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露ガス供給報道で軟調
  • MRA商品市場レポート

2021年10月7日 第2049号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「露ガス供給報道で軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はこれまで上昇してきた商品(エネルギー)が下落し、その他農産品などが物色される流れとなった。

米債務上限問題の一時棚上げが株式市場では買い材料となったが、商品市場ではやはりロシア プーチン大統領が「欧州にガスを供給する用意がある」といった趣旨の発言を受けて、ガス・石炭などの発電燃料を中心に価格が下落したことによる。

これに伴い、実際に供給があった場合に備えた生産者の売り(現物販売価格の下落リスクを回避するための先物売り)と、現物需給に関係無い投機の利益確定の動きが強まることになった。

電力供給が回復すれば非鉄金属などの供給も主に中国で改善が期待されることから、「かねてから指摘されている中国経済の悪化」に焦点が当たり、工業金属価格には下押し圧力となる。

エネルギー供給不安が解消すれば、「正常化を探る」中で多くの商品に下押し圧力が掛るため昨日の反応は自然なものだった。

しかし、ロシアが本当に供給を始めるかどうかは分らず、既に冬目前で今から調達しても十分な在庫を確保できない可能性も高いことから、昨日のエネルギー価格の下落は「仮初めの下落」になる可能性はまだ有り得る状況である。

【本日の見通し】

本日もエネルギー供給問題に市場の関心が集まるが、今のところロシアがガス供給を再開し、経済活動が回復するとの期待から供給回復で一旦軟調な推移になると予想される。

株式市場は債務上限問題の一時棚上げを受けて上昇するとみられ、投資余力の回復した投資家が、割安感のある商品に打診的な買いを入れる可能性はある。この際、年初来・前期比で上昇率がマイナスの商品が対象となりやすい。

弊社がウォッチしている商品の中では、鉄鉱石、大豆ミール、大豆、天然ゴム、パラジウムがその条件に当てはまる。

【昨日のセクター別動向と本日の見通し】

◆原油

原油価格は下落した。ロシア プーチン大統領が欧州向けにガス供給の準備がある旨の発言をしたことと、米石油統計が市場予想比で弱気な内容だったことで利益確定の売り圧力が強まった形。

昨日発表の米石油統計は、市場予想比で弱気な内容だった。原油在庫が+2,345KB(市場予想+796KB、前月+4,578KB)、クッシング在庫が+1,548KB(+131KB)、ガソリンが+3,256KB(▲69KB、+193KB)、ディスティレートが▲396KB(▲844KB、+384KB)。

原油生産は前週比+0.2MBDと増加している点。しかしハリケーン前の生産量が11.5MBDだったことを考えると、まだ0.2MBD程度の減産となっており、生産障害は完全に解消していない。

一方、製品出荷はガソリンが前年比+8.0%(前週+7.7%、2019前年比▲1.7%)、ディスティレートが+4.3%(▲2.6%、+6.7%)と回復。総製品出荷も前年比+16.4%(前週+13.7%、2019前年比▲0.8%)の+20.7MBDと回復、過去5年の最高水準に迫り、国内出荷は堅調。

しかし、輸出を合わせた総需要は前年比+11.1%(前週+11.2%、2019前年比▲3.2%)とやや回復が鈍くなっている。

まとめれば、国内生産の回復と国内出荷の増加、輸出の減少で結果的に市場予想比弱気な内容となったが、前に発表されたISM比非製造業指数、ADP雇用統計と合わせて考えると、米経済活動は回復を継続しているといえるだろう。

本日は昨日のプーチン発言ややや弱気な米石油統計の結果を受けて、一旦利益確定の動きが強まると考えられる。ただし、冬場の燃料需給を巡る厳しい状況が改善したわけではないことから、まだ高値を維持すると考える。

◆石炭・LNG・天然ガス

豪州石炭スワップ先物価格は急落して242ドルに。ロシア プーチン大統領のガス供給発言を受けて、冬場の暖房・発電燃料の供給不安が後退するとの見方が強まったことが背景。

ただし、この発言があったからといって足下の石炭需給が急に緩和するわけではなく、ガス供給が本当に再開し、欧州・アジアのガス在庫が増加して初めて需給が緩和するため、しばらくは高値を維持する可能性が高い。もちろんプーチン大統領が有言不実行だった場合、この限りではない。

中国の石炭輸入動向への説明力が高いバルチック海運指数は続伸。バルチック海運指数は中国の石炭輸入の指標の1つであるが、冬場に向けた調達が本格化している。

JKM先物市場は下落して34ドル台に。冬場のピーク(11月~2月)のJKM価格は低下して40ドルを下回った。しかし依然として冬場の供給が足りるのかは不透明である。

現在、日本の電力・ガス各社がどれだけのLNGを確保できているか統計上把握できないためなんとも言えないが、少なくとも現在のスポット価格は、今年の年初にスポット電力市場で発生した電力危機発生時の水準を遙かに上回る状態であることに変わりはない。

欧州天然ガスは急騰した後、プーチン大統領の「ガス供給の用意がある」との発言を受けて急落した。このことは政治的な意図をもってガスを供給していなかった可能性を示唆する。

もし供給が始まれば需給が若干緩むことから、1.現物を必要としない投機筋の利益確定、2.実際に需給が緩んだ場合に備えて生産者が一部、販売価格を高値で固定するために先物で販売価格を確定させた、と考えられる。昨日の市場のアクションの背景は概ねこんなところだろう。

ただし、実際にロシアが供給を再開したわけではない上(ロシアにその供給能力が本当にあるのか、実際はロシア国内も在庫不足である可能性もある)、欧州のガス在庫は冬本番直前であっても十分ではなく、実需家の在庫積み増し需要は継続することから、高値を維持すると考える。

米天然ガスは大幅に下落。天候の安定と、ロシア プーチン大統領のガス供給関連発言を受けて利益確定の動きが強まったため。ただし、米国のガス在庫水準は低く、問題はまだ解決していない。

米プロパンガス在庫水準も過去5年の最低水準を下回っている。パイプラインが通らない遠隔地の燃料は日本と同じようにプロパンガスが用いられることが多いが、この在庫水準で冬場が厳冬になると、引き続き供給には問題が生じることになる。

スポットLNGタンカーレートはスエズ以東・以西とも急騰している。明らかにピークシーズンに向けた調達圧力が高まっていることを示唆している。

2021年9月20日~9月26日のLNG取引は前週比+50万トンの690万トン(前週▲40万トンの640万トン)、スポット調達のシェアは24%(24%)で変わらず。

輸入量の増加は中国・韓国の輸入によるもの。スポットカーゴの供給国は様々だったが、主に中国に輸出された。やはり中国の発電燃料は不足していると見るべきである。

石炭は供給不足が顕著であり、中国、欧州のみならず、インドも在庫が低く下げ要因乏しく、本日も高値維持の公算。

欧州地域はガス供給制限継続と冬場を控えた在庫不足で価格に関係無く購入が進むと予想されることから、上昇を予想。米国天然ガスも海上輸送市場需給の逼迫から高値維持の公算。

◆非鉄金属

LME非鉄金属価格は錫価格が上昇したが、その他の金属は下落した。プーチン大統領によるガス供給発言を受けたエネルギー価格の下落や、独製造業受注が過去30年で3番目の落ち込みとなり、中国不動産開発大手の花様年が債務不履行となり、不動産セクター向けの需要減少が意識されたこと、リスク回避のドル高が進行していることが材料となっている。

電力供給不足が仮に解消した場合、中国不動産セクターの減速懸念が強まる中で供給懸念が後退するため価格の下押し要因となる。

本日も中国勢は不在で、供給不安が「若干」緩和したことや、不動産セクターの減速懸念が強まっていることから下値余地を探る展開を予想。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは小幅下落、豪州原料炭スワップ先物は上昇、大連原料炭先物は上昇、上海鉄鋼製品先物は休場だった。

中国勢が国慶節の休場であることに加え、中国不動産開発大手が債務不履行となり住宅セクター向けの需要が減少するとの見方が強まっていることが、鉄鋼原料価格を下押ししている(顕著な供給不安が継続している原料炭は別)。

本日も中国勢が休みで市場に不在であることから動意薄く、現状水準でのもみ合いを予想。ただし、供給が明確に十分ではない原料炭価格は引き続き上昇余地を探る展開。

◆貴金属

昨日の貴金属セクターはまちまち。金銀プラチナはほぼ同じ値動きとなり、一旦下落した後、引けに掛けて水準を切り上げる流れとなった。

金は実質金利の上昇が価格の下押し要因となったが、米国時間に向けて10年金利が低下し、実質金利も低下したため上昇したが、米国時間にかけて株価が回復したことで10年金利も上昇したため、水準を切下げた。

パラジウムは独製造業受注の大幅な減速などを材料に下落していたが、株価の上昇や米国時間後場にかけての金価格の上昇を受けて下げ幅を削る展開。

本日も株価動向と原油価格動向を睨みつつ、方向感に欠ける展開が予想され、現状のレベルでもみ合うものと予想。

◆穀物

シカゴ穀物市場は高安まちまち。ハーベスト・プレッシャーが売り圧力となる中、トウモロコシと大豆は下落、小麦は安値拾いの買いで小幅上昇して引けた。

トウモロコシ・大豆は収穫期ということもあって価格は抑制されているが、かねてから供給がタイトで人間の食用に用いられる小麦価格は高値で推移している。

本日も目立った材料に乏しく、トウモロコシ・大豆はハーベスト・プレッシャーに押される形で軟調推移、小麦もこれに連れて軟調と見る。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

昨日発表されたドイツの製造業受注は前月比▲7.7%と市場予想(▲2.2%)を下回り、過去30年で3番目の悪さとなった。ドイツの主要輸出国である中国経済が不動産問題に省庁されるように減速しており、メルケル政権時代に積極的に進めた中国との関係強化が仇となった形。

これにかねてからのロシアのガス供給制限で欧州域内は危機的なエネルギー不足となっており、それを受けた稼働の停止、継続しているコロナの影響も受注の減少に繋がったと考えられる。

メルケルは日本でこそ、コロナ対応が素晴らしいと評価されて報じられることが多いが、メルケル在任中に旧与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は支持率を低下させており、今回の敗戦に繋がった。

特にメルケル政権の支持率を低下させたのが、難民受け入れを巡る問題だが、コロナの発生源が中国であり、中国政府の自己保身的な情報非開示が危機的な状況を生んだとして、中国に対する不満が高まっていることも影響したと考えられる。

今回の選挙結果を受けて社会党が第1党になり、反中国・反ロシア・脱炭素を強力に主張する緑の党、自由民主党の連立政権誕生の可能性が高まっている。

しかし左派的な社会党と緑の党、市場主義的な自由民主党が政策面で折り合えるかどうかも微妙であり、ドイツ政局が混乱、ひいてはユーロ圏の不安定化に繋がるため、同国の連立動向には注目する必要があろう。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・発電燃料供給不足による工場稼働停止や消費低迷で景気が減速する場合(リスク資産価格の下落要因)。

・中国恒大集団の債務問題が不動産セクター全体に波及し、世界的に株安となり経済活動が逆回転する場合(工業金属などの景気循環系商品を筆頭に、リスク資産価格の下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

逆に脱炭素に向けたインフラ投資の加速で資源価格が急上昇、金融緩和マネーが大量に市場に滞留する中でハイパーインフレとなるリスク。

・コロナウイルスの感染再拡大によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合(価格下落要因)。

逆に想定以上に新型ワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・来年の中間選挙を控えて、バイデン大統領が国内の支持を得られない場合。財政面や企業負担増の理由から造反が発生し、議会を通過しない場合は景気のリスクに(景気減速要因)。

・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならない。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は高くなった。

・米テーパリング実施が、コロナの感染に苦慮する中南米、欧州・アフリカの新興国経済に悪影響を及ぼす場合(景気減速要因)。

・独総選挙結果を受けた連立政権樹立に難航し、域内最大経済国のドイツ経済が減速する場合、また、EUの指導力が低下し域内経済が停滞する場合(景気減速要因)。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・アフガン情勢の混乱が域内経済に混乱(大量の難民発生、コロナの感染拡大が欧州圏にもたらされるなど)をもたらし、米中対立を先鋭化させる場合(景気の減速要因)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格はこれまで脱炭素の流れで増産が見送られてきたことから直ちに供給増加ができないこと、OPECプラスの「追加」増産見送り、欧米投資銀行が100ドル原油予想を相次いで発表、投資熱が高まっていることなどから高値を維持すると考える。

特にこの冬は天然ガス・石炭の供給不足が解消する感じではないため、冬場の気温次第では一段の上昇も有り得る状況。

10月4日のOPECプラスは追加増産への期待があったがこれを見送り、当初予定通りの40万バレルの増産にとどめた。

サウジアラムコは「ガス価格の高騰で原油需要が50万バレル増加している」としており、9月のDOE予想を元にすれば10月は80万バレル程度の供給過剰であるため、メキシコ湾の生産回復に遅れが出ていることを考えると、ほぼ需給はバランスしていることになる。

しかし、供給が綱渡り状態であることは事実であり、冬場の気温次第で供給が不足する可能性は低くない。

中期的にはOPECの増産、米テーパリング開始、発電燃料供給不足が企業活動を鈍化させること、冬場の上昇による暖房需要の減少を背景に軟調な推移になると予想する。

テーパリングに関しては、前回実施時は中盤に原油価格は下落に転じており、今回テーパリング開始も価格の下押し要因となるが、利上げの先送り観測でドル安が進行するならしばらくは価格の下支え要因となる。

弊社年末に向けてBrentは60ドル台半ば、WTIは60ドル台前半への調整をメインシナリオとしていたが、足下の厳しい供給環境、代替品としての原油需要の高まりを考慮し各々10ドル程度引き上げた。

米DOEの2021年供給は96.10MBD、需要は97.37MBD、需給バランスは▲1.27MBDの供給不足。

価格を下押ししてきたコロナであるが、徐々に「ウィズコロナ」に舵が切られつつあり感染拡大が価格下落に影響するステージは早晩終了するとみられる。

しかし、それはこの冬到来が懸念される第6波までに解消する、とは考え難いため引き続き景気循環系商品価格の下落要因である。

中国の輸入規模はその水準は世界最大であるものの、原油価格に余り影響を与えない中国の原油輸入は、8月は前年比▲6.2%の4,453万トン(前月▲19.6%の4,124万トン)と前年比では減速しているが、大幅に増加している。

中国は輸入に関して価格感応度が高いため、7月・8月の価格下落時の輸入が増加している。需要の回復もあろうが、主に戦略備蓄向けと考えられる。

【見通しの固有リスク】

・気温低下による暖房向け燃料需要が増加、ないしは不稼働の液体系燃料発電(ディーゼルや重油)を有する国や地域が再稼働を決定した場合(価格の上昇要因)。

・電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限が経済活動を強制的に停止させ、需要が減少する場合(価格の下落要因)。

・コロナの変異株が猛威を振るいワクチンが効かない場合(需要減少で下落リスク)。

・米国経済が正常化する中でテーパリングなどの金融緩和解除が加速、急速なドル高を通じて投機的な売り圧力が高まる場合(価格の下落要因)。

・OPECプラスの増産ペースの遅れないしは上流部門投資不足による供給不足。またはイランを巡り武力衝突や制裁解除が遅れた場合(価格上昇要因)。

価格が上昇する中でOPEC諸国の減産維持統制が効かなくなり、増産競争に舵が切られる場合(下落要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合(価格下落要因)。

・脱炭素の過剰な進捗による供給懸念(価格上昇要因)。

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる場合

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

かなり過剰なペースで脱炭素が進められており、オイルメジャーも株主・政府の圧力を受けて脱炭素に舵を切り、タイムリーな原油増産が困難になっている。

この場合、「脱炭素移行期間の景気回復時」には十分な燃料供給が出来ないリスクが高まり、来年以降の価格上昇局面で原油価格が100ドルを超えるリスク(リスクシナリオの位置づけ)。

なお、脱炭素が完了しても100%原油が不要になることはなく、OPECの価格支配力が増すため、この場合でも価格は上昇へ。

【石炭価格見通し】

海上輸送石炭価格は堅調な推移になると考える。中国・インドなどの石炭火力中心の地域の石炭在庫水準は低く、冬場の電力需要向けの調達は旺盛で、供給不足に伴い稼働を停止する工場が増加していることから考えても分るように、今後も石炭調達は継続する戸みられ高値維持の公算。

中国政府は脱炭素といいつつ、石炭の国内生産を増加させている。増加していた中国6大電力会社の石炭在庫水準も再び減少を始めておりこのまま高値で推移する可能性は高い。

石炭は「座礁資産」と呼ばれ、上流部門投資ができなくされていることから、増産をしているのはGlencoreや中国企業ぐらいであり、供給が不十分であること、需要側の構造はそう簡単には変わらないことを考えると、この冬場は極めて高い水準を維持することになろう。

8月の石炭輸入は前年比+35.8%の2,805万2,000トン(前月+15.6%の3,017万8,000トン)と前月から水準は減少したが、昨年の水準を上回った。過去5年平均は上回っている。

猛暑・渇水による発電燃料としての石炭需要増加と、中国の経済活動回復に伴う電力需要の増加が続いているためと考えられる。

【見通しの固有リスク】

・今冬はラニーニャ発生が予想され、厳冬のリスクも意識されているが懸念に反して暖冬となる場合(価格下落要因)。

・電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限が経済活動を強制的に停止させ、需要が減少する場合(価格の下落要因)。

・Nord Stream2の稼働が早期に行われ、天然ガス価格が急落する場合(下落要因)。

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念(価格の上昇要因。これは既に顕在化)。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格は中国の経済活動が活発である一方、自然エネルギー供給(英国の風力、ブラジル・中国の水力など)が減少、火力発電向けの燃料需要が旺盛なこと、石炭価格も高値を維持していることから、価格は高値を維持すると考える。

ロシア プーチン大統領が欧州向けのガス供給に前向きな発言をしているが、だからといって実際に輸出が始まった訳ではなく、また、在庫不足の状態に変わりはないこと、ノルドストリーム2の稼働も来年の可能性が出てきたことから価格は高値維持。

引き続き、ラニーニャ現象発生が懸念される中で冬場に突入し、厳冬の中、計画停電が行われる可能性がある。この場合、人命のリスクが無視できない。

8月の中国の天然ガス輸入は前年比+11.5%の1,044万トン(前月+27.0%の934万トン)と減少したが、季節的に見ると過去5年レンジを大きく上回った状態が続いている。

8月の中国のLNG輸入は前年比+11.7%の665万トン(前月+12.6%の567万トン)と過去5年レンジを上回り構造的な需要増加は続いているが、やや伸びは鈍化した。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・今冬はラニーニャ発生が予想され、厳冬のリスクも意識されているが懸念に反して暖冬となる場合(価格下落要因)。

・電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限が経済活動を強制的に停止させ、需要が減少する場合(価格の下落要因)。

・8月18日にNord Stream2が稼働しているとの誤ったデータが発表された直後、ガス価格が大幅に下落している。

政治的な要因でNord Stream2の稼働は遅れると考えられるが、同パイプラインが稼働して欧州のガス需給が緩和した場合(価格下落要因)。

・石炭と同様、「化石燃料であること」を理由に上流部門投資が制限される、あるいは原油生産減少による随伴ガス供給が減少する場合(構造的な価格上昇要因)。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが527,523枚(前週比 +21,160枚)ショートが153,709枚(+3,324枚)ネットロングは373,814枚(+17,836枚)

Brentはロングが391,095枚(前週比+19,458枚)ショートが62,141枚(+10,155枚)ネットロングは328,954枚(+9,303枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は中国の不動産バブル抑制が不動産市場全体に波及する可能性が高いこと、直近の直近の工業生産、固定資産投資、不動産投資、工業セクター利益も減速が顕著であり、当面、加熱した景気の沈静化に中国政府が舵を切る可能性が高いことから軟調推移を予想。

ただし、この冬にかけては発電燃料の不足を背景とする電力供給不足リスクが顕在化しており、強制的に生産が停止される金属が増えることから供給面で価格はサポートされるため下落余地は限定されると考える。

ロシアの欧州向けガス供給観測が報じられているが、だからといって直ちに現状の厳しい需給環境が緩和するわけではない。

実施が期待されている米インフラ投資法案が、バイデン政権支持率低下で当初予定通り実行されるかが微妙になってきた。超党派で合意しているため実行されるとみるが、期待通りの規模にならない可能性も考える必要がある。

その一方で、電力・ガスをはじめとするエネルギー供給制限は経済活動を強制的に停止させ、工場向けの金属需要を減少させる可能性もあるため、発電燃料の不足は短期的には供給制限で価格を支えるが、工場稼働停止の場合、即時に需要が減少するため短期的には下落要因と整理するのが妥当か(価格への影響は通常、需要面の影響の方が供給面よりも大きい)。

なお、長期的にはインドの人口ボーナス期入り、まだ脱炭素の流れ、省エネの流れに変わりがないため、供給面・需要面の制限から価格が上昇するという見通しを変更する必要はないと考えている。

【LME金属需給見通し】

(2021年)

銅 生産 24,947千トン 需要 26,790千トン 需給 ▲842千トン

亜鉛 生産 14,045千トン 需要 14,069千トン 需給 ▲24千トン

鉛 生産 12,381千トン 需要 12,168千トン 需給 +213千トン

アルミ 生産 67,716千トン 需要 66,444千トン 需給 +1,272千トン

ニッケル 生産 2,573千トン 需要 2,612千トン 需給 ▲40千トン

錫 生産 429千トン 需要 431千トン 需給 +28千トン

【中国重要統計の評価】

9月の中国製造業PMIは49.6(前月50.1)と市場予想の50.0を下回り、閾値である50を下回り、製造業の減速感が鮮明となった。しかし同時に発表された財新製造業PMIは50.0(市場予想49.5、前月49.2)と回復しており、ややまちまちの内容となっている。

製造業PMIの規模別の景況感を見ると中堅・中小企業の減速が鮮明だが、財新製造業PMIは中堅企業並びに輸出企業が主体であるため、直近の貿易統計で輸出がやや回復したことが影響した可能性はある。

しかし総じて減速していることは間違いがなさそうで、工業金属需要減速、並びに価格の下落要因となり得る。

内訳を見ると生産鈍化(50.9→49.5)、新規受注(49.6→49.3)、輸出新規受注(46.7→46.2)、受注残(45.9→45.6)と需要の鈍化が顕著である。

在庫水準は低いが増加しており、完成品在庫は47.7→47.2、原材料在庫は47.7→48.2、サプライヤー納期はほぼ変わらない(48.0→48.1)。

さらに細かく見ると、購買量は減少(50.3→49.7)、購入価格は上昇(61.3→63.5)、販売価格も上昇(53.4→56.4)している。

工業金属価格に対する説明力が高い新規受注在庫レシオは、完成品が1.045(前月1.040)と上昇、原材料が1.023(1.040)となった。

生産指数が低下していることと合わせて考えると、1.発電燃料・電気の不足で稼働が低下、2.原材料は積み上がるが製品は出荷される、3.価格転嫁も進んでいるが輸入価格の高騰は続き、レーショニングが起きている、4.総じて原材料需給は緩和し、完成品需給はタイトな状態、と整理できる。

これまで工業金属価格の上昇を牽引してきたのは中国の住宅セクターであるが、中国の建設業PMIは57.5(前月60.5)と減速した。中国政府による不動産セクター沈静化の動きが影響しているとみられる。

中国恒大集団の債務問題はその氷山の一角だろう。問題の顕在化はこれからではないだろうか。

8月の中国の貿易統計を見ると、ベンチマークである精錬銅の輸入は前年比▲41.1%の39万4,017トン(前月▲44.3%の42万4,280トン)と過去5年平均を下回り続けており、減速感が鮮明となっている。

8月の銅精鉱の輸入は前年比+18.6%の188万6,000トン(前月+5.5%の189万トン)と高い水準を維持している。TCの上昇もあって製錬需要が増加したと考えられる。

8月の銅スクラップの輸入は+60.2%の12万9,802トン(前月+98.9%の14万9,369トン)。

ただし全体としては輸入に下押し圧力が掛っている印象は否めず、しばらくは調整圧力が強まる展開が予想される。

工業金属のフロー需要に影響する工業生産は、1-8月期累計で前年比+13.1%(1-7月期+14.4%)と伸びが鈍化、単月でも 前年比+5.3%(前月+6.4%)と鈍化が鮮明になっている。

ストック需要の指標である固定資産投資も年初来累計で+8.9%(+10.3%)と明確に減速。公的セクターの伸び鈍化は所与としても、よりボリュームの大きな民間部門が前年比+11.5%(+13.4%)と伸びが減速していることは、中国政府によるバブル抑制行動が影響しているとみられる。

中国政府が最も懸念している不動産開発投資はまだ前年比+10.9%(1-7月期+12.7%の8兆4,895億元)と高い伸びを維持しているがそれでも減速基調にあり、新築住宅販売の前年比上昇も+0.16%(前月+0.30%)と伸びが鈍化している。

いずれも「伸び」が鈍化しているのみであり、中国の経済活動が回復していることは間違いがない。しかし、需要の伸びが想定を下回る場合、多くの場合供給過剰を誘発して価格の下押し要因となる。

【政策動向・脱炭素】

政策動向・脱炭素の流れは中長期的な材料。米バイデン政権は8年間で1兆2,000億ドルのインフラ投資計画実施計画。

道路・橋梁・主要プロジェクトに1,090億ドル、電力インフラに730億ドル、旅客・貨物鉄道に660億ドル、ブロードバンド・インターネットサービスに650億ドル、公共交通機関に490億ドル、空港に250億ドルを投じる。

さらには2022年度予算も戦後最大となる歳出を6兆ドルと、以上と戦後最大の水準とする方針。

これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。

これまで中国が鉱物セクターの需要動向に関して主役であり、今後も非鉄金属価格の動向は中国動向が左右するが、「新規の需要」については欧米動向が重要になる可能性は意識しておきたいところ。

この場合、米国の景気回復=ドル高・金属価格上昇、という構図も考えられる。

米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高い。

軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなど。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要する見込み。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・中国不動産大手恒大集団の破綻懸念が中国の住宅セクターに広がり、中国の不動産バブルがはじける場合(価格下落要因)。

・ロジスティクスに障害が残る中、非鉄金属の偏在が現物プレミアムを押し上げるリスク(北米で顕在化)。

・猛暑や渇水による燃料価格上昇で、1.電力供給不足による稼働停止・供給減少、2.発燃料価格の上昇を通じて生産コストが上昇する、場合(価格上昇リスク)。

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資(2兆ドルのクリーンインフラ投資など)を議会の採決を得て実行に移す場合(上昇リスク)。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・チリやペルーで広がる左派勢力伸長に伴う大衆迎合的な政策が可決し、鉱山生産に過剰なロイヤルティが適用される場合(供給減少ないしは生産コスト上昇で価格の上昇要因)。

チリで議論されている銅のロイヤルティ増税案の詳細は以下の通り。

年内実施予定の選挙結果では課税強化で生産コスト上昇、または減産となる可能性も。

3%の新ロイヤルティに加え、銅価格に連動して税額が賦課される仕組み。

2ドル~2.5ドル/ポンド(4,406~5,508ドル/トン):15%2.5ドル~3(5,508~6,609):35%3ドル~3.5(6,609~7,711):50%3.5ドル~4(7,710~8,813):60%4ドル~4.5(8,813~9,914):70%

年間販売量が5万トン未満の小規模生産者は品位95%の粗銅の場合▲5%の軽減税率、アノードの場合(99.4~99.6%)が適用される。

2023年までは現行の営業利益率によって5~14%の鉱業ロイヤルティが適用されるが、2024年以降は新税制を適用。

・インドネシアが再び低品位ニッケル鉱石の輸出を制限する場合(ニッケル価格の上昇要因)。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

中国の環境規制強化に伴う供給の減少。エネルギー排出量の多い新疆ウイグル自治区でのアルミ生産は減産の影響は既に材料視されている。

【投機筋のポジション動向】

・LME投機筋買い越し金額 前週比▲7.5%の272億ドル(前週 294億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比▲4.8%の6,017.1千トン(前週 6,319.7千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は中国政府の発電燃料供給不足と環境改善目的の鉄鋼製品生産減少、中国不動産セクターの先行き不安が鉄鋼向け需要を減じることから、水準を切下げる展開を予想。

直近の工業生産、固定資産投資、不動産投資、工業セクター利益とも前年比ベースの減速が顕著であり、中国政府の想定通り中国経済は過熱が沈静化の方向に向かっている。

ただし、同時に中国政府は金融緩和を行っていること、米欧中のインフラ投資による建材向け需要増加観測を背景に下落したとしても下値余地は限定されるのではないか。米国では鉄鋼製品価格上昇が継続している。

なお、鉄鉱石先物の期先の価格が限界生産コストの目安として意識されるが、80ドル程度で安定しており、やはり中長期的にはこの水準に価格が回帰すると考えている。

【中国の政策動向】

中国共産党は2021年から始まった新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。今のところ昨年の生産量を超えないようにする、というのが中国政府の目標。

最大生産都市である唐山市は、2021年20日~12月31日まで、大気汚染基準に違反し、データを改ざんした4社は7月~12月末まで▲30%減産、その他の16社は12月末まで▲30%の減産を新たに実施することを義務づけられている。

これにより、唐山市の粗鋼生産は前年比▲2,223万トンの1億2,177万トン、鉄鉱石需要は▲3,500万トン減少するとみられている。

別の話だが、半年後、北京オリンピック中に粗鋼生産が停止させられる可能性は高い。

粗鋼生産が減少すれば、鉄鉱石の在庫水準の指標である在庫日数も、分母が小さくなるため上昇が予想され、鉄鉱石価格の下落要因となる。これは原料炭も同様。

【中国重要統計の評価】

9月の中国鉄鋼業PMIは総合指数は45.0(前月41.8)と回復した。これは新規受注(31.6→39.0)、輸出向け新規受注(31.8→39.5)と回復したことによるものだが10月の大型連休や8月の洪水の影響もあってその反動の増加と考える方が適切だろう。

新規受注の回復を受けて新規受注・完成品レシオが1.12(0.94)となり、新規受注原材料レシオも1.00(0.89)の上昇となった。しかし完成品の方がレシオの上昇が顕著である。

このことは、生産抑制に伴い鉄鋼製品需給はタイトな状態が続く一方、鉄鋼原料需給は完成品ほどではないがやはりタイトであり、鉄鋼原料輸入が継続する可能性が高いことを示唆している。

特に、環境保護や生産制限によって国内供給が厳しく、海外からの輸入(豪州)ができなくなり、モンゴルからの供給もコロナの影響で制限されている原料炭価格はさらに高値を維持することになろう。

これまで工業金属価格の上昇を牽引してきたのは中国の住宅セクターであるが、中国の建設業PMIは57.5(前月60.5)と減速した。中国政府による不動産セクター沈静化の動きが影響しているとみられる。

中国恒大集団の債務問題はその氷山の一角だろう。問題の顕在化はこれからではないだろうか。

工業金属のフロー需要に影響する工業生産は、1-8月期累計で前年比+13.1%(1-7月期+14.4%)と伸びが鈍化、単月でも 前年比+5.3%(前月+6.4%)と鈍化が鮮明になっている。

ストック需要の指標である固定資産投資も年初来累計で+8.9%(+10.3%)と明確に減速。公的セクターの伸び鈍化は所与としても、よりボリュームの大きな民間部門が前年比+11.5%(+13.4%)と伸びが減速していることは、中国政府によるバブル抑制行動が影響しているとみられる。

中国政府が最も懸念している不動産開発投資はまだ前年比+10.9%(1-7月期+12.7%の8兆4,895億元)と高い伸びを維持しているがそれでも減速基調にあり、新築住宅販売の前年比上昇も+0.16%(前月+0.30%)と伸びが鈍化している。

いずれも「伸び」が鈍化しているのみであり、中国の経済活動が回復していることは間違いがない。しかし、需要の伸びが想定を下回る場合、多くの場合供給過剰を誘発して価格の下押し要因となる。

【中国鉄鋼製品輸出入・在庫動向】

8月の中国の鉄鋼製品の輸入は前年比▲52.5%の106万3,000トン(前月▲59.8%の105万トン)と低迷し、過去5年平均を下回った状態が続いている。

8月の中国粗鋼生産は前年比▲12.2%の8,324万トン(前月▲7.0%の8,679万トン、前々月+2.5%の9,388万トン、前々々月+7.8%の9,945万トン)と減速が鮮明になった。前年比での伸びが鈍化。生産調整の影響が出ている。

一方、8月の鉄鋼製品の輸出は前年比+37.3%の505万3,000トン(前月+35.6%の567万トン)と前月から前年比の伸びを拡大した。ただし、過去5年平均を下回る水準に減少しており、やはり国内供給を優先させていることが窺える。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが、在庫水準は前週比▲68万6,000トンの1,444万2,000トン(過去5年平均 1,133万7,000トン)と例年を上回り水準は高い。

【中国鉄鉱石輸出入・在庫動向】

原料である鉄鉱石の7月の輸入は前年比▲21.4%の8,851万トン(前月▲12.1%の8,942万トン)と減速した。中国政府の鉄鋼ミル稼働制限の動きが輸入を鈍化させたとみられる。

また中国の鉄鉱石需要は鈍化している可能性がある。

なお、中国の最大の輸入相手である豪州では鉱山の人繰りが付かず生産が停滞しているとの指摘もあるが、直近5月の輸出統計では明確な減速は確認されていない。

鉄鉱石港湾在庫は前週比+350万トンの1億3,350万トン(過去5年平均1億2,646万トン)、在庫日数は29.6日(過去5年平均 28.6日)と数量ベース・日数ベースでも過去5年平均を上回り急速に需給が緩和していることが確認されている。

在庫日数は粗鋼生産の水準の高さに依拠するため、中国政府の鉄鋼生産抑制方針を受けて在庫日数の上昇傾向は続き、価格を下押しすると予想される。

【中国原料炭輸出入・在庫動向】

原料炭は中国の生産活動回復が継続しているが、前年比の伸び鈍化が明確になってきたため(中国政府の方針通り)、価格は下落余地を探る動きになると考える。

また、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることも、海上輸送原料炭価格を下押ししよう。

とは言え、環境規制強化の流れで世界的に原料炭供給を増加させられる地域が限定されることから、下落余地も同様に限定される都見るのが妥当だ。

8月の中国の原料炭輸入は前年比▲34.7%の468万2,831トン(前月▲48.8%の377万1,291トン)と回復しているが、過去5年レンジを下回った状態が続いている。豪州からの輸入停止と、モンゴルからの輸入停滞(コロナの影響)、国内の鉄鋼生産削減政策が影響しているとみられる。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は前週比▲13万トンの100万トンと過去5年平均の124万1,000トンを下回っている。

在庫日数は4.1日と、過去5年の平均である5.2日を下回り、タイトな状態。中国政府の方針を受けた粗鋼生産の減少の可能性は高いものの、在庫水準の異常な低さが価格を押し上げよう。

【見通しの固有リスク】

・中国の不動産セクター減速が、建材需要を減少させる可能性(鉄鋼製品価格の下落を通じて鉄鋼原料価格の下落要因)。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合(価格上昇要因)。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク(価格上昇要因)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

【金】

金はしばらく上昇圧力が強まる展開が予想される。米テーパリングは早期に行われるものの、ぺースが緩慢で利上げはまだ先と強調されたことで、一旦調整的に長期金利の下押し圧力が強まるため。

また、足下のエネルギー価格の上昇が期待インフレ率を高止まりさせ、実質金利に下押し圧力を掛けることも価格を下支えしよう。

ただしテーパリングが進捗する中では(というよりは、テーパリング宣言からテーパリング実施まで、その影響を織り込む中では)長期金利に上昇圧力が掛り、中期的に下落に転じる見通しに変化はない。

なお、過去5年平均を基準にすると名目金利1bpに対する金価格の感応度は±3.0ドル弱であり、米10年金利が現在の水準から30bp上昇すれば▲90ドルの下落圧力となる(60bpで▲180ドル)。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,632ドル(前日比▲2ドル)、そこからの乖離(リスク・プレミアム)は131ドル(+6ドル)。

リスク・プレミアムは、過去3ヵ月平均で120ドル、6ヵ月で170ドル、1年で185ドル、5年で175ドルとなっている。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

【銀】

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、77.8倍。過去1年を基準にすると72倍、5年では80倍、2000年以降では66倍程度が妥当。

今後、さらに金銀レシオが低下するには、工業需要の増加が必須。今後、IT化の進捗でエレクトロニクス向けの需要が増加することが必要。太陽光パネルの増設は脱炭素の行きすぎヘの反発や、米国が太陽光パネルの主要生産国である中国からの調達を手控えると考えられ、影響は限定と考える。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

【PGM】

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。プラチナの需給バランスはWPICデータを元にすると今年も除く投機で供給過剰であり、投機動向が価格を左右しやすい。

パラジウムは半導体供給低迷が自動車生産に影響を与える状況が来春ぐらいまでは続く可能性があるため、当面低水準での推移。しかし自動車販売が回復すれば再び高値圏へ。

8月の米自動車販売は年率1,218万台(市場予想1,300万台、前月1,306万台)と減速。目先はパラジウム価格の下落要因となりやすい。

中国の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で以下の通りであり、明らかに伸びが減速している。半導体供給不足に加え国内景気の伸び減速が影響。

8月 前年比▲17.4%の179万8,841台7月 ▲11.8%の186万3,550台。6月 ▲12.4%の201万5,309台5月 ▲3.0%の212万7,000台4月 +8.8%の225万台3月 +76.5%の252万5,000台2月 +371%の146万台1月 +30%の250万台

調査会社のオートフォーキャスト・ソリューションズによれば半導体不足による供給減少の累積は7月16日時点で167万8,000台となっており、2019年1-7月期の966万9,484台から▲17.4%減少している。

この回復がある、ないしは供給側の混乱(南アフリカ)による生産減少がなければ、PGM価格は低水準で推移しよう。

【見通しの固有リスク】

・アフガニスタン情勢がかなり混迷の度合いを深めており、周辺地域への影響(南欧など)が拡大し、軍事的な行動に発展、足下のリスク・プレミアムが低いことからリスク回避の見直し買いが入る場合(貴金属セクター全体の上昇要因)。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・コロナからの回復は各国まだらであり、先行する米国が金融正常化に動いた場合、新興国から資金が流出して信用リスクが高まる場合(安全資産価格の上昇要因)。

・米中の対立激化。バイデン政権は対中強硬姿勢を明確にしており、対立がさらに激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが293,814枚(前週比 ▲2,856枚)、ショートが125,415枚(+16,392枚)、ネットロングは168,399枚(▲19,248枚)、銀が64,490枚(▲2,218枚)、ショートが47,785枚(▲3,288枚)、ネットロングは16,705枚(+1,070枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが31,908枚(前週比 ▲1,322枚)ショートが26,255枚(▲5,757枚)、ネットロングは5,653枚(+4,435枚)

パラジウムが2,558枚(▲40枚)、ショートが5,808枚(+497枚)ネットロングは▲3,250枚(▲537枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は堅調な推移になると考える。冬場のラニーニャ現象の発生(北半球の天候相場は終了も、南半球の天候相場入り)が懸念されていることや、その他の商品価格が上昇する中で割安感がまだある穀物セクターが物色される可能性が高まっているため。

8月の中国の大豆輸入は前年比▲1.2%の948万8,000トン(前月▲14.0%の867万トン)と回復し、過去5年水準を上回った。依然として中国の大豆在庫の水準は低いため、相応の輸入需要があると見られる。

Locust WatchではFAOの予想通り、降雨がなかったため群生相の発生は極めて抑制されている。Locust Watchでも今のところ差し迫った危機の発生リスクは指摘されていない。

しかし、ラニーニャ現象発生に伴うサイクロン発生リスクも低くないため、再び越冬できるバッタの数が増加する可能性も有り得るため、引き続き注意が必要だ。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210923update.jpg

【見通しの固有リスク】

・ラニーニャ現象発生観測による投機筋の買い圧力の強まり(価格の上昇要因)。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米作付け意向面積トウモロコシ 9,114万エーカー(市場予想9,313万エーカー、前年9,699万エーカー)大豆 8,760万エーカー(9,010万エーカー、8,351万エーカー)小麦 4,636万エーカー(4,495万エーカー、4,466万エーカー)綿花 1,204万エーカー(1,215万エーカー、1,370万エーカー)

・米穀物最終作付け面積 実績(前年)トウモロコシ 9,269万エーカー(9,082万エーカー)大豆 8,756万エーカー(8,383万エーカー)小麦 4,674万エーカー(4,425万エーカー)

・9月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 176.3Bu/エーカー(175.6、174.6)大豆 50.6Bu/エーカー(50.4、50.0)小麦 44.5Bu/エーカー(NA、44.5)

・9月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 149億9,600万Bu(149億137万Bu、147億5,000万Bu)大豆 43億7,400万Bu(43億6,526万Bu、43億3,900万Bu)小麦 16億9,700万Bu(NA、16億9,700万Bu)

・9月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 24億7,500万Bu(24億Bu)大豆 20億9,000万Bu(20億5,500万Bu)小麦 8億7,500Bu(8億7,500万Bu)

・9月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 14億800万Bu(13億4,137万Bu、12億4,200万Bu)大豆 1億8,500万Bu(1億8,152万Bu、1億5,500万Bu)小麦 6億1,500万Bu(6億1,259万Bu、6億2,700万Bu)

・9月末四半期在庫 実績(前期末)トウモロコシ 12億3,600万Bu(41億1,100万Bu)大豆 2億5,600万Bu(7億6,900万Bu)小麦 17億8,000万Bu(8億4,500万Bu)

・9月CONABブラジル作付け面積(市場予想/前月)トウモロコシ 1,987万ha(NA、1,982万ha)大豆 3,853万ha(NA、3,853万ha)

・9月CONABブラジル生産量(市場予想/前月)トウモロコシ 8,575万トン(NA、8,665万トン) 単収 4,316kg/ha(NA、4,371kg/ha)大豆 1億3,591万トン(NA、1億3,598万トン) 単収 3,527kg/ha(NA、3,529kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが386,177枚(前週比 +17,401枚)、ショートが107,631枚(+4,356枚)ネットロングは278,546枚(+13,045枚)

大豆はロングが141,105枚(+2,238枚)、ショートが76,385枚(▲1,428枚)ネットロングは64,720枚(+3,666枚)

小麦はロングが84,860枚(▲1,798枚)、ショートが88,505枚(+3,689枚)ネットロングは▲3,645枚(▲5,487枚)

◆本日のMRA's Eye


「原油価格の上昇は冬場一杯か~厳冬なら高値長期化も」

原油価格の高騰が続いている。価格高騰は複数の要因が重なったことによるものだが、特に今回に関しては供給面の影響が小さくない。

商品価格動向を占う上で弊社はファンダメンタルズ要因、投機・投資要因、特殊要因の3種類に大きく分類しているが、各々要因を分類すると以下の通りとなる。

(ファンダメンタルズ要因)・世界的な景気回復(対策実施、ワクチン開発成功に用経済の正常化)・先進主要国における金融緩和の継続・OPECプラスが増産ペースを抑制・2014年のOPECショック以来の上流部門投資の制限

(特殊要因)・昨年夏から続く猛暑・厳冬・猛暑、さらに年末にかけては厳冬予想・世界的な洪水と渇水(洪水は供給分断、渇水は水力発電能力の低下)・脱炭素の過剰な進捗による石炭供給制限と、その影響による液体燃料需要の増加・脱炭素の動き強化による原油増産の制限・米メキシコ湾にハリケーンが2つ襲来、生産回復の遅れ・ロシアが政治的に欧州へのガス供給を絞っている(政治的かどうかは実際のところなんとも言えない)

(投機・投資要因)・株価の上昇余地が限定的となる中で供給懸念がある商品が物色される動き

では今後についてはどうなるか。まず今回の価格上昇が冬の厳冬予想に依拠していることは否定できない。まさにお天気次第であるが、仮に冬が暖冬だった場合「供給は十分だ」ということになり下落すると予想される。

しかしこれまで十分な在庫が積めていない以上、冬期の暖房燃料・発電燃料の在庫積み圧力は継続し、原油価格にも影響すると考えられる。

また、価格上昇要因の重要な1つであるロシアからの供給停止が、政治的に解決して供給が増える可能性も十分に有り得る。昨日、プーチン大統領が供給の用意があると発言しているが、まだ実際に供給が始まった訳ではない。これを確認するには毎月行われているウクライナのパイプライン使用に関する入札に、ロシアが参加するかどうかがまず試金石となる。この場合も価格は急落するが、下落余地は限定、という感じだろう。

米戦略備蓄放出も昨日は材料視されているが、これについても「一時的」であり継続的に放出が行われるわけではないため、根本的な解決策にはならない。

では懸念通り厳冬となった場合はどうなるか。恐らく十分な在庫が積めないどころか、今年の冬も在庫を取り崩して非常に低い在庫水準で来年の夏場に備えなければならなくなる。在庫の積み増しが1日や2日で終るものではないため、この場合は価格上昇が長期化することになる。

しかしこの場合は実態経済への悪影響が顕著になるため、景気減速によって需要が減少し最終的には急落することになるだろう。

通常、原油価格は景気がピークアウトする直前が最も価格が高い。これは需要増加と価格、供給の時間差の関数に因るものだ。製造業PMIが多くの国でピークアウトしていることを考えると、景気循環が価格を押し下げる可能性もある(これは異常気象を想定する前のメインシナリオ)。

◆主要ニュース


・8月独製造業受注 前月比▲7.7%(前月改定+4.9%)前年比+11.7%(+26.1%)

・9月独建設業PMI 47.1(前月44.6)

・8月ユーロ圏小売売上高 前月比+0.3%(前月▲2.6%)前年比±0.0%%(+3.1%)

・米MBA住宅ローン
 申請指数 前週比 ▲6.9%(前週▲1.1%)
 購入指数 ▲1.7%(▲1.2%)
 借換指数 ▲9.6%(▲0.9%)
 固定金利30年 3.14%(3.10%)
 15年 2.45%(2.43%)

・9月米ADP雇用統計 前月比+568千人(前月改定+340千人)

・米サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と中国の外交を統括する楊潔篪政治局員が対面で対談、近くバイデン大統領と習近平国家主席がオンラインで会談する計画。

・米共和党マコネル院内総務、11月末までの債務上限引き上げで合意する案を明らかに。米国が直ちにデフォルトするリスクは後退。ただし12月には再び同じ状況に。

・日銀黒田総裁、「気候変動問題への対応は新たな状況に合わせて柔軟に対応。日本のインフレ率ははっきり米国を下回っている。インフレ率の日米格差は供給制約の違いも影響。米国は雇用が十分に回復しない中で需要が急激に回復し、企業は賃金引き上げで雇用の確保を急ぐと共に、財・サービスの引き上げで需要過多の解消を図っている。日本は米国ほど需要が回復していない上、雇用を確保してこなかったため、供給制約が相対的に限定的なものに止まっている。」

・トルコがG20加盟国としては最後となるパリ協定批准国に。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】

・DOE米石油統計 原油+2.3MB(クッシング+1.5MB)
 ガソリン+3.3MB
 ディスティレート▲0.4MB
 稼働率+1.5

 原油・石油製品輸出 7,184KBD(前週比▲293KBD)
 原油輸出 2,642KBD(▲57KBD)
 ガソリン輸出 596KBD(▲83KBD)
 ディスティレート輸出 759KBD(▲80KBD)
 レジデュアル輸出 109KBD(+17KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,127KBD(▲40KBD)
 その他石油製品輸出 1,860KBD(▲67KBD)

・ロシア ノヴァク副首相、「ノルドストリーム2の速やかな認証が、欧州のガス供給不足を緩和するかもしれない。」

・イラク アブドルジャバル石油相、「原油価格は75ドル~80ドルが適正」

【メタル】

・特になし。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ビットコイン ( その他 )/ +6.73%/ +89.46%
2.プラチナ ( 貴金属 )/ +2.50%/ ▲7.71%
3.TCM原油 ( エネルギー )/ +2.25%/ +73.61%
4.TCM灯油 ( エネルギー )/ +2.11%/ +51.39%
5.NYB綿花 ( その他農産品 )/ +1.96%/ +44.78%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.ニューキャッスル炭 ( エネルギー )/ ▲10.20%/ +200.62%
65.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ ▲10.09%/ +123.51%
64.欧州排出権 ( その他 )/ ▲8.65%/ +81.41%
63.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲6.96%/ +384.84%
62.ICEガスオイル ( エネルギー )/ ▲2.33%/ +67.20%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :34,416.99(+102.32)
S&P500 :4,363.55(+17.83)
日経平均株価 :27,528.87(▲293.25)
ドル円 :111.41(▲0.05)
ユーロ円 :128.75(▲0.53)
米10年債 :1.52(▲0.01)
中国10年債利回り :休場( - )
日本10年債利回り :0.08(+0.02)
独10年債利回り :▲0.18(+0.01)
ビットコイン :54,936.9(+3462.71)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :31.46(+1.19)
エネルギー :49.05(+7)
ベースメタル :24.88(▲0.01)
貴金属 :29.76(▲0.55)
穀物 :21.81(+0.09)
その他農畜産品 :30.10(▲0.23)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :24.25(+1.69)
Brent :22.31(+1.71)
米天然ガス :80.35(+2.66)
米ガソリン :24.54(+1.84)
ICEガスオイル :25.54(+2.74)
LME銅 :22.40(▲0.11)
LMEアルミニウム :24.60(▲0.14)
金 :15.64(+0.12)
プラチナ :32.04(+0.68)
トウモロコシ :26.96(+0.45)
大豆 :15.64(+0.12)

【エネルギー】
WTI :77.43(▲1.50)
Brent :81.08(▲1.48)
Oman :78.90(▲1.37)
米ガソリン :230.82(▲4.97)
米灯油 :244.20(▲5.16)
ICEガスオイル :703.50(▲16.75)
米天然ガス :5.68(▲0.64)
英天然ガス :273.45(▲20.46)

【貴金属】
金 :1762.74(+2.56)
銀 :22.63(▲0.01)
プラチナ :989.50(+24.12)
パラジウム :1892.43(▲24.99)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :9,083(▲8:13.5B)
亜鉛 :3,026(+2:11C)
鉛 :2,148(▲6:49B)
アルミニウム :2,888(▲24:8C)
ニッケル :18,100(+290:5C)
錫 :35,200(+25:1550B)
コバルト :52,989(▲4)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :9087.00(▲54.50)
亜鉛 :3010.50(▲36.50)
鉛 :2139.50(▲24.50)
アルミニウム :2897.00(▲27.00)
ニッケル :18085.00(▲55.00)
錫 :35250.00(+250.00)
バルチック海運指数 :5,647.00(+238.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :117.1(+0.15)
SGX鉄鉱石 :117.87(+0.16)
NYMEX鉄鉱石 :117.68(▲0.17)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :384(+2.00)
大連原料炭先物 :584.04(+8.22)
上海鉄筋直近限月 :休場( - )
上海鉄筋中心限月 :休場( - )
米鉄スクラップ :600(±0.0)

【農産物】
大豆 :1242.00(▲8.50)
シカゴ大豆ミール :321.60(+1.40)
シカゴ大豆油 :60.07(▲0.82)
マレーシア パーム油 :5067.00(+92.00)
シカゴ とうもろこし :532.25(▲5.25)
シカゴ小麦 :746.00(+1.25)
シンガポールゴム :180.10(▲0.40)
上海ゴム :休場( - )
砂糖 :19.77(▲0.08)
アラビカ :193.45(+1.55)
ロブスタ :2116.00(+5.00)
綿花 :113.10(+2.17)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :89.63(▲1.35)
シカゴ生牛 :123.83(+1.00)
シカゴ飼育牛 :156.80(+0.70)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。