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ドル安と利益確定の動きでまちまち
  • MRA商品市場レポート

2021年3月18日 第1925号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ドル安と利益確定の動きでまちまち」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はその他農産品やエネルギーが続落、その他の商品はドル安進行の影響もあって総じて堅調な推移となった。

今朝がた終了したFOMCは予想通り政策は据え置きとなった。政策金利予測の中央値は2023年一杯は金利が据え置かれる見通しである。

しかし、ドットチャートを見てみると4人が2022年中の利上げを予想し、7人が2023年に利上げを予想している。前回FOMCでは2022年が1人、2023年が5人だったため明らかにタカ派に傾いている。

コロナの制圧期待はもちろんだが、これまで積極的に行う方針が示されている米国の財政出動を伴う経済対策を評価してのことと考えられる。

恐らく2024年には利上げが始まると予想されるが、テーパリングの開始や利上げに関しては事前にサインを出すとパウエル議長は発言しているため、しばらくは緩和的な政策がリスク資産価格を支える構図が続くことになりそうだ。

【本日の見通し】

本日も足下の価格に対する説明力が高い、為替動向に左右される展開が予想される。FOMCを受けて地合はドル安方向に傾きやすいが、FOMCが景気への自信を示したことやチャート的な観点からドルが上昇してもおかしく無い状況にあることには変わりがないため、結局方向が出難く、もみ合うと予想する。

ただし、3月末は四半期決算末でもあるため、上値は重く、どちらかと言えば下落する商品の方が多いのではないか。

本日予定されている材料では、米製造業の景況感指数であるフィラデルフィア連銀製造業指数(市場予想23.3、前月23.1)と米週間新規失業保険申請件数(70万件、71.2万件)に注目している。

【セクター別動向と見通し】

◆エネルギー

原油価格は続落した。ドル高が進行し、米石油統計が弱気な内容だったため水準を切り下げたが、FOMCでは利上げが当面見送られることが確認されドル安が進行したことから、引けに掛けては下げ幅を削った。

昨日発表の米石油統計は弱気な内容だった。大寒波の影響からの回復は途上であり、製品供給に影響がでているため原油の処理量が低迷している状態が続いていることによる。

原油は生産が横ばい、輸入は減少(▲0.3MBD)、稼働率は回復(+7.1%)、在庫は+2.4MBの増加となった。在庫日数は▲3.5日の35.8日と、過去5年レンジを上抜けた状態が続く。

製油所の稼働率は回復しているが寒波の影響は大きく、過去5年レンジを下回っている。しばらくの間、製品供給に影響が出る状態が続くことになる。このペースだと、通常状態に戻るのにあと2~3週間はかかりそうだ。

原油価格に影響が大きいクッシング在庫は▲624KB(+526KBB)と減少に転じた。輸入が横ばいの中、製油所の稼働が回復していること(85.7%)が影響している。在庫スペースの稼働率は61.0%(61.0%)と先週から変わらず。

石油製品在庫は、ガソリン・ディスティレート共に大幅に減少。ガソリンは▲11.9MB(前週▲13.6MB)、ディスティレートは▲2.3MB(▲9.7MB)となった。製油所の稼働が戻らないため、当面、製品需給はタイトな状態が続く見込み。

化学製品の生産にも大きな影響がでており、下流業種の製品調達のリスクも高まっている。結果的に経済活動の障害となり、景気の下押し要因となるリスクが高まっている。

石油製品はコロナショック後以降、出荷動向に注目しているが、米ガソリン出荷は前年比▲11.1%の8.13MBD(▲9.4%の7.12MBDB)と先週から小幅回復も、前年比での出荷低迷は続く。コロナの影響がなかった2019年と比較すると▲9.6%(▲8.5%)と依然として低水準。

ディスティレートは前年比+0.4%の4.06MBD(+6.9%の4.17MBD、2019年比▲1.0%(+2.8%))と減速した。厳冬の影響で灯油需要が増加していたと見られるが、この特殊需要が剥落したことと、製油所の稼働回復が遅れて製品供給が追いついていないことが背景と見られる。

製品全体では▲11.1%の18.76MBD(▲7.0%の19.20MBD、2019前年比▲10.9%(▲8.1%))と先週から減速。悪天候の影響から回復仕切れておらず、まだ足取りはおぼつかない。

製品輸出は▲23.6%の4.25MBD(▲22.8%の4.34MB、2019年比▲13.8%(▲14.2%%))と低迷。やはり厳冬の影響で製油所の稼働が戻っていないことが影響しているとみられる。

出荷+輸出でも▲13.7%の23.01MBD(▲10.4%の23.54MBD、2019年比▲11.4%(▲9.3%))と大寒波の影響が継続している。

今後、気温の上昇と共に製油所の稼働も回復するが、恒久的に製油所や油田設備が毀損してしまったとの情報もあり、完全回復には時間がかかると予想される。

一方、ワクチン接種は広がっており、バイデン政権はサマー/バケーションのシーズンまでに移動制限を解除したいと考えていると予想される(休暇の時に遊べないと支持率が下がり、来年以降の選挙に影響)ため、春先にかけて米国内の製品需給がタイト化し、製品価格が上昇する可能性が高まっている。

石炭価格(豪州炭)は続伸。全人代終了を受けた中国製造業の稼働再開で調達意欲が旺盛とみられる。バルチック海運指数も大幅に上昇。但し港湾在庫の水準は高く、上値も重い。

極東のスポット天然ガス価格の指標であるJKMは上昇東京電力の柏崎刈羽原子力発電所の稼働遅れなどが思惑買いを呼んだ可能性。欧州天然ガスはLNGスポット市場価格の上昇もあって上昇、米天然ガスは引き続き気温上昇予想が重石となった。

本日は、足下の価格への影響が大きいドル指数が、昨日のFOMCを受けて低下しやすいこと、同時にチャートのテクニカル的には再び上昇してもおかしく無いこと、四半期末を控えた利益確定の動き、といった強弱材料が混在する中、もみ合うものと考える。

天然ガスはアジア・欧州は4月以降の調達圧力の高まりで堅調、米国は気温上昇による需要減少で軟調と見る。石炭価格は中国の製造業の活動再開で需要は旺盛であり、堅調な推移を予想。

◆非鉄金属

LME非鉄金属は総じて堅調。ドル高が進行したが、米中のインフラ投資需要への期待や生産者側の状況改善ペースが緩やかであることが材料となった。

結局ドル安材料となったFOMCも取引の終盤で材料とされている。

一方、週次の投機筋(インベストメントファンド)の動向を見ると、ロングが増加している金属が増えているが、同時にショートが増加しており、そろそろ相場が天井に来ていると判断している市場参加者が多いことを示唆している。

本日も、世界的な財政出動を伴う景気刺激策の実施期待と、経済活動の再開観測への期待は大きく、ドル安基調にあることもあって堅調な推移を予想。

ただし、四半期末が近いこともあってまだあと2週間程度は下押し圧力が強いとみられ上値も重い。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは小幅に上昇、大連先物も小幅に上昇、豪州原料炭スワップ先物は小幅に下落、大連原料炭先物は上昇、上海鉄鋼製品先物価は小動き。

特段新規材料がない中、鉄鋼需要は引き続き堅調で在庫水準も低いことから高値を維持している。

本日も新規材料に乏しい中、高値圏での推移を継続の予想。

◆貴金属

金価格は上昇。FOMCが結果的にハト派と捉えられたことで長期金利が取引後半に低下、実質金利も低下しドル安も進行したため買い戻しが優勢となった。

銀はこのような局面では上昇しやすく、大幅な上昇。プラチナは小幅に下落。

昨日はパラジウム価格がジャンプした。足下のパラジウムの動きを見るとまだ投機の取引が主体(ETFが増えると価格が上がる。実際に需給がタイトな場合、ETFの解約と価格上昇が同時に起きやすくなる)と見られる(詳しくは本日のMRA's Eyeをご参照ください)

パラジウムも経済活動回復期待を受けて水準を小幅に切り上げている。

本日は、足下の価格への影響が大きいドル指数が、昨日のFOMCを受けて低下しやすいこと、同時にチャートのテクニカル的にはドルが再び上昇してもおかしく無いことから、もみ合うものと予想。

◆穀物

シカゴ穀物市場はトウモロコシが上昇、大豆、小麦が下落した。

米農務省は、米国産トウモロコシの中国向け民間販売が122万4,000トンになったと報じた。中国の輸入需要は旺盛。大豆はアルゼンチンでの降雨が売り材料になった。

ロシアの農業コンサルティング会社であるソベコンによれば、ロシアの2021年の小麦収穫高は7,930万トン(従来予想7,620万トン)と上方修正されている。

本日は、足下の価格への影響が大きいドル指数が、昨日のFOMCを受けて低下しやすいこと、同時にチャートのテクニカル的にはドルが再び上昇してもおかしく無いことから為替は中立だが、中国の買い意欲が旺盛なため堅調推移を予想。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

2月の貿易統計は輸出金額が前年比▲4.5%(市場予想▲0.2%)と、市場予想を下回った。アジア向けの輸出が前年比マイナスに沈んだ他、中国はプラスだったものの前年比プラス幅が+37.5%から+3.4%に縮小するなど、全体として減速感が強かった。

ただし、中国の輸出の前年比ベースでの減少は瞬殺の影響(昨年の春節は1月だったため、営業日数の差が大きく影響する)。

米国向けも輸出が減少しているが、2月中旬から米国南部を襲った大寒波の影響が大きかったようだ。

アジア向けの輸出は特に半導体製造装置が堅調であり、アジア全体で金額ベースの伸び率は+18.4%と全体への寄与度は+0.9%と高く、中国に至っては+32.7%(寄与度+1.8%)と顕著である。

今回、米中対立と巣ごもり消費の増加で明らかになった「半導体の供給問題」解決に向けて需要が旺盛とみられる。

今後に関しては世界的なコロナからの脱却、ワクチン接種の進捗、春に向けて感染者数が減少すると見られることから回復すると予想される。特に追加対策が実施される米国、インフラ投資が継続している中国向けの輸出が全体を牽引しよう。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・米大統領選挙前後の国内融和にバイデン次期大統領が失敗する場合。

・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならないが、足下、どの中央銀行・政府も景気過熱は意識しているものの沈静化させるタイミングと判断していないため、しばらくは顕著な価格上昇リスクとなる見込み。

常識的に考えると今年の年末頃からテーパリング開始の見通しとなるが、来年の米中間選挙を控えて米政権がテーパリング実施にクギを刺す可能性がある。この場合、2022年にかけて、さらにリスク資産価格が上昇する可能性も。

・コロナウイルスの感染再拡大(または新たなウイルスの発生)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合。逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は低くなくなった。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

・米国の財政状況悪化、緩和規模拡大によるドル水準の低下リスク(ドル減価により、名目ドル建て資産価格の上昇要因に)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格は高値圏を維持すると予想する。

経済活動は緩やかながら回復している中、OPECプラスによる減産解除が行われるとみられたがこれが先送りされた上、1月にサプライズをもたらしたサウジアラビアの自主減産(▲100万バレル)も継続される方針が示されたこと、米雇用統計の改善による、最大消費国の需要回復観測によって、需給逼迫観測が強まるため。

また、ワクチン接種が進みヒトの移動制限が早期に解除された場合、供給が間に合わずに価格が急騰するリスクは無視できなくなってきた。

ただし、同時にインフレ期待も高まっていることや、それに伴う長期金利上昇、株安がドル高を誘発する可能性があること、融緩和は継続するものの、「強いドルを望む」発言が米高官から出始めていることから、ドル高進行がファイナンシャルな面で価格を下押しするため、上値も重いと考える。

原油価格の上昇要因となっていた米シェールオイルの生産減少が回復する見通しであることや、OPECプラスの減産解除観測も、上昇余地を制限しよう。その意味で、今月末・4月1日に開催予定のJMMCとOPECプラス会合は最注目である。

なお、常識的に考えれば経済活動の再開で2022年頃からテーパリングが始まり、過去の例を考えると長期金利の上昇などを通じてリスク資産価格には一時的に調整圧力が強まる可能性は高い。そのため、2022年には一旦調整局面があり、その後、持続可能な上昇になると予想する。

【見通しの固有リスク】

・ワクチン接種の進捗が想定よりも早まり、人の移動制限が解除され需要増加に供給が間に合わず、価格が急騰するリスク(供給の時間差リスク)。

・米国経済が正常化する中で急速なドル高が進行し、投機的な売り圧力が高まる場合。

・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産継続で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。

逆に価格低迷で歳入確保の増産が加速する場合、またはOPECプラスのプログラムの対象となっていない中東諸国の増産(価格下落要因)。

景気回復時の増産タイミングの見誤りによる、供給不足(価格上昇要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

などが価格上昇要因に。

・バイデン政権がシェールオイルのフラッキングを制限/禁止する場合、供給減少で価格上昇要因に。

また、イランに対する制裁が緩和される場合、原油価格の下落要因に。ただし、米国内の反イラン感情の高まりで、直ちに制裁が緩和される可能性は低い。

・イランの反米感情が高まり、中東の不安定さが増す場合(価格上昇要因)。

イランでは6月に大統領選挙が予定されており、国内保守派に配慮してロウハニ大統領はタカ派的な発言をする可能性があるが、制裁解除に向けた融和的なコメントも欧米向けに発信せざるを得ず、ロウハニ大統領の発言で価格は左右される見込み。

・米国の橋渡しでイランとサウジを初めとするスンニ派諸国が和解し、巨大なイスラム教圏が誕生した場合(地域安定で原油生産増加、短期的には価格の下落要因に。ただし相当発生の可能性が低いリスクシナリオ)。

・ワクチン・治療薬が想定以上に早く準備でき、移動制限が急速に解除される場合(価格上昇要因)。

【石炭価格見通し】

石炭価格は高値を維持するが、春先に向けて水準を切り下げる展開になると考える。

高値維持の背景は、中国政府は国内炭の供給能力増強にシフトしているが、経済活動の回復に供給が十分ではないため。

ただし、豪州との対立や、環境規制強化の中で石炭需要は減速するとみられること、非常に矛盾するが国内生産を増加させていること、春先に掛けては季節的に需要が減少することから海上輸送炭価格の上値は重くなると予想される。

12月の中国の石炭輸入は気温低下の影響で前月から大幅に増加。前年水準の14倍、前月から3倍強となる3,907万5,000トン(前月1,176万トン)と顕著に増加した。

中国は国内の石炭産業の強化と政治的に対立する豪州からの輸入制限で、国内生産を増加させる方向性に舵を切っているが、足下の気温急低下を受けてそうも言っていられなくなったようだ。

【見通しの固有リスク】

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。短期的には価格の上昇要因。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格は冬場の終了が近づいていることから下落すると予想する。しかし、在庫が十分ではないため底堅い推移になる見込み。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・最大供給国であるロシアの増産。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【投機筋のポジション動向】・WTIは投機の買いが増加、ショートも増加したがネット買越し幅は拡大。Brentは高値圏にあることからショートが増加し、ネット買越し幅は縮小している。

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが692,508枚(前週比 +4,279枚)ショートが155,070枚(▲14,140枚)ネットロングは537,438枚(+18,419枚)

Brentはロングが407,172枚(前週比▲1,714枚)ショートが67,013枚(+3,102枚)ネットロングは340,159枚(▲4,816枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は短期的には調整圧力が強まる展開になると予想する。かねてから指摘してきた景気の正常化に伴う長期金利の上昇が顕在化しており、それに伴うドル高進行が、ファイナンシャルな要因で上げが加速してきた非鉄金属セクターの下押し要因となるため。

ただし、各国の財政出動並びに金融緩和スタンスは継続される見込みであり、中国のみならず、米民主党政権は1.9兆ドルの経済対策に加え、4年で2兆ドル規模の経済対策(クリーン・インフラ投資)を検討、中国も7月の共産党結党100周年記念までは少なくとも景気刺激を続けると見られる。

これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。

また、中期的には調整圧力が強まる展開になるとの予想は、現時点では変更する必要はないと考えている。中国政府が国内バブルを警戒する姿勢を強めていること、米経済統計回復に伴うドル高進行、早ければ2021年末頃から始まる可能性がある、米テーパリング開始の可能性、生産国の生産が回復する可能性が高いことが材料。

なお、現在の価格上昇は実際に中国の需要の増加による需給タイト化によるものであり、環境規制強化が牽引する価格上昇ではない。しかし、一時の過熱感はややトーンダウンしている。

2月の中国製造業PMIは50.6(前月51.3)と小幅に減速。生産や輸出向けの受注が減速(50.2→48.8)、新規受注も全体で51.5(52.3)と減速している。恐らく国内向けの新規受注も小幅に減速したとみられる。鉄鋼業PMIは輸出向けの受注が回復したが、工業製品全体ではやや足踏みしているようだ。

ただ、非鉄金属価格に対する説明力が高い新規受注在庫レシオは、完成品が1.063→1.073、原材料が1.067→1.080といずれも小幅に上昇しており、先月までの需給緩和圧力が弱まった、と言えるだろう。

しかし、同レシオと比較した場合の非鉄金属価格の上昇幅は顕著であり、やや上げすぎの感は否めない。

このほか、環境重視型社会への急速なシフト観測も、投機買いを加速させている感は否めない。

米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高いと言える。

足下は期待選好で、総じて中長期的には物色されやすい地合が続くとみる。

具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要するだろう。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資(2兆ドルのクリーンインフラ投資など)を行う場合(上昇リスク)。

・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(上昇リスク)。

コロナの影響もあって、2020年12月1日時点の鉱山生産への影響は全体で184万1,000トン、コロナの影響によるものは112万3,000トン。

精錬品生産で影響を受ける規模が、全体で141万6,000トン、コロナによるものが62万8,000トン。

・中国の環境規制強化やコロナの影響再発に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

【投機筋のポジション動向】・先週、投機筋はロングが増えている金属が目立ち始めたが、同時にショートが増加しており、そろそろ相場が天井に来ていると判断している市場参加者が多いことを示唆している。

・LME投機筋買い越し金額 前週比▲7.8%の267億ドル(前週 289億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比▲4.6%の5,874.3千トン(前週 6,160.0千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、中国の景気先行指標をみるに堅調な推移を続けると考える。中国の顕在需要が増加していることが背景。

今後も、中国政府のインフラ投資を柱とする経済対策が今年7月の中国共産党結党100周年記念まで続くと予想されること、全人代では財政赤字幅を拡大させる見通しであり、さらなる景気刺激が見込まれること、これに加えて米国も、バイデン大統領の公約である4年2兆ドルのクリーン・インフラ投資を行う見通しであること、中国国内の鉄鋼原料在庫日数の水準が低いことから(鉄鋼製品在庫の水準は増加)在庫積み増し需要も継続する可能性が高く、基本は底堅い推移となる。

ただし、中国政府は景気刺激と同時に住宅セクターのバブルを懸念し始めており、住宅取得規制の動きも見せている。しかし、同時に自動車取得を促す政策も発表(ナンバープレート取得条件緩和、新エネルギー車購入に補助金、自動車ローンの頭金引き下げ)しており、やや一貫性に欠ける。バブルは警戒しているが、直ちに規制を強めることはなさそうだ。

ただし、中国共産党は2021年から始まる新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。目先の景気刺激が終了し、景気の巡航速度への回復が確認されるタイミングで景気刺激と鉄鋼増産は回避される可能性が高く、年後半に掛けては価格は下落すると予想する。

2月の中国鉄鋼業PMIを見ると、総合指数は48.6(前月44.3)と大幅に回復した。生産指数が54.7(48.7)と改善したこと、輸出向け新規受注が61.4(55.2)と回復した影響が大きかった。なお、新規受注は全体では43.3(35.0)と50を下回っているため、国内向けの需要が減速している可能性が高いことを示唆している。

中国は国内の過剰な経済対策を鈍化させ、輸出主導の回復に徐々にシフトしていくと考えられる。在庫水準は原材料の水準が上昇しているが、完成品在庫の減少が確認されている。新規受注在庫レシオは完成品が大幅に上昇(0.72→1.14)、原材料も上昇(0.83→0.93)。

しばらくは海外向けの需要回復とそれに伴う在庫積み増しで、鉄鋼製品の在庫積み増し需要に牽引される形で鉄鋼セクターの動きは底堅く推移しよう。

ただし、規模的に国内需要よりも小さい外需の取り込みであるため、回復ペースは鈍化すると予想され、原料調達圧力も弱まることから価格の上昇ペースも鈍化することになると予想される。

中国の鉄鋼製品の輸入は通常、平均で110万トン程度なのだが、12月は137万5,000トン(前月185万トン)と減少傾向を持続し、過去5年レンジに戻った。12月の国内生産は季節性もあるが9,125万トン(前月8,766万トン、10月 9,220万トン、9月 9,256万トン)と回復した。

その一方、12月の鉄鋼製品輸出は485万トン(前月440万トン)と増加し、過去5年レンジの下限を回復した。このことは中国の鉄鋼製品の国内需要が減速し、顕在需要が減少を始めている可能性があることを示唆している。

弊社はこの鉄鋼製品の輸出入動向に注目しているが、輸出/輸入とも過去5年レンジに復帰の過程にあり、徐々に過剰な国内依存の需要環境から、輸出に牽引される形での鉄鋼業の操業状態(通常状態)に戻ると予想している。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが在庫水準は前週比+68万2,000トンの2,243万9,000トン(過去5年平均 1,790万8,000トン)と、例年よりも在庫水準は高い。

これまで需給はタイト化しているとみられたが、中国政府が過度な住宅セクーの過熱を警戒しているせいか、やや緩和方向にシフトしている可能性がある。

実際、2月の中国の建設業PMIが閾値の50は上回っているものの、前月の60.0から54.7とコロナ禍で減速した昨年2月以来の低水準に減速している。

原料である鉄鉱石の12月の輸入は前年比▲4.5%の9,675万トン(前月+8.3%の9,815万トン)と高い水準を維持しているが減速、過去5年レンジに復帰した。このことは中国の国内需要が減速している可能性を示唆している。前年水準を下回ったことで、中国の国内需要は減速傾向にあると判断される。

鉄鉱石港湾在庫は前週比+50万トンの1億3,090万トン(過去5年平均1億3,182万6,000トン)、在庫日数は26.8日(過去5年平均 36.8日)と例年と比較して在庫日数の水準は低く、輸入需要は持続するものと思料。

原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。しかし、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから、海上輸送原料炭価格の上値も重い。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は前週比+2万トンの262万トンと過去5年の最高水準である185万トンを上回っている。

在庫日数は前週比+0.1日の10.0日と、過去5年の最高水準である8.9日を上回っており、原料炭需給は緩和方向にある。

【見通しの固有リスク】

・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク。

・中国とインドの国境紛争の激化で、インドが中国に対して鉄鉱石輸出を制限する可能性(中国のFOBインデックスは上昇、その他の地域の鉄鉱石価格は低下)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

<<金>>

金は軟調な推移になると考える。長期金利上昇、景気回復期待でのドル高進行が米雇用統計を受けて加速していることから。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,550ドル。そこからの乖離(リスク・プレミアム)は200ドルと一昨日から+17ドル上昇。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

<<銀>>

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、66.3倍。過去1年を基準にすると85倍、5年では80倍、2000年以降では65倍程度が妥当。

金は高値を維持する見通しだがバイデン大統領誕生により、太陽光発電向けに用いられる「バイデン銘柄」であることもあって、需要構造の変化が価格を下支え(金銀レシオは低下)するものと予想。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

<<PGM>>

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。これまで、各国の自動車セクターの回復期待と、主要生産国である南アフリカの供給不安が強まっており、価格を押し上げてきた。

しかしそれ以上に貴金属セクターの「基準」となる金価格が長期金利上昇で調整しているため、しばらくは下押し圧力が強まることになると見る。

仮に脱炭素が進んで水素が用いられ、燃料電池が進むのであればプラチナの構造的な需要が増加するシナリオは、需要・価格面でのポジティブリスクシナリオ。投機の比率が高い商品であるため、こうした観測記事だけでも材料に価格が反応しやすい。

パラジウムは景気正常化期待による金価格調整→経済正常化による需要増加、から、一旦下落後、上昇に転じると予想される。

コロナショック後、パラジウム価格は基本的にETF価格との連動性が高まった(自動車向けの需要減少で余剰が発生したため)が、足下、ETFの残高の変動以上に価格が上昇している状況。

自動車生産が回復すれば再びパラジウム供給不足が発生し、ETFの残高減少と価格上昇が同時に発生する可能性が高いとみている。

2月の米自動車販売は年率1,567万台(前月1,606万台、市場予想1,663万台)と減速した。

中国の1月の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で前年比+30%の250万台)前月+6.4%の283万台、11月+12.7%の276万9,666台、10月+12.6%の257万3,000台、9月+13.0%の256万5,201台)と前年比の伸びが加速している。

自動車販売は回復しているが、不要不急の消費であるため中国を除いては本格的な回復にはまだ時間がかかる見込み。

【見通しの固有リスク】

・個人投資家のETFを通じた買いが、経済合理性を無視した水準まで貴金属価格を押し上げるリスク。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・世界的な成長力の低下に伴い、各国の財政状況が悪化、地政学的リスクが顕在化する場合(中東・北アフリカのリスク顕在化の可能性は低くない)。リスク・プレミアム上昇を通じて貴金属価格の上昇要因に。

・米中の対立激化。米国は今回のウイルス問題で、中国の医療面、人工知能を含むIT面に脅威を感じた可能性は高く、対立が激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが254,839枚(前週比 ▲10,694枚)、ショートが79,676枚(+3,781枚)、ネットロングは175,163枚(▲14,475枚)、銀が71,445枚(▲3,480枚)、ショートが35,296枚(▲13枚)、ネットロングは36,149枚(▲3,467枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが40,796枚(前週比 ▲1,964枚)ショートが12,759枚(+532枚)、ネットロングは28,037枚(▲2,496枚)

パラジウムが4,407枚(▲278枚)、ショートが3,582枚(+29枚)ネットロングは825枚(▲307枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

穀物価格はトウモロコシ・大豆は中国の需要が想像以上に堅調であること、南米の洪水や北米の気象状況の悪化による供給懸念から、しばらく高値圏で推移すると考える。

しかし、米長期金利上昇によるドル高を受けて、投機的な視点で利益確定による売り圧力が強まると予想されるため、徐々に水準を切り下げる動きになると考える。

足下の価格上昇を受けて作付け面積の拡大が全ての穀物で見込まれており、価格の下押し要因となる。作付け意向面積は3月末に発表予定であり、予定されている才良としては目先、最も重要なものになるだろう。

しかし、寒波と降雪の影響で作付けに影響が出る可能性がある。冬場の降雪量が多かった場合、通常であれば春の土壌水分改善で播種が進み豊作に繋がると判断されるのだが、想定以上の雪解け水が発生した場合には逆に耕作が不可能になるため、価格の上昇リスクとなり得る。

Locust Watchではエチオピア、ケニアで群生相が発生していたが、アラビア半島でも群生相を形成しつつ、北上している。

昨年末も大型のサイクロンがアラビア半島~北アフリカを通過、豪雨が観測されており、バッタの成育に良好な環境が提供されている可能性があり、このままだと今年も蝗害が起きる可能性は否定できない。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/DL509map_pg1.jpg

【見通しの固有リスク】

・ラニーニャ現象の発生による穀物供給減少リスクの顕在化。害虫の発生、生産地の土壌破壊など(すでに一部顕在化)。

春から夏にかけて発生する可能性が高まっているエルニーニョ現象の影響による不作。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米穀物作付け意向面積トウモロコシ 9,699万エーカー(市場予想 9,412万エーカー)大豆 8,351万エーカー(8,502万エーカー)小麦 4,466万エーカー(4,495万エーカー)

・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)

・3月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 172.0Bu/エーカー(NA、172.0)大豆 50.2Bu/エーカー(NA、50.2)小麦 49.7Bu/エーカー(NA、49.7)

・3月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 141億8,200万Bu(NA、141億8,200万Bu)大豆 41億3,500万Bu(NA、41億3,500万Bu)小麦 18億2,600万Bu(NA、18億2,600万Bu)

・3月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 26億Bu(25億5,000万Bu)大豆 22億5,000万Bu(22億3,000万Bu)小麦 9億8,500万Bu(9億8,500万Bu)

・3月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 15億200万Bu(14億6,035万Bu、15億5,200万Bu)大豆 1億2,000万Bu(1億1,673万Bu、1億4,000万Bu)小麦 8億3,600万Bu(8億3,838万Bu、8億3,600万Bu)

・12月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 113億2,200万Bu(117億4,670万Bu、19億5,000万Bu)大豆 29億3,300万Bu(29億2,900万Bu、5億2,500万Bu)小麦 16億7,400万Bu(16億9,555万Bu、21億5,800万Bu)

・2月CONABブラジル作付け面積(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1,909万ha(1,946万ha、1,846万ha)大豆 3,827万ha(3,845万ha、3,819万ha)

・2月CONABブラジル生産量(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1億548万トン(1億853万トン、1億231万トン) 単収 5,525Kg/ha(5,576kg/ha、5,541kg/ha)大豆 1億3,382万トン(1億3,327万トン、1億3,369万トン) 単収 3,497Kg/ha(3,469kg/ha、3,500kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが582,449枚(前週比 +4,403枚)、ショートが79,051枚(+4,770枚)ネットロングは503,398枚(▲367枚)

大豆はロングが265,874枚(+3,524枚)、ショートが41,129枚(+2,441枚)ネットロングは224,745枚(+1,083枚)

小麦はロングが121,874枚(▲7,628枚)、ショートが95,788枚(▲3,783枚)ネットロングは26,086枚(▲3,845枚)

◆本日のMRA's Eye


「パラジウムは再び3,000ドルを目指すか」

パラジウム価格が大幅に上昇した。パラジウムは主に自動車の排ガス触媒、特にガソリン車向けの触媒として用いられているが、コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な移動制限、輸送需要の減少を受けてガソリン車販売が影響を受け、価格を切り下げてきた。

しかし、このコラムでも何回か解説しているが、パラジウムの供給は制限されておコロナや電力供給の問題もあって主要生産国である南アフリカの供給が大幅に減少したことで、需給バラスは供給不足にあると考えられる。

実際、J&M社のPGMレポートを参考にすると、2020年のパラジウム生産は南アフリカが前年比▲26.2%の193万9,000オンス、全体でも▲13.3%の616万7,000オンスとなったようだ。

スクラップからの回収も前年比▲8.4%の312万1,000オンスとなっている。自動車販売の鈍化と人やものの移動制限が影響した結果。

一方、需要面は自動車触媒需要が▲12.1%の849万7,000オンスと大幅に減少、全体でも▲13.3%の989万4,000オンスと大幅な減少となった。ただし、投資需要の変化を考慮に入れなかった場合▲12.4%の1,008万オンス(注:2020年は解約が多かったため、実需の数値は投機を考慮した場合よりも大きくなる)となった。

需給バランスは投機を含めて▲60万6,000オンスの供給不足(昨年▲89万3,000オンスの供給不足)、投機考慮前の需給は▲79万2,000オンスの供給不足(▲98万オンスの供給不足)となった。コロナの影響は需要面への影響が大きかったと見られわずかではあるが供給不足幅を縮小させている。

通常、需給バランスの変化が価格に影響を与えやすい、すなわち、供給不足幅の縮小で価格の下落要因となるがそれも夏頃までで終了。その後、年後半にかけては景気回復期待と自動車販売の回復で水準を切り上げている。

しかし、ETFの解約や先物のポジション動向を見てみると、ETF在庫の積み上がりと共に価格が上昇しており、「在庫が不足しているから取り崩しが起きるう」という価格高騰時に見られた動きが出ていない。

実際、足下の需給バランスの判断材料となるスイスのパラジウム輸出入は、1月の輸出が2,506キログラム(前月3,648キログラム)であるのに対して輸入が1,955キログラム(638キログラム)と増加しており、足下の需給が緩和していることをうかがわせる内容。

もちろん、直近2月・3月の動きを見てみないとなんとも言えないが、「まだ」需給環境はコロナ前に戻ってはいないと考えるのが妥当だろう。

この場合、パラジウムが「投機の目線」で売買される可能性は高く、さらに「景気回復に伴うガソリン車需要の回復」「脱炭素、電気自動車がガソリン車を駆逐するというシナリオはまだ先」という判断が起きる可能性は高い。

まだ顕在化してはいないが「テーマがある」とも言える。

そうなった場合、金・銀・プラチナと比較したときの価格水準が、パラジウム価格の上昇余地を決める可能性は高い。弊社ではコロナの影響が世界的に広がっていない2019年末を基準に騰落率を確認しているが、原稿を執筆している現時点(2021年3月18日)で、金の騰落率は+15.3%、銀が+47.5%、プラチナが+26.4%、パラジウムは+33.2%となっている。

金は貴金属セクターのベンチマークではあるが、現在はテーマ性のある金属が物色されていることを考えると、対象は銀、ということになろう。

この場合、あと14%程度、2019年末対比で価格に上昇余地があることになる。2019年末のパラジウム価格は1,945ドルだったため、272ドル程度、さらに上昇余地があるとみている。再びパラジウムは3,000ドルを目指す展開になるのではないか。

◆主要ニュース


・1月日本鉱工業生産改定  前月比+4.3%(速報比+0.1%、前月改定▲1.0%)前年比▲5.2%(+0.1%、▲2.6%)
 出荷+3.2%(±0.0%、▲1.1%)、▲5.1%(±0.0%、▲2.9%)
 在庫±0.0%(+0.2%、+1.1%)、▲10.3%(+0.2%、▲8.4%)
・2月日本貿易収支季節調整前 2,174億円の黒字(前月▲3,254億円の赤字)
 輸出 前年比▲4.5%の6兆381億円(+6.4%の5兆7,796億円)
 輸入 +11.8%の5兆8,206億円(▲9.5%の6兆1,049億円)

 米国向け
  輸出 ▲14.0%の1兆922億円(▲4.8%の1兆152億円)
  輸入 ▲3.7%の6,196億円(▲14.1%の5,863億円)

 欧州向け
  輸出 ▲3.3%の5,892億円(▲1.6%の5,322億円)
  輸入 +0.4%の6,294億円(▲2.6%の6,899億円)

 アジア向け
  輸出 ▲0.8%の3兆3,440億円(+19.4%の3兆3,658億円)
  輸入 +36.9%の2兆9,389億円(▲4.5%の3兆2,381億円)

 中国向け
  輸出 +3.4%の1兆1,743億円(+37.5%の1兆2,327億円)
  輸入 +114.5%の1兆4,459億円(▲1.0%の1兆7,197億円)

・3月ZEW独景況感調査期待指数 76.6(前月71.2)
 現況指数 ▲61.0(▲67.2)
 ユーロ圏期待指数 74.6(69.6)

・2月EU27ヵ国新車登録台数 前年比▲19.3%の771,486台(前月+24.0%の726,491台)
 年初来▲21.7%の1,498,116台(▲24.0%の726,491台)

 欧州合計 ▲20.3%の850,170台(▲25.7%の842,835台)
 年初来 ▲23.1%の1,693,059台(▲25.7%の842,835台)

・1月ユーロ圏建設業生産高 前月比+0.8%(前月▲1.5%)、前年比▲1.9%(±0.0%)

・2月ユーロ圏消費者物価指数 前月比+0.2%(前月+0.2%)前年比+0.9%(+0.9%)、コア指数 +1.1%(+1.4%)

・2月米輸出物価指数 前月比+1.6%(+2.5%)、前年比+5.23%(+2.3%)
 輸入物価指数 +1.3%(+1.4%)、+0.5%(+0.9%)
  除原油 前月比+3.0%(+1.0%)

・2月米小売売上高 前月比▲3.0%(前月+7.6%)
 除く自動車▲2.7%(+8.3%)
 除く自動車ガソリン▲3.3%(+8.5%)
 除く自動車・建材▲3.5%(+8.7%)

・2月米鉱工業生産 前月比▲2.2%(前月+1.1%)
 設備稼働率 73.8%(75.5%)
 製造業生産 ▲3.1%(+1.2%)

・3月米NAHB住宅市場指数 82(前月 84)

・米MBA住宅ローン申請指数 前週比 ▲2.2%(前週▲1.3%)
 購入指数 +1.8%(+7.2%)
 借換指数 ▲4.2%(▲5.0%)
 固定金利30年 3.28%(3.26%)、15年 2.67%(2.63%)

・2月米住宅着工件数 前月比▲10.3%の142.1万戸(前月▲5.1%の158.4万戸)

・2月米住宅建設許可件数 前月比▲10.810.4%の168.2万戸(前月+10.7%の188.6万戸)

・FOMC、FFレートの誘導目標を、0.00%~0.25%で据え置き。超過準備預金金利への付利も0.1%で据え置き、米国債800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)400億ドルの毎月の買い入れも継続を、全会一致で決定。

・FOMC声明要旨、「パンデミックからの回復ペースは緩やかになった後、雇用や経済活動の指標はこのところ上向いている。ただしパンデミックの影響を受けたセクターは脆弱。インフレ率は依然2%を下回っており、全体的な金融環境は緩和的。経済の道筋はウイルスの状況に依拠する。FOMCは雇用確保とインフレ率2%を下回っていることを踏まえ、一定期間2%の物価上昇率を上回るよう、緩和政策を据え置くことを決定した(上記は上述の通り)。」

・FOMC経済予測、2021年(前回予想)/2022年/2023年/長期

実質GDP予測中央値
 5.8-6.62%(3.7-5.0%)/3.0-3.8%(3.0-3.5%)/2.0-2.5%(2.2-2.7%)/1.8-2.0%(1.7-2.0%)

失業率中央値
 4.2-4.7%(4.7-5.4%)/3.6-4.0%(3.8-4.6%)/3.2-3.8%(3.5-4.3%)/3.8-4.3%(3.9-4.3%)

PCE価格指数 2.2-2.4%(1.7-1.9%)/1.8-2.1%(1.8-2.0%)/2.0-2.2%(1.9-2.1%)/2.0%(2.0%)

PCEコア指数 2.0-2.3%(1.7-1.8%)/1.9-2.1%(1.8-2.0%)/2.0-2.2%(1.9-2.1%)

政策金利予想中央値  0.125%(0.125%)/0.125%(0.125%)/0.125%/2.5%(2.5%)

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計 原油+2.4MB(クッシング▲0.6MB)
 ガソリン+0.5MB
 ディスティレート+0.3MB
 稼働率+7.1

 原油・石油製品輸出 6,702KBD(前週比▲429KBD)
 原油輸出 2,455KBD(▲335KBD)
 ガソリン輸出 567KBD(+1KBD)
 ディスティレート輸出 671KBD(▲71KBD)
 レジデュアル輸出 145KBD(▲9KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,057KBD(▲6KBD)
 その他石油製品輸出 1,747KBD(+1KBD)

・IEA月報
 世界石油需要 Q121:93.9、Q221:95.0、Q321:97.8、Q421:99.2、2021:96.5
 非OPEC供給(含むNGLs) Q121:62.5、Q221:63.9、Q321:64.5、Q421:64.6、2021:63.9
 Call on OPEC Q121:31.4、Q221:31.1、Q321:33.3、Q421:34.6、2021:32.6

※需要見通しを上方修正、北米の生産減少によってCall on OPEC増加。IEAは十分な供給能力を維持しているため、スーパーサイクルを想定せず。

【メタル】
・Antofagasta Los Pelambres鉱山労働者、経営側の賃金提案を検討、ストライキ回避の可能性高まる。

・TD Holdings、Tongdow E-Trade(いずれも中国系)は、カザフスタンのモリブデン・銅鉱石鉱山を15.1百万ドルで購入。

・亜鉛TC、65-75ドルと2018年7月以来の低水準に低下。鉱山供給がタイトな状況が続く。

・ニッケルの現物プレミアムは中国で140-150ドルと先週の150-170ドルから下落、欧州・米国では横ばい。

・銅カソードの現物プレミアムは上海で60-70ドル(前週60-72ドル)から小幅に下落。

・アルミの現物プレミアムは、米中西部のプレミアムが19-20セント/ポンド(前週17.5-18.5セント)に上昇、欧州も上昇。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.欧州排出権 ( 排出権 )/ +3.35%/ +31.51%
2.パラジウム ( 貴金属 )/ +3.21%/ +5.11%
3.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +2.54%/ ▲19.91%
4.ビットコイン ( その他 )/ +2.42%/ +99.17%
5.LME銅 3M ( ベースメタル )/ +2.31%/ +17.75%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.LIFFEココア ( その他農産品 )/ ▲5.34%/ ▲0.06%
65.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ ▲3.85%/ ▲6.86%
64.NYM RBOB ( エネルギー )/ ▲2.57%/ +45.35%
63.ICE粗糖 ( その他農産品 )/ ▲1.90%/ +3.23%
62.NYM灯油 ( エネルギー )/ ▲1.38%/ +29.11%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :33,015.37(+189.42)
S&P500 :3,974.12(+11.41)
日経平均株価 :29,914.33(▲6.76)
ドル円 :108.84(▲0.16)
ユーロ円 :130.38(+0.64)
米10年債 :1.64(+0.02)
中国10年債利回り :3.25(▲0.01)
日本10年債利回り :0.10(▲0.01)
独10年債利回り :▲0.29(+0.05)
ビットコイン :57,751.65(+1363.51)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :29.94(+0.4)
エネルギー :26.14(+0.68)
ベースメタル :40.18(+0.15)
貴金属 :26.55(+0.52)
穀物 :19.98(▲0.01)
その他農畜産品 :32.69(+0.51)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :34.00(▲0.34)
Brent :33.97(▲0.13)
米天然ガス :40.70(+1.04)
米ガソリン :26.70(+2.42)
ICEガスオイル :27.10(+0.35)
LME銅 :36.19(▲0.05)
LMEアルミニウム :23.07(+0.17)
金 :14.57(+0.1)
プラチナ :31.96(▲0.08)
トウモロコシ :22.29(+0.12)
大豆 :14.57(+0.1)

【エネルギー】
WTI :64.60(▲0.20)
Brent :68.00(▲0.39)
Oman :66.12(▲0.52)
米ガソリン :204.71(▲5.41)
米灯油 :190.61(▲2.66)
ICEガスオイル :532.25(▲6.25)
米天然ガス :2.53(▲0.03)
英天然ガス :45.17(+1.12)

【貴金属】
金 :1745.33(+13.93)
銀 :26.32(+0.38)
プラチナ :1215.64(▲0.61)
パラジウム :2573.99(+79.94)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :9,025(+68:2.5B)
亜鉛 :2,825(+2:17.5C)
鉛 :1,945(▲21:23.5C)
アルミニウム :2,233(+32:30C)
ニッケル :16,047(▲134:59C)
錫 :25,820(+600:2380B)
コバルト :52,679(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :9130.00(+206.50)
亜鉛 :2840.00(+44.00)
鉛 :1916.00(▲15.00)
アルミニウム :2232.00(+36.50)
ニッケル :16215.00(+90.00)
錫 :25750.00(+500.00)
バルチック海運指数 :2,105.00(+88.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :166.33(▲0.80)
SGX鉄鉱石 :167.44(+0.20)
NYMEX鉄鉱石 :168.21(▲0.05)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :116(▲0.60)
大連原料炭先物 :248.00(+7.37)
上海鉄筋直近限月 :4,706(▲2)
上海鉄筋中心限月 :4,738(+3)
米鉄スクラップ :600(±0.0)

【農産物】
大豆 :1417.75(▲5.50)
シカゴ大豆ミール :404.90(▲1.20)
シカゴ大豆油 :54.60(▲0.49)
マレーシア パーム油 :4200.00(+30.00)
シカゴ とうもろこし :558.00(+3.75)
シカゴ小麦 :640.00(▲7.00)
シンガポールゴム :245.90(±0.0)
上海ゴム :15055.00(▲70.00)
砂糖 :15.99(▲0.31)
アラビカ :132.85(▲0.95)
ロブスタ :1397.00(+6.00)
綿花 :86.51(▲0.41)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :93.68(+0.78)
シカゴ生牛 :119.43(+1.23)
シカゴ飼育牛 :136.93(+0.35)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。