コロナ懸念後退でリスク資産価格続伸
- MRA商品市場レポート
2021年12月8日 第2092号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「コロナ懸念後退でリスク資産価格続伸」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は軒並み上昇した。各国から報告されているオミクロン株の影響がそれほどではなく、毒性もそれほど高くないとの見方が強まる中で一旦リスク回避的に売られてきたリスク資産に買い戻しが入る形となった。
下落した商品はその他農産品や非鉄金属の一角であるがその他はほとんど上昇している。
ただ、この上昇は「米国が金融引き締めに舵きりつつ有る中で発生した、オミクロン株の影響への評価が行き過ぎだった」ことによる修正の買い戻しであり、やはり循環的な景気減速がしばらく続く可能性は高いため、戻りは一時的とみるのが妥当と考える。
昨日のニュースで1つ懸念だったのは、ウクライナ問題を背景にバイデン政権がロシアに対してノルドストリーム2を認めない(ウクライナ侵攻があった場合)といった趣旨の発言をした点。
この場合、欧州の冬場のガス供給不安が高まることになる。ただ、ドイツ規制当局のスケジュールを勘案するとそもそも来年の3月頃までノルドストリーム2は稼働しない見通しだったため、今のところそれほど大きな影響はないと見ている。
【本日の見通し】
本日は、オミクロン株の影響への過度な懸念が後退する中で、リスク資産が買い戻される展開が続くと考える。
しかし、各国中央銀行が政策金利の見直しを予定しており、さらに、米国株が上昇する中ではこれまで低下していた米金利の上昇が予想され、ドル高バイアスが掛ることから上値も重くなると考える。
【昨日のセクター別動向と本日の見通し】
◆原油
原油価格は大幅に続伸した。オミクロン株の影響による需要減少懸念が後退する中、これまでの調整が大きすぎたとして買い戻しが入り、昨日指摘した200日移動平均線を回復したため、次のレジスタンスである100日移動平均線となる76ドルを目指す展開となった。
米エネルギー省の月次報告では需給見通しが下方修正されたが、価格への影響は限定された。
ただし、米国の金融緩和解除は継続する見通しであり、どちらかと言えば下落しすぎの調整による買い戻しであり、さらに上昇するかどうかは100日移動平均線を上回る必要が出てくる。
オミクロン株以上に欧州ではデルタ株などのこれまでのコロナの感染拡大が続いていることを考えると、さらなる戻りで年末に80ドル程度という弊社の見通しは修正する必要が出てきた。
本日は価格に大きく影響しそうな経済統計の発表がないが、そのため固有の材料である米石油統計に注目している。
市場予想は原油在庫の▲1.2MBの減少を見込んでいるが、朝方発表のAPI統計では原油在庫が▲3.1MBの減少となったことから、市場予想よりも原油在庫が減少する可能性があり、上昇余地を探る展開になるとみている。
この場合、テクニカルなレジスタンスである100日移動平均線を上回るか否かがポイントとなるが、仮に上抜ければBrentで81ドル、WTIで78ドル程度までの上昇が想定される(レンジがさらに5ドル切り上がる)。
◆石炭・LNG・天然ガス
豪州石炭スワップ先物価格は小幅に上昇。石炭を巡る需給環境は中国の強制増産以降、大きく変わっておらず引き続きタイトな状態。
中国の石炭輸送の指標の1つであるバルチック海運指数は昨日も上昇している。季節的な上昇ではあるがその水準が例年の3倍近いことは、海上輸送市場の需給は依然タイトであることを示唆している。
昨日発表された11月の中国の石炭輸入は前年比+198.1%の3,505万2,000トン(前月+96.2%の2,694万トン)と過去5年レンジを上回っている。
豪州からの輸入もオフィシャルに再開しており、国内需給は緩和期待が高まる。
JKM先物市場は小幅に上昇し高値を維持、欧州天然ガスは上昇した。バイデン大統領がプーチン大統領とのウェブ会談で、ウクライナへの侵攻があった場合ノルドストリーム2を認めない趣旨の発言をしたことで、欧州への供給不安が高まった形。
昨日発表された11月の中国の天然ガス輸入は前年比+16.9%の1,073万トン(前月+8.3%の938万トン)と過去5年レンジを上回っており、輸入ペースが加速している。
中国はパイプライン経由での天然ガスは主にトルクメニスタンから行っているが、「シベリアの力」パイプラインが開通して以降、ロシアからの調達も増加している。
ロシアの中国向け輸出は増加していた。そもそもシベリアの力経由での輸出は2021年で85億立方メートルに増加させる見込みであり、輸出の増加は契約通りとするロシアの主張に沿っている。
しかし10月までの輸出が62.9億立方メートルであり(天然ガス1トン=1,220立方メートルと換算)、単純計算だと2021年の輸出見通しは75.5億立方メートルと、計画に届かない。中国向けの輸出が急減したことが影響している。
この数字を見るに、ロシアが意図的に欧州の邪魔をしている訳ではなく、実際に国内供給を優先させている可能性は否定できない。
一方、記録的な気温上昇見通しとなっている米天然ガス価格は急落していたが、さすがに割安感から買い戻しが入った。80ユーロを超えた欧州排出権価格は昨日も上昇している。
スポットLNGタンカーレートはスエズ以東・以西とも横這いだが高い水準を維持した。
2021年11月29日~12月5日のLNG取引は前週比+17%の840万トンとなった。スポット調達のシェアは29%(29%)と横這い。
日本、韓国、中国、台湾のターム契約による調達が増加した、スポットの比率も高く冬場に向けた輸入需要は旺盛。
本日も石炭価格は北アジアの気温低下と冬場に向けた供給懸念から高値維持。
天然ガス価格は需給環境に大きな変化がなく、仏原発の稼働率の低下を受けて化石燃料頼みも状況は変わらず、高値維持の公算。
◆非鉄金属
LME非鉄金属価格は総じて堅調な推移となった。注目されていた中国の貿易統計は輸出・輸入とも市場予想を上回る改善となり、特に輸入の伸びが加速したことは中国が最大消費国である鉱物資源の需要増加に繋がるため、非鉄金属価格の上昇要因となった。
11月の中国の貿易統計を見ると、ベンチマークである精錬銅の輸入は前年比▲9.1%の51万402トン(前月▲33.5%の41万1,000トン)と過去5年平均を上回り輸入が増加した。
10月は9月の下落で9,000ドルまで水準が低下していたため、輸入が加速したとみられる。11月は電力供給の制限も有るため、精錬銅の輸入は増加するのではないか。
一方、銅精鉱の輸入は前年比+19.6%の218万8,000トン(前月+6.3%の179万7,000トン)と高い水準を維持している。国内在庫水準の低さと、通常年末にかけて増加する電線向けの投資需要の回復が影響しているとみられる。
また、昨日LME非鉄金属のCOTレポートが発表されたが、ニッケル、錫を除けば全てロングが解消されており、オミクロン株や米金融緩和解除加速観測がロングの手仕舞いを誘っている。
一方、錫やニッケルはショートの増加が顕著であり、価格自体が高値に近づき、市場参加者の見方も分かれてきていることを示唆している。その意味で目先のピークに価格が達しているとみる。
本日は目立った固有の手がかり材料が少ないが、中国政府による不動産規制の緩和期待や預金準備率の引き下げに加え、昨日の貿易統計の改善を受けて上昇余地をさぐる展開になると考える。
一方、米国ではオミクロン株の影響が限定されるとの見方から株高と共に長期金利が上昇し、ドル高バイアスが掛ると予想されるため上昇余地も限定されると考える。
◆鉄鋼・鉄鋼原料
中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは小幅に上昇、豪州原料炭スワップ先物は上昇、大連原料炭先物は大幅に下落、上海鉄鋼製品先物は上昇した。
中国の貿易統計で石炭輸入の急増が確認され、フローベースの供給が増加するとの期待から原料炭は海上輸送譚が買われ、国内炭が売られた。鉄鉱石は鉄鋼製品価格が貿易統計を受けて上昇したため、水準を切り上げる動きに。
11月の鉄鉱石の輸入は前年比+7.0%の1億496万トン(前月▲14.2%の9,160万トン)と急増した。鉄鉱石在庫の水準が低かったこと、価格が急落したことによる割安感からの輸入増加だったと考えられる。
ただし、鉄鉱石在庫の水準は既に高いため、鉄鉱石価格が割安ではあるものの12月以降の輸入は減速するのではないか。
本日は中国の経済活動再開と輸入の再開で、割安な鉄鉱石は買われ、原料炭も海上輸送ベースでは上昇すると考える。ただし中期的には石炭の供給が回復するため(中国国内生産の増加)、水準を切下げる展開を予想。
◆貴金属
昨日の貴金属セクターは上昇した。オミクロン株の影響がそれほどではない、との見方が広がる中で株高・長期金利高・ドル高となったが、原油価格の戻りが続き期待インフレ率が上昇したため、実質金利が低下したことが材料となった。
銀・PGMは金価格が堅調に推移する中で、株価の戻りを受けて水準を切り上げる展開。
本日は原油価格の上昇が鍵を握るが、恐らく原油はそろそろ頭が重くなると予想されるため、長期金利上昇に伴う実質金利の上昇が価格を下押しすると予想。
銀、PGMについては株価の戻りを受けて上昇余地を探る展開を予想。
◆穀物
シカゴ穀物価格は高安まちまちだったが、総じて軟調。ドル高が進行したことや、オミクロン株の影響がそれほど出はないとの楽観から景気循環系商品が物色される中で、非景気循環商品である穀物にはやや売り圧力が強まった形。
本日も明日の米国時間に発表される需給報告発表を控えて方向感が出難く、現状水準でもみ合う展開を予想。
9日夜間に発表予定の米需給報告の市場予想は以下の通り。
・生産見通し(市場予想/前月)トウモロコシ 118億3700万Bu(118億Bu)大豆 1億4,415万Bu(1億4,400万Bu)
・在庫見通し(市場予想/前月)トウモロコシ 14億7,479Bu(14億9,300万Bu)大豆 3億5,471万Bu(34億Bu)小麦 5億8,921Bu(5億8,300万Bu)
※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。
【昨日のトピックス】
昨日発表された中国の貿易統計は、市場予想を上回る内容となり中国の企業活動が回復しつつあることを伺わせる内容だった。
主に、電力供給制限に伴う経済活動の鈍化が強く意識されていたが、石炭生産の増加命令や豪州からの石炭輸入再開など、電力供給不足に対する一連の対策が奏功した形であり、ある意味前月までの反動とも言える。
中国政府は住宅セクターの規制を緩和する方針であり、預金準備率の引き下げも行っている。循環的に景気は減速する局面にあると見ているが、一連の政策対応が一時的に中国の景気を押し上げる可能性は有るだろう。
通常、金融政策の影響が実態経済に及び、顕在化するまでは4ヵ月~6ヵ月程度の時間が掛るとされるためやはり本格的な回復は来年の春先以降になると考えているが、米テーパリングや電力供給制限(まだ続いている)の影響でこの年末年始の価格調整を見込んでいたが、それほど大きなものにならない可能性が出てきたことは、意識する必要がある。
【マクロ見通しのリスクシナリオ】
・コロナウイルスの感染再拡大(オミクロン株の影響)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合(価格下落要因)。
・資源価格上昇によるインフレや、米テーパリング・利上げ観測を背景とした新興国通貨安で新興国が想定以上のペースで利上げを行わねばならず、世界的に金融引き締めモードに転じた場合(リスク資産価格の下落要因)。
・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。
・米中対立が、自国内の混乱などを理由に急に「手打ち」となった場合(景気のポジティブリスク・中国がさらに力を付け、将来米中が武力衝突するリスク)。
・発電燃料供給不足による工場稼働停止や消費低迷で景気が減速する場合(リスク資産価格の下落要因)。
・中国不動産問題の沈静化に時間が掛り、信用収縮に繋がる場合(工業金属などの景気循環系商品を筆頭に、リスク資産価格の下落要因)。
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。
・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。
逆に脱炭素に向けたインフラ投資の加速で資源価格が急上昇、金融緩和マネーが大量に市場に滞留する中でハイパーインフレとなるリスク。
・来年の中間選挙を控えて、バイデン大統領が国内の支持を得られない場合。議席確保のためのなりふり構わない政策がインフレをもたらすリスク(景気加熱後に急減速する要因)。
・独政権交代後の国内求心力が低下、域内最大経済国のドイツ経済が減速する場合、また、EUの指導力が低下し域内経済が停滞する場合(景気減速要因)。
・ロシア・ウクライナ・ベラルーシ・欧州を巡る対立が激化し、軍事的な衝突が発生する場合(景気の減速を通じて景気循環系商品価格の下落要因)。
・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。
2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。
・アフガン情勢の混乱が域内経済に混乱(大量の難民発生、コロナの感染拡大が欧州圏にもたらされるなど)をもたらし、米中対立を先鋭化させる場合(景気の減速要因)。
◆主要ニュース
・10月日本毎月勤労統計
現金給与総額 前年比+0.2%(前月+0.2%)
実質賃金総額 ▲0.7%(▲0.6%)
・10月日本家計支出 前年比▲0.6%(前月▲1.9%)
・10月日本景気動向指数速報
先行指数 102.1(前月改定100.2)
景気一致指数 89.9(88.7)
・11月中国貿易収支 717億2,000万ドルの黒字(前月845億4,000万ドルの黒字)
輸出総額 前年比 +22.0%(+27.1%)
輸入総額 +31.7%(+20.6%)
輸出年初来ベース
対米国 +28.3%(1-10月期+31.7%)
対欧州 +33.4%(+33.4%)
対日本 +17.1%(+17.6%)
対アセアン諸国 +27.9%(+28.6%)
輸入
対米国 前年比 +36.9%(+39.0%)
対欧州 +22.7%(+24.7%)
対日本 +20.4%(+20.9%)
対アセアン諸国 +32.1%(+31.8%)
・11月中国外貨準備 3兆2,223億ドル(前月3兆2,176億ドル)
・10月独鉱工業生産 前月比+2.8%(前月▲0.5%)前年比 ▲0.6%(▲0.4%)
・12月ZEW独景況感調査期待指数 29.9(前月31.7)
現況指数 ▲7.4(12.5)
ユーロ圏期待指数 26.8(25.9)
・Q221ユーロ圏雇用改定
前期比+0.9%(速報比±0.0%、前期+0.7%)
前年比+2.1%(+0.1%、+1.8%)
・Q321ユーロ圏実質GDP確定
前期比+2.2%(改定比変わらず、前期+2.1%)
前年比+3.9%(+0.2%、+14.2%)
総固定資本 ▲0.9%(+1.3%)、家計消費 +4.1%(+3.9%)
政府支出 +0.3%(+2.1%)
・Q321米非農業部門労働生産性改定
前期比年率▲5.2%(速報比▲0.2%、前期確定+2.4%)
単位当たり労働コスト+9.6%(+1.3%、+1.1%)
・10月米貿易収支赤字 ▲671億ドル(前月改定▲814億ドル)
・10月米消費者信用残高 前月比+169億ドル(前月+278億ドル)
回転信用+66億ドル(+98億ドル)
非回転信用+103億ドル(+181億ドル)
※回転信用はクレジットカードなど、非回転信用は自動車ローンなど
◆エネルギー・メタル関連ニュース
【エネルギー】
・DOE米在庫統計市場予想
原油 ▲1,169KB(前週▲909KB)
ガソリン +1,398KB(+4,029KB)
ディスティレート +541KB(+2,160KB)
稼働率 +0.49%(+0.20%)
・API石油統計
原油在庫▲3.1MB
クッシング+2.4MB
ガソリン+3.7MB
ディスティレート+1.2MB
・米バイデン大統領、「ロシアがウクライナに侵攻すれば、
ノルドストリーム2停止を目指す。」
・DOE月報
世界石油需要 Q121:92.5、Q221:94.5、Q321:96.5、Q421:98.8、2021:95.6
非OPEC供給(含むNGLs) Q121:62.2、Q221:63.8、Q321:64.3、Q421:65.6、2021:64.0
OPEC生産 Q121:30.4、Q221:30.8、Q321:32.2、Q421:33.1、2021:31.6
※2022年の非OPEC供給見通しを下方修正(主にOPEC)、需要見通しも下方修正だが、需給見通しはややタイト化。
・12月 DOE月報 2021年、2022年エネルギー価格見通し(前月)
WTI 67.87(69.02)、66.42(68.28)
Brent 70.60(71.59)、70.05(71.91)
ガソリン 3.00(3.00)、3.09(2.91)
ディーゼル 3.28(3.28)、3.19(3.23)
灯油 2.99(2.98)、3.09(3.10)
天然ガス 12.36(12.20)、12.93(12.95)
電気 13.69(13.68)、14.29(14.17)
・11月中国石炭輸入 3,505万2,000トン(前月2,694万3,000トン)
・11月中国原油輸入 4,179万トン、1,031万バレル/日(前月3,780万トン、902万バレル/日)
精製石油製品輸入 259万トン(216万トン)
輸出 419万トン(395万トン)
※原油1トン=7.4バレルとして算出。石油製品は種類の内訳が不明のためバレル換算していない。
・11月中国天然ガス輸入 1,073万トン(前月938万トン)
・イラク アブドルジャバル石油相、「原油は75ドル以上に上昇し、数ヵ月以内に安定するだろう。」
【メタル】
・11月中国銅輸入 51万トン(前月41万トン)
銅鉱石・精鉱 219万トン(180万トン)
アルミ(未加工品含む) 輸出 51万トン(48万トン)
・11月中国鉄鉱石輸入 1億496万トン(前月9,161万トン)
鉄鋼製品輸入 142万トン(113万トン)
鉄鋼製品輸出 436万トン(450万トン)
・丸紅、2022年のアルミ需給バランス見通しを▲139万8,000トンの供給不足に。2021年比では▲104万4,000トン、供給不足幅が拡大の見込み。
需要は前年比+2.9%の6,912万6,000トン、供給は+1.3%の6,772万8,000トン。半導体不足による自動車セクターの回復を見込む。
中国の受容は+2.0%の4,050万2,000トン、供給は▲0.5%の3,799万3,000トン。雲南省で水力発電の新設・増設が進んだものの電力供給問題がネック。電力不足は継続して供給のボトルネックに。
現在の価格水準ではコスト割れによる減産は生じない見込み。生産コストは世界平均で1,850ドルを想定。
2022年の価格レンジは2,500ドル~3,200ドルを予想、対日プレミアムは140ドル~250ドル。
◆主要商品騰落率
【上昇率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +6.04%/ +332.59%
2.SGX鉄鉱石 ( 鉄鋼原料 )/ +5.78%/ ▲30.84%
3.欧州排出権 ( その他 )/ +4.50%/ +160.54%
4.原料炭スポット ( 鉄鋼原料 )/ +4.23%/ +239.91%
5.ICEガスオイル ( エネルギー )/ +4.22%/ +54.13%
【下落率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ ▲2.52%/ +90.18%
65.LIFFEロブスタ ( その他農産品 )/ ▲1.36%/ +73.73%
64.CBT大豆油 ( 穀物 )/ ▲1.30%/ +31.64%
63.CBT大豆 ( 穀物 )/ ▲0.89%/ ▲4.94%
62.SGX天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲0.82%/ ▲12.63%
※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。
◆主要指標
【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :35,719.43(+492.40)
S&P500 :4,686.75(+95.08)
日経平均株価 :28,455.60(+528.23)
ドル円 :113.60(+0.12)
ユーロ円 :127.99(▲0.07)
米10年債 :1.47(+0.04)
中国10年債利回り :2.88(+0.02)
日本10年債利回り :0.06(+0.01)
独10年債利回り :▲0.38(+0.01)
ビットコイン :50,527.72(+407.16)
【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :33.80(+0.27)
エネルギー :61.95(+1.39)
ベースメタル :24.17(+0.02)
貴金属 :25.81(+0.16)
穀物 :24.27(+0.01)
その他農畜産品 :30.21(▲0.05)
【主要商品ボラティリティ】
WTI :64.47(+1.71)
Brent :55.75(+1.14)
米天然ガス :65.60(+0.27)
米ガソリン :62.13(+1.14)
ICEガスオイル :61.58(+2.1)
LME銅 :20.80(+0.08)
LMEアルミニウム :27.29(▲0.71)
金 :19.20(▲0.28)
プラチナ :29.15(+0.95)
トウモロコシ :17.46(▲0.11)
大豆 :19.20(▲0.28)
【エネルギー】
WTI :72.05(+2.56)
Brent :75.44(+2.36)
Oman :74.26(+2.01)
米ガソリン :210.00(+5.67)
米灯油 :222.46(+5.34)
ICEガスオイル :648.50(+26.25)
米天然ガス :3.71(+0.05)
英天然ガス :243.98(+13.90)
【貴金属】
金 :1784.13(+5.46)
銀 :22.51(+0.12)
プラチナ :956.51(+15.72)
パラジウム :1855.69(+0.60)
※ニューヨーククローズ。
【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :9,606(+126:41B)
亜鉛 :3,222(+80:65.5B)
鉛 :2,215(▲3:13.5B)
アルミニウム :2,620(+34:5B)
ニッケル :20,110(+235:195B)
錫 :39,400(+550:500B)
コバルト :69,512(+498)
(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :9550.50(▲26.50)
亜鉛 :3232.00(+59.00)
鉛 :2200.00(▲6.50)
アルミニウム :2624.50(+30.50)
ニッケル :20180.00(+340.00)
錫 :38700.00(±0.0)
バルチック海運指数 :3,235.00(+64.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック
【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :101.46(+0.35)
SGX鉄鉱石 :107.78(+5.89)
NYMEX鉄鉱石 :108.04(+4.30)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :344.67(+14.00)
大連原料炭先物 :406.83(▲24.77)
上海鉄筋直近限月 :4,380(±0.0)
上海鉄筋中心限月 :4,439(+46)
米鉄スクラップ :608(±0.0)
【農産物】
大豆 :1250.25(▲11.25)
シカゴ大豆ミール :358.90(▲0.80)
シカゴ大豆油 :57.04(▲0.75)
マレーシア パーム油 :5305.00(+64.00)
シカゴ とうもろこし :586.25(+2.75)
シカゴ小麦 :799.25(+2.25)
シンガポールゴム :194.30(▲1.60)
上海ゴム :14480.00(+90.00)
砂糖 :19.48(+0.32)
アラビカ :243.90(▲6.30)
ロブスタ :2387.00(▲33.00)
綿花 :111.27(▲0.74)
【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :72.08(+0.03)
シカゴ生牛 :138.23(+0.05)
シカゴ飼育牛 :165.03(▲0.23)
※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。