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米増税観測で続落もFOMC景気楽観で下げ幅削る
  • MRA商品市場レポート

2021年5月20日 第1958号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米増税観測で続落もFOMC景気楽観で下げ幅削る」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は軒並み下落し、弊社が重要と考えてウォッチしている商品66品目のうち、上昇したのは16品目に過ぎず、上昇したモノは農畜産品や米国時間外だった日欧債券などだった。

背景は、イエレン議長の増税発言などを契機とする、株式市場での利益確定の動きの強まり。株式市場の市場参加者は投機目的の参加者しか存在しないため(構造的に実需、という定期的に購入を続ける消費者、定期的に株を供給する生産者がいる訳ではないため)、投機目的の市場参加者の動向を測る上での指標となる。

特に今年の4月以降は米長期金利の低下で投機的な取引が商品市場の価格決定に大きな影響を与えていたが、これらが一旦手仕舞いの動きを強めたためと考えられる。しかし、FOMC議事録で先行き景気に楽観的な見通しが示されたことで、ドル高が進行したものの米国時間の引けにかけて下げ幅を削る商品が目立った。

市場参加者は商品市場において、景気回復期待による期待需要が、実際にそれが顕在化するかどうかに焦点を移しつつあると考えられる。

【本日の見通し】

本日は景気回復の期待の高まりと、それに伴う金融政策変更の可能性という強弱材料が混在する中でもみ合うものと考える。

ただし、昨日、下落が大きかった商品も多いため本日はまず買い戻しが入ると予想される。まだテーパリングが始まった訳ではなく、総じてレンジワークから脱していないと考えられるため。

その意味で、再び経済統計に注目が集まる。足下、物価関連の統計に敏感に反応しているが、同じ遅行指標であり物価関連指標への説明力が高い米週間新規失業保険申請件数(市場予想 45万件、前週 47.3万件)に注目している。

また、ISM製造業指数の先行指標であるフィラデルフィア連銀製造業指数(市場予想41.0、前月50.2)に注目している。

大幅な減速見込みであり予想通りであるならば長期金利が低下し、株やドル安進行でドル建て資産にもプラスに作用するだろう。また内数である新規受注(前月36.0)と、入荷遅延指数(27.8)にも注目したい。

【セクター別動向と見通し】

◆エネルギー

原油価格は下落した。株価の下落に歩調を合わせる形で水準を切り下げる展開となった。ただしFOMC議事録で景気の先行きに楽観的な見方が示されると、ドル高進行にもかかわらず下げ幅を削る展開となった。

昨日発表の米石油統計は原油が予想通り、石油製品は強気な内容だった。

原油は生産が変わらず、輸入は増加(+0.9MBD)、稼働率は上昇(+0.2%)、在庫は+1.3MBの増加となった。在庫日数は変わらずの31.1日と、過去5年平均に。需給バランスは通常の状態に復帰したと言える。

原油価格に影響が大きいクッシング在庫は▲142KB(▲421KB)と減少。輸入が増加(+0.3MBD)と増加したが、製油所の稼働率が上昇(+0.1%)したことが影響した。クッシングの在庫スペースの稼働率は57.0%(58.0%)と低下。

石油製品在庫は、ガソリン(▲2.0MB)、ディスティレート(▲2.3MB)と減少。サイバー攻撃の影響で製品輸送に影響がでていたことの反動があったと見られる。

石油製品はコロナショック後以降、出荷動向に注目しているが、米ガソリン出荷は前年比+41.7%の8.94MBD(前週+55.5%の8.91MBD)と増加、コロナの影響がなかった2019年と比較すると▲5.0%(▲6.0%)とまだ下回っている。

ディスティレートは前年比+24.5%の4.12MBD(+33.6%の4.07MBD、2019年比+3.0%(+6.7%))とこちらも回復した。

製品全体では、前年比+19.1%の19.21MBD(+23.1%の19.08MBD、2019年比▲3.5%(▲5.1%))と、ガソリン・ディスティレートと同様回復した。

輸出は+23.8%の5.36MBD(+14.5%の5.37MBD、2019年比+3.3%(+1.6%))と回復。出荷+輸出は+20.1%の24.57MBD(+21.1%の24.46MBD、2019年比▲2.1%(▲3.7%))と回復した。

全体の出荷・輸出は過去5年平均を回復しており需要は堅調。ただし、プレ・コロナの2019年水準を回復するには、米国内での人・モノの移動制限が解除されることが必要条件になると考える。

米国でのワクチン接種進捗が反バイデン(親トランプ)、そもそもワクチンを信用していないなどの問題で減速傾向にあるため、当初想定していた夏のタイミングで米国が移動制限を完全に解除出来るかどうかは微妙になってきた。

石炭価格(豪州炭)は横ばい。中国の経済活動の回復や脱炭素に伴う供給減少が引き続き材料視され価格が高値を維持している。

ただし、中国の石炭輸入動向の指標の1つであるバルチック海運指数は昨日も続落しており、中国の石炭調達が一巡し、欧米の航空機による移動制限解除の動きが一部始まっていることなどが顕在化し始めている可能性がある。

JKMは続落。欧州の天然ガス市場需給の緩和観測に加え、欧州排出権価格が下落したことも影響した。排出権価格の下落は英国のEU離脱に伴い、英国で新しい排出権取引が始まったことによって需給が緩和したため、と見られる。

また、世界的な株安による手仕舞い・利益確定の動きもあったと考えられる。

欧州天然ガスはロシアの供給増加観測や、排出枠価格の下落を受けて軟調、米国天然ガスも気象状況の改善見通しを受けて下落。

5月10日~16日の世界のLNG取引750万トンのうち230万トンがスポットで取引された。先週から▲30万トン減少。国別では、日本、韓国、中国の調達が増加したが、台湾、インド、英国の調達が減少している。

本日は原油は昨日の下落が大きかったこと、FOMCで景気に楽観的な見方が示されたことで一旦買い戻しが入るが、イラン核合意の進捗期待やテーパリングを意識したドル高が上値を抑え限定的な戻りになると思われる。

石炭・LNGは夏に向けた在庫積み増しの動きがアジア・欧州で旺盛とみられ、高値圏を維持するとみるが、欧州需給の緩和や欧州排出枠価格の続落でガスはやや軟調、石炭は堅調な推移になると考える。

◆非鉄金属

LME非鉄金属価格は下落後上昇した。株価の下落が続き市場参加者のリスク回避の動きが強まったが、FOMCで景気の先行きに楽観的な姿勢が示されたことでドル高ながらも下げ幅を削る展開となった。

本日は昨日の流れ(FOMCを受けた株の戻りなど)を受けて反発すると考える。しかし同時に景気への楽観や米テーパリングが意識されるためドル高となり、上値も重いと考える。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは下落、大連先物は下落、豪州原料炭スワップ先物は小幅上昇、大連原料炭先物は下落、上海鉄鋼製品先物は大幅に下落した。

世界的な株安の流れを受けて、先物市場では利益確定の動きが強まったためと考えられる。ただし、中国の鉄鋼製品・鉄鋼原料需給を巡る環境は大きく変化していない。

本日も株価動向次第であるが、先物は軟調に推移するものの、FOMCを受けた米景気の楽観から恐らく下げ止まるとみられ、先物にも買い戻しが入ると予想され、底堅い推移になると予想。

◆貴金属

金銀価格は乱高下した結果前日比ほぼ変わらずで引けた。株価動向というよりはドル指数動向の影響が大きく、ユーロ圏のCPI改定の水準を受けたドル安進行やFOMC議事録を受けたドルの上昇で上昇後、下落している。

銀やプラチナ、パラジウムは工業金属としての色彩が金よりも強いため、金と同じような相場展開だったが前日比マイナスで引けている。

本日は昨日のFOMCを受けたドル高進行が予想されるため、総じて軟調な推移になると予想。

◆穀物

穀物価格はまちまち。トウモロコシは利益確定の動きで軟調だったが、米石油統計で米エタノール生産が急増したことで、エタノール向けの需要増加観測が台頭、米国時間の後場にかけて水準を切り上げた。

大豆・小麦はドル高進行で利益確定の動きが継続、このコラムで指摘している50日移動平均線のサポートラインが意識される展開。

当面はチャートのテクニカル分析に基づくチャートポイントが価格の目処となるが、50日移動平均線が目先の下値目処に。トウモロコシは625セント、大豆は1,485セント、小麦は670セント。

本日も利益確定の売りに押される形で軟調推移を予想も、チャート的に下げ止まる可能性が高く、反発すると予想。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

昨日のFOMC議事録はある意味常識的な内容だった。米国経済が順調に回復しているため、どこかのタイミングでテーパリングについては議論しなければならない、という表現があった。同時に景気に対しては楽観的な見通しが示されている。

このことは、米経済が正常化に向かっており、景気刺激や市場の混乱を回避するために行ってきた金融緩和を解除することを意味するが、このことは「金融緩和や過剰な政策期待で発生していた上澄みがなくなる」ことを表し、適正な水準にいろいろなリスク資産価格は収れん(下落)することになるだろう。

しかし、トランプ政権時代の失業率と、現在の失業率は比べものにならずこのタイミングで正常化を強力に推し進めることは政治的にはプラスではない。

対中政策・国際的な包囲網形成を達成するためにも米民主党は支持率を上げなければならないからだ

しかし、ワクチン接種は進捗しているものの、そもそもワクチンを信じていない国民や「親トランプ勢」がワクチン接種を拒む可能性があり、ここからさらに接種率を上げるのは今までと同じペースでは難しいのではないか。

その観点ではバイデン政権が今年の夏のバケーションシーズンまで、としていた「コロナ収束」に微妙に黄色信号が点っていることもまた事実だろう。その意味でも緩和解除はまだ先、と考えるのが妥当ではないか。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・来年の中間選挙を控えて、バイデン大統領が国内の支持を得られない場合。恐らく選挙を考えると今年の夏までが勝負。

財政面や企業負担増の理由から造反が発生し、議会を通過しない場合は景気のリスクに(景気減速要因)。

・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならないが、足下、どの中央銀行・政府も景気過熱は意識しているものの沈静化させるタイミングと判断していないため、しばらくは顕著な価格上昇リスクとなる見込み。

常識的に考えると今年の年末頃からテーパリング開始の見通しとなるが、来年の米中間選挙を控えて米政権がテーパリング実施にクギを刺す可能性がある。この場合、2022年にかけて、さらにリスク資産価格が上昇する可能性も。

・コロナウイルスの感染再拡大(または新たなウイルスの発生、効くと期待しているワクチンが変異種などを対象にそれほど今夏がなかった場合、など)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合(価格下落要因)。

これは既に欧州、インド、日本などで顕在化。

逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は高くなった。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格は高値でもみ合うものと考える。最大消費国である米国の経済統計は良好なものが多いこと、DOEやOPECなどの見通しは需給ファンダメンタルズがさらにタイト化する見通しであることが背景。

しかし、OPECの増産バイアスは強まり、米国のイランに対する制裁が解除される可能性が高まっていること、コロナの変異種拡大の影響が続くインドや欧州の回復にはまだ時間がかかること、米景気の回復期待で米長期金利上昇・ドル高圧力がかかるシナリオは依然、メインシナリオであり調整圧力が上昇圧力を上回る可能性は低くない。

なお、米国のイラン核合意復帰に向けた動きが進んでおり、サウジアラビアも米国の軍事的な支援を得られなくなったことでイランとの距離を縮める動きを見せていることから、当面、原油価格には下押し圧力になると見られる。

ただ、イスラエル・パレスチナの対立がイランに波及する場合(イスラエルに対する攻撃をしているハマスを支援している可能性。ハマスはスンニ派だが、イランが反イスラエルの文脈で武器を供与したことあり)、イラン核合意に米国が復帰しなくなるため、供給懸念が強まり価格の上昇要因となるが確度の低いリスクシナリオの位置づけ。

金融面に関しては、常識的に考えれば経済活動の再開で2022年頃(早ければ今年の年末)から米国でテーパリングが始まり、過去の例を考えると長期金利の上昇などを通じてリスク資産価格には一時的に調整圧力が強まる可能性は高い。そのため、2022年には一旦調整局面があり、その後、持続可能な上昇になると予想する。

【見通しの固有リスク】

・ワクチン接種の進捗が想定よりも早まり、人の移動制限が解除され需要増加に供給が間に合わず、価格が急騰するリスク(供給の時間差リスク)。

同時に変異株が猛威を振るい、ワクチンが効かない場合(需要減少で下落リスク)。

・米国経済が正常化する中で急速なドル高が進行し、投機的な売り圧力が高まる場合。

・OPECプラスの増産タイミングの見誤りによる、供給不足(価格上昇要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

などが価格上昇要因に。

・バイデン政権がシェールオイルのフラッキングやパイプライン敷設を制限/禁止する場合、供給減少で価格上昇要因に。

また、イランに対する制裁が緩和される場合、原油価格の下落要因に。

・米国の橋渡しでイランとサウジを初めとするスンニ派諸国が和解し、巨大なイスラム教圏が誕生した場合。

リスクシナリオの位置づけだったが、「巨大なイスラム圏」ができることにはならないが、バイデン政権誕生によってサウジアラビアはイランと関係改善に動かざるを得なくなっており、域内の緊張緩和観測が強まっている。

【石炭価格見通し】

海上輸送石炭価格は下落に転じると考える。欧州排出枠価格の下落や夏場に向けた石炭調達一巡の期待から。しかしそれでも中国の製造業活動の回復とそれを受けた電力向け需要は堅調と見られ、調整があるといっても高値圏維持を予想。

中国政府は国内炭の供給能力増強にシフトしているが、経済活動の回復に供給が十分ではない。

ただし、豪州との対立や、環境規制強化の中で石炭需要は減速するとみられること、非常に矛盾するが国内生産を増加させていることから海上輸送炭価格の上値は重くなると予想される。

4月の石炭輸入は前年比▲29.8%の2,173万トン(前月▲1.8%の2,733万トン)と減少に転じた。中国国内の電力需要が回復していることで輸入が増加していたが、調達に目処が立った可能性がある。

ただ、中国の石炭輸入需要の指標であるバルチック海運指数が高い水準を維持していることを考慮すると、まだ輸入は高水準で推移する可能性が高いと考える。

燃料炭の港湾在庫の水準を見るに、需要減速・国内生産が同時に起きていると予想される。よって、石炭価格にも徐々に下押し圧力が掛りやすくなることが予想される。

【見通しの固有リスク】

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。短期的には価格の上昇要因。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格は中国の経済活動が活発であり、電力向け需要増加が見込まれるため高値圏を維持するものの、ロシアの欧州向けガス供給枠増加を受けた欧州市場の需給緩和観測の強まりと、排出枠価格の下落で軟調な推移になると考える。

3月の中国のLNG輸入は前年比+34.6%の564万トン(前月555万トン)と大幅な増加となっている。徐々に中国も石炭からガスへのシフトが起きていると見られ、電力需要の増加を背景に輸入を拡大していることが窺える。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・最大供給国であるロシアの増産(下落要因)。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが650,118枚(前週比 ▲8,559枚)ショートが153,557枚(▲5,107枚)ネットロングは496,561枚(▲3,452枚)

Brentはロングが385,312枚(前週比▲14,452枚)ショートが89,479枚(+6,285枚)ネットロングは295,833枚(▲20,737枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は一旦調整圧力が強まるものの、高値圏を維持すると予想する。

各国の財政出動並びに金融緩和スタンスは継続される見込みであり、中国のみならず、米民主党政権は1.9兆ドルの経済対策に加え、2兆ドル(インフラ投資は0.6兆ドル程度)の追加対策を実施の計画であり、中国も7月の共産党結党100周年記念までは少なくとも景気刺激を続けると見られるため。

これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。

また、投機的な買いは続いており、投資銀行を中心に「脱炭素」をテーマに市場参加者に非鉄金属に投資を促す動きが強まっていることから、投機的な動きが当面高値に押し上げることになるだろう(逆にドル高進行、株安の局面では大きな下落圧力となる)。

弊社はベンチマークである銅の価格が、指定倉庫在庫の水準から判断するに1,000ドル程度高いと見ていたが、「テーマ性(今は市場では「脱炭素銘柄」とされている)があること」から、水準感は9,000ドル~11,000ドルに切り上がっていると判断せざるを得ない。

しかし、それでも中期的には調整圧力が強まる展開になるとの予想は、現時点では変更する必要はないと考えている。中国政府が国内バブルを警戒する姿勢を強めていること、米経済統計回復に伴うドル高進行、早ければ2021年末頃から始まる可能性がある、米テーパリング開始の可能性、生産国の生産が回復する可能性が高いことが材料。

米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高いと言える。

具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要するだろう。

4月の中国製造業PMIは51.1(前月51.9)と市場予想の56.1を大きく下回った。中国政府も投資主導による景気の過熱に配慮せざるを得ない状況になっていると考えられ、総じて指数の内数はほとんど水準を低下させている。

新規受注は52.0(53.6)と前月から▲1.6低下、輸出新規受注が50.4(51.2)と▲0.8の低下となった。このことは中国国内の需要の伸びが減速していることを示唆している。

新規受注在庫レシオは、完成品が1.11(前月1.15)、原材料が1.08(1.11)と両指数とも低下。それにもかかわらずLMEインデックスが上昇している。

このことは、中国の需給面というよりも、1.中国外の需要が旺盛、2.供給の影響、3.ドル安進行に伴う投機的な動き、のいずれかの要因によるものと考えられるが、中国以外の需要回復はもちろんあるが、2.3.の影響が大きいと考えられる。

これまで非鉄金属価格の上昇を牽引しているのは中国の住宅セクターであるが、4月の中国の建設業PMIは57.4(62.3)と、閾値の50を上回っているが急減速している。

住宅セクター向けの一連の建材需要は旺盛であるがその「増加ペース」が鈍化していることは、やはり先行きの住宅向けの需要が減速する可能性が高まりつつあることを示唆している。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・期待されていた米国のインフラ投資規模が、議会の反対で減額ないしは延期される場合(下落リスク)。

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資(2兆ドルのクリーンインフラ投資など)を行う場合(上昇リスク)。

・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(上昇リスク)。

・中国の環境規制強化に伴う供給の減少。特にエネルギー排出量の多い新疆ウイグル自治区でのアルミ生産は減産の影響を免れない状況に(供給減少でアルミ価格の上昇要因に)。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

【投機筋のポジション動向】・LMEのファンド筋のポジションは、銅、亜鉛でロングが減少、その他は増加した。特に銅はショートも増加しておりやや弱気に転じている。

その他はロング増加・ショート減少が確認されているが逆に「下落時のポジションが軽い」ことから、下げ局面入りした時の下げ幅は大きくなると予想される。

・LME投機筋買い越し金額 前週比▲6.8%の308億ドル(前週 330億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比▲3.1%の6,410.3千トン(前週 6,617.8千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、米中のインフラ投資による建材向け需要増加観測を背景に、高値を維持すると予想する。

またこれまでの経済対策の影響で、中国国内の鉄鋼原料在庫日数の水準が低いことから(鉄鋼製品在庫の水準は増加)在庫積み増し需要も継続する可能性が高い。

ただし、中国政府は景気刺激と同時に住宅セクターのバブルを懸念し始めており、住宅取得規制の動きも見せていること、先物取引市場での監視強化(証拠金引き上げや値幅制限、投機取引の監視など)から、徐々に水準を切り下げる展開を予想。

また、中国共産党は2021年から始まる新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。温室効果ガスの排出削減を目的として、業界として二酸化炭素の輩出の多い鉄鋼業(とアルミ生産業)の生産量を前年比でマイナスとする方針であり、鉄鋼製品向けの需要が減少することから、年後半に掛けては価格は下落すると予想する。

最大生産都市である唐山市は、2021年3月20日~12月31日まで、大気汚染基準に違反し、データを改ざんした4社は3月20日~6月末まで▲50%、7月~12月末まで▲30%減産、その他の16社は12月末まで▲30%の減産を新たに実施することを義務づけられた。

また、Q221には邯鄲市も生産管理措置を導入する見通しであり、鉄鋼製品供給は制限される可能性が高い。

これにより、唐山市の粗鋼生産は前年比▲2,223万トンの1億2,177万トン、鉄鉱石需要は▲3,500万トン減少するとみられている。ただし今のところ鉄鋼製品価格の上昇もあって、鉄鉱石価格には下押し圧力がそれほど強まっていない状況。

4月の中国鉄鋼業PMIを見ると、総合指数は45.4(前月47.9)と減速した。指数の内訳を見ると新規受注はそれなりに堅調であるものの、生産が落ち込んでいることが影響した。上述の唐山市を中心とする、環境規制強化の中での生産減少が総合指数悪化に寄与した。

しかし、生産が落ち込んでいるものの完成品・原材料とも在庫水準は若干切り上がっている。絶対水準自体が低いので引き続き完成品・鉄鋼原料とも需給はタイトとみられる。

目安となる新規受注・在庫レシオは、新規受注完成品レシオが1.29(1.30)とやや低下、新規受注原材料レシオは1.25(1.18)と水準は高い。経験則になるがこのレシオが1を超えると各種製品価格の上昇が顕著になる。

4月の中国の鉄鋼製品の輸入は前年比+16.2%の117万4,000トン(前月+15.8%の132万トン)と伸びが増加、過去5年レンジの上限で推移している。

3月の中国粗鋼生産は9,402万トン(前月8,305万トン、1月 9,024万トン、12月9,125万トン、11月 8,766万トン)と同じ時期の過去5年最高水準を大きく上回っている。

その一方、4月の鉄鋼製品の輸出は前年比+26.2%の797万3,000トン(前月+16.4%の754万トン)と加速し、過去5年平均を維持。国内需要の減速と、海外情勢の回復による輸出需要の増加の両面の影響だろう。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが、在庫水準は前週比▲75万8,000トンの1,556万7,000トン(過去5年平均 1,233万6,000トン)と、例年よりも在庫水準は高いが、既に在庫の取り崩し時期に突入している。在庫の減少ペースは再び例年を上回っている。

4月の中国の建設業PMIは57.4(62.3)と、閾値の50を上回っているが急減速している。需要は旺盛であるがその「増加ペース」が鈍化していることは、やはり先行きの住宅向けの需要が減速する可能性が高まりつつあることを示唆している。

原料である鉄鉱石の4月の輸入は前年比+3.0%の9,857万トン(前月+18.9%の1億211万トン)と鈍化した。しかしそれでもこの時期の輸入量としては過去5年のレンジを大きく上回っている。引き続き鉄鉱石需要は旺盛と見られる。

鉄鉱石港湾在庫は前週比▲27万5,000トンの1億2,830万トン(過去5年平均1億2,750万6,000トン)、在庫日数は25.2日(過去5年平均 30.5日)と例年と比較して在庫日数の水準は低い。

原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。

しかし、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから、海上輸送原料炭価格の上値も重い。

3月の中国の原料炭輸入は前年比▲13.0%の491万トン(前月▲39.6%の323万トン)と減少している。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は前週比+22万トンの145万トンと過去5年平均の147万8,000トンを下回っている。

在庫日数は前週比+0.8日の5.3日と、過去5年の平均である6.5日を下回っており、需要を考慮すると原料炭需給はまだタイトな状態にあると言える。

【見通しの固有リスク】

・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク。

・中国とインドの国境紛争の激化で、インドが中国に対して鉄鉱石輸出を制限する可能性(中国のFOBインデックスは上昇、その他の地域の鉄鉱石価格は低下)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

<<金>>

金は高値圏での推移を継続すると考える。長期金利の上昇圧力がやや緩和していることが材料。しかし、米景気の相対的な回復期待の強さからドル高・長期期金利(緩やかに)上昇圧力が強まることから、中期的な見通しは弱気。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,599ドル。そこからの乖離(リスク・プレミアム)は270ドルと昨日から+29ドル上昇。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

<<銀>>

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、67.4倍。過去1年を基準にすると75倍、5年では80倍、2000年以降では65倍程度が妥当。

今後、さらに金銀レシオが低下するには、実際に太陽光パネルの設置が米国で進捗するなどの新規材料が必要になるのではないか。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

<<PGM>>

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。これまで、各国の自動車セクターの回復期待と、主要生産国である南アフリカの供給不安が価格を押し上げている。

金価格が米長期金利の低下で再び高値で推移していることからプラチナにも上昇圧力が掛りやすい地合い。

仮に脱炭素が進んで水素が用いられ、燃料電池が進むのであればプラチナの構造的な需要が増加するシナリオは、需要・価格面でのポジティブリスクシナリオ。投機の比率が高い商品であるため、こうした観測記事だけでも材料に価格が反応しやすい。

パラジウムは景気正常化期待による金価格調整→経済正常化による需要増加、ロシア生産者からの供給減少観測を受けて高値を維持すると考える。

自動車生産が回復すれば再びパラジウム供給不足が発生し、ETFの残高減少と価格上昇が同時に発生する可能性が高いとみている。

4月の米自動車販売は年率1,851万台(前月1,775万台、市場予想1,764万台)と回復継続。

中国の4月の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で前年比+8.8%の225万台(前月+76.5%の252万5,000台、2月+371%の146万台、1月+30%の250万台、12月+6.4%の283万台、11月+12.7%の276万9,666台、10月+12.6%の257万3,000台、9月+13.0%の256万5,201台)と伸びが減速を始めている。

【見通しの固有リスク】

・個人投資家のETFを通じた買いが、経済合理性を無視した水準まで貴金属価格を押し上げるリスク。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・コロナからの回復は各国まだらであり、先行する米国が金融正常化に動いた場合、新興国から資金が流出して信用リスクが高まる場合(安全資産価格の上昇要因)。

・米中の対立激化。バイデン政権は対中強硬姿勢を明確にしており、対立がさらに激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが282,161枚(前週比 +11,967枚)、ショートが89,906枚(▲9,547枚)、ネットロングは192,255枚(+21,514枚)、銀が86,397枚(+7,539枚)、ショートが33,554枚(+2,563枚)、ネットロングは52,843枚(+4,976枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが39,738枚(前週比 ▲156枚)ショートが12,471枚(+808枚)、ネットロングは27,267枚(▲964枚)

パラジウムが6,146枚(+107枚)、ショートが3,365枚(+411枚)ネットロングは2,781枚(▲304枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

トウモロコシ・大豆は軟調な推移になると考える。これまでラニーニャ現象が価格上昇要因となっていたが、米海洋気象局はラニーニャが終了したと宣言したことで、テクニカルな売りの動きが強まると予想されるため。

今後は夏場から秋の収穫期にかけてのエルニーニョ現象発生が材料視されることになり、総じて軟調な推移になりやすい。当面はチャートのテクニカル分析に基づくチャートポイントが価格の目処となる。

ただし、米需給報告・作付け意向面積の結果、中国の需要継続を背景に需給タイト化観測は根強く、下落余地も限定されると考える。

Locust WatchではFAOの予想通り、降雨がなかったため群生相の発生は極めて抑制されている。当初懸念されていた食害発生のリスクは低下している。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210517update.jpg

【見通しの固有リスク】

・エルニーニョ現象発生による生産条件改善を受けた増産観測(価格の下落要因)。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米作付け意向面積トウモロコシ 9,114万エーカー(市場予想9,313万エーカー、前年9,699万エーカー)大豆 8,760万エーカー(9,010万エーカー、8,351万エーカー)小麦 4,636万エーカー(4,495万エーカー、4,466万エーカー)綿花 1,204万エーカー(1,215万エーカー、1,370万エーカー)

・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)

・5月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 179.5Bu/エーカー(179.5、172.0)大豆 50.8Bu/エーカー(50.9、50.2)小麦 50.0Bu/エーカー(NA、49.7)

・5月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 149億9,000万Bu(150億2,931万Bu、141億8,200万Bu)大豆 44億500万Bu(44億3,105万Bu、41億3,500万Bu)小麦 18億7,200万Bu(18億7,715万Bu、18億2,600万Bu)

・5月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 24億5,000万Bu(NA、26億7,500万Bu)大豆 20億7,500万Bu(NA、22億8,000万Bu)小麦 9億Bu(NA、9億6,500万Bu)

・5月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 15億700万Bu(13億2,715万Bu、13億5,200万Bu)大豆 1億4,000万Bu(1億3,319万Bu、1億2,000万Bu)小麦 7億7,400万Bu(7億5,132万Bu、8億5,200万Bu)

・3月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 77億100万Bu(77億7,024万Bu、112億9,400万Bu)大豆 15億6,400万Bu(15億2,829万Bu、29億4,700万Bu)小麦 13億1,400万Bu(12億7,116万Bu、17億300万Bu)

・5月CONABブラジル作付け面積(市場予想/前月)トウモロコシ 1,987万ha(1,971万ha、1,972万ha)大豆 3,850万ha(3,864万ha、3,847万ha)

・5月CONABブラジル生産量(市場予想/前月)トウモロコシ 1億642万トン(1億112万トン、1億897万トン) 単収 5,355kg/ha(5,132Kg/ha、5,526kg/ha)大豆 1億3,541万トン(1億3,614万トン、1億3,554万トン) 単収 3,517kg/ha(3,526Kg/ha、3,523kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが580,957枚(前週比 ▲28,413枚)、ショートが80,101枚(+6,877枚)ネットロングは500,856枚(▲35,290枚)

大豆はロングが299,477枚(▲2,987枚)、ショートが53,569枚(▲1,308枚)ネットロングは245,908枚(▲1,679枚)

小麦はロングが128,035枚(▲8,980枚)、ショートが103,712枚(▲5,263枚)ネットロングは24,323枚(▲3,717枚)

◆本日のMRA's Eye


「鉄鉱石価格は高値維持~当局規制と景気刺激減速で年後半は下落」

鉄鉱石の価格が高い水準で推移している。背景にあるのは最大消費国である中国の住宅セクターが好調であり、鋼材向けの需要が旺盛であること、鉄鉱石主要生産者の鉄鉱石生産は、Valeが前年比+14.2%と増加したものの、悪天候の影響などでRio Tinto、BHP Billitonの生産が前年比で減少したこと、といった供給面も価格に影響があったようだ。

しかしこれまでの値動きを見ると、どちらかと言うと最終需要先である鉄鋼製品セクターの状況、特に中国の影響を強く受けていると考えられる。

中国のGDPの構造を見るとその他の主要先進国と異なり、個人消費が占める比率が38.8%(2019年)と低く、景気刺激のためには投資に頼らざるを得ないことが背景にある。

中国鉄鋼製品需要の指標である4月中国建設業PMIは57.4(62.3)と、閾値の50を上回っているが急減速。需要は旺盛であるものの先行きの住宅向けの需要が減速する可能性が高まりつつあることを示唆している。

4月の中国鉄鋼業PMIは45.4(前月47.9)と減速。新規受注はそれなりに堅調だが、生産が落ち込んでいることが影響した。唐山市を中心とする環境規制強化の中での鉄鋼製品生産減少が総合指数悪化に寄与した。

生産が落ち込んでいるものの完成品・原材料とも在庫水準は若干切り上がっている。需給バランスの目安となる新規受注・在庫レシオは、新規受注完成品レシオが1.29(1.30)とやや低下、新規受注原材料レシオは1.25(1.18)と水準は高い。

やはり、鉄鋼セクターを巡る需給バランスは製品・原料ともタイトといえる。

また、中国政府は「脱炭素」を達成(国際的な要請というよりは、住環境の悪化に伴う人民の不満の高まりを回避する方が主目的)するため、鉄鋼セクターやアルミセクターなど、温室効果ガスの排出の影響が大きい産業の能力削減を行う方針である。

中国共産党は2021年から始まる新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明。最大生産都市である唐山市は、2021年3月20日~12月31日まで、大気汚染基準に違反し、データを改ざんした4社は3月20日~6月末まで▲50%、7月~12月末まで▲30%減産、その他の16社は12月末まで▲30%の減産を新たに実施することを義務づけた。また、Q221には邯鄲市も生産管理措置を導入する見通しであり、鉄鋼製品供給は制限される可能性が高い。

また、中国政府は5月1日から鉄鋼製品輸出の増値税還付と、鉄鋼製品の輸入税を撤廃した。国内生産の抑制と、輸入の促進で国内の鉄鋼製品需給を緩和させることが目的である。

しかし、これをもって急速に鉄鋼製品需給が緩和するわけではなく、恐らく当面は鉄鋼製品価格は高止まりが予想される。

鉄鉱石と鉄鋼製品価格の間には高い相関性が見られるが、現在の鉄鋼製品価格を基準にすると鉄鉱石価格は225ドル程度を維持しておかしく無い。恐らく、住宅セクターの好調は少なくとも今年の夏頃までは続くため、高値圏での推移が続くことになるだろう。

原料炭については豪州炭は中国の制裁の影響で需要が減少しているため、中国国内炭と比較して割安な水準での推移が続くことになると予想される。

◆主要ニュース


・3月日本鉱工業生産改定  前月比+1.7%(速報比▲0.5%、前月改定▲1.3%)前年比+3.4%(▲0.6%、▲2.0%)
 出荷+0.4%(▲0.4%、▲1.3%)、+3.4%(▲0.5%、▲3.2%)
 在庫+0.4%(+0.3%、▲0.7%)、▲9.8%(+0.3%、▲9.5%)

・3月日本設備稼働率 前月比+5.6%(前月▲2.8%)前年比+7.3%(▲1.0%)

・4月EU27ヵ国新車登録台数 前年比+218.6%の862,226台(前月+87.3%の1,062,446台)
 年初来+24.4%の3,422,439台(+3.2%の2,560,330台)
 欧州合計 +255.9%の1,039,810台(+62.7%の1,387,924台)
 年初来 +23.1%の4,120,443台(+0.9%の3,080,751台)

・4月ユーロ圏消費者物価指数 前月比+0.6%(前月+0.9%)
 前年比+1.6%(+1.3%)、コア指数 +0.7%(+0.9%)

・米MBA住宅ローン申請指数 前週比 +1.2%(前週▲2.1%)
 購入指数 ▲4.1%(+0.8%)
 借換指数 +4.0%(+2.9%)
 固定金利30年 3.15%(3.11%)、15年 2.54%(2.49%)

・米ペロシ下院議長、中国政府による人権侵害行為を理由に2022年の北京オリンピックに米国の指導者は参加するべきではないと、外交目的の参加を牽制。

・FOMC議事録、幾人かの参加者は景気が委員会の目標に向けて急速に回復すれば今後の会合のいずれかのタイミングで資産購入ペースの規模について調整する計画を検討し始めるのが適切になるかもしれない、と提案。さらにその議論を始めるにはしばらく時間がかかる、と指摘。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計 原油+1.3MB(クッシング▲0.1MB)
 ガソリン▲2.0MB
 ディスティレート▲2.3MB
 稼働率+0.2

 原油・石油製品輸出 8,300KBD(前週比+174KBD)
 原油輸出 2,941KBD(+189KBD)
 ガソリン輸出 747KBD(+39KBD)
 ディスティレート輸出 1,025KBD(+19KBD)
 レジデュアル輸出 128KBD(▲14KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,233KBD(▲101KBD)
 その他石油製品輸出 2,112KBD(+25KBD)

・イスラエルとハマスの軍事衝突を受けて、エジプトが停戦を提案。

・EU、イラン核合意の再建に地震。米・イランの妥結は近い。

【メタル】
・Alcoa CEO、「ブラジルのAlumarアルミ精錬所が今後、稼働再開の対象となる可能性がある。」

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CME木材 ( その他農産品 )/ +4.98%/ +51.99%
2.SHF鉛 ( ベースメタル )/ +1.66%/ +5.95%
3.ドル指数 ( その他 )/ +0.48%/ +0.27%
4.CBTエタノール ( エネルギー )/ +0.43%/ +63.99%
5.SHF錫 ( ベースメタル )/ +0.31%/ +32.47%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.ビットコイン ( その他 )/ ▲11.45%/ +32.21%
65.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲8.65%/ +2.36%
64.欧州排出権 ( 排出権 )/ ▲6.33%/ +52.10%
63.ICEガスオイル ( エネルギー )/ ▲3.98%/ +29.17%
62.LMEニッケル 3M ( ベースメタル )/ ▲3.72%/ +4.65%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :33,896.04(▲164.62)
S&P500 :4,115.68(▲12.15)
日経平均株価 :28,044.45(▲362.39)
ドル円 :109.22(+0.32)
ユーロ円 :132.98(▲0.12)
米10年債 :1.67(+0.03)
中国10年債利回り :3.11(▲0.02)
日本10年債利回り :0.08(▲0.01)
独10年債利回り :▲0.11(▲0.01)
ビットコイン :38,336.11(▲4958.25)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :28.88(+0.84)
エネルギー :25.60(+2.23)
ベースメタル :29.35(+1.96)
貴金属 :19.23(▲1.22)
穀物 :34.35(+0.56)
その他農畜産品 :30.74(+0.37)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :27.08(+2.15)
Brent :25.07(+1.61)
米天然ガス :29.02(+4.04)
米ガソリン :25.49(+1.45)
ICEガスオイル :23.92(+6.1)
LME銅 :27.89(+3.68)
LMEアルミニウム :21.69(+2.68)
金 :22.77(+1.3)
プラチナ :22.37(+0.37)
トウモロコシ :46.80(▲1.05)
大豆 :22.77(+1.3)

【エネルギー】
WTI :63.36(▲2.13)
Brent :66.66(▲2.05)
Oman :65.02(▲2.14)
米ガソリン :210.20(▲5.89)
米灯油 :200.71(▲4.93)
ICEガスオイル :543.50(▲22.50)
米天然ガス :2.96(▲0.05)
英天然ガス :57.73(▲5.47)

【貴金属】
金 :1869.62(+0.18)
銀 :27.74(▲0.45)
プラチナ :1196.13(▲26.76)
パラジウム :2873.90(▲32.35)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :10,138(▲359:23.5C)
亜鉛 :2,988(▲98:18.5C)
鉛 :2,195(▲32:7B)
アルミニウム :2,433(▲66:30C)
ニッケル :17,702(▲457:22C)
錫 :29,979(▲173:2497B)
コバルト :43,650(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :10073.50(▲342.50)
亜鉛 :2962.00(▲93.00)
鉛 :2201.50(▲24.50)
アルミニウム :2429.50(▲36.50)
ニッケル :17340.00(▲670.00)
錫 :29775.00(▲550.00)
バルチック海運指数 :2,795.00(▲61.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :219.84(+4.86)
SGX鉄鉱石 :212.19(▲3.25)
NYMEX鉄鉱石 :211.96(▲1.27)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :118.33(+0.16)
大連原料炭先物 :284.31(▲8.89)
上海鉄筋直近限月 :5,379(▲149)
上海鉄筋中心限月 :5,444(▲177)
米鉄スクラップ :615(±0.0)

【農産物】
大豆 :1538.25(▲36.00)
シカゴ大豆ミール :403.20(▲7.60)
シカゴ大豆油 :66.47(▲2.20)
マレーシア パーム油 :4669.00(▲160.00)
シカゴ とうもろこし :658.25(±0.0)
シカゴ小麦 :679.25(▲18.75)
シンガポールゴム :232.00(▲3.50)
上海ゴム :13150.00(+15.00)
砂糖 :16.95(▲0.26)
アラビカ :150.95(▲0.85)
ロブスタ :1464.00(▲13.00)
綿花 :82.92(▲1.09)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :110.95(+0.30)
シカゴ生牛 :116.90(+0.15)
シカゴ飼育牛 :136.58(▲0.63)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。