供給不安で商品軒並み上昇 業績不安で株価は下落
- MRA商品市場レポート
2021年10月5日 第2047号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「供給不安で商品軒並み上昇 業績不安で株価は下落」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は総じて堅調な推移となった。注目のOPECプラスで40万バレル以上の追加増産期待があったものの「そのような議論はなかった」と予め決められた数量の増産に止まったことで原油価格が上昇、それに伴う期待インフレ率の上昇やドル安が、広くドル建て資産価格の上昇要因となった。
足下、市場の最大の関心事は冬場のエネルギー供給が十分か否か、であるが即時増産が可能なOPECプラス(国による)が増産を見送ったため、当面エネルギー需給はタイトであり、発電コストの上昇やそれに伴う工場の稼働停止リスクなどが強く意識されている状況。
Q321が終了し、早ければ今月中旬から決算が発表されるが、恐らく多くの企業が原材料コストの上昇で厳しい決算になるのではないか(ただし日本企業の場合市場価格の上昇が調達コストに反映されるまでに時間差があるため、まだその影響が顕在化していない可能性はある)。
消費者はこの供給不足に如何に対応するか、に注力しているがむしろ価格上昇が需要を減じ、その後急落する可能性もあるため、先行きの下落(そしてその後の上昇)に対する備えを検討するべき時期にきていると考えられる。
【本日の見通し】
本日も供給懸念による資源価格上昇、それに伴う企業業績の悪化懸念を材料に市場全体では高安まちまちの状態になると予想される。
エネルギーや工業金属、生産に用いる化学肥料などのコストアップが続く農産品、飼料価格の上昇、二酸化炭素供給の減少で屠畜が進まない畜産セクターコストアップなどを背景に、商品価格は広く上昇しよう。
ただし同時に資源価格の上昇が景気を悪化させるとの見方も共通認識となりつつあるため、いわゆる価格上昇が需要を減じるレーショニングが意識されるため上値もそろそろ重くなると考える。
本日の注目は米ISM非製造業景況指数。市場予想は59.9(前月61.7)と減速見込みであるが、仕入の遅れや新規受注、雇用情勢の内容により注目する必要があろう。
【昨日のセクター別動向と本日の見通し】
◆原油
原油価格は上昇した。冬場の暖房・発電燃料不足を背景に、代替可能な石油製品の需要が増えるとの見方から供給面を意識した買いが継続していることが背景。
OPECプラスは追加増産への期待があったがこれを見送り、当初予定通りの40万バレルの増産にとどめた。しかしサウジアラムコは「ガス価格の高騰で原油需要が50万バレル増加している」としており、9月のDOE予想を元にすれば10月は80万バレル程度の供給過剰であるため、メキシコ湾の生産回復に遅れが出ていることを考えると、ほぼ需給はバランスしていることになる。
しかし、市場は需給タイト化の懸念を織り込んでおり、昨日のステートメントは価格に上昇圧力をもたらしやすい。
本日も価格上昇による需要減少リスクや株価の調整を意識しつつ、上昇余地を探る展開を予想。
現状、「需要がある中での供給制限」という価格が上限なく上昇する可能性があるステージに入っているため、当面堅調な推移となり、その後価格上昇によるレーショニングが価格を押し下げると見る。
◆石炭・LNG・天然ガス
豪州石炭スワップ先物価格は暴騰して240ドルに到達。中国各地で電力供給停止が発生しており、インドなどの石炭火力を用いているアジア圏の調達需要が旺盛と見られるため。
中国の石炭輸入動向への説明力が高いバルチック海運指数は続伸。バルチック海運指数は中国の石炭輸入の指標の1つであるが、冬場に向けた調達が本格化している。
JKM先物市場は上昇して31ドル台後半に。冬場のピーク(11月~2月)のJKM価格はいずれも30ドルを上回っており、ピークシーズンに供給が十分ではない地域が多数存在することを示唆。
ラニーニャ現象発生が見込まれるこの冬、気温次第ではあるが今年の1月に見られたような電力スポット価格が暴騰する展開は、リスクシナリオというよりむしろメインシナリオと見るべきだろう。
欧州天然ガスは高値圏を維持し、100ユーロ/mwhを目指す展開。ロシアがノルドストリーム2への供給のためのガス充填を開始したとの報道があったが、足下の調達不足でその影響は限定された。
実際にノルドストリーム2が稼働するためには、EUが2009年から施行している第3エネルギーパッケージが影響しており、EUではガスの輸送・生産・配送の事業者は異なることが要求されており、ドイツ当局の認可が必要となる。
ロシアはこの規制に対応するためには、パイプライン事業を他社に譲らなければならずこれもまた容易な話ではない。ノルドストリームの場合はEU規制の適用除外措置が講じられたため、ガスプロムが51%出資するノルドストリームAGがパイプラインをフル稼働させている。
今後、供給不足が続けば採算が取れない企業が稼働を停止、その後、民生用の供給制限が起きることになるためかなり厳しい状態にEUはおかれている。
米天然ガスは上昇。欧州のみならず世界中で天然ガスが不足する中、輸出需要が増加するとみられたことが背景。
スポットLNGタンカーレートはスエズ以東は緩やかに上昇、以西は大幅に上昇した。明らかにピークシーズンに向けた調達圧力の高まりによるものと見られる。
2021年9月20日~9月26日のLNG取引は前週比+50万トンの690万トン(前週▲40万トンの640万トン)、スポット調達のシェアは24%(24%)で変わらず。
輸入量の増加は中国・韓国の輸入によるもの。スポットカーゴの供給国は様々だったが、主に中国に輸出された。やはり中国の発電燃料は不足していると見るべきである。
石炭は供給不足が顕著であり、中国、欧州のみならず、インドも在庫が低く本日も高値維持の公算。
欧州地域はガス供給制限を材料とした買い継続でやはり高値圏を維持。米国天然ガスも海上輸送市場需給の逼迫から高値維持の公算。
◆非鉄金属
LME非鉄金属価格は上昇した。主たる買い手である中国勢は不在だったが、中国の工場稼働停止による供給制限への懸念は根強く、総じて堅調な推移となった。中国勢が不在の中で価格は調整すると見ていたが、それ以上に供給懸念が市場の材料になっている。
欧州非鉄金属協会はこのまま電力問題が解消されなければ、域内から離脱する生産者が増え、逆に脱炭素戦略に影響を来すとEUに警告している。それだけ欧州の構造的なエネルギー供給が問題になっている、とも言える。
区別の材料としてはニッケルに関し、Valeがブラジル北部パラ州の環境当局の認可が下りず、Onca Pumaの稼働を一時停止したと報じた。
本日も中国勢は不在だが、昨日の上昇が顕著だったことから一旦売られるものの、供給面に強く焦点が当たっているため高値圏を維持すると考える。
◆鉄鋼・鉄鋼原料
中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、豪州原料炭スワップ先物は上昇、大連原料炭先物は上昇、上海鉄鋼製品先物は休場だった。
中国勢が国慶節の大型連休入りとなったため、在庫積み増しの動きは減速しているが、鉄鋼製品価格と鉄鉱石価格の関係からは鉄鉱石価格が割安であるため、まだ一定の在庫積み増し需要があったものと推察される。
本日も中国勢が休みで市場にいないことから、動意薄く現状水準でのもみ合いを予想。供給が明確に十分ではない原料炭価格は高値圏での推移の見込み。
◆貴金属
昨日の貴金属セクターは堅調な推移となった。原油価格の高騰で期待インフレ率が上昇し、実質金利が低下したことが価格を押し上げた。しかし景気の先行きへの懸念が強まっていることから株価が調整しており、銀・PGMは引けに掛けて下落、PGMは前日比マイナスで引けた。
なお、金のリスク・プレミアムは上昇しており、リスクへの感応度(中国の不動産問題、インフレやテーパリング加速による新興国経済不安など)が高まっていることが窺える。
なお、現在のリスク・プレミアムは143ドルで過去5年平均である177ドルよりもまだ低い。
本日も原油価格動向と、景気の回復が弱い中での物価上昇(いわゆるスタグフレーション)への懸念から、金銀価格は上昇し、PGMは軟調推移を予想する。
◆穀物
シカゴ穀物市場は上昇後下落した。ドル安進行を背景に上昇していたが、トウモロコシ・大豆はハーベスト・プレッシャーに押されるかたちで引けに掛けて水準を切下げた。
本日もトウモロコシ・大豆はハーベスト・プレッシャーに押される形で軟調推移、小麦もこれに連れるとみるが足下、米景気の先行き懸念や資源国通貨の上昇でややドル安バイアスがかかっているため、下値余地も限定されると考える。
※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。
【昨日のトピックス】
昨日は目だった経済統計の発表はなかったが、欧米中央銀行メンバーのコメントに若干のトーン変化が見られた。
セントルイス連銀ブラード総裁は、米国のインフレ率が過去数十年来の高値になっていると指摘し、上昇ペースが落着くまでには予想以上の時間を有するリスクがあると発言した。
これまでFRBは「インフレは一時的であり、ロジスティクスの解消で下落する」とみていた。弊社も同じスタンスだったが市場の正常化、特に生産・供給の制限継続が想定因りも長びいており、インフレの進捗が経済に悪影響を与える可能性は否定できない。
また、ECBデギントス副総裁も11月にインフレが高進するとの見通しを示している。ただECBの政策委員は概ね来年にはインフレは沈静化するとみておりまだ情勢見通しは楽観的だ。
ただ、需要が牽引する形でのインフレではなく、供給側の影響に寄るものでありここで仮に金融引き締めを急げば景気が急速に悪化するリスクをはらむ。
もちろん、もちろん需要は増加しているが今回は供給面の影響の方が大きいため、ここで引き締めを行うことで景気が減速した場合、また景気刺激を行わなければならないという悪循環となる。
結果、世界の供給制限の源泉であるコロナ対策を急ぐ必要がある。
また、米中対立とそれに伴うサプライチェーンの寸断リスクも継続する可能性が高い。この場合、米国圏・中華圏とビジネスを展開している国々は二重投資を余儀なくされるため、このこともコストアップにつながり、インフレを助長しかねない。この点も無視できないリスク要因の1つである。
【マクロ見通しのリスクシナリオ】
・中国恒大集団の債務問題が不動産セクター全体に波及し、世界的に株安となり経済活動が逆回転する場合(工業金属などの景気循環系商品を筆頭に、リスク資産価格の下落要因)。
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。
・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。
逆に脱炭素に向けたインフラ投資の加速で資源価格が急上昇、金融緩和マネーが大量に市場に滞留する中でハイパーインフレとなるリスク。
・コロナウイルスの感染再拡大によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合(価格下落要因)。
逆に想定以上に新型ワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。
・来年の中間選挙を控えて、バイデン大統領が国内の支持を得られない場合。財政面や企業負担増の理由から造反が発生し、議会を通過しない場合は景気のリスクに(景気減速要因)。
・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。
この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならない。
・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。
「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は高くなった。
・米テーパリング実施が、コロナの感染に苦慮する中南米、欧州・アフリカの新興国経済に悪影響を及ぼす場合(景気減速要因)。
・独総選挙結果を受けた連立政権樹立に難航し、域内最大経済国のドイツ経済が減速する場合、また、EUの指導力が低下し域内経済が停滞する場合(景気減速要因)。
・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。
2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。
・アフガン情勢の混乱が域内経済に混乱(大量の難民発生、コロナの感染拡大が欧州圏にもたらされるなど)をもたらし、米中対立を先鋭化させる場合(景気の減速要因)。
◆昨日の商品市場(個別)の総括
---≪エネルギー≫---
【原油価格見通し】
原油価格はこれまで脱炭素の流れで増産が見送られてきたことから直ちに供給増加ができないこと、OPECプラスの「追加」増産見送り、欧米投資銀行が100ドル原油予想を相次いで発表、投資熱が高まっていることなどから高値を維持すると考える。
特にこの冬は天然ガス・石炭の供給不足が解消する感じではないため、冬場の気温次第では一段の上昇も有り得る状況。
10月4日のOPECプラスは追加増産への期待があったがこれを見送り、当初予定通りの40万バレルの増産にとどめた。
サウジアラムコは「ガス価格の高騰で原油需要が50万バレル増加している」としており、9月のDOE予想を元にすれば10月は80万バレル程度の供給過剰であるため、メキシコ湾の生産回復に遅れが出ていることを考えると、ほぼ需給はバランスしていることになる。
しかし、供給が綱渡り状態であることは事実であり、冬場の気温次第で供給が不足する可能性は低くない。
中期的にはOPECの増産、米テーパリング開始、発電燃料供給不足が企業活動を鈍化させること、冬場の上昇による暖房需要の減少を背景に軟調な推移になると予想する。
テーパリングに関しては、前回実施時は中盤に原油価格は下落に転じており、今回テーパリング開始も価格の下押し要因となるが、利上げの先送り観測でドル安が進行するならしばらくは価格の下支え要因となる。
弊社年末に向けてBrentは60ドル台半ば、WTIは60ドル台前半への調整をメインシナリオとしていたが、足下の厳しい供給環境、代替品としての原油需要の高まりを考慮し各々10ドル程度引き上げた。
米DOEの2021年供給は96.10MBD、需要は97.37MBD、需給バランスは▲1.27MBDの供給不足。
価格を下押ししてきたコロナであるが、徐々に「ウィズコロナ」に舵が切られつつあり感染拡大が価格下落に影響するステージは早晩終了するとみられる。
しかし、それはこの冬到来が懸念される第6波までに解消する、とは考え難いため引き続き景気循環系商品価格の下落要因である。
中国の輸入規模はその水準は世界最大であるものの、原油価格に余り影響を与えない中国の原油輸入は、8月は前年比▲6.2%の4,453万トン(前月▲19.6%の4,124万トン)と前年比では減速しているが、大幅に増加している。
中国は輸入に関して価格感応度が高いため、7月・8月の価格下落時の輸入が増加している。需要の回復もあろうが、主に戦略備蓄向けと考えられる。
【見通しの固有リスク】
・気温低下による暖房向け燃料需要が増加、ないしは不稼働の液体系燃料発電(ディーゼルや重油)を有する国や地域が再稼働を決定した場合(価格の上昇要因)。
・電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限が経済活動を強制的に停止させ、需要が減少する場合(価格の下落要因)。
・コロナの変異株が猛威を振るいワクチンが効かない場合(需要減少で下落リスク)。
・米国経済が正常化する中でテーパリングなどの金融緩和解除が加速、急速なドル高を通じて投機的な売り圧力が高まる場合(価格の下落要因)。
・OPECプラスの増産ペースの遅れないしは上流部門投資不足による供給不足。またはイランを巡り武力衝突や制裁解除が遅れた場合(価格上昇要因)。
価格が上昇する中でOPEC諸国の減産維持統制が効かなくなり、増産競争に舵が切られる場合(下落要因)。
・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合(価格下落要因)。
・脱炭素の過剰な進捗による供給懸念(価格上昇要因)。
1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる場合
2.中東以外の産油国の生産者の破綻
3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合
4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)
かなり過剰なペースで脱炭素が進められており、オイルメジャーも株主・政府の圧力を受けて脱炭素に舵を切り、タイムリーな原油増産が困難になっている。
この場合、「脱炭素移行期間の景気回復時」には十分な燃料供給が出来ないリスクが高まり、来年以降の価格上昇局面で原油価格が100ドルを超えるリスク(リスクシナリオの位置づけ)。
なお、脱炭素が完了しても100%原油が不要になることはなく、OPECの価格支配力が増すため、この場合でも価格は上昇へ。
【石炭価格見通し】
海上輸送石炭価格は堅調な推移になると考える。中国の冬場の電力需要向けの調達は旺盛で、供給不足に伴い稼働を停止する工場が増加していることから考えても分るように、今後も石炭調達は継続する戸みられ高値維持の公算。
中国政府は脱炭素といいつつ、石炭の国内生産を増加させている。増加していた中国6大電力会社の石炭在庫水準も再び減少を始めておりこのまま高値で推移する可能性は高い。
石炭は「座礁資産」と呼ばれ、上流部門投資ができなくされていることから、増産をしているのはGlencoreや中国企業ぐらいであり、供給が不十分であること、需要側の構造はそう簡単には変わらないことを考えると、この冬場は極めて高い水準を維持することになろう。
8月の石炭輸入は前年比+35.8%の2,805万2,000トン(前月+15.6%の3,017万8,000トン)と前月から水準は減少したが、昨年の水準を上回った。過去5年平均は上回っている。
猛暑・渇水による発電燃料としての石炭需要増加と、中国の経済活動回復に伴う電力需要の増加が続いているためと考えられる。
【見通しの固有リスク】
・今冬はラニーニャ発生が予想され、厳冬のリスクも意識されているが懸念に反して暖冬となる場合(価格下落要因)。
・電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限が経済活動を強制的に停止させ、需要が減少する場合(価格の下落要因)。
・Nord Stream2の稼働が早期に行われ、天然ガス価格が急落する場合(下落要因)。
・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念(価格の上昇要因。これは既に顕在化)。
・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。
【天然ガス・LNG】
天然ガス価格は中国の経済活動が活発である一方、自然エネルギー供給(英国の風力、ブラジル・中国のの水力など)が減少、火力発電向けの燃料需要が旺盛なこと、石炭価格も高値を維持していることから、価格は高値を維持すると考える。
在庫不足の状態に変わりはなく、ロシアも現状を踏まえても欧州向けガス供給を増加させる気配はなく、ノルドストリーム2の稼働も来年夏にずれ込む可能性が出てきたことから価格は高値維持。
このままだと欧州全体がラニーニャ現象発生が懸念される中で冬場に突入し、厳冬の中、計画停電が行われる可能性がある。この場合、人命のリスクが無視できない。
8月の中国の天然ガス輸入は前年比+11.5%の1,044万トン(前月+27.0%の934万トン)と減少したが、季節的に見ると過去5年レンジを大きく上回った状態が続いている。
8月の中国のLNG輸入は前年比+11.7%の665万トン(前月+12.6%の567万トン)と過去5年レンジを上回り構造的な需要増加は続いているが、やや伸びは鈍化した。
長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。
【見通しの固有リスク】
・今冬はラニーニャ発生が予想され、厳冬のリスクも意識されているが懸念に反して暖冬となる場合(価格下落要因)。
・電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限が経済活動を強制的に停止させ、需要が減少する場合(価格の下落要因)。
・8月18日にNord Stream2が稼働しているとの誤ったデータが発表された直後、ガス価格が大幅に下落している。
政治的な要因でNord Stream2の稼働は遅れると考えられるが、同パイプラインが稼働して欧州のガス需給が緩和した場合(価格下落要因)。
・石炭と同様、「化石燃料であること」を理由に上流部門投資が制限される、あるいは原油生産減少による随伴ガス供給が減少する場合(構造的な価格上昇要因)。
・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。
【投機筋のポジション動向】
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
WTIはロングが527,523枚(前週比 +21,160枚)ショートが153,709枚(+3,324枚)ネットロングは373,814枚(+17,836枚)
Brentはロングが391,095枚(前週比+19,458枚)ショートが62,141枚(+10,155枚)ネットロングは328,954枚(+9,303枚)
---≪LME非鉄金属≫---
【非鉄金属価格見通し】
非鉄金属価格は中国の不動産バブル抑制が不動産市場全体に波及する可能性が高いこと、直近の直近の工業生産、固定資産投資、不動産投資、工業セクター利益も減速が顕著であり、当面、加熱した景気の沈静化に中国政府が舵を切る可能性が高いことから軟調推移を予想。
ただし、この冬にかけては発電燃料の不足を背景とする電力供給不足リスクが顕在化しており、強制的に生産が停止される金属が増えることから供給面で価格はサポートされるため下落余地は限定されると考える。
実施が期待されている米インフラ投資法案が、バイデン政権支持率低下で当初予定通り実行されるかが微妙になってきた。超党派で合意しているため実行されるとみるが、期待通りの規模にならない可能性も考える必要がある。
その一方で、電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限は経済活動を強制的に停止させ、工場向けの金属需要を減少させる可能性もあるため、発電燃料の不足は短期的には供給制限で価格を支えるが、工場稼働停止の場合、即時に需要が減少するため短期的には下落要因と整理するのが妥当か(価格への影響は通常、需要面の影響の方が供給面よりも大きい)。
なお、長期的にはインドの人口ボーナス期入り、まだ脱炭素の流れ、省エネの流れに変わりがないため、供給面・需要面の制限から価格が上昇するという見通しを変更する必要はないと考えている。
【LME金属需給見通し】
(2021年)
銅 生産 24,947千トン 需要 26,790千トン 需給 ▲842千トン
亜鉛 生産 14,045千トン 需要 14,069千トン 需給 ▲24千トン
鉛 生産 12,381千トン 需要 12,168千トン 需給 +213千トン
アルミ 生産 67,716千トン 需要 66,444千トン 需給 +1,272千トン
ニッケル 生産 2,573千トン 需要 2,612千トン 需給 ▲40千トン
錫 生産 429千トン 需要 431千トン 需給 +28千トン
【中国重要統計の評価】
9月の中国製造業PMIは49.6(前月50.1)と市場予想の50.0を下回り、閾値である50を下回り、製造業の減速感が鮮明となった。しかし同時に発表された財新製造業PMIは50.0(市場予想49.5、前月49.2)と回復しており、ややまちまちの内容となっている。
製造業PMIの規模別の景況感を見ると中堅・中小企業の減速が鮮明だが、財新製造業PMIは中堅企業並びに輸出企業が主体であるため、直近の貿易統計で輸出がやや回復したことが影響した可能性はある。
しかし総じて減速していることは間違いがなさそうで、工業金属需要減速、並びに価格の下落要因となり得る。
内訳を見ると生産鈍化(50.9→49.5)、新規受注(49.6→49.3)、輸出新規受注(46.7→46.2)、受注残(45.9→45.6)と需要の鈍化が顕著である。
在庫水準は低いが増加しており、完成品在庫は47.7→47.2、原材料在庫は47.7→48.2、サプライヤー納期はほぼ変わらない(48.0→48.1)。
さらに細かく見ると、購買量は減少(50.3→49.7)、購入価格は上昇(61.3→63.5)、販売価格も上昇(53.4→56.4)している。
工業金属価格に対する説明力が高い新規受注在庫レシオは、完成品が1.045(前月1.040)と上昇、原材料が1.023(1.040)となった。
生産指数が低下していることと合わせて考えると、1.発電燃料・電気の不足で稼働が低下、2.原材料は積み上がるが製品は出荷される、3.価格転嫁も進んでいるが輸入価格の高騰は続き、レーショニングが起きている、4.総じて原材料需給は緩和し、完成品需給はタイトな状態、と整理できる。
これまで工業金属価格の上昇を牽引してきたのは中国の住宅セクターであるが、中国の建設業PMIは57.5(前月60.5)と減速した。中国政府による不動産セクター沈静化の動きが影響しているとみられる。
中国恒大集団の債務問題はその氷山の一角だろう。問題の顕在化はこれからではないだろうか。
8月の中国の貿易統計を見ると、ベンチマークである精錬銅の輸入は前年比▲41.1%の39万4,017トン(前月▲44.3%の42万4,280トン)と過去5年平均を下回り続けており、減速感が鮮明となっている。
8月の銅精鉱の輸入は前年比+18.6%の188万6,000トン(前月+5.5%の189万トン)と高い水準を維持している。TCの上昇もあって製錬需要が増加したと考えられる。
8月の銅スクラップの輸入は+60.2%の12万9,802トン(前月+98.9%の14万9,369トン)。
ただし全体としては輸入に下押し圧力が掛っている印象は否めず、しばらくは調整圧力が強まる展開が予想される。
工業金属のフロー需要に影響する工業生産は、1-8月期累計で前年比+13.1%(1-7月期+14.4%)と伸びが鈍化、単月でも 前年比+5.3%(前月+6.4%)と鈍化が鮮明になっている。
ストック需要の指標である固定資産投資も年初来累計で+8.9%(+10.3%)と明確に減速。公的セクターの伸び鈍化は所与としても、よりボリュームの大きな民間部門が前年比+11.5%(+13.4%)と伸びが減速していることは、中国政府によるバブル抑制行動が影響しているとみられる。
中国政府が最も懸念している不動産開発投資はまだ前年比+10.9%(1-7月期+12.7%の8兆4,895億元)と高い伸びを維持しているがそれでも減速基調にあり、新築住宅販売の前年比上昇も+0.16%(前月+0.30%)と伸びが鈍化している。
いずれも「伸び」が鈍化しているのみであり、中国の経済活動が回復していることは間違いがない。しかし、需要の伸びが想定を下回る場合、多くの場合供給過剰を誘発して価格の下押し要因となる。
【政策動向・脱炭素】
政策動向・脱炭素の流れは中長期的な材料。米バイデン政権は8年間で1兆2,000億ドルのインフラ投資計画実施計画。
道路・橋梁・主要プロジェクトに1,090億ドル、電力インフラに730億ドル、旅客・貨物鉄道に660億ドル、ブロードバンド・インターネットサービスに650億ドル、公共交通機関に490億ドル、空港に250億ドルを投じる。
さらには2022年度予算も戦後最大となる歳出を6兆ドルと、以上と戦後最大の水準とする方針。
これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。
これまで中国が鉱物セクターの需要動向に関して主役であり、今後も非鉄金属価格の動向は中国動向が左右するが、「新規の需要」については欧米動向が重要になる可能性は意識しておきたいところ。
この場合、米国の景気回復=ドル高・金属価格上昇、という構図も考えられる。
米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高い。
軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなど。
2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要する見込み。
【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】
・中国不動産大手恒大集団の破綻懸念が中国の住宅セクターに広がり、中国の不動産バブルがはじける場合(価格下落要因)。
・ロジスティクスに障害が残る中、非鉄金属の偏在が現物プレミアムを押し上げるリスク(北米で顕在化)。
・猛暑や渇水による燃料価格上昇で、1.電力供給不足による稼働停止・供給減少、2.発燃料価格の上昇を通じて生産コストが上昇する、場合(価格上昇リスク)。
・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。
・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資(2兆ドルのクリーンインフラ投資など)を議会の採決を得て実行に移す場合(上昇リスク)。
・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。
・チリやペルーで広がる左派勢力伸長に伴う大衆迎合的な政策が可決し、鉱山生産に過剰なロイヤルティが適用される場合(供給減少ないしは生産コスト上昇で価格の上昇要因)。
チリで議論されている銅のロイヤルティ増税案の詳細は以下の通り。
年内実施予定の選挙結果では課税強化で生産コスト上昇、または減産となる可能性も。
3%の新ロイヤルティに加え、銅価格に連動して税額が賦課される仕組み。
2ドル~2.5ドル/ポンド(4,406~5,508ドル/トン):15%2.5ドル~3(5,508~6,609):35%3ドル~3.5(6,609~7,711):50%3.5ドル~4(7,710~8,813):60%4ドル~4.5(8,813~9,914):70%
年間販売量が5万トン未満の小規模生産者は品位95%の粗銅の場合▲5%の軽減税率、アノードの場合(99.4~99.6%)が適用される。
2023年までは現行の営業利益率によって5~14%の鉱業ロイヤルティが適用されるが、2024年以降は新税制を適用。
・インドネシアが再び低品位ニッケル鉱石の輸出を制限する場合(ニッケル価格の上昇要因)。
・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。
また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。
中国の環境規制強化に伴う供給の減少。エネルギー排出量の多い新疆ウイグル自治区でのアルミ生産は減産の影響は既に材料視されている。
【投機筋のポジション動向】
・LME投機筋買い越し金額 前週比▲5.4%の294億ドル(前週 311億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比▲1.4%の6,319.7千トン(前週 6,410.1千トン)
---≪鉄鋼原料≫---
【鉄鋼原料価格見通し】
鉄鉱石価格は中国政府の発電燃料供給不足と環境改善目的の鉄鋼製品生産減少、中国不動産セクターの先行き不安が鉄鋼向け需要を減じることから、水準を切下げる展開を予想。
直近の工業生産、固定資産投資、不動産投資、工業セクター利益とも前年比ベースの減速が顕著であり、中国政府の想定通り中国経済は過熱が沈静化の方向に向かっている。
ただし、同時に中国政府は金融緩和を行っていること、米欧中のインフラ投資による建材向け需要増加観測を背景に下落したとしても下値余地は限定されるのではないか。米国では鉄鋼製品価格上昇が継続している。
なお、鉄鉱石先物の期先の価格が限界生産コストの目安として意識されるが、80ドル程度で安定しており、やはり中長期的にはこの水準に価格が回帰すると考えている。
【中国の政策動向】
中国共産党は2021年から始まった新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。今のところ昨年の生産量を超えないようにする、というのが中国政府の目標。
最大生産都市である唐山市は、2021年20日~12月31日まで、大気汚染基準に違反し、データを改ざんした4社は7月~12月末まで▲30%減産、その他の16社は12月末まで▲30%の減産を新たに実施することを義務づけられている。
これにより、唐山市の粗鋼生産は前年比▲2,223万トンの1億2,177万トン、鉄鉱石需要は▲3,500万トン減少するとみられている。
別の話だが、半年後、北京オリンピック中に粗鋼生産が停止させられる可能性は高い。
粗鋼生産が減少すれば、鉄鉱石の在庫水準の指標である在庫日数も、分母が小さくなるため上昇が予想され、鉄鉱石価格の下落要因となる。これは原料炭も同様。
【中国重要統計の評価】
9月の中国鉄鋼業PMIは総合指数は45.0(前月41.8)と回復した。これは新規受注(31.6→39.0)、輸出向け新規受注(31.8→39.5)と回復したことによるものだが10月の大型連休や8月の洪水の影響もあってその反動の増加と考える方が適切だろう。
新規受注の回復を受けて新規受注・完成品レシオが1.12(0.94)となり、新規受注原材料レシオも1.00(0.89)の上昇となった。しかし完成品の方がレシオの上昇が顕著である。
このことは、生産抑制に伴い鉄鋼製品需給はタイトな状態が続く一方、鉄鋼原料需給は完成品ほどではないがやはりタイトであり、鉄鋼原料輸入が継続する可能性が高いことを示唆している。
特に、環境保護や生産制限によって国内供給が厳しく、海外からの輸入(豪州)ができなくなり、モンゴルからの供給もコロナの影響で制限されている原料炭価格はさらに高値を維持することになろう。
これまで工業金属価格の上昇を牽引してきたのは中国の住宅セクターであるが、中国の建設業PMIは57.5(前月60.5)と減速した。中国政府による不動産セクター沈静化の動きが影響しているとみられる。
中国恒大集団の債務問題はその氷山の一角だろう。問題の顕在化はこれからではないだろうか。
工業金属のフロー需要に影響する工業生産は、1-8月期累計で前年比+13.1%(1-7月期+14.4%)と伸びが鈍化、単月でも 前年比+5.3%(前月+6.4%)と鈍化が鮮明になっている。
ストック需要の指標である固定資産投資も年初来累計で+8.9%(+10.3%)と明確に減速。公的セクターの伸び鈍化は所与としても、よりボリュームの大きな民間部門が前年比+11.5%(+13.4%)と伸びが減速していることは、中国政府によるバブル抑制行動が影響しているとみられる。
中国政府が最も懸念している不動産開発投資はまだ前年比+10.9%(1-7月期+12.7%の8兆4,895億元)と高い伸びを維持しているがそれでも減速基調にあり、新築住宅販売の前年比上昇も+0.16%(前月+0.30%)と伸びが鈍化している。
いずれも「伸び」が鈍化しているのみであり、中国の経済活動が回復していることは間違いがない。しかし、需要の伸びが想定を下回る場合、多くの場合供給過剰を誘発して価格の下押し要因となる。
【中国鉄鋼製品輸出入・在庫動向】
8月の中国の鉄鋼製品の輸入は前年比▲52.5%の106万3,000トン(前月▲59.8%の105万トン)と低迷し、過去5年平均を下回った状態が続いている。
8月の中国粗鋼生産は前年比▲12.2%の8,324万トン(前月▲7.0%の8,679万トン、前々月+2.5%の9,388万トン、前々々月+7.8%の9,945万トン)と減速が鮮明になった。前年比での伸びが鈍化。生産調整の影響が出ている。
一方、8月の鉄鋼製品の輸出は前年比+37.3%の505万3,000トン(前月+35.6%の567万トン)と前月から前年比の伸びを拡大した。ただし、過去5年平均を下回る水準に減少しており、やはり国内供給を優先させていることが窺える。
なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが、在庫水準は前週比▲68万6,000トンの1,444万2,000トン(過去5年平均 1,133万7,000トン)と例年を上回り水準は高い。
【中国鉄鉱石輸出入・在庫動向】
原料である鉄鉱石の7月の輸入は前年比▲21.4%の8,851万トン(前月▲12.1%の8,942万トン)と減速した。中国政府の鉄鋼ミル稼働制限の動きが輸入を鈍化させたとみられる。
また中国の鉄鉱石需要は鈍化している可能性がある。
なお、中国の最大の輸入相手である豪州では鉱山の人繰りが付かず生産が停滞しているとの指摘もあるが、直近5月の輸出統計では明確な減速は確認されていない。
鉄鉱石港湾在庫は前週比+350万トンの1億3,350万トン(過去5年平均1億2,646万トン)、在庫日数は29.6日(過去5年平均 28.6日)と数量ベース・日数ベースでも過去5年平均を上回り急速に需給が緩和していることが確認されている。
在庫日数は粗鋼生産の水準の高さに依拠するため、中国政府の鉄鋼生産抑制方針を受けて在庫日数の上昇傾向は続き、価格を下押しすると予想される。
【中国原料炭輸出入・在庫動向】
原料炭は中国の生産活動回復が継続しているが、前年比の伸び鈍化が明確になってきたため(中国政府の方針通り)、価格は下落余地を探る動きになると考える。
また、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることも、海上輸送原料炭価格を下押ししよう。
とは言え、環境規制強化の流れで世界的に原料炭供給を増加させられる地域が限定されることから、下落余地も同様に限定される都見るのが妥当だ。
8月の中国の原料炭輸入は前年比▲34.7%の468万2,831トン(前月▲48.8%の377万1,291トン)と回復しているが、過去5年レンジを下回った状態が続いている。豪州からの輸入停止と、モンゴルからの輸入停滞(コロナの影響)、国内の鉄鋼生産削減政策が影響しているとみられる。
中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は前週比▲13万トンの100万トンと過去5年平均の124万1,000トンを下回っている。
在庫日数は4.1日と、過去5年の平均である5.2日を下回り、タイトな状態。中国政府の方針を受けた粗鋼生産の減少の可能性は高いものの、在庫水準の異常な低さが価格を押し上げよう。
【見通しの固有リスク】
・中国の不動産セクター減速が、建材需要を減少させる可能性(鉄鋼製品価格の下落を通じて鉄鋼原料価格の下落要因)。
・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合(価格上昇要因)。
・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク(価格上昇要因)。
---≪貴金属≫---
【貴金属価格見通し】
【金】
金はしばらく上昇圧力が強まる展開が予想される。米雇用統計がやや弱気な内容だったことでテーパリングは早期に行われるものの、ぺースが緩慢で利上げはまだ先と強調されたことで、一旦調整的に長期金利の下押し圧力が強まるため。
また、足下のエネルギー価格の上昇が期待インフレ率を高止まりさせ、実質金利に下押し圧力を掛けることも価格を下支えしよう。
ただしテーパリングが進捗する中では(というよりは、テーパリング宣言からテーパリング実施まで、その影響を織り込む中では)長期金利に上昇圧力が掛り、中期的に下落に転じる見通しに変化はない。
なお、過去5年平均を基準にすると名目金利1bpに対する金価格の感応度は±3.0ドル弱であり、米10年金利が現在の水準から30bp上昇すれば▲90ドルの下落圧力となる(60bpで▲180ドル)。
現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,628ドル(前日比▲2ドル)、そこからの乖離(リスク・プレミアム)は141ドル(+10ドル)。
リスク・プレミアムは、過去3ヵ月平均で130ドル、6ヵ月で170ドル、1年で190ドル、5年で175ドルとなっている。
なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。
※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。
【銀】
銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、78.13倍。過去1年を基準にすると72倍、5年では80倍、2000年以降では66倍程度が妥当。
今後、さらに金銀レシオが低下するには、工業需要の増加が必須。今後、IT化の進捗でエレクトロニクス向けの需要が増加することが必要。太陽光パネルの増設は脱炭素の行きすぎヘの反発や、米国が太陽光パネルの主要生産国である中国からの調達を手控えると考えられ、影響は限定と考える。
なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。
(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%
金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%
【PGM】
プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。プラチナの需給バランスはWPICデータを元にすると今年も除く投機で供給過剰であり、投機動向が価格を左右しやすい。
パラジウムは半導体供給低迷が自動車生産に影響を与える状況が来春ぐらいまでは続く可能性があるため、当面低水準での推移。しかし自動車販売が回復すれば再び高値圏へ。
8月の米自動車販売は年率1,218万台(市場予想1,300万台、前月1,306万台)と減速。目先はパラジウム価格の下落要因となりやすい。
中国の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で以下の通りであり、明らかに伸びが減速している。半導体供給不足に加え国内景気の伸び減速が影響。
8月 前年比▲17.4%の179万8,841台7月 ▲11.8%の186万3,550台。6月 ▲12.4%の201万5,309台5月 ▲3.0%の212万7,000台4月 +8.8%の225万台3月 +76.5%の252万5,000台2月 +371%の146万台1月 +30%の250万台
調査会社のオートフォーキャスト・ソリューションズによれば半導体不足による供給減少の累積は7月16日時点で167万8,000台となっており、2019年1-7月期の966万9,484台から▲17.4%減少している。
この回復がある、ないしは供給側の混乱(南アフリカ)による生産減少がなければ、PGM価格は低水準で推移しよう。
【見通しの固有リスク】
・アフガニスタン情勢がかなり混迷の度合いを深めており、周辺地域への影響(南欧など)が拡大し、軍事的な行動に発展、足下のリスク・プレミアムが低いことからリスク回避の見直し買いが入る場合(貴金属セクター全体の上昇要因)。
・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。
・コロナからの回復は各国まだらであり、先行する米国が金融正常化に動いた場合、新興国から資金が流出して信用リスクが高まる場合(安全資産価格の上昇要因)。
・米中の対立激化。バイデン政権は対中強硬姿勢を明確にしており、対立がさらに激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。
・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。
環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。
・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。
【投機筋のポジション動向】
・直近の投機筋のポジションは、金はロングが293,814枚(前週比 ▲2,856枚)、ショートが125,415枚(+16,392枚)、ネットロングは168,399枚(▲19,248枚)、銀が64,490枚(▲2,218枚)、ショートが47,785枚(▲3,288枚)、ネットロングは16,705枚(+1,070枚)
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
プラチナはロングが31,908枚(前週比 ▲1,322枚)ショートが26,255枚(▲5,757枚)、ネットロングは5,653枚(+4,435枚)
パラジウムが2,558枚(▲40枚)、ショートが5,808枚(+497枚)ネットロングは▲3,250枚(▲537枚)
---≪農産品≫---
【穀物価格見通し】
シカゴ穀物価格は堅調な推移になると考える。冬場のラニーニャ現象の発生(北半球の天候相場は終了も、南半球の天候相場入り)が懸念されていることや、その他の商品価格が上昇する中で割安感がまだある穀物セクターが物色される可能性が高まっているため。
8月の中国の大豆輸入は前年比▲1.2%の948万8,000トン(前月▲14.0%の867万トン)と回復し、過去5年水準を上回った。依然として中国の大豆在庫の水準は低いため、相応の輸入需要があると見られる。
Locust WatchではFAOの予想通り、降雨がなかったため群生相の発生は極めて抑制されている。Locust Watchでも今のところ差し迫った危機の発生リスクは指摘されていない。
しかし、ラニーニャ現象発生に伴うサイクロン発生リスクも低くないため、再び越冬できるバッタの数が増加する可能性も有り得るため、引き続き注意が必要だ。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210923update.jpg
【見通しの固有リスク】
・ラニーニャ現象発生観測による投機筋の買い圧力の強まり(価格の上昇要因)。
・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。
・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。
【米農務省需給報告データ】
・米作付け意向面積トウモロコシ 9,114万エーカー(市場予想9,313万エーカー、前年9,699万エーカー)大豆 8,760万エーカー(9,010万エーカー、8,351万エーカー)小麦 4,636万エーカー(4,495万エーカー、4,466万エーカー)綿花 1,204万エーカー(1,215万エーカー、1,370万エーカー)
・米穀物最終作付け面積 実績(前年)トウモロコシ 9,269万エーカー(9,082万エーカー)大豆 8,756万エーカー(8,383万エーカー)小麦 4,674万エーカー(4,425万エーカー)
・9月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 176.3Bu/エーカー(175.6、174.6)大豆 50.6Bu/エーカー(50.4、50.0)小麦 44.5Bu/エーカー(NA、44.5)
・9月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 149億9,600万Bu(149億137万Bu、147億5,000万Bu)大豆 43億7,400万Bu(43億6,526万Bu、43億3,900万Bu)小麦 16億9,700万Bu(NA、16億9,700万Bu)
・9月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 24億7,500万Bu(24億Bu)大豆 20億9,000万Bu(20億5,500万Bu)小麦 8億7,500Bu(8億7,500万Bu)
・9月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 14億800万Bu(13億4,137万Bu、12億4,200万Bu)大豆 1億8,500万Bu(1億8,152万Bu、1億5,500万Bu)小麦 6億1,500万Bu(6億1,259万Bu、6億2,700万Bu)
・9月末四半期在庫 実績(前期末)トウモロコシ 12億3,600万Bu(41億1,100万Bu)大豆 2億5,600万Bu(7億6,900万Bu)小麦 17億8,000万Bu(8億4,500万Bu)
・9月CONABブラジル作付け面積(市場予想/前月)トウモロコシ 1,987万ha(NA、1,982万ha)大豆 3,853万ha(NA、3,853万ha)
・9月CONABブラジル生産量(市場予想/前月)トウモロコシ 8,575万トン(NA、8,665万トン) 単収 4,316kg/ha(NA、4,371kg/ha)大豆 1億3,591万トン(NA、1億3,598万トン) 単収 3,527kg/ha(NA、3,529kg/ha)
【投機筋のポジション動向】
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
トウモロコシはロングが386,177枚(前週比 +17,401枚)、ショートが107,631枚(+4,356枚)ネットロングは278,546枚(+13,045枚)
大豆はロングが141,105枚(+2,238枚)、ショートが76,385枚(▲1,428枚)ネットロングは64,720枚(+3,666枚)
小麦はロングが84,860枚(▲1,798枚)、ショートが88,505枚(+3,689枚)ネットロングは▲3,645枚(▲5,487枚)
◆本日のMRA's Eye
「ニッケル価格は反発へ~しかしさらなる下落リスクは低くなく」
ニッケル価格はテーパリング観測が強まった8月以降に水準を切下げたが、その後反発した。石炭価格の上昇に伴う電力供給の制限がニッケルにおいても供給制限をもたらし、一時、21,000ドルを伺う展開となった。
しかし中国の不動産大手である恒大集団の債務問題を発端とする中国不動産バブル崩壊懸念が強まったことで水準を再び切り下げている。
これまでEV需要増加への期待から「EV需要が価格を押し上げている」という論調を非常に多く目にしたが、引き続きステンレス鋼向け、住宅向けの需要が主体と考えられるため、やはり中国の不動産セクターの先行き不透明感は価格の下押し要因となる。
しかし、比較的説明力が高いLME指定倉庫在庫とLMEニッケル価格の相関関係に着目すると、現在のLMEニッケル価格は在庫水準対比ではやや売られすぎであり、不動産市場の混乱沈静化後には買い戻しが入ってもおかしく無い。
在庫の減少はほとんどの商品に共通している供給制限(輸送など)、あるいは電力不足に伴う生産減少が影響しているためだ。
しかし、足下の価格は上昇しているものの、コストプッシュ型のインフレも同時進行であるため、上述の不動産セクターの減速リスクも合わせて考えると、経済の基礎的条件(ファンダメンタルズ)は時間経過と共に悪化していると考えるべきで、現在の混乱状態が続くようであれば、さらなる下落は十分に有り得る状況。
しかし、今回の不動産バブル沈静化は長期政権を目指す習近平国家主席の政敵失脚を狙ったものとみられ簡単には終了しないと考えられることから、上記のリスクシナリオの顕在化(さらなる下落)の可能性も決して低くない。
一方、コロナの影響によるロジスティクスの制限は継続しており、景気刺激策の影響で需要が回復している米国のプレミアムは急騰しており、地域的な資源の偏在が起きている状況は無視できないリスクである。
また、構造的なEV向けなどの需要増加によって価格高騰が続くと判断したインドネシア政府は、国内電気自動車バッテリー産業振興のため、ニッケル含有量が70%未満のニッケル金属の輸出を禁止することを検討している。
ニッケル輸出はフェロニッケルやNPIが中心(含有率30%~40%)だが、これについては輸出課税を適用する可能性を示唆している。
この10年、インドネシアはニッケルの戦略的輸出制限を「やりきっている」ため、恐らくこの政策は完遂されるとみられニッケル供給を制限し、価格上昇要因になると考えるべきだろう。
結局、価格が上昇するかどうかは、1.米国のインフラ投資計画の実効性、2.EV需要の増加、3.中国不動産バブル調整が軽微に止まる、4.インドネシアなど生産者の資源ナショナリズムの高まり、次第であるが、1.3.は実は米バイデン政権の支持率に左右される。現在米国が進めている政策が米国民に受け入れられなかった場合、期待需要は減少しよう。
3.は恒大集団の債務問題に関して多くのアナリストは大事に至らない、と考えているが以前のサブプライムショックの時も「全ての住宅ローンの4%程度なので、影響は軽微」という論調が支配的だったことを考えると、まだ完全に安心とは言えない。
◆主要ニュース
・9月日本マネタリーベース 前年比+11.7%の6兆6,350億円(前月+14.9%の6兆6,130億円)
・10月ユーロ圏センティックス投資家信頼感 16.9(前月19.6)
・8月米製造業耐久財受注改定
前月比+1.8%(速報比変わらず、前月改定+0.5%)
除く輸送機器+0.3%(+0.1%、+0.8%)
製造業新規受注資本財非国防除く航空+0.6%(+0.1%、+0.1%)
・8月米製造業新規受注 前月比+1.2%(前月+0.7%)
製造業受注除く輸送機器+0.5%(+0.8%)
・中国外務省、「台湾の独立に向けたいかなる動きも粉砕する。」
・米通商代表部タイ代表、2020年2月に発行した米中合意を中国が遵守していないことについて、近く劉鶴副首相と協議を行う意向。スーパー301条の発動も否定せず。医療品や太陽光発電関連などの関税適用除外復活の可能性も。
・ECBビスコ政策委員、「物価上昇は商品価格上昇による一時的なものであると、いずれ判明するだろう。」
・ECBデギントス副総裁、「物価上昇による二次的影響を今後も警戒。」
・米ウォーレン上院議員、FRBメンバーによる取引の調査をSECに依頼。
◆エネルギー・メタル関連ニュース
【エネルギー】
・OPECプラス、40万バレルの生産増加で合意。事前の報道では供給拡大ペースを加速させるのではとの観測が流れていたが、そのような事実はない、と否定された。
・イラン ハティブサデ報道官、「11月に核協議再開は可能。」
・サウジアラムコ、「世界的な天然ガス危機が石油需要を押し上げている。1日あたり50万バレル増加。」
・Citi、エド・モース、「OPECは11月会合で追加増産を決議する可能性。」
【メタル】
・豊田通商、BHP Billitonと共同で豪西部で生産する硫酸ニッケルをトヨタ自動車とパナソニックに供給することで合意。トヨタは2030年までにEV車、燃料電池車、ハイブリッドを含む電動車を800万台販売する計画。
・チリCodelco、8月の銅生産はAndina鉱山のストライキの影響で前年比▲6.7%の144,500トンに。BHP BillitonのEscondidaは▲14%の81,500トン、GlencoreとAnglo AmericanのCollahuasiは▲19.7%の48,200トン。チリの生産は合計で▲4.6%の461,900トンに。
・Vale、Onca Pumaのフェロニッケルユニット、ブラジル北部パラ州の環境当局の基準を満たさず稼働停止。
・Eurometaux Guy Thiran事務局長、「電力価格の上昇が続けば生産は削減され、これに対処しなければ生産者は欧州以外の地域に移転をせざるを得ない。」
◆主要商品騰落率
【上昇率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ニューキャッスル炭 ( エネルギー )/ +5.26%/ +198.14%
2.ICEガスオイル ( エネルギー )/ +3.71%/ +65.95%
3.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ +2.62%/ +127.10%
4.NYM RBOB ( エネルギー )/ +2.60%/ +63.91%
5.DME Oman ( エネルギー )/ +2.60%/ +54.82%
【下落率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.ブラジル・ボベスパ ( 株式 )/ ▲2.22%/ ▲7.25%
65.ICE粗糖 ( その他農産品 )/ ▲1.84%/ +27.11%
64.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ ▲1.81%/ +56.22%
63.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ ▲1.63%/ +29.21%
62.S&P500 ( 株式 )/ ▲1.30%/ +14.49%
※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。
◆主要指標
【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :34,002.92(▲323.54)
S&P500 :4,300.46(▲56.58)
日経平均株価 :28,444.89(▲326.18)
ドル円 :110.93(▲0.12)
ユーロ円 :128.91(+0.14)
米10年債 :1.48(+0.02)
中国10年債利回り :休場( - )
日本10年債利回り :0.05(▲0.01)
独10年債利回り :▲0.21(+0.01)
ビットコイン :49,006.15(+541.84)
【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :29.75(+0.49)
エネルギー :39.56(+1.79)
ベースメタル :24.70(+0.14)
貴金属 :30.72(+0.1)
穀物 :21.50(▲0.17)
その他農畜産品 :30.26(+0.39)
【主要商品ボラティリティ】
WTI :23.41(+0.27)
Brent :20.94(+0.89)
米天然ガス :77.20(+4.29)
米ガソリン :22.57(+1.45)
ICEガスオイル :22.03(+2.15)
LME銅 :21.67(+0.91)
LMEアルミニウム :24.79(▲0.55)
金 :15.19(+0.13)
プラチナ :32.11(+0.06)
トウモロコシ :28.18(▲0.79)
大豆 :15.19(+0.13)
【エネルギー】
WTI :77.62(+1.74)
Brent :81.27(+1.99)
Oman :79.05(+2.00)
米ガソリン :230.85(+5.85)
米灯油 :243.66(+5.39)
ICEガスオイル :698.25(+25.00)
米天然ガス :5.77(+0.15)
英天然ガス :245.87(+4.61)
【貴金属】
金 :1769.57(+8.59)
銀 :22.68(+0.14)
プラチナ :969.26(▲7.85)
パラジウム :1907.28(▲14.54)
※ニューヨーククローズ。
【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :9,270(+169:2.5C)
亜鉛 :3,024(+16:11C)
鉛 :2,154(+28:36B)
アルミニウム :2,910(+29:21C)
ニッケル :18,125(+25:15B)
錫 :34,400(+400:1400B)
コバルト :52,997(▲18)
(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :9272.50(+118.50)
亜鉛 :3044.00(+41.50)
鉛 :2146.50(▲10.50)
アルミニウム :2916.50(+43.50)
ニッケル :18060.00(+20.00)
錫 :34470.00(+495.00)
バルチック海運指数 :5,202.00(+35.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック
【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :115.3(▲1.32)
SGX鉄鉱石 :117.92(+2.45)
NYMEX鉄鉱石 :117.76(+2.00)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :376.33(+0.33)
大連原料炭先物 :584.04(+8.22)
上海鉄筋直近限月 :休場( - )
上海鉄筋中心限月 :休場( - )
米鉄スクラップ :600(±0.0)
【農産物】
大豆 :1235.75(▲10.75)
シカゴ大豆ミール :322.10(▲2.90)
シカゴ大豆油 :58.57(▲0.04)
マレーシア パーム油 :4838.00(+87.00)
シカゴ とうもろこし :540.75(▲0.75)
シカゴ小麦 :756.50(+1.25)
シンガポールゴム :181.00(+3.20)
上海ゴム :休場( - )
砂糖 :19.69(▲0.37)
アラビカ :200.35(▲3.70)
ロブスタ :2148.00(▲20.00)
綿花 :106.93(+0.40)
【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :90.80(▲1.50)
シカゴ生牛 :122.63(+2.23)
シカゴ飼育牛 :155.00(+2.25)
※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。