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強まるハト派包囲網~FRBは年内量的緩和縮小開始へ
  • MRA外国為替レポート

2021年8月23日号

◆先週の市場総括


先週は週初から中国、米国の弱い経済指標が散見され、感染再拡大も重石となってリスク選好が後退。リスク回避が強まった。米国株は下落。さらに水曜日に公表された7月のFOMC議事要旨で大半のメンバーが年内の量的緩和縮小開始を支持していたことが明らかになると、量的緩和縮小の前倒し警戒感が強まった。米国株はさらに軟調。

ただ週末にはFRBタカ派の柔軟な発言やハイテク決算・業績期待から持ち直し、景気敏感株にも押し目買いが入って下げ止まった。日経平均は米国の量的緩和縮小前倒しへの警戒感や上値の重い米国株、国内感染の急拡大、さらにトヨタの減産計画で軟調が続き年初来安値を更新。週末は27,000円に辛うじて踏みとどまった。

ドル円相場は週初からリスク選好の後退、リスク回避からクロス円相場を中心に円が全面高。ユーロ円相場は129円台半ばから128円台前半へ。ドル円相場は109円70銭で始まり109円に迫った。

ドルは量的緩和縮小前倒し観測に支えられ底固く、ドル円相場は週末にかけて持ち直し109円80銭近辺で引け。ユーロドル相場は週初の1.18から1.16台後半へ下落し年初来安値を更新。引けは1.17ちょうど。ユーロ円相場は一時128円割れに下落して週末は128円台半ば。

月曜日の東京市場では日経平均が大幅安。前週末に発表された米国ミシガン大学消費者信頼感指数が弱く、感染拡大から景気先行き懸念が燻るなか、アフガニスタンでタリバンが政権奪取したことで地政学的リスクも意識された。

加えて発表された日本の4-6月期GDPは予想よりやや強めだったが欧米に比べて個人消費を中心に景気回復の鈍さを示した。また中国の主要経済指標が予想より弱い数字だったことも重石となった。

寄付き直後に27,600円割れの大幅安。その後も一時27,500円を割り下げ幅は前週末比▲500円を超えた。引けは▲453円安の27,523円。

日本のGDP(4-6月期)は前期比+0.3%と前期の▲1.0%からプラスに転じたが低迷。年率換算は+1.3%。中国の7月の主要指標は、小売売上高が前年同月比+8.5%と前月+12.1%から減速し予想+10%を下回り、鉱工業生産も+6.4%と前月+8.3%から減速し予想+7.9%を下回った。

ドル円相場は109円70銭で始まり昼前に109円40銭割れ。欧州市場にかけては109円30銭~40銭でもみ合い。

ユーロ円相場は129円40銭で始まり、同様に129円割れ。円が堅調。ユーロドル相場は1.1790~1.18ちょうどでもみ合い、夕刻には1.1790近辺。

欧州株は中国の弱い指標や感染拡大、地政学的リスクを懸念し下落。米国市場にかけてもリスク回避が強まった。

米国で発表されたNY連銀製造業景気指数(8月)は前月43.0から急低下して18.3と予想28.5を大幅に下回った。米国株も中国・米国の弱い経済指標を受けて下落してスタート。ただ今週発表される小売業決算への期待感から底固く持ち直した。

NYダウは前週末比+110ドル高の35,625ドル。ナスダックは▲29ドル安の14,793ドル。米10年債利回りはやや低下して1.268%。

米国市場でも円がクロス円相場を中心に全面高。ドル円相場は109円10銭に下落した後、20銭~30銭でもみ合い引け。

ユーロ円相場は欧州市場から円高基調が続き128円50銭に下落し、引けにかけてはやや戻して128円60銭~70銭でもみ合い。ユーロドル相場は1.1770に小幅下落した後は1.1780近辺でもみ合い引けた。

火曜日の東京市場では日経平均が4営業日続落。米国の景気敏感株が堅調だったことから27,700円台で高寄り。ただ買い一巡ですぐに下落し後場も軟調。感染拡大やアジア株が軟調に推移したことが重石となった。引けは前日比▲98円安の27,424円。

ドル円相場は109円20銭~30銭で上下。夕刻の欧州市場朝方に一時109円10銭近辺に下落したが30銭に持ち直した。ユーロ円相場も同様。128円60銭~70銭で上下した後、128円40銭に下落。ただすぐに128円90銭に反発し60銭台で推移した。

ユーロドル相場は1.1780で始まりじり安となり1.1760。夕刻は1.1780に反発した後1.1770近辺。米国市場に入ると発表された小売売上高(7月)が前月比▲1.1%と予想▲0.3%よりも減少。大規模経済対策で回復してきた消費の勢いがしぼみ、米景気回復の勢いが鈍るとの懸念が強まった。

NYダウは連日の高値更新の後で高値警戒感から利益確定売り優勢。小売決算への期待がしぼみ、消費関連株が下落。一時前日比▲500ドル安。ただ引けにかけては持ち直し▲282ドル安の35,343ドルへ下げ幅を縮めた。

ナスダックは▲137ドル安の14,656ドル。VIX指数は+1.56ポイント上昇して17.68。米10年債利回りは1.265%と概ね前日と変わらず。

米国の鉱工業生産(7月)は前月比+0.9%と前月+0.2%から伸びが加速して予想+0.5%を上回った。製造業生産は前月比+1.4%。設備稼働率は前月75.4%から76.1%へ大きく上昇した。

自動車・部品の生産が持ち直し。7月の休暇返上で稼働したことが寄与したとみられる。

為替市場では米国市場朝方にドル高ユーロ安。FRBが早期に量的緩和縮小との観測がドルを支えた。ドル円相場は109円60銭に上昇し、その後は横ばい上下動。ユーロドル相場はユーロ安ドル高に振れて1.1710~20で上下した。ユーロ円相場は終始軟調で128円30銭でもみ合い引けた。

パウエル議長は講演にはとくに市場は反応せず。人々や企業はコロナウィルスへの適応を学習しているが、デルタ変異株が重要な影響を経済に与えるかどうかは依然として不明、とした。またサービス業での就業回復はなお途上と述べた。

水曜日の東京市場では日経平均が5営業日ぶりに反発。米国株が下落したものの、4日続落の後で目先筋の買いが入り自律反発した。一時27,600円台半ばに上昇。ただ後場は本格的な中長期資金の買いが入らず伸び悩み。前日比+161円高の27,585円で引けた。

ドル円相場は109円60銭中心にもみ合い。ユーロ円相場は128円30銭で始まりやや強含み40銭~50銭でもみ合い。ユーロドル相場は1.1710で始まり1.1720中心、1.1710~30で上下した。

欧州市場から米国市場にかけてはドル高円安。セントルイス連銀総裁は、米国に巨大なインフレショックが生じている、2022年の政策修正を予定する必要がある、2022年第1四半期には量的緩和縮小の終了を望む、必要なら利上げも、とタカ派な発言をした。

米10年債利回りは一時1.29%に上昇。ドルは上昇。ドル円相場は110円ちょうどへ、ユーロドル相場は1.17割れへ。

公表されたFOMC議事録は警戒されたほどタカ派な内容とはならず、ドル金利上昇・ドル高は一服した。ただ、大半のメンバーが年内の量的緩和縮小開始を主張したことがあらためて明らかになった。

ドル円相場は109円80銭に反落。ユーロドル相場は1.1740に上昇。ただその後1.1710に押し戻された。ユーロ円相場は128円60銭~70銭で上下した後、一時129円に上昇したがすぐ反落して128円60銭近辺。

米国株はFOMC議事要旨で量的緩和縮小が現実的になっていることに反応して引けにかけて大きく下落した。NYダウは前日比▲382ドル安の34,960ドル、ナスダックは▲130ドル安の14,525ドル。VIX指数は+3.66ポイント上昇して21.57。

木曜日の東京市場では日経平均が大幅反落。米国で公表されたFOMC議事要旨で量的緩和縮小が早期に実施されるとの警戒感が強まった流れで、27,400円割れで安寄り。その後27,500円近辺に小反発したが、国内感染拡大が止まらず重石となり反落して27,400円近辺でもみ合い。

その後引け前にトヨタが減産計画を発表すると引け際にかけて下落。前日比▲304円安の27,281円の安値引けとなった。

ドル円相場は109円80銭で始まり、米国の量的緩和早期縮小観測を支えに上昇して110円20銭近辺でもみ合い。ドルは対ユーロでも堅調。ユーロドル相場は1.1710で始まり1.1670~80でもみ合いとなった。

ユーロ円相場は128円60銭中心に50銭~70銭で上下動。その後、トヨタの減産計画を受けて日経平均が下げ足を速め、またアジア株や時間外の米国株先物が下落したことでリスク回避が強まり、円が全面高となった。

ドル円相場は失速し109円50銭に急落。ユーロ円相場は128円割れに下落した。ユーロドル相場はやや上昇して1.17ちょうど近辺でもみ合い。欧州市場から米国市場にかけては円高・ドル安は一服。

ドル円相場はもみ合いながら次第にレンジを切り上げて米国市場終盤は109円70銭~80銭。

ドルはユーロに対しても上昇。ユーロドル相場は終始軟調となり引けは1.1670台と、年初来安値をしっかりと更新した。

ユーロ円相場は128円20銭~40銭に持ち直したがユーロ安ドル高が重石となり引けは128円20銭近辺。

欧州株は量的緩和縮小を懸念して下落。米国株もNYダウが朝方▲270ドル安。景気敏感株が売られた。

感染拡大を懸念による景気への悪影響を懸念して原油価格WTIの下落基調が続きエネルギー株が軟調。中国の鉄鋼業界が輸出自粛との報も下落圧力に。ただ発表された百貨店決算は良好。下値の買いもみられ下げ幅を縮めた。

NYダウは3営業日続落となったが前日比▲66ドル小幅安の34,894ドル。ナスダックは+15ドルの14,541ドル。VIX指数は▲0.08ポイントと上昇一服も21.49で高止まり。米10年債利回りは小幅低下して1.245%。

発表された週次の失業保険新規申請件数は前週375千件から348千件に減少して1年5か月ぶりの低水準。継続受給者数は前週2,866千件から2,820千件に減少し2020年3月以来の低水準。雇用改善基調が続いていることを示した。

フィラデルフィア連銀製造業景気指数(8月)は前月21.9から予想24.2に反して19.4に悪化。在庫不足で供給制約が強まっていること、支払価格・販売価格ともに高水準が続いていることを示した。

金曜日の東京市場では日経平均が続落。前日引けにかけてトヨタの減産計画が報じられた余波が残り、また国内感染拡大や米国の量的緩和縮小前倒し観測など懸念が相次ぎリスク回避が強まった。軟調な中国株・アジア株動向も重石。

27,200円台前半で安寄りした後に27,100円近辺でもみ合い。引けにかけて下落し安値引け。前日比▲267円安の27,013円で年初来安値を更新した。

ドル円相場は109円80銭近辺で始まり、やや上値重く午後から夕刻にかけてもみ合いながら109円60銭にじり安。ユーロ円相場は128円20銭で始まり一時40銭に上昇したがその後は軟調。夕刻から欧州市場にかけては128円ちょうど近辺に下落した。

ユーロドル相場は1.1670台~1.1680台で小動き。欧州市場では1.1670~80でもみ合い。

米国株は反発。決算・業績期待でハイテク株が買われた。また消費関連、景気敏感株にも押し目買いが入った。ただ量的緩和縮小前倒しへの警戒感、感染拡大懸念が上昇を抑制した。

NYダウは前日比+225ドル高の35,120ドル、ナスダックは+172ドル高の14,714ドル。VIX指数は▲3.11ポイント低下して18.56と20ポイントを下回った。米10年債利回りは小幅上昇して1.257%。

リスク選好の持ち直しで円は軟調。ドル円相場は強含み109円80銭~90銭でもみ合い引け。ユーロ円相場は128円40銭~50銭に上昇。ユーロドル相場は1.17ちょうど近辺に上昇してもみ合い引けた。

タカ派的な論調が目立つダラス連銀総裁は、感染拡大が景気回復を大きく鈍らせるなら従来からの早期量的緩和縮小すべきとの見解を調整する、と述べた。

◆今週の3つの注目ポイント


1.米国の経済指標

足元で感染が再拡大するなか影響がみえるか、あるいは堅調な景気動向を確認するか。

月曜日 シカゴ連銀全米活動指数(7月)中古住宅販売(7月、季節調整済み年率換算、予想584万戸、前月586万戸)PMI景況感指数(8月、速報、製造業、予想62.8、前月63.4、サービス業、予想59.4、前月59.9)

火曜日 新築住宅販売(7月、季節調整済み年率換算、予想700千戸、前月676千戸)リッチモンド連銀製造業指数(8月、予想25、前月27)

水曜日 耐久財受注(7月、前月比、予想▲0.2%、前月+0.8%)

木曜日 GDP(4-6月期)改定値、週次の失業保険新規申請件数

金曜日 個人所得・消費支出(7月、前月比、予想+0.2%・+0.4%、前月+0.1%・+1.0%)消費支出物価指数(同、前年同月比、予想+4.1%、前月+4.0%、コア指数、予想+3.6%、前月+3.5%)ミシガン大学消費者信頼感指数(8月)確報値

2.欧州の経済指標、ECB理事会議事要旨

欧州でも感染拡大への懸念が広がる。指標に陰りがみえるか。またFRBが量的緩和の早期縮小に傾くなかECBのスタンスはどうか。

月曜日 PMI景況感指数(8月、ユーロ圏、ドイツ、ほか)

火曜日 ドイツGDP(4-6月期)改定値、水曜日にドイツIFO景況感指数(8月、予想100.2、前月100.8)

木曜日 ECB理事会議事要旨公表

ECB理事会議事録では、景気に慎重な見方、あるいはハト派スタンス継続が明確になるか。年初来安値を更新しているユーロドル相場の流れを後押しすることとなるか。

3.パウエル議長ほかFRB当局者発言

今週は毎年恒例のジャクソンホール・シンポジウムが開催される。

以前からこの会合でのパウエル議長の発言が注目されてきた。ただ足元の感染拡大で、当初26日~28日にリアルに開催される予定が変更となり、27日のみ、オンラインで開催されることとなった。

パウエル議長はなお量的緩和縮小に慎重な姿勢だが、地区連銀総裁や副議長らからはタカ派発言も散見される。あらためてどのようなスタンスを示すか。また同日には多くの連銀総裁がインタヴューに応じる。足元の状況を踏まえても総じて年内量的緩和縮小開始に前向きな発言が続くか。

◆今週のMRA's Eye


強まるハト派包囲網~FRBは年内量的緩和縮小開始へ

7月下旬のFOMC(連邦公開市場委員会)以降、FRB当局者からタカ派発言が相次いでいる。急先鋒のダラス連銀総裁は、10月にも量的緩和縮小を開始すべきで9月会合で発表すべき、と述べた。

カンザスシティ連銀総裁は、雇用と物価の状況は量的緩和縮小の条件を満たした、と発言。

イエレン財務長官・元FRB議長が総裁を務めたサンフランシスコ連銀の総裁も、秋にかけて経済が加速し早ければ年末にも開始することも視野、との見方。

セントルイス連銀総裁は、米国に巨大なインフレショックが生じており来年第1四半期には量的緩和縮小を終了し必要なら利上げも、と発言。

とくにパウエル議長の片腕でもあるクラリダ副議長が、米経済が当局の予想通りに推移した場合は年内に量的緩和縮小を発表し、2023年には利上げを開始する、22年末には利上げの条件が整うと確信している、と述べた。

先週公表された7月FOMCの議事要旨では、大半のメンバーは経済が予想通りに大きく拡大することを前提に、物価安定と雇用最大化に向けて進展があることという条件が満たされていると考えており、年内に量的緩和縮小を開始することが適切であると判断している、と記された。

来年への見送りを主張するメンバーは一部だった。ハト派の主張は、雇用最大化への道のりがまだ遠い、という点だ。

パウエル議長のスタンスはハト派姿勢、慎重なスタンスを維持している。足元の景気物価動向を踏まえ、また力を増すタカ派の主張のなかで、今週のジャクソンホール・シンポジウムでの発言がどのようなものとなるか。

市場は引き続き感染再拡大の悪影響を懸念している。景況感のピークアウトもあり、漠然とした景気先行き懸念を強めているようだ。

そうしたなか、パウエル議長の慎重姿勢が頼みの綱だ。そこで梯子を外されれば一定のショックはあろう。

それでも感染拡大が鎮静化しないなかでは、景気の勢いが鈍化しているようにみえるが量的緩和を縮小して大丈夫なのか、との市場の疑念は容易に晴れないだろう。

FRBの金融政策判断は雇用と物価がどうなるか、とくに感染再拡大のなか雇用が引き続き拡大基調を維持するかどうかだ。

物価については、インフレ率上昇が一服し低下することを視野に入れつつ、目標を下回る低インフレリスクは視野にない。物価の側面からは緩和を継続する理由はなく、むしろ物価には上方リスクをもってみているようだ。

米国の雇用情勢をみると、様々な指標からは雇用には伸び代があるようにみえる。

雇用拡大基調が急転鈍化するリスクは小さいようだ。企業への景況感調査、ヒアリングでは、多くの企業で人手不足が問題となり、求人意欲は極めて高い状態が続いている。

ここ数か月でみられた雇用伸び悩み局面は、求人抑制ではなく、感染リスクや給付金による就業意欲減退によるところが大きかった。通常の景気悪化・企業業績悪化による雇用悪化による求人減少とは異なり、またそうした事態に陥ることは想定しにくい。

失業保険新規申請件数や継続受給者数は減少傾向を続けている。良い意味で社会・企業が感染に対処でき慣れてきた流れが反転する可能性は低そうだ。

物価は供給と需要、双方の側面から上昇圧力がかかっている。とくに足元は供給拡大が半導体不足、人手不足で鈍り、需要に追い付かないことが物価急騰をもたらしている。

当局も足元のインフレ率急騰は一時的で追って鎮静化するとみているが、その理由は、需要が減退することによるのではなく、供給力が回復することによる鎮静化を見込む。

需要減退ではなく供給拡大で高いレベルでの需給逼迫の鎮静化が見込まれている。企業の景況感ピークアウトの背景をみても、人手不足・供給制約・価格上昇が大きな要因となっているようだ。感染拡大による需要減退・景気悪化懸念ではない。

そうであれば、金融正常化を妨げる理由はない。そこに財政拡大・インフラ投資計画が加われば、ハト派包囲網は一段と強固になるだろう。米長期金利には上昇圧力がさらに強まることになる。

長期金利上昇を抑制する要因は、日欧の低金利継続による金利上昇抑制圧力、つまり米国債への資金流入による金利抑制か。

あるいは株価上昇の頭打ち観測によるポジション調整、株から債券への資金シフトか。いずれにしてもドルにとってはポジティブな要因となる。

となれば、足元で年初来安値を更新しているユーロドル相場の下落基調はさらに続くとみられる。

ドルインデックスは93ポイントに乗せてきているが、この先も堅調に推移しそうだ。ドルが底固さ増すなか、欧米の景気が堅調ないし無難に推移すれば、リスク選好に傾き円高となるリスクは小さい。

円高に振れる可能性があるとすれば、積み上がった円売りポジションの解消による一時的な円高のみだろう。ドル円相場のバイアスは引き続きドル高円安方向だ。

◆主要指標


【対円レート】
ドル :109.78(+0.04)
ユーロ :128.44(+0.30)
英ポンド :149.571(▲0.12)
豪ドル :78.373(▲0.08)
カナダドル :85.623(+0.09)
スイスフラン :119.725(+0.31)
ブラジルレアル :20.4022(+0.13)
中国人民元 :16.888(▲0.01)
韓国ウォン(日本円=100) :9.307(▲0.02)

【対ドルレート】
ユーロ :1.1698(+0.002)
英ポンド :1.3623(▲0.002)
豪ドル :0.7132(▲0.002)
カナダドル :1.2821(▲0.001)
スイスフラン :0.9171(▲0.002)
ブラジルレアル :5.3807(▲0.034)
中国人民元 :6.5015(+0.007)
韓国ウォン :1179.55(+3.14)

【主要国政策金利】
米国 :0.25
ユーロ :0.00
日本 :0.00

【主要国長期金利】
米10年債 :1.26(+0.01)
米2年債 :0.22(+0.00)
日本10年債利回り :0.01(▲0.01)
日本2年債利回り :0.01(+0.01)
独10年債利回り :▲0.50(▲0.01)
独2年債利回り :▲0.75(▲0.00)

【主要株価指数・ビットコイン】
NY ダウ :35,120.08(+225.96)
NASDAQ :14,714.66(+172.87)
S&P500 :4,441.67(+35.87)
日経平均株価 :27,013.25(▲267.92)
ドイツ DAX :15,808.04(+42.23)
インド センセックス :55,329.32(▲300.17)
中国上海総合 :3,427.33(▲38.22)
ブラジル ボベスパ :118,052.80(+888.10)
英国FT250 :23,750.89(+144.02)
ビットコイン :48668.03(+2080.04)

【主要商品価格】
WTI :62.32(▲1.37)
Brent :65.18(▲1.27)
米ガソリン :202.36(▲5.79)
米灯油 :190.82(▲6.08)

金 :1781.11(+0.73)
銀 :23.03(▲0.23)
プラチナ :997.10(+20.41)
パラジウム :2276.57(▲37.00)
銅 :8934.00(+151:12C)
アルミニウム :2552.00(+20:17B)
※貴金属はニューヨーククローズ。ベースメタルは3ヵ月公式セトル価格。
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

シカゴ大豆 :1293.75(▲29.25)
シカゴ とうもろこし :538.75(▲11.25)
シカゴ小麦 :714.25(▲13.25)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。
※ 「休場」となっているものは、取引所が休場ないしはデータ更新時点で最新データを取得できなかった場合を指します。