CONTENTSコンテンツ

緩和政策継続観測とエネルギー価格上昇で堅調
  • MRA商品市場レポート

2021年8月31日 第2022号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「緩和政策継続観測とエネルギー価格上昇で堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は畜産関連品が下落したがその他の商品は総じて堅調な推移となった。

ジャクソンホールでのパウエル議長の講演は早期のテーパリングを肯定するものの緩和解除ペースが緩やかと発言したこと、利上げはこれまで市場が考えているようなスケジュールと連動しない旨指摘したことが引き続き材料となっており、市場参加者のリスクテイク意欲が回復していることが背景。

なお、ハリケーン・アイダの影響はことのほか大きく、米国の原油・ガス生産の回復には時間がかかる可能性が出ている。この中でOPECプラスが増産を見送る見通しが出ていることが、原油価格を高止まりさせている。

今後はむしろ、原油価格の上昇が再びインフレ懸念を強め、FRBの期待するペースでのインフレ収束にならない可能性がある。またコンテナ船などのロジの制限がある中で、必要な物資が偏在していることはインフレリスクが想定以上に高止まりするリスクが小さくないことを示唆している。

なお、アフガニスタン情勢は混迷を深めており、「アフガン国内でのテロリスト同士の衝突」「米軍その他の報復行動」で、高い確率でテロの温床になる可能性が高まっている。

【本日の見通し】

本日はジャクソンホールでのパウエル議長発言が穏やかなものに止まったことで、金融面での価格下押し圧力が弱まっているが、各国でデルタ株の感染は拡大しており、経済活動を停滞させる可能性があることが上値を抑えよう。

本日予定されている注目材料は中国の製造業・非製造業PMI。先日の工業セクター利益をみるに、1.ロジの問題に伴う供給減少・生産減少、2.価格上昇に伴う利益の圧迫が企業活動を鈍化させていること、から今回のPMIも弱めの内容になるのではないか。

中国製造業PMI 市場予想 50.2(前月 50.4)非製造業PMI 52.0(53.3)

【昨日のセクター別動向と本日の見通し】

◆エネルギー

原油価格は上昇した。米メキシコ湾を北上しているハリケーン・アイダの影響でメキシコ湾の原油生産がほぼ100%停止していることに伴う供給懸念が材料となった。

ハリケーン「アイダ」の影響でメキシコ湾の原油・天然ガス生産が減少。8月30日時点で、原油の生産減少は171万1,809バレル(メキシコ湾総生産の94.60%に該当)、ガス生産は2,087MMCFD(93.57%)と、ほとんど生産されていない。

なお、アイダは熱帯性低気圧に勢力を弱め、今後グレート・プレーンズ近辺を通過し、北東部に抜ける見込み。

テーパリングに関するFRB議長の講演は年内テーパリングの開始を明確にしたものの「利上げはまだ先」と金融引き締めができる環境にはない、との方向性を示したことで長期金利が低下、ドル安が進行したため結果的にファイナンシャルな面では上昇要因となるはずだが、原油への影響は限定された。

足下の原油価格動向はテーパリングなどの動向を受けた株価動向に左右されている、という印象は否めない。

となるとテクニカルなポイントは意識されるが、チャートポイントは高い所から、50日移動平均線(Brent:72.80ドル、WTI:70.62ドル)、100日移動平均線(Brent:70.82ドル、WTI:68.02ドル)、200日移動平均線(Brent:64.24ドル、WTI:61.00ドル)。

豪州石炭スワップ先物価格は上昇して170ドル台を維持。競合燃料である欧州天然ガスが、米ハリケーンの影響で暴騰する中で、欧州天然ガスも上昇したことが影響した。

中国の石炭輸入動向への説明力が高いバルチック海運指数は上昇しており、数値的にはまだ石炭の調達は継続している可能性が高い。

JKM先物市場は上昇して17ドル台後半に。米ハリケーンの影響で大西洋地区の需給がタイト化するとみられていることが引き続き、欧州地区のガス供給懸念を強め、価格の上昇要因となっている。

欧州は在庫水準が低いため在庫積み増しの意向が強いが、ノルドストリーム2の年内稼働の期待は低下しており、構造変化による需給緩和期待は後退している。

ノルウェーのTrollガス田のメンテナンスが9月の上旬まで続く見通しが示されたため終了に向かっており(金曜日に終了)、目先の需給緩和期待は強い(詳細はエネルギーニュースを参照)。

米天然ガスは急落。アイダが北部に上陸し、アイダの影響で100万人の電力供給が途絶するとみられ復旧にも数週間かかるとみられることは、電力向けのガス需要を減じ、価格の下落要因となった。

スポットLNGタンカーレートはスエズ以東が横這い、以西は低下した。アジアは夏場の終了、欧州は既存ガス田のメンテナンス終了見通しでスポット調達が減少した可能性がある。季節的なものと言える。

2021年8月16日~8月22日のLNG取引は前週比+5%の730万トン(前週+4%の700万トン)と増加、スポット調達のシェアは27%(24%)と上昇。日本と中国のスポット調達が先週からかい。日本と中国、韓国、台湾の輸入が増加した。スポット調達のシェアは日本と中国で低下。スポット調達のシェアは24%と先週の28%から低下。

本日はアイダが北上して油田地帯を抜けたことから徐々に生産が回復し、価格を下押しすると見るが電力供給の途絶で恐らく生産復旧には時間がかかるため、高値を維持すると予想される。

LNGはアイダの影響でメキシコ湾の減産が続く見通しであること、ロシアの供給の思惑から投機も巻き込み高値での推移を予想。米国は電力向けの需要減少が価格を下押し(ただし供給制限があるため下げ余地限定)、石炭はガス価格が高値を維持することから高値を維持すると考える。

ハリケーンの影響で「秋口に発電燃料価格が下落する」シナリオが大きく後退したとみておくべきだろう。

◆非鉄金属

LME非鉄金属価格は休場。オープンしていた市場はドルの水準が低いままであることから高値を維持した。

アルミ価格が高値圏で推移しており、欧州・米国のプレミアムが大幅に上昇している。これはLME指定倉庫在庫をみても分るように、アジアに在庫が集中しておりコンテナの確保ができない中で供給リスクが高まっているためである。

直近のデータではアジアの在庫が1,210,050トンであるのに対し、米国は39,200トン、欧州は88,875トンに止まる。多くの商品価格の上昇はロジが影響していることの証左の1つだ。

このたび、コンゴ民主共和国のニコラス・カザディ財務相は、「同国の鉱物資源の権益を付与してインフラ整備をする中国企業との60億ドル規模の契約見直しを検討中」と発表、同国のコバルト供給状況に変化がでる可能性が出てきた(詳しくは昨日のトピックスを参照)。

本日は、パウエル議長が緩やかなテーパリングと利上げとの連関性を排除したことで緩和姿勢が強まっているため、高値圏を維持すると考える。

ただし本日発表の中国製造業PMIは50.2(前月50.4)と減速見込みであり、先週発表された工業セクター利益の減速も考え合わせると地合は強くない。

また、テーパリングは基本的には「追加刺激の緩和」を意味するため、景気循環系商品には下押し要因となるため上値も重かろう。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは下落、大連先物は上昇、豪州原料炭スワップ先物は横這い、大連原料炭先物は上昇、上海鉄鋼製品先物は大幅に上昇。

中国東部の建設工事が好天に恵まれ、建設向けの需要が回復したことが現物価格を押し上げた、との報道が見られた。

鉄鋼需要の回復で鉄鋼原料価格は基本、堅調な推移となりやすい。しかし、鉄鉱石の在庫日数は上昇しており、徐々に需給が緩和しているため本日も軟調な推移を予想。一方、原料炭は在庫日数の低下で小幅上昇の公算。

◆貴金属

昨日の貴金属セクターは高値圏を維持した。実質金利の安定とドルが昨日は安値水準を維持したことが背景。パラジウムは株価の上昇を受けて水準を切り上げた。

本日は貴金属価格を大きく動かす材料が少ないため、現状水準でもみ合うものと考える。ただし、アフガニスタン情勢がかなり混迷の度合いを深めており、周辺地域への影響が拡大し、軍事的な行動に発展する可能性はある。その場合、足下のリスク・プレミアムは低いため、金価格の上昇が、その他の貴金属価格も押し上げる可能性。

◆穀物

シカゴ穀物市場は下落した。ハリケーン・アイダが北上しているが、グレート・プレーズなどの主要生産地域を逸れる上、これに伴う降雨が収量改善に寄与するとみられたことが恐らく冬季の売りを加速させた。

また、ハリケーンの影響でミシシッピ側経由での輸出が困難になり、米国内に滞留する穀物が増加して需給が緩和するとみられたことも、価格を押し下げたと考えられる。

昨日発表された2021年8月26日時点の米主要穀物輸出検証高は以下の通り。

トウモロコシ 562.55千トン(▲182.75千トン)大豆 377.34千トン(+137.38千トン)小麦 316.84千トン(▲412.45千トン)

本日はハリケーン・アイダの影響で供給増・輸出の一時的な停滞が見込まれることから軟調推移を予想。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

このたび、コンゴ民主共和国のニコラス・カザディ財務相は、「同国の鉱物資源の権益を付与してインフラ整備をする中国企業との60億ドル規模の契約見直しを検討中。一部の資源関連契約が同国に十分な恩恵をもたらさないため。デンケ・フングルーメ銅コバルト鉱山の再評価委員会を設立する。」

「2007年に中国国有の中国水利水発建設集団や、中国中鉄と締結した契約も、公平性や効果の観点から見直しを行っている。」

と、中国との資源を巡る契約の見直しを公式に発表した。以前からコンゴ政府は中国の一方的な対応に不満を持っていたとのコメントは非公式に伝えられていたが、正式に見直しを決定した模様。

恐らく、今後、EV需要の増加でコバルト需要が増加する見通しであり、インフラ建設後に中国が68%のコバルト鉱山の権益を取得する契約となっており、ある意味資源ナショナリズムの一環といえる。

なお、これによってEV関連のコア資源を中国が独占する可能性が低下したため、西側諸国に取っては安心材料だ。しかし中国を排除することを決定したわけではないためまだ紆余曲折があろう。

しかしこのように、EV向けの主要金属の生産国が資源ナショナリズムに走る可能性は高い。既にチリやペルーは権益のフィ引き上げを検討しており、過去に資源ナショナリズム政策を完遂した実績のあるインドネシアがこれに追随する可能性はある。

東南アジア、治安が不安定なアフリカ諸国が利益確保のために同様の動きをする可能性は高い。2000年から始まった原油価格高騰で中東・北アフリカ諸国の経済ステージが上がったが、今後はこうした鉱産国が成長する可能性は有り得る。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・アフガン情勢の混乱が域内経済に混乱(大量の難民発生、コロナの感染拡大が欧州圏にもたらされるなど)をもたらし、米中対立を先鋭化させる場合(景気の減速要因)。

・来年の中間選挙を控えて、バイデン大統領が国内の支持を得られない場合。財政面や企業負担増の理由から造反が発生し、議会を通過しない場合は景気のリスクに(景気減速要因)。

アフガン政策のミスは致命傷となる可能性も。

・米テーパリング実施が、コロナの感染に苦慮する中南米、欧州・アフリカの新興国経済に悪影響を及ぼす場合(景気減速要因)。

・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならない。

・コロナウイルスの感染再拡大(変異種に対してワクチンの効果が期待ほどではなかった場合など。既に中国製のワクチンは新興国で接種されているが、殆ど効果が出ていない)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合(価格下落要因)。これは既に欧州、インド、東南アジア、日本などで顕在化。

逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

逆に脱炭素に向けたインフラ投資の加速で資源価格が急上昇、金融緩和マネーが大量に市場に滞留する中でハイパーインフレとなるリスク。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は高くなった。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格は中期的にはOPECの増産、米テーパリング開始を背景に軟調な推移になると予想する。

前回テーパリング中盤に原油価格は下落に転じており、今回テーパリング開始も価格の下押し要因となるが、利上げの先送り観測でドル安が進行するならしばらくは価格の下支え要因となる。

なお、正常化が前提であるものの、ここに来てコロナの変異株の感染が拡大、ワクチン接種が世界で最も進んでいるイスラエルでもワクチンの有効性が低下していることは、需要の下押し要因となる。

ただしここまでの下落ピッチが速いので、次回OPECプラスで増産が一時的に見送られる可能性はあるだろう。

一方、最大消費国である米国の石油製品出荷は2015-2019年の平均水準を回復しており、需要の回復は順調であり下落余地もそろそろ限定されるだろう。年末に向けてBrentは60ドル台半ば、WTIは60ドル台前半への調整をメインシナリオとしている。

その後は金融面の政策調整一巡から、再び上昇に転じると考えている。

【見通しの固有リスク】

・ワクチン接種が進捗せず、同時に変異株が猛威を振るいワクチンが効かない場合(需要減少で下落リスク)。

・米国経済が正常化する中でテーパリングなどの金融緩和解除が加速、急速なドル高を通じて投機的な売り圧力が高まる場合(価格の下落要因)。

・OPECプラスの増産タイミングの見誤りによる、供給不足。またはイランを巡り武力衝突や制裁解除が遅れた場合(価格上昇要因)。

価格が上昇する中でOPEC諸国の減産維持統制が効かなくなり、増産競争に舵が切られる場合(下落要因)。

米国の橋渡しでイランとサウジを初めとするスンニ派諸国が和解、中東の緊張が緩和するシナリオも排除せず(下落要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合

・脱炭素の過剰な進捗による供給懸念(価格上昇要因)。

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる場合

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

かなり過剰なペースで脱炭素が進められており、オイルメジャーも株主・政府の圧力を受けて脱炭素に舵を切り、タイムリーな原油増産が困難になっている。

この場合、「脱炭素移行期間の景気回復時」には十分な燃料供給が出来ないリスクが高まり、来年以降の価格上昇局面で原油価格が100ドルを超えるリスク(リスクシナリオの位置づけ)。

なお、脱炭素が完了しても100%原油が不要になることはなく、OPECの価格支配力が増すため、この場合でも価格は上昇へ。

【石炭価格見通し】

海上輸送石炭価格は堅調な推移になると考える。中国の電力需要向けの調達は夏場のピークを過ぎても堅調であること、基本、季節的に調達圧力が弱まる時期にあるものの、ロシアのノルドストリーム2を巡る欧州へのガス供給減少や米国のハリケーンの影響が競合燃料である天然ガス価格を高止まりさせることが要因。

しかし、中国政府は脱炭素といいつつ、石炭の国内生産を増加させていること、国内のバブル抑制に舵を切り、中国経済が減速傾向にあること、夏場が終了に向かっていることは事実であることからそろそろ調整があってもおかしく無い。

石炭は「座礁資産」と呼ばれ、上流部門投資ができなくされていることから、増産をしているのはGlencoreや中国企業ぐらいであり、供給が不十分であること、需要側の構造はそう簡単には変わらないことを考えると、調整があるといってもしばらくは高い水準での推移が予想される。

7月の石炭輸入は前年比+15.6%の3,017万8,000トン(前月+12.3%の2,839万2,000トン)と回復した。猛暑・渇水による発電燃料としての石炭需要増加と、中国の経済活動回復に伴う電力需要の増加が続いているためと考えられる。

中国6大電力会社の石炭在庫の水準は低く、まだ、季節的な石炭輸入需要の増加は続くと考える。石炭価格の下落は夏場の在庫調達が一巡する必要があるため、この夏の間は高止まりする可能性が高い。

【見通しの固有リスク】

・2021年も秋~冬が視野に入っており、このままだと欧州が十分な天然ガス在庫の積み上げがないまま、冬場に突入する可能性が高く、競合発電燃料である石炭価格の押し上げ要因となる場合(秋の価格調整が発生しない場合)。

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念(価格の上昇要因。これは既に顕在化しつつある)。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場に、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)。

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格は中国の経済活動が活発である一方、猛暑や水不足による水力発電からの電力供給低下で、火力発電向けの燃料需要が旺盛なこと、同時に海上輸送石炭価格も高い水準で推移していること、欧州のメンテナンスや悪天候、ロシアからの供給減少で欧州の域内需給がタイト化していること、米国のハリケーンの影響で大西洋地区の天然ガス供給が制限されることから、価格は高値を維持すると考える。

ハリケーンからの復旧には数週間かかるとみられており、「夏場終了の価格下落」を消費者側は期待していたが、その可能性は著しく後退した状態。

ただし、8月18日にNord Stream2が稼働しているとの誤ったデータが発表された直後、ガス価格が大幅に下落している。政治的な要因でNord Stream2の稼働は遅れると考えられるが、同パイプラインが稼働すればガス価格が下落することを示したもの。

在庫不足の状態に変わりはないため価格は高値維持だが、そろそろ季節的な調整には備えるべきではないか。

7月の中国のLNG輸入は前年比+12.6%の567万トン(前月+15.9%の672万トン)と過去5年レンジを上回り構造的な需要増加は続いているが、やや伸びは鈍化した。

なお、7月の中国の天然ガス輸入は前年比+27.0%の934万トン(前月+26.2%の1,021万トン)と減少したが、季節的に見ると過去5年レンジを大きく上回った状態が続いている。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・2021年も秋~冬が視野に入っており、このままだと欧州が十分な在庫の積み上げがないまま、冬場に突入する可能性が高く、冬場の気温低下がさらに価格を押し上げるリスク。

・石炭と同様、「化石燃料であること」を理由に上流部門投資が制限される、あるいは原油生産減少による随伴ガス供給が減少する場合(構造的な価格上昇要因)。

・米国がノルドストリーム2の建設を容認した場合、欧州ガス需給の緩和(ロシア増産で下落要因)。

・ウクライナやベラルーシといったロシアと欧州の緩衝帯との政治的な軋轢によって、結果的にロシア産ガスの供給がロシア側の都合でコントロールされた場合(実際にロシアが行動を起こした場合、多くのケースで価格の上昇要因)。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが528,784枚(前週比 ▲10,078枚)ショートが154,472枚(+19,933枚)ネットロングは374,312枚(▲30,011枚)

Brentはロングが325,172枚(前週比▲6,676枚)ショートが79,208枚(+2,178枚)ネットロングは245,964枚(▲8,854枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は直近の直近の工業生産、固定資産投資、不動産投資とも前年比ベースの減速が顕著であり、中国政府の想定通り中国経済は過熱が沈静化の方向に向かっていることから、米テーパリング早期開始観測と相まって水準を切下げる展開が予想される。

しかし、米上院でインフラ投資法案が可決したこと、コロナの影響や渇水に伴うエネルギー不足で供給面の問題も噴出していること、企業のデフォルトが増えたことで中国人民銀行が金融緩和(預金準備率の引き下げ)を実施していること、テーパリングは行うもののペースが緩やかで、利上げも先送りの可能性が出ていることから、下落余地も限定されると考える。

なお、長期的にはまだ脱炭素の流れ、省エネの流れに変わりがないため、供給面・需要面の制限から価格が上昇するという見通しを変更する必要はないと考えている。

7月の中国製造業PMIは50.4(前月50.9)と市場予想の50.8、前月共に下回った。まだ閾値の50は上回っているが中国の経済活動の過剰な回復は沈静化の方向に向かっていると考えられる。

内訳を見ると生産が鈍化(51.9→51.0)、新規受注(51.5→50.9)、輸出新規受注(48.1→47.7)、受注残(46.6→46.1)と需要が全て鈍化している。

その一方でまだ在庫水準は低いが、完成品在庫は46.7→47.6と増加に転じている。

工業金属価格に対する説明力が高い新規受注在庫レシオは、完成品が1.069(前月1.093)、原材料が1.067(1.073)と両指数とも小幅に低下しており国内の需給が緩和していることをうかがわせる。

これまで非鉄金属価格の上昇を牽引してきたのは中国の住宅セクターであるが、7月の中国の建設業PMIは57.5(60.1)と高い水準ではあるが前月から減速しており、鉄鋼製品価格の上昇や中国政府による住宅バブル抑制方針が影響しているとみられる。

7月の中国の貿易統計を見ると、ベンチマークである精錬銅の輸入は前年比▲44.3%の42万4,280トン(前月▲34.7%の42万8,000トン)と過去5年平均を下回り、減速感が鮮明となっている。

7月の銅精鉱の輸入+5.4%の188万7,000トン(前月+5.1%の167万1,000トン)と高い水準を維持してはいるが、過去5年の最高水準は下回っている。中国政府によるバブル抑制方針を背景に輸入が減少しているとみられるが、足下、企業支援目的の預金準備率の引き下げが実施されており、再び住宅セクターの回復で輸入は増加するのではないだろうか。

7月の銅スクラップの輸入は+98.9%の14万9,369トン(前月+118.8%の15万448トン)。

中期的には米国や欧州の財政出動、脱炭素の動きを受けた動向に左右されることになる。

米バイデン政権は上院の超党派で、8年間で1兆2,000億ドルのインフラ投資計画で合意した、と発表した。今回の合意では、道路・橋梁・主要プロジェクトに1,090億ドル、電力インフラに730億ドル、旅客・貨物鉄道に660億ドル、ブロードバンド・インターネットサービスに650億ドル、公共交通機関に490億ドル、空港に250億ドルを投じる。

さらには2022年度予算も戦後最大となる歳出を6兆ドルと、以上と戦後最大の水準とする方針。

これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。

これまで中国が鉱物セクターの需要動向に関して主役であり、今後も非鉄金属価格の動向は中国動向が左右するが、「新規の需要」については欧米動向が重要になる可能性は意識しておきたいところ。

この場合、米国の景気回復=ドル高・金属価格上昇、という構図も考えられる。

こうした政策期待や、インドなどの新興諸国の需要増加を受けた構造的な需要増加を受けて、中・長期的に価格は下支えされ、堅調な推移になると考える。

米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高いと言える。

具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要するだろう。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・猛暑や渇水による燃料価格上昇で、1.電力供給不足による稼働停止・供給減少、2.発燃料価格の上昇を通じて生産コストが上昇する、場合(価格上昇リスク)。

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資(2兆ドルのクリーンインフラ投資など)を議会の採決を得て実行に移す場合(上昇リスク)。

・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(上昇リスク)。

・中国の環境規制強化に伴う供給の減少。エネルギー排出量の多い新疆ウイグル自治区でのアルミ生産は減産の影響は既に材料視されている(供給減少でアルミ価格の上昇要因に)。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・チリやペルーで広がる左派勢力伸長に伴う大衆迎合的な政策が可決し、鉱山生産に過剰なロイヤルティが適用される場合(供給減少ないしは生産コスト上昇で価格の上昇要因)。

チリで議論されている銅のロイヤルティ増税案の詳細は以下の通り。

年内実施予定の選挙結果では課税強化で生産コスト上昇、または減産となる可能性も。

3%の新ロイヤルティに加え、銅価格に連動して税額が賦課される仕組み。

2ドル~2.5ドル/ポンド(4,406~5,508ドル/トン):15%2.5ドル~3(5,508~6,609):35%3ドル~3.5(6,609~7,711):50%3.5ドル~4(7,710~8,813):60%4ドル~4.5(8,813~9,914):70%

年間販売量が5万トン未満の小規模生産者は品位95%の粗銅の場合▲5%の軽減税率、アノードの場合(99.4~99.6%)が適用される。

2023年までは現行の営業利益率によって5~14%の鉱業ロイヤルティが適用されるが、2024年以降は新税制を適用。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

【投機筋のポジション動向】

・LME投機筋買い越し金額 前週比▲15.4%の266億ドル(前週 314億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比▲9.1%の6,202.9千トン(前週 6,825.1千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は中国政府の温室効果ガス排出量削減目的の鉄鋼製品生産減少を受けて、鉄鋼向け需要が減少すること、鉄鋼原料価格を牽引してきた中国の経済活動が中国政府の住宅セクターの加熱沈静化策の執行で鈍化を始めており、水準を切下げる展開が予想される。

直近の工業生産、固定資産投資、不動産投資とも前年比ベースの減速が顕著であり、中国政府の想定通り中国経済は過熱が沈静化の方向に向かっている。工業金属需要の下押し要因となるため、鉄鋼原料価格も下押しされよう。

ただし、同時に中国政府は金融緩和を行っていること、米欧中のインフラ投資による建材向け需要増加観測を背景に下落したとしても下値余地は限定されるのではないか。米国では鉄鋼製品価格上昇が継続している。

なお、鉄鉱石先物の期先の価格が限界生産コストの目安として意識されるが、75ドル程度で安定しており、やはり中長期的には供給回復で下落すると考えている。

中国共産党は2021年から始まった新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。今のところ昨年の生産量を超えないようにする、というのが中国政府の目標。

最大生産都市である唐山市は、2021年20日~12月31日まで、大気汚染基準に違反し、データを改ざんした4社は3月20日~6月末まで▲50%、7月~12月末まで▲30%減産、その他の16社は12月末まで▲30%の減産を新たに実施することを義務づけられている。

これにより、唐山市の粗鋼生産は前年比▲2,223万トンの1億2,177万トン、鉄鉱石需要は▲3,500万トン減少するとみられている。

別の話だが、半年後、北京オリンピック中に粗鋼生産が停止させられる可能性は高い。

粗鋼生産が減少すれば、鉄鉱石の在庫水準の指標である在庫日数も、分母が小さくなるため上昇が予想され、鉄鉱石価格の下落要因となる。これは原料炭も同様。

7月の中国鉄鋼業PMIを見ると、総合指数は43.1(前月45.1)と悪化した。新規受注が国内向けがやや回復(34.8→36.8)したが、輸出向け新規受注(42.3→30.8)が大幅に悪化したこと、材料不足や生産調整圧力で生産指数が低下(50.7→43.1)したことが影響した。

中国の国内需給がタイトであることから、リベート撤廃などによる輸出抑制、鉄鋼原料輸入励行(関税引き下げ)、温室効果ガス排出削減の観点からの生産抑制など、非常にまだらな内容であるが、総じて鉄鋼セクターの景況感が悪化していることを確認するもの。

需要は不需要期、悪天候の影響で低迷しているが、粗鋼生産減少(意図的・不慮の両要因)が鉄鋼製品需給をタイト化させている。

需要の減少で目安となる新規受注・在庫レシオは、新規受注完成品レシオが1.16(前月0.74)と大幅に上昇、新規受注原材料レシオも1.03(0.93)と上昇しており、統計数値は低いが中国の鉄鋼製品需給バランスがタイトな状況が続いていることを示唆している。

鉄鋼原料価格の上昇を牽引してきた住宅セクターに関しては、7月の中国の建設業PMIは57.5(60.1)と高い水準ではあるが前月から減速しており、鉄鋼製品価格の上昇や中国政府による住宅バブル抑制方針が影響しているとみられる。

結果、鉄鋼製品需給がまだタイトな状態が続くことが鉄鋼原料価格を高止まりさせるが、全体の方向性は弱地合であり徐々に水準を切下げると考えるのが妥当だろう。

7月の中国の鉄鋼製品の輸入は前年比▲59.8%の104万9,000トン(前月▲33.4%の125万2,000トン)と減速し、過去5年平均を下回った。国内の鉄鋼製品需給緩和を目的とした輸出リベートの撤廃で国内需給が以前よりも緩和しているためとみられる。

7月の中国粗鋼生産は前年比▲7.0%の8,679万トン(前月+2.5%の9,388万トン。前々月+7.8%の9,945万トン)と減速が鮮明になった。前年比での伸びが鈍化。生産調整の影響が出ている。

一方、7月の鉄鋼製品の輸出は前年比+35.6%の566万9,000トン(前月+74.5%の645万8,000トン)と前月から前年比の伸びを縮小し、過去5年平均を下回る水準に減少している。やはり輸出リベートの撤廃の影響があるためと考えられる。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが、在庫水準は前週比▲9万6,000トンの1,566万9,000トン(過去5年平均 1,137万3,000トン)と例年を上回り水準は高い。

原料である鉄鉱石の7月の輸入は前年比▲21.4%の8,851万トン(前月▲12.1%の8,942万トン)と減速した。中国政府の鉄鋼ミル稼働制限の動きが輸入を鈍化させたとみられる。また中国の鉄鉱石需要は鈍化している可能性がある。

なお、中国の最大の輸入相手である豪州では鉱山の人繰りが付かず生産が停滞しているとの指摘もあるが、直近5月の輸出統計では明確な減速は確認されていない。

鉄鉱石港湾在庫は前週比+60万トンの1億2,940万トン(過去5年平均1億2,576万トン)、在庫日数は27.5日(過去5年平均 28.7日)と例年と比較して在庫日数の水準は低いが、上昇を始めている。

在庫日数は粗鋼生産の水準の高さに依拠するため、中国政府の鉄鋼生産抑制方針を受けて在庫日数の上昇傾向は続き、価格の下押し要因になると予想される。

原料炭は中国の生産活動回復が継続しているが、前年比の伸び鈍化が明確になってきたため(中国政府の方針通り)、価格は下落余地を探る動きになると考える。また、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることも、海上輸送原料炭価格を下押ししよう。

とは言え、環境規制強化の流れで世界的に原料炭供給を増加させられる地域が限定されることから、下落余地も同様に限定される都見るのが妥当だ。

7月の中国の原料炭輸入は前年比▲48.8%の377万1,291トン(前月▲33.9%の413万4,210トン)と減少幅を拡大している。例年よりも輸入の水準は低い。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は前週比▲5万トンの137万トンと過去5年平均の144万4,000万トンを下回っている。

在庫日数は5.2日(▲0.2日)と、過去5年の平均である5.8日を下回り、タイトな状態。しかし、中国政府の方針を受けた粗鋼生産の減少の可能性は高く、価格には下押し圧力が掛る公算。

【見通しの固有リスク】

・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合(価格下落要因)。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合(価格上昇要因)。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク(価格上昇要因)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

<<金>>

金はしばらく上昇圧力が強まる展開が予想される。テーパリングは早期に行われるもののテーパリングペースが緩慢で、利上げはまだ先と強調されたことで、一旦調整的に長期金利が低下するため。

ただしテーパリングが進捗する中では長期金利に上昇圧力が掛り、中期的に下落に転じる見通しに変化はない。

なお、過去5年平均を基準にすると名目金利1bpに対する金価格の感応度は±3ドル弱であり、米10年金利が現在の水準から30bp上昇すれば▲100ドル弱の下落圧力となる(60bpで▲200ドル)。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,686ドルと昨日から+2ドル上昇、そこからの乖離(リスク・プレミアム)は124ドルと昨日から▲10ドル低下している。

リスク・プレミアムは、過去3ヵ月平均で150ドル、6ヵ月で185ドル、1年で200ドル、5年で175ドルとなっている。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

<<銀>>

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、75.7倍。過去1年を基準にすると71倍、5年では80倍、2000年以降では66倍程度が妥当。

今後、さらに金銀レシオが低下するには、実際に太陽光パネルの設置が米国で進捗するなどの新規材料が必要になると見られるが、米政府は新疆ウイグル自治区問題を背景に輸入を制限する見通しであり足下その期待は後退している。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

<<PGM>>

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。プラチナの需給バランスはWPICデータを元にすると今年も除く投機で供給過剰であり、投機動向が価格を左右しやすい。

パラジウムは経済活動正常化期待による金価格調整→経済正常化による需要増加を受けて高値を維持すると考える。

7月の米自動車販売は年率1,475万台(市場予想1,510万台、前月1,536万台)と減速。目先は価格の下落要因となりやすい。

中国の7月の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で前年比▲11.8%の186万3,550台。前月▲12.4%の201万5,309台5月▲3.0%の212万7,000台、4月+8.8%の225万台3月+76.5%の252万5,000台、2月+371%の146万台1月+30%の250万台、12月+6.4%の283万台11月+12.7%の276万9,666台、10月+12.6%の257万3,000台9月+13.0%の256万5,201台

と前年比でマイナス幅は若干縮小したが、国内景気の減速と半導体供給不足が材料となり販売は落ち込んでいる。

調査会社のオートフォーキャスト・ソリューションズによれば半導体不足による供給減少の累積は7月16日時点で167万8,000台となっており、2019年1-7月期の966万9,484台から▲17.4%減少している。

この回復がある、ないしは供給側の混乱(南アフリカ)による生産減少がなければ、PGM価格は低水準で推移しよう。

【見通しの固有リスク】

・アフガニスタン情勢がかなり混迷の度合いを深めており、周辺地域への影響(南欧など)が拡大し、軍事的な行動に発展、足下のリスク・プレミアムが低いことからリスク回避の見直し買いが入る場合(貴金属セクター全体の上昇要因)。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・コロナからの回復は各国まだらであり、先行する米国が金融正常化に動いた場合、新興国から資金が流出して信用リスクが高まる場合(安全資産価格の上昇要因)。

・米中の対立激化。バイデン政権は対中強硬姿勢を明確にしており、対立がさらに激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが299,084枚(前週比 +14,647枚)、ショートが88,431枚(▲4,464枚)、ネットロングは210,653枚(+19,111枚)、銀が63,311枚(▲79枚)、ショートが41,450枚(▲720枚)、ネットロングは21,861枚(+641枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが33,042枚(前週比 +918枚)ショートが23,899枚(+133枚)、ネットロングは9,143枚(+785枚)

パラジウムが3,076枚(▲1,621枚)、ショートが3,442枚(▲104枚)ネットロングは▲366枚(▲1,517枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は軟調な推移になると考える。ハリケーンの影響で輸出が停滞する可能性があるほか、降雨が作況の改善に寄与すると考えられることから。

春小麦は乾燥気候の影響もあって作柄が悪く、ロシアの生産見通しも下方修正されていることからさらに上昇余地を探る展開に。

ただし小麦の場合、毎年のことであるが最終的には供給のつじつまが合うことが多いため、年後半に掛けては下落に転じることになろう。

7月の中国の大豆輸入は前年比▲14.0%の867万4,000トン(前月▲3.9%の1,072万2,000トン)と前年から急速に減少し、過去5年平均を下回っている。豚向けの需要増加で輸入も増加していたが、影響が一巡した可能性がある。

Locust WatchではFAOの予想通り、降雨がなかったため群生相の発生は極めて抑制されている。Locust Watchでも今のところ差し迫った危機の発生リスクは指摘されていない。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210825update.jpg

【見通しの固有リスク】

・エルニーニョ現象発生による生産条件改善を受けた増産観測(価格の下落要因)。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米作付け意向面積トウモロコシ 9,114万エーカー(市場予想9,313万エーカー、前年9,699万エーカー)大豆 8,760万エーカー(9,010万エーカー、8,351万エーカー)小麦 4,636万エーカー(4,495万エーカー、4,466万エーカー)綿花 1,204万エーカー(1,215万エーカー、1,370万エーカー)

・米穀物最終作付け面積 実績(前年)トウモロコシ 9,269万エーカー(9,082万エーカー)大豆 8,756万エーカー(8,383万エーカー)小麦 4,674万エーカー(4,425万エーカー)

・8月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 174.6Bu/エーカー(177.39、179.5)大豆 50.0Bu/エーカー(50.28、50.8)小麦 44.5Bu/エーカー(NA、45.8)

・8月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 147億5,000万Bu(149億7,144万Bu、151億6,500万Bu)大豆 43億3,900万Bu(43億6,248万Bu、44億500万Bu)小麦 16億9,700万Bu(17億2,350万Bu、17億4,600万Bu)

・8月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 24億Bu(25億Bu)大豆 20億5,500万Bu(20億7,500万Bu)小麦 8億7,500Bu(8億7,500万Bu)

・8月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 12億4,200万Bu(12億7,030万Bu、14億3,200万Bu)大豆 1億5,500万Bu(1億5,696万Bu、1億5,500万Bu)小麦 6億2,700万Bu(6億3,800万Bu、6億6,500万Bu)

・6月末四半期在庫 実績(前期末)トウモロコシ 41億1,200万Bu(77億1004万Bu)大豆 7億6,700万Bu(15億6,400万Bu)小麦 8億4,400万Bu(13億1,400万Bu)

・8月CONABブラジル作付け面積(市場予想/前月)トウモロコシ 1,982万ha(1,977万ha、1,983万ha)大豆 3,853万ha(3,870万ha、3,851万ha)

・8月CONABブラジル生産量(市場予想/前月)トウモロコシ 8,665万トン(8,672万トン、9,338万トン) 単収 4,371kg/ha(4,388Kg/ha、4,709kg/ha)大豆 1億3,598万トン(1億3,666万トン、1億3,591万トン) 単収 3,529kg/ha(3,534Kg/ha、3,529kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが419,537枚(前週比 ▲12,761枚)、ショートが88,570枚(+2,118枚)ネットロングは330,967枚(▲14,879枚)

大豆はロングが175,251枚(▲7,288枚)、ショートが73,604枚(+7,469枚)ネットロングは101,647枚(▲14,757枚)

小麦はロングが133,081枚(▲4,394枚)、ショートが98,033枚(+7,352枚)ネットロングは35,048枚(▲11,746枚)

◆本日のMRA's Eye


「大豆価格は下落へ~しかし上昇への備えを」

大豆価格の下落が続いている。昨日の下落はアイダの影響による降雨が主因だが、下落が始まったのは今年の5月、米海洋大気庁が長らく続いていたラニーニャ現象の収束宣言をしたことによる。

この10年、市場参加者はラニーニャ現象発生とその間の穀物価格上昇の関係性に着目しており、ある意味「先読み指標」としてファンダメンタルズ指標よりも重要視していることが多い。

しかし実際の需給バランスを前穀物年度と比較するとタイトな状況にさほど変わりはなく、今後調整はあるものの下落余地も限定され、むしろ先行きの価格上昇リスクに備える必要があるように見える。

米農務省の直近の需給報告では2021-2022年の世界大豆生産は前年比+2,038万トン増加の3億8,363万トンと過去最高となる見込み。

今や大豆の最大生産国であるブラジルは前年比+700万トンの1億4,400万トン、米国が+554万トンの1億1,808万トン、アルゼンチンが+600万トンの5,200万トンと上位3ヵ国の生産が大幅に上方修正される見通しであることが影響している。

需要に関しては前年比+1,989万トンの5億5,092万トンと予想で、世界的な油脂需要(5億1,227万トン→5億2,947万トン)、油糧種子ミール需要(3億4,706万トン→3億5,555万トン)の増加によるものであり大豆生産の回復に促される形で需要も回復しているとみられる。

結果、大豆の需給率は世界全体で85.1%と前年水準を維持する見込みだ。シカゴ大豆価格により影響を与えやすい米国の需給率も96.6%と前年とほぼ変わらない水準となる見込みであり、予想通りであるならば大豆価格は今後も高い水準を維持する見込みである。

しかし、過去の需給率を元に推計すると、恐らく今年の平均価格は12ドル/ブッシェル程度となり現在の水準から▲1ドル程度は下落すると予想される。

これは今後、エルニーニョ現象の発生が見込まれていることを考えると天候見通しとも整合性がとれており、これまでの海洋ニーニョ指数の振る舞いと大豆価格の関係性を勘案すると違和感はない。

実際、直近の速報性が高い統計をみても大豆価格が下落する可能性が高いことを示唆している。例えば豚熱の影響で大豆の輸入を増加させていた中国であるが、直近の統計では急速に大豆の輸入が減少し、過去5年平均を下回る水準まで低下しているのだ。

しかし、これまでの海洋ニーニョ指数と大豆価格の関係通り大豆価格が前年比で価格水準を切下げるには「需給バランスの構造に変化がないこと」が必要条件となるが、今後はそのようにならない可能性がある。

というのも、バイデン政権誕生以降、脱炭素に関してパリ協定を遵守、世界的に脱炭素に舵を切る動きが強まっており、構造的にバイオ燃料の原料として大豆油が使用される見込みだからだ。

また、今のところエルニーニョ現象の発生の可能性が指摘されているが、その後のラニーニャ現象発生を指摘する向きもあり、これまでの価格調整の中で投機筋が大きく買越しポジションを解消しており「ポジションが軽くなっている」ことを考慮すると速やかに価格が上昇に転じる可能性はあるだろう。

日本は飼料向けの原料として大豆やトウモロコシが用いられているため、足下の価格下落は消費者にとって朗報であるが、上述の通り構造的な需要の変化があった場合、この1年間で見られたような価格急騰局面が再び訪れる可能性は排除できない。

商品価格高騰後の価格下落時には「喉元過ぎて熱さを忘れる」ことが多いが、むしろ下落時は次の価格上昇に備える期間であると考えるべきではないだろうか。

◆主要ニュース


・7月日本小売売上高 前月比+1.1%(前月+3.1%)前年比+2.4%(+0.1%)

・7月日本百貨店スーパー販売額 前年比+1.3%(前月▲2.3%)

・8月ユーロ圏消費者信頼感改定 ▲5.3(速報比変わらず、前月改定 ▲4.4)

・8月ユーロ圏景況感指数 117.5(119.0)
 鉱工業景況感 13.7(14.5)
 サービス景況感 16.8(18.9)

・8月独消費者物価指数速報 前月比+0.1%(前月+0.5%)
 前年比+3.4%(+3.1%)

・7月米中古住宅販売仮契約 前月比▲1.8%(前月▲2.0%)
 前年比▲9.5%(▲3.5%)

・8月ダラス連銀製造業活動 9.0(前月27.3)
 生産 20.8(31.0)
 新規受注 15.6(26.8)
 受注残 22.6(20.2)
 入荷遅延 19.5(19.7)
 完成品在庫 4.2(▲8.7)
 雇用者数 21.9(23.7)

・米軍、アフガニスタンからの撤退完了。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】

・ハリケーン「アイダ」の影響でメキシコ湾の原油・天然ガス生産が減少。8月30日時点で、メキシコ湾の560の有人プラットフォームの54.43%に該当する288のプラットフォームから人員が退避。避難リグは11基(100%)、移動リグは7基(46.6%)。原油の生産減少は171万1,809バレル(メキシコ湾総生産の94.60%に該当)、ガス生産は2,087MMCFD(93.57%)

・イエメン空軍基地にフーシ派がドローン攻撃。兵士30名が死亡。

・OPECプラスは9月の会合で増産を見送る可能性(関係者)。

【メタル】

・コンゴ民主共和国 ニコラス・カザディ財務相、「同国の鉱物資源の権益を付与してインフラ整備をする中国企業との60億ドル規模の契約見直しを検討中。一部の資源関連契約が同国に十分な恩恵をもたらさないため。デンケ・フングルーメ銅コバルト鉱山の再評価委員会を設立する。2007年に中国国有の中国水利水発建設集団や、中国中鉄と締結した契約も、公平性や効果の観点から見直しを行っている。」

・BHP Billiton チリ、Cerro Colorado銅鉱山労働組合、BHP側の提案を拒否。

・南アフリカEskom、2030年までに72億ドル相当の風力、太陽光発電投資を検討。

・Codelco、チリ Salvador銅鉱山労働者、企業側の提案を拒否。なお、El Teniente鉱山(2020年生産量443,200トン)と、Caletones精錬所の労働組合とは2024年10月までの労使契約で合意。

・ゴールドマン、アルミの12ヵ月先価格見通しを約10%引き上げ3,200ドル、ニッケルを24,000ドル、亜鉛を3,300ドルに。銅は11,500ドルを据え置き。

・伸銅品値決め、前3ヵ月平均にシフトする傾向強まる(日刊産業新聞)。

・中国の硫酸ニッケル価格(最小21%最大22.5%、コバルト10ppm最大)は36,500~38,000元/トン(前週37,500~38,500元/トン)。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ +4.17%/ +53.92%
2.パラジウム ( 貴金属 )/ +3.01%/ +1.93%
3.欧州排出権 ( その他 )/ +2.99%/ +86.31%
4.SHFニッケル ( ベースメタル )/ +2.44%/ +17.56%
5.SHFアルミ ( ベースメタル )/ +2.13%/ +34.65%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ ▲5.29%/ +10.47%
65.CBT大豆 ( 穀物 )/ ▲4.08%/ ▲0.87%
64.CBTトウモロコシ ( 穀物 )/ ▲3.18%/ +11.62%
63.CBT大豆油 ( 穀物 )/ ▲1.83%/ +38.89%
62.CBT大豆ミール ( 穀物 )/ ▲1.58%/ ▲19.75%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :35,399.84(▲55.96)
S&P500 :4,528.79(+19.42)
日経平均株価 :27,789.29(+148.15)
ドル円 :109.92(+0.08)
ユーロ円 :129.67(+0.12)
米10年債 :1.28(▲0.03)
中国10年債利回り :2.85(▲0.02)
日本10年債利回り :0.02(▲0.01)
独10年債利回り :▲0.44(▲0.02)
ビットコイン :48,648.9(▲276.34)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :27.47(▲0.24)
エネルギー :33.32(+1.47)
ベースメタル :26.36(▲0.43)
貴金属 :26.60(+1.26)
穀物 :23.58(▲0.25)
その他農畜産品 :26.94(▲1.44)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :37.49(+0.85)
Brent :38.02(+1.08)
米天然ガス :38.74(+7.83)
米ガソリン :40.12(+0.07)
ICEガスオイル :34.60(+0.49)
LME銅 :25.98(+0.07)
LMEアルミニウム :20.41(▲1.38)
金 :27.50(▲0.28)
プラチナ :28.56(+2.64)
トウモロコシ :20.44(▲1.02)
大豆 :27.50(▲0.28)

【エネルギー】
WTI :69.16(+0.42)
Brent :73.31(+0.61)
Oman :70.42(▲0.27)
米ガソリン :230.87(+3.45)
米灯油 :213.77(+2.85)
ICEガスオイル :605.50(+7.00)
米天然ガス :4.32(▲0.05)
英天然ガス :休場( - )

【貴金属】
金 :1810.34(▲7.23)
銀 :24.04(+0.01)
プラチナ :1010.09(▲2.44)
パラジウム :2496.13(+73.05)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :休場( - )
亜鉛 :休場( - )
鉛 :休場( - )
アルミニウム :休場( - )
ニッケル :休場( - )
錫 :休場( - )
コバルト :50,143(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :休場( - )
亜鉛 :休場( - )
鉛 :休場( - )
アルミニウム :休場( - )
ニッケル :休場( - )
錫 :休場( - )
バルチック海運指数 :4,235.00(+40.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :153.88(+2.00)
SGX鉄鉱石 :159.56(▲0.03)
NYMEX鉄鉱石 :159.58(▲0.10)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :226.83(±0.0)
大連原料炭先物 :436.08(+2.75)
上海鉄筋直近限月 :5,208(+134)
上海鉄筋中心限月 :5,291(+143)
米鉄スクラップ :630(▲12.00)

【農産物】
大豆 :1303.75(▲55.50)
シカゴ大豆ミール :348.60(▲5.60)
シカゴ大豆油 :60.18(▲1.12)
マレーシア パーム油 :4500.00(▲60.00)
シカゴ とうもろこし :540.25(▲17.75)
シカゴ小麦 :709.25(▲9.25)
シンガポールゴム :185.30(+1.50)
上海ゴム :12930.00(▲20.00)
砂糖 :20.22(+0.18)
アラビカ :197.40(+7.90)
ロブスタ :休場( - )
綿花 :95.61(▲0.66)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :90.20(▲0.53)
シカゴ生牛 :120.10(▲1.90)
シカゴ飼育牛 :164.33(▲0.33)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。