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タカ派FOMC議事録と原油安で軟調
  • MRA商品市場レポート

2022年4月7日 第2168号(簡易版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「タカ派FOMC議事録と原油安で軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品価格は石炭や畜産品、ソフトコモディティの一角が上昇したが軒並み水準を切下げる展開となった。

注目のFOMC議事録では3月FOMCでも50bpの利上げが主張されたがウクライナ情勢を受けて25bpに止まったことや、今後の利上げやQTの加速を示唆する内容であり想定の範囲内ではあるがタカ派であることが再認識されたため、長期金利が上昇、ドル高が進行したことが広く商品価格を押し下げた。

また、IEAが6,000万バレルの戦略備蓄放出を決定、仮に米国と歩調を合わせて6ヵ月間放出した場合130万バレル程度の増産と同じ効果となるため、タカ派なFOMCと合わせてリスク資産価格、インフレ資産価格を押し下げることとなった。

今回のIEAの協調放出の規模は130万バレル/日程度であり、イランに対する制裁を解除した場合とほぼ同量となる。恐らくイランとの核協議が進展しないため、「イラン核合意・生産再開」にこぎ着けるまでの時間稼ぎの戦略であったと考えられる。

逆にこの在庫放出期間に次の増産(イランやその他のOPEC、米国の増産など)が確保出来ていなければ再び価格には上昇圧力が掛ることになる。

今回EUはロシア炭の禁輸方針を打ち出した。EUは輸入石炭の5割をロシアに依存しているためこれをゼロにするのは相当難しい。日本は石炭禁輸には参加しない見通し。仮に石炭とLNG共に禁輸、となった場合発電燃料の代替調達が極めて困難になるためだ。

ただ、世論はロシアに対する制裁強化を、という流れであるため日本も応分の対応をとなると夏場の発電燃料供給不足への懸念は拭い切れない。


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