍化期待を高めて価格上昇要因となるか。

◆天然ガス・LNG

欧州天然ガス先物市場は下落した。特段材料があったわけではなく欧州向けのLNGカーゴ増加観測などを材料に、昨日も指摘したが目先の需要の減少(季節的なもの)もあって水準を切下げたようだ。

ただしこれは一時的(季節的)なものであり、期先の価格はむしろ上昇している。また、ロシアが供給停止をこれで止める保証はない。

現在の天然ガス・LNGのスポット価格変動要因を整理すると概ね以下の5点に集約される。

1.脱ロシアの継続(スポットカーゴ価格の上昇要因)2.欧州ロシアの対立(価格の上昇要因)3.景気減速(価格下落要因)4.気象状況(今のところ需要増加で価格上昇要因)5.そもそもの在庫不足(価格上昇要因)

日々これらに関わる材料が処理されて価格が動いているが、欧州が脱ロシアを進める方針に変わりはなく、スポットのガス調達を増やして調達構造を変化させる見通しであり、「脱ロシアの供給ソースの完全確保」が出来るまではスポット価格は高い水準を維持する、というのがメインシナリオとなる。

LNGのターミナルを持たない域内最大のエネルギー消費国であるドイツは、

1.域内供給の増加2.その他の熱源の利用(風力、太陽光含む)3.需要の削減

によってガス在庫を積み上げるしかないが、結局その大半はロシアからの輸入に頼らざるを得ない。なお、欧州全体のガス在庫は5月31日時点で47.1%(前日46.7%)と順調に在庫が積み上がっている。

しかし、欧州はまだ良いのだが、現在戦闘状態にあるウクライナのガス在庫の水準が著しく低い。ウクライナは欧州域内で最大の貯蔵能力を有するが、現在の在庫積増し進捗状況は17.0%(16.9%)とほとんど在庫が積増しできていない状況。

仮に冬場にガスが不足した場合、欧州諸国からウクライナへの融通も視野に入れる必要があり、冬場に天然ガスが不足するリスクはまだ回避できていない。

なお、一部の国ではLNGの受入キャパシティ上限まで輸入が増加しており、これ以上輸入量を増加させるのは技術的に困難とみられる。

これらのリスクが顕在化した場合、自国民の生活や産業に著しい不利益が生じるため、欧州域内からロシア制裁解除の声が高まる可能性はある。ロシアが音を上げるか、欧州か、まさにチキンゲームの様相を呈している。

※週次(原則金曜日)の更新となります。

米国天然ガス先物市場は下落した。昨晩発表のEIA天然ガス在庫統計では貯蔵施設へのガス流入量が90BCFと市場予想(86.75BCF、前週80BCF)と市場予想、前週共に上回ったため、テクニカルな売り圧力に押されたと考える。

※週次(原則金曜日)の更新となります。

JKM先物はほぼ変わらず。

足下の「適正な」価格、即ち供給に問題が全くない場合の価格は期先の価格を参考にする必要がある。現時点で確認できる期先の価格は20ドル程度であり、この価格が「基準」になると考えられる。

5月29日時点の日本の発電用LNG在庫は199万トン(前年同月末194万トン、過去4年平均198万トン)と減少。今年の夏は猛暑が見込まれているため、夏場の供給不足のリスクは小さくない。

5月23日~29日のLNGトレードだが、取引量は730万トン(前週720万トン)、スポット取引のシェアは25%(前週33%)と低下した。

スポット契約は日本・韓国・中国・台湾の輸入が前週比▲46万トンの大幅な減少となったことがスポット取引のシェアを低下させた。また、欧州・イタリア向けも▲25万トンの減少となった。

長期契約ベースの輸入は日本(+21万トン)、中国(+16万トン)の増加となったが全体として緩やかな増加に止まった。

本日は、季節的な需要の減少観測を受けて水準が切り下がってきたが、各地とも在庫水準は過去5年平均に達しておらず、在庫積増し需要は旺盛とみられ、結局高値での推移になると考える。

※LNGの数量とガスベースの換算レートは、注記がなければBP提示の 1トン=1,360立方メートルを用いている。

◆石炭

豪州石炭スワップ先物価格は上昇した。特段目立った新規材料はなかったが、中国の経済活動再開と、在庫水準が世界的に低いことに伴う在庫積増し需要が価格を支えている状況。

中国のロックダウンの解除が

1.中国国内の供給の回復>需要の増加、となるのか2.中国国内の供給の回復<需要の増加、となるのか

は、まだなんともいえないところだが、今のところ2.となる可能性が高まっている(すみません、昨日まで2.を選択すべきところを誤って1.としていました。訂正致します)。

中国6大電力会社の石炭在庫、インドの石炭在庫水準も低く、まだ需給はタイトといえる。

中国政府は2022年の石炭生産目標は昨年12月の過去最高水準を上回る1,260万トン/日(3億9,060万トン/月)に設定しているとされ、これが達成されるとほぼ輸入が不要となる。

なお、4月の中国の石炭生産は、前年比+12.6%の3億6,300万トン(1,209万トン/日)と前月の+16.1%の3億9,600万トン(1,277万トン/日)からは減少している。

結局、海上輸送炭の輸入需要は昨年までよりは低下しているものの、完全に不要という訳ではない。4月の国別の燃料炭輸入はインドネシアからの輸入が前月比+191万トン、ロシアが+43万トン、カナダが13万トン増加している。

結局、ロックダウンは中国の電力需要を減じるものの、生産も制限するため海上輸送炭市場をタイト化させているといえるだろう。

日本も対岸の火事ではなく、今年の夏は猛暑が予想されているため、石炭価格の高騰が電力会社の業績を圧迫するのみならず、逆ざや発生に伴う電力供給制限が起きる可能性も意識しなければならない状況。

また、夏場の電力供給不足のリスクは米国でも指摘されており、北米電力安定供給審議会(NERC)は、米国では五大湖周辺から西海岸に掛けて猛暑や干ばつなどの影響で電力不足に陥るリスクに警鐘を鳴らしている。

これに加えて電力供給不足を補うため、ドイツがロシアからのガス供給途絶に備えるため、休止予定だった石炭火力発電所を利用する方針を表明しており、構造的な石炭需要は底堅く、価格を高値に維持するとみる。

本日も在庫積増しの動きは継続していると考えられ、引き続き石炭価格は高値維持の公算。

◆非鉄金属

LME非鉄金属市場はロンドン休日のため休場。取引が行われていた上海、米国の価格は軒並み上昇した。

中国の経済活動再開に伴う需要増加観測に加え、昨日は米経済統計が市場予想比で悪い内容であり米国の金融引締めペースの調整観測が強まったことが、投機的な買い戻しも促したと考えられる。

米国の銅価格は暴騰しており、一気に200日移動平均線、100日移動平均線、50日移動平均線のレジスタンスラインを上抜けしている。ただ、上海の銅価格は落着いた推移になっており、ややテクニカルな買いによる上昇とみられる。

本日もロンドン市場が休場のため取引は活発にはならないと考えるが、経済活動の再開による上海非鉄金属価格は上昇する可能性が高く、本日も総じて堅調な推移になるだろう。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、豪州原料炭スワップ先物は横這い、大連原料炭価格は上昇、上海鉄鋼製品先物は直近限月が変わらず、中心限月が上昇した。

中国のロックダウン解除に伴う経済活動の再開期待と、この間、鉄鉱石の在庫水準が低下していたこともあり、在庫再積増しの動きで水準を切り上げ、鉄鋼製品価格との回帰分析で説明可能な水準(141ドル)まで上昇した。ほぼ予想通りの展開。

原料炭は供給不足の状態が解消しておらず、高値維持。

本日も中国の経済活動再開期待を受けた鉄鋼製品需要の回復と価格上昇を受けて、鉄鋼原料価格も上昇余地を探る動きになると考える。

◆貴金属

昨日の金価格は上昇した。米経済統計がやや弱い内容だったことや、原油価格の上昇を受けて実質金利が低下したこと、ドル価の減価によってリスク・プレミアムが上昇したこと(弊社はドル指数の変化による上下はリスク・プレミアムに含めている)が材料。

金基準価格は1,256ドル(前日比+9ドル)、リスク・プレミアムは612ドル(+13ドル)となった。

昨日は下落を予想していたが、ISM製造業指数から一転、弱めの指標が発表されたことで方向性が変わった。

銀価格は金価格の上昇と株価の上昇もあって金銀レシオを引下げながら上昇、プラチナ、パラジウムも株価の上昇に伴うリスクテイクの回復で上昇した。

本日は米雇用統計が発表されるが、時給は伸びが鈍化の見通しであり、引締めペースの加速観測が後退、リスクテイクのドル安が進行するとみられ、価格は上昇圧力が強まる展開を予想。

◆穀物

シカゴ穀物市場はまちまち。

トウモロコシは米石油統計でエタノール生産が増加したことや、ドル安の進行が買い材料となったが、引けに掛けては利食い売りに押された。

大豆は続伸。一昨日発表された大豆圧搾高が高い水準を維持したことや、ドル安の進行、基本的な需給ファンダメンタルズに大きな変化がないことから買いが続いた。

小麦は上昇。ウクライナから小麦が輸出される、との期待から下落していたが実際に輸出は始まっておらず、引き続き容量の限定された陸路で欧州向けに輸出されているのみであり、供給懸念と、保管できていない穀物の腐敗リスクなどが材料となった。

本日も需給ファンダメンタルズに大きな変化はなく、高値維持の公算。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・米国経済が正常化する中で金融引き締めが加速、経済をオーバーキルしてしまった場合(価格下落要因)。

・コロナウイルスの感染再拡大(オミクロン株の影響)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合(価格下落要因)。

・渇水に拠る水不足や、発電燃料供給不足による工場稼働停止や消費低迷で景気が減速する場合(リスク資産価格の下落要因)。

・脱炭素・脱ロシア進捗による資源需要の高まりによる価格上昇や、資源の供給不足(枯渇のリスクも)が発生し、経済活動が抑制される場合(価格上昇→景気減速による価格下落リスク)

・米中対立激化にロシア問題も加わり、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

・自由主義国vs専制主義国の対立加速、自国内の混乱などを理由に急に「手打ち」となった場合(景気のポジティブリスク・中国がさらに力を付け、将来米中が武力衝突するリスク)。

・ロシア・ウクライナの衝突の影響が長期化し、欧州を中心に景気が減速する場合。

また、ロシアに対する制裁がロシアが主要生産地である商品の供給を制限し、価格を押し上げ、景気を悪化させるリスク(価格下落要因)。

ウクライナへの侵略戦争は長期化がほぼ確実であり、景気下押し要因となるという展開はメインシナリオとなる可能性。

・ロシア国債のデフォルトや、ロシアからのビジネス撤退が企業や信用市場に大きな影響を与え、クレジットクランチ(信用収縮)が発生する場合。

・中国不動産問題の沈静化に時間が掛り、信用収縮に繋がる場合(工業金属などの景気循環系商品を筆頭に、リスク資産価格の下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

逆に脱炭素に向けたインフラ投資の加速で資源価格が急上昇、金融緩和マネーが大量に市場に滞留する中でハイパーインフレとなるリスク。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。


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