日本の対外収支動向と為替需給
- MRA外国為替レポート
2021年2月15日号
◆先週の市場総括
先週は新たな材料はないものの引き続き米国の追加経済対策早期成立への期待から米国株が堅調。いわゆるリフレトレードが続いた。
企業決算も概ね事前予想を上回る結果が多く主要株価指数は史上最高値を更新する動き。FRBパウエル議長は足元の労働市場の弱さを指摘し現状の緩和策を忍耐強く継続する必要性を強調。これも株価にはプラスとなった。
一方、財政支出拡大見通しを背景に米長期金利は上昇傾向が続き、週末には10年債利回りが1.2%台に、30年債利回りが2.0%台に乗せて取引を終えた。
ドルは長期金利上昇が支えとなりつつも、リフレトレード、リスク選好が抑制要因となり、前週末からやや反落してもみ合い。ユーロドル相場は前週末の1.20台半ばから1.21台前半へやや持ち直し。ドル円相場は週央にかけて104円60銭~80銭で推移したが、週末には105円ちょうど近辺を回復して引けた。
日経平均も米国株の堅調を支えにしっかり。戻り高値を更新し週末は29,520円で引け。なおトランプ大統領に対する弾劾裁判は賛成票が3分の2に至らず否決された。
月曜日の東京市場では日経平均が大幅高。前週末に米国議会上下両院で予算案が通過。経済対策の早期成立期待が強まった。
また決算発表を受けて企業業績の回復が進んでいるとの見方も支え。景気敏感株を中心に全面高。前週末比+609円高の29,388円で引けた。
ドル円相場は105円30銭近辺で始まり、105円50銭中心にもみ合い。ユーロ円相場は126円80銭で始まり127円ちょうどを中心にもみ合い。全体的にやや円安。
ユーロドル相場は1.2040で始まり1.2030~40でもみ合い。欧州市場に入るとややユーロ安ドル高。ユーロドル相場は1.2020に下落。ユーロ円相場は127円ちょうど~10銭。ドル円相場は105円60銭中心にもみ合った。
米国市場では株式主要3指数がいずれも史上最高値を更新した。イエレン財務長官が前週末に1.9兆ドルの対策が承認されれば来年にも完全雇用を達成できる、と述べたことを好感。
経済対策案の議会可決への前進、ワクチン接種の進展、などを材料に「リフレトレード」(財政拡大・金融緩和による景気浮揚アクセルを背景とした強気・リスク資産買い)が活発化した。
景気正常化期待で株価上昇銘柄がハイテク関連からサービス・旅行などにも広がった。NYダウは前週末比+237ドル高の31,385ドル、ナスダックは同+131ドル高の13,987ドル、S&P500は同+29ドル高の3,915ドル。
原油価格WTIは58ドル近辺に上昇。金相場もしっかり。米10年債利回りは一時1.2%に迫ったが、引けは1.17%近辺。
リスク選好が強まるなかドルがあらためて軟調。ユーロドル相場は1.2060に上昇。その後一時1.2030に下押したが引けは1.2050。ドル円相場は105円20銭近辺に下落してもみ合い。ユーロ円相場は126円60銭台に下落した後に反発し126円80銭で引け。ビットコインはテスラが購入したとの報道で急騰した。
火曜日の東京市場では日経平均が3営業日続伸。国内企業の業績回復が進むとの見方、米国景気回復期待、などで投資家心理が上向いた。
利益確定売りが上値を抑制したものの、日経平均は前日比+117円高の29,506円と昨年来の高値を更新した。為替市場ではドルが軟調。ドル円相場は105円20銭で始まり下落して105円割れ。午後には104円80銭~90銭でもみ合い。
ユーロドル相場は1.2050から上昇して1.2070~80でもみ合い。ユーロ円相場は126円80銭近辺でもみ合い夕刻に126円60銭。欧州市場に入ってもドルは下落し、ドル円相場は104円60銭割れ。ユーロドル相場は1.2110に上昇した。ユーロ円相場は126円70銭。
米国株は新たな株高材料を欠くも底固い値動き。決算は概ね良好。長期金利上昇が一服しハイテク株の支えに。経済対策への期待は根強く押し目は固かった。
株価指数は強弱まちまち。NYダウは前日比▲10ドル安の31,375ドル、ナスダックは同+20ドル高の14,007ドルと大台に乗せて史上最高値を連日更新した。S&P500は同▲4ドル安の3,911ドル。
米10年債利回りは概ね横ばいの1.16%。ドル円相場は104円60銭~70銭で上下し引けは104円60銭近辺。ユーロドル相場はじり高。1.2120近辺でもみ合い引け。ユーロ円相場は126円50銭を割ったが持ち直し、引けは126円70銭。
この日、トランプ前大統領に対する弾劾裁判が開始され来週にも評決へ。共和党17名の造反が見込めないことから無罪となると予想されている。
水曜日の東京市場では日経平均が29,400円近辺で小幅安寄りしたが底固く、その後は29,500円中心にもみ合い。引け際に上昇して前日比+57円高の29,563円で引けた。
高値警戒感が漂うなかでも下値には買いがあり底固く、トヨタの好決算も支え。
ドル円相場は104円60銭中心に上下。ユーロ円相場は126円80銭近辺でもみ合い。ユーロドル相場は1.2130近辺でもみ合いとなった。その後夕刻から欧州市場では一時ドル安に振れたが、ドルはすぐに反発。ドル円相場は104円40銭に下落した後80銭に上昇。
米国市場では株価はまちまち。経済指標でインフレが抑制されていることが明確となり、またパウエル議長の講演で現状の金融緩和を長期化することが再確認された。
米長期金利が低下し株価を支え。但し、急ピッチの株価上昇で利益確定売りも出やすく上値も重かった。NYダウは前日比+62ドル高の31,437ドル、ナスダックは同▲35ドル安の13,972ドル。
米10年債利回りは1.145%に低下。ドル円相場は104円70銭~80銭でもみ合いの後、60銭~70銭で推移して引けは104円60銭。
ユーロドル相場は1.2140に上昇した後に反落して1.2120~30中心に推移して1.2120で引け。ユーロ円相場は126円70銭に下落した後、反発して127円ちょうど近辺でもみ合い、その後はじり安となり引けは126円80銭。円高一巡も、米長期金利低下がドルの上値を抑制した。
発表された米国の消費者物価指数(1月)は前年同月比+1.4%と予想+1.5%を下回り、前月も+1.4%から+1.3%に下方修正された。コア指数も同+1.4%と前月+1.6%から低下。パウエルFRB議長は、労働市場は強い状態にはほど遠い、緩和的な金融政策を忍耐強く続けることが重要だ、と述べた。
木曜日の東京市場は祝日で休場。中国はこの日から春節の祝日が続く。為替市場は動意薄。アジア時間のドル円相場は104円60銭近辺での小動きに終始。
ユーロドル相場も同様に1.2120近辺でもみ合い、夕刻に30銭中心に上下。ユーロドル相場は126円70銭~80銭で上下して80銭中心のもみ合い。欧州時間に入るとやや円安に振れた。
ドル円相場は104円70銭中心に上下。ユーロ円相場は米国市場にかけてじり高となり127円10銭に上昇。ユーロドル相場は1.2150に上昇した。
米国株はまちまち。週次の雇用データが弱かったが経済対策の必要性を示すとして下げ渋り。半導体関連株がしっかり。NYダウは前日比▲7ドル安の31,430ドル。一方、ナスダックは同+53ドル高の14,025ドル、S&P500は同+6ドドル高の3,916ドル、とともに史上最高値を更新した。
米10年債利回りは30年債入札が芳しくなく上昇して1.165%。
発表された週次の失業保険新規申請件数は793千件と前週779千件からやや増加、継続受給者数は4,545千件と前週4,592千件からやや減少。雇用改善が足踏みしていることを示した。
金曜日の祝日明けの東京市場では日経平均が5営業日ぶりに反落。米国株が底固く推移していることもあり29,640円近辺で高寄りしたが、直後に高値警戒感から利益確定売りに押され下落。29,430円まで下げた。後場はじり高。29,520円で週末の取引を終えた。
ドルは堅調。ドル円相場は104円70銭で始まり80銭近辺でもみ合い。欧州時間に入ってから105円10銭台に上昇した。
ユーロドル相場は1.2130で始まり1.2120~30で推移した後、同様に1.2100にユーロ安ドル高。ユーロ円相場は127円10銭中心に127円ちょうど~20銭で上下。
米国市場では引き続き経済対策への期待が根強く株価が支えられた。NYダウは前日比+27ドル高の31,458ドル。ナスダックは同+70ドル高の14,095ドル、S&P500は同+18ドル高の3,935ドルと終値で史上最高値を連日で更新した。
米10年債利回りは1.205%とこのところの上昇傾向のなか初めて1.2%に乗せて引け。30年債利回りは2.0%の大台に乗せて引けた。
ドル円相場は米長期金利上昇に支えられつつもリスク選好のなかドルが全般に軟調となったことからもみ合いのなかレンジがじり安。104円90銭~105円ちょうどでもみ合いとなり引けは105円ちょうど近辺。
ユーロドル相場は1.2090割れにユーロ安ドル高が進んでいたが1.2130に持ち直して引け。ユーロ円相場は概ね横ばい127円20銭で引けた。
欧州では前ECB総裁のドラギ氏が新首相に就任。発表された米国のミシガン大学消費者信頼感指数(2月)は76.2と前月79.0から悪化し80.0への改善予想を下回った。
◆今週の3つの注目ポイント
今週はなお春節で中国市場の休場が水曜日まで続くなか、月曜日は米国市場も祝日で休場となる。
1.米国の経済指標
米国では企業の景況感改善が続く一方で雇用改善は足踏みしている。実数値の動向はどうか。
火曜日 NY連銀製造業景気指数(2月、予想5.0、前月3.5)
水曜日 生産者物価指数(1月、前年同月比、予想+0.8%、前月+0.8%) 小売売上高(1月、前月比、予想+0.8%、前月▲0.7%) 鉱工業生産(同、予想+0.4%、前月+1.6%) 製造業生産(同、予想+0.5%、前月+0.9%) 設備稼働率(同、予想74.9%、前月74.5%)
木曜日 週間新規失業保険申請件数 住宅着工(1月、季節調整済み年率換算、予想1,650千件、前月1,669千件) フィラデルフィア連銀製造業景気指数(2月、予想19.0、前月26.5)
金曜日 PMI景況感指数(2月、製造業、予想56.5、前月59.2、サービス業、予想53.6、前月58.3)
2.FOMC議事録
パウエル議長は先日の講演で労働市場がなお回復途上にあり、現状の緩和的な政策を忍耐強く続けることが重要だ、と述べた。一方、このところ量的緩和の継続について、年内にも修正の可能性を示唆する当局者の発言もみられた。あらためて、景気認識や現状の超緩和政策の方向感についての議論がどのようになされたか確認される。
3.欧州の経済指標
このところ欧州の経済指標には感染拡大・行動規制の悪影響で弱い数字が散見される。そうした傾向がさらに確認されるか。米国との景況格差拡大が意識されるか。
月曜日 ユーロ圏鉱工業生産(12月、前月比、予想▲0.5%、前月+2.5%)
火曜日 ドイツZEW景況感指数(2月、期待指数、予想61.0、前月61.8)
木曜日 ユーロ圏消費者信頼感指数(2月、前月▲15.5) ユーロ圏PMI景況感指数(製造業、予想54.5、前月54.8、サービス業、予想44.5、前月45.4) ドイツPMI景況感指数(製造業、予想57.5、前月57.1、サービス業、予想45.3、前月46.7)
◆今週のMRA's Eye
日本の対外収支動向と為替需給
このところの値動きをみれば、昨年春以降のドル安円高トレンドには終止符が打たれたとみてよさそうだ。主として、ドル安トレンドが止まってきたことによるが、引き続きリスク選好のもとで円が全般的に軟調に推移していることも大きい。
円サイドの要因、とくに為替需給面で円高・円安どちらのリスクがあるのか、対外収支の動向を踏まえて検討しておく必要はあるだろう。
対外収支のうち、恒久的に為替需給に影響を与える、すなわち売り切り・買い切りとなる取引は貿易サービス収支だ。
輸出業者は円の買い切り、輸入業者は円の売り切り、となり、その差額である貿易収支の動向は、円高・円安いずれの圧力がかかっているか、その圧力が強まっているか、弱まっているかを示す。
またサービス収支も同様だ。貿易サービス収支に所得収支を加えた経常収支も為替需給を示すが、所得の再投資が為替売買を伴わず行われることも多く、必ずしもその数字がすべて為替需給の偏りを示すとは限らない点には留意が必要だ。
経常収支は何らかのかたちで事後的にファイナンスされる。
すなわち黒字となった場合は海外へ資金還流、赤字となった場合には海外から資金調達されて埋め合わせされる。
そのなかでも近年大きな比重を占めているのが対外直接投資、直接投資収支だ。
日本企業の生産ならびに販売、企業活動全般のグローバル化によって、海外拠点の強化、海外企業の買収などが活発化し高水準の対外直接投資が続いている。対外直接投資は多くの場合、外貨の買い切りとなる。
よほどの事態となり海外から撤退とならず、片サイドの為替需給となると考えてよい。
また投資期間も長期にわたるため、投資した時点で為替リスクのヘッジは多くの場合行われない。
為替相場の水準も重要だが、むしろ事業展開、事業収益、戦略的な位置づけなどが重視され、為替リスクは二の次となりやすい。
これに対して証券投資は、一定程度の期間は手仕舞いが生じない点では、為替の売り切り・買い切りといてよい。ただ単純には為替需給にそのまま反映されるかというとあいまいになる。
外国株式投資の場合、多くの場合に株価の変動が為替相場の変動よりも大きいため、外国債券投資に比べて相対的に為替リスクヘッジをしない場合が多くなる。
内外金利差などから明らかに為替リスクヘッジをした方が有利な場合、あるいは為替相場の水準やトレンドに対する見方によって、株式投資と同時に為替リスクがヘッジされ、対外対内株式投資の動向が必ずしも為替需給に影響しないことには留意が必要だ。
一方、外国債券投資の場合は為替相場動向が投資収益に大きな影響を与える。金利収入に対して為替変動リスクが大きく、為替リスクをヘッジするかどうかは大きな問題だ。
相対的に高金利の外国債券は魅力的だが、そうしたケースでは多くの場合、短期金利差から為替ヘッジコストが高くなりがちで為替リスクヘッジを行いにくい。
結局のところ、証券投資収支による為替需給への影響は、様々な状況や情報から推測するしかない。
こうしたことを踏まえて、足元の円を巡る為替需給や今後の動向・影響について整理してみる。
まず貿易収支はこのところ黒字が増加している。輸出が回復するなか輸入が伸び悩んでいるためだ。これは海外景気、中国や米国経済の回復が順調なことで輸出が回復し、国内景気が低迷していることで輸入が伸び悩んでいるためだろう。
こうした状況はなお続きそうだが、必ずしも好ましい貿易黒字の拡大とはいえない。
為替需給面で円高圧力が増しているとすれば、国内景気の回復が緩慢ななか円高圧力が増すことになる。ただ海外景気回復ペースの鈍化によって輸出増の勢いも鈍化しそうだ。
一方、世界経済の回復・拡大は原油価格をはじめとする商品価格を押し上げている。足元の輸入動向をみると、原油価格の上昇に一定のタイムラグをもって増加している面もある。
こうしたことからみると、今後は輸出・輸入のギャップ、すなわち貿易黒字の拡大はピークアウトし、円高圧力も鈍化しそうだ。
またサービス収支に関しては、大きな比重を占める旅行収支が、大幅な黒字から極めてわずかな黒字に縮小している。インバウンド需要・海外からの旅行者の急減・低迷が続いており、今後も従前の大幅な黒字に戻ることはなさそうだ。この面では円高圧力が減少したままの状態が今後も続きそうだ。
直接投資収支は毎月1.5兆円から2.0兆円におよぶ大幅な対外投資超過となり、経常黒字とほぼ同額かあるいは上回る規模となっていた。
それがコロナ禍によって景気不透明感が高まると一時は0.5兆円を下回るまで減少。それがここにきてようやく回復し1兆円に迫りつつある。
経常収支と直接投資収支の合計はトントンから1兆円の黒字の間を上下し、直近は1兆円を上回っていたが減少に転じてきた。
今後を展望すれば、引き続き従来のレンジ内での推移となるか、今後は引き続き内外経済成長格差から海外事業拡大に伴う対外直接投資がさらに持ち直すことで直接投資収支の赤字が増加し、経常黒字との合算での黒字が縮小、円高圧力が減少する方向に働く可能性がある。
なお、コロナ禍で生産や物流が停滞した経験から一部で国内投資が増加する可能性にはやや留意は必要か。
証券投資収支の影響は推測が難しい。まず為替ヘッジ需要についてみると、先進国の政策金利がいずれもほぼゼロ金利となったことで、短期金利差によって生じる為替ヘッジコストはゼロに近い。
短期金利が、ドルが高金利、円が低金利、であれば、ドル売り円買いの為替リスクヘッジはコスト高となり、本邦投資家のドル建て証券投資は為替リスクヘッジが行いにくい。
一方、ドル資金を保有する海外投資家による円建て証券投資は為替リスクヘッジをした方が金利差を得ることができてプラスとなる。ところが現状はヘッジの有無による有利不利はなく、もっぱら為替リスクをどうみるか、為替相場の水準やトレンドの見方次第となる。あるいは為替ヘッジなしで放置ということもありえよう。
それを踏まえたうえで、原資産の投資妙味はどうかということも併せて資金の逃れや為替需給の強弱を推察する必要がある。まず株式については日米欧いずれが割高・割安か、あるいは上昇余地があるか。
現時点で輪切りにして比較すれば、イールドギャップ(株式益回りと長期国債利回りの格差)でみた場合、ほぼ割高割安の格差がない。
となると、今後の企業業績の伸び、業績回復力、マクロの成長率がポイントとなりそうだ。これまでの経済のリバウンド力、さらには財政拡大・経済対策の規模からすれば、米国株がなお相対的に優位にあるといえる。
あとはポートフォリオにおけるウェートの調整がどう働くか。これに為替リスクヘッジをどう考えるかだが、これまでのところグローバルな株高とドル安が連動してきた事実からすれば、米国株投資にはドル売りヘッジが伴っていた可能性がある。
ドルインデックスが過去数年の最低水準に達したところで下げ止まっている現状からすると、ドル資産を巡る為替リスクヘッジ=ドル売りが後退ないし巻き戻しのドル買いが生じるリスクがある。
債券投資については、米国債の利回りが相対的に高いことから魅力的であり、またこのところの米長期金利の上昇はその魅力をさらに増している。
ただドル安傾向が続いてきたことから、実績としてはドル売りヘッジをしている方がパフォーマンスは良かった。しかしここから先は微妙だ。
総じてみれば、貿易サービス収支や経常収支、直接投資収支からは、やや円高圧力がかかりつつもさほど大きくはない。また円高圧力は今後やや減少する可能性がある。
一方、証券投資に関する為替需給は中立で、水準ないしトレンド次第で、一定方向の相場が継続し、あるいはトレンドが止まれば急速に反転するといった状況が生じやすくなっているとみられる。
足元では先進国の政策金利がいずれもゼロ金利となったことで、為替相場はトレンドを失い安定しやすいとの見方もできるが、逆に不安定化するリスクもある点には留意は必要だ。
ドル円相場のリスクバイアスは、現時点ではドル高円安サイドに傾いているようにみえる。
◆主要指標
【対円レート】
ドル :104.94(+0.19)
ユーロ :127.16(+0.10)
英ポンド :145.47(+0.75)
豪ドル :81.431(+0.21)
カナダドル :82.742(+0.29)
スイスフラン :117.648(▲0.04)
ブラジルレアル :19.5364(+0.05)
中国人民元 :16.261(+0.05)
韓国ウォン(日本円=100) :9.501(±0.0)
【対ドルレート】
ユーロ :1.212(▲0.001)
英ポンド :1.3849(+0.003)
豪ドル :0.7761(+0.001)
カナダドル :1.2696(▲0.001)
スイスフラン :0.8919(+0.002)
ブラジルレアル :5.3779(▲0.007)
中国人民元 :休場( - )
韓国ウォン :1102.97(▲0.88)
【主要国政策金利】
米国 :0.25
ユーロ :0.00
日本 :0.00
【主要国長期金利】
米10年債 :1.21(+0.05)
米2年債 :0.11(▲0.00)
日本10年債利回り :0.07(▲0.02)
日本2年債利回り :0.07(+0.01)
独10年債利回り :▲0.43(+0.03)
独2年債利回り :▲0.71(+0.01)
【主要株価指数・ビットコイン】
NY ダウ :31,458.40(+27.70)
NASDAQ :14,095.47(+69.70)
S&P500 :3,934.83(+18.45)
日経平均株価 :29,520.07(▲42.86)
ドイツ DAX :14,049.89(+8.98)
インド センセックス :51,544.30(+12.78)
中国上海総合 :休場( - )
ブラジル ボベスパ :119,428.70(+128.90)
英国FT250 :21,037.47(+19.62)
ビットコイン :47947.16(+1015.20)
【主要商品価格】
WTI :59.47(+1.23)
Brent :62.43(+1.29)
米ガソリン :169.25(+4.23)
米灯油 :177.14(+2.68)
金 :1824.23(▲1.28)
銀 :27.36(+0.38)
プラチナ :1256.38(+18.70)
パラジウム :2386.19(+34.69)
銅 :8251.00(▲39:19.5B)
アルミニウム :2081.00(+1:5C)
※貴金属はニューヨーククローズ。ベースメタルは3ヵ月公式セトル価格。
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック
シカゴ大豆 :1372.00(+4.50)
シカゴ とうもろこし :538.75(▲2.25)
シカゴ小麦 :636.75(+3.25)
※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。
※ 「休場」となっているものは、取引所が休場ないしはデータ更新時点で最新データを取得できなかった場合を指します。