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フロス消失も緩慢なリスク選好は継続
  • MRA外国為替レポート

2021年6月28日号

◆先週の市場総括


先週は前週のFOMCによるショック、金融緩和縮小・金融正常化に対する過度な懸念を消化しやや落ち着いた値動きとなった。

当局者の発言が続き、パウエル議長の議会証言が注目されたが、インフレ加速は一時的、予防的利上げはせず、と金融緩和解除を必要以上に急がないスタンスが確認されたことで、過剰な懸念が後退した。

またバイデン政権が超党派議員団とインフラ投資計画に合意したことも株価、リスク選好を支えた。

米国株は景気敏感株を中心に堅調。長期金利が落ち着いて推移したことでハイテク株もしっかり。日経平均は週初に一時▲1,100円安になるなど急落したが、火曜日には米国株が週初に上昇したことをうけすぐに反発。その後も堅調な米国株やドル高円安に支えられて29,000円の大台を回復した。

ドル円相場は110円台前半で始まり、週初は株価急落一時110円を割ったがすぐに持ち直し、週央には111円台に乗せた。その後は上昇一服も底固く、週末は110円80銭近辺で引け。

とくにリスク回避で下落したユーロ円相場の反発が際立った。一時130円に迫ったが、週央にかけて反発し、132円台前半でもみ合い引けた。リスク選好の持ち直しでユーロドル相場も底固く、1.18台半ばからやや上昇して1.19台前半でもみ合い引けた。

月曜日の東京市場の日経平均は大幅下落。前週のFOMCで量的緩和縮小や利上げ前倒しの可能性が高まったことを受けて米国株が大幅安となったことを受けて全面安となった。

28,500円近辺で大幅安寄りした後も続落、じり安。28,000円近辺でもみ合ったものの後場早々には一時前週末比▲1,100円安に下落した。その後は27,900円近辺でもみ合い、引けにかけてやや戻し▲953円安の28,010円とかろうじて28,000円の大台を維持した。

株安とともに米国債が買われアジア時間に米10年債利回りが1.3%台半ばまで低下。リスク選好が後退、一時的にリスク回避に振れるなか、為替市場では円高が進んだ。

ドル円相場は110円20銭近辺でもみ合いの後、109円70銭台に下落。ユーロ円相場は130円70銭~80銭で始まり130円10銭に下落。

ユーロドル相場は1.1860~70で始まり、ユーロ円相場の下落に押されて1.1850に小幅安。ただその後欧州市場から米国市場にかけて、株価が反発しリスク選好が回復するとともにユーロ円相場は大きく反発した。

ユーロ円相場は終始右肩上がりで131円50銭まで上昇して引けた。ユーロは対ドルでも堅調1.19ちょうど近辺からさらに1.1910~20に上昇して引け。ドル円相場は110円台を回復し110円10銭~20銭でもみ合った後、110円30銭で引けた。

米国株は大幅反発。前週に大きく下落したことで値ごろ感の買いが入り自律反発。

原油価格WTIが73ドル台に上昇しエネルギー株が買われた。金融株も堅調。NYダウは前週末比+586ドル高の33,876ドル。

ナスダックは+111ドル高の14,141ドル。VIX指数は▲2.81ポイント低下して17.89。米10年債利回りはアジア時間の低下から反発して1.495%。

この日はFRB地区連銀総裁らの発言が相次ぎいだ。ダラス連銀総裁は、量的緩和縮小を早目に始める方が健全、資産価格の高騰を抑制すべき、と述べた。セントルイス連銀総裁は、雇用について心配していない、量的緩和縮小の議論を始めるべき、とした。

市場が荒れても気にすることはなく、インフレ懸念から早期の金融政策調整を行うスタンスを確認した。ただ市場の反応は限定的だった。

火曜日の東京市場では日経平均が大幅反発。前日の米国株が大幅反発したこと、前日の大幅安からの自律反発期待の買いで寄付きは28,700円近辺の大幅高。米国の金融政策修正への反応は過剰との見方が強まった。

但し戻り売り待ちもあり、パウエル議長の証言を見極めたいとの見方から後場は28,800円~900円でもみ合い。引けは前日比+873円高の28,884円。

ドル円相場は底固い値動き。110円30銭で始まり40銭~50銭で上下。ユーロ円相場はやや上値重く、131円50銭近辺で始まり20銭~50銭で上下し夕刻は131円20銭。

ユーロドル相場も上値重くユーロが軟調。1.1920近辺で始まり1.19割れに下落した。欧州時間から米国市場にかけても議長証言を見極めたいとの見方、タカ派的な発言への警戒感が強かった。

米10年債利回りは米国時間朝方に一時1.5%台に上昇。パウエル議長は、

「雇用回復に自信を示し今年後半に強く上向く」

としつつ、

「インフレ上昇は想定より大きく長期化する可能性がある」

としつつも、

「一時的で2%の長期目標に向かって低下していく」

との見方を示し、予防的に利上げを実施することはない、と述べた。

市場には安心感が広がり、米国株は証言中に上昇を強めた。米10年債利回りは低下して1.468%。

米国株主要3指数はそろって続伸。NYダウは前日比+68ドル高の33,945ドル、ナスダックは+111ドル高の14,253ドル。VIX指数は▲1.07ポイント低下して16.82。

為替市場ではリスク選好の回復を受けて円が全面安。ユーロ円相場の上昇が際立ち131円20銭から132円10銭中心のもみ合いへ。ユーロは対ドルでも堅調で1.19ちょうど近辺から1.1940~50へ上昇。

ドル円相場は110円70銭~80銭に上昇した後は上げ一服となり110円60銭~70銭。

水曜日の東京市場で日経平均は小幅反落。前日のパウエル議長の発言で利上げは急がずとされたことで安心感から米国株が底固く、金利先高感が抑制されたことでハイテク株がしっかり。28,900円近辺で始まり29,000円に上昇。

ただ大台では戻り売りに押され上値重く28,900円近辺でもみ合い、前日比▲9円安の28,874円で引けた。

為替市場では午前中はドルが堅調、夕刻から欧州市場にかけてはユーロが堅調。ドル円相場は110円60銭台で始まり堅調。80銭中心に上下した後は欧州市場にかけてじり高。ユーロ円相場の上昇に支えられ111円10銭をつけた。

ユーロ円相場は132円10銭~20銭でもみ合い、その後は夕刻、欧州時間に発表となったユーロ圏のPMI景況感指数が強い数字だったことから132円40銭へ、さらに132円70銭へ上昇した。

ユーロドル相場は1.1940で始まりドル堅調のなか1.1920へじり安。ただ夕刻から欧州市場、米国市場にかけては強い欧州PMI指数を受けて1.1970へ上昇した。

ドル円相場はユーロ高ドル安のなか110円70銭に下落。ただその後は米国のPMI景況感指数が強くユーロ安ドル高となった。ユーロドル相場は1.1920~30に下落して引け。一方ドル円相場は111円ちょうど近辺に反発してもみ合い引け。ユーロ円相場はじり安となり132円30銭~40銭で引けた。

米国株はまちまち。前日のパウエル議長の発言で落ち着きを取り戻し、ナスダックは史上最高値を更新。ただ翌週に重要な経済指標を控え、また7月に入り発表される6月期の決算待ちもあり上昇力を欠いた。

NYダウは前日比▲71ドル安の33,874ドル。ナスダックは+18ドル高の14,271ドル。VIX指数は▲0.34ポイント低下して16.32。

この日は各国で6月のPMI景況感指数が発表された。日本は製造業が前月の53.0から51.5に低下、サービス業は46.5から47.2に上昇したが50を下回った状態。

欧州では、ドイツ製造業が64.4から64.9へ、サービス業が52.8から58.1へ改善。ユーロ圏全体では製造業が63.1と前月と変わらず、サービス業が55.2から58.0へ改善した。

米国では製造業が62.1から62.6へ改善、一方でサービス業は70.4から64.8へ低下。

FRBブラウン理事は量的緩和縮小の決定には時間がかかる、とした一方、アトランタ連銀総裁は2022年終盤に利上げもありうる、量的緩和縮小は今後3ヵ月程度で決定も、と述べた。

木曜日の東京市場では日経平均は強弱感が対立して方向感が乏しかった。

ドル高円安を受けて輸出関連銘柄に買いが入ったが、国内感染拡大で内需関連が弱かった。引けは前日比ほぼ変わらずの28,875円。

ドル円相場は111円ちょうど近辺で上下した後、夕刻にはやや押されて110円80銭~90銭で上下。ユーロ円相場は132円30銭台から朝方50銭に上昇したもののその後は上値重く反落。132円30銭~40銭でもみ合いの後に132円10銭台に下落した。

ユーロドル相場は1.1920~30でもみ合い、その後は堅調。欧米市場では当初はドル安ユーロ高、米国市場ではその後ドルが反発しユーロが押し戻された。

欧州時間に発表されたドイツIFO景況感指数(6月)は101.8と前月99.2から改善し予想100.2を上回った。

米国では朝方発表された経済指標が弱めだったが、株式市場は金融正常化を急がない要因と楽観する見方から好感。株価は堅調に。

さらにバイデン政権が上院の超党派議員団と1.2兆ドルのインフラ投資計画に合意。当初2.0兆ドルとしていた規模を削減して歩み寄り合意を優先した。

これを好感して株価はさらに上昇した。NYダウは前日比+322ドル高の34,196ドル。ナスダックは金利の落ち着きもあり+98ドル高の14,369ドルと史上最高値を更新した。

S&P500も最高値更新。VIX指数は▲0.36ポイント低下して15.96。原油価格は上昇、金相場は下落。

ドル円相場は110円70銭台に下落した後、反発して80銭~90銭でもみ合い。ユーロドル相場は1.1950台に上昇した後、反落して1.1930近辺でもみ合い。ユーロ円相場は132円20銭~40銭で方向感なく上下し、30銭近辺でもみ合い引けた。

米国の耐久財受注(5月)は前月比+2.3%となったが航空機が大きく寄与し、設備投資の動向を示す非国防・除く航空機では前月比▲0.1%と弱かった。

週次の失業保険新規申請件数は411千件と前週418千件からの減少はわずかだった。

BOE・英国中銀は政策決定会合を開き政策は据え置き。インフレ率上昇は一時的とし見極める姿勢を維持、また国内感染再拡大の動向も見極める必要が生じている。

金曜日の東京市場では日経平均は上昇。前日にバイデン政権がインフラ投資に関して超党派議員団と合意し米国株が景気敏感株中心に大きく上昇。

これを受けて朝方は景気敏感株中心に買い先行となり29,150円近辺に上昇。上げ幅は前日比+300円近くに及んだ。

ただその後は戻り売りに押されて伸び悩み。国内感染拡大も投資家心理の重石となった。引けは+190円高の29,066円。

ドル円相場は110円90銭近辺で上下した後じり安。夕刻は110円70銭。ユーロ円相場も132円30銭で始まり一時40銭も夕刻は20銭近辺。ユーロドル相場は1.1930で始まり40近辺でもみ合い1.1940~50。

欧米市場ではドルが上下。ドル円相場は米国時間朝方に110円50銭に下落した後に90銭近辺まで反発。110円80銭近辺で引けた。

ユーロドル相場は1.1970台に上昇した後反落し1.1930~40でもみ合い、アジア時間とほぼ同水準。ユーロ円相場は東京時間から欧米時間を通じて132円30銭中心に20銭~40銭で横ばい推移した。

米国株は景気敏感株が堅調、ハイテク株は長期金利上昇を受けて軟調、とまちまち。小売銘柄の一角が強く、米金融機関への株主還元制限の解除で金融株もしっかり。

NYダウは前日比+237ドル高の34,433ドル、ナスダックは▲9ドル安の14,360ドル。VIX指数は▲0.35ポイント低下して15.62。米10年債利回りは上昇して1.526%。

発表された個人所得・消費支出(5月)は前月比▲2.0%・±0.0%。所得は▲13.1%から減少幅は縮小。消費は前月が+0.5%から+0.9%に大幅上方修正された。

注目の消費物価指数は全体が前年比+3.9%、コア指数が+3.4%と29年ぶりの高い上昇率となったが事前予想範囲内で市場への影響は大きくなかった。

◆今週の3つの注目ポイント


1.米国の経済指標

今週は重要指標の発表が多い。

月曜日 ダラス連銀活動指数(6月)

火曜日 ケースシラー住宅価格指数(4月) 消費者信頼感指数(6月、予想118.5、前月117.2)

水曜日 ADP雇用報告(6月、雇用者数前月比、予想+495千人、前月+978千人)シカゴ購買部協会景気指数(6月、予想70.0、前月75.2)

木曜日 ISM製造業景気指数(6月、予想61.0、前月61.2) 週間新規失業保険申請件数、PMI景況感指数・確報

金曜日 製造業受注(5月) 雇用統計(6月) 非農業部門雇用者数・前月比、予想+695千人、前月+559千人 失業率、予想5.7%、前月5.8% 平均時給・前年同月比、予想+3.6%、前月+2.0%

2.日銀短観

木曜日に日銀短観が公表され、前回調査から大幅に景況判断が改善すると予想されている。

大企業製造業の現状判断は5から16へ、先行判断は4から18へ、非製造業の現状判断は▲1から3へ、先行判断は▲1から8への改善予想。

感染拡大がなお鎮静化しないなか非製造業の景況感改善は鈍いとみられる。

また中小企業の景況判断も改善予想だが、なおマイナス圏(良い<悪い)にとどまるとみられている。米国との景況格差が顕在化しドル高円安見通しをファンダメンタルズ面から支持するか。

3.中国の経済指標

中国経済の回復基調に鈍化の気配がみられるが、企業の景況感改善に陰りがみえるか。

水曜日 PMI景況感指数(6月、製造業、予想51.0、前月51.0 非製造業、前月55.2

木曜日 財新製造業PMI(6月、予想52.1、前月52.0)

このほか、7月1日に中国で共産党結党100周年式典、OPECプラス会合が開催される。デルタ株(インド株)の感染状況にも留意を要する。

◆今週のMRA's Eye


フロス消失も緩慢なリスク選好は継続

市場は「FOMCショック」から落ち着きを取り戻している。

ただ金融政策スタンスの変更、大転換は事実であり、市場環境が変わったことは織り込み済みとはならない。

ただ株高トレンドが下落トレンドに転じたというわけではない。

「リフレトレードの死」の意味するところは、過剰な金融緩和による金融資産価格の上昇の終焉、割高となった金融資産価格の調整、当局の懸念する金融市場におけるフロスの解消、景気回復ペースなりの株価上昇ペースへの転換、だ。

右肩上がり相場への信奉・確信の後退により、株価は高値波乱ないし調整後はひとまず緩慢な上昇相場に移行する、というのが本旨だ。

パウエル議長は議会証言で景気回復・雇用改善への自信を示した。

また足元のインフレ率急騰に関しては、あらためて一時的で長期的にインフレ率目標である2%に向けて低下するとの認識を示し、ただ予想よりも強く長期化する可能性もあると述べている。また予防的に利上げをすることはない、とも述べた。

ただFOMCで示した金融政策の方針転換を否定するものではなく、インフレが予想通りに推移しないリスクも念頭にあるようだ。

地区連銀総裁など他の当局者からは量的緩和縮小の早期実施を主張する意見もみられる。資産価格上昇への懸念、株価については上昇を放置した場合の後々のショックの大きさ、住宅価格については価格高騰による格差拡大や急落時の信用市場への悪影響が、問題視されている。

市場の初期反応はやや過剰だったことも確かだ。

なかには株安の背景を利上げによる景気悪化懸念とする解説もあったが、それは行き過ぎた見方だろう。

今回の金融政策転換は、金融引き締めではなくあくまでも正常化。過剰な金融緩和を解消するもの。経済が正常化に向かうなかで緊急対応が不必要になるのは当然で、過剰な緩和も縮小して当然だ。

インフレ率上昇によって、名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利は長短金利ともに大きくマイナスとなっている。量的緩和縮小による長期金利上昇、あるいはさらに利上げが実施されたとしても、実質金利の水準が景気動向に緩和的であることには変わらず、景気にブレーキをかけるレベルではない。

金融政策の転換でも今後も景気は拡大基調を維持するとみられる。急回復局面からペースダウンするとしても、それは金融政策の転換によるものではなく自然な流れだ。

市場の波乱は、景気悪化・景気後退を背景とする本格的なリスク回避ではない。リスク選好は緩和するものの継続、バリュー見直しの範囲内で金融資産価格は高値波乱ということになろう。

過剰な金融緩和で上昇しすぎた資産価格の調整にとどまる。金融正常化、による、資産価格正常化、という範囲にとどまる。

とくに景気・企業業績の観点からみれば、株価上昇基調が失われるわけではない。

割高な株価は再評価により調整。ただ過大評価が大きければ、調整も大きくなり、あるいは調整に時間がかかる可能性もある。上値が重くなったとみれば、下落局面入りとの見方も生じるかもしれないが、基本的には高値波乱ということだろう。

金融政策の転換・正常化は資産価格に影響を与えるが、経済正常化・景気拡大の流れのなかでの金融正常化である点を基本に、実物資産と金融資産に分けて考える必要があろう。

実物資産価格、とくに商品市況は景気拡大が続く限り上昇が続く余地がある。金融正常化の背景にある当局のインフレ懸念がむしろ価格上昇の裏付けだ。

ただ資源価格に与える金融緩和的な側面も皆無ではない。リフレトレードにより少なからず投機資金が流入し、仮需によって価格を押し上げられていたとすれば、その資金流出による調整はあろう。

一方、金融資産価格には、量的緩和縮小、金利先高感や長期金利上昇によって、価格調整圧力が確実に生じる。

ドル金利はすべての金融資産投資の出発点。ベース金利の上昇は資産価格評価に大きく影響する。投機的な金融資産への資金流入は、実物資産よりも強く抑制されるだろう。

ビットコインが3万ドル割れとなり1月以来の水準に下落した。中国政府による規制強化が要因との見方もあるが、暗号資産(仮想通貨)などゼロ金利資産への調整圧力が強いのは当然だ。

米国の金融政策スタンス転換とリスク選好の緩和はドルを支える。ユーロは少なくとも対ドルで上昇一服となり、やや軟調に転ずる可能性があろう。

リスク選好が緩和しつつも維持されるなかでは円高が長期化する可能性が小さく、景況格差や金融政策格差から円は軟調に推移しそうだ。

クロス円相場は円安基調となりそうだ。景気拡大基調が不変という点では、資源国通貨はなお下支えされる可能性がある。資源価格が投機資金の流出により調整すれば、相関関係から軟調になるが、下落圧力は一時的だろう。

一方、新興国通貨全体にはリスク選好の後退・緩和、ドル金利上昇、ドル高により、トレンドとして下落圧力がかかる可能性がある。

とくに資源国か非資源国かで明暗が分かれるだろう。

非資源国である新興国は、資源輸入国であり、資源価格上昇により対外収支が悪化する。経常赤字の拡大、累積債務の増加、ドル金利の上昇、は、通貨安圧力をかける。

リスク選好が緩和するなかではなおさらだ。この点は留意する必要がある。対円でも下落する可能性がある。

当面のリスクは、市場が錯覚する可能性か。おそらく、景気拡大ペースは急回復から巡航速度に移行するだろう。すでに需給ギャップが縮小しインフレ圧力が強まっていれば、巡航速度に移行してもインフレ圧力は容易に減少しない。

金融政策正常化スタンスが再修正される可能性は小さい。そうなると、景気回復がペースダウンしただけであるにもかかわらず誤解により景気悪化懸念が台頭する可能性がある。

景気懸念により本格的なリスク回避局面入りと誤解するリスクもある。

数字のマジックではあるが、イメージによる市場の過剰反応が生じるリスクも念頭におきたい。

◆主要指標


【対円レート】
ドル :110.75(▲0.12)
ユーロ :132.25(▲0.03)
英ポンド :153.764(▲0.61)
豪ドル :84.129(+0.05)
カナダドル :90.076(+0.11)
スイスフラン :120.817(+0.04)
ブラジルレアル :22.4548(▲0.11)
中国人民元 :17.156(+0.03)
韓国ウォン(日本円=100) :9.825(+0.05)

【対ドルレート】
ユーロ :1.1935(+0.000)
英ポンド :1.3879(▲0.004)
豪ドル :0.759(+0.001)
カナダドル :1.2292(▲0.003)
スイスフラン :0.9173(▲0.001)
ブラジルレアル :4.9341(+0.020)
中国人民元 :6.4562(▲0.016)
韓国ウォン :1127.66(▲6.94)

【主要国政策金利】
米国 :0.25
ユーロ :0.00
日本 :0.00

【主要国長期金利】
米10年債 :1.52(+0.03)
米2年債 :0.27(▲0.00)
日本10年債利回り :0.05(▲0.01)
日本2年債利回り :0.05(+0.00)
独10年債利回り :▲0.16(+0.03)
独2年債利回り :▲0.65(+0.00)

【主要株価指数・ビットコイン】
NY ダウ :34,433.84(+237.02)
NASDAQ :14,360.39(▲9.32)
S&P500 :4,280.70(+14.21)
日経平均株価 :29,066.18(+190.95)
ドイツ DAX :15,607.97(+18.74)
インド センセックス :52,925.04(+226.04)
中国上海総合 :3,607.56(+40.91)
ブラジル ボベスパ :127,255.60(▲2,258.00)
英国FT250 :22,646.01(+135.89)
ビットコイン :32215.32(▲2644.58)

【主要商品価格】
WTI :74.05(+0.75)
Brent :76.18(+0.62)
米ガソリン :226.39(▲1.70)
米灯油 :214.93(▲1.30)

金 :1781.44(+6.27)
銀 :26.10(+0.16)
プラチナ :1110.72(+14.47)
パラジウム :2640.45(▲3.25)
銅 :9460.00(+40:27.5C)
アルミニウム :2470.00(+46:19C)
※貴金属はニューヨーククローズ。ベースメタルは3ヵ月公式セトル価格。
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

シカゴ大豆 :1329.75(▲41.50)
シカゴ とうもろこし :636.50(▲16.75)
シカゴ小麦 :637.00(▲14.25)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。
※ 「休場」となっているものは、取引所が休場ないしはデータ更新時点で最新データを取得できなかった場合を指します。