深まる株価調整、リスク回避は本格化するか
- MRA外国為替レポート
2022年1月24日号
◆先週の市場総括
先週は週を通じてリスク回避が支配した。FRBによる早期の金融正常化、金融引き締めへの警戒感から米長期金利が上昇。10年債利回りは一時1.9%台に乗せた。
金利上昇を嫌気して米国株は下落基調を強めた。さらに経済指標が強弱まちまち。前週末の小売売上高が弱かったことで、早期金融引き締めによる景気悪化懸念も広がり、投資家心理が悪化した。
週末にかけて米国株はつるべ落としの大幅安。NYダウは6営業日続落で3週連続の下落となり調整色を強めた。ナスダックは昨年11月の高値から10%以上下落して調整局面入りのシグナルをつけた。
投資家の不安心理からVIX指数は一時30ポイント近くまで上昇して週末は28.85。
日経平均も米国株安や国内感染拡大懸念から大きく下落して一時27,100円台をつけ引けはなんとか27,500円台。
為替市場ではリスク回避が強まるなかユーロ円相場などクロス円相場を中心に円高。ユーロ円相場は130円台から一時128円台半ばをつけ引けは129円近辺。ドル円相場は114円20銭で始まりドル金利上昇で115円をつける場面もあったが、結局は株安につれて円高に振れ113円70銭で引けた。
月曜日の東京市場では日経平均が反発。前週の大幅安の後で押し目買い、自律反発狙いの買いに支えられた。28,300円近辺で高寄りした後も上昇し28,400円をつけた。週末に実施された日銀によるETF購入も心理的に支え。
ただ国内感染の拡大、首都圏で蔓延防止措置の適用の方向となり警戒感が上値を抑えた。後場は28,300円~350円でもみ合い、引けは+209円高の28,333円。
発表された中国の主要経済指標は、小売売上高(12月)が前年同月比+1.7%と前月+3.9%から減速。鉱工業生産は同+4.3%と前月+3.8%から加速。
10-12月期GDP前年同月比は+4.0%と前期+4.9%から減速したが予想+3.6%より強かった。
この日と翌日の2日間、日銀の金融政策決定会合が開催され結果待ちの様相も。前週末に政策変更のニュアンスが報道された影響で注目度が高まった。
ドル円相場はしっかり。114円20銭で始まり早々に上昇して40銭~50銭でもみ合い。欧州市場に入った夕刻に一時30銭に下落したがその後は114円50銭台で推移した。
ユーロ円相場は130円30銭で始まり右肩上がり。夕刻には130円70銭~80銭でもみ合い。ユーロドル相場は1.1420で始まり1.14ちょうど近辺に下落した後、1.1420に戻し、欧州市場では一時1.1430に上昇。
ただその後は反落して一時1.14ちょうどを割り込んだ。ユーロ円相場も130円50銭に下落。
この日の米国株式・債券市場は休場。為替市場も動意薄となった。ドル円相場は底固く、114円60銭近辺でもみ合いに終始した。ユーロドル相場は1.1410近辺。ユーロ円相場は130円70銭~80銭で小動き。
火曜日の東京市場では日銀金融政策決定会合、展望レポートの公表や午後の黒田総裁会見への警戒が強まっていた。しかし結果は現状維持で株式市場には安心感が広がった。
日経平均は28,400円台半ばで小幅高寄りした後、じり高となり28,500円台後半に上昇。政策決定を受けた後場寄り付きは28,700円手前で高寄りした。
ただ米10年債利回りがアジア時間に上昇し1.8%台後半をつけると米国株先物が下げ幅を拡大。つれて日経平均も下落して28,200円を割り込んだ。その後は押し目買いに支えられ28,250円近辺でもみ合い。引けは前日比▲76円安の28,257円。
ドル円相場は114円60銭で始まり50銭近辺でもみ合い。日銀の政策決定を受けて警戒感が解けて115円ちょうどに上昇した。その後は114円80銭~90銭で上下。
ユーロ円相場は130円70銭~80銭でもみ合い、政策決定後には131円10銭に上昇した。ユーロドル相場は1.1410~20で推移した後1.1390~1.14ちょうどに下落。
黒田総裁は午後15時半からの定例会見で、利上げや緩和的政策の変更は全く考えていない、と述べた。夕刻から欧州市場にかけては株安・リスク回避からユーロ円相場ほかクロス円相場が大きく円高に振れ、ドル円相場も反落した。
ただドルは金利上昇に支えられて堅調。ドル円相場は下支えられた。
欧州株は下落。連休明けの米国株も大幅安。米長期金利上昇加速でほぼ全面安。ハイテク株、高PER銘柄の下げが際立った。ナスダックは前週末比▲386ドル安の14,506ドル。NYダウは▲543ドル安の35,368ドル。VIX指数は+3.60ポイント上昇して22.79。
ユーロ円相場は次第に下げ足を速めて129円80銭に下落しもみ合い。ユーロは対ドルでも下落してユーロドル相場は1.1320~30。
ドル円相場はリスク回避による円高と米金利上昇によるドル高で下げ止まり、114円60銭近辺でもみ合い引けた。
発表されたNY連銀製造業景気指数(1月)は▲0.7と前月31.9から大きく悪化して予想25を下回った。原油価格WTI先物は一時85.7ドルに上昇し引けは85.43ドル。ウクライナ情勢への懸念や中東での石油施設攻撃が嫌気されて上昇した。
水曜日の東京市場では日経平均が大幅安。前日の米国株が大幅安となったこと、原油高騰でコスト高による収益圧迫懸念もあり、寄付きは27,800円近辺で大幅安寄り。
その後も米国株先物がアジア時間で下落、国内感染の急拡大も嫌気されてじり安から引けにかけて大幅安。下げ幅は一時▲900円を超えた。引けは▲790円安の27,467円。
為替市場では株安からリスク回避で円が買われた。ドル円相場は114円60銭で始まり朝方80銭手前に上昇したが株安につれて20銭近辺に反落。
ユーロ円相場も同様の動きで、129円80銭から90銭台に上昇した後、129円40銭に下落した。
ユーロドル相場は1.1320~30で方向感なく推移。東証引け後に円高は一服。ドル円相場は欧州市場にかけて持ち直し、114円40銭~50銭でもみ合い。ユーロ円相場も129円90銭近辺に反発した。
米国株は続落。好決算株が買われるも、景気敏感株中心に下落。アジア時間に米10年債利回りが一時1.9%台をつけたことが嫌気されたほか、米経済指標にやや弱い数字も散見されたことで弱気心理に傾いた。
S&P500指数は100日移動平均を下回り、ナスダックは11月の高値から10%超下落して調整局面入りを確認。NYダウは前日比▲339ドル安の35,028ドル。ナスダックは▲166ドルやsの14,340ドル。VIX指数は+1.06ポイント上昇して23.85。
原油価格WTIは地政学的リスクの高まりから86.96ドルに上昇した。米10年債利回りは米国市場で低下して1.85%。2年債利回りは1.04%と概ね横ばい。
為替市場では再び円高に振れ、ドル円相場は114円20銭~30銭で、ユーロ円相場は129円70銭近辺でもみ合い。ユーロドル相場は1.1350近辺でもみ合い。
木曜日の東京市場では日経平均が3日ぶり反発。朝方は米国株続落を受けて売り先行で始まり前日比▲250円ほど下げ27,200円台に沈んだが、すぐに持ち直した。
アジア時間に米国株先物が堅調に推移したことが支えとなり終始堅調。押し目買いに支えられ上げ幅は一時+400円を超えた。引けにかけてはやや押され前日比+305円高の27,772円。
ドル円相場は114円30銭~40銭で始まったが午前10時の仲値近辺で114円ちょうどに下落。ただその後早々に反発して午後は114円50銭まで戻した。
ユーロ円相場も同様に129円70銭で始まり50銭に下落した後、反発して欧州市場の朝方には130円ちょうど~10銭。ユーロドル相場は1.1350で始まり1.1340~70で上下。
欧州市場から米国市場にかけては、株安・リスク回避・ECBの金融正常化が緩慢との見方、米長期金利の低下、などでユーロ円相場を中心に円高が進んだ。
米国株は前日比プラス圏で始まりNYダウは+300ドル超上昇したが、下落に転じて引けにかけて大きく下落。結局ダウは前日比▲313ドル安の34,715ドル。
ナスダックは▲186ドル安の14,154ドル。VIX指数は+1.74ポイント上昇して25.59。早期の金融引き締めに加え、景気先行きの不透明感で、投資家に警戒感が広がった。
株安を受けてユーロ円相場は129円10銭に大きく下落。ユーロは対ドルでも大幅安となり、ユーロドル相場は1.13ちょうど近辺。ドル円相場は一時114円を割り、引けは114円10銭~20銭。
この日公表されたECB議事録ではインフレ見通しで意見が割れ、高インフレ長期化との見方と時期尚早な引き締めを警戒する見解に割れた。
ラガルド総裁は、FRBほど金融正常化は急がない、と明言。ユーロ圏のインフレ率は米国に比べ相対的に低く、景気もさほど強くない、と述べた。
発表された米国の週次の失業保険新規申請件数は286千件と前週231千件から増加。継続受給者数も前週1,551千件から1,635千件に増加した。
金曜日の東京市場では日経平均が下落。27,300円近辺で大幅安寄りの後、続落して一時下げ幅は前日比▲600円を超え27,100円台前半をつけた。米国株の下落が止まらず、投資家のリスク回避姿勢が強まって売りが嵩んだ。
ただ引けにかけては買い戻されて下げ幅を縮め、▲250円安の27,522円で取引を終えた。
ドル円相場は114円10銭~20銭で始まり株安・リスク回避の円買いで昼には113円60銭台に下落した。
ユーロ円相場も同様に129円10銭から128円60銭割れに下落。ただ日経平均が引けにかけて戻したのにつれて円高も一服。欧州時間に入った夕刻には、ドル円相場は114円ちょうど、ユーロ円相場は129円20銭~30銭に戻した。
ユーロドル相場は1.1310で始まり1.1330に小幅上昇した後底固くもみ合い。欧州市場から米国市場にかけては再びリスク回避姿勢が強まった。
米国株は大幅安。NYダウは6日続落。ナスダックは4日続落。ネットフリックスの決算発表で業績見通しが冴えなかったことから同社株が急落。来週に決算発表を控えた主力ハイテク株が売られてナスダックは大幅安。前日比▲385ドル安の13,768ドル。
早期金融引き締めによる景気減速懸念から景気敏感株も下落し、NYダウは朝方一時プラス圏にあったが高値から▲600ドル下落して▲450ドル安の34,265ドルで安値引けとなった。
投資家の不安心理を反映してVIX指数は+3.26ポイント大幅上昇し28.85。一時は30ポイントに接近した。
ドル円相場は反落して113円70銭中心にもみ合い引け。ユーロ円相場は128円90銭~129円ちょうど。ユーロドル相場は1.1340でほぼ変わらず。
◆今週の3つの注目ポイント
1.FOMC(連邦公開市場委員会)
火曜日・水曜日の2日間、FOMCが開催される。結果は日本時間木曜日未明4:00。終了後パウエル議長が会見を行う(同4:30)。
今回、政策変更は予想されていない。すでに3月のテーパリング終了、初回利上げの3月実施は織り込まれ、さらにバランスシート縮小も年後半あるいは6月にも開始されると市場は織り込んでいる。そのうえで、織り込み通りのタカ派スタンスを再確認することとなりそうだ。
一方、市場の関心は早期の金融引き締めによる景気悪化にある。足元で弱い指標も散見されるなか、むしろ景気判断に陰りがみえるか、景気に楽観的な見方を維持しているかどうかも注目されよう。
タカ派スタンスと景況判断のバランスが、市場にとって安心感をもたらす内容となるか。パウエル議長のタカ派度合いはどの程度か。何らかの慎重さは伺えるか。
2.PMI景況感指数
月曜日に欧州、米国でPMI景況感指数(1月)が発表される。景況感の分かれ目である50は依然として上回るとみられが、いずれも12月から小幅悪化が予想されている。
景気悪化懸念が台頭しているなか、予想より弱い数字に市場は反応しやすいので注意を要する。
また欧米間の景況格差が縮小するか、拡大するかも気になるところ。
ユーロ圏・製造業が予想57.5(前月58.0)、サービス業は予想52.2(前月53.1)。米国の製造業は予想56.8(前月57.7)、サービス業は55.0(予想57.6)。
3.米国の経済指標
米国では月末月初の重要指標の発表期間に入る。
火曜日 ケースシラー住宅価格指数(11月、前年同月比、予想+18.4%、前月+18.4%、依然として上昇率高止まりの予想) 消費者信頼感指数(1月、予想111.8、前月115.8から悪化予想) リッチモンド連銀製造業指数(1月、予想14、前月16から小幅悪化予想)
水曜日 新築住宅販売(12月、季節調整済み年率換算、予想750千戸、前月744千戸をやや上回る予想)
木曜日 耐久財受注(12月、前月比、予想▲0.5%、前月+2.5%から減少に転ずる予想) 米週間新規失業保険申請件数(前週は増加したが再び減少するか) GDP(10-12月期、速報、前期比年率、予想+5.6%、前期+2.3%から加速予想も当初の7%台からは下方修正) 個人消費(同、予想+2.6%、前期+2.0%) PCEコア価格指数(同、予想+4.8%、前期+4.6%)
金曜日 個人所得・消費支出(12月、前月比、予想+0.5%・▲0.6%、前月+1.3%・+0.6%) デフレーター(前年同月比、予想+4.8%、前月+4.7%)
◆今週のMRA's Eye
深まる株価調整、リスク回避は本格化するか
先週、米国株は大きく続落した。NYダウは年初に36,800ドルの史上最高値で始まったが、34,200ドル台に下落。ナスダックはさらに下げがきつく11月の高値16,000ドルから13,770ドルへ下落して高値からの下落率は14%近くに及んだ。
10%を超えると調整局面入りとされるが、ナスダックはシグナルが点灯。NYダウの頭打ち感も強まっている。
FRB当局者のタカ派発言が相次ぎ、FOMC議事録とあいまって、市場は早期金融正常化姿勢への警戒感を強めている。
3月にテーパリング=量的緩和の縮小の終了、さらに3月に利上げを開始し年内4回、合計1%の利上げ、さらに早ければ6月ないし年後半にはバランスシート縮小の開始を織り込んだ。
米2年債利回りは利上げを織り込んで1%台に定着。10年債利回りはバランスシート縮小の前倒し実施を織り込んで上昇し、先週は一時1.9%台に乗せた。
金利上昇から株価の相対的な割高感が炙り出され、高PER銘柄(株価/1株利益が高い銘柄)=株式益回りの低い銘柄(1株利益/株価が低い銘柄)を中心に売られた。利回りの低いリスク資産は、リターン/リスクが投資の割に合わないと判断される。ナスダックの下げ幅が大きくなるのは必然だ。
さらに株価の下げ足を速めた要因は景気先行き懸念と業績懸念だ。
米国では企業決算発表が佳境となっているが、業績見通しが予想に届かない企業も散見され、失望売りを呼んでいる。とくにハイテク関連株は成長期待=利益成長が株価を正当化し、株式益回りの低さを維持している。
それだけに、肝心の増収増益が想定を下回れば期待が一気に崩れ、株価が大幅に下落することで株式益回りが大きく修正される。さらにこのところ米国の経済指標に強弱まちまちの数字が散見されることも市場の不安を煽っている。
とくに小売売上高が弱かったことで個人消費への懸念が強まった。これが企業業績の先行き懸念を強めている。市場では早期金融引き締め、金融正常化の前倒しが景気を悪化させるのではないか、との見方も強まっているようだ。
市場とくに株式市場は、往々にして売買動向、株価動向によって、金融当局に政策を催促する。
株価下落が金融緩和を催促することが多いが、今回は金融正常化のペースダウン、株価に優しい金融政策を求めているということか。
ただ金融当局とくにFRBが株価動向に配慮して政策を決定する可能性は現時点では低そうだ。
本来、FRBは雇用と物価の動向、両者のバランス、リスクがどちらにあるかを判断して政策を決定する。株価動向が景気先行きに何等かのシグナルを示している場合には考慮するだろう。
ただ、ここまでの株価上昇が金融緩和の行き過ぎで支えられていたとみるなら、株価が調整しても考慮しないだろう。
バイデン政権の重要テーマが景気ではなくインフレにある限り、あるいは、FRBとしても行き過ぎた金融緩和、ゼロ金利の長期化と過大な量的緩和を続け過ぎた、とみているなら、株価調整でも金融正常化の動きは止めないだろう。
さらに市場で株安の理由に景気先行き懸念を挙げるのは行き過ぎた面もある。
確かに景気全体は急回復局面から巡航速度へ減速する過程にある。ただなおも潜在成長率を上回った状態。需給面からのインフレ圧力は続いていることになる。
企業の人手不足感は収まっておらず雇用情勢はなおも改善基調を続けている。企業業績の悪化が雇用悪化につながるような段階ではない。雇用・所得動向は今後も注視する必要があるが、消費が崩れる前提条件はみられない。
雇用増加が急速にペースダウンし、失業率が反転上昇するような事態とならなければ、金融正常化の手は緩めないだろう。
金利水準も懸念するレベルにない。インフレ率がコア指数でも年率5%に近づくなか政策金利がゼロであれば、実質金利はマイナス5%近い。
これが1%、2%、上昇しても景気を悪化させるとはいえない。景気拡大の勢いは鈍化するが、行き過ぎた金融緩和が過度に景気を刺激している状況の解消は必須だろう。
金利上昇と資産価格の調整は続きそうだ。投資家はリスク資産の保有を抑制する。景気への警戒感ではなく、単に金利上昇・価格下落の回避が目的だ。
リスク選好が抑制され、あるいはリスク回避にやや傾くなかでは円安は勢いを失う。一方で、米国景気が巡航速度を維持するなかドル金利が上昇すればドルは堅調。
ECBはFRBほど金融正常化を急がないことを明確にしたことで、ドル独歩高の可能性が強まった。
ただ株価調整とECBの緩和継続スタンスが米10年債利回りの上昇を抑制し、ドル高の勢いも鈍化する。一時は急速なドル金利上昇・想定以上のドル高のリスクが高まったが、現時点ではメインシナリオの緩やかなドル高円安の可能性が高い状況に回帰している。
当面は、米国の経済指標、とくに弱い数字に対する市場の反応が大きくなりそうだ。
FRBが景気見通しを強気・楽観のまま維持するか、それを支える経済指標が示されるか、がポイント。市場の懸念が景気ではなく、単に金利上昇に集約されるか。
金融政策に応じた株価水準への調整は続くが、これも景気のトレンドそのものが崩れず、ペースダウンに過ぎなければ、トレンドターンではなくやや大幅な調整に過ぎない。
足元の円高も円買い戻しが主流でポジション調整であり、積極的な円買いではなく、継続的な円高とはならないだろう。
リスクとしてはウクライナ情勢。ロシア軍の侵攻やNATO軍も巻き込まれてロシア軍との衝突が発生すれば、一時的に円に資産逃避が生ずるリスクもある。それが欧州景気や米国景気にどれほどの悪影響を及ぼすかがポイント。
エネルギー需給に懸念が生じ、供給サイドからのショックとなるか。現時点では、このリスクイベントによる円高も、震度こそ株安より大きくなる可能性はあるが、継続時間の面では一時的とみられる。
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