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ドル高・株安で景気循環銘柄売られる
  • MRA商品市場レポート

2021年4月21日 第1944号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ドル高・株安で景気循環銘柄売られる」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は農産品セクターが上昇した。米作付意向面積の減少を受けた供給懸念が材料視されており、ドル高が進行したものの上昇した。ある意味、需給ファンダメンタルズを意識した上昇と言える。

その他の原油や工業金属などの景気循環系商品は、景気回復への期待とドル安進行が価格を押し上げていたが、ドル高が進行したことで水準を切り下げる流れとなった。テクニカルな売り、とも言える。

コロナ問題に関して、国民の自発的な対応で死者数は少なく抑制されているが、ワクチン接種やその他の対策など、国際的な評価は決して高くなく、株価もそれを反映して、その他の先進国比での上昇は限定されている。

これに加えて、日米首脳会談以降、米国と中国の対立が具体化するとの見方も強まっており、日本はその影響(中国の報復)を免れないと考えられ、このことも株価や景況感の悪化要因となりそうだ。

【本日の見通し】

本日は目立った手がかり材料に乏しいが、ドルがテクニカルに上昇しやすい局面にあることから、軟調な推移となる商品が目立つものと予想される。

【セクター別動向と見通し】

◆エネルギー

原油価格は軟調な推移となった。本邦系投資家の買いによる米長期金利低下が続いているが、ドル指数がテクニカルに反発したことで利益確定の動きが強まった。

石炭価格(豪州炭)は小幅に下落したが高値圏を維持。中国の電力向けの需要増加で、豪州炭は購入されていないものの、海上輸送炭市場の需給がタイト化していると見られ、価格は高値を維持している。

中国の石炭輸入動向の指標の1つであるバルチック海運指数はこの時期としては非常に高い水準に。

JKMは小幅に下落したが8ドル後半を維持。中国の発電向けと考えられるLNG調達が継続しているとみられ、季節的にも価格に上昇圧力が掛り始める時期でもあり、高値を維持した。

欧州天然ガスは気温低下見通しを材料に上昇しているが、排出権価格の上昇が続き石炭+排出権ではなく天然ガスを物色する動きが続いているとみられる。

米国天然ガスは穏やかな気温予想とドル高を受けてやや軟調に推移。

本日は、テクニカルにドルが上昇しやすい地合にあるため、引き続き軟調な推移になると考える。また、今晩の米週間石油統計では原油在庫の減少が予想されているが、朝方発表のAPI統計では在庫が増加しているため、予想に反して在庫が増加する可能性があることも、価格を下押し使用。

しかし、原油は50日移動平均線のサポートラインが意識されているため、下げ余地も限定されると予想。

石炭・天然ガスは排出権価格の上昇や、中国の経済活動回復に伴う発電燃料調達圧力の強まりで、堅調推移を予想。

◆非鉄金属

LME非鉄金属価格は下落した。長期金利低下に伴うドル安が進行していたが、株安やテクニカルなドル上昇を受けてファイナンシャルな面で下押し圧力が強まった。

3月~4月の調整で、投機の買いポジションはファイザー社ワクチン開発成功直前の水準まで調整していたため、若干ではあるが投機の買い余地はあり、先週の価格上昇はそれが要因だったと見られるが、それがドル高を契機に逆回転したと見られる。

本日も、テクニカルにドルが上昇する可能性が高いと見ており、軟調な推移を予想。ただし米中の公共投資実施期待が価格を下支えすると予想。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、大連先物は上昇、豪州原料炭スワップ先物は下落、大連原料炭先物は下落、上海鉄鋼製品先物は上昇した。

中国の鉄鋼需要が旺盛と見られ、在庫の取り崩しペースが例年を上回る中、製品価格が高止まりしていることが鉄鉱石価格の上昇要因となっている。

本日も鉄鋼製品価格の高止まりが価格を押し上げ、高値維持の公算。

◆貴金属

金価格は上昇。実質金利の米長期金利の低下を受けて上昇したが、ドル高の進行もあって上値余地は限定された。一時120ドル程度まで縮小したリスク・プレミアムは、この1年の平均である230ドルを意識する状況。

銀も金価格が上昇したことから上昇したが、ドル高の影響もあって小幅高、プラチナはテクニカルに1,200ドルが上値として意識されやすく、50日移動平均線近辺での推移が続いている。パラジウムは株安進行を受けて水準を切り下げた。

本日はドル高地合になると予想されるため、金がリスク・プレミアムを切り下げながら下落する見込みであり、軟調推移を予想。

◆穀物

穀物価格は上昇。ドル高が進行したものの、米作付面積の減少観測による需給タイト化への懸念は根強く高値圏での推移となった。

本日はテクニカルにドル高が進行する可能性が高いため、軟調な推移になると予想するが、米国の作付面積減少観測を背景に下値余地も限定。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

一昨日発表された日本の貿易統計は、春節がずれ込んだことによる中国・アジア向けの輸出が減少、米国では大寒波の影響で輸出が落ち込んだ2月からの反動で回復した。

金額的に大きく寄与したのは自動車で欧米向けが堅調、次いで非鉄金属、プラスチック輸出がアジア向けに好調だった。アジア向けの輸出増加はプラスチック、半導体製造装置、乗用車が好調だったが、いずれも2月に落ち込みが多かった品目であり、反動増だったと見られる。

今後も米中向けの輸出が順調に回復するとみられ、全体の輸出も緩やかな回復が継続する可能性が高い。

菅首相がファイザー社のCEOと会談し、9月までに16歳以上のワクチンを確保した、と声明を発表した。

しかし、ブーラCEOはツイッターで、欧州に関しては1億回を年内に追加供給する、期間と数量を明記してツイートしているが、日本に関しては「菅首相と話をした」としかツイートしていない。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB206GI0Q1A420C2000000/

菅首相が両者会談の中での決定事項を首相声明として発表したのに対して、ファイザー側がこれをあえて開示していないのかもしれないし、合意自体がなかったのかもしれない。

ただ、ワクチン確保競争で最後発である日本に対して、ファイザー側が有利なポジションにいることは間違いがなさそうだ。ファイザー側が、日本との、価格などの条件面でのさらなる改善を視野にいれていることも恐らく間違いがないだろう。

予定通り、ワクチン供給が行われれば日本の経済活動にとってプラスであるが、そうでなければ期待が先行したこともあってマイナスに作用することになる。

仮に世界の活動が回復し、日本のみ回復しないという状態になると海外市況が回復し、ドル建ての素材価格が上昇、ドル高・円安進行で企業業績にマイナスに作用することになる。

ただ、国内の対応の遅れの影響で内需がそれほど期待できる訳ではなく、輸出主導の回復にならざるを得ないことから、結果的には日本経済には円安が、日本の景気に取ってはプラスに作用する、という整理になるだろうか。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・米大統領選挙前後の国内融和にバイデン次期大統領が失敗する場合(今のところ成功している模様)。

・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならないが、足下、どの中央銀行・政府も景気過熱は意識しているものの沈静化させるタイミングと判断していないため、しばらくは顕著な価格上昇リスクとなる見込み。

常識的に考えると今年の年末頃からテーパリング開始の見通しとなるが、来年の米中間選挙を控えて米政権がテーパリング実施にクギを刺す可能性がある。この場合、2022年にかけて、さらにリスク資産価格が上昇する可能性も。

・バイデン政権の追加経済対策が、財政面や企業負担増の理由から造反が発生し、議会を通過しない場合(価格下落要因)。

・コロナウイルスの感染再拡大(または新たなウイルスの発生、効くと期待しているワクチンが変異種などを対象にそれほど今夏がなかった場合、など)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合(価格下落要因)。逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は高くなった。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格は高値でもみ合うものと考える。OPECプラスは増産を決定したが、米国の経済統計は良好なものが多いこと、本邦系投資家と思われる米国の長期債の買いで米長期金利の上昇が鈍化、ドル安バイアスが強まることが背景。

しかし、OPECの減産解除は続き、米国のイランに対する制裁解除が進捗する可能性があることコロナのロックダウンの影響が広がっている欧州での需要減速は不可避であること、米景気の回復期待で長期金利上昇・ドル高圧力がかかるシナリオは依然、メインシナリオであり調整圧力が上昇圧力を上回る可能性は低くない。

今のところWTI・Brentとも50日移動平均線を上回ったため、当面はこの水準が下値の目処となる。

なお、米国の核合意復帰に向けた動きをイスラエルが強く牽制しており、武力衝突の懸念が高まっているように見えるが、今のところ本格的な武力行使になるとは見ていない(交渉に圧力を掛ける目的以上のものではない)。

常識的に考えれば経済活動の再開で2022年頃(早ければ今年の年末)からテーパリングが始まり、過去の例を考えると長期金利の上昇などを通じてリスク資産価格には一時的に調整圧力が強まる可能性は高い。そのため、2022年には一旦調整局面があり、その後、持続可能な上昇になると予想する。

【見通しの固有リスク】

・ワクチン接種の進捗が想定よりも早まり、人の移動制限が解除され需要増加に供給が間に合わず、価格が急騰するリスク(供給の時間差リスク)。

・米国経済が正常化する中で急速なドル高が進行し、投機的な売り圧力が高まる場合。

・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産継続で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。

逆に価格低迷で歳入確保の増産が加速する場合、またはOPECプラスのプログラムの対象となっていない中東諸国の増産(価格下落要因)。

景気回復時の増産タイミングの見誤りによる、供給不足(価格上昇要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

などが価格上昇要因に。

・バイデン政権がシェールオイルのフラッキングやパイプライン敷設を制限/禁止する場合、供給減少で価格上昇要因に。

また、イランに対する制裁が緩和される場合、原油価格の下落要因に。ただし、米国内の反イラン感情の高まりで、直ちに制裁が緩和される可能性は低い。

・イランの反米感情が高まり、中東の不安定さが増す場合(価格上昇要因)。

イランでは6月に大統領選挙が予定されており、国内保守派に配慮してロウハニ大統領はタカ派的な発言をする可能性があるが、制裁解除に向けた融和的なコメントも欧米向けに発信せざるを得ず、ロウハニ大統領の発言で価格は左右される見込み。

・米国の橋渡しでイランとサウジを初めとするスンニ派諸国が和解し、巨大なイスラム教圏が誕生した場合(地域安定で原油生産増加、短期的には価格の下落要因に。ただし相当発生の可能性が低いリスクシナリオ)。

【石炭価格見通し】

海上輸送石炭価格は高値を維持すると考える。中国の製造業活動の回復とそれを受けた電力向け需要が旺盛と考えられるため。

中国政府は国内炭の供給能力増強にシフトしているが、経済活動の回復に供給が十分ではない。

ただし、豪州との対立や、環境規制強化の中で石炭需要は減速するとみられること、非常に矛盾するが国内生産を増加させていることから海上輸送炭価格の上値は重くなると予想される。

3月の石炭輸入は前年比▲1.8%の2,733万トンとなったが、前月(▲14.8%の2,077万トン)から大幅に回復した。中国国内の電力需要が回復していることが影響していると見られる。やはりバルチック海運指数の上昇に、中国の石炭輸入需要が寄与していたと見られる。

燃料炭の港湾在庫の水準を見るに、需要減速・国内生産が同時に起きていると予想される。よって、石炭価格にも徐々に下押し圧力が掛りやすくなることが予想される。

【見通しの固有リスク】

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。短期的には価格の上昇要因。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格は中国の経済活動が活発であり、電力向け需要増加が見込まれることから、季節性とは関係なく石炭価格と歩調を合わせ、堅調な推移になると予想。

3月の中国のLNG輸入は前年比+26.2%の873万トン(前月912万トン)と大幅な増加となっている。徐々に中国も石炭からガスへのシフトが起きていると見られ、電力需要の増加を背景に輸入を拡大していることが窺える。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・ロシア・ウクライナ情勢の悪化を受けて、ロシアがウクライナスルーでの天然ガス供給を停止する場合(上昇要因)。

・最大供給国であるロシアの増産(下落要因)。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが643,807枚(前週比 ▲5,430枚)ショートが151,129枚(+13,617枚)ネットロングは492,678枚(▲19,047枚)

Brentはロングが371,212枚(前週比+15,916枚)ショートが79,057枚(▲6,738枚)ネットロングは292,155枚(+22,654枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は軟調地合ながらも、高値圏を維持すると予想する。

各国の財政出動並びに金融緩和スタンスは継続される見込みであり、中国のみならず、米民主党政権は1.9兆ドルの経済対策に加え、2兆ドル(インフラ投資は0.6兆ドル程度)の追加対策を実施の計画であり、中国も7月の共産党結党100周年記念までは少なくとも景気刺激を続けると見られるため。

これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。

また、投機的な買いの手仕舞いは4月初で一巡(ファイザー社のワクチン開発成功の時期の水準)、何かしらの材料(ドル安や実質金利の低下、株高)があれば投機的には若干であるが買い余地があることも価格を押し上げ要因として作用しよう。

中期的には調整圧力が強まる展開になるとの予想は、現時点では変更する必要はないと考えている。中国政府が国内バブルを警戒する姿勢を強めていること、米経済統計回復に伴うドル高進行、早ければ2021年末頃から始まる可能性がある、米テーパリング開始の可能性、生産国の生産が回復する可能性が高いことが材料。

3月の中国の製造業PMIは51.9と市場予想の51.9、前月の50.6を上回る改善が確認された。

特に生産の回復が堅調で(51.9→53.9)、新規受注も生産ほどではないが、回復している(51.5→53.6)。輸出向け新規受注をみると、今月は輸出の回復が新規受注の回復に寄与したと考えられる。

新規受注在庫レシオは、完成品も原材料も上昇、中国国内の製品・原料需給はタイト化している可能性が高い。

このこと自体は価格上昇要因となるが、これまでの価格上昇が、1.コロナの影響による供給への懸念、2.景気減速を回避するための各国の積極的な金融・財政政策、3.コロナの影響からの脱却期待、4.(まだ起きてもいない)環境重視型社会へのシフトに伴う鉱物資源需要増加、といったことを背景とするものであり、「実態以上に買われてきた」可能性は否定しない。

米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高いと言える。

足下は期待選好で、総じて中長期的には物色されやすい地合が続くとみる。

具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要するだろう。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・期待されていた米国のインフラ投資規模が、議会の反対で減額ないしは延期される場合(下落リスク)。

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資(2兆ドルのクリーンインフラ投資など)を行う場合(上昇リスク)。

・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(上昇リスク)。

コロナの影響もあって、2020年12月1日時点の鉱山生産への影響は全体で184万1,000トン、コロナの影響によるものは112万3,000トン。

精錬品生産で影響を受ける規模が、全体で141万6,000トン、コロナによるものが62万8,000トン。

・中国の環境規制強化に伴う供給の減少。特にエネルギー排出量の多い新疆ウイグル自治区でのアルミ生産は減産の影響を免れない状況に。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

【投機筋のポジション動向】・引き続き投機のポジション解消圧力が強いが、アルミ・鉛・ニッケルのショート解消の動き(上昇要因)が顕著。

・LME投機筋買い越し金額 前週比+2.2%の265億ドル(前週 259億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比+3.0%の5,931.3千トン(前週 5,758.5千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、米中のインフラ投資による建材向け需要増加観測を背景に、高値を維持すると予想する。

またこれまでの経済対策の影響で、中国国内の鉄鋼原料在庫日数の水準が低いことから(鉄鋼製品在庫の水準は増加)在庫積み増し需要も継続する可能性が高い。

ただし、中国政府は景気刺激と同時に住宅セクターのバブルを懸念し始めており、住宅取得規制の動きも見せている。同時に、米国のインフラ投資政策に関して疑問を呈する声もあり、財政出動が計画通り行われるかどうかに関してはやや黄色信号が点り始めていることも、価格上昇を抑制しよう。

また、中国共産党は2021年から始まる新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。温室効果ガスの排出削減を目的として、業界として二酸化炭素の輩出の多い鉄鋼業の生産量を前年比でマイナスとする方針であり、鉄鋼製品向けの需要が減少することから、年後半に掛けては価格は下落すると予想する。

最大生産都市である唐山市は、2021年3月20日~12月31日まで、大気汚染基準に違反し、データを改ざんした4社は3月20日~6月末まで▲50%、7月~12月末まで▲30%減産、その他の16社は12月末まで▲30%の減産を新たに実施することを義務づけられた。

これにより、唐山市の粗鋼生産は前年比▲2,223万トンの1億2,177万トン、鉄鉱石需要は▲3,500万トン減少するとみられている。ただし今のところ鉄鋼製品価格の上昇もあって、鉄鉱石価格には下押し圧力がそれほど強まっていない状況。

3月の中国鉄鋼業PMIを見ると、総合指数は47.9(前月48.6)と減速した。輸出向け新規受注が横ばい(43.3→43.3)だったうえ、生産が悪天候などの影響で減少(54.7→51.3)したことが影響している。

ただ、ロジスティクスの問題もあり完成品在庫(38.1→33.2)、原材料在庫(46.6→36.6)と低下しており、新規受注完成品レシオ(1.14→1.30)、新規受注原材料レシオ(0.93→1.18)と急回復、需給バランス自体は原材料・完成品ともタイトだ。当面、鉄鋼製品・原料価格とも高止まりするのではないか。

中国の鉄鋼製品の輸入は通常、平均で110万トン程度なのだが、3月は前年比+16.0%の132万トン(前月+6.9%の108万トン)と増加、過去5年レンジの上限で推移している。

2月の中国粗鋼生産は8,305万トン(前月9,024万トン、12月9,125万トン、11月 8,766万トン)と同じ時期の過去5年最高水準を大きく上回っている。

その一方、3月の鉄鋼製品輸出は+16.4%の754万トン(前月490万トン)と加速し、過去5年平均を回復した。国内需要の減速と、海外情勢の回復による輸出需要の増加の両面の影響だろう。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが、在庫水準は前週比▲96万3,000トンの1,789万2,000トン(過去5年平均 1,475万8,000トン)と、例年よりも在庫水準は高いが、既に在庫の取り崩し時期に突入しており、例年よりも在庫の減少ペースは速い。

これまで需給が緩和傾向にあるのでは、と見ていたが、3月の鉄鋼業PMIは62.3と前月の54.7から急回復している。気温の回復や、中国政府の対策期待の根強さが影響しているとみられる。

原料である鉄鉱石の3月の輸入は前年比+18.9%の1億211万トン(前月+3.8%の9,050万トン)。この時期の輸入量としては過去5年のレンジを大きく上回っている。引き続き鉄鉱石需要は旺盛と見られる。

鉄鉱石港湾在庫は前週比+155万トンの1億3,585万トン(過去5年平均1億2,894万6,000トン)、在庫日数は29.2日(過去5年平均 30.8日)と例年と比較して在庫日数の水準は低いが、徐々に過去5年平均水準に回帰しつつある。徐々に価格には下押し圧力が強まることになるだろう。

原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。

しかし、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから、海上輸送原料炭価格の上値も重い。2月の中国の原料炭輸入は前年比▲39.6%の323万トン(前月312万トン)と減少している。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は前週比+19万トンの136万トンと過去5年平均の153万4,000トンを下回った。

在庫日数は前週比+0.8日の5.6日と、過去5年の平均である6.9日を下回っている。再び原料炭需給はタイト化の方向にある。

【見通しの固有リスク】

・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク。

・中国とインドの国境紛争の激化で、インドが中国に対して鉄鉱石輸出を制限する可能性(中国のFOBインデックスは上昇、その他の地域の鉄鉱石価格は低下)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

<<金>>

金は軟調な推移になると考える。長期金利上昇、景気回復期待でのドル高進行が米雇用統計を受けて加速していることから。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,582ドル。そこからの乖離(リスク・プレミアム)は197ドルと一昨日から+9ドル上昇。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

<<銀>>

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、68.8倍。過去1年を基準にすると81倍、5年では80倍、2000年以降では65倍程度が妥当。

バイデン政権のグリーン政策期待で上昇してきたが、一連の対策が発表される中で材料一巡、金銀レシオは70倍程度に落ち着きつきつつある。

今後、さらに金銀レシオが低下するには、実際に太陽光パネルの設置が米国で進捗するなどの新規材料が必要になるのでは中。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

<<PGM>>

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。これまで、各国の自動車セクターの回復期待と、主要生産国である南アフリカの供給不安が価格を押し上げている。

ただし米長期金利上昇に伴う、ベンチマークの金価格の調整は下押し圧力を強めることになるだろう。

仮に脱炭素が進んで水素が用いられ、燃料電池が進むのであればプラチナの構造的な需要が増加するシナリオは、需要・価格面でのポジティブリスクシナリオ。投機の比率が高い商品であるため、こうした観測記事だけでも材料に価格が反応しやすい。

パラジウムは景気正常化期待による金価格調整→経済正常化による需要増加、ロシア生産者からの供給減少観測を受けて高値を維持すると考える。

コロナショック後、パラジウム価格は基本的にETF価格との連動性が高まった(自動車向けの需要減少で余剰が発生したため)が、足下、ETFの残高の変動以上に価格が上昇している状況。

自動車生産が回復すれば再びパラジウム供給不足が発生し、ETFの残高減少と価格上昇が同時に発生する可能性が高いとみている。

3月の米自動車販売は年率1,775万台(前月1,567万台、市場予想1,638万台)と急回復した。

中国の3月の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で前年比+76.5%の252万5,000台(前月+371%の146万台、1月+30%の250万台、12月+6.4%の283万台、11月+12.7%の276万9,666台、10月+12.6%の257万3,000台、9月+13.0%の256万5,201台)と高い水準を維持している。

ただし2019年比では±0.0%であり、横ばい。

【見通しの固有リスク】

・個人投資家のETFを通じた買いが、経済合理性を無視した水準まで貴金属価格を押し上げるリスク。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・コロナからの回復は各国まだらであり、先行する米国が金融正常化に動いた場合、新興国から資金が流出して信用リスクが高まる場合(安全資産価格の上昇要因)。

・米中の対立激化。バイデン政権は対中強硬姿勢を明確にしており、対立がさらに激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが269,513枚(前週比 ▲6,190枚)、ショートが88,639枚(+2,445枚)、ネットロングは180,874枚(▲8,635枚)、銀が69,429枚(+2,184枚)、ショートが33,005枚(▲1,925枚)、ネットロングは36,424枚(+4,109枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが37,890枚(前週比 ▲5,731枚)ショートが13,258枚(+2,385枚)、ネットロングは24,632枚(▲8,116枚)

パラジウムが5,473枚(+112枚)、ショートが2,620枚(▲203枚)ネットロングは2,853枚(+315枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

トウモロコシ・大豆は米需給報告・作付け意向面積の結果を受けた需給タイト化観測を背景に、高値圏での推移になると考える。

しかしながら、米作付け意向面積の結果を懐疑的に見る向きも多いこと、ラニーニャ現象の影響緩和、ラニーニャ現象への移行の可能性が高まっていること、総じてドルに上昇圧力が掛りやすいことから上値も重いと考える。

Locust WatchではFAOの予想通り、降雨がなかったため群生相の発生は極めて抑制されている。当初懸念されていた食害発生のリスクは低下している。http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210413DLforecast.jpg

【見通しの固有リスク】

・エルニーニョ現象発生による生産条件改善を受けた増産観測(価格の下落要因)。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米作付け意向面積トウモロコシ 9,114万エーカー(市場予想9,313万エーカー、前年9,699万エーカー)大豆 8,760万エーカー(9,010万エーカー、8,351万エーカー)小麦 4,636万エーカー(4,495万エーカー、4,466万エーカー)綿花 1,204万エーカー(1,215万エーカー、1,370万エーカー)

・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)

・4月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 172.0Bu/エーカー(NA、172.0)大豆 50.2Bu/エーカー(NA、50.2)小麦 49.7Bu/エーカー(NA、49.7)

・4月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 141億8,200万Bu(NA、141億8,200万Bu)大豆 41億3,500万Bu(NA、41億3,500万Bu)小麦 18億2,600万Bu(NA、18億2,600万Bu)

・4月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 26億7,500万Bu(26億Bu、25億5,000万Bu)大豆 22億8,000万Bu(22億5,000万Bu、22億3,000万Bu)小麦 9億8,500万Bu(9億8,500万Bu)

・4月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 13億5,200万Bu(13億7,882万Bu、15億200万Bu)大豆 1億2,000万Bu(1億1,789万Bu、1億2,000万Bu)小麦 8億5,200万Bu(8億4,611万Bu、8億3,600万Bu)

・3月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 77億100万Bu(77億7,024万Bu、112億9,400万Bu)大豆 15億6,400万Bu(15億2,829万Bu、29億4,700万Bu)小麦 13億1,400万Bu(12億7,116万Bu、17億300万Bu)

・4月CONABブラジル作付け面積(市場予想/前月)トウモロコシ 1,972万ha(1,966万ha、1,950万ha)大豆 3,847万ha(3,863万ha、3,846万ha)

・4月CONABブラジル生産量(市場予想/前月)トウモロコシ 1億879万トン(1億785万トン、1億807万トン) 単収 5,526kg/ha(5,477Kg/ha、5,543kg/ha)大豆 1億3,554万トン(1億3,525万トン、1億3,513万トン) 単収 3,523kg/ha(3,501Kg/ha、3,513kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが619,846枚(前週比 +11,357枚)、ショートが76,560枚(+4,223枚)ネットロングは543,286枚(+7,134枚)

大豆はロングが270,077枚(▲6,857枚)、ショートが46,059枚(+2,928枚)ネットロングは224,018枚(▲9,785枚)

小麦はロングが121,146枚(+631枚)、ショートが115,630枚(+6,319枚)ネットロングは5,516枚(▲5,688枚)

◆本日のMRA's Eye


「銅価格の調整圧力」

一時1万ドルを銅の価格に対する説明力が高い需給バランスの前年比変化は、Q221が最も前年比でタイト化する見通しだが、逆に言えばこの間に銅の前年比上昇率は低下(プラス幅が縮小)を始めるため、銅価格には下押し圧力が掛る可能性が高い。

実際、上昇を続けていた中国上海の銅現物プレミアムは低下を始めており、中国の国内需給がやや息切れしている所が見て取れる。

とはいえ、銅のトリートメント・チャージは季節的に見ても、歴史的に見ても低い水準であり、現時点でも銅鉱石の供給が制限されていることを示唆。

パプア・ニューギニアのコロナによる供給減少や、チリの出荷遅延などで鉱石市場はまだタイトな状態が続いていると考えられる。しかし、今年の後半にはGrasberg、Kamoa-Kalulaの増産が見込まれることから、鉱石需給も緩和圧力が掛る可能性が高い。

価格に対する説明力が高いLME指定倉庫在庫動向を見ると、現在の価格水準は在庫水準と比較すると1,000ドル弱高い状態であり、調整がある可能性が高い。

LME指定倉庫在庫は欧州倉庫への現物搬入が顕著であり、価格の下押し要因となっている。LME指定倉庫在庫の増加は、昨年11月の高純度スクラップ輸入の再開以降、銅スクラップ輸入が増加傾向にあり、精錬品の需要の伸びが鈍化していることも影響していると見られる。

これに加えて、投機(ファンド)の買越し幅は非常に大きくなっており、米景気回復期待や目先の長期金利上昇を容認する米FRBのスタンスと相まってドル高が進行しているため、このポジションの解消圧力が強まる可能性は高い。

ただし4月初の段階で昨年11月のファイザー社ワクチン開発に成功の報道があって、価格が上昇を始める前の水準までファンドの買越しポジションは解消されている。

そのため、さらに下落するには、1.「ワクチンの効果が期待ほどではなかった」といったワクチン期待の剥落、2.米国のインフラ向け公共投資が民主党内の造反で達成できない、といったイベントリスクが顕在化する必要がある。

とは言え、中国と米国のインフラ投資需要は旺盛であり、下落するといっても下落余地もまた限定される、というのが基本的な見方だ。バイデン政権はこれまで積極的に行われてこなかったインフラに新規投資を行い、「国として」中国に対抗する姿勢を鮮明にしている。電線網の再構築なども重要な課題の1つだ。

しかし、この財源を確保するために企業増税を行う計画であり、民主党内でもこれには反対する意見が多い。そのため、今後、さらに買いが入って価格が上昇するかどうかは、ひとまず米国の政策が実際に実施されるかどうか、が非常に重要なポイントとなる。

今後は「有言実行なのか、そうでないのか」が価格動向を決定することになるだろう。

◆主要ニュース


・3月東京マンション販売 前年比+44.9%の3,103戸(前月+50.7%の2,243戸)

・2月日本鉱工業生産改定  前月比▲1.3%(速報比+0.8%、前月改定+4.3%)前年比▲2.0%(+0.6%、▲5.2%)
 出荷▲1.3%(+0.2%、+3.2%)、▲3.2%(+0.3%、▲5.1%)
 在庫▲0.7%(+0.3%、±0.0%)、▲9.5%(+0.1%、▲10.3%)

・2月日本設備稼働率 前月比▲2.8%(前月+4.7%)

・3月日本貿易収支季節調整前 6,637億円の黒字(前月2,159億円の黒字)
 輸出 前年比+16.1%の7兆3,781億円(▲4.5%の6兆382億円)
 輸入 +5.7%の6兆7,144億円(+11.8%の5兆8,224億円)

 米国向け
  輸出 +4.9%の1兆2,395億円(▲14.0%の1兆924億円)
  輸入 +6.5%の7,902億円(▲3.7%の6,199億円)

 欧州向け
  輸出 +128%の7,145億円(▲3.3%の5,891億円)
  輸入 +19.0%の7,988億円(+0.4%の6,297億円)

 アジア向け
  輸出 +22.4%の4兆2,241億円(▲0.8%の3兆3,442億円)
  輸入 +9.8%の3兆3,330億円(+36.9%の2兆9,394億円)

 中国向け
  輸出 +37.2%の1兆6,344億円(+3.4%の1兆1,743億円)
  輸入 +10.0%の1兆5,768億円(+114.5%の1兆4,460億円)

・2月日本第3次産業活動指数 前月比+0.3%(前月▲1.0%)

・3月日本コンビニエンスストア売上高 前年比+1.9%(前月▲5.3%)

・3月日本工作機械受注改定  前年比+65.10%の1,278億7,600万円(前月+36.7%の1,055億9,300万円)
 外需+102.3%の873億8,900万円(+66.1%の751億2,300万円)

・2月ユーロ圏建設業生産高 前月比▲2.1%(前月+0.8%)、前年比▲5.8%(▲2.6%)

・3月独生産者物価指数 前月比+0.9%(前月+0.7%)
 前年比+3.7%(+1.9%)

・中国習近平国家主席、「米国は自分のルールを押しつけるべきではない。1つあるいは数カ国が決めたルールを他国に強制的に押しつけるべきではない。」

・ロシア、国境近くの軍部隊12万人超に。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米在庫統計市場予想 原油 ▲3,266KB(前週▲5,890KB)
 ガソリン+947KB(+309KB)
 ディスティレート▲1,278KB(▲2,083KB)
 稼働率 +0.59%(+1.00%)

・API石油統計 原油在庫+4.36MB、クッシング▲1.29MB
 ガソリン▲1.62MB、ディスティレート+0.66MB

【メタル】
・IAI 3月アルミ生産
 世界 5,725千トン(前月5,187千トン)
 日量 184.7千トン(185.3千トン)
 北米 338千トン(308千トン)
 南米 98千トン(86千トン)
 西欧州 288千トン(259千トン)
 東・中央欧州 353千トン(319千トン)
 中東湾岸諸国 497千トン(454千トン)
 アジア 378千トン(339千トン)
 中国 3,310千トン(3,001千トン) 
 オセアニア 162千トン(146千トン)
 アフリカ 131千トン(121千トン)

・Q121 Nornickel ニッケル生産 前年比▲10%の46,639トン(前期▲3%の67,956トン)2021年生産目標19万~20万トン(22万トン~23万トン)

 銅 ▲21%の91,292トン(▲2%の128,598トン)、33万5,000トン~35万5,000トン(39万トン~41万トン)

パラジウム +40%の76万6,000オンス(▲3%の77万3,000オンス)、235万オンス~241万オンス(271万5,000オンス~284万3,000オンス)

プラチナ +23%の18万4,000オンス(▲1%の18万2,000オンス)、58万オンス~64万オンス(64万7,000オンス~71万1,000オンス)

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CBT大豆油 ( 穀物 )/ +3.64%/ +34.59%
2.ICE粗糖 ( その他農産品 )/ +2.95%/ +8.26%
3.CBTトウモロコシ ( 穀物 )/ +2.45%/ +25.31%
4.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ +2.30%/ +53.79%
5.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ +2.00%/ +3.27%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.CME木材 ( その他農産品 )/ ▲3.62%/ +46.46%
65.ICEココア ( その他農産品 )/ ▲2.38%/ ▲8.61%
64.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ ▲2.24%/ ▲9.61%
63.原料炭スポット ( 鉄鋼原料 )/ ▲2.20%/ +9.47%
62.日経平均 ( 株式 )/ ▲1.97%/ +6.03%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :33,821.30(▲256.33)
S&P500 :4,134.94(▲28.32)
日経平均株価 :29,100.38(▲584.99)
ドル円 :108.11(▲0.06)
ユーロ円 :130.12(▲0.08)
米10年債 :1.56(▲0.05)
中国10年債利回り :3.15(+0.00)
日本10年債利回り :0.09(+0.00)
独10年債利回り :▲0.26(▲0.03)
ビットコイン :56,800.49(+589.61)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :25.25(▲0.05)
エネルギー :30.44(▲1.15)
ベースメタル :23.25(▲1.2)
貴金属 :22.35(▲0.45)
穀物 :26.74(+0.53)
その他農畜産品 :23.69(+0.85)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :43.10(▲5.87)
Brent :44.93(+0.26)
米天然ガス :27.49(+0.14)
米ガソリン :32.21(▲2.01)
ICEガスオイル :32.35(+0.1)
LME銅 :20.03(▲0.15)
LMEアルミニウム :20.21(+0.04)
金 :25.59(+0.48)
プラチナ :27.05(+0.11)
トウモロコシ :27.31(+0.98)
大豆 :25.59(+0.48)

【エネルギー】
WTI :62.44(▲0.94)
Brent :66.27(▲0.78)
Oman :64.50(▲0.80)
米ガソリン :201.74(▲2.71)
米灯油 :188.01(▲1.24)
ICEガスオイル :525.50(▲3.50)
米天然ガス :2.73(▲0.02)
英天然ガス :52.82(+0.34)

【貴金属】
金 :1778.75(+7.32)
銀 :25.84(+0.02)
プラチナ :1190.43(▲20.63)
パラジウム :2762.33(▲46.41)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :9,390(▲9:6.5B)
亜鉛 :2,848(▲17:23C)
鉛 :2,050(+3:23.5C)
アルミニウム :2,330(▲13:6C)
ニッケル :16,199(+79:55C)
錫 :26,803(+35:1597B)
コバルト :49,750(▲69)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :9285.00(▲37.00)
亜鉛 :2806.00(▲47.50)
鉛 :2025.00(▲33.00)
アルミニウム :2313.50(▲16.50)
ニッケル :15980.00(▲140.00)
錫 :26830.00(+230.00)
バルチック海運指数 :2,432.00(+47.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :178.15(+3.53)
SGX鉄鉱石 :178.82(+2.70)
NYMEX鉄鉱石 :178.54(+3.82)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :111(▲2.50)
大連原料炭先物 :253.71(▲2.96)
上海鉄筋直近限月 :5,122(+5)
上海鉄筋中心限月 :5,114(+9)
米鉄スクラップ :605(±0.0)

【農産物】
大豆 :1472.00(+22.25)
シカゴ大豆ミール :410.40(+2.90)
シカゴ大豆油 :58.32(+2.05)
マレーシア パーム油 :4231.00(+51.00)
シカゴ とうもろこし :606.50(+14.50)
シカゴ小麦 :659.75(+7.50)
シンガポールゴム :220.00(▲2.00)
上海ゴム :13660.00(+225.00)
砂糖 :16.77(+0.48)
アラビカ :132.45(+2.60)
ロブスタ :1369.00(+12.00)
綿花 :83.77(+0.51)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :108.08(+2.43)
シカゴ生牛 :120.58(+0.23)
シカゴ飼育牛 :137.58(▲0.15)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。