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欧米主要市場休場で動意薄い
  • MRA商品市場レポート

2021年6月1日 第1965号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「欧米主要市場休場で動意薄い」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は欧米の主要市場が休場で様子見気分が強く、高安まちまちとなった。発表された中国の製造業PMIはほぼ市場中立な内容(詳しくは本日のMRA's Eyeを参照ください)で、商い薄い中で積極的に動くほどの内容でもなかった。

【本日の見通し】

本日は欧米市場が休場明けだが、各国のインフレ懸念の高まりを受けた為替動向が価格を左右擦るだろう。しかし足下は独消費者物価指数の上昇もあってドル安基調であるため、総じて商品価格は高止まりすると予想される。

本日の注目は、米ISM製造業指数とOPECプラス総会。ISM製造業指数は60.9(前月60.7)と改善見込みであり、米景気の回復を確認する内容で、需要回復観測から特にエネルギー価格の上昇要因となりそうだ。

ただ、それ以上に注目しているのはオイルショック以来の水準まで上昇している入荷遅延指数。製造業は75.0(前々月76.6)とやや減速してはいるものの、この低下が見られるかどうか。

足下のインフレはこのロジスティクスの問題の影響が小さくないとみており、かつ、商品調達においてはロジスティクスの改善は非常に重要であるため、この数値が低下すれば特にバルク系の商品価格には下押し要因となるだろう。

OPECプラスは恐らく減産や増産の追加提言はないと見ているが、昨日のJTCを見るに場合によると追加増産のカードが切られる可能性は排除しない。

【セクター別動向と見通し】

◆エネルギー

原油価格は直近限月は下落したものの、期先は上昇した。OPECプラスがワクチン接種の進捗で需要が増加、在庫が大幅に減少する、との見通しを示したことで需給のタイト化観測が強まったため。

今のところ市場はこの状況においてOPECプラスの追加増産はない、と考えているようだ。

石炭価格(豪州炭)は上昇して118.90まで上昇。中国の経済活動の回復や脱炭素に伴う石炭供給減少による需給タイト感が継続しており、価格は高値を維持している。

中国の石炭輸入動向の指標の1つであるバルチック海運指数は、昨日も下落しており、こちらは中国の調達に目処が立ちつつある可能性を示唆している。

しかし、中国の6大電力会社の石炭在庫水準は同じ時期の過去5年の最低水準。港湾在庫の水準よりも6大電力会社の保有在庫の水準の方がケタが違うため、当面は電力会社の石炭調達需要が価格を高値に維持させそうだ。

JKM先物市場は休場、欧州天然ガスはTTFが英国市場休場もあって小動き、米国天然ガス市場は休場だった。引き続き夏場に向けたガス調達圧力は強いとみられ、高値圏を維持している。

ただしLNGタンカーレートは東西共に既に低下を始めているため、このタイミングより早いタイミングで下落に転じるとみている。

5月17日~23日の世界のLNG取引750万トンのうち233万トンがスポットで取引された。先週から▲30万トン減少。国別では、日本、韓国、中国、台湾(雨不足で火力燃料が必要なものと思料)の調達が増加した。米国・豪州のカーゴは日本向けと見られ、中国・台湾向けではなかったようだ。

本日はOPECプラス会合を控えて様子見気分が強い、と見ていたが昨日の技術会合で需給タイト化の見通しが示されたことから、少なくともOPECプラスまでは上昇圧力が強まる展開が予想される。

仮に追加増産が示されれば市場はそれを想定していないため、下落に転じよう。ただサウジアラビアの予算前提が80ドル近いことから、さらに追加で増産する可能性はそれほど高くないとみている。

石炭・LNGは夏に向けた在庫積み増しの動きがアジア・欧州で継続していること、欧州のガス市場需給タイト化観測で、高値圏を維持する見込み。

◆非鉄金属

LME非鉄金属価格は休場だった。オープンしていた上海市場は軒並み水準を切り上げている。景況感の改善が世界的に進んでいる他、チリのストライキの影響でベンチマークの銅に上昇圧力が掛りやすくなっていること、昨日発表の中国製造業PMIが「ほぼ中立」な内容だったため、売り材料視されなかったことが背景。

本日はLME市場がオープンとなるが、昨日の中国市場の上昇や、バイデン政権の拡張予算、生産者の供給懸念を材料に上昇余地を探る展開に。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、大連先物は上昇、豪州原料炭スワップ先物は小幅に下落、大連原料炭先物は下落、上海鉄鋼製品先物は上昇した。

鉄鋼業PMIの内容は悪かったものの、建設業PMIが急速に回復し、鉄鋼向け需要の回復期待が鉄鋼製品先物を押し上げたため、それが鉄鋼原料価格の上昇要因となったようだ。

鉄鋼製品価格動向が鉄鋼原料価格を左右しているが、米国のインフラ投資計画の上積み観測などで鉄鋼製品価格が高止まりすることから、鉄鉱石・原料炭価格は高値圏を維持の公算。

◆貴金属

昨日の貴金属価格は欧米主要市場が休場だったため小動きだったが、独CPIの上昇を受けたドル安進行もあって総じて堅調、金はリスク・プレミアムの上昇を伴いつつ水準を切り上げた(金基準価格の低下とリスク・プレミアムの上昇)。これでリスク・プレミアムは節目の300ドルを上回った。

本日はリスクテイクの再開とユーロ高・ドル安トレンドとなっていることから、リスク・プレミアムを引き上げつつ堅調な推移を予想。OPECプラスで増産が見送られれば、期待インフレ率の上昇でさらに上昇余地を広げる公算(逆の場合は下落へ)。

◆穀物

穀物価格はシカゴ市場は休場だった。

本日も50日移動平均線を意識した売買が継続するとみるが、足下のドル安基調が価格を押し上げるものの、投機の解消圧力が強いため上値は重いと考える。

トウモロコシは635セント、小麦は675、大豆は1,500セントが当面の目処。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

昨日発表されたOECDの経済見通しは、世界経済の成長見通しが前回見通しから上方修正された。上方修正の背景は新型コロナウイルスのワクチン接種進捗と、特に接種が進んだ最大経済国である米国の回復見通しが背景にある。

同時に変異株の感染拡大などのリスクはあるものの、総じて見通しは強気であり、世界経済のダウンサイドリスクシナリオでも、2020年12月時点の見通しを上回り、成長ペースが持続する見通しとなっている。

これにより主要国・地域は軒並み上方修正されたが、日本については下方修正された。要因は、コロナの新型種の感染拡大とワクチン接種が進捗していないことだ。

日本でワクチン接種が他国比で遅れていることに関し、政府当局は批判の誹りを免れ得ないだろう。残念ながら海外から見た場合、「分りやすく何か対応」していない限り評価の対象とならない。

しかし、そもそも日本は公衆衛生に対する個々の意識レベルが高いため、自然体で防疫が出来ていることから他国に比べて感染が爆発的に拡大せず、死者数も比較的抑制されていたため、危機感がそれほど高くなかったのもまた事実である。

つまり、その他の国は多くの人が亡くなり、何か対応しなければならないとの危機感が強かったといえる。

皮肉なことだが他国ほどの被害が出なかったため、「今までと同じで良い」という感覚となり、他国で進むリモートや非接触型ビジネスの拡充、といった方向に舵を切るのが遅れた、ということだろう。

ここだけ切り取ると日本だけが他国・地域に対して劣後しているとの印象を受けるが、変異株の感染が拡大しているインドも下方修正されている。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・来年の中間選挙を控えて、バイデン大統領が国内の支持を得られない場合。恐らく選挙を考えると今年の夏までが勝負。

財政面や企業負担増の理由から造反が発生し、議会を通過しない場合は景気のリスクに(景気減速要因)。

・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならないが、足下、どの中央銀行・政府も景気過熱は意識しているものの沈静化させるタイミングと判断していないため、しばらくは顕著な価格上昇リスクとなる見込み。

常識的に考えると今年の年末頃からテーパリング開始の見通しとなるが、来年の米中間選挙を控えて米政権がテーパリング実施にクギを刺す可能性がある。この場合、2022年にかけて、さらにリスク資産価格が上昇する可能性も。

・コロナウイルスの感染再拡大(変異種に対してワクチンの効果が期待ほどではなかった場合など)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合(価格下落要因)。これは既に欧州、インド、日本などで顕在化。

逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は高くなった。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格は軟調ながらも、高値でもみ合うものと考える。最大消費国である米国の経済統計は良好なものが多いこと、DOEやOPECなどの見通しは需給ファンダメンタルズがさらにタイト化する見通しであることが背景。

しかし、OPECの増産バイアスは強まり、米国のイランに対する制裁が解除される可能性が高まっていること、コロナの変異種拡大の影響が続くインドや欧州の回復にはまだ時間がかかること、米景気の回復期待で米長期金利上昇・ドル高圧力がかかるシナリオは依然、メインシナリオであり調整圧力が上昇圧力を上回る可能性は低くない。

なお、米国のイラン核合意復帰に向けた動きが進んでおり、サウジアラビアも米国の軍事的な支援を得られなくなったことでイランとの距離を縮める動きを見せていることから、当面、原油価格には下押し圧力になると見られる。

しかし、イランで対米強硬派が次の大統領となる可能性が高く、これまでの融和ムードが「ご破算」になるシナリオも無視できず。

金融面に関しては、常識的に考えれば経済活動の再開で2022年頃(早ければ今年の年末)から米国でテーパリングが始まり、過去の例を考えると長期金利の上昇などを通じてリスク資産価格には一時的に調整圧力が強まる可能性は高い。そのため、2022年には一旦調整局面があり、その後、持続可能な上昇になると予想する。

【見通しの固有リスク】

・ワクチン接種の進捗が想定よりも早まり、人の移動制限が解除され需要増加に供給が間に合わず、価格が急騰するリスク(供給の時間差リスク。これは既に顕在化しているかもしれない)。

同時に変異株が猛威を振るい、ワクチンが効かない場合(需要減少で下落リスク)。

・米国経済が正常化する中で急速なドル高が進行し、投機的な売り圧力が高まる場合。

・OPECプラスの増産タイミングの見誤りによる、供給不足(価格上昇要因。これは既に顕在化しているかもしれない)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

などが価格上昇要因に。

・バイデン政権がシェールオイルのフラッキングやパイプライン敷設を制限/禁止する場合、供給減少で価格上昇要因に。

・米国の橋渡しでイランとサウジを初めとするスンニ派諸国の和解による中東の緊張緩和(下落要因)。

ただし、イランで強硬派が次の大統領となる可能性が高まっており、再び緊張感が高まる可能性も否定できず(上昇要因)。

【石炭価格見通し】

海上輸送石炭価格は高値圏を維持すると予想される。欧州排出枠価格が供給減少により2021年の需給がタイトとみられること、中国の製造業活動の回復とそれを受けた電力向け需要が堅調と見られることが背景。

中国政府は国内炭の供給能力増強にシフトしているが、経済活動の回復に供給が十分ではない。夏場の調達に目処が立てば調整すると見られるが、足下、中国の6大電力会社の石炭在庫水準は低く、高値圏維持を予想。

ただし、豪州との対立や、環境規制強化の中で石炭需要は減速するとみられること、非常に矛盾するが国内生産を増加させていることから海上輸送炭価格の上値は重くなると予想される。

4月の石炭輸入は前年比▲29.8%の2,173万トン(前月▲1.8%の2,733万トン)と減少に転じた。中国国内の電力需要が回復していることで輸入が増加していたが、調達に目処が立った可能性がある。

ただ、中国の石炭輸入需要の指標であるバルチック海運指数が高い水準を維持していることを考慮すると、まだ輸入は高水準で推移する可能性が高いと考える。今のところ中国6大電力会社の在庫水準も低い。

石炭価格の下落は夏場の在庫調達が一巡する必要があるため、7月頃までは高止まりする可能性がたかまっている。

【見通しの固有リスク】

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。短期的には価格の上昇要因。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格は中国の経済活動が活発であり、電力向け需要増加が見込まれること、海上輸送石炭価格の高止まり、ロシアが6月のウクライナ経由・欧州向けのガス供給枠を増枠しなかったことで域内需給がタイト化し、価格を高値に維持する見込み。

4月の中国のLNG輸入は前年比+32.0%の673万トン(前月+34.6%の564万トン)と構造的な増加が続いている。徐々に中国も石炭からガスへのシフトが起きていると見られ、電力需要の増加を背景に輸入を拡大していることが窺える。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・米国がノルドストリーム2の建設を容認した場合、欧州ガス需給の緩和(ロシア増産で下落要因)

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが625,568枚(前週比 +13,038枚)ショートが150,078枚(+13,495枚)ネットロングは475,490枚(▲457枚)

Brentはロングが362,727枚(前週比▲18,462枚)ショートが104,275枚(+9,086枚)ネットロングは258,452枚(▲27,548枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は一旦調整圧力が強まるものの、高値圏を維持すると予想する。

各国の財政出動並びに金融緩和スタンスは継続される見込みであり、7月の共産党100周年記念までは少なくとも景気刺激を続けるとみられる中国のみならず、米国も対中戦略の観点からインフラ投資を積極的に推進する見込みであるため。

米民主党政権は1.9兆ドルの経済対策に加え、2兆ドル(インフラ投資は0.6兆ドル程度)の追加対策を実施の計画であり、さらには2022年度予算も戦後最大となる歳出を6兆ドルと、以上と戦後最大の水準とする方針を示した。

インフラや社会プログラム向けに今後10年で4兆5,000億ドルを拠出、道路や橋梁の修復に170億ドル、水道管の工事に45億ドル、ブロードバンド通信網敷設に130億ドルを充当する見込みで、工業金属需要の増加に繋がる。

これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。

また、投機的な買いは続いており、投資銀行を中心に「脱炭素」をテーマに市場参加者に非鉄金属に投資を促す動きが強まっていることから、投機的な動きが当面高値に押し上げることになるだろう(逆にドル高進行、株安の局面では大きな下落圧力となる)。

弊社はベンチマークである銅の価格が、指定倉庫在庫の水準から判断するに1,000ドル程度高いと見ていたが、「テーマ性(今は市場では「脱炭素銘柄」とされている)があること」から、水準感は9,000ドル~11,000ドルに切り上がっていると判断せざるを得ない。

しかし、それでも中期的には調整圧力が強まる展開になるとの予想は、現時点では変更する必要はないと考えている。中国政府が国内バブルを警戒する姿勢を強めていること、米経済統計回復に伴うドル高進行、早ければ2021年末頃から始まる可能性がある、米テーパリング開始の可能性、生産国の生産が回復する可能性が高いことが材料。

米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高いと言える。

具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要するだろう。

5月の中国製造業PMIは51.0(前月51.1)と市場予想の51.1と前月を小幅に下回った。ただし閾値の50は上回っており中国の製造業活動は拡大過程にあることには変わりはない。

内訳を見ると生産が安定(52.2→52.7)する一方で、新規受注(52.0→51.3)、輸出新規受注(50.4→48.3)、受注残(46.4→45.9)と需要面に減速が見られている。

恐らく、原材料価格の高騰や中国政府の過剰投資抑制方針が徐々にボディブローのように効いていると考えられる。人民元高進行も輸出に重石と考えられる。

工業金属価格に対する説明力が高い新規受注在庫レシオは、完成品が1.10(前月1.11)、原材料が1.08(1.08)と両指数ともほぼ横ばい。

これまで非鉄金属価格の上昇を牽引しているのは中国の住宅セクターであるが、5月の中国の建設業PMIは60.1(57.4)と再び回復。悪天候の影響などで減速していた前月から急速に回復した。

住宅セクター向けの一連の建材需要は旺盛であるが、中国政府は住宅セクターの加熱を警戒していること、素材価格の上昇が活動を減速させる可能性があるため、やはり先行きの国内向けの需要はそれほど大きく回復はしないだろう。

その中で輸出向けの需要が欧米との対立と人民元高の中でどれだけ回復出来るかが、次の焦点となる。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・期待されていた米国のインフラ投資規模が、議会の反対で減額ないしは延期される場合(下落リスク)。

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資(2兆ドルのクリーンインフラ投資など)を議会の採決を得て実行に移す場合(上昇リスク)。

・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(上昇リスク)。

・中国の環境規制強化に伴う供給の減少。エネルギー排出量の多い新疆ウイグル自治区でのアルミ生産は減産の影響は既に材料視されている(供給減少でアルミ価格の上昇要因に)。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・チリやペルーで広がる左派勢力伸長に伴う大衆迎合的な政策が可決し、鉱山生産に過剰なロイヤルティが適用される場合(供給減少ないしは生産コスト上昇で価格の上昇要因)。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

【投機筋のポジション動向】・LMEのファンド筋のポジションは、鉛以外の商品のロングが減少、総じてネットロングが減少した。中国政府の価格上昇抑制策の実施やドル高や株安を契機とする利益確定の動きが強まったためと見られる。

・LME投機筋買い越し金額 前週比▲8.3%の282億ドル(前週 308億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比▲5.9%の6,033.0千トン(前週 6,410.3千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、米中のインフラ投資による建材向け需要増加観測を背景に、高値を維持すると予想する。

またこれまでの経済対策の影響で、中国国内の鉄鋼原料在庫日数の水準が低いことから(鉄鋼製品在庫の水準は増加)在庫積み増し需要も継続する可能性が高い。

ただし、中国政府は景気刺激と同時に住宅セクターのバブルを懸念し始めており、住宅取得規制の動きも見せていること、先物取引市場での監視強化(証拠金引き上げや値幅制限、投機取引の監視など)から、徐々に水準を切り下げる展開を予想。

また、中国共産党は2021年から始まる新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。温室効果ガスの排出削減を目的として、業界として二酸化炭素の輩出の多い鉄鋼業(とアルミ生産業)の生産量を前年比でマイナスとする方針であり、鉄鋼製品向けの需要が減少することから、年後半に掛けては価格は下落すると予想する。

最大生産都市である唐山市は、2021年20日~12月31日まで、大気汚染基準に違反し、データを改ざんした4社は3月20日~6月末まで▲50%、7月~12月末まで▲30%減産、その他の16社は12月末まで▲30%の減産を新たに実施することを義務づけられた。

また、Q221には邯鄲市も生産管理措置を導入する見通しであり、鉄鋼製品供給は制限される可能性が高い。

これにより、唐山市の粗鋼生産は前年比▲2,223万トンの1億2,177万トン、鉄鉱石需要は▲3,500万トン減少するとみられている。ただし今のところ鉄鋼製品価格は高値圏を維持しており、鉄鉱石価格も高止まりしている。

5月の中国鉄鋼業PMIを見ると、総合指数は46.1(前月45.4)と改善。生産が回復(47.0→51.4)した影響が大きい。しかし、新規受注(44.4→39.4)、輸出向け新規受注(51.7→43.9)と軒並み需要面が減速している。

国内の新規受注の減速は資源価格の上昇と国内バブル抑制方針に中国政府が舵を切っていること、輸出向けの減速は5月1日から鋼材輸出の増値税還付が撤廃されたことが影響したとみられる。

需要の減少で目安となる新規受注・在庫レシオは、新規受注完成品レシオが0.91(前月1.29)と低下、新規受注原材料レシオは0.99(1.25)と大幅に低下しており、原材料・鉄鋼製品とも価格の下押し圧力が強まる展開が予想される。

しかし、鉄鋼原料価格の上昇を牽引してきた住宅セクターに関しては、5月の中国の建設業PMIは60.1(57.4)と、悪天候の影響などで減速していた前月から急速に回復。短期的には鉄鋼需要が底堅く推移する可能性が高いことを示唆している。

とはいえ、住宅セクター向けの一連の建材需要は旺盛であるが、中国政府は住宅セクターの加熱を警戒していること、素材価格の上昇が活動を減速させる可能性があるため、やはり先行きの国内向けの需要はそれほど大きく回復はしないだろう。

4月の中国の鉄鋼製品の輸入は前年比+16.2%の117万4,000トン(前月+15.8%の132万トン)と伸びが増加、過去5年レンジの上限で推移している。

3月の中国粗鋼生産は9,785万トン(前月9,402万トン、2月8,305万トン、1月 9,024万トン、12月9,125万トン、11月 8,766万トン)と同じ時期の過去5年最高水準を大きく上回っている。

その一方、4月の鉄鋼製品の輸出は前年比+26.2%の797万3,000トン(前月+16.4%の754万トン)と加速し、過去5年平均を維持。国内需要の減速と、海外情勢の回復による輸出需要の増加の両面の影響だろう。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが、在庫水準は前週比▲33万4,000トンの1,481万トン(過去5年平均 1,145万7,000トン)と、例年の在庫取り崩しペースを下回っている。中国当局の景気過熱沈静化の動きの影響が顕在化しつつあると言える。

原料である鉄鉱石の4月の輸入は前年比+3.0%の9,857万トン(前月+18.9%の1億211万トン)と鈍化した。しかしそれでもこの時期の輸入量としては過去5年のレンジを大きく上回っている。引き続き鉄鉱石需要は旺盛と見られる。

鉄鉱石港湾在庫は前週比+15万トンの1億2,850万トン(過去5年平均1億2,671万6,000トン)、在庫日数は24.2日(過去5年平均 29.0日)と例年と比較して在庫日数の水準は低い。

原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。

しかし、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから、海上輸送原料炭価格の上値も重い。

3月の中国の原料炭輸入は前年比▲13.0%の491万トン(前月▲39.6%の323万トン)と減少している。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は前週比+5万トンの174万トンと過去5年平均の162万2,000トンを上回っている。

在庫日数は前週比+0.2日の6.1日と、過去5年の平均である7.0日を下回っており、需要を考慮すると原料炭需給はまだタイトな状態にあると言える。

【見通しの固有リスク】

・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク。

・中国とインドの国境紛争の激化で、インドが中国に対して鉄鉱石輸出を制限する可能性(中国のFOBインデックスは上昇、その他の地域の鉄鉱石価格は低下)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

<<金>>

金は高値圏での推移を継続すると考える。長期金利の上昇圧力がやや緩和していること、市場での期待インフレ率の高まりで実質金利に低下圧力が掛っていることが材料。また、「金の競合となると(勝手に)期待された仮想通貨が下落」していることで、改めて安全資産としての金需要が戻っていることも高値圏を維持する要因となっている。

とは言え、米景気の相対的な回復期待の強さからドル高・長期期金利(緩やかに)上昇圧力が強まると予想され、中期的な見通しは弱気。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,605ドル。そこからの乖離(リスク・プレミアム)は303ドルと昨日から+8ドル上昇。

リスク・プレミアムは、過去3ヵ月平均で200ドル、6ヵ月で214ドル、1年で230ドル、5年で165ドルとなっている。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

<<銀>>

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、68.0倍。過去1年を基準にすると75倍、5年では80倍、2000年以降では65倍程度が妥当。

今後、さらに金銀レシオが低下するには、実際に太陽光パネルの設置が米国で進捗するなどの新規材料が必要になるのではないか。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

<<PGM>>

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。プラチナの需給バランスはWPICデータを元にすると今年も除く投機で供給過剰であり、投機動向が価格を左右しやすい。

金価格が米長期金利の低下で再び高値で推移していることから、投機的な観点でプラチナにも上昇圧力が掛りやすい地合い。

仮に脱炭素が進んで水素が用いられ、燃料電池が進むのであればプラチナの構造的な需要が増加するシナリオは、需要・価格面でのポジティブリスクシナリオ。投機の比率が高い商品であるため、こうした観測記事だけでも材料に価格が反応しやすい。

パラジウムは景気正常化期待による金価格調整→経済正常化による需要増加、ロシア生産者からの供給減少観測を受けて高値を維持すると考える。

自動車生産が回復すれば再びパラジウム供給不足が発生し、ETFの残高減少と価格上昇が同時に発生する可能性が高いとみている。

4月の米自動車販売は年率1,851万台(前月1,775万台、市場予想1,764万台)と回復継続。

中国の4月の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で前年比+8.8%の225万台(前月+76.5%の252万5,000台、2月+371%の146万台、1月+30%の250万台、12月+6.4%の283万台、11月+12.7%の276万9,666台、10月+12.6%の257万3,000台、9月+13.0%の256万5,201台)と伸びが減速を始めている。

【見通しの固有リスク】

・個人投資家のETFを通じた買いが、経済合理性を無視した水準まで貴金属価格を押し上げるリスク。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・コロナからの回復は各国まだらであり、先行する米国が金融正常化に動いた場合、新興国から資金が流出して信用リスクが高まる場合(安全資産価格の上昇要因)。

・米中の対立激化。バイデン政権は対中強硬姿勢を明確にしており、対立がさらに激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが288,266枚(前週比 ▲2,001枚)、ショートが73,624枚(▲17,754枚)、ネットロングは214,642枚(+15,753枚)、銀が86,013枚(▲627枚)、ショートが35,531枚(▲128枚)、ネットロングは50,482枚(▲499枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが38,188枚(前週比 ▲686枚)ショートが15,201枚(+2,141枚)、ネットロングは22,987枚(▲2,827枚)

パラジウムが5,508枚(▲612枚)、ショートが3,615枚(+32枚)ネットロングは1,893枚(▲644枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

トウモロコシ・大豆は軟調な推移になると考える。これまでラニーニャ現象が価格上昇要因となっていたが、米海洋気象局はラニーニャが終了したと宣言したことで、テクニカルな売りの動きが強まると予想されるため。

今後は夏場から秋の収穫期にかけてのエルニーニョ現象発生が材料視されることになり、総じて軟調な推移になりやすい。当面はチャートのテクニカル分析に基づくチャートポイントが価格の目処となる。

ただし、米需給報告・作付け意向面積の結果、中国の需要継続を背景に需給タイト化観測は根強く、下落余地も限定されると考える。

Locust WatchではFAOの予想通り、降雨がなかったため群生相の発生は極めて抑制されている。Locust Watchでも今のところ差し迫った危機の発生リスクは指摘されていない。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210527DLupdate.jpg

【見通しの固有リスク】

・エルニーニョ現象発生による生産条件改善を受けた増産観測(価格の下落要因)。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米作付け意向面積トウモロコシ 9,114万エーカー(市場予想9,313万エーカー、前年9,699万エーカー)大豆 8,760万エーカー(9,010万エーカー、8,351万エーカー)小麦 4,636万エーカー(4,495万エーカー、4,466万エーカー)綿花 1,204万エーカー(1,215万エーカー、1,370万エーカー)

・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)

・5月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 179.5Bu/エーカー(179.5、172.0)大豆 50.8Bu/エーカー(50.9、50.2)小麦 50.0Bu/エーカー(NA、49.7)

・5月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 149億9,000万Bu(150億2,931万Bu、141億8,200万Bu)大豆 44億500万Bu(44億3,105万Bu、41億3,500万Bu)小麦 18億7,200万Bu(18億7,715万Bu、18億2,600万Bu)

・5月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 24億5,000万Bu(NA、26億7,500万Bu)大豆 20億7,500万Bu(NA、22億8,000万Bu)小麦 9億Bu(NA、9億6,500万Bu)

・5月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 15億700万Bu(13億2,715万Bu、13億5,200万Bu)大豆 1億4,000万Bu(1億3,319万Bu、1億2,000万Bu)小麦 7億7,400万Bu(7億5,132万Bu、8億5,200万Bu)

・3月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 77億100万Bu(77億7,024万Bu、112億9,400万Bu)大豆 15億6,400万Bu(15億2,829万Bu、29億4,700万Bu)小麦 13億1,400万Bu(12億7,116万Bu、17億300万Bu)

・5月CONABブラジル作付け面積(市場予想/前月)トウモロコシ 1,987万ha(1,971万ha、1,972万ha)大豆 3,850万ha(3,864万ha、3,847万ha)

・5月CONABブラジル生産量(市場予想/前月)トウモロコシ 1億642万トン(1億112万トン、1億897万トン) 単収 5,355kg/ha(5,132Kg/ha、5,526kg/ha)大豆 1億3,541万トン(1億3,614万トン、1億3,554万トン) 単収 3,517kg/ha(3,526Kg/ha、3,523kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが518,145枚(前週比 ▲25,917枚)、ショートが89,719枚(+5,135枚)ネットロングは428,426枚(▲31,052枚)

大豆はロングが275,409枚(▲9,323枚)、ショートが54,354枚(▲2,037枚)ネットロングは221,055枚(▲7,286枚)

小麦はロングが117,162枚(▲11,792枚)、ショートが98,751枚(▲4,455枚)ネットロングは18,411枚(▲7,337枚)

◆本日のMRA's Eye


「中国は外需主導の回復への移行を企図か」

昨日発表された中国の一連のPMIは、中国の政策主導の回復がそろそろ限界に近づきつつあることを示唆する内容だった。

5月の中国製造業PMIは51.0(前月51.1)と市場予想の51.1と前月を小幅に下回った。ただし閾値の50は上回っており中国の製造業活動は拡大過程にあることには変わりはない。

内訳を見ると生産が安定(52.2→52.7)する一方で、新規受注(52.0→51.3)、輸出新規受注(50.4→48.3)、受注残(46.4→45.9)と需要面に減速が見られている。

恐らく、原材料価格の高騰や中国政府の過剰投資抑制方針が徐々にボディブローのように効いていると考えられる。人民元高進行も輸出に重石と考えられる。

工業金属価格に対する説明力が高い新規受注在庫レシオは、完成品が1.10(前月1.11)、原材料が1.08(1.08)と両指数ともほぼ横ばい。

これまで非鉄金属価格の上昇を牽引しているのは中国の住宅セクターであるが、5月の中国の建設業PMIは60.1(57.4)と再び回復。悪天候の影響などで減速していた前月から急速に回復した。

住宅セクター向けの一連の建材需要は旺盛であるが、中国政府は住宅セクターの加熱を警戒していること、素材価格の上昇が活動を減速させる可能性があるため、やはり先行きの国内向けの需要はそれほど大きく回復はしないだろう。

鉄鋼業PMIについても検証してみると、総合指数は46.1(前月45.4)と改善。生産が回復(47.0→51.4)した影響が大きい。しかし、新規受注(44.4→39.4)、輸出向け新規受注(51.7→43.9)と軒並み需要面が減速している。

国内の新規受注の減速は資源価格の上昇と国内バブル抑制方針に中国政府が舵を切っていること、輸出向けの減速は5月1日から鋼材輸出の増値税還付が撤廃されたことが影響したとみられる。

需要の減少で目安となる新規受注・在庫レシオは、新規受注完成品レシオが0.91(前月1.29)と低下、新規受注原材料レシオは0.99(1.25)と大幅に低下しており、原材料・鉄鋼製品とも価格の下押し圧力が強まる展開が予想される。

また、このタイミングで中国人民銀行は銀行の外貨準備の基準を5%から7%に引き上げることを決定している。これは人民元高を抑制することが狙と見られる。

これまで中国は国内の投資促進や資金流出を抑制するために人民元高を容認してきた。しかし、公的セクターに牽引される形での景気回復をそろそろ止めたい、と考えている可能性は高く、徐々に外需主導の回復にシフトする戦略に移行すると考えられる。

つまり、これまでは「人民元高→輸入増加・輸出抑制→国内の鉱物資源確保」の戦略から「人民元安→輸入抑制・輸出促進→中国向け鉱物資源需要減速」に徐々に移ろうとしている可能性があることを示唆している。

しかし、中国との貿易を欧米がすんなり受け入れるのか、という問題もあり中国政府が思うとおりにはなり難いと考える。

◆主要ニュース


・4月日本鉱工業生産速報  前月比+2.5%(前月改定+1.7%)前年比+15.4%(+3.4%)
 出荷+2.6%(+0.4%)、+15.7%(+3.4%)
 在庫▲0.1%(+0.4%)、▲9.8%(▲9.8%)

・5月日本消費者態度指数 34.1(前月34.7)

・4月日本住宅着工戸数 前年比+7.1%の88.3万戸(前月+1.5%の88.0万戸)

・5月中国製造業PMI 51.0(前月51.1)、生産 52.7(52.2)
 新規受注 51.3(52.0)、輸出新規受注 48.3(50.4)
 受注残 45.9(46.4)、サプライヤー納期 47.6(49.6)
 輸入 50.6(51.1)
 完成品在庫 46.5(46.8)、原材料在庫 47.7(48.3)

・5月中国鉄鋼業PMI 46.1(前月45.4)、生産 51.4(47.0)
 新規受注 39.4(44.4)、輸出新規受注 43.9(51.7)
 完成品在庫 43.4(34.4)、原材料在庫 40.0(35.5)

・5月中国非製造業PMI 55.2(前月54.9)、新規受注 52.2(51.5)
 新規輸出 47.6(48.1)、受注残 44.7(45.8)
 サプライヤー納期 50.8(50.9)、在庫 47.2(47.2)
 雇用 48.9(48.7)

・4月ユーロ圏マネーサプライM3 前年比+9.2%(前月改定+10.0%)

・Q121トルコGDP 前年比+7%(前期+5.9%)

・4月インド財政収支 ▲7,869億9,000万ルピーの赤字(前月▲4兆1,591億4,000万ルピーの赤字)

・2021年インドGDP予想 前年比▲7.3%(前年+4.0%)

・5月独消費者物価指数 前月比+0.3%(前月+0.7%)
 前年比+2.4%(+2.1%)

・2021年5月OECD GDP見通し 2021年、2022年
 世界 +5.8%(前回調査時比+0.2%)、+4.4%(+0.4%)
 米国 +6.9%(+0.4%)、+3.6%(▲0.4%)
 ユーロ圏 +4.3%(+0.4%)、+4.4%(+0.6%)
 日本 +2.6%(▲0.1%)、+2.0%(+0.2%)
 中国 +8.5%(+0.7%)、+5.8%(+0.9%)
 インド +9.9%(▲3.3%)、+8.2%(+2.8%)
※カッコ内は前回見通し比。

・中国人民銀行、金融機関の外貨準備率を5%から7%に引き上げ。人民元の急上昇を抑制する狙い。

・中国政府、夫婦の子供3人まで認める方針。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】

・OPECプラス共同技術委員会(JTC)、今年の原油需要は600万バレル増加する見通し。今年の供給量は▲140万バレルの不足とし、当初の▲120万バレルから不足幅が拡大する見通しを示した。

・OPECバルキンド事務局長、「イランの生産と輸出の世界市場への復帰が秩序と透明性のある方法で行われるものと期待している。」

・6月サウジアラムコ プロパン価格530ドル(前月比+35ドル)ブタン 525ドル(+50ドル)

・イラン ザンギャネ石油相、「次期イラン政権は生産量を650万バレルに引き上げることを最優先にすべきだ。」

・イラン ハティブザデ報道官、「イランの核合意復活に向けた協議は大きく進展したが、解決しなければならない問題が複数残っている。」

・5月OPEC原油生産 前月比+28万バレルの2,552万バレル。OPEC減産遵守率は122%(前月123%)。国別ではサウジアラビアが+34万バレル、イラクが+7万バレル、リビアが+6万バレル、ナイジェリアは▲11万バレル、イランは▲10万バレル。

・イスラエル野党連立政権発足の可能性。この場合、ネタニヤフ首相は失脚することに。

【メタル】

・BHP Billiton鉱山労働者、賃金に関する申し出を99%の労働者が拒否、ストライキを選択。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ニューキャッスル炭 ( エネルギー )/ +12.17%/ +47.70%
2.ビットコイン ( その他 )/ +4.18%/ +26.54%
3.SHFニッケル ( ベースメタル )/ +1.52%/ +6.58%
4.SHF錫 ( ベースメタル )/ +1.36%/ +38.76%
5.欧州排出権 ( 排出権 )/ +1.32%/ +58.39%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.MDEパーム油 ( その他農産品 )/ ▲6.44%/ +3.42%
65.SGX天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲2.55%/ +2.97%
64.SHF天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲2.29%/ ▲2.72%
63.日経平均 ( 株式 )/ ▲0.99%/ +5.16%
62.ICE Brent ( エネルギー )/ ▲0.45%/ +33.82%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :休場( - )
S&P500 :休場( - )
日経平均株価 :28,860.08(▲289.33)
ドル円 :109.58(▲0.27)
ユーロ円 :133.98(+0.05)
米10年債 :1.59(±0.0)
中国10年債利回り :3.07(▲0.01)
日本10年債利回り :0.09(+0.00)
独10年債利回り :▲0.19(▲0.00)
ビットコイン :36,690.89(+609.80)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :28.69(+0.17)
エネルギー :26.08(▲0.5)
ベースメタル :30.96(+0.38)
貴金属 :19.40(▲0.06)
穀物 :30.13(▲1.37)
その他農畜産品 :31.06(+1.13)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :29.79(▲1.05)
Brent :26.90(▲1.01)
米天然ガス :29.42(+0.34)
米ガソリン :25.67(▲0.53)
ICEガスオイル :21.58(▲1.24)
LME銅 :27.06(▲0.22)
LMEアルミニウム :26.57(▲0.56)
金 :19.90(▲1.14)
プラチナ :21.96(+0.01)
トウモロコシ :46.84(▲4.33)
大豆 :19.90(▲1.14)

【エネルギー】
WTI :66.32(▲0.53)
Brent :69.32(▲0.31)
Oman :67.20(▲0.24)
米ガソリン :214.02(▲1.16)
米灯油 :204.45(▲1.19)
ICEガスオイル :567.25(+1.75)
米天然ガス :2.99(+0.03)
英天然ガス :休場( - )

【貴金属】
金 :1906.87(+3.10)
銀 :28.03(+0.09)
プラチナ :1190.14(+5.70)
パラジウム :2831.50(+6.31)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :休場( - )
亜鉛 :休場( - )
鉛 :休場( - )
アルミニウム :休場( - )
ニッケル :休場( - )
錫 :休場( - )
コバルト :43,615(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :10274.50(▲19.00)
亜鉛 :3073.50(+11.00)
鉛 :2200.00(▲5.50)
アルミニウム :2506.00(+19.50)
ニッケル :18195.00(+160.00)
錫 :30990.00(+760.00)
バルチック海運指数 :2,596.00(▲92.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :198.38(+2.99)
SGX鉄鉱石 :205.69(+0.70)
NYMEX鉄鉱石 :休場( - )
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :124.91(▲0.21)
大連原料炭先物 :252.98(▲2.50)
上海鉄筋直近限月 :4,842(+87)
上海鉄筋中心限月 :5,030(+123)
米鉄スクラップ :休場( - )

【農産物】
大豆 :1530.50(▲6.50)
シカゴ大豆ミール :395.50(+5.20)
シカゴ大豆油 :65.79(▲1.02)
マレーシア パーム油 :4024.00(▲277.00)
シカゴ とうもろこし :656.75(▲7.75)
シカゴ小麦 :663.50(▲12.75)
シンガポールゴム :229.00(▲6.00)
上海ゴム :13225.00(▲310.00)
砂糖 :休場( - )
アラビカ :休場( - )
ロブスタ :休場( - )
綿花 :休場( - )

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :休場( - )
シカゴ生牛 :休場( - )
シカゴ飼育牛 :休場( - )

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。