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エネルギーセクターは反発、その他はドル高で総じて軟調
  • MRA商品市場レポート

2021年3月4日 第1916号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「エネルギーセクターは反発、その他はドル高で総じて軟調」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は昨日まで大きく下落していたエネルギーセクターが、OPECプラスの減産継続観測を受けて買い戻しが入って大幅に上昇したが、その他の商品は鉄鉱石・鉄鋼製品を除き、総じて軟調な推移となった。

背景には長期金利が急上昇し、ドル高が進行したことがある。米国時間の後半に発表されたベージュブックは緩やかな回復継続を確認する内容であり、サプライズはなかった。

なお、注目の米ISM非製造業指数は市場予想を下回る内容となった。このことは製造業の景況感は米政策で回復しているものの、最終消費が弱いことを示唆している。景気循環系商品のフロー需要は抑制された状態が続くとみられる(なお、インフラ投資などでストック需要は堅調)。

※レポートで紹介するほどではない、軽いニュースに関するコメントはFBで更新していますので、不定期ですがご興味のある方はフォローをお願いします。
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【本日の見通し】

本日は、長期金利上昇に伴う長期金利上昇が再開していることから、ドル高も進行しやすい地合にあるため、取引序盤はやや軟調な推移になると考える。

しかし、本日はFRBパウエルFRB議長のオンラインイベントへの参加が予定されており、恐らく長期金利の急上昇に関して何らか、けん制する発言をすると予想されるため、取引後半は買い戻しが入る展開になると見る。

【セクター別動向と見通し】

◆エネルギー

原油価格は上昇した。米石油統計で石油製品在庫の記録的な減少が確認され、製油所の再稼働が進む中で原油在庫が取り崩されるとの見方が強まったこと、ほぼ規定路線ではあるものの、OPECプラスの全体会郷前に開催されている、共同閣僚監視委員会で増減産に関していかなる提言も行われなかったことで、OPECプラスの減産が継続する、と見られたことが材料となった。

昨日発表の米石油統計は原油が弱気、製品が強気な内容だった。大寒波の影響で、製油所の稼働率が大幅に低下したことが背景。

原油は生産が増加(+0.3MBD)、輸入は増加(+1.7MBD)、稼働率は大幅に低下(▲12.6%)、在庫は+21.6MBの大幅な増加となった。

在庫日数は+10.3日の47.0日と、稼働率の低下によって過去5年レンジを上抜けた。なお、製油所の稼働率の水準はコロナショック発生時を大きく下回っている。大寒波の影響で製油所の稼働回復が遅れていることが浮き彫りとなった。

原油価格に影響が大きいクッシング在庫は+485KB(+2,807KB)と増加。製油所の稼働率が低下したことが影響しているようだ。在庫スペースの稼働率は61.0%(60.0%)と先週から上昇している。しかし、稼働率は昨年春に発生した大幅な価格下落が発生した時よりは低く、同様の価格急落が発生する可能性は低い。

石油製品在庫は、ガソリン・ディスティレート共に大幅に減少。ガソリンは▲13,624KB(市場予想▲2,087KB、前週+12KB)、ディスティレートは▲9,719KB(▲3,485KB、▲4,969KB)となった。

石油製品はコロナショック後以降、出荷動向に注目しているが、米ガソリン出荷は前年比▲11.2%の7.91MB(前週▲11.7%の7.81MBD)と先週からは回復も、前年比で悪化。コロナの影響がなかった2019年と比較すると▲10.9%(▲13.4%)と依然として低水準。

ディスティレートは前年比+3.8%の4.12MBD(+7.9%の4.22MBD)と減速。2019年比でも▲1.5%(+0.7%)とマイナスに転じている。

製品全体では▲4.2%の19.57MBD(▲3.9%の19.52MBD、2019前年比▲4.4%(▲6.2%))と先週からは回復しているが、これはケロシン出荷が増加(前年比▲23.5%の1.18MBD、2019前年比▲29.9%)したことによるもの。

米ケロシンはジェット燃料向けに供されるが同時に灯油としても用いられるため、寒波が大きく影響したものとみられる。

しかし、これだけ在庫が減少しているものの、製品クラックがほとんど変わっていないことから、需要は寒波の影響で人や物の移動が低下し、灯油以外の需要は統計数値ほど強くなかったのではなかったと考えられる。

製品輸出は▲19.0%の4.50MBD(▲13.2%の4.85MBD、2019年比▲10.9%、▲2.3%)と減速、出荷+輸出でも▲7.3%の24.07MBD(▲5.9%の24.37MBD、2019年比▲5.7%(▲5.5%))と大寒波の影響は小さく無かった。

今後、ワクチン接種拡大によって個人ベースでの需要も回復が期待され、大寒波の影響は緩和することが見込まれること、寒波の影響に寄るシェール油田の設備毀損といった、需給両面で原油価格は下値が切り上がるだろう。特にウイルスの影響が季節的に緩和する、春以降に需要回復が鮮明になると予想される。

石炭価格(豪州炭)は上昇。冬場が後1ヵ月程度で終了するものの、足下の気温低下は続いており需要は底堅い。バルチック海運指数は小幅に上昇。例年よりは遙かに水準が高い。

極東の天然ガス指標であるJKMは横ばい、欧州天然ガスは小幅に下落。米国からのLNGカーゴが欧州に到着することで域内需給が緩和する、との見方が強まったことが背景。

米天然ガス価格は、米西部の気温低下見通しがあるものの、今晩の天然ガス統計での在庫減少幅の縮小観測が価格を押し下げた。

今晩の天然ガス週間統計は、貯蔵量の変化が前週比▲142BCF(前週▲338BCF)が見込まれている。

本日はOPECプラスを睨み軟調な推移になると考える。今のところOPECプラスは減産維持で合意する見通しだが、サウジが自主減産を終了するとみられるため。これは既に投機筋は材料としては織り込んでいると考えられるものの、実需はこれを織り込んでいる訳ではないため、実際に増産が発表されれば価格には下押し圧力が掛ると考える。

石炭価格は気温上昇観測と、中国の港湾在庫の水準が大幅に増加していることから軟調推移を予想。天然ガスも3月の気温上昇予想が材料にされつつあり、軟調地合を維持の公算。

◆非鉄金属

LME非鉄金属は下落し、利益確定の動きが続いた。全人代を控えたポジション調整もあるだろうが、昨日は長期金利の上昇に伴うドル高進行が背景。

経済対策期待で上昇してきた非鉄金属だが、株価の調整圧力の強まりと、ドル高圧力が再び強まっていることから、利益確定の動きで軟調推移を予想。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、大連先物は上昇、豪州原料炭スワップ先物は下落、大連原料炭先物は下落、上海鉄鋼製品先物価は直近限月・中心限月とも大幅に上昇した。

新規受注在庫レシオの上昇に加え、環境規制を満たしていないとして最大生産地区である唐山の高炉7基が3月10日までに停止するように命じられたことなど、鉄鋼製品需給のタイト化観測が意識され、鉄鋼製品価格を押し上げた。

本日も鉄鉱石在庫日数の低さから調達圧力は強く、高値圏での推移を予想。一方で原料炭は港湾在庫の水準が上昇しており、軟調に推移するとみる。

◆貴金属

金価格は下落。長期金利の上昇を受けた実質金利の上昇と、ドル高進行両面で価格は下押しされた。昨日の下落に関しては、実質金利の上昇要因の影響が大きい。銀は金価格の下落で調整。ただし、このような局面では投機が支えてきた相場でもあり、下落率は金を上回るケースが多い。銀も同様。

パラジウムは実態経済の回復期待はあるものの、金の下落と株価の調整で下落。

本日は新規手がかり材料に乏しいが、再びドル高地合となっているため、取引序盤は軟調な推移になると考える。

しかし、パウエル議長のオンラインイベントでの講演日本時間の26時頃から予定されており、恐らく長期金利上昇をけん制する発言をすると見られることから、引けに掛けては買い戻しが入ると考える。

◆穀物

シカゴ穀物市場は下落した。ドル高進行が一服し、上昇すると見ていたが昨日は長期金利の上昇が再び始まりドル高が進行したため、広く農産品には利益確定の動きが強まった。

本日は貴金属と同様、取引序盤は軟調だが、米国時間後場にかけてパウエル議長がオフラインイベントで長期金利上昇をけん制する発言が出る可能性が高いと考えられ、ドルが再び下落すると予想されることから引けに掛けては買い戻しが入ると考える。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

昨日発表されたISM非製造業指数は、ISM製造業指数が改善したことから同様に悪いないようにならないとみていたが、実際は55.3(前月58.7、前月58.7)と市場予想を下回る内容となった。

これまでの政府の政策はどうしても供給側の政策(製造業の活動支援)になりやすい。それがレバレッジが効くからである。

しかし、個人消費は、企業業績改善→雇用改善→所得増加→消費増加、のパスを経る必要があるため直ちに景気に効いてこない。

これまでの回復は政府の経済対策による「直接給付」によるものだったと考えられるが、こちらはレバレッジが効くわけではないので弾切れになれば終了となる。恐らく統計の減速はそれが背景だろう。

実際、雇用指数は52.7(前月55.2)と減速、新規受注も51.9(61.8)と大幅に減速、在庫指数が58.9(49.2)と高まっている。景気は回復基調にあるが、やはり最終消費は弱い状態が続き、本格的な回復はどれだけ早期にコロナから脱却できるか、すなわちワクチン接種が終了するかに依拠することになる。

また、緩やかながらも景気は回復しているため(ISM非製造業指数も50は下回っていない)、長期金利には上昇圧力が掛り、ドル高を通じて価格は下押しされやすい。

結果、持続的な商品価格の上昇になるにはさらに時間がかかるだろう。これまでの報道を見ていると正常化は欧米で夏頃、その他の地域では秋以降になるのではないか。

この間、人の確保や輸送手段の制限が続くため、供給側の要因がコストプッシュ型の価格上昇をもたらすため、底堅い推移になることも変わらない。価格下落には逆説的であるが、正常化が必須といえる。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・米大統領選挙前後の国内融和にバイデン次期大統領が失敗する場合。

・米財政出動が加速、景気回復期待を受けた価格上昇が顕著となる場合。

この場合、長期金利上昇でドル高が進行しやすく価格の下落を意識しなければならないが、足下、どの中央銀行・政府も景気過熱は意識しているものの沈静化させるタイミングと判断していないため、しばらくは顕著な価格上昇リスクとなる見込み。

常識的に考えると今年の年末頃からテーパリング開始の見通しとなるが、来年の米中間選挙を控えて米政権がテーパリング実施にクギを刺す可能性がある。この場合、2022年にかけて、さらにリスク資産価格が上昇する可能性も。

・コロナウイルスの感染再拡大(または新たなウイルスの発生)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合。逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は低くなくなった。

・次の成長ドライバーとして期待されるインド経済が、期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

・米国の財政状況悪化、緩和規模拡大によるドル水準の低下リスク(ドル減価により、名目ドル建て資産価格の上昇要因に)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格は調整圧力が強まる展開を予想する。

短期的に原油価格の上昇要因となっていた米シェールオイルの生産減少が回復する見通しであること、4月以降、サウジアラビアが自主減産を終了する見通しであること、ファイナンシャルな面では米景気回復期待で長期金利に上昇圧力がかかっていることが材料。

一方で、FRB議長が緩和解除は当面ない、との意向を繰り返し表明していることや、米イエレン財務長官が早くも次の財政出動を示唆する発言をしていることなどが、ファイナンシャルな面で価格を下支えすると考える。

また、ワクチン接種が進みヒトの移動制限が早期に解除された場合、供給が間に合わずに価格が急騰するリスクは無視できなくなってきた。

弊社は2021年内に発生すると想定していなかったが、原油価格が移動制限が解除になる可能性がある夏場に急騰し、70ドルを上回る可能性は高まったと言わざるを得ない(需要の回復に供給が間に合わない時間差のリスクの顕在化)。

とは言え、早ければ2022年頃からと見られる米国の金融緩和解除や、OPECの増産、シェールオイルの増産を受けて2022年には一旦調整局面があり、その後、持続可能な上昇になると予想する。

【見通しの固有リスク】

・ワクチン接種の進捗が想定よりも早まり、人の移動制限が解除され需要増加に供給が間に合わず、価格が急騰するリスク(供給の時間差リスク)。

・米国経済が正常化する中で急速なドル高が進行し、投機的な売り圧力が高まる場合。

・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産継続で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。

逆に価格低迷で歳入確保の増産が加速する場合、またはOPECプラスのプログラムの対象となっていない中東諸国の増産(価格下落要因)。

景気回復時の増産タイミングの見誤りによる、供給不足(価格上昇要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる

2.中東以外の産油国の生産者の破綻

3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合

4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

などが価格上昇要因に。

・バイデン政権がシェールオイルのフラッキングを制限/禁止する場合、供給減少で価格上昇要因に。

また、イランに対する制裁が緩和される場合、原油価格の下落要因に。ただし、米国内の反イラン感情の高まりで、直ちに制裁が緩和される可能性は低い。

・イランの反米感情が高まり、中東の不安定さが増す場合(価格上昇要因)。

イランでは6月に大統領選挙が予定されており、国内保守派に配慮してロウハニ大統領はタカ派的な発言をする可能性があるが、制裁解除に向けた融和的なコメントも欧米向けに発信せざるを得ず、ロウハニ大統領の発言で価格は左右される見込み。

・米国の橋渡しでイランとサウジを初めとするスンニ派諸国が和解し、巨大なイスラム教圏が誕生した場合(地域安定で原油生産増加、短期的には価格の下落要因に。ただし相当発生の可能性が低いリスクシナリオ)。

・ワクチン・治療薬が想定以上に早く準備でき、移動制限が急速に解除される場合(価格上昇要因)。

【石炭価格見通し】

石炭価格は高値を維持するが、春先に向けて水準を切り下げる展開になると考える。

高値維持の背景は、中国政府は国内炭の供給能力増強にシフトしているが、冬場で炭鉱が稼働し難いこと、港湾在庫の水準の低さに反映されるように、供給が十分ではないことが材料。

ただし、豪州との対立や、環境規制強化の中で石炭需要は減速するとみられること、非常に矛盾するが国内生産を増加させていること、春先に掛けては季節的に需要が減少することから徐々に海上輸送炭価格の上値は重くなると予想される。

12月の中国の石炭輸入は気温低下の影響で前月から大幅に増加。前年水準の14倍、前月から3倍強となる3,907万5,000トン(前月1,176万トン)と顕著に増加した。

中国は国内の石炭産業の強化と政治的に対立する豪州からの輸入制限で、国内生産を増加させる方向性に舵を切っているが、足下の気温急低下を受けてそうも言っていられなくなったようだ。

【見通しの固有リスク】

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。短期的には価格の上昇要因。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格は冬場の終了が近づいていることから下落すると予想する。しかし、在庫が十分ではないため底堅い推移になると予想する。

欧州も気温低下と、昨夏以降の在庫減少で域内需給がタイト化、引き続き在庫水準は低いことから、高止まりと考える。しかし春先に掛けては季節的な需要の減少で価格は軟調になると予想する。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるため上昇見通しだが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・最大供給国であるロシアの増産。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

・エルニーニョ現象発生が予想される夏場にかけて、北半球が猛暑となるリスク(気象庁の分析では冷夏になりやすい。日本は西日本が猛暑になる可能性)

【投機筋のポジション動向】・WTIは投機の買いが増加、ショートも増加したがネット買越し幅は拡大。Brentは高値圏にあることからショートが増加し、ネット買越し幅は縮小している。

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが682,881枚(前週比 ▲14,214枚)ショートが171,041枚(▲11,341枚)ネットロングは511,840枚(▲2,873枚)

Brentはロングが414,238枚(前週比+1,678枚)ショートが65,454枚(+426枚)ネットロングは348,784枚(+1,252枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は短期的には調整圧力が強まる展開になると予想する。かねてから指摘してきた景気の正常化に伴う長期金利の上昇が顕在化しており、それに伴うドル高進行が、ファイナンシャルな要因で上げが加速してきた非鉄金属セクターの下押し要因となるため。

ただし、各国の財政出動並びに金融緩和スタンスは継続される見込みであり、中国のみならず、米民主党政権は1.9兆ドルの経済対策に加え、4年で2兆ドル規模の経済対策(クリーンインフラ投資)を検討、中国も7月の共産党結党100周年記念までは少なくとも景気刺激を続けると見られる。

これらの需要は景気に関係なく発生する需要であるため、需要の見通しは底堅く、価格の調整があっても下値余地は限定される可能性が高い。

なお、中期的には調整圧力が強まる展開になるとの予想は、現時点では変更する必要はないと考えている。中国政府が国内バブルを警戒する姿勢を強めていること、米経済統計回復に伴うドル高進行、早ければ2021年末頃から始まる可能性がある、米テーパリング開始の可能性、生産国の生産が回復する可能性が高いことが材料。

なお、現在の価格上昇は実際に中国の需要の増加による需給タイト化によるものであり、環境規制強化が牽引する価格上昇ではない。しかし、一時の過熱感はややトーンダウンしている。

2月の中国製造業PMIは50.6(前月51.3)と小幅に減速。生産や輸出向けの受注が減速(50.2→48.8)、新規受注も全体で51.5(52.3)と減速している。恐らく国内向けの新規受注も小幅に減速したとみられる。鉄鋼業PMIは輸出向けの受注が回復したが、工業製品全体ではやや足踏みしているようだ。

ただ、非鉄金属価格に対する説明力が高い新規受注在庫レシオは、完成品が1.063→1.073、原材料が1.067→1.080といずれも小幅に上昇しており、先月までの需給緩和圧力が弱まった、と言えるだろう。

しかし、同レシオと比較した場合の非鉄金属価格の上昇幅は顕著であり、やや上げすぎの感は否めない。

このほか、環境重視型社会への急速なシフト観測も、投機買いを加速させている感は否めない。

米国・中国・インドがどのような動きをするかに環境政策は左右されるが、ここまでの各国の動きを見ていると当面は環境向けに使用される金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性が高いと言える。

足下は期待選好で、総じて中長期的には物色されやすい地合が続くとみる。

具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル、銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要するだろう。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合(下落リスク)。

・米中間選挙に向けて、米民主党が追加でインフラ投資を行う場合(上昇リスク)。

・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(上昇リスク。

コロナの影響もあって、2020年12月1日時点の鉱山生産への影響は全体で184万1,000トン、コロナの影響によるものは112万3,000トン。

精錬品生産で影響を受ける規模が、全体で141万6,000トン、コロナによるものが62万8,000トン。

・中国の環境規制強化やコロナの影響再発に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

【投機筋のポジション動向】・先週、投機筋は総じてロングを手仕舞いしている。投機筋の取引シェアを見ると亜鉛 44.2%(前週 46.1%)、アルミ 37.6%(40.9%)、ニッケル 36.1%(38.7%)、CME銅 35.7%(35.6%)、銅 25.8%(28.1%)、鉛 24.1%(25.2%)、錫 2.8%(3.0%)。

・LME投機筋買い越し金額 前週比▲2.1%の329億ドル(前週 336億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比▲4.3%の6,548.7千トン(前週 6,839.8千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、中国の景気先行指標をみるに堅調な推移を続けると考える。中国の顕在需要が増加していることが背景。

今後も、中国政府のインフラ投資を柱とする経済対策が今年7月の中国共産党結党100周年記念まで続くと予想されること、これに加えて米国もインフラ近代化を目的とした公共投資を行う可能性が出てきたこと、中国国内の鉄鋼原料在庫日数の水準が低いことから(鉄鋼製品在庫の水準は増加)在庫積み増し需要も継続する可能性が高く、基本は底堅い推移となる。

中国政府は住宅セクターのバブルを懸念し始めており、偽装離婚による住宅取得を規制するなどの動きを見せている。しかし、同時に自動車取得を促す政策も発表(ナンバープレート取得条件緩和、新エネルギー車購入に補助金、自動車ローンの頭金引き下げ)しており、やや一貫性に欠ける。バブルは警戒しているが、直ちに規制を強めることはなさそうだ。

ただし、中国共産党は2021年から始まる新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。目先の景気刺激が終了し、景気の巡航速度への回復が確認されるタイミングで景気刺激と鉄鋼増産は回避される可能性が高く、年後半に掛けては価格は下落すると予想する。

2月の中国鉄鋼業PMIを見ると、総合指数は48.6(前月44.3)と大幅に回復した。生産指数が54.7(48.7)と改善したこと、輸出向け新規受注が61.4(55.2)と回復した影響が大きかった。なお、新規受注は全体では43.3(35.0)と50を下回っているため、国内向けの需要が減速している可能性が高いことを示唆している。

中国は国内の過剰な経済対策を鈍化させ、輸出主導の回復に徐々にシフトしていくと考えられる。在庫水準は原材料の水準が上昇しているが、完成品在庫の減少が確認されている。新規受注在庫レシオは完成品が大幅に上昇(0.72→1.14)、原材料も上昇(0.83→0.93)。

しばらくは海外向けの需要回復とそれに伴う在庫積み増しで、鉄鋼製品の在庫積み増し需要に牽引される形で鉄鋼セクターの動きは底堅く推移しよう。

ただし、規模的に国内需要よりも小さい外需の取り込みであるため、回復ペースは鈍化すると予想され、原料調達圧力も弱まることから価格の上昇ペースも鈍化することになると予想される。

中国の鉄鋼製品の輸入は通常、平均で110万トン程度なのだが、12月は137万5,000トン(前月185万トン)と減少傾向を持続し、過去5年レンジに戻った。12月の国内生産は季節性もあるが9,125万トン(前月8,766万トン、10月 9,220万トン、9月 9,256万トン)と回復した。

その一方、12月の鉄鋼製品輸出は485万トン(前月440万トン)と増加し、過去5年レンジの下限を回復した。このことは中国の鉄鋼製品の国内需要が減速し、顕在需要が減少を始めている可能性があることを示唆している。

弊社はこの鉄鋼製品の輸出入動向に注目しているが、輸出/輸入とも過去5年レンジに復帰の過程にあり、徐々に過剰な国内依存の需要環境から、輸出に牽引される形での鉄鋼業の操業状態(通常状態)に戻ると予想している。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが在庫水準は前週比+260万3,000トンの2,042万9,000トン(過去5年平均 1,760万2,000トン)と、例年よりも在庫水準は高くなった。

これまで需給はタイト化しているとみられたが、中国政府が過度な住宅セクーの過熱を警戒しているせいか、やや緩和方向にシフトしている可能性がある。

実際、2月の中国の建設業PMIが閾値の50は上回っているものの、前月の60.0から54.7とコロナ禍で減速した昨年2月以来の低水準に減速している。

原料である鉄鉱石の12月の輸入は前年比▲4.5%の9,675万トン(前月+8.3%の9,815万トン)と高い水準を維持しているが減速、過去5年レンジに復帰した。このことは中国の国内需要が減速している可能性を示唆している。前年水準を下回ったことで、中国の国内需要は減速傾向にあると判断される。

鉄鉱石港湾在庫は前週比+35万トンの1億2,900万トン(過去5年平均1億3,158万6,000トン)、在庫日数は23.8日(過去5年平均 35.1日)と例年と比較して在庫日数の水準は低く、輸入需要は持続するものと思料。

原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。しかし、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから、海上輸送原料炭価格の上値も重い。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は過去5年平均を大きく上回っており、調達圧力は鈍化すると考えられる。

【見通しの固有リスク】

・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク。

・中国とインドの国境紛争の激化で、インドが中国に対して鉄鉱石輸出を制限する可能性(中国のFOBインデックスは上昇、その他の地域の鉄鉱石価格は低下)。

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

<<金>>

金は高値圏でもみ合うものと考える。長期金利上昇、景気回復期待でのドル高進行が米雇用統計の結果を受けてややトーンダウン、結局景気刺激や低金利政策の方針に当面変更はないとの見方が強まっているため。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,580ドル。そこからの乖離(リスク・プレミアム)は137ドルと、▲7ドル低下している。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

<<銀>>

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、65.6倍。過去1年を基準にすると86倍、5年では80倍、2000年以降では65倍程度が妥当。

金は高値を維持する見通しだがバイデン大統領誕生により、太陽光発電向けに用いられる「バイデン銘柄」であることもあって、需要構造の変化が価格を下支え(金銀レシオは低下)するものと予想。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

<<PGM>>

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。これまで、各国の自動車セクターの回復期待と、主要生産国である南アフリカの供給不安が強まっており、価格を押し上げてきた。

しかしそれ以上に貴金属セクターの「基準」となる金価格が長期金利上昇で調整しているため、しばらくは下押し圧力が強まることになると見る。

仮に脱炭素が進んで水素が用いられ、燃料電池が進むのであればプラチナの構造的な需要が増加するシナリオは、需要・価格面でのポジティブリスクシナリオ。投機の比率が高い商品であるため、こうした観測記事だけでも材料に価格が反応しやすい。

パラジウムは景気正常化期待による金価格調整→経済正常化による需要増加、から、一旦下落後、上昇に転じると予想される。

コロナショック後、パラジウム価格は基本的にETF価格との連動性が高まった(自動車向けの需要減少で余剰が発生したため)が、足下、ETFの残高の変動以上に価格が上昇している状況。

自動車生産が回復すれば再びパラジウム供給不足が発生し、ETFの残高減少と価格上昇が同時に発生する可能性が高いとみている。

2月の米自動車販売は年率1,567万台(前月1,606万台、市場予想1,663万台)と減速した。

中国の1月の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で前年比+30%の250万台)前月+6.4%の283万台、11月+12.7%の276万9,666台、10月+12.6%の257万3,000台、9月+13.0%の256万5,201台)と前年比の伸びが加速している。

自動車販売は回復しているが、不要不急の消費であるため中国を除いては本格的な回復にはまだ時間がかかる見込み。

【見通しの固有リスク】

・個人投資家のETFを通じた買いが、経済合理性を無視した水準まで貴金属価格を押し上げるリスク。

・主要生産国の南アフリカの電力供給不安や、コロナウイルスの影響拡大で供給が滞る場合(PGMの価格上昇要因)。

・世界的な成長力の低下に伴い、各国の財政状況が悪化、地政学的リスクが顕在化する場合(中東・北アフリカのリスク顕在化の可能性は低くない)。リスク・プレミアム上昇を通じて貴金属価格の上昇要因に。

・米中の対立激化。米国は今回のウイルス問題で、中国の医療面、人工知能を含むIT面に脅威を感じた可能性は高く、対立が激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加(実際に破綻が意識されるのは2030年以降か)。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が電力供給問題もあって不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが284,081枚(前週比 ▲19,502枚)、ショートが68,348枚(▲266枚)、ネットロングは215,733枚(▲19,236枚)、銀が78,710枚(▲2,938枚)、ショートが31,067枚(▲757枚)、ネットロングは47,643枚(▲2,181枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが46,903枚(前週比 ▲1,334枚)ショートが11,936枚(+276枚)、ネットロングは34,967枚(▲1,610枚)

パラジウムが4,286枚(▲144枚)、ショートが3,898枚(+489枚)ネットロングは388枚(▲633枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

穀物価格はトウモロコシ・大豆は中国の需要が想像以上に堅調であること、北米の降雪や気温低下の影響による供給懸念から、しばらく高値圏で推移すると考える。

しかし、米長期金利上昇によるドル高を受けて、投機的な視点で利益確定による売り圧力が強まると予想されるため、徐々に水準を切り下げる動きになると考える。

足下の価格上昇を受けて作付け面積の拡大が全ての穀物で見込まれており、価格の下押し要因となる。

しかし、寒波と降雪の影響で作付けに影響がでる可能性がある。冬場の降雪量が多かった場合、通常であれば春の土壌水分改善で播種が進み豊作に繋がると判断されるのだが、想定以上の雪解け水が発生した場合には逆に耕作が不可能になるため、価格の上昇リスクとなり得る。

また今穀物年度は小麦を含む穀物の輸出制限の動きが生産国で強まっている。いずれも国内供給を確保することが目的だ。

ロシアは12月に穀物価格の高騰を受けて輸出制限の動きを加速、1月からひまわりの種・菜種に輸出税を課すことを決定、2月からは小麦に輸出税を賦課、大麦、トウモロコシも対象とすることとなった。

ウクライナも国内飼料供給確保の観点から輸出枠に制限を設定、アルゼンチンはトウモロコシの輸出禁止を決定(後に撤回)するなど、国内供給への警戒が強まっている。

Locust Watchではエチオピア、ケニアで群生が発生していたが、アラビア半島を北上し始めている。

昨年末も大型のサイクロンがアラビア半島~北アフリカを通過、豪雨が観測されており、バッタの成育に良好な環境が提供されている可能性があり、このままだと今年も蝗害が起きる可能性は否定できない。http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210223DLupdate.jpg

【見通しの固有リスク】

・ラニーニャ現象の発生による穀物供給減少リスクの顕在化。害虫の発生、生産地の土壌破壊など(すでに一部顕在化)。

春から夏にかけて発生する可能性が高まっているエルニーニョ現象の影響による不作。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米穀物作付け意向面積トウモロコシ 9,699万エーカー(市場予想 9,412万エーカー)大豆 8,351万エーカー(8,502万エーカー)小麦 4,466万エーカー(4,495万エーカー)

・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)

・2月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 172.0Bu/エーカー(NA、172.0)大豆 50.2Bu/エーカー(NA、50.2)小麦 49.7Bu/エーカー(NA、49.7)

・2月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 141億8,200万Bu(NA、141億8,200万Bu)大豆 41億3,500万Bu(NA、41億3,500万Bu)小麦 18億2,600万Bu(NA、18億2,600万Bu)

・2月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 26億Bu(25億5,000万Bu)大豆 22億5,000万Bu(22億3,000万Bu)小麦 9億8,500万Bu(9億8,500万Bu)

・2月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 15億200万Bu(13億8,388万Bu、15億5,200万Bu)大豆 1億2,000万Bu(1億2,071万Bu、1億4,000万Bu)小麦 8億3,600万Bu(8億3,454万Bu、8億3,600万Bu)

・12月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 113億2,200万Bu(117億4,670万Bu、19億5,000万Bu)大豆 29億3,300万Bu(29億2,900万Bu、5億2,500万Bu)小麦 16億7,400万Bu(16億9,555万Bu、21億5,800万Bu)

・1月CONABブラジル作付け面積(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1,846万ha(1,936万ha、1,844万ha)大豆 3,819万ha(3,848万ha、3,818万ha)

・1月CONABブラジル生産量(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1億231万トン(1億789万トン、1億259万トン) 単収 5,541Kg/ha(5,570kg/ha、5,564kg/ha)大豆 1億3,369万トン(1億3,272万トン、1億3,445万トン) 単収 3,500Kg/ha(3,452kg/ha、3,522kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが606,483枚(前週比 +4,273枚)、ショートが76,649枚(▲11,102枚)ネットロングは529,834枚(+15,375枚)

大豆はロングが277,284枚(+3,470枚)、ショートが37,476枚(▲230枚)ネットロングは239,808枚(+3,700枚)

小麦はロングが128,491枚(▲3,798枚)、ショートが101,093枚(+626枚)ネットロングは27,398枚(▲4,424枚)

◆本日のMRA's Eye


「環境重視型社会への移行リスク」

米国でバイデン政権が誕生、脱炭素戦略に乗り出し世界中が持続可能な社会、環境重視型社会へのシフトを進めている。世界的にも急速にこの方向に舵が切られた感は否めない。

生活環境が改善していくことに積極的に反対する人はいないため、おそらくこの政策は各国で進められると予想される。また温室効果ガスの削減に寄与する業種は「成長のチャンス」と考えている所も多いだろう。しかし、この戦略を余りに性急に進めた場合その達成が難しくなると考えられる。

人類が内燃機関の燃料としてガソリンを使うようになってから100年以上経つが、現在、ガソリン車やディーゼル車を廃止して、電気自動車に置き換えようとする動きが環境重視型社会に移行する上での重要なテーマの1つになっている。

電気自動車は、ガソリンを使わない代わりにモーターで駆動し、エネルギーはバッテリーに蓄電する。言葉を換えるとモーターに用いる資源とバッテリーに用いる資源の調達が普及の鍵を握ることになる。

モーターはコスト面と性能の面から銅が用いられる。そしてモーターに用いる磁石にはレア・アースが用いられている。

バッテリーには現在の技術だと、ニッケル、リチウム、コバルトが使われている。恐らく、これらの資源価格は電気自動車の普及と共に需要が増加し、その水準を切り上げることになるだろう。早くからそこに注目している投資家も多い。

このような場合に需要面ばかりが取り上げられるが、これらの金属は無制限にかつどこでも取得することが可能な資源ではない。主要な鉱物資源の生産シェアの一覧であるが、多くの金属の生産が特定の国に偏っていることが多い。

銅やニッケルなどは比較的生産地が分散しているものの、それでも生産国は限定されている。特にレア・アースとコバルトは傾向が顕著だ。

これらの資源は「平時」であれば売り手・買い手双方のメリットになるため、調達に問題が生じることはない。しかし現在は米中が対立し、場合によると親米か、親中かによって資源調達にも大きな影響が出てくる。

2010年に中国が尖閣諸島問題で日本と対立したときに、レア・アースを禁輸にしたことが思い返される。

あの時の中国の戦略は後の評価で「中国の失敗だった」とされているが、米中が明確に対立している現在は2010年とはかなり状況が異なる。対立する国に対して必須資源を販売しない、ということも起こり得るだろう。

さらに懸念されるのは中国は香港を実質的に支配し、場合によると台湾を併合することも有り得る点だ。現在、自動車に用いる半導体が不足して自動車生産に影響が出ているため急に台湾が半導体生産の「チョークポイント」(海洋国家の地政学的概念の1つで、制海権や海上輸送の要衝となる場所のこと)であることがクローズアップされている。

仮に台湾が中国に併合され、半導体供給を中国が支配した場合、反中国に対しては半導体を供給しない、ということも起こり得る。このときに電気自動車が主要な輸送手段として世界中に普及していた場合、世界の自動車産業の動向が、中国の意向に強く左右される可能性があることを示唆している。

このように、資源にせよ、部品にせよ一つの国や地域に供給先が集中することはリスクなのだ。

また、環境重視型社会へのシフトが急速に進んだ場合、これまでエネルギー供給の要だったエネルギー企業の業績が厳しくなる可能性は無視できない。その場合、特に世界のエネルギー産業に大きな影響を与えてきた米エネルギー産業の業績が悪化することも想定される。

また、熱源の交換は電気料金やガス料金への上乗せコストなどを通じて最終消費者の負担増に繋がることも有り得る。負担の程度や方法にもよるが、貧困層の負担が増加した場合、環境重視型社会よりも目の前の生活改善、の声が高まる可能性もある。

このとき2年後に予定されている米中間選挙で民主党が敗北すると、急速に時計の針が逆回転するシナリオも有り得るのだ。

環境重視型社会の達成には、達成可能なシナリオとロードマップの作成、そして達成に向けて生産国との両国な関係構築に向けた外交が重用であるといえる。今のところ米国はこうした必須部材を「同盟国内で調達可能にするように」大統領令にサインした。100日以内にサプライチェーンを見直すという。日本はこの流れに乗らざるを得なくなるだろう。より一層、親米か親中かの色分けが鮮明になっていくだろう。

もし外交面で問題を解決できなければ、友好国から取得可能な資源での達成に向けた技術革新の推進といったことも視野に入れなければならない。

◆主要ニュース


・2月日本サービス業PMI改定 46.3(速報比+0.5、46.1)、コンポジット 48.2(+0.6、47.1)

・2月中国財新サービス業PMI 51.5(前月52.0)、コンポジット 51.7(52.2)

・2月インドサービス業PMI 55.3(前月52.8)、コンポジット 57.3(55.8)

・2月独サービス業PMI改定 45.7(速報比▲0.2、46.7)、コンポジット 51.1(▲0.2、50.8)

・2月ユーロ圏サービス業PMI改定 45.7(速報比+1.0、45.4)、コンポジット 48.8(+0.7、47.8)

・1月ユーロ圏生産者物価指数 前月比+1.4%(前月+0.9%)前年比 ±0.0%(▲1.1%)

・米MBA住宅ローン申請指数 前週比 +0.5%(前週▲11.4%)
 購入指数 +1.8%(▲11.6%)
 借換指数 +0.1%(▲11.3%)
 固定金利30年 3.23%(3.08%)、15年 2.64%(2.56%)

・2月米ADP雇用統計 前月比+117千人(前月改定+195千人)

・2月米ISM非製造業景況指数 55.3(前月58.7)、新規受注 51.9(61.8)
 受注残 55.2(50.9)、在庫増減 58.9(49.2)
 在庫景況感 54.3(49.7)、雇用 52.7(55.2)

・2月米サービス業PMI改定 58.9(±0.0、58.3)、コンポジット 59.5(+0.7、58.7)

・2月米自動車販売年率 1,567万台(前月 1,663万台)

・米、ナワリヌイ氏の毒殺疑惑でロシア政府関係者7人を制裁対象に指定。輸出規制を課す。

・米ベージュブック、景況感は緩慢なペースで回復、ワクチン接種の進捗で企業の見通しは楽観的に。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計 原油+21.6MB(クッシング+0.5MB)
 ガソリン▲13.6MB
 ディスティレート▲9.7MB
 稼働率▲12.6

 原油・石油製品輸出 7,282KBD(前週比▲639KBD)
 原油輸出 2,786KBD(▲283KBD)
 ガソリン輸出 581KBD(▲72KBD)
 ディスティレート輸出 862KBD(▲31KBD)
 レジデュアル輸出 124KBD(+5KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,057KBD(▲135KBD)
 その他石油製品輸出 1,801KBD(▲78KBD)

・OPECプラスの全体会合前に開催されている共同閣僚監視委員会(JMMC)では、原油生産量の増減産に関していかなる勧告も行わず。減産維持の公算大。

・OPECバルキンド事務局長、「リスクは存在しているが、先行きの見通しは良好。」

・米政権、イエメンのフーシ派に対して制裁。サウジアラビアに対する攻撃で。

【メタル】
・Nornickel、同社のロシア生産の3分の1を占め、洪水の影響で停止していたOktyabrsky鉱山とTamiyrsky鉱山をを再稼働。銅、ニッケル生産に影響。

・Q221の日本アルミ現物プレミアム、148ドルで複数の生産者が妥結。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ビットコイン ( その他 )/ +6.26%/ +73.89%
2.CME牛乳 ( 畜産品 )/ +4.79%/ +3.80%
3.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ +3.28%/ +25.44%
4.SHFアルミ ( ベースメタル )/ +2.83%/ +11.16%
5.NYM WTI ( エネルギー )/ +2.53%/ +26.26%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.LMEニッケル 3M ( ベースメタル )/ ▲7.72%/ +4.28%
65.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲4.25%/ ▲31.22%
64.NYB綿花 ( その他農産品 )/ ▲2.84%/ +11.24%
63.プラチナ ( 貴金属 )/ ▲2.69%/ +9.61%
62.LME錫 3M ( ベースメタル )/ ▲2.68%/ +16.83%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :31,270.09(▲121.43)
S&P500 :3,819.83(▲50.46)
日経平均株価 :29,559.10(+150.93)
ドル円 :106.97(+0.28)
ユーロ円 :129.06(+0.06)
米10年債 :1.47(+0.08)
中国10年債利回り :3.25(+0.00)
日本10年債利回り :0.12(▲0.01)
独10年債利回り :▲0.29(+0.06)
ビットコイン :50,420.91(+2969.82)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :28.53(+0.38)
エネルギー :26.93(▲0.56)
ベースメタル :33.11(+1)
貴金属 :27.21(+1.08)
穀物 :21.95(+0.01)
その他農畜産品 :30.58(+0.53)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :28.07(+0.25)
Brent :27.35(+0.32)
米天然ガス :55.07(▲0.86)
米ガソリン :24.57(▲0.11)
ICEガスオイル :20.20(▲0.17)
LME銅 :26.84(+0.02)
LMEアルミニウム :19.46(+0.15)
金 :19.17(▲0.26)
プラチナ :40.15(+2.39)
トウモロコシ :26.64(+0.6)
大豆 :19.17(▲0.26)

【エネルギー】
WTI :61.26(+1.51)
Brent :64.09(+1.39)
Oman :62.64(+1.43)
米ガソリン :194.55(+0.91)
米灯油 :183.59(+2.78)
ICEガスオイル :520.00(+2.25)
米天然ガス :2.81(▲0.03)
英天然ガス :38.79(▲1.72)

【貴金属】
金 :1714.67(▲23.69)
銀 :26.15(▲0.62)
プラチナ :1175.17(▲32.43)
パラジウム :2356.35(▲19.15)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :9,228(+64:38.5B)
亜鉛 :2,808(▲28:21.5C)
鉛 :2,055(▲32:15C)
アルミニウム :2,207(+29:4C)
ニッケル :17,864(▲771:62C)
錫 :24,430(+265:1450B)
コバルト :52,763(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :9118.00(▲158.50)
亜鉛 :2781.00(▲69.00)
鉛 :2042.50(▲32.50)
アルミニウム :2215.00(▲9.50)
ニッケル :17280.00(▲1445.00)
錫 :23775.00(▲655.00)
バルチック海運指数 :1,673.00(+22.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :174.61(+0.98)
SGX鉄鉱石 :173.88(+0.90)
NYMEX鉄鉱石 :174.12(+0.96)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :125.86(▲0.89)
大連原料炭先物 :239.65(▲1.14)
上海鉄筋直近限月 :4,748(+173)
上海鉄筋中心限月 :4,844(+182)
米鉄スクラップ :588(+3.00)

【農産物】
大豆 :1410.50(▲3.50)
シカゴ大豆ミール :419.90(▲3.40)
シカゴ大豆油 :51.35(+0.08)
マレーシア パーム油 :3900.00(▲3.00)
シカゴ とうもろこし :550.00(▲10.75)
シカゴ小麦 :652.00(▲11.25)
シンガポールゴム :239.20(+4.30)
上海ゴム :15320.00(+215.00)
砂糖 :16.14(▲0.29)
アラビカ :131.15(▲2.05)
ロブスタ :1405.00(▲24.00)
綿花 :86.90(▲2.54)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :88.15(+2.80)
シカゴ生牛 :119.35(▲0.08)
シカゴ飼育牛 :137.00(+0.48)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。