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米追加経済対策期待で鉱物資源価格上昇
  • MRA商品市場レポート

2021年2月22日 第1909号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米追加経済対策期待で鉱物資源価格上昇」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は鉱物資源が物色され、価格が急騰していたエネルギーセクターが売られる流れとなった。

日米欧のPMIは特に欧州で製造業PMIが改善しており、域内景気の回復観測が強まったこと、それに伴うユーロ高・ドル安、米イエレン財務長官の追加財政政策を巡る発言が価格を押し上げることになった(詳しくは昨日のトピックスをご参照ください)。

ここに来て再び米長期金利の上昇が始まっており、この金利水準の変化に伴う為替の変動や株価の調整が、金融相場の様相を呈している商品市場の重石となる可能性がある。

金価格は昨日上昇しているが、どちらかと言えばドル安要因によるものであり、実質金利上昇に伴い、金基準価格は水準を切り下げている。このように長期金利動向が特にインフレ資産価格の下押し材料となる可能性は高まっている。

【本日の見通し】

週明け月曜日は、米追加財政政策期待を受けて再び鉱物資源価格が上昇する展開を予想する。また、欧州の統計改善に伴い、ユーロ高・ドル安となる可能性があることは、商品相場が金融相場の様相を呈しているだけに、上振れリスクを意識させる。

しかし、米長期金利の上昇(財政出動や景気回復期待)によって株価に調整圧力が掛る可能性があるため、上値も重いのではないか。

週明け月曜日の予定されている材料としては、やはりドル指数動向に影響する欧州経済統計、IFO景況感指数に注目したい。市場予想は、期待指数が91.7(前月91.1)、現況指数が89.1(89.2)、企業景況感指数が90.5(90.1)といずれも改善見込みである。その意味では、ECBラガルド総裁の基調講演にも注目したい。

【セクター別動向と見通し】

◆エネルギー

原油価格は下落した。米南部の気温低下に伴う供給制限が、気温上昇で来週以降緩和するとの見方と、週末を控えた利食い売りに押された形。

石炭価格(豪州炭)は小幅に上昇。バルチック海運指数の上昇に反映されるように、中国勢力の買い圧力が強まっている可能性が高い。ただし昨日はバルチック海運指数は低下している。

極東の天然ガス指標であるJKMは小幅に下落。厳冬による需要増加に対応するための手当が一巡した可能性が高い。欧州ガスはJKMの下落もあって小幅下落。米天然ガスは気温低下の影響緩和観測で小幅に下落した。しかし、生産に制限が出ている状態は継続している。

週明け月曜日は、目立った手がかり材料に乏しいが、米国の原油供給を巡る懸念が若干後退していることから水準を切り下げる展開を予想。

石炭・天然ガスはまだ気温が低いこともあり、スポット価格は高値圏での推移を続けるものと思料。

◆非鉄金属

LME非鉄金属はアジア時間から米国時間にかけて急騰した。欧州製造業PMIが市場予想を上回ったこと、G7オンライン会合で、イエレン議長が追加経済対策の必要性を訴えたことでインフラ投資需要がさらに増加する、との見方が強まったことが影響した。

週明け月曜日は、米国のさらなるインフラ投資への期待と、価格への影響が再び高まっている欧州統計(IFO景況感指数)が改善見込みであり、ユーロ高・ドル安圧力の高まりでさらに上昇余地を試す展開になると予想。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、大連先物は上昇、豪州原料炭スワップ先物は小幅上昇、大連原料炭先物は小幅上昇、上海鉄鋼製品先物価は直近限月が小幅下落、中心限月が小幅に上昇した。

休み明けの中国勢の買いと、米経済対策期待への鉄鋼需要増加観測が先物価格を押し上げる状況が続いてる。

週明け月曜日は、バルチック海運指数が再び上昇していることから輸入需要もまだ旺盛であるとみられ、米国のさらなる追加経済対策への期待から現物の必要でない先物価格は堅調な推移となろう。

◆貴金属

金価格は上昇。欧州統計の改善を背景にドル安が進行したことで、リスク・プレミアムを拡大させて価格は上昇した。しかし、実質金利の上昇によって金の基準価格は1,600ドルまで下落しており、「何かダウンサイドのイベントがあった場合」の金価格の下落余地は、一昨日から▲40ドル程度拡大下形。

銀も金価格の上昇を受けて水準を切り上げたが、上述の通り何かの際の下落余地は拡大。プラチナは小幅高、パラジウムは景気への期待で上昇した。

週明け月曜日は、独IFO景況感指数が改善の見込みであり、ユーロ高・ドル安基調が価格を支えるが、長期金利の上昇を受けて金の基準価格が下落するため、横ばい推移を予想。

◆穀物

シカゴ穀物市場はトウモロコシと小麦が下落した。米農務省が2022年のトウモロコシ需給が緩和する見通しであることを示し、大豆に関しては記録的な生産を見込むものの、中国の輸入増加などで需給がタイトであるとの見通しを示したことから。小麦はトウモロコシに連れ安となった。

どちらかと言えば、週末を控えたポジション解消の売り圧力が強まったと見られ、ドル安が価格を支えた感。

週明け月曜日は、欧州統計の改善に伴うドル安が進行する可能性と、中国勢の買い意欲は持続していることから、高値圏での推移を予想。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

昨日特筆すべきは非鉄金属価格の急騰だろう。いくつかの材料があったが、まず、かねてから非鉄金属価格に対する説明力が高い欧州の製造業PMIが市場予想を上回ったことによる、景況感回復期待と、それに伴うユーロ高・ドル安進行による投機の買いが入ったためと考えられる。

しかし、昨日の価格上昇は米イエレン財務長官の、「1兆ドル公共投資」の発言が引き金になったのではないか。

今回の投資が行われる場合、設備の近代化が目的となるため、今までのグリーン投資とは異なるいわゆるインフラ整備の公共投資となる。鉄筋やアルミなどの建設用の建材に加えて、電線網の整備や高速鉄道の整備などもこれに含まれることになるだろう。

これが実際に行われると、1.9兆ドルの財政措置に加えてさらに1兆ドル。300兆円を越える投資が行われることになる。この状況で増税は不可避だろうし、長期金利の上昇もまた不可避と考えられる。

しかし、この状態で、コロナ禍が収束して通常の経済状態に戻り、長期金利上昇に伴う住宅セクターの減速を回避するためのテーパリング開始を見送り(常識的には年末ぐらいから始まってもおかしく無い)、となると、「景気刺激と金融緩和のみ残る」と言うことになる。

可能性は低いと考えていたが、よくよく考えると来年はもう中間選挙の年。この状況で政権維持が至上命題である民主党政権がテーパリングを容認するとも思えない。

今のところ年末から年始にかけての正常化過程で価格が下落し、その後上昇するシナリオをメインシナリオとしているが、さらに年末からリスク資産価格が急騰するリスクシナリオの可能性も低くはなさそうだ。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・米大統領選挙前後の国内融和にバイデン次期大統領が失敗する場合。

・「トリプルブルー」になったことで財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならないが、足下、どの中央銀行・政府も景気過熱は意識しているものの沈静化させるタイミングと判断していないため、しばらくは顕著な価格上昇リスクとなる見込み。

ただし、ある意味「意図的にミニバブルを形成」している状態ともいえ、先々の下落リスクが大きくなっている点もリスクに。

・コロナウイルスの感染再拡大(または新たなウイルスの発生)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合。逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は低くなくなった。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

・米国の財政状況悪化、緩和規模拡大によるドル水準の低下リスク(ドル減価により、名目ドル建て資産価格の上昇要因に)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格は調整圧力が強まる展開を予想する。

短期的に原油価格の上昇要因となっていた米シェールオイルの生産減少が、来週以降に回復する見通しであることが、供給面の不安を和らげるため。ただし、まだ気温は低いこと、米追加財政政策への期待が早くも高まっていること、OPECプラスが減産を継続し、サウジアラビアが自主減産を行っていることが需給をタイト化させるため高値を維持の公算。

4月以降は、サウジアラビアが自主減産を終了する可能性が高いこと、OPECプラスも増産に舵を切る可能性が高いことから、中期的には一旦下落に転じると考えている。

長期的には、ワクチン接種の拡大による経済活動の正常化で価格は再び上昇基調を強めると予想。ただし、早ければ2022年頃からと見られる米国の金融緩和解除や、OPECの増産、シェールオイルの増産を受けて2022年には一旦調整局面があり、その後、持続可能な上昇になると予想する。

【見通しの固有リスク】

・米国経済が正常化する中で急速なドル高が進行し、投機的な売り圧力が高まる場合。

・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産継続で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。

逆に価格低迷で歳入確保の増産が加速する場合、またはOPECプラスのプログラムの対象となっていない中東諸国の増産(価格下落要因)。

景気回復時の増産タイミングの見誤りによる、供給不足(価格上昇要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

などが価格上昇要因に。

・バイデン政権がシェールオイルのフラッキングを制限/禁止する場合、供給減少で価格上昇要因に。

また、イランに対する制裁が緩和される場合、原油価格の下落要因に。ただし、米国内の反イラン感情の高まりで、直ちに制裁が緩和される可能性は低い。

・イランの反米感情が高まり、中東の不安定さが増す場合(価格上昇要因)。

イランでは6月に大統領選挙が予定されており、国内保守派に配慮してロウハニ大統領はタカ派的な発言をする可能性があるが、制裁解除に向けた融和的なコメントも欧米向けに発信せざるを得ず、ロウハニ大統領の発言で価格は左右される見込み。

・米国の橋渡しでイランとサウジを初めとするスンニ派諸国が和解し、巨大なイスラム教圏が誕生した場合(地域安定で原油生産増加、短期的には価格の下落要因に。ただし相当発生の可能性が低いリスクシナリオ)。

・ワクチン・治療薬が想定以上に早く準備でき、移動制限が急速に解除される場合(価格上昇要因)。

【石炭価格見通し】

石炭価格は高値を維持するが、春先に向けて水準を切り下げる展開になると考える。

高値維持の背景は、中国政府は国内炭の供給能力増強にシフトしているが、冬場で炭鉱が稼働し難いこと、港湾在庫の水準の低さに反映されるように、供給が十分ではないことが材料。

ただし、豪州との対立や、環境規制強化の中で石炭需要は減速するとみられること、非常に矛盾するが国内生産を増加させていること、春先に掛けては季節的に需要が減少することから徐々に海上輸送炭価格の上値は重くなると予想される。

12月の中国の石炭輸入は気温低下の影響で前月から大幅に増加。前年水準の14倍、前月から3倍強となる3,907万5,000トン(前月1,176万トン)と顕著に増加した。

中国は国内の石炭産業の強化と政治的に対立する豪州からの輸入制限で、国内生産を増加させる方向性に舵を切っているが、足下の気温急低下を受けてそうも言っていられなくなったようだ。

【見通しの固有リスク】

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。短期的には価格の上昇要因。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格はしばらく高値圏での推移になると考える。ラニーニャ現象の影響もあり、気温が北半球で低下しているため。

極東の天然ガス指標であるJKM価格も、火力発電所が代替燃料として重油を用いるなどの動きを見せており、目先の調達に目処がたち価格の下押し圧力が強まっている。

欧州の気温低下と、昨夏以降の在庫減少で域内需給がタイト化、LNGカーゴの需給もタイト化が予想されるため、高止まりと考える。しかし春先に掛けては季節的な需要の減少で価格は軟調になると予想する。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・最大供給国であるロシアの増産。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

【投機筋のポジション動向】・WTIは投機の買いが増加、ショートも増加したがネット買越し幅は拡大。Brentは高値圏にあることからショートが増加し、ネット買越し幅は縮小している。

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが697,095枚(前週比 +2,253枚)ショートが182,382枚(+1,798枚)ネットロングは514,713枚(+455枚)

Brentはロングが412,560枚(前週比+7,591枚)ショートが65,028枚(+7,711枚)ネットロングは347,532枚(▲120枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は短期的には上昇余地を試す展開になると予想される。中国政府はバブルを警戒しつつも景気刺激を継続していること、コロナの影響で供給側に障害が生じていること、米民主党政権は1.9兆ドルの経済対策に加え、1兆ドル規模の経済対策(インフラ近代化投資)を検討していることから、期待需要が増加するため。

しかし、中期的には調整圧力が強まる展開になるとの予想は、現時点では変更する必要はないと考えている。中国政府が国内バブルを警戒する姿勢を強めていること、米経済統計回復に伴うドル高進行、早ければ2021年末頃から始まる可能性がある、米テーパリング開始の可能性、生産国の生産が回復する可能性が高いことが材料。

とはいえ、中国は7月に共産党結党100周年記念を控えており、それまで大幅な景気の減速は是が非でも回避するとみられること、世界経済は緩やかに回復していることから下落余地も限定されると考える。

なお、現在の価格上昇は実際に中国の需要の増加による需給タイト化によるものであり、環境規制強化が牽引する価格上昇ではない。

例えば、中国の超高圧送電線網整備額は当初予定比+61%の1,811億人民元とする方針が今年の4月に示されており、電線向けの需要が銅、並びにアルミの需要を押し上げている。アルミは配電には利用されないが、超高圧電線には使用される。

このほか、バイデン政権の政策推進による環境重視の姿勢の強まりが、いわゆる「バイデン・トレード(化石燃料売り・省エネ金属買い、ただし金属生産の際には二酸化炭素が出ることは変わらない)」を加速させ、投機的な買い圧力を強めている。

バイデン・トレードは短期的には顕在化する需要ではないが、省エネ金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性があるため、足下は期待選好で、総じて中長期的には物色されやすい地合が続くとみる。

具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要するだろう。

中国が豪州の銅鉱石輸入を禁止していることで、精錬銅の需要が増加し、ベンチマークの銅価格が堅調に推移していることも地合を強くしよう。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資を行う場合(上昇リスク)。

・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(上昇リスク。

コロナの影響もあって、2020年12月1日時点の鉱山生産への影響は全体で184万1,000トン、コロナの影響によるものは112万3,000トン。

精錬品生産で影響を受ける規模が、全体で141万6,000トン、コロナによるものが62万8,000トン。

・中国の環境規制強化やコロナの影響再発に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

【投機筋のポジション動向】・先週、投機筋の買いが再び増加するとみていたが、枚数ベース、金額ベースでも買越し幅は拡大している。ただし枚数以上に価格上昇しており、投機的な買い圧力が強まっていることを示唆。

・LME投機筋買い越し金額 前週比+13.0%の305億ドル(前週 270億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比+8.6%の6,483.0千トン(前週 5,969.2千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、中国の景気先行指標をみるに堅調な推移を続けると考える。中国の顕在需要が増加していることが背景。

今後も、中国政府のインフラ投資を柱とする経済対策が今年7月の中国共産党結党100周年記念まで続くと予想されること、これに加えて米国もインフラ近代化を目的とした公共投資を行う可能性が出てきたこと、中国国内の鉄鋼原料在庫日数の水準が低いことから(鉄鋼製品在庫の水準は増加)在庫積み増し需要も継続する可能性が高く、基本は底堅い推移となる。

中国政府は住宅セクターバブルを懸念し始めており、偽装離婚による住宅取得を規制するなどの動きを見せている。しかし、同時に自動車取得を促す政策も発表(ナンバープレート取得条件緩和、新エネルギー車購入に補助金、自動車ローンの頭金引き下げ)しており、政策には一貫性がない。バブルは警戒しているが、直ちに規制を強めることはなさそうだ。

ただし、中国共産党は2021年から始まる新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。目先の景気刺激が終了し、景気の巡航速度への回復が確認されるタイミングで景気刺激と鉄鋼増産は回避される可能性が高く、年後半に掛けては価格は下落すると予想する。

1月の中国鉄鋼業PMIを見ると、総合指数は44.3(前月45.8)と大幅に減速した。生産指数は48.7(47.7)と小幅に上昇しているが、新規受注は35.0(42.0)と急減速。これに対して輸出新規受注は55.2(54.4)と改善している。

このことは、中国経済並びに世界経済がワクチン開発・接種の進捗に伴い正常化に向かう動きになりつつあり、商業ベースではエッセンシャルな需要が回復、中国も輸出増加のバイアスが掛かり始めているためと考えられる。

しかし、市場規模としては圧倒的に中国の国内市場規模の方が大きいため、徐々に鉄鋼セクターには減速圧力が掛ることになるだろう。

実際、新規受注は減速し、それと同時に完成品在庫(33.5→48.7)、原材料在庫(32.1→42.3)と急増しており、新規受注在庫レシオは大幅に低下している。このことは鉄鋼製品並びに鉄鋼原料価格を下押しすると予想される。

中国の鉄鋼製品の輸入は通常、平均で110万トン程度なのだが、12月は137万5,000トン(前月185万トン)と減少傾向を持続し、過去5年レンジに戻った。12月の国内生産は季節性もあるが9,125万トン(前月8,766万トン、10月 9,220万トン、9月 9,256万トン)と回復した。

その一方、12月の鉄鋼製品輸出は485万トン(前月440万トン)と増加し、過去5年レンジの下限を回復した。このことは中国の鉄鋼製品の国内需要が減速し、顕在需要が減少を始めている可能性があることを示唆している。

弊社はこの鉄鋼製品の輸出入動向に注目しているが、輸出/輸入とも過去5年レンジに復帰の過程にあり、徐々に過剰な国内依存の需要環境から、輸出に牽引される形での鉄鋼業の操業状態(通常状態)に戻ると予想している。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが在庫水準は前週比+386万7,000トンの1,782万6,000トン(過去5年平均 1,647万1,000トン)と、例年よりも在庫水準は高くなった。

これまで需給はタイト化しているとみられたが、中国政府が過度な住宅セクーの過熱を警戒しているせいか、やや緩和方向にシフトしている可能性がある。

原料である鉄鉱石の12月の輸入は前年比▲4.5%の9,675万トン(前月+8.3%の9,815万トン)と高い水準を維持しているが減速、過去5年レンジに復帰した。このことは中国の国内需要が減速している可能性を示唆している。前年水準を下回ったことで、中国の国内需要は減速傾向にあると判断される。

鉄鉱石港湾在庫は前週比+275万トンの1億2,865万トン(過去5年平均1億3,0886万6,000トン)、在庫日数は23.5日(過去5年平均 30.5日)と例年と比較して在庫日数の水準は低く、輸入需要は持続するものと思料。

原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。しかし、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから、海上輸送原料炭価格の上値も重い。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は過去5年平均を回復しているが、鉄鋼生産量の水準対比ではまだ在庫水準は低いといえる。

【見通しの固有リスク】

・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク。

・中国とインドの国境紛争の激化で、インドが中国に対して鉄鉱石輸出を制限する可能性(中国のFOBインデックスは上昇、その他の地域の鉄鉱石価格は低下)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

<<金>>

金は高値圏でもみ合うものと考える。長期金利上昇、景気回復期待でのドル高進行が米雇用統計の結果を受けてややトーンダウン、結局景気刺激や低金利政策の方針に当面変更はないとの見方が強まっているため。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,600ドルと長期金利上昇に伴い低下している。そこからの乖離(リスク・プレミアム)は187ドルと、昨日から+43ドル上昇。

このことは、ドル高進行などの価格面でのマイナス材料が出た際に、価格の下落余地が拡大していることを示唆する。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

<<銀>>

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、65.4倍。過去1年を基準にすると87倍、5年では80倍、2000年以降では65倍程度が妥当。

金は高値を維持する見通しだがバイデン大統領誕生により、太陽光発電向けに用いられる「バイデン銘柄」であることもあって、需要構造の変化が価格を下支え(金銀レシオは低下)するものと予想。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

<<PGM>>

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。足下は、各国の自動車セクターの回復期待と、主要生産国である南アフリカの供給不安が強まっており、価格を押し上げている状況。

仮に脱炭素が進んで水素が用いられ、燃料電池が進むのであればプラチナの構造的な需要が増加するシナリオは、需要・価格面でのポジティブリスクシナリオ。投機の比率が高い商品であるため、こうした観測記事だけでも材料に価格が反応しやすい。

パラジウムは価格は景気の先行き楽観が強まっているが、貴金属セクターの投機筋物色が続いていることから、高値を維持する見込み。

コロナショック後、パラジウム価格は基本的にETF価格との連動性が高まった(自動車向けの需要減少で余剰が発生したため)が、足下、ETFの残高の変動以上に価格が上昇している状況。

自動車生産が回復すれば再びパラジウム供給不足が発生し、ETFの残高減少と価格上昇が同時に発生する可能性が高いとみている。

1月の米自動車販売は年率1,663万台(前月1,627万台、市場予想1,618万台)と減速した。

中国の1月の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で前年比+30%の250万台)前月+6.4%の283万台、11月+12.7%の276万9,666台、10月+12.6%の257万3,000台、9月+13.0%の256万5,201台)と前年比の伸びが加速している。

自動車販売は回復しているが、不要不急の消費であるため中国を除いては本格的な回復にはまだ時間がかかる見込み。

【見通しの固有リスク】

・個人投資家のETFを通じた買いが、経済合理性を無視した水準まで貴金属価格を押し上げるリスク。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・世界的な成長力の低下に伴い、各国の財政状況が悪化、地政学的リスクが顕在化する場合(中東・北アフリカのリスク顕在化の可能性は低くない)。リスク・プレミアム上昇を通じて貴金属価格の上昇要因に。

・米中の対立激化。米国は今回のウイルス問題で、中国の医療面、人工知能を含むIT面に脅威を感じた可能性は高く、対立が激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが303,583枚(前週比 ▲5,743枚)、ショートが68,614枚(+10,695枚)、ネットロングは234,969枚(▲16,438枚)、銀が81,648枚(+1,515枚)、ショートが31,824枚(+1,234枚)、ネットロングは49,824枚(+281枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが48,237枚(前週比 +707枚)ショートが11,660枚(+330枚)、ネットロングは36,577枚(+377枚)

パラジウムが4,430枚(+308枚)、ショートが3,409枚(+24枚)ネットロングは1,021枚(+284枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

穀物価格はトウモロコシ・大豆は中国の需要が想像以上に堅調であること、北米の降雪や気温低下の影響による供給懸念から、しばらく高値圏で推移すると考える。

小麦も投機のネット買越しポジションの水準が高いことから、投機的な視点で利益確定による売り圧力が強まる展開を予想。ただし、需要面・供給面はタイトな状態が続いており、価格は高値維持を予想。

足下の価格上昇を受けて作付け面積の拡大が全ての穀物で見込まれており、価格の下押し要因となる。

しかし、寒波と降雪の影響で作付けに影響がでる可能性がある。冬場の降雪量が多かった場合、通常であれば春の土壌水分改善で播種が進み豊作に繋がると判断されるのだが、想定以上の雪解け水が発生した場合には逆に耕作が不可能になるため、価格の上昇リスクとなり得る。

また今穀物年度は小麦を含む穀物の輸出制限の動きが生産国で強まっている。いずれも国内供給を確保することが目的だ。

ロシアは12月に穀物価格の高騰を受けて輸出制限の動きを加速、1月からひまわりの種・菜種に輸出税を課すことを決定、2月からは小麦に輸出税を賦課、大麦、トウモロコシも対象とすることとなった。

ウクライナも国内飼料供給確保の観点から輸出枠に制限を設定、アルゼンチンはトウモロコシの輸出禁止を決定(後に撤回)するなど、国内供給への警戒が強まっている。

Locust Watchではエチオピア、ケニアで群生が発生している。昨年末も大型のサイクロンがアラビア半島~北アフリカを通過、豪雨が観測されており、バッタの成育に良好な環境が提供されている可能性があり、このままだと今年も蝗害が起きる可能性は否定できない。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210204HoAupdate.jpg

【見通しの固有リスク】

・ラニーニャ現象の発生による穀物供給減少リスクの顕在化。害虫の発生、生産地の土壌破壊など(すでに一部顕在化)。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米穀物作付け意向面積トウモロコシ 9,699万エーカー(市場予想 9,412万エーカー)大豆 8,351万エーカー(8,502万エーカー)小麦 4,466万エーカー(4,495万エーカー)

・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)

・2月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 172.0Bu/エーカー(NA、172.0)大豆 50.2Bu/エーカー(NA、50.2)小麦 49.7Bu/エーカー(NA、49.7)

・2月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 141億8,200万Bu(NA、141億8,200万Bu)大豆 41億3,500万Bu(NA、41億3,500万Bu)小麦 18億2,600万Bu(NA、18億2,600万Bu)

・2月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 26億Bu(25億5,000万Bu)大豆 22億5,000万Bu(22億3,000万Bu)小麦 9億8,500万Bu(9億8,500万Bu)

・2月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 15億200万Bu(13億8,388万Bu、15億5,200万Bu)大豆 1億2,000万Bu(1億2,071万Bu、1億4,000万Bu)小麦 8億3,600万Bu(8億3,454万Bu、8億3,600万Bu)

・12月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 113億2,200万Bu(117億4,670万Bu、19億5,000万Bu)大豆 29億3,300万Bu(29億2,900万Bu、5億2,500万Bu)小麦 16億7,400万Bu(16億9,555万Bu、21億5,800万Bu)

・1月CONABブラジル作付け面積(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1,846万ha(1,936万ha、1,844万ha)大豆 3,819万ha(3,848万ha、3,818万ha)

・1月CONABブラジル生産量(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1億231万トン(1億789万トン、1億259万トン) 単収 5,541Kg/ha(5,570kg/ha、5,564kg/ha)大豆 1億3,369万トン(1億3,272万トン、1億3,445万トン) 単収 3,500Kg/ha(3,452kg/ha、3,522kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが602,210枚(前週比 ▲10,917枚)、ショートが87,751枚(▲2,944枚)ネットロングは514,459枚(▲7,973枚)

大豆はロングが273,814枚(▲12,399枚)、ショートが37,706枚(+668枚)ネットロングは236,108枚(▲13,067枚)

小麦はロングが132,289枚(+2,449枚)、ショートが100,467枚(▲1,601枚)ネットロングは31,822枚(+4,050枚)

◆本日のMRA's Eye


「銅価格は高止まり~中期的に下落見通しは堅持」

非鉄金属のベンチマークである銅価格が大幅な上昇となっている。価格上昇は主に中国の需要増加と供給の減少の需給両面が影響していると考えられるが、これに投機的な買いが加わったことによるものと考えられる。

そもそも銅の需要の半分が中国の需要であり、主に電線向けに用いられている。銅を用いた電線は高圧ではなく、配電向けに用いられることが多いため、住宅セクターの回復が見られるときに需要が増加する傾向が強い(もちろんほとんどの機械製品に用いられているため、鉱工業生産の回復に反映されるように、工業セクターの動きが回復すれば、需要は増加する)。

これまでの中国の景気回復は公共投資を主体とする回復であり、金融緩和などの効果もあって特に住宅セクターが顕著に回復、それに連れる形で鉄鋼やアルミなどの顕在需要が増加、銅の需要も増加する形となった。

そして中国は「最終消費を回復させるため」に、これまでの景気対策に加えて、自動車セクターの販売促進を企図した経済対策を発表している。具体的には、自動車のナンバープレートの取得規制の緩和、電気自動車販売に補助金、自動車ローンの頭金引き下げ、などである。

そして恐らくこの景気刺激のスタンスは、3月の全人代、場合によると7月の中国共産党100周年記念までは継続する見込みである。また、支持率維持と景気回復が「実感できる形で加速すること」が2022年の米昼間選挙の鍵を握ることは間違いが無く、あと1年半程度しか時間が無いと考えられるバイデン政権が、環境系インフラ投資を主体とする1.9兆ドルの経済対策実施を表明し、かつ、これも強行突破される見込みで、銅を初めとする工業金属需要の期待需要を高めている。

こうした需要の増加に加えて、供給側も供給が制限されている状態が続いている。ペルーのLas Bambasからの出荷停止、高波の影響よるチリの輸出停滞、中国の豪州に対する鉱石輸入規制、コロナウイルスの影響を免れていない。

実際、最大生産国であるチリの鉱石生産は2020年末までの実績しか出ていないが、過去5年の最低水準となっている。結果、銅のTCも季節的に見て低水準であり、鉱石市場需給がタイトなことを示唆している。

これを受けて、取引所の在庫も減少、LMEの指定倉庫在庫水準は非常に低く、過去20年の水準を見るとリーマンショック前に高値をつけた時の水準とほぼ変わらないほどの低水準である。

足下、LME指定倉庫在庫と銅価格の間の関係性は回復しており、現在の銅取引所在庫の水準であれば、価格が上昇してもおかしな話ではない。各国中央銀行が現在のバブル的な状況を容認する方針を示していることもあり、銅価格はしばらく高止まりすることになるだろう。

しかし、この状況においてもやはり中期的には調整があると考えている。理由は、1.足下の価格上昇を容認する発言はあるものの、最大消費国である中国の中央銀行はバブル抑制方針であること、2.中国の市中在庫の水準が高いこと、3.3月の全人代終了頃が季節的な中国の在庫積み増しのピークであること、4.リスク選好のドル安が続いているが米国はワクチン接種進捗と財政出動で景気回復となる可能性が高く、その場合長期金利の上昇→ドル高圧力となること、などだ。

逆にアップサイドのリスクとしては、米民主党政権が早くも来年行われる予定の中間選挙に備えて、公共投資を拡大する場合だろう。これは既に顕在化し始めているリスクの1つである。

◆主要ニュース


・2月日本製造業PMI速報 50.6(前月改定 49.8)
 サービス業 45.8(46.1)、コンポジット 47.6(47.1)

・1月日本全国消費者物価指数 前年比▲0.6%(前月▲1.2%)
 除く生鮮▲0.6%(▲1.0%)
 除く生鮮エネルギー+0.1%(▲0.4%)

・1月独生産者物価指数 前月比+1.4%(前月+0.8%)
 前年比+0.9%(+0.2%)

・2月独製造業PMI速報 60.6(前月改定 57.1)
 サービス業 45.9(46.7)、コンポジット 51.3(50.8)

・2月ユーロ圏製造業PMI速報 57.7(前月改定 54.8)
 サービス業 44.7(45.4)、コンポジット 48.1(47.8)

・2月米製造業PMI速報 58.5(前月改定 59.2)、サービス業 58.9(58.3)、コンポジット 58.8(58.7)

・1月米中古住宅販売 前月比+0.6%の669万戸(前月+0.9%の665万戸)

・中国1年短期貸出プライムレート 3.85%(変更前 3.85%)
 5年長期貸出プライムレート 4.65%(4.65%)

・オンラインG7会合、途上国を中心としたワクチン支援に75億ドル、オリンピック開催に向けた日本の決意を支持、2050年までに脱炭素(実質ゼロ)を達成するために、クリーンエネルギーへの移行を実現。対中国では非市場志向の政策慣行に対する共同のアプローチを協議。

・イエレン財務長官、「トランプ政権が課した中国への関税を維持している。今後、適切なアプローチを評価する。大統領が今年発表する方針の大規模なインフラ近代化計画の財源の一部を賄うために増税が必要になる。これは1兆9,000億ドルのコロナウイルス対策とは別の枠組み。インフレはこの10年低水準に止まっており、FRBはこれに対する手段を持っている。過度に心配する必要はない。」

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・ベイカー・ヒューズ週間米国石油リグ稼働数305(前週比▲1)
 ガスリグ 91(前週比+1)。

・IAEA、本日イラン訪問。核査察受け入れ停止を受けて政府高官と協議。

【メタル】
・中国政府、レア・アース技術の輸出禁止を検討。資源供給停止以上に打撃を与えるとの判断から。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ビットコイン ( その他 )/ +6.90%/ +91.85%
2.SHF錫 ( ベースメタル )/ +4.53%/ +18.16%
3.LME銅 3M ( ベースメタル )/ +3.89%/ +15.32%
4.LME錫 3M ( ベースメタル )/ +3.72%/ +28.13%
5.SHF 銀 ( 貴金属 )/ +2.49%/ ▲1.26%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲4.40%/ ▲25.35%
65.TCM灯油 ( エネルギー )/ ▲3.73%/ +12.17%
64.DME Oman ( エネルギー )/ ▲2.64%/ +19.08%
63.欧州排出権 ( 排出権 )/ ▲2.38%/ +14.64%
62.NYM WTI ( エネルギー )/ ▲2.11%/ +22.09%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :31,494.32(+0.98)
S&P500 :3,906.71(▲7.26)
日経平均株価 :30,017.92(▲218.17)
ドル円 :105.45(▲0.24)
ユーロ円 :127.79(▲0.01)
米10年債 :1.34(+0.04)
中国10年債利回り :3.26(▲0.02)
日本10年債利回り :0.11(+0.01)
独10年債利回り :▲0.31(+0.04)
ビットコイン :55,628.98(+3591.46)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :25.33(▲0.07)
エネルギー :24.20(+1.32)
ベースメタル :24.12(▲1.09)
貴金属 :30.64(▲0.42)
穀物 :25.63(+0.18)
その他農畜産品 :24.78(▲0.34)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :21.46(+2.22)
Brent :15.96(+0.65)
米天然ガス :53.28(+7.01)
米ガソリン :21.95(▲0.08)
ICEガスオイル :19.77(▲0.64)
LME銅 :18.13(▲1.93)
LMEアルミニウム :15.58(▲0.27)
金 :26.47(+0)
プラチナ :38.27(▲1.59)
トウモロコシ :33.85(+0.49)
大豆 :26.47(+0)

【エネルギー】
WTI :59.24(▲1.28)
Brent :62.91(▲1.02)
Oman :60.80(▲1.65)
米ガソリン :180.69(+1.26)
米灯油 :182.29(▲1.35)
ICEガスオイル :523.00(▲3.75)
米天然ガス :3.07(▲0.01)
英天然ガス :42.10(▲1.94)

【貴金属】
金 :1784.25(+8.58)
銀 :27.29(+0.26)
プラチナ :1276.22(+0.40)
パラジウム :2385.32(+26.57)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :8,763(+132:43.5B)
亜鉛 :2,884(+24:19.5C)
鉛 :2,136(▲11:13.5C)
アルミニウム :2,151(▲11:15.5C)
ニッケル :19,512(+509:16C)
錫 :25,446(+196:3903B)
コバルト :50,725(+1,725)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :8941.00(+335.00)
亜鉛 :2867.00(▲10.00)
鉛 :2151.00(+23.00)
アルミニウム :2136.00(▲5.00)
ニッケル :19650.00(+445.00)
錫 :26075.00(+935.00)
バルチック海運指数 :1,770.00(+14.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :169.93(+6.53)
SGX鉄鉱石 :164.95(+0.20)
NYMEX鉄鉱石 :164.07(▲0.52)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :145.75(+0.30)
大連原料炭先物 :262.63(+0.60)
上海鉄筋直近限月 :4,399(▲3)
上海鉄筋中心限月 :4,532(+21)
米鉄スクラップ :575(±0.0)

【農産物】
大豆 :1377.25(+2.25)
シカゴ大豆ミール :424.30(▲1.60)
シカゴ大豆油 :47.55(+0.64)
マレーシア パーム油 :3914.00(+32.00)
シカゴ とうもろこし :542.75(▲7.50)
シカゴ小麦 :650.75(▲11.75)
シンガポールゴム :241.00(+5.00)
上海ゴム :15535.00(+325.00)
砂糖 :17.79(+0.28)
アラビカ :127.50(▲0.10)
ロブスタ :1343.00(▲9.00)
綿花 :88.95(+0.22)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :84.50(▲0.43)
シカゴ生牛 :115.93(+0.80)
シカゴ飼育牛 :139.13(+0.93)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。