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中国統計改善と米対策期待で堅調
  • MRA商品市場レポート

2021年4月1日 第1934号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「中国統計改善と米対策期待で堅調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はその他農産品や自国通貨建て商品が下落したが、その他の商品は総じて堅調な推移となった。

朝方発表された中国のPMIが製造業・非製造業とも改善し、同国の経済活動が正常化に向かっていることが確認されたことが材料となった。

しかし、四半期末ということもあって、作付け意向面積が予想外に減少した米主要穀物を除けば、それほど力強い上昇にはなっていない。

先ほど、バイデン大統領が新しい経済対策を発表、8年間で2兆ドルを投資する計画。これに伴い企業増税を行う見込みで、企業側は既に反発している。

しかし、中国に対抗するため、企業が自由にできる資金を増やすというよりも、国として資金使途を決めたい、という方針であるともいえ、対中戦略を考えるならば致し方ない、という所だろうか。

※レポートで紹介するほどではない、軽いニュースに関するコメントはFBで更新していますので、不定期ですがご興味のある方はフォローをお願いします。
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【本日の見通し】

本日はバイデン政権の追加景気刺激策を受けて、景気循環銘柄を中心に堅調な推移になると予想される。

しかし、四半期末の利益確定が完全ではなかったため、しばらくは利益確定の動きに押される形となり上値も重いと考える。

本日発表予定の経済統計では、米ISM製造業指数(市場予想61.5、前月60.8)、OPECプラス会合に注目している(OPECプラスに関しては本日のMRA's Eyeをご参照ください)。

【セクター別動向と見通し】

◆エネルギー

原油価格は下落した。スエズ運河の開通で運行スケジュールが明らかになる中で実需のヘッジ売りが入ったとみられること、50日移動平均線を巡る攻防が続いていたが、これを割り込んだことからテクニカルな下げ圧力が強まったとみられる。

昨日発表の米石油統計は予想比で原油・ディスティレートが弱気、ガソリンが強気な内容だった(詳細は今日のMRA's Eyeをご参照ください)

石炭価格(豪州炭)は上昇。中国の製造業PMIの改善をみるに、中国の製造業活動が再び回復しているとみられ、価格を押し上げている。一方、バルチック海運指数は低下している。

極東のスポット天然ガス価格の指標であるJKMは、石炭価格の上昇もあり、水準を切り上げ。中国勢の買い圧力が強まっているものと考えられる。欧州天然ガスも上昇、米天然ガスは気温上昇観測で下落。

本日もOPECプラスメンバーの発言に一喜一憂の展開が予想される。おそらく減産期間は延長されるとみられ、価格を押し上げよう。ただし、足下はテクニカルな売り圧力も高まっており、上昇余地は限定とみる。

天然ガス・石炭価格は季節的には下落圧力がかかりやすいが、中国の経済活動が良好であり高値を維持か。

◆非鉄金属

LME非鉄金属は上昇した。中国の製造業PMIで新規受注在庫レシオの上昇が確認され、中国向けの需要増加期待が強まったことや、バイデン政権のインフラ投資計画発表への期待から、買い戻しが優勢となった。またドル安進行も支えに。

本日から新年度入りするが、期末を控えた手仕舞い売りの影響が限定されたため、新年度入りしたファンドの益出し売り圧力は継続、軟調な推移になると予想する。

ただし、米インフラ投資計画や、中国の製造業PMIをみるに、下落余地も限定されるだろう。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは小幅に上昇、大連先物も小幅に上昇、豪州原料炭スワップ先物は小幅下落、大連原料炭先物は下落、上海鉄鋼製品先物価は高安まちまちだった。

中国製造業PMIは改善したものの、鉄鋼業PMIがやや低調だったことで方向感が出難かった。

中国の鉄鋼原料積み増し需要は旺盛とみられること、米国のインフラ投資計画を受けて鉄鋼需要が増加するとみられ、先物は堅調な推移を予想。

◆貴金属

金価格は上昇。バイデン政権の景気刺激策を受けた景気への期待から、期待インフレ率が上昇し、実質金利が低下したため。銀価格も上昇、プラチナも銀価格の上昇を受けて水準を切り上げたが、割安感から上昇率は貴金属セクターで最も高くなった。

パラジウムも株価上昇もあって水準を切り上げた。

本日は、バイデン政権のインフラ投資計画による景気過熱期待と、期待インフレ率の上昇が相殺しあう形でもみ合い推移を予想。

◆穀物

穀物価格は上昇。ドル安基調の中発表された米作付け意向面積は、トウモロコシ・大豆が市場予想を大きく下回ったことが材料となった。小麦は市場予想を上回ったものの、完全にトウモロコシ・大豆に連れ高。

昨日発表された米作付け意向面積は以下の通り。小麦は市場予想を上回ったが、その他は市場予想を下回った。

・米作付け意向面積トウモロコシ 9,114万エーカー(市場予想9,313万エーカー、前年9,699万エーカー)大豆 8,760万エーカー(9,010万エーカー、8,351万エーカー)小麦 4,636万エーカー(4,495万エーカー、4,466万エーカー)綿花 1,204万エーカー(1,215万エーカー、1,370万エーカー)

本日は小麦に調整売りが入るとみられるが、トウモロコシ・大豆には買いが入ると予想。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

昨日発表された中国の製造業PMIは51.9と、市場予想の51.9、前月の50.6を上回る改善が確認された。特に生産の回復が堅調で(51.9→53.9)、新規受注も生産ほどではないが、回復している(51.5→53.6)。輸出向け新規受注をみると、今月は輸出の回復が新規受注の回復に寄与したと考えられる。

これを受けて新規受注在庫レシオは、完成品も原材料も回復、中国の生産活動の回復が特に鉱物資源価格を引き続き押し上げる可能性が高いことを示唆する内容だった。

また、注目すべきは非製造業PMIも56.3(51.4)と大きく改善している点だ。最終消費が戻りつつあることを示している。こうなると、景気循環系商品の「フロー需要」が回復することが予想される。

一方、発表された日本の鉱工業生産は、市場予想を大きく下回る前月比▲2.1%(市場予想▲1.3%、前月+4.3%)、前年比▲2.6%(▲1.8%、▲5.2%)となった。

明らかにコロナ対策の差がでたものと考えられる。中国の報道は眉唾なものも多いが、少なくとも日本よりは状況が悪くない。また、中国ほどの苛烈なロックダウンを行っていない米国も、ワクチン接種の進捗によって急回復しており、日本は取り残された感が強い。

米中とも、コロナを契機に新たな成長ステージに入っているとも言え、パンデミックへの政府対応の差が出た、とも言えるだろう。

その意味では欧州も日本と大差なく、民族的に日本ほど公衆衛生に敏感ではないことから感染拡大が続いている。米国と同様、ロックダウンではなく、ワクチン接種がなければ本格的な回復は見込めないだろう。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・米大統領選挙前後の国内融和にバイデン次期大統領が失敗する場合(今のところ成功している模様)。

・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならないが、足下、どの中央銀行・政府も景気過熱は意識しているものの沈静化させるタイミングと判断していないため、しばらくは顕著な価格上昇リスクとなる見込み。

常識的に考えると今年の年末頃からテーパリング開始の見通しとなるが、来年の米中間選挙を控えて米政権がテーパリング実施にクギを刺す可能性がある。この場合、2022年にかけて、さらにリスク資産価格が上昇する可能性も。

・コロナウイルスの感染再拡大(または新たなウイルスの発生)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合。逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は高くなった。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格は再び上昇するとみられる。OPECプラスが減産期間を継続する見込みであること、米経済の回復期待が高まっていることが背景。

しかし、欧州ではコロナの変異種の拡大が止まらず、再びロックダウンの動きが広がっていること、同時にインフレ期待も高まっていること、それに伴う長期金利上昇、株安がドル高を誘発する可能性があること、金融緩和は継続するものの、米政府は強いドルを望む方針であることから、ドル高進行がファイナンシャルな面で価格を下押しするため、上値も重いと考える。

原油価格の上昇要因となっていた米シェールオイルの生産減少が回復する見通しであることや、OPECプラスの減産解除観測も、上昇余地を制限しよう。

なお、常識的に考えれば経済活動の再開で2022年頃からテーパリングが始まり、過去の例を考えると長期金利の上昇などを通じてリスク資産価格には一時的に調整圧力が強まる可能性は高い。そのため、2022年には一旦調整局面があり、その後、持続可能な上昇になると予想する。

【見通しの固有リスク】

・ワクチン接種の進捗が想定よりも早まり、人の移動制限が解除され需要増加に供給が間に合わず、価格が急騰するリスク(供給の時間差リスク)。

・米国経済が正常化する中で急速なドル高が進行し、投機的な売り圧力が高まる場合。

・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産継続で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。

逆に価格低迷で歳入確保の増産が加速する場合、またはOPECプラスのプログラムの対象となっていない中東諸国の増産(価格下落要因)。

景気回復時の増産タイミングの見誤りによる、供給不足(価格上昇要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

などが価格上昇要因に。

・バイデン政権がシェールオイルのフラッキングやパイプライン敷設を制限/禁止する場合、供給減少で価格上昇要因に。

また、イランに対する制裁が緩和される場合、原油価格の下落要因に。ただし、米国内の反イラン感情の高まりで、直ちに制裁が緩和される可能性は低い。

・イランの反米感情が高まり、中東の不安定さが増す場合(価格上昇要因)。

イランでは6月に大統領選挙が予定されており、国内保守派に配慮してロウハニ大統領はタカ派的な発言をする可能性があるが、制裁解除に向けた融和的なコメントも欧米向けに発信せざるを得ず、ロウハニ大統領の発言で価格は左右される見込み。

・米国の橋渡しでイランとサウジを初めとするスンニ派諸国が和解し、巨大なイスラム教圏が誕生した場合(地域安定で原油生産増加、短期的には価格の下落要因に。ただし相当発生の可能性が低いリスクシナリオ)。

【石炭価格見通し】

海上輸送石炭価格は高値を維持すると考える。バルチック海運指数の上昇を見るに値動きは旺盛であることが背景。

中国政府は国内炭の供給能力増強にシフトしているが、経済活動の回復に供給が十分ではない。

ただし、豪州との対立や、環境規制強化の中で石炭需要は減速するとみられること、非常に矛盾するが国内生産を増加させていること、春先に掛けては季節的に需要が減少することから海上輸送炭価格の上値は重くなると予想される。

2月の中国の石炭輸入は気温低下の影響で前月から大幅に増加。前年水準の14倍、前月から3倍強となる3,907万5,000トン(前月1,176万トン)と顕著に増加した。

1-2月の累計では前年比▲46.0%の2,423万9,951トンと大幅に減少している。国内生産の水準が出ていないが、国内供給が増えたか、需要が減少したか、あるいはその両方かだろう。

燃料炭の港湾在庫の水準を見るに、需要減速・国内生産が同時に起きていると予想される。よって、石炭価格にも徐々に下押し圧力が掛りやすくなることが予想される。

【見通しの固有リスク】

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。短期的には価格の上昇要因。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格は中国の経済活動が活発であり、電力向け需要増加が見込まれることから、季節性とは関係なく石炭価格と歩調を合わせ、堅調な推移になると予想。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・最大供給国であるロシアの増産。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【投機筋のポジション動向】・WTIは投機の買いが増加、ショートも増加したがネット買越し幅は拡大。Brentは高値圏にあることからショートが増加し、ネット買越し幅は縮小している。

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが683,015枚(前週比 +2,507枚)ショートが159,960枚(+4,894枚)ネットロングは523,055枚(▲2,387枚)

Brentはロングが375,828枚(前週比▲36,650枚)ショートが92,898枚(+14,823枚)ネットロングは282,930枚(▲51,473枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は短期的には調整圧力が強まる展開になると予想する。欧州のコロナ拡大を材料にしたユーロ安・ドル高圧力が強まっていることが、価格をファイナンシャルな面で下押しすると考えられるため。

ただし、各国の財政出動並びに金融緩和スタンスは継続される見込みであり、中国のみならず、米民主党政権は1.9兆ドルの経済対策に加え、3兆ドル(ウチインフラ投資は1兆ドル)の追加対策を実施の見込みであり、中国も7月の共産党結党100周年記念までは少なくとも景気刺激を続けると見られる。

これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。

また、中期的には調整圧力が強まる展開になるとの予想は、現時点では変更する必要はないと考えている。中国政府が国内バブルを警戒する姿勢を強めていること、米経済統計回復に伴うドル高進行、早ければ2021年末頃から始まる可能性がある、米テーパリング開始の可能性、生産国の生産が回復する可能性が高いことが材料。

なお、現在の価格上昇は実際に中国の需要の増加による需給タイト化によるものであり、環境規制強化が牽引する価格上昇ではない。しかし、一時の過熱感はややトーンダウンしている。

2月の中国製造業PMIは50.6(前月51.3)と小幅に減速。生産や輸出向けの受注が減速(50.2→48.8)、新規受注も全体で51.5(52.3)と減速している。恐らく国内向けの新規受注も小幅に減速したとみられる。鉄鋼業PMIは輸出向けの受注が回復したが、工業製品全体ではやや足踏みしているようだ。

ただ、非鉄金属価格に対する説明力が高い新規受注在庫レシオは、完成品が1.063→1.073、原材料が1.067→1.080といずれも小幅に上昇しており、先月までの需給緩和圧力が弱まった、と言えるだろう。

しかし、同レシオと比較した場合の非鉄金属価格の上昇幅は顕著であり、やや上げすぎの感は否めない。

このほか、環境重視型社会への急速なシフト観測も、投機買いを加速させている感は否めない。

米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高いと言える。

足下は期待選好で、総じて中長期的には物色されやすい地合が続くとみる。

具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要するだろう。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資(2兆ドルのクリーンインフラ投資など)を行う場合(上昇リスク)。

・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(上昇リスク)。

コロナの影響もあって、2020年12月1日時点の鉱山生産への影響は全体で184万1,000トン、コロナの影響によるものは112万3,000トン。

精錬品生産で影響を受ける規模が、全体で141万6,000トン、コロナによるものが62万8,000トン。

・中国の環境規制強化やコロナの影響再発に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

【投機筋のポジション動向】・先週は銅とニッケルで新規にポジションを取る動きが診られたが、その他は総じて手仕舞いの動きが強まった。

・LME投機筋買い越し金額 前週比▲0.3%の260億ドル(前週 261億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比▲1.9%の5,653.5千トン(前週 5,760.9千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、中国の景気先行指標をみるに堅調な推移を続けると考える。中国の顕在需要が増加していることが背景。

今後も、中国政府のインフラ投資を柱とする経済対策が今年7月の中国共産党結党100周年記念まで続くと予想されること、全人代では財政赤字幅を市場予想よりも拡大する見通しが示され、さらなる景気刺激が見込まれること、これに加えて米国も、バイデン政権は総額3兆ドル(ウチ、インフラ投資1兆ドル)の経済対策を実施の見込みであること、中国国内の鉄鋼原料在庫日数の水準が低いことから(鉄鋼製品在庫の水準は増加)在庫積み増し需要も継続する可能性が高く、基本は底堅い推移となる。

ただし、中国政府は景気刺激と同時に住宅セクターのバブルを懸念し始めており、住宅取得規制の動きも見せている。しかし、同時に自動車取得を促す政策も発表(ナンバープレート取得条件緩和、新エネルギー車購入に補助金、自動車ローンの頭金引き下げ)しており、やや一貫性に欠ける。バブルは警戒しているが、直ちに規制を強めることはなさそうだ。

ただし、中国共産党は2021年から始まる新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。目先の景気刺激が終了し、景気の巡航速度への回復が確認されるタイミングで景気刺激と鉄鋼増産は回避される可能性が高く、年後半に掛けては価格は下落すると予想する。

3月の中国鉄鋼業PMIを見ると、総合指数は47.9(前月48.6)と減速した。輸出向け新規受注が横ばい(43.3→43.3)だったうえ、生産が悪天候などの影響で減少(54.7→51.3)したことが影響している。

ただ、ロジスティクスの問題もあり完成品在庫(38.1→33.2)、原材料在庫(46.6→36.6)と低下しており、新規受注完成品レシオ(1.14→1.30)、新規受注原材料レシオ(0.93→1.18)と急回復、需給バランス自体は原材料・完成品ともタイトだ。当面、鉄鋼製品・原料価格とも高止まりするのではないか。

中国の鉄鋼製品の輸入は通常、平均で110万トン程度なのだが、2月は前年比+6.9%の108万トン(前月131万トン)と減少傾向を持続し、過去5年レンジの上限まで減速した。

12月の国内生産は季節性もあるが9,125万トン(前月8,766万トン、10月 9,220万トン、9月 9,256万トン)と回復した。

その一方、2月の鉄鋼製品輸出は490万トン(前月524万トン)と低迷、過去5年レンジの下限(780万トン)を下回った。このことは海外市場の回復が低迷していることを示唆する一方、国内需要はそれなりに堅調であることをうかがわせる。

弊社はこの鉄鋼製品の輸出入動向に注目しているが、輸出/輸入とも過去5年レンジに復帰しており、徐々に過剰な国内依存(政策依存)の需要環境から、輸出に牽引される形での鉄鋼業の操業状態(通常状態)に戻っていると考えている。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが在庫水準は前週比▲89万8,000トンの2,068万トン(過去5年平均 1,685万4,000トン)と、例年よりも在庫水準は高いが、既に在庫の取り崩し時期に突入している。

これまで需給が緩和傾向にあるのでは、と見ていたが、3月の鉄鋼業PMIは62.3と前月の54.7から急回復している。気温の回復や、中国政府の対策期待の根強さが影響しているとみられる。

原料である鉄鉱石の2月の輸入は前年比+3.8%の9,050万トン(前月▲4.5%の9,675万トン(前月+1.7%の9,100万トン)。昨年と春節の時期が異なるため一概に比較はできないが、1-2月で合計すると前年比+2.7%の1億8,151万トンと、過去5年の最高水準である1億8,461万トンには及ばないが、過去5年平均である1億7,338万トンは大きく上回っている。中国の鉄鋼セクターの活動は旺盛、と言えるだろう。

鉄鉱石港湾在庫は前週比▲20万トンの1億3,365万トン(過去5年平均1億3,146万6,000トン)、在庫日数は29.7日(過去5年平均 35.7日)と例年と比較して在庫日数の水準は低く、輸入需要は持続するものと思料。

原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。しかし、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから、海上輸送原料炭価格の上値も重い。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は前週比▲13万トンの189万トンと過去5年の最高水準である252万トンを下回った。

在庫日数は前週比▲0.5日の7.8日と、過去5年の最高水準である11.0日を下回っている。再び原料炭需給はタイト化の方向にある。

【見通しの固有リスク】

・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク。

・中国とインドの国境紛争の激化で、インドが中国に対して鉄鉱石輸出を制限する可能性(中国のFOBインデックスは上昇、その他の地域の鉄鉱石価格は低下)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

<<金>>

金は軟調な推移になると考える。長期金利上昇、景気回復期待でのドル高進行が米雇用統計を受けて加速していることから。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,545ドルに低下。そこからの乖離(リスク・プレミアム)は171ドルと一昨日から+3ドル上昇。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

<<銀>>

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、69.9倍。過去1年を基準にすると83倍、5年では80倍、2000年以降では65倍程度が妥当。

金は高値を維持する見通しだがバイデン大統領誕生により、太陽光発電向けに用いられる「バイデン銘柄」であることもあって、需要構造の変化が価格を下支え(金銀レシオは低下)するものと予想。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

<<PGM>>

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。これまで、各国の自動車セクターの回復期待と、主要生産国である南アフリカの供給不安が価格を押し上げている。

ただし米長期金利上昇に伴う、ベンチマークの金価格の調整は下押し圧力を強めることになるだろう。

仮に脱炭素が進んで水素が用いられ、燃料電池が進むのであればプラチナの構造的な需要が増加するシナリオは、需要・価格面でのポジティブリスクシナリオ。投機の比率が高い商品であるため、こうした観測記事だけでも材料に価格が反応しやすい。

パラジウムは景気正常化期待による金価格調整→経済正常化による需要増加、ロシア生産者からの供給減少観測を受けて高値を維持すると考える。

コロナショック後、パラジウム価格は基本的にETF価格との連動性が高まった(自動車向けの需要減少で余剰が発生したため)が、足下、ETFの残高の変動以上に価格が上昇している状況。

自動車生産が回復すれば再びパラジウム供給不足が発生し、ETFの残高減少と価格上昇が同時に発生する可能性が高いとみている。

2月の米自動車販売は年率1,567万台(前月1,606万台、市場予想1,663万台)と減速した。

中国の2月の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で前年比+371%の146万台(前月+30%の250万台、12月+6.4%の283万台、11月+12.7%の276万9,666台、10月+12.6%の257万3,000台、9月+13.0%の256万5,201台)と前年比の伸びが加速している。

ただし今月の加速は昨年のコロナからの反動で、2019年比では▲1.8%とまだ回復していない。

【見通しの固有リスク】

・個人投資家のETFを通じた買いが、経済合理性を無視した水準まで貴金属価格を押し上げるリスク。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・世界的な成長力の低下に伴い、各国の財政状況が悪化、地政学的リスクが顕在化する場合(中東・北アフリカのリスク顕在化の可能性は低くない)。リスク・プレミアム上昇を通じて貴金属価格の上昇要因に。

・米中の対立激化。米国は今回のウイルス問題で、中国の医療面、人工知能を含むIT面に脅威を感じた可能性は高く、対立が激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが262,774枚(前週比 +6,537枚)、ショートが88,707枚(+12,666枚)、ネットロングは174,067枚(▲6,129枚)、銀が70,257枚(▲401枚)、ショートが39,178枚(+2,129枚)、ネットロングは31,079枚(▲2,530枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが40,914枚(前週比 ▲1,771枚)ショートが10,688枚(▲554枚)、ネットロングは30,226枚(▲1,217枚)

パラジウムが5,204枚(+175枚)、ショートが2,840枚(▲627枚)ネットロングは2,364枚(+802枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

トウモロコシ・大豆はラニーニャ現象の影響緩和や、ドル高の進行、投機の買越し幅が大きいことから調整売り圧力が強まると予想。

足下の価格上昇を受けて作付け面積の拡大が全ての穀物で見込まれており、価格の下押し要因となる。作付け意向面積は3月末に発表予定だが、予定されている材料としては目先、最も重要なものになるだろう。

しかし、寒波と降雪の影響で作付けに影響が出る可能性がある。冬場の降雪量が多かった場合、通常であれば春の土壌水分改善で播種が進み豊作に繋がると判断されるのだが、想定以上の雪解け水が発生した場合には逆に耕作が不可能になるため、価格の上昇リスクとなり得る。

Locust Watchではエチオピア、ケニアで群生相が発生していたが、ここにきて群生相が急速に減少した。継続した繁殖が見られなかったようで、降雨が見込まれる一部の地域を除けば、繁殖は制限される可能性が高まっている。

バッタによる食害リスクは以前よりは低下している、と考えられる。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210315HoAforecast.jpg

【見通しの固有リスク】

・ラニーニャ現象の発生による穀物供給減少リスクの顕在化。害虫の発生、生産地の土壌破壊など(すでに一部顕在化)。

春から夏にかけて発生する可能性が高まっているエルニーニョ現象の影響による不作。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米作付け意向面積トウモロコシ 9,114万エーカー(市場予想9,313万エーカー、前年9,699万エーカー)大豆 8,760万エーカー(9,010万エーカー、8,351万エーカー)小麦 4,636万エーカー(4,495万エーカー、4,466万エーカー)綿花 1,204万エーカー(1,215万エーカー、1,370万エーカー)

・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)

・3月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 172.0Bu/エーカー(NA、172.0)大豆 50.2Bu/エーカー(NA、50.2)小麦 49.7Bu/エーカー(NA、49.7)

・3月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 141億8,200万Bu(NA、141億8,200万Bu)大豆 41億3,500万Bu(NA、41億3,500万Bu)小麦 18億2,600万Bu(NA、18億2,600万Bu)

・3月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 26億Bu(25億5,000万Bu)大豆 22億5,000万Bu(22億3,000万Bu)小麦 9億8,500万Bu(9億8,500万Bu)

・3月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 15億200万Bu(14億6,035万Bu、15億5,200万Bu)大豆 1億2,000万Bu(1億1,673万Bu、1億4,000万Bu)小麦 8億3,600万Bu(8億3,838万Bu、8億3,600万Bu)

・12月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 113億2,200万Bu(117億4,670万Bu、19億5,000万Bu)大豆 29億3,300万Bu(29億2,900万Bu、5億2,500万Bu)小麦 16億7,400万Bu(16億9,555万Bu、21億5,800万Bu)

・2月CONABブラジル作付け面積(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1,909万ha(1,946万ha、1,846万ha)大豆 3,827万ha(3,845万ha、3,819万ha)

・2月CONABブラジル生産量(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1億548万トン(1億853万トン、1億231万トン) 単収 5,525Kg/ha(5,576kg/ha、5,541kg/ha)大豆 1億3,382万トン(1億3,327万トン、1億3,369万トン) 単収 3,497Kg/ha(3,469kg/ha、3,500kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが616,101枚(前週比 +32,822枚)、ショートが77,401枚(+3,206枚)ネットロングは538,700枚(+29,616枚)

大豆はロングが270,745枚(+5,214枚)、ショートが43,081枚(▲919枚)ネットロングは227,664枚(+6,133枚)

小麦はロングが122,189枚(+4,036枚)、ショートが106,933枚(+5,836枚)ネットロングは15,256枚(▲1,800枚)

◆本日のMRA's Eye


「OPECプラスは減産期間を延長へ」

昨日発表の米石油統計は予想比で原油・ディスティレートが弱気、ガソリンが強気な内容だった。

原油は生産が回復(+0.1MBD)、輸入は増加(+0.5MBD)、稼働率は回復(+2.3%)、在庫は▲0.9MBの減少となった。在庫日数は▲0.9日の32.5日と、過去5年レンジ回復目前。

製油所の稼働率は回復し、港湾の稼働も回復、徐々に通常状態に戻りつつある。おそらくこのペースであれば、あと2週間程度で通常の状態に戻ることになるだろう。2月中旬から発生した生産減少であるため、結局復旧に2ヵ月近く要したことになる。

原油価格に影響が大きいクッシング在庫は+782KB(▲1,912KB)と増加。輸入が減少し、製油所の稼働率低下(▲1.0%)と、輸入の増加(+0.1MBD)が影響したが、それでもこの程度の増加に止まっているのは、出荷が堅調だったためと言える。クッシングの在庫スペースの稼働率は59.0%(58.0%)と上昇。

石油製品在庫は、ガソリンが減少、ディスティレートは増加した。ガソリンは▲1.7MB(前週+0.2MB)、ディスティレートは+2.5MB(+3.8MB)となった。

石油製品はコロナショック後以降、出荷動向に注目しているが、米ガソリン出荷は前年比▲6.7%の8.67MBD(前週▲9.2%の8.48MBD)と先週から回復、コロナの影響がなかった2019年と比較すると▲5.6%(▲7.3%)とこちらも回復基調となっている。

ディスティレートは前年比+0.6%の4.06MBD(▲3.4%の3.97MBD、2019年比▲4.7%(▲5.8%))と回復した。厳冬が終了し、ワクチン接種の進捗もあって、通常の経済活動に戻りつつあると言える。

なお、ガソリン、ディスティレートとも国内供給能力の回復から、輸入は減少している。

製品全体の出荷は▲4.9%の19.16MBD(▲10.7%の18.77MBD、2019前年比▲7.0%(▲9.4%))と回復した。

製品輸出は▲18.1%の4.51MBD(▲20.3%の4.45MBD、2019年比▲7.5%(▲11.6%))と回復。出荷+輸出でも▲7.8%の23.67MBD(▲12.7%の23.21MBD、2019年比▲7.1%(▲9.8%))と回復基調が続いている。

米国の経済活動は統計でも確認できるように回復基調にあり、原油価格の上昇要因隣るだろう。しかし冷静にみてみると、出荷は前年比5%、平常状態だった2019前年比ではまだ、7%程度低い水準である。

OPECプラスはこの4月、2018年10月時点の生産量から▲690万バレルの減産を継続する見込みで、サウジアラビアの自主減産を追加すると▲790万バレルの減産となる。

コロナショック前の減産がサウジアラビアの▲40万バレルの自主減産を含めると▲230万バレルであり、コロナショックによる追加減産は▲560万バレルとなる。

2018年10月のOPECプラスの生産量が4,449万バレルを前提としているため、この追加減産は▲12.6%に相当する。米国の経済活動回復が他国よりも先行していることを考慮すると、おそらく米国以外の国の活動は2019年比▲10%は低い状態が続いていると考えられ、欧州のロックダウン拡大をみるにOPECプラスは少なくともあと1ヵ月は、減産期間を延長する可能性が高いとみている。

結果、減産解除は先送りされるため、夏~秋、特に米国がテーパリングに入る可能性が高まる年末にかけての下落リスクは高まる、とみるべきだろう。その間、原油価格は過剰流動性供給の中のリスクテイク意欲の回復で、さらに高値を試す局面が出てくると想定している。

◆主要ニュース


・1月日本失業率 2.9%(前月2.9%)、有効求人倍率 1.09倍(1.10倍)

・2月日本小売売上高 前月比+3.1%(前月▲1.7%)前年比▲1.5%(▲2.4%)

・2月日本百貨店スーパー販売額 前年比▲4.7%(前月▲7.2%)

・2月日本鉱工業生産速報比  前月比▲2.1%(前月改定+4.3%)前年比▲2.6%(▲5.2%)
 出荷▲1.5%(+3.2%)、▲3.5%(▲5.1%)
 在庫▲1.0%(±0.0%)、▲9.6%(▲10.3%)

・2月日本貸出先別貸出金(法人) 前年比+7.46%(前月+7.29%)

・2月日本住宅着工戸数 前年比▲3.7%の80.8万戸(前月▲3.1%の80.1万戸)

・2月日本建設工事受注 前年比+2.5%(前月+14.1%)

・3月中国製造業PMI 51.9(前月50.6)、生産 53.9(51.9)
 新規受注 53.6(51.5)、輸出新規受注 51.2(48.8)
 受注残 46.6(46.1)、輸入 51.1(49.6)
 完成品在庫 46.7(48.0)、原材料在庫 48.4(47.7)

・3月中国鉄鋼業PMI 47.9(前月48.6)、生産 51.3(54.7)
 新規受注 43.3(43.3)、輸出新規受注 43.7(61.4)
 完成品在庫 33.2(38.1)、原材料在庫 36.6(46.4)

・3月中国非製造業PMI 56.3(前月51.4)、新規受注 55.9(48.9)
 新規輸出 50.3(45.7)、受注残 45.9(44.0)、在庫 48.2(45.9)
 雇用 49.7(48.4)

・2月独輸入物価指数 前月比+1.7%(前月+1.9%)、前年比+1.4%(▲1.2%)

・3月ユーロ圏消費者信頼感改定 ▲10.8(速報比±0.0、前月改定 ▲14.8)

・3月ユーロ圏景況感指数 101.0(93.4)
 鉱工業景況感 2.0(▲3.1)
 サービス景況感 ▲9.3(▲17.0)

・3月独消費者物価指数 前月比+0.5%(前月+0.6%)、前年比+2.0%(+1.6%)

・3月ユーロ圏消費者物価指数 前月比+0.9%(前月+0.2%)前年比+1.3%(+0.9%)、コア指数 +0.9%(+1.1%)

・2月インド財政収支 ▲1兆7,154億3,000万ルピーの赤字
(前月▲7,553億5,000万ルピーの赤字)

・1月米S&Pコアロジック住宅価格指数 前月比+1.20%(前月+1.30%)、前年比+11.1%(+10.17%)

・3月米コンファレンスボード消費者信頼感指数 109.7(前月改定 90.4)
 現況指数 110.0(89.6)、期待指数 109.6(90.9)
 6ヵ月以内自動車購入 11.9(10.2)、住宅 8.4(6.0)

・米MBA住宅ローン申請指数 前週比 ▲2.2%(前週▲2.5%)
 購入指数 ▲1.5%(+2.6%)
 借換指数 ▲2.5%(▲5.1%)
 固定金利30年 3.33%(3.36%)、15年 2.71%(2.72%)

・3月シカゴ購買部協会指数 66.3(前月 59.5)

・3月米ADP雇用統計 前月比+517千人(前月改定+176千人)

・2月米中古住宅販売仮契約 前月比▲10.6%(前月▲2.4%)、前年比▲2.7%(+8.8%)

・WHOテドロス事務局長、「新型コロナウイルスの起源に関する調査は、研究所からの漏洩を調査しておらず重大な瑕疵がある。」

・米バイデン大統領、8年で2.5兆ドルのインフラ投資計画を発表。公共交通機関への蓮歩拠出の倍増を含めて6,200億ドル、上水道や高速ブロードバンド整備など生活の質向上に6,500億ドル、製造業強化に5,800億ドル、高齢者の介護向上に4,000億ドル、製造業向けの資金農地、非国防関連の研究関連に1,800億ドルを充当。

・ECBラガルド総裁、「刺激策を解消する前には十分に通知する。投資家はいくらでもECBを試せば良い。4年以内にデジタル通貨発行の可能性。」

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計 原油▲0.9MB(クッシング+0.8MB)
 ガソリン▲1.7MB
 ディスティレート+2.5MB
 稼働率+2.3

 原油・石油製品輸出 7,212KBD(前週比+271KBD)
 原油輸出 2,702KBD(+206KBD)
 ガソリン輸出 558KBD(+12KBD)
 ディスティレート輸出 749KBD(▲29KBD)
 レジデュアル輸出 121KBD(▲13KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,149KBD(+95KBD)
 その他石油製品輸出 1,879KBD(+5KBD)

・OPECプラス共同技術委員会(JTC)、2021年の需要予測の下方修正で合意。サウジアラビアが当初の数字が高すぎるとの見方を示した。需要予測の下方修正はアルジェリアも支持。バルキンド事務局長は、OPECプラスは非常に慎重な姿勢を維持するべきだろうと伝達。

・イラク議会、原油価格45ドルを前提とした修正予算案を可決。

・イラン、米制裁解除まで20%ウラン濃縮を止めず。

【メタル】
・特になし。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CME牛乳 ( 畜産品 )/ +8.64%/ +11.39%
2.CBT大豆ミール ( 穀物 )/ +6.28%/ ▲2.58%
3.CBT大豆 ( 穀物 )/ +5.12%/ +9.24%
4.CBT大豆油 ( 穀物 )/ +4.88%/ +22.13%
5.CBTトウモロコシ ( 穀物 )/ +4.64%/ +16.58%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲2.90%/ ▲17.02%
65.SHF 銀 ( 貴金属 )/ ▲2.52%/ ▲10.33%
64.NYM WTI ( エネルギー )/ ▲2.30%/ +21.93%
63.ICEガスオイル ( エネルギー )/ ▲2.17%/ +17.77%
62.SHFニッケル ( ベースメタル )/ ▲2.13%/ ▲2.54%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :32,981.55(▲85.41)
S&P500 :3,972.89(+14.34)
日経平均株価 :29,178.80(▲253.90)
ドル円 :110.72(+0.36)
ユーロ円 :129.87(+0.57)
米10年債 :1.74(+0.04)
中国10年債利回り :3.19(▲0.02)
日本10年債利回り :0.10(+0.00)
独10年債利回り :▲0.29(▲0.01)
ビットコイン :58,960.19(+286.53)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :30.28(+0.86)
エネルギー :34.67(+0.17)
ベースメタル :35.84(▲0.53)
貴金属 :24.94(▲0.38)
穀物 :27.60(+4.64)
その他農畜産品 :28.36(+0.53)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :53.89(▲0.19)
Brent :52.14(▲0.45)
米天然ガス :31.65(▲1.38)
米ガソリン :40.29(+0.5)
ICEガスオイル :37.99(+0.65)
LME銅 :27.87(+0.06)
LMEアルミニウム :21.81(▲0.36)
金 :24.40(+8.29)
プラチナ :26.92(▲1.22)
トウモロコシ :27.49(+4.58)
大豆 :24.40(+8.29)

【エネルギー】
WTI :59.16(▲1.39)
Brent :63.54(▲0.60)
Oman :63.18(+0.37)
米ガソリン :195.33(▲3.57)
米灯油 :177.13(▲1.79)
ICEガスオイル :495.50(▲11.00)
米天然ガス :2.61(▲0.02)
英天然ガス :46.80(▲1.40)

【貴金属】
金 :1707.71(+22.51)
銀 :24.42(+0.39)
プラチナ :1187.43(+27.99)
パラジウム :2627.56(+40.74)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :8,846(+51:5B)
亜鉛 :2,808(▲26:12.5C)
鉛 :1,979(+11:22.5C)
アルミニウム :2,235(▲11:22.5C)
ニッケル :16,150(▲209:52C)
錫 :25,300(▲140:1880B)
コバルト :50,069(▲500)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :8809.50(+59.00)
亜鉛 :2808.50(+17.50)
鉛 :1977.00(+16.00)
アルミニウム :2212.50(▲15.00)
ニッケル :16120.00(+215.00)
錫 :25225.00(▲15.00)
バルチック海運指数 :2,103.00(▲59.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :163.65(▲2.76)
SGX鉄鉱石 :166.9(+0.04)
NYMEX鉄鉱石 :166.9(▲0.09)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :117.12(▲0.05)
大連原料炭先物 :261.26(▲7.61)
上海鉄筋直近限月 :4,832(+12)
上海鉄筋中心限月 :4,956(▲11)
米鉄スクラップ :579(±0.0)

【農産物】
大豆 :1436.75(+70.00)
シカゴ大豆ミール :423.20(+25.00)
シカゴ大豆油 :52.92(+2.46)
マレーシア パーム油 :4061.00(+42.00)
シカゴ とうもろこし :564.25(+25.00)
シカゴ小麦 :618.00(+16.25)
シンガポールゴム :225.00(▲2.90)
上海ゴム :13850.00(▲255.00)
砂糖 :14.77(▲0.15)
アラビカ :123.50(+0.90)
ロブスタ :1342.00(▲6.00)
綿花 :80.88(+0.24)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :101.05(+0.13)
シカゴ生牛 :120.98(±0.0)
シカゴ飼育牛 :143.88(▲2.95)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。