米PPIを受けたタカ派FOMC観測で総じて下落
- MRA商品市場レポート
2021年12月15日 第2097号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「米PPIを受けたタカ派FOMC観測で総じて下落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は総じて軟調な推移となった、
現在のインフレは供給障害による上昇と見られるものの、
この影響で広くドル建て資産はドル高進行を材料に売られ、
一方、上昇が顕著だったのが欧州天然ガス。
しかしもしそうなった場合、
今のところ本当に戦争になるとは考え難い(
【本日の見通し】
本日はなんと言ってもFOMCの結果に注目が集まるが、
逆に2~3回程度の利上げのままだと、「想定よりもハト派」
なお、先ほど発表された中国の重要統計は小売売上高が前年比+
【昨日のトピックス】
昨日発表された米生産者物価指数は前年比+9.6%
生産者物価指数の上昇は明確に、1.
こうなると、
一方、日本はバブル崩壊後の30年間、
日本のGDPの6割が個人消費であることを考えると、
余り考えたくはないが、
【昨日のセクター別動向と本日の見通し】
◆原油
原油価格は下落した。FOMCを控えて様子見気分が強い中、
しかし、
また、
ただし、供給減少と需要回復で下半期はCall on OPECが増加する見込みである。
本日はFOMCを控えて神経質な展開が予想されるが、
また本日は米石油統計が発表される。
200日移動平均線のサポートラインを割り込むと、
◆石炭・LNG・天然ガス
豪州石炭スワップ先物価格は上昇。
中国の石炭輸送の指標の1つであるバルチック海運指数は昨日は小
欧州天然ガス価格は続伸。
今のところロシア・ウクライナ問題は、
武力による現状変更を認めると、今後、
この状況で欧州へのガス供給が保証される可能性は低く、
結果、JKMの価格も高値を維持し、
一方で、米国は気候が温暖であり、
スポットLNGタンカーレートはスエズ以東・以西とも下落した。
ただ、例年よりも遙かに水準は高く、欧州・
2021年12月6日~12月12日のLNG取引は前週比▲9%
日本、韓国、中国、台湾のターム契約による調達が減少した、
本日も石炭価格は北アジアの気温低下と冬場に向けた供給懸念から
天然ガス価格は欧州の供給問題に大きな進展がなく、
◆非鉄金属
LME非鉄金属価格は続落した。
ドル指数動向は米景況感に左右されるが、
足下、人民元がジリ高となっているが、
昨日、トヨタ自動車が2030年までにEV車を350万台/
その気になった時の販売増加は、現在、
そのトヨタが本気モード入りしたことは、
この場合、バッテリーの必須資源を、政治的な対立が予想され、
脱炭素の一環でEV戦略を国として進めるならば、
本日は米FOMCを控えた様子見気分が強く、
アジア時間はなお、
◆鉄鋼・鉄鋼原料
中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、
中国唐山市の温室効果ガス排出基準がランクCにアップグレードさ
ただ住宅向けの鉄鋼需要が「激増」するとは思えず、
本日は目立った手がかり材料に乏しい中、
◆貴金属
昨日の貴金属セクターは下落した。
銀価格は金銀レシオが上昇しているため、
PGMは株価の下落や、
固有の材料としては南アフリカ政府がEskomの一部石炭火力に
実際にこれが行われればPGM価格の上昇要因となるが、
本日は、
仮に市場が期待を始めた2022年の3回利上げが否定されれば買
◆穀物
シカゴ穀物価格はトウモロコシ・大豆が上昇、
小麦は前日の反動で安く寄りついた後、上昇して前日比変わらず。
本日はその他の商品と同様、FOMCの結果次第となるが、
※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。
【マクロ見通しのリスクシナリオ】
・コロナウイルスの感染再拡大(オミクロン株の影響)
・資源価格上昇によるインフレや、米テーパリング・
・米中対立激化による、
・米中対立が、自国内の混乱などを理由に急に「手打ち」
・
・中国不動産問題の沈静化に時間が掛り、信用収縮に繋がる場合(
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(
・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・
逆に脱炭素に向けたインフラ投資の加速で資源価格が急上昇、
・来年の中間選挙を控えて、
・独政権交代後の国内求心力が低下、
・ロシア・ウクライナ・ベラルーシ・欧州を巡る対立が激化し、
・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、
2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・
・アフガン情勢の混乱が域内経済に混乱(大量の難民発生、
◆主要ニュース
・10月日本鉱工業生産改定 前月比+1.8%(速報比+0.8%、前月改定▲5.4%)前年比▲4.1%(+0.6%、▲2.3%)
出荷+2.4%(+0.4%、▲6.1%)、▲5.6%(+0.
在庫+0.6%(▲0.2%、+3.4%)、+2.2%(▲0.
・10月日本設備稼働率 前月比+6.2%(前月▲7.3%)前年比▲5.2%(▲4.9%)
・11月インド卸売物価指数 前年比+14.23%(前月+12.54%)
・10月ユーロ鉱工業生産 前月比+1.1%(前月 ▲0.2%)前年比+3.3%(+5.1%)
・11月米NFIB中小企業楽観指数 98.4(前月98.2)
・11月米生産者物価指数 前月比+0.8%(前月+0.6%) 前年比+9.6%(+8.6%)
除く食品エネルギー +0.7%(+0.1%)+7.7%(+7.0%)
除く食品エネルギー・貿易 +0.7%(+0.4%)+6.9%(+6.2%)
・トヨタ自動車、
◆エネルギー・メタル関連ニュース
【エネルギー】
・DOE米在庫統計市場予想
原油 ▲1,651KB(前週▲241KB)
ガソリン +2,358KB(+3,882KB)
ディスティレート +1,188KB(+2,733KB)
稼働率 +0.44%(+1.00%)
・API石油統計
原油在庫▲0.8MB
クッシング+2.3MB
ガソリン+0.4MB
ディスティレート+1.0MB
・IEA月報
世界石油需要 Q121:93.3、Q221:95.2、Q321:97.6、
非OPEC供給(含むNGLs) Q121:61.9、Q221:63.4、Q321:64.3、Q421:65.2、2021:63.7
Call on OPEC Q121:31.4、Q221:31.8、Q321:33.3、Q421:33.4、2021:32.5
※Q122、Q222の需要見通しを下方修正。
・INPEX、アブダビで油ガス層発見。
・南アフリカEskom、
・フランスニコラ・ド・リヴィエール国連大使、「
【メタル】
・Antofagasta、
・Codelco チリのChuquicamata鉱山労働者と賃金交渉労使妥結。
・BHP、Minemetal、MineHub Technologiesを通じた初のクロスボーダー取引を実施。これにより、カーボントラッキングなどが可能に。
◆主要商品騰落率
【上昇率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +9.80%/ +473.40%
2.CBT大豆ミール ( 穀物 )/ +5.34%/ ▲6.88%
3.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ +4.45%/ +5.76%
4.ビットコイン ( その他 )/ +3.16%/ +66.61%
5.TCMガソリン ( エネルギー )/ +2.59%/ +40.91%
【下落率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.パラジウム ( 貴金属 )/ ▲3.41%/ ▲33.44%
65.欧州排出権 ( その他 )/ ▲3.21%/ +143.88%
64.CBT大豆油 ( 穀物 )/ ▲2.31%/ +20.03%
63.TCM灯油 ( エネルギー )/ ▲1.86%/ +43.45%
62.銀 ( 貴金属 )/ ▲1.74%/ ▲16.88%
※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。
◆主要指標
【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :35,544.18(▲106.77)
S&P500 :4,634.09(▲34.88)
日経平均株価 :28,432.64(▲207.85)
ドル円 :113.70(+0.16)
ユーロ円 :128.01(▲0.10)
米10年債 :1.44(+0.03)
中国10年債利回り :2.88(▲0.01)
日本10年債利回り :0.05(±0.0)
独10年債利回り :▲0.37(+0.01)
ビットコイン :48,310.62(+1481.67)
【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :32.56(▲0.37)
エネルギー :60.10(▲0.1)
ベースメタル :24.30(▲0.39)
貴金属 :24.76(+0.08)
穀物 :23.17(+0.37)
その他農畜産品 :28.57(▲0.96)
【主要商品ボラティリティ】
WTI :62.97(▲0.06)
Brent :55.70(▲0.1)
米天然ガス :63.33(▲0.04)
米ガソリン :61.04(▲0.16)
ICEガスオイル :58.50(▲0.65)
LME銅 :18.79(▲0.83)
LMEアルミニウム :24.21(▲0.3)
金 :18.21(▲0.69)
プラチナ :28.02(▲0.55)
トウモロコシ :15.17(+0.19)
大豆 :18.21(▲0.69)
【エネルギー】
WTI :70.73(▲0.56)
Brent :73.70(▲0.69)
Oman :72.25(▲0.59)
米ガソリン :211.08(▲0.57)
米灯油 :221.84(▲1.44)
ICEガスオイル :642.25(▲6.50)
米天然ガス :3.75(▲0.05)
英天然ガス :323.40(+28.86)
【貴金属】
金 :1770.85(▲15.82)
銀 :21.95(▲0.39)
プラチナ :924.03(▲8.90)
パラジウム :1629.95(▲57.62)
※ニューヨーククローズ。
【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :9,480(▲26:5B)
亜鉛 :3,330(▲26:12B)
鉛 :2,306(▲4:18B)
アルミニウム :2,631(▲20:5B)
ニッケル :19,660(▲115:90B)
錫 :38,900(▲500:225B)
コバルト :69,616(+100)
(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :9388.00(▲77.00)
亜鉛 :3285.00(▲51.00)
鉛 :2280.50(▲10.00)
アルミニウム :2622.00(▲36.00)
ニッケル :19565.00(▲185.00)
錫 :39100.00(±0.0)
バルチック海運指数 :3,216.00(▲56.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック
【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :108.01(+4.70)
SGX鉄鉱石 :107.56(▲1.37)
NYMEX鉄鉱石 :107.04(▲1.47)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :349.67(+3.67)
大連原料炭先物 :421.38(+28.73)
上海鉄筋直近限月 :4,303(±0.0)
上海鉄筋中心限月 :4,394(+48)
米鉄スクラップ :597(±0.0)
【農産物】
大豆 :1259.50(+15.50)
シカゴ大豆ミール :404.50(+20.50)
シカゴ大豆油 :52.01(▲1.23)
マレーシア パーム油 :5152.00(▲86.00)
シカゴ とうもろこし :588.75(+4.50)
シカゴ小麦 :785.50(±0.0)
シンガポールゴム :193.10(▲0.60)
上海ゴム :14440.00(±0.0)
砂糖 :19.65(+0.01)
アラビカ :237.15(+0.45)
ロブスタ :2406.00(+31.00)
綿花 :105.90(▲0.91)
【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :72.18(▲0.10)
シカゴ生牛 :136.78(▲0.18)
シカゴ飼育牛 :164.58(▲0.95)
※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。