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下落継続も米連銀総裁のややハト派な発言で下げ渋り
  • MRA商品市場レポート

2021年8月23日 第2017号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「下落継続も米連銀総裁のややハト派な発言で下げ渋り」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は総じて軟調な推移が続いたが、ダラス連銀のカプラン総裁がタカ派なトーンをやや後退させるコメントをしたことで株価が戻り、引けに掛けて下げ幅を削る展開となった。

コロナのデルタ株感染拡大やテーパリング開始を意識したリスク資産売りの流れが続いていたが週末ということもあって一旦市場が冷静になったとも言える。

価格が上昇した商品は、ハリケーンが生産に影響を与える都見られたオレンジジュースや、Nord Stream2の統計数字の誤りで急落していた欧州天然ガスなど個別の材料があった商品が目立った。

【本日の見通し】

週明け月曜日は、この週末の株式市場が上昇して引けていることもあり、一旦買い戻しが優勢になると考える。ただし、これまでの価格下落がテーパリングの早期開始観測を背景としたものであることを考えると、週後半に予定されているジャクソンホール経済シンポジウムを控えて、そこまで積極的な買いにはならないと考える。

また、月曜日に発表される米欧の製造業PMIも減速が見込まれていることも価格を下押しすることになろう。市場予想は以下の通り。

独製造業PMI 市場予想 65.0(前月 65.9)ユーロ圏 62.0(62.8)米国 62.3(63.4)

【昨日のセクター別動向と本日の見通し】

◆エネルギー

原油価格は続落した。材料乏しい中でテーパリングを意識した長期金利の上昇、ドル高進行が売り材料となった。目先は200日移動平均線までテクニカルに水準を下げる動きとなっている。

これまでの原油価格下落に関し、昨日発表された週間のCFTCデータを元にすると、投機筋のネットロングが減少し、実需のショートが減少している。投機の売りに実需が買い向かう構図。

さらに細かく見ると、投機のロングが大きく減少、実需のショートが減少している。そしてこの間、原油価格が下落。すなわち、これまでの下落は投機主導の下落であり、やはりファイナンシャルな面で上昇してきた相場が、ファイナンシャルな要因で終焉した、と考えるのが妥当だろう。

ただ、投機のロングポジションは昨年のOPECプラス協調減産の水準まで低下しており、さらに低下するかは今後のテーパリングや、コロナのデルタ株感染拡大により需要の下振れリスクが意識され、思惑的な売りを誘う場合だろう。

結果、チャートポイントが意識されるが、チャートポイントとして意識されるのは高い所から、50日移動平均線(Brent:73.05ドル、WTI:71.00ドル)、100日移動平均線(Brent:70.40ドル、WTI:67.65ドル)、200日移動平均線(Brent:63.55ドル、WTI:60.30ドル)。

豪州石炭スワップ先物価格は小幅に下落し、170ドルを割り込んだ。競合燃料であるLNG価格が水準を切下げていることや、価格上昇で重油やLPGなど、代替燃料へのシフトが模索されていること、夏場が終焉に向かっていることが材料。

しかし、中国の石炭輸入動向への説明力が高いバルチック海運指数は急上昇しており、数値的にはまだ石炭の調達は継続している可能性が高い。

JKM先物市場は下落し、15ドル台に。高値を維持していた欧州ガス価格が、ガス供給増加観測を受けて急落していたが、昨日は下落しすぎの反動もあって買い戻されたことが背景。

ロシアやノルウェーからの供給制限が意識されての買い戻しだが、Nord Stream2からの供給が始まる、とのサプライズ報道(後に否定)による下落が大きかったことによる割安感からの買い戻し、と整理するのが妥当か。

米天然ガスはその他の地区の天然ガス価格が上昇したため高よりしたが、その後小幅に水準を切下げ前日比プラスで引けた。

スポットLNGタンカーレートはスエズ以東・以西とも上昇。在庫が低水準であることに伴う調達圧力は高いまま。季節的に在庫積みが起きやすい時期に入っていることも影響している。

2021年8月9日~8月15日のLNG取引は前週比+4%の700万トン(前週▲12%の670万トン)と増加。日本と中国、韓国、台湾の輸入が増加した。スポット調達のシェアは日本と中国で低下。スポット調達のシェアは24%と先週の28%から低下。

週明け月曜日は、週末の株価が反発して引けに掛けてややドル安に振れていること、チャートの重要なサポートラインが近接していることから買い戻しが入ると考える。

ただ、フィラデルフィア連銀指数の悪化に見られるように、日米欧のPMIが減速する可能性はあり、戻りは限定されるだろう。

石炭・LNGは原油に比べて投機の影響を受け難く、需給ファンダメンタルズが重用になるが、欧州のガス供給回復期待で投機的な売りが価格を押し下げているため、やや軟調に推移するとみるが、在庫積み増し不足は解消していないとみられ、高値は維持の公算。

◆非鉄金属

LME非鉄金属価格は銅やニッケルに買い戻しが入ったが、総じて軟調地合を維持した。昨日は特段重要な手がかり材料がなかったが、最大消費国である中国の需要減少観測と、米テーパリング開始観測が売り材料となっている。

週明け月曜日は、週末の株価が回復し、ドルもややドル安方向に振れていることから「目先の底値」と判断した実需筋の安値拾いの買いで上昇すると考える。

ただし日米欧のPMIの発表が予定されており、価格への影響が大きい欧米のPMIが減速する見通しであるため上値は重いのではないか。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、大連先物は上昇、豪州原料炭スワップ先物は上昇、大連原料炭先物は上昇、上海鉄鋼製品先物は小幅に上昇した。

特段新規の手がかり材料がなかったが、この数日の下落で割安感が出たため、先物には買い戻しが入る形となった。

週明け月曜日は、鉄鋼製品価格の下落が一服したことから鉄鉱石にも上昇圧力が掛ると考える。日米欧のPMIの発表が予定されているが、鉄鋼製品価格・鉄鋼原料価格への影響は規模的に限定されるとみる。

◆貴金属

昨日の貴金属セクターは金は実質金利の上昇で基準価格が切り下がったが、リスク・プレミアムが水準訂正で上昇したためほぼ変わらず。銀は太陽光への期待が剥落(ある意味過剰に織り込み過ぎていた)したことで下落。

プラチナはほぼ株価と同じ推移となり上昇、パラジウムは半導体不足を材料に需給が緩和しているが、トヨタ自動車の生産見通し下方修正を背景に調整売りが継続している。

週明け月曜日はジャクソンホール経済シンポジウムを控えて様子見気分が強いが、週末の相場は株の戻りで引けに掛けてややドル安に振れているため、一旦買い戻しが入ると考える。

◆穀物

シカゴ穀物市場は続落した。米中西部の降雨の影響というよりは、ドル高進行が引き続き投機の利益確定の動きを強めている。ラニーニャ現象終了時には価格が下落する傾向が強い、と指摘してきたがその流れがまだ継続している。

ただし、米国の穀物の作柄は渇水の影響などで悪い状態が続いており、ここまでの下落はやや行きすぎの感は否めない。

週明け月曜日は来週木曜日のジャクソンホール経済シンポジウムを控えて様子見気分が強いとみているが、株の戻りでドルがやや軟調に推移していることから一旦買い戻しが入ると考える。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

昨日発表された日本の消費者物価指数は前月比▲0.3%(市場予想▲0.4%、前月▲0.5%)、コア指数が▲0.6%(▲0.8%、▲0.9%)と市場予想を下回った。最終消費の弱さを反映したものである。

消費者物価は定期的に「基準年」が変更されるが、昨日発表の統計はこの基準年が変更されたものであり、基準年は2020年となった。消費者物価は過去に戻って算出し直されるため、12ヵ月連続で前年比マイナスとなった。主に携帯電話料金の引き下げなどが影響したとみられるが、日銀が掲げる2%の物価目標の達成は極めて困難になっていると言えるだろう。

この1年、コロナの影響で物流に障害が発生し、各地で納入の遅れがみられ輸入物価指数や生産者物価指数の上昇と、それに伴う消費者物価指数の上昇が確認されている。

それに対して日本は消費者物価指数の上昇が遅れており、このことは最終消費の弱さを映じて企業が簡単に価格転嫁ができない状況にあることを示唆している。端的に、営業利益の圧迫要因になるだろう。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・アフガン情勢の混乱が域内経済に混乱(大量の難民発生、コロナの感染拡大が欧州圏にもたらされるなど)をもたらし、米中対立を先鋭化させる場合(景気の減速要因)。

・来年の中間選挙を控えて、バイデン大統領が国内の支持を得られない場合。財政面や企業負担増の理由から造反が発生し、議会を通過しない場合は景気のリスクに(景気減速要因)。

アフガン政策のミスは致命傷となる可能性も。

・米テーパリング実施が、コロナの感染に苦慮する中南米、欧州・アフリカの新興国経済に悪影響を及ぼす場合(景気減速要因)。

・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならない。

・コロナウイルスの感染再拡大(変異種に対してワクチンの効果が期待ほどではなかった場合など。既に中国製のワクチンは新興国で接種されているが、殆ど効果が出ていない)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合(価格下落要因)。これは既に欧州、インド、東南アジア、日本などで顕在化。

逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

逆に脱炭素に向けたインフラ投資の加速で資源価格が急上昇、金融緩和マネーが大量に市場に滞留する中でハイパーインフレとなるリスク。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は高くなった。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格はOPECの増産、米テーパリング開始観測を背景に軟調な推移になると予想する。

また、正常化が前提であるものの、ここに来てコロナの変異株の感染が拡大、ワクチン接種が世界で最も進んでいるイスラエルでもワクチンの有効性が低下していることは、需要の下押し要因に。

ただしここまでの下落ピッチが速いので、次回OPECプラスで増産が一時的に見送られる可能性はあるだろう。

一方、最大消費国である米国の石油製品出荷は2015-2019年の平均水準を回復しており、需要の回復は順調であり下落余地もそろそろ限定されるだろう。年末に向けてBrentは60ドル台半ば、WTIは60ドル台前半への調整をメインシナリオとしている。

その後は金融面の政策調整一巡から、再び上昇に転じると考えている。

【見通しの固有リスク】

・ワクチン接種が進捗せず、同時に変異株が猛威を振るいワクチンが効かない場合(需要減少で下落リスク)。

・米国経済が正常化する中でテーパリングなどの金融緩和解除が加速、急速なドル高を通じて投機的な売り圧力が高まる場合(価格の下落要因)。

・OPECプラスの増産タイミングの見誤りによる、供給不足。またはイランを巡り武力衝突や制裁解除が遅れた場合(価格上昇要因)。

価格が上昇する中でOPEC諸国の減産維持統制が効かなくなり、増産競争に舵が切られる場合(下落要因)。

米国の橋渡しでイランとサウジを初めとするスンニ派諸国が和解、中東の緊張が緩和するシナリオも排除せず(下落要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合

・脱炭素の過剰な進捗による供給懸念(価格上昇要因)。

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる場合

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

かなり過剰なペースで脱炭素が進められており、オイルメジャーも株主・政府の圧力を受けて脱炭素に舵を切り、タイムリーな原油増産が困難になっている。

この場合、「脱炭素移行期間の景気回復時」には十分な燃料供給が出来ないリスクが高まり、来年以降の価格上昇局面で原油価格が100ドルを超えるリスク(リスクシナリオの位置づけ)。

なお、脱炭素が完了しても100%原油が不要になることはなく、OPECの価格支配力が増すため、この場合でも価格は上昇へ。

【石炭価格見通し】

海上輸送石炭価格は軟調な推移になると考える。価格の急騰と原油の下落で重油やプロパンガスなど、代替燃料へのシフトが進むこと、まだ十分な在庫が確保できているとは考え難いが、夏場のピークが終了に近づいていることが背景。

また、中国政府は脱炭素といいつつ、石炭の国内生産を増加させていること、国内のバブル抑制に舵を切り、中国経済が減速傾向にあることからそろそろ調整があってもおかしく無い。

石炭は「座礁資産」と呼ばれ、上流部門投資ができなくされていることから、増産をしているのはGlencoreや中国企業ぐらいであり、供給が不十分であること、需要側の構造はそう簡単には変わらないことを考えると、調整があるといってもしばらくは高い水準での推移が予想される。

7月の石炭輸入は前年比+15.6%の3,017万8,000トン(前月+12.3%の2,839万2,000トン)と回復した。猛暑・渇水による発電燃料としての石炭需要増加と、中国の経済活動回復に伴う電力需要の増加が続いているためと考えられる。

中国6大電力会社の石炭在庫の水準は低く、まだ、季節的な石炭輸入需要の増加は続くと考える。石炭価格の下落は夏場の在庫調達が一巡する必要があるため、この夏の間は高止まりする可能性が高い。

【見通しの固有リスク】

・2021年も秋~冬が視野に入っており、このままだと欧州が十分な天然ガス在庫の積み上げがないまま、冬場に突入する可能性が高く、競合発電燃料である石炭価格の押し上げ要因となる場合(秋の価格調整が発生しない場合)。

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念(価格の上昇要因。これは既に顕在化しつつある)。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場に、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)。

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格は中国の経済活動が活発である一方、猛暑や水不足による水力発電からの電力供給低下で、火力発電向けの燃料需要が旺盛なこと、同時に海上輸送石炭価格も高い水準で推移していること、欧州のメンテナンスや悪天候、ロシアからの供給減少で欧州の域内需給がタイト化していること、などを背景にスポット玉の調達圧力が強まることから、高値を維持する見込み。

ただし、8月18日にNord Stream2が稼働しているとの誤ったデータが発表された直後、ガス価格が大幅に下落している。政治的な要因でNord Stream2の稼働は遅れると考えられるが、同パイプラインが稼働すればガス価格が下落することを示したもの。

在庫不足の状態に変わりはないため価格は高値維持だが、そろそろ季節的な調整には備えるべきではないか。

7月の中国のLNG輸入は前年比+12.6%の567万トン(前月+15.9%の672万トン)と過去5年レンジを上回り構造的な需要増加は続いているが、やや伸びは鈍化した。

なお、7月の中国の天然ガス輸入は前年比+27.0%の934万トン(前月+26.2%の1,021万トン)と減少したが、季節的に見ると過去5年レンジを大きく上回った状態が続いている。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・2021年も秋~冬が視野に入っており、このままだと欧州が十分な在庫の積み上げがないまま、冬場に突入する可能性が高く、冬場の気温低下がさらに価格を押し上げるリスク。

・石炭と同様、「化石燃料であること」を理由に上流部門投資が制限される、あるいは原油生産減少による随伴ガス供給が減少する場合(構造的な価格上昇要因)。

・米国がノルドストリーム2の建設を容認した場合、欧州ガス需給の緩和(ロシア増産で下落要因)。

・ウクライナやベラルーシといったロシアと欧州の緩衝帯との政治的な軋轢によって、結果的にロシア産ガスの供給がロシア側の都合でコントロールされた場合(実際にロシアが行動を起こした場合、多くのケースで価格の上昇要因)。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが538,862枚(前週比 ▲17,200枚)ショートが134,539枚(▲21,110枚)ネットロングは404,323枚(+3,910枚)

Brentはロングが331,848枚(前週比▲21,658枚)ショートが77,030枚(+2,870枚)ネットロングは254,818枚(▲24,528枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は直近の直近の工業生産、固定資産投資、不動産投資とも前年比ベースの減速が顕著であり、中国政府の想定通り中国経済は過熱が沈静化の方向に向かっていることから、米テーパリング開始観測と相まって水準を切下げる展開が予想される。

しかし、米上院でインフラ投資法案が可決したこと、コロナの影響や渇水に伴うエネルギー不足で供給面の問題も噴出していること、企業のデフォルトが増えたことで中国人民銀行が金融緩和(預金準備率の引き下げ)を実施していることから、下落余地も限定されると考える。

なお、長期的にはまだ脱炭素の流れ、省エネの流れに変わりがないため、供給面・需要面の制限から価格が上昇するという見通しを変更する必要はないと考えている。

7月の中国製造業PMIは50.4(前月50.9)と市場予想の50.8、前月共に下回った。まだ閾値の50は上回っているが中国の経済活動の過剰な回復は沈静化の方向に向かっていると考えられる。

内訳を見ると生産が鈍化(51.9→51.0)、新規受注(51.5→50.9)、輸出新規受注(48.1→47.7)、受注残(46.6→46.1)と需要が全て鈍化している。

その一方でまだ在庫水準は低いが、完成品在庫は46.7→47.6と増加に転じている。

工業金属価格に対する説明力が高い新規受注在庫レシオは、完成品が1.069(前月1.093)、原材料が1.067(1.073)と両指数とも小幅に低下しており国内の需給が緩和していることをうかがわせる。

これまで非鉄金属価格の上昇を牽引してきたのは中国の住宅セクターであるが、7月の中国の建設業PMIは57.5(60.1)と高い水準ではあるが前月から減速しており、鉄鋼製品価格の上昇や中国政府による住宅バブル抑制方針が影響しているとみられる。

7月の中国の貿易統計を見ると、ベンチマークである精錬銅の輸入は前年比▲44.3%の42万4,280トン(前月▲34.7%の42万8,000トン)と過去5年平均を下回り、減速感が鮮明となっている。

7月の銅精鉱の輸入+5.4%の188万7,000トン(前月+5.1%の167万1,000トン)と高い水準を維持してはいるが、過去5年の最高水準は下回っている。中国政府によるバブル抑制方針を背景に輸入が減少しているとみられるが、足下、企業支援目的の預金準備率の引き下げが実施されており、再び住宅セクターの回復で輸入は増加するのではないだろうか。

6月の銅スクラップの輸入は+118.8%の15万448トン(前月+103.1%の16万7,767トン)。

中期的には米国や欧州の財政出動、脱炭素の動きを受けた動向に左右されることになる。

米バイデン政権は上院の超党派で、8年間で1兆2,000億ドルのインフラ投資計画で合意した、と発表した。今回の合意では、道路・橋梁・主要プロジェクトに1,090億ドル、電力インフラに730億ドル、旅客・貨物鉄道に660億ドル、ブロードバンド・インターネットサービスに650億ドル、公共交通機関に490億ドル、空港に250億ドルを投じる。

さらには2022年度予算も戦後最大となる歳出を6兆ドルと、以上と戦後最大の水準とする方針。

これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。

これまで中国が鉱物セクターの需要動向に関して主役であり、今後も非鉄金属価格の動向は中国動向が左右するが、「新規の需要」については欧米動向が重要になる可能性は意識しておきたいところ。

この場合、米国の景気回復=ドル高・金属価格上昇、という構図も考えられる。

こうした政策期待や、インドなどの新興諸国の需要増加を受けた構造的な需要増加を受けて、中・長期的に価格は下支えされ、堅調な推移になると考える。

米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高いと言える。

具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要するだろう。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・猛暑や渇水による燃料価格上昇で、1.電力供給不足による稼働停止・供給減少、2.発燃料価格の上昇を通じて生産コストが上昇する、場合(価格上昇リスク)。

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資(2兆ドルのクリーンインフラ投資など)を議会の採決を得て実行に移す場合(上昇リスク)。

・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(上昇リスク)。

・中国の環境規制強化に伴う供給の減少。エネルギー排出量の多い新疆ウイグル自治区でのアルミ生産は減産の影響は既に材料視されている(供給減少でアルミ価格の上昇要因に)。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・チリやペルーで広がる左派勢力伸長に伴う大衆迎合的な政策が可決し、鉱山生産に過剰なロイヤルティが適用される場合(供給減少ないしは生産コスト上昇で価格の上昇要因)。

チリで議論されている銅のロイヤルティ増税案の詳細は以下の通り。

年内実施予定の選挙結果では課税強化で生産コスト上昇、または減産となる可能性も。

3%の新ロイヤルティに加え、銅価格に連動して税額が賦課される仕組み。

2ドル~2.5ドル/ポンド(4,406~5,508ドル/トン):15%2.5ドル~3(5,508~6,609):35%3ドル~3.5(6,609~7,711):50%3.5ドル~4(7,710~8,813):60%4ドル~4.5(8,813~9,914):70%

年間販売量が5万トン未満の小規模生産者は品位95%の粗銅の場合▲5%の軽減税率、アノードの場合(99.4~99.6%)が適用される。

2023年までは現行の営業利益率によって5~14%の鉱業ロイヤルティが適用されるが、2024年以降は新税制を適用。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

【投機筋のポジション動向】

・LME投機筋買い越し金額 前週比▲2.2%の314億ドル(前週 321億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比▲0.3%の6,825.1千トン(前週 6,847.2千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は中国政府の温室効果ガス排出量削減目的の鉄鋼製品生産減少を受けて、鉄鋼向け需要が減少すること、鉄鋼原料価格を牽引してきた中国の経済活動が中国政府の住宅セクターの加熱沈静化策の執行で鈍化を始めており、水準を切下げる展開が予想される。

直近の工業生産、固定資産投資、不動産投資とも前年比ベースの減速が顕著であり、中国政府の想定通り中国経済は過熱が沈静化の方向に向かっている。工業金属需要の下押し要因となるため、鉄鋼原料価格も下押しされよう。

ただし、同時に中国政府は金融緩和を行っていること、米欧中のインフラ投資による建材向け需要増加観測を背景に下落したとしても下値余地は限定されるのではないか。米国では鉄鋼製品価格上昇が継続している。

なお、鉄鉱石先物の期先の価格が限界生産コストの目安として意識されるが、75ドル程度で安定しており、やはり中長期的には供給回復で下落すると考えている。

中国共産党は2021年から始まった新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。今のところ昨年の生産量を超えないようにする、というのが中国政府の目標。

最大生産都市である唐山市は、2021年20日~12月31日まで、大気汚染基準に違反し、データを改ざんした4社は3月20日~6月末まで▲50%、7月~12月末まで▲30%減産、その他の16社は12月末まで▲30%の減産を新たに実施することを義務づけられている。

これにより、唐山市の粗鋼生産は前年比▲2,223万トンの1億2,177万トン、鉄鉱石需要は▲3,500万トン減少するとみられている。

別の話だが、半年後、北京オリンピック中に粗鋼生産が停止させられる可能性は高い。

粗鋼生産が減少すれば、鉄鉱石の在庫水準の指標である在庫日数も、分母が小さくなるため上昇が予想され、鉄鉱石価格の下落要因となる。これは原料炭も同様。

7月の中国鉄鋼業PMIを見ると、総合指数は43.1(前月45.1)と悪化した。新規受注が国内向けがやや回復(34.8→36.8)したが、輸出向け新規受注(42.3→30.8)が大幅に悪化したこと、材料不足や生産調整圧力で生産指数が低下(50.7→43.1)したことが影響した。

中国の国内需給がタイトであることから、リベート撤廃などによる輸出抑制、鉄鋼原料輸入励行(関税引き下げ)、温室効果ガス排出削減の観点からの生産抑制など、非常にまだらな内容であるが、総じて鉄鋼セクターの景況感が悪化していることを確認するもの。

需要は不需要期、悪天候の影響で低迷しているが、粗鋼生産減少(意図的・不慮の両要因)が鉄鋼製品需給をタイト化させている。

需要の減少で目安となる新規受注・在庫レシオは、新規受注完成品レシオが1.16(前月0.74)と大幅に上昇、新規受注原材料レシオも1.03(0.93)と上昇しており、統計数値は低いが中国の鉄鋼製品需給バランスがタイトな状況が続いていることを示唆している。

鉄鋼原料価格の上昇を牽引してきた住宅セクターに関しては、7月の中国の建設業PMIは57.5(60.1)と高い水準ではあるが前月から減速しており、鉄鋼製品価格の上昇や中国政府による住宅バブル抑制方針が影響しているとみられる。

結果、鉄鋼製品需給がまだタイトな状態が続くことが鉄鋼原料価格を高止まりさせるが、全体の方向性は弱地合であり徐々に水準を切下げると考えるのが妥当だろう。

7月の中国の鉄鋼製品の輸入は前年比▲59.8%の104万9,000トン(前月▲33.4%の125万2,000トン)と減速し、過去5年平均を下回った。国内の鉄鋼製品需給緩和を目的とした輸出リベートの撤廃で国内需給が以前よりも緩和しているためとみられる。

7月の中国粗鋼生産は前年比▲7.0%の8,679万トン(前月+2.5%の9,388万トン。前々月+7.8%の9,945万トン)と減速が鮮明になった。前年比での伸びが鈍化。生産調整の影響が出ている。

一方、7月の鉄鋼製品の輸出は前年比+35.6%の566万9,000トン(前月+74.5%の645万8,000トン)と前月から前年比の伸びを縮小し、過去5年平均を下回る水準に減少している。やはり輸出リベートの撤廃の影響があるためと考えられる。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが、在庫水準は前週比+1万7,000トンの1,565万5,000トン(過去5年平均 1,128万5,000トン)と例年を上回り水準は高い。

原料である鉄鉱石の7月の輸入は前年比▲21.4%の8,851万トン(前月▲12.1%の8,942万トン)と減速した。中国政府の鉄鋼ミル稼働制限の動きが輸入を鈍化させたとみられる。また中国の鉄鉱石需要は鈍化している可能性がある。

なお、中国の最大の輸入相手である豪州では鉱山の人繰りが付かず生産が停滞しているとの指摘もあるが、直近5月の輸出統計では明確な減速は確認されていない。

鉄鉱石港湾在庫は前週比+160万トンの1億2,880万トン(過去5年平均1億2,627万トン)、在庫日数は25.3日(過去5年平均 29.2日)と例年と比較して在庫日数の水準は低い。

ただし在庫日数の低さは粗鋼生産の水準の高さに依拠するため、中国政府の鉄鋼生産抑制方針を受けて在庫日数は早晩、上昇に転じ、価格の下押し要因になると予想される。

原料炭は中国の生産活動回復が継続しているが、前年比の伸び鈍化が明確になってきたため(中国政府の方針通り)、価格は下落余地を探る動きになると考える。また、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることも、海上輸送原料炭価格を下押ししよう。

とは言え、環境規制強化の流れで世界的に原料炭供給を増加させられる地域が限定されることから、下落余地も同様に限定される都見るのが妥当だ。

6月の中国の原料炭輸入は前年比▲33.9%の413万4,210トン(前月▲28.7%の341万1,925トン)と減少幅を拡大している。例年よりも輸入の水準は低い。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は前週比▲5万トンの137万トンと過去5年平均の144万4,000万トンを下回っている。

在庫日数は5.0日(▲0.2日)と、過去5年の平均である6.0日を下回り、タイトな状態。しかし、中国政府の方針を受けた粗鋼生産の減少の可能性は高く、価格には下押し圧力が掛る公算。

【見通しの固有リスク】

・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合(価格下落要因)。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合(価格上昇要因)。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク(価格上昇要因)。

・中国とインドの国境紛争の激化で、インドが中国に対して鉄鉱石輸出を制限する可能性(中国のFOBインデックスは上昇、その他の地域の鉄鉱石価格は低下)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

<<金>>

金は調整圧力が強まる展開が予想される。米雇用関連統計の改善を背景にテーパリング開始観測が強まり、米長期金利に上昇圧力が掛っていることが背景。

ただし、リスク・プレミアムの低下が余りに顕著であり過去5年平均比で100ドル程度割安であることから、水準訂正の買い戻しはあると考えている。

なお、過去5年平均を基準にすると名目金利1bpに対する金価格の感応度は±3ドル弱であり、米10年金利が現在の水準から30bp上昇すれば▲100ドル弱の下落圧力となる(60bpで▲200ドル)。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,660ドルと前日から▲14ドル低下、そこからの乖離(リスク・プレミアム)は121ドルと昨日から+14ドル上昇した。

リスク・プレミアムは、過去3ヵ月平均で160ドル、6ヵ月で185ドル、1年で205ドル、5年で175ドルとなっている。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

<<銀>>

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、76.6倍。過去1年を基準にすると71倍、5年では80倍、2000年以降では66倍程度が妥当。

今後、さらに金銀レシオが低下するには、実際に太陽光パネルの設置が米国で進捗するなどの新規材料が必要になると見られるが、米政府は新疆ウイグル自治区問題を背景に輸入を制限する見通しであり足下その期待は後退している。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

<<PGM>>

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。プラチナの需給バランスはWPICデータを元にすると今年も除く投機で供給過剰であり、投機動向が価格を左右しやすい。

パラジウムは経済活動正常化期待による金価格調整→経済正常化による需要増加を受けて高値を維持すると考える。

7月の米自動車販売は年率1,475万台(市場予想1,510万台、前月1,536万台)と減速。目先は価格の下落要因となりやすい。

中国の7月の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で前年比▲11.8%の186万3,550台。前月▲12.4%の201万5,309台5月▲3.0%の212万7,000台、4月+8.8%の225万台3月+76.5%の252万5,000台、2月+371%の146万台1月+30%の250万台、12月+6.4%の283万台11月+12.7%の276万9,666台、10月+12.6%の257万3,000台9月+13.0%の256万5,201台

と前年比でマイナス幅は若干縮小したが、国内景気の減速と半導体供給不足が材料となり販売は落ち込んでいる。

調査会社のオートフォーキャスト・ソリューションズによれば半導体不足による供給減少の累積は7月16日時点で167万8,000台となっており、2019年1-7月期の966万9,484台から▲17.4%減少している。

この回復がある、ないしは供給側の混乱(南アフリカ)による生産減少がなければ、PGM価格は低水準で推移しよう。

【見通しの固有リスク】

・個人投資家のETFを通じた買いが、経済合理性を無視した水準まで貴金属価格を押し上げるリスク。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・コロナからの回復は各国まだらであり、先行する米国が金融正常化に動いた場合、新興国から資金が流出して信用リスクが高まる場合(安全資産価格の上昇要因)。

・米中の対立激化。バイデン政権は対中強硬姿勢を明確にしており、対立がさらに激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが284,437枚(前週比 +7,177枚)、ショートが92,895枚(▲15,959枚)、ネットロングは191,542枚(+23,136枚)、銀が63,390枚(▲989枚)、ショートが42,170枚(+2,265枚)、ネットロングは21,220枚(▲3,254枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが32,124枚(前週比 +557枚)ショートが23,766枚(▲1,982枚)、ネットロングは8,358枚(+2,539枚)

パラジウムが4,697枚(▲541枚)、ショートが3,546枚(▲184枚)ネットロングは1,151枚(▲357枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は現在の水準でもみ合うものと考える。既にラニーニャ現象の終了を織り込んでトウモロコシ・大豆の水準は大きく低下しているが、200日移動平均線でサポートされており、北米の気象状況の悪化が供給懸念を強めるため。

春小麦は乾燥気候の影響もあって作柄が悪く、ロシアの生産見通しも下方修正されていることからさらに上昇余地を探る展開に。

ただし小麦の場合、毎年のことであるが最終的には供給のつじつまが合うことが多いため、年後半に掛けては下落に転じることになろう。

7月の中国の大豆輸入は前年比▲14.0%の867万4,000トン(前月▲3.9%の1,072万2,000トン)と前年から急速に減少し、過去5年平均を下回っている。豚向けの需要増加で輸入も増加していたが、影響が一巡した可能性がある。

Locust WatchではFAOの予想通り、降雨がなかったため群生相の発生は極めて抑制されている。Locust Watchでも今のところ差し迫った危機の発生リスクは指摘されていない。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210812DLupdate.jpg

【見通しの固有リスク】

・エルニーニョ現象発生による生産条件改善を受けた増産観測(価格の下落要因)。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米作付け意向面積トウモロコシ 9,114万エーカー(市場予想9,313万エーカー、前年9,699万エーカー)大豆 8,760万エーカー(9,010万エーカー、8,351万エーカー)小麦 4,636万エーカー(4,495万エーカー、4,466万エーカー)綿花 1,204万エーカー(1,215万エーカー、1,370万エーカー)

・米穀物最終作付け面積 実績(前年)トウモロコシ 9,269万エーカー(9,082万エーカー)大豆 8,756万エーカー(8,383万エーカー)小麦 4,674万エーカー(4,425万エーカー)

・8月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 174.6Bu/エーカー(177.39、179.5)大豆 50.0Bu/エーカー(50.28、50.8)小麦 44.5Bu/エーカー(NA、45.8)

・8月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 147億5,000万Bu(149億7,144万Bu、151億6,500万Bu)大豆 43億3,900万Bu(43億6,248万Bu、44億500万Bu)小麦 16億9,700万Bu(17億2,350万Bu、17億4,600万Bu)

・8月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 24億Bu(25億Bu)大豆 20億5,500万Bu(20億7,500万Bu)小麦 8億7,500Bu(8億7,500万Bu)

・8月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 12億4,200万Bu(12億7,030万Bu、14億3,200万Bu)大豆 1億5,500万Bu(1億5,696万Bu、1億5,500万Bu)小麦 6億2,700万Bu(6億3,800万Bu、6億6,500万Bu)

・6月末四半期在庫 実績(前期末)トウモロコシ 41億1,200万Bu(77億1004万Bu)大豆 7億6,700万Bu(15億6,400万Bu)小麦 8億4,400万Bu(13億1,400万Bu)

・8月CONABブラジル作付け面積(市場予想/前月)トウモロコシ 1,982万ha(1,977万ha、1,983万ha)大豆 3,853万ha(3,870万ha、3,851万ha)

・8月CONABブラジル生産量(市場予想/前月)トウモロコシ 8,665万トン(8,672万トン、9,338万トン) 単収 4,371kg/ha(4,388Kg/ha、4,709kg/ha)大豆 1億3,598万トン(1億3,666万トン、1億3,591万トン) 単収 3,529kg/ha(3,534Kg/ha、3,529kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが432,298枚(前週比 +20,095枚)、ショートが86,452枚(▲4,192枚)ネットロングは345,846枚(+24,287枚)

大豆はロングが182,539枚(▲596枚)、ショートが66,135枚(+5,396枚)ネットロングは116,404枚(▲5,992枚)

小麦はロングが137,475枚(+14,092枚)、ショートが90,681枚(+10,930枚)ネットロングは46,794枚(+3,162枚)

◆本日のMRA's Eye


「銅期間構造は中国景気の減速を示唆」

銅価格は景気の状況を表す指標として「ドクター・カッパー」と呼ばれているが、消費に占めるシェアが大きいため中国の景気動向を示す指標といっても良いかもしれない。

今年5月には11,000ドルを目指す展開となり世界的な景気回復への期待が高まった。価格上昇の背景は、世界的なコロナワクチン接種進捗に伴う景気回復への期待と、脱炭素の動きが加速する中で脱炭素系資源としての需要増加観測が強まったことなどが材料である。

しかし、その後は下落に転じている。今回の価格下落は投機的な要因が主導したものと考えられるが、実は中国の景気が減速している可能性は否めない。

本題に入る前にすこし商品価格決定の仕組みについて整理しておきたい。まず、銅を始めとするドル建ての商品価格は概ね、現物の需要や供給、金融政策などの動向によって決定される「マクロ要因」と、天災や障害などの突発事象によって発生する「特殊要因」、それらを考慮して売買動向が左右される「投機・投資要因」の3つの要因によって決定される。

また、市場は実需家と投機・投資家の2種類の市場参加者によって構成されている。

弊社の定義では、銅を加工して別の物を製造するもの、ないしはそのために現物を生産するもの、あるいはその両者のために物流をになうものを実需家、現物の銅をその他の製品に加工することなく、同じ形状のまま値上がり・値下がり目的で保有している市場参加者のことを投機・投資家と整理している。

なお、商品によって投機・投資家の市場への参入と影響の仕方が異なる。投機目的の市場参加者は通常、売るべき現物を保有していないため基本的には買いから入ることが多く、金ETFなどの現物を担保とする投資商品の場合、ETFの購入と共に現物を担保として確保するため投機資金の動向が現物の需給にも影響を与える。

しかし、先物への投資や先物に投資するETFへの投資の場合、仮に先物市場で買いを入れたとしても現物保有が目的ではないため現物の需給には影響が及ばない。

そのため、前者は明確に需給バランスに影響を及ぼすが、後者の場合は現物の需給には直接影響を及ぼさない。投機取引が現物需給に影響を及ぼす代表例が貴金属であり、その他の商品は基本的に現物需給に大きな変化を及ぼさないと整理される。

今回の銅価格下落の背景はその他の金融商品と同様、米国の雇用関連統計が改善し、テーパリング実施の可能性が高まったことがきっかけである。

テーパリングの進捗は米国が金融緩和のアクセルを緩めることを意味し、通常であれば市場へのドル供給の減少、長期金利の上昇を通じてドル高が進行し、ドル建て資産価格の下押し要因となる。

ではなぜ、ドル高が進行するとドル建ての商品価格が下落するかと言えば、商品がそもそも持っている価値はドル指数の動向によって変動しないためである。

銅は加工して電線や銅箔などに用いられるが、別にドル高になっても、ドル安になってもその物理的な性質や価値は変わらない。当たり前であるがドル高になったからといって銅の通電性が下がり、銅線としての価値が下がる訳ではない。

つまり、物質として有している「本源的価値」は為替の動向によって変化しないため、ドルが減価した場合には同じ価値のものを購入しようとした場合、より多くのドルが必要になるということである。結果、ドル高に繋がるイベントの時にはこうした金融的な要因によって価格が変動することになる。

ドル高進行は実需・投機両方の売り材料となるが、仮にドル高が進行したとしても現物の需給バランスがタイトであればそこまで大きな下落にはならない。

しかし、実際には銅の需給バランスは緩和しており、これまで緩和継続やコロナのワクチン接種進捗などへの「期待」が価格を押し上げてきた可能性が高いことを示している。

このとき、銅の需給バランスを把握することが実需の実際を考える上で重要になるが、ICSG(International Copper Study Group:国際銅研究会)や金融機関などの調査機関が発表している需給バランスは集計結果を基にするため数ヵ月遅れの過去の実績であり、予測値についてもいろいろな思惑を内包した数字であり、足下の需給動向を考える上での参考にし難い。

そのため市場参加者は銅の期間構造、すなわち銅の直近限月価格(最も早く納会を迎える先物・先渡しの価格)と2ヵ月、3ヵ月などの先物・先渡し価格の「差」に着目している。

通常、先物や先渡し取引の場合、倉庫の保管料や金利が上乗せされるため、直近限月の価格よりも3ヵ月先渡し価格の方が高くなる。

しかし逆に直近限月価格の方が3ヵ月先渡し価格よりも高ければ、「今すぐに銅が欲しい人>3ヵ月後に銅が欲しい人」であることを意味する。

では現在の状況がどうなっているかを見てみると、今年の2月以降、銅の期間構造はコンタンゴに向かっている。背景には日々発表されるLME指定倉庫在庫が増加していることがある。

多くの場合、ストライキなどの特殊な要因がない限り生産よりも需要動向が在庫水準に大きな影響を及ぼすことが多いため、このバックワーデーションからコンタンゴへの変化は需要の減少によるものと考えるのが妥当だろう。

実際、中国の銅生産や輸入、取引所在庫の変化を元に算出した「顕在需要」も昨年9月以降、減速していることが分る。コロナの影響による景気減速を回避するために行われた公共投資を初めとする経済対策が「過剰」であり、住宅セクターがバブルの様相を呈し始めたため、中国政府がブレーキを掛けたことが影響していると考えられる。

中国の個人消費のGDPに占める比率はまだ4割に達しておらず、引き続き経済動向は国内の投資動向の影響を強く受ける。

言葉を換えると、中国は不況に陥った場合の景気浮揚策として財政出動を伴う投資や金融緩和による投資促進に頼らざるを得ないことになるが、この政策はバブルを発生させ先々のダウンサイドリスクを高めることになる。

恐らく習近平は来年に「終身主席」になることを考えていると思われるが、それはとりもなおさず「自分で作ったバブルを他人ではなく自分で処理しなければならないこと」を意味する。

つまり、バブルはできる限り小さい時に潰しておくのが習近平国家主席にとって望ましいともいえる訳だ。

恐らく、中国政府によるバブル抑制の方針に大きな変化はなく、米FRBもテーパリングを実施する見通しであること、需要面ではなく供給面で大手生産者のストライキが収束する見通しであることからやはり銅価格には下落圧力がかかると考えるのが妥当だろう。

しかしバブル抑制の方針を堅持することで、中国の一部の大企業、中堅企業のデフォルト率も上昇、融資元の銀行の信用リスクも高まり、いくつかの大手企業も国有化を進めるなど改革開放から逆行するような政策を取らざるを得なくなっている。

中国の歴史を振り返ると、多くの場合は外敵の侵入によるものではなく、内部崩壊によって政権が交代している。

そのため、景気減速は中国人民からの信任が低下することから、バブル抑制が必要な状況においても銀行の預金準備率の引き下げなどの対策で資金繰りを支援して企業救済をしなければならなくなっている。

これによって銅の期間構造は7月中旬から再びコンタンゴ幅を縮小し、バックワーデーションへの圧力を高めている状況だ。

これにメディアで連日騒がれているように脱炭素に向けて電化が進む中では構造的な需要増加が発生し、宣言通り米国や欧州もITインフラへの投資を進めた場合、銅価格が下落後、再び上昇する展開はメインシナリオではある。

ただし、中国が景気刺激のための金融緩和やその他の経済対策を実施した場合、銅価格が下落することなくさらに水準を切り上げ、その後急落するシナリオも想定しておく必要がある。

依然として中国は世界1位の銅消費国であり、銅の期間構造は中国の経済動向を表す鏡ででもある。中国の国内動向を占う上では銅価格の絶対水準が重要であることは間違いがないが、それと同時に銅の期間構造、タイムスプレッドにも注目する必要があるだろう。

◆主要ニュース


・7月日本全国消費者物価指数 前年比▲0.3%(▲0.5%)
 除く生鮮▲0.2%(▲0.5%)
 除く生鮮エネルギー▲0.6%(▲0.9%)

・7月独生産者物価指数 前月比+1.9%(前月+1.3%)
 前年比+10.4%(+8.5%)

・ダラス連銀カプラン総裁(投票権なし・中間派)、「テーパリングの見解は変異株次第。柔軟に調整へ」

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】

・ベイカー・ヒューズ週間米国石油リグ稼働数405(前週比+8)
 ガスリグ 97(前週比▲5)。

・熱帯性暴風雨「杏里」米北東部に向けて北上中。近くハリケーンに。
 https://www.nhc.noaa.gov/

・シェルのナイジェリアの子会社、1989年に契約した石油の権益を裁判所の判断の結果失うことに。国営ナイジェリア石油に譲渡されることに。

【メタル】

・Codelco El Teniente鉱山(2020年銅生産量443,200トン)労働者、会社側の提案を拒否。

・ザンビア、違法採掘者の侵入により少なくとも3つの露天掘り鉱山の操業が停止、6万トン/年の鉱山生産に影響。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +5.03%/ +85.74%
2.CME木材 ( その他農産品 )/ +4.51%/ ▲45.63%
3.ビットコイン ( その他 )/ +4.46%/ +67.84%
4.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ +2.55%/ +10.79%
5.プラチナ ( 貴金属 )/ +2.09%/ ▲7.00%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.CBT大豆油 ( 穀物 )/ ▲5.13%/ +32.68%
65.SHF錫 ( ベースメタル )/ ▲4.20%/ +53.71%
64.LME錫 3M ( ベースメタル )/ ▲4.16%/ +55.28%
63.NYM灯油 ( エネルギー )/ ▲3.09%/ +29.26%
62.NYM RBOB ( エネルギー )/ ▲2.78%/ +43.68%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :35,120.08(+225.96)
S&P500 :4,441.67(+35.87)
日経平均株価 :27,013.25(▲267.92)
ドル円 :109.78(+0.04)
ユーロ円 :128.42(+0.30)
米10年債 :1.26(+0.01)
中国10年債利回り :2.85(+0.01)
日本10年債利回り :0.01(▲0.01)
独10年債利回り :▲0.50(▲0.01)
ビットコイン :48,668.03(+2080.04)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :26.54(+0.43)
エネルギー :26.83(+0.45)
ベースメタル :25.50(+0.09)
貴金属 :22.62(▲0.04)
穀物 :22.22(+0.44)
その他農畜産品 :29.82(+0.69)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :28.24(+0.35)
Brent :27.15(+0.2)
米天然ガス :33.55(▲0.56)
米ガソリン :27.08(+0.87)
ICEガスオイル :28.52(▲0.32)
LME銅 :23.48(+0.9)
LMEアルミニウム :21.27(▲0.56)
金 :24.25(+0.83)
プラチナ :24.70(▲0.08)
トウモロコシ :21.34(▲1.54)
大豆 :24.25(+0.83)

【エネルギー】
WTI :62.32(▲1.37)
Brent :65.18(▲1.27)
Oman :64.40(▲1.30)
米ガソリン :202.36(▲5.79)
米灯油 :190.82(▲6.08)
ICEガスオイル :546.25(+3.00)
米天然ガス :3.85(+0.02)
英天然ガス :104.76(+5.02)

【貴金属】
金 :1781.11(+0.73)
銀 :23.03(▲0.23)
プラチナ :997.10(+20.41)
パラジウム :2276.57(▲37.00)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :8,934(+151:12C)
亜鉛 :2,951(+18:2C)
鉛 :2,261(▲18:206.5B)
アルミニウム :2,552(+20:17B)
ニッケル :18,536(+86:33B)
錫 :33,100(+878:593B)
コバルト :51,250(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :9051.50(+166.50)
亜鉛 :2933.00(▲11.00)
鉛 :2261.00(+5.00)
アルミニウム :2555.00(+11.00)
ニッケル :18425.00(±0.0)
錫 :31600.00(▲1370.00)
バルチック海運指数 :3,976.00(+143.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :132.37(▲25.55)
SGX鉄鉱石 :154.31(+2.32)
NYMEX鉄鉱石 :160.54(+0.16)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :224(+0.67)
大連原料炭先物 :432.52(+23.96)
上海鉄筋直近限月 :4,957(+10)
上海鉄筋中心限月 :5,024(+7)
米鉄スクラップ :642(±0.0)

【農産物】
大豆 :1293.75(▲29.25)
シカゴ大豆ミール :353.30(+1.80)
シカゴ大豆油 :57.49(▲3.11)
マレーシア パーム油 :4514.00(+9.00)
シカゴ とうもろこし :538.75(▲11.25)
シカゴ小麦 :714.25(▲13.25)
シンガポールゴム :190.00(▲3.20)
上海ゴム :13290.00(▲315.00)
砂糖 :19.58(▲0.21)
アラビカ :178.25(+0.05)
ロブスタ :1862.00(+19.00)
綿花 :93.90(+0.43)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :88.63(+1.70)
シカゴ生牛 :124.28(+0.88)
シカゴ飼育牛 :159.03(+0.75)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。