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中国バブル警戒とIMF見通し上方修正で高安まちまち
  • MRA商品市場レポート

2021年1月27日 第1894号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「中国バブル警戒とIMF見通し上方修正で高安まちまち」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はエネルギーや鉄鋼原料が売られる一方、非鉄金属や農産品・畜産品の価格が上昇する展開となった。

中国政府が資産バブルを計画する方針を示し、朝方のオペレーションで780億円780億元(1兆2,500億円)の資金を吸収、これまで世界経済を牽引してきた中国の経済の回復・拡大トレンドが鈍化するとの見方が主に鉱物資源を中心に価格を押し下げた。

しかし、取引後半にかけてドル安が進行したことがこれを相殺、景気の影響を受け難い銘柄の価格上昇に繋がったため。

昨日発表されたIMFの経済見通しは予想通りではあるが、ワクチン接種の進捗で上方修正。来年も4%を越える成長を見込んでおり、中長期的に景気循環系商品価格の押し上げ材料となった(詳しくは昨日のトピックスを参照)。

【本日の見通し】

本日も企業決算を睨んだ株価動向、それを受けた為替動向に注目し、一進一退の展開が予想される。

しかし、中国政府のバブル警戒発言に象徴される、過剰な景気刺激期待のトーンダウン、米経済対策も議会通過に時間がかかりそうであること、などを考えると徐々に潮目は「全ての商品が上昇」という感じではなくなりつつある。

ただ、このような「潮目の変化」をFRBも十分認識していると考えられ、あえてこのタイミングのFOMCでタカ派的は発言は行われないと予想され、引き続き緩和的な金融政策が広くリスク資産・インフレ資産価格を下支えすると考える。

【セクター別動向と見通し】

◆エネルギー

原油価格は乱高下した結果、高安まちまちとなった。目立った手がかり材料にとぼしい中、企業決算を受けた株価動向、それに伴う為替動向を確認したいとの見方が強まり、方向感が出難かった。

逆に言えば、現在の材料だけでさらに上値を伺うのは難しくなってきたともいえる。

石炭価格(豪州炭)は小幅上昇。まだ気温低下と中国の需要増加に伴う物色が続いていると見られる。

極東の天然ガス指標であるJKMは小幅に続落。目先の調達に目処が立ったものの、北アジアの気温低下は続いており高値を維持している。欧州天然ガスはJKM価格の下落もあり、続落。米天然ガスは気温低下予報で続伸した。

本日は企業決算を受けた株価動向をにらみ、一進一退の神経質な推移になると考える。ただし、取引後半に予定されているFOMCでは、このタイミングであえてタカ派的な発言があるとも考え難く、金融面で価格は下支えされると考える。

今晩、米石油統計の発表が予定されており、+0.4MBの原油在庫減少予想だが、朝方発表のAPI統計では▲5.3MBの大幅な在庫減少が確認されており、予想に反して価格は上昇する可能性。

石炭は・天然ガスは気温に左右される形で神経質な推移となるが、基本、北半球の気温低下が続いていることから高値圏を維持する公算。

ただし、鉄鉱石、というよりは中国の石炭需要の目安となるバルチック海運指数は過去5年のレンジを大幅に上抜けしているが、徐々に低下しており、やはり春先にかけては石炭・天然ガス価格は下落するとみる。

◆非鉄金属

LME非鉄金属はまちまちとなった。取引序盤は中国人民銀行がネット780億元(1兆2,500億円)の資金吸収オペを実施、貨幣政策委の馬駿委員が株式・不動産市場など資産バブルを警戒したことで下落していたが、LME指定倉庫在庫が概ね減少を確認したこと、再びリスクテイクのドル安が進行したことが買い材料となった。

本日は企業決算を受けた株価動向をにらみ、一進一退の神経質な推移になると考える(FOMCが予定されているがLME非鉄金属は取引時間外なので、影響が出るのは明日)。

注目指標としては非鉄金属価格に対する説明力が高い、中国の工業利益動向。恐らく内容は悪くなく、非鉄金属価格を押し上げると考える。

しかし、中国政府が不動産バブルの抑制の意向を示していることや、ドル高バイアスへの懸念から上昇余地も限定されるだろう。

◆鉄鋼・鉄鋼原料

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは下落、大連先物は上昇、豪州原料炭スワップ先物は上昇、大連原料炭先物は上昇、鉄鋼製品先物価は直近限月・中心限月ともに上昇した。

中国正月前の調達需要が価格を押し上げる一方、中国政府によるバブル警戒発言を受けて上値も重い。

本日も目立った新規材料に乏しく、足下の需給タイト化と中国正月入り前の調達圧力の高まりで高値圏を維持の公算も、中国の新型コロナウイルス感染再拡大や、中国政府による不動産バブル抑制発言を受けて、上値も重い。

◆貴金属

貴金属セクターはもみ合った結果、高安まちまちとなった。為替も乱高下し、価格の基準となる実質金利もその水準が乱高下したため、方向感に欠ける展開となった。

本日も企業決算動向を受けた株価・為替動向を睨み、高値圏でもみ合いを継続すると考える。

ただし、FOMCではこのタイミングであえてタカ派的な発言が出るとは考え難く、ハト派的なコメントが発出されると予想されるため、総じて堅調な推移になると予想する。

◆穀物

シカゴ穀物市場は上昇。ドル安が進行したことや、中国向けのトウモロコシ輸出が136万トンと、昨年7月以来の高水準となったことが価格を押し上げた。中国はトウモロコシを自給できていたがこの数年、海外からの輸入に依存するようになっている。

本日も中国の輸入需要が旺盛なことによる需要面、FOMCでは恐らくタカ派的なコメントは出てこないと考えられることから、高値を維持すると予想。

※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日のトピックス】

昨日発表されたIMFの見通しは、ある意味予想通りであるが前回10月の予想をから上方修正された。要因はワクチン開発の進捗に伴い、将来の不確実性が低下すると見込まれることである。

世界GDP見通しは+5.5%(前回見通し+5.2%)と上方修正。これはワクチン開発の効果によるものであり、2022年についても+4.2%成長になると見込んでいる。

また、IMFは世界の主要中央銀行は2022年一杯まで現在の政策金利を据え置きするとの見通しを示しており各国の景気刺激を加速するとみている。ただし、成長の回復には各国でバラツキがあり、特に医療体制の整備格差や危機発生時の構造的な特徴が影響すると予想した。

この見通しが成立するには、あらゆる場所でパンデミックがコントロールされ、そのためにはヵ国が協調して問題に取り組む必要があるが、米中が対立し協調の妨げになる場合や、低所得国を中心に債務比率が上昇している国の支援、といったところで足並みが揃う必要が出て来る。

通常であれば世界の危機は各国が協調して行動をすることに違和感がないが、逆にこのタイミングでは「相手を出し抜こう」という動きを特に中国が強めると予想されるため予断を許さない。

この見通しのリスクは、上振れリスクがワクチンが有効な効果をもたらさない場合、逆に下振れリスクはワクチンが効果が期待通りではない、医療介入の改善が予想よりも遅れ、パンデミックからの脱却が比較的早くなるとの期待が薄れた場合などが考えられる。

いずれにしても今回のIMF見通しは事前の大方の予想通りであり、景気循環系商品需要並びに価格見通しを大きく変化させるような内容ではなかったといえる。ただし、前回、前々回に比べれば悲観的な内容ではなかったこともまた事実である。

【マクロ見通しのリスクシナリオ】

・米大統領選挙前後の国内融和にバイデン次期大統領が失敗する場合。

米上院選挙の結果を受けて米議会に親トランプ派が乱入、議会がロックダウンされるという事件も起きており、分断された米国の融和は容易ではない。

・「トリプルブルー」になったことで財政出動が加速、景気回復期待を受けた長期金利の上昇がドル高を誘発し、投機が商品価格押し上げの一翼を担ってきたことから、ドル高進行が価格をファイナンシャルな視点で押し下げる可能性。

このシナリオの可能性が高まるのは、Q121の米企業決算が発表され、「それほど悪くない」と言うことが確認される可能性がある4月以降か。

場合によるとワクチン開発と摂取進捗もあり、2020年決算と2021年事業見通しが発表される1月中下旬以降、ドル高進行開始の可能性も否定せず。

・コロナウイルスの感染再拡大(または新たなウイルスの発生)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合。逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。

・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。

・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。

「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は低くなくなった。

・次の最大の成長ドライバーとして期待される、インド経済が期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。

2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(これは人口動態を考えると、現実のリスクとなるのは2030年以降か)。

・米国の財政状況悪化、緩和規模拡大によるドル水準の低下リスク(ドル減価により、名目ドル建て資産価格の上昇要因に)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油価格見通し】

原油価格は高値圏を維持すると考える。景気の緩やかな回復に加え、米政権の景気刺激作への期待、企業決算が悪くないことを背景に株高・ドル安が継続していることから。

しかし、これまでの株価上昇は期待先行の部分は否めず、実態との乖離が意識され株価が調整する局面、あるいは景気回復期待が高まって長期金利が上昇する中ではドル高となりやすく、中期的に下落するという見通しは堅持したい。

価格が持続的に上昇するには需給ファンダメンタルズの変化が必要で、ロックダウンが加速しやすく、ワクチン接種もまだ本格化していないことから価格上昇が肯定されるのは、引き続き3~4月頃になるとみている。

長期的には、報道通りのペースでワクチンが普及し、深刻な副反応が確認されなければ経済活動の回復とともに原油価格がわかりやすく上昇を始めるのは2021年後半になってから、と考えられる。

【見通しの固有リスク】

・米国経済が正常化する中で急速なドル高が進行し、投機的な売り圧力が高まる場合。

・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産継続で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。逆に価格低迷で歳入確保の増産が加速する場合、またはOPECプラスのプログラムの対象となっていない中東諸国の増産(価格下落要因)。

景気回復時の増産タイミングの見誤りによる、供給不足(価格上昇要因)。

・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合、

1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる2.中東以外の産油国の生産者の破綻3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)

などが価格上昇要因に。

・バイデン政権誕生で、シェールオイルのフラッキングが制限/禁止される場合、供給減少で価格上昇要因に(今のところ生産量の1割程度となる、国有地でのフラッキング禁止にトーンダウンしている)。

また、イランに対する制裁が緩和される場合、原油価格の下落要因に。ただし、米国内の反イラン感情の高まりで、直ちに制裁が緩和される可能性は低い。

・イランの反米感情が高まり、中東の不安定さが増す場合(価格上昇要因)。

イランの核科学者であるファクリザデ氏が(恐らく)イスラエルによって殺害されたが、これによりイラン国内でイスラエルの背後にあると解釈されやすい米国に対する反米気運が高まっている。

これはイラン国内での反米感情を高め、米国を核協議に復帰させないための策略と考えられる。

・米国の橋渡しでイランとサウジを初めとするスンニ派諸国が和解し、巨大なイスラム教圏が誕生した場合(地域安定で原油生産増加、短期的には価格の下落要因に。ただし相当発生の可能性が低いリスクシナリオ)。

・ワクチン・治療薬が想定以上に早く準備でき、移動制限が急速に解除される場合(価格上昇要因)。

【石炭価格見通し】

石炭価格は堅調な推移になると考える。中国政府は国内炭の供給能力増強にシフトしているが、冬場で炭鉱が稼働し難いこと、港湾在庫の水準の低さに反映されるように、供給が十分ではないことが材料。

ただし、豪州との対立や、環境規制強化のの中で石炭需要は減速するとみられること、非常に矛盾するが国内生産を増加させていること、春先に掛けては季節的に需要が減少することから徐々に海上輸送炭価格の上値は重くなると予想される。

12月の中国の石炭輸入は気温低下の影響で前月から大幅に増加。前年水準の14倍、前月から3倍強となる3,907万5,000トン(前月1,176万トン)と顕著に増加した。

中国は国内の石炭産業の強化と政治的に対立する豪州からの輸入制限で、国内生産を増加させる方向性に舵を切っているが、足下の気温急低下を受けてそうも言っていられなくなったようだ。

【見通しの固有リスク】

・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。短期的には価格の上昇要因。

・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

【天然ガス・LNG】

天然ガス価格はしばらく高値圏での推移になると考える。ラニーニャ現象の影響もあり、気温がアジア・欧州で低下しているため。

極東の天然ガス指標であるJKM価格も、火力発電所が代替燃料として重油を用いるなどの動きを見せており、目先の調達に目処がたち価格の下押し圧力が強まっている。

欧州の気温低下と、昨夏以降の在庫減少で域内需給がタイト化、LNGカーゴの需給もタイト化が予想されるため、高止まりと考える。しかし春先に掛けては季節的な需要の減少で価格は軟調になると予想する。

長期契約のLNGに関しては、原油リンクとなるためじり高の展開だが、価格反映までに3ヵ月程度の時間差があるため(消費者への影響はさらに3ヵ月後)、現時点ではまだ上昇していないと考えられる。次の懸念は夏のピーク時の電力・ガス価格への影響だろう。

【見通しの固有リスク】

・最大供給国であるロシアの増産。

・産油国の減産継続による随伴ガス供給の減少懸念。

・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが664,833枚(前週比 ▲27,482枚)ショートが156,249枚(▲8,349枚)ネットロングは508,584枚(▲19,133枚)

Brentはロングが367,270枚(前週比▲3,642枚)ショートが53,097枚(▲507枚)ネットロングは314,173枚(▲3,135枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は中国の景気先行指数を見るに中国の需要が今後数ヵ月は堅調さを維持するとみられること、景気の緩やかな回復に加え、米政権の景気刺激作への期待、企業決算が悪くないことを背景に株高・ドル安が継続していることから、高値を維持するとみている。

しかし、12月の中国の貿易統計を見ると、非鉄金属のベンチマークである銅に関して、精錬品の輸入が減速して過去5年レンジに戻ったことが確認されている。このことは中国の過剰な経済対策による需要創出が一巡した可能性があることを示唆しており、今後、非鉄金属価格には下押し圧力が強まることになるだろう。

また、中国政府も現状の不動産や株の上昇を受けたバブルを警戒しており、マネーマーケットで資金吸収を始めるなど、これまでの公共投資に裏打ちされた需要が価格を牽引する展開は徐々にトーンダウンすることになるだろう。

実際、これまでの株価上昇は期待先行の部分は否めず、実態との乖離が意識され株価が調整することは十分あり得る。また景気回復期待が高まって長期金利が上昇する中ではドル高となりやすく、中期的に下落するという見通しは堅持したい。

なお、現在の価格上昇は実際に中国の需要の増加による需給タイト化によるものであり、環境規制強化が牽引する価格上昇ではない。

例えば、中国の超高圧送電線網整備額は当初予定比+61%の1,811億人民元とする方針が今年の4月に示されており、電線向けの需要が銅、並びにアルミの需要を押し上げている。アルミは配電には利用されないが、超高圧電線には使用される。

このほか、バイデン政権の政策推進による環境重視の姿勢の強まりが、いわゆる「バイデン・トレード(化石燃料売り・省エネ金属買い、ただし金属生産の際には二酸化炭素が出ることは変わらない)」を加速させ、投機的な買い圧力を強めている。

バイデン・トレードは短期的には顕在化する需要ではないが、省エネ金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性があるため、足下は期待選好で、総じて中長期的には物色されやすい地合が続くとみる。

具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。

2020年の中国の新エネルギー車の販売は前年比+7.5%の137万台(前年124万台)となった。全体の自動車販売が2,523万台なのでシェアは5.4%(4.9%)と上昇している。それでも電気自動車が非鉄金属市場の重要なテーマになるには、あと数年は要するだろう。

中国が豪州の銅鉱石輸入を禁止していることで、精錬銅の需要が増加し、ベンチマークの銅価格が堅調に推移していることも地合を強くしよう。

しかし、中国の最大貿易相手経済圏である欧州でロックダウンの動きが再び見られること、季節的に南半球の供給が再開される可能性が高いこと、12月のファンド決算を意識した売り圧力の強まりが価格を押し下げるため上値も重いと考える。

【見通しの固有リスク/個別金属の特殊要因】

・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合。

・高水準の投機筋買い越しポジションが急速に解消されたときの下落リスク。

・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(コロナの影響もあって、2020年の鉱山生産は全体で184万1,000トン、コロナの影響で115万1,000トン減少する見込み)。

・ニューカレドニアのGoroプロジェクトはAntfagasutaが買収相手として急浮上しており、過剰な供給不足への懸念が後退していることは価格の下落要因に。ただし楽観はできず。

なお、同プロジェクトのニッケル生産は6万トン/年(シェア2.4%)。

・GlencoreはZhairemプロジェクトの開発を決定しているが、ペルーのIscaycruz鉱山の閉鎖、カナダのMatagami鉱山、Kidd鉱山の鉱山年齢終了に伴う減産を見込んでおり、2021年の亜鉛生産は125万トン(従来見通し140万トン)と下方修正。

・中国の環境規制強化やコロナの影響再発に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。

・資源ナショナリズムの高まり。インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・1月の米上院決定投票で民主党が過半数を確保し、「トリプルブルー」となり、脱炭素の動きが加速していわゆる省エネ金属の需要が増加する場合。

【投機筋のポジション動向】

・LME投機筋買い越し金額 前週比▲2.6%の284億ドル(前週 292億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比▲3.1%の6,282.4千トン(前週 6,486.1千トン)

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は、中国の景気先行指標をみるに堅調な推移を続けると考える。貿易統計で確認できるように鉄鋼製品輸入が増加し、輸出が減少。中国の顕在需要が増加していることを示唆している。鉄鉱石在庫は積み上がっているが日数ベースでは在庫水準は低く、需給はタイトとみられるため。

12月の中国の鉄鋼業PMIを見ると、総合指数が49.3から45.8に急減速した。変動性が大きいためなんともいえないが、生産が47.7(前月53.3)と減速、新規受注が42.0(47.2)と大幅に減速したことによる。

しかし、輸出向け新規受註は54.4(45.9)と大幅に回復、完成品在庫が増加(32.2→33.5)して原材料在庫が減少(38.0→32.1)している。このことは、外需の回復を受けて中国政府が国内の経済対策に伴う発注を減少させている可能性がある。

海外の需要が回復したことによる過度な景気刺激が不要になった、と判断したことによるものである可能性がある。しかしながら単月の動きであり、鉄鋼業PMIは製造業PMIに比して変動性が高いため、来月以降の内容を見極める必要があろう。

なお、新規受注完成品在庫レシオは低下し、若干完成品の需給が緩和、一方で新規受注原材料在庫レシオは上昇しており、原材料需給がタイト化していることを示唆している。総じてまだ鉄鋼製品市場の需給はタイトである、とみるべきだろう。

今後も中国政府のインフラ投資を柱とする経済対策が、今年7月の中国共産党結党100周年記念まで続くと予想されること、中国国内の鉄鋼原料在庫水準が低いことから(鉄鋼製品在庫の水準は増加)在庫積み増し需要も継続する可能性が高く、基本は底堅い推移となる。

しかし、中国共産党は2021年から始まる新しい5ヵ年計画で鉄鋼生産量の削減の必要性を表明している。目先の景気刺激が終了し、景気の巡航速度への回復が確認されるタイミングで景気刺激と鉄鋼増産は回避される可能性が高く、年後半に掛けては価格は下落すると予想する。

中国の鉄鋼製品の輸入は通常、平均で110万トン程度なのだが、12月は137万5,000トン(前月185万トン)と減少傾向を持続し、過去5年レンジに戻った。12月の国内生産は季節性もあるが9,125万トン(前月8,766万トン、10月 9,220万トン、9月 9,256万トン)と回復した。

その一方、12月の鉄鋼製品輸出は485万トン(前月440万トン)と増加し、過去5年レンジの下限を回復した。このことは中国の鉄鋼製品の国内需要が減速し、顕在需要が減少を始めている可能性があることを示唆している。

弊社はこの鉄鋼製品の輸出入動向に注目しているが、輸出/輸入とも過去5年レンジに復帰の過程にあり、徐々に過剰な国内依存の需要環境から、輸出に牽引される形での鉄鋼業の操業状態(通常状態)に戻ると予想している。

なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが在庫水準は前週比+58万4,000トンの995万4,000トン(過去5年平均 963万6,000トン)と、例年よりも在庫水準は高い。

在庫は積み増し時期にあり増加しているが、過去5年平均を下回っている。引き続き中国の鉄鋼需給はタイトな状態が続いていると考えられる。

原料である鉄鉱石の12月の輸入は前年比▲4.5%の9,675万トン(前月+8.3%の9,815万トン)と高い水準を維持しているが減速、過去5年レンジに復帰した。このことは中国の国内需要が減速している可能性を示唆している。前年水準を下回ったことで、中国の国内需要は減速傾向にあると判断される。

鉄鉱石港湾在庫は前週比+70万トンの1億2,550万トン(過去5年平均1億2,720万3,600トン)、在庫日数は26.4日(過去5年平均 33.0日)と例年と比較して在庫日数の水準は低く、輸入需要は持続するものと思料。

原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。しかし、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから、海上輸送原料炭価格の上値も重い。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は急速に増加して、過去5年平均を回復した。目先の価格下押し要因となるだろう。

【見通しの固有リスク】

・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク。

・カシミール地方を巡る中国との領有権争いが激化した場合、インドが中国に対して鉄鉱石輸出を制限する可能性(中国のFOBインデックスは上昇、その他の地域の鉄鉱石価格は低下)。

【投機筋のポジション動向】

---≪貴金属≫---

【貴金属価格見通し】

<<金>>

金は高値を維持すると考える。金融緩和の継続と、株価の上昇に伴う長期金利上昇圧力がせめぎ合う形で実質金利を現状水準に維持すると考えられることから。

なお、リスクオンはドル安で価格上昇、リスクオフで価格下落となる(詳しくは2020年10月12日付のMRA's Eyeをご参照ください)。

現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は1,680ドルに上昇。そこからの乖離(リスク・プレミアム)は183ドルと前日比▲2ドル低下した。

なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

<<銀>>

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、72.7倍。過去1年を基準にすると95倍程度、5年では80倍、2000年以降では65倍程度が妥当だが、足元、70~75倍での推移となっている。

金銀レシオのチャートを見ると、70倍を切るとテクニカルに65倍が視野に入る。金価格が変わらなかったとしても、70倍から65倍に低下しただけで、+7.7%の銀価格上昇となるため、消費者は要注意だ。

金は高値を維持する見通しだがバイデン大統領誕生により、太陽光発電向けに用いられる「バイデン銘柄」であることもあって、需要構造の変化が価格を下支え(金銀レシオは低下)するものと予想。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

<<PGM>>

プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。足下は、各国の自動車セクターの回復期待が強まっており、工業需要回復期待が価格を押し上げている状況。

仮に脱炭素が進んで水素が用いられ、燃料電池が進むのであればプラチナの構造的な需要が増加するシナリオは、需要・価格面でのポジティブリスクシナリオ。投機の比率が高い商品であるため、こうした観測記事だけでも材料に価格が反応しやすい。

パラジウムは価格は景気の先行き楽観が強まっているが、足下のコロナの感染拡大がこれを相殺するため、現状水準でのもみ合いを予想。

ETF残高とパラジウム価格の連動性が高まっており(管理在庫増加→価格上昇)、一時の、ETF管理在庫減少→価格上昇、のメカニズムから変化してきている。

在庫取り崩し→価格上昇は実際に需給がタイトで、現物確保のためにETFを取り崩さなければならなかったからだが、現在はこれと逆のことが発生している訳で、足元、パラジウムの需給は緩和していると見られる。今後はETFの動向に注目。

12月の米自動車販売は年率1,627万台(市場予想1,580万台、前月1,555万台)と減速した。

中国の12月の自動車販売は中国自動車工業協会の集計で前年比+6.4%の283万台(前月+12.7%の276万9,666台、10月+12.6%の257万3,000台、9月+13.0%の256万5,201台)と回復を継続している。

自動車販売は回復しているが、不要不急の消費であるため中国を除いては本格的な回復にはまだ時間がかかる見込み。

【見通しの固有リスク】

・世界的な成長力の低下に伴い、各国の財政状況が悪化、地政学的リスクが顕在化する場合(中東・北アフリカのリスク顕在化の可能性は低くない)。リスク・プレミアム上昇を通じて貴金属価格の上昇要因に。

・米中の対立激化。米国は今回のウイルス問題で、中国の医療面、人工知能を含むIT面に脅威を感じた可能性は高く、対立が激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・英国のブレグジットは、FTA合意なき離脱となるリスクが残存しており、その場合のインパクトは無秩序離脱と同レベルになると考えられ、金価格の上昇要因に。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が不安定であることによる供給懸念。

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが307,507枚(前週比 ▲5,710枚)、ショートが60,869枚(▲6,121枚)、ネットロングは246,638枚(+411枚)、銀が84,009枚(▲3,896枚)、ショートが32,007枚(▲3,106枚)、ネットロングは52,002枚(▲790枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが35,835枚(前週比 ▲883枚)ショートが7,949枚(▲1,310枚)、ネットロングは27,886枚(+427枚)

パラジウムが4,978枚(▲336枚)、ショートが2,415枚(+63枚)ネットロングは2,563枚(▲399枚)

---≪農産品≫---

【穀物価格見通し】

穀物価格はトウモロコシ・大豆は中国の需要が想像以上に堅調であり、しばらく高値圏で推移すると考える。ドルが反転上昇するとみていたが、再び軟調な推移になっていることから、投機的な観点からもしばらく高値を維持すると予想する。

なお、中国の豚肉価格は下落する一方、豚肉の輸入量も減少している。このことは中国の畜豚数の増加(大豆ミール需要の増加)=大豆需要の増加、を示唆している。当面、中国向けの輸出が中国側の事情で増加すると見られることが価格を下支えすると予想。

ただし、生産地の生育環境の改善から供給懸念が後退し始めていること、当期の買いポジション解消の動きが強まると予想されることから、上値も重いと考える。なお、中期的にドルが上昇する見通しは変更していないため、中期的な価格見通しは引き続き下向き。

小麦はさほど投機の買いポジションが積み上がっている訳ではないが、各地で生産見通しが引き上げられており軟調地合。ただし足下のドル安が価格を下支え。

Locust Watchではエチオピア、ケニアで群生が発生している。昨年末も大型のサイクロンがアラビア半島~北アフリカを通過、豪雨が観測されており、バッタの成育に良好な環境が提供されている可能性があり、このままだと今年も蝗害が起きる可能性は否定できない。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/210118DLupdate.jpg

【見通しの固有リスク】

・ラニーニャ現象の発生による穀物供給減少リスクの顕在化。害虫の発生、生産地の土壌破壊など(すでに一部顕在化)。

・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。

・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

【米農務省需給報告データ】

・米穀物作付け意向面積トウモロコシ 9,699万エーカー(市場予想 9,412万エーカー)大豆 8,351万エーカー(8,502万エーカー)小麦 4,466万エーカー(4,495万エーカー)

・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)

・1月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 172.0Bu/エーカー(175.13、175.8)大豆 50.2Bu/エーカー(50.52、50.7)小麦 49.7Bu/エーカー(NA、49.7)

・1月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 141億8,200万Bu(144億4,629万Bu、145億700万Bu)大豆 41億3,500万Bu(41億5,642万Bu、41億7,000万Bu)小麦 18億2,600万Bu(NA、18億2,600万Bu)

・1月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 25億5,000万Bu(26億5,000万Bu)大豆 22億3,000万Bu(22億Bu)小麦 9億8,500万Bu(9億8,500万Bu)

・1月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 15億5,200万Bu(15億9,191万Bu、17億200万Bu)大豆 1億4,000万Bu(1億3,861万Bu、1億7,500万Bu)小麦 8億3,600万Bu(8億5,922万Bu、8億6,200万Bu)

・12月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 113億2,200万Bu(117億4,670万Bu、19億5,000万Bu)大豆 29億3,300万Bu(29億2,900万Bu、5億2,500万Bu)小麦 16億7,400万Bu(16億9,555万Bu、21億5,800万Bu)

・1月CONABブラジル作付け面積(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1,846万ha(1,936万ha、1,844万ha)大豆 3,819万ha(3,848万ha、3,818万ha)

・1月CONABブラジル生産量(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1億231万トン(1億789万トン、1億259万トン) 単収 5,541Kg/ha(5,570kg/ha、5,564kg/ha)大豆 1億3,369万トン(1億3,272万トン、1億3,445万トン) 単収 3,500Kg/ha(3,452kg/ha、3,522kg/ha)

【投機筋のポジション動向】

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが628,311枚(前週比 ▲30,412枚)、ショートが99,660枚(▲16,940枚)ネットロングは528,651枚(▲13,472枚)

大豆はロングが276,135枚(▲699枚)、ショートが49,448枚(+3,471枚)ネットロングは226,687枚(▲4,170枚)

小麦はロングが145,845枚(+8,695枚)、ショートが106,798枚(+472枚)ネットロングは39,047枚(+8,223枚)

◆主要ニュース


・11月米FHFA住宅価格指数 前月比+1.0%(前月+1.5%)

・11月米S&Pコアロジック住宅価格指数 前月比+1.42%(前月+1.59)、前年比+9.08%(+8.01%)

・1月リッチモンド連銀製造業指数 14(前月19)、出荷 10(12)
 新規受注 12(24)、受注残 6(17)、雇用 23(20)

・1月米コンファレンスボード消費者信頼感指数 89.3(前月改定 87.1)
 現況指数 84.4(87.2)、期待指数 92.5(87.0)
 6ヵ月以内自動車購入 10.7(9.8)、住宅 7.2(6.0)

・2021年1月 IMF世界経済見通し
 2021年 +5.5%(前回調査時比+0.3%)、2022年 +4.2%(±0.0%)
  OECD諸国 +4.3%(+0.4%)、+3.1%(+0.2%)
   米国 +5.1%(+2.0%)、+2.5%(▲0.4%)
   ユーロ圏 +4.2%(▲1.0%)、+3.6%(+0.5%)
   日本 +3.1%(+0.8%)、+2.4%(+0.7%)

  非OECD諸国 +6.3%(+0.3%)、+5.0%(▲0.1%)
   中国 +8.1%(▲0.1%)、+5.6%(▲0.2%)
   インド +11.5%(+2.7%)、+6.8%(▲1.2%)
   ブラジル +3.6%(+0.8%)、+2.6%(+0.3%)
   ロシア +3.0%(+0.2%)、+3.9%(+0.5%)
   サウジアラビア +2.6%(▲0.5%)、+4.0%(+0.6%)
   ナイジェリア +1.5%(▲0.2%)、+2.5%(±0.0%)
   南アフリカ +2.8%(▲0.2%)、+1.4%(▲0.1%)

  世界貿易 +8.1%(▲0.2%)、+6.3%(+0.9%)
   OECD諸国 +7.5%(+0.4%)、+6.1%(+1.0%)
   非OECD諸国 +9.2%(▲1.0%)、+6.7%(+0.8%)
 Brent価格 50.03ドル(46.70ドル)、48.82ドル

・インド北東部シッキム州の北部ナクラでインド軍と中国軍が衝突。

・米モデルナのワクチン、英国や南アの変異種にも有効。

・中国人民銀行、26日の公開市場操作でネット780億元(1兆2,500億円)を吸収。貨幣政策委の馬駿委員、「中国が雇用の伸びとインフレに焦点を移さなければ、株式・不動産市場など資産バブルのリスクが残る。」

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米在庫統計市場予想 原油 +376KB(前週4,352KB)
 ガソリン+947KB(▲259KB)
 ディスティレート▲334KB(+457KB)
 稼働率▲0.38%(+0.50%)

・API石油統計 原油在庫▲5.27MB、クッシング▲3.48MB
 ガソリン+3.06MB、ディスティレート+1.4MB

・米石油協会マイク・サマーズCEO、「バイデン政権のキーストンXLパイプライン建設停止により、米国内はさらに分裂する可能性があり懸念している。」

【メタル】
・Q420 Freeport
 銅生産391.9千トン(前年375.1千トン)
  鉱山生産+輸送コスト 3,922ドル(4,671ドル)
  ユニットキャッシュコスト 2,820ドル(3,679ドル)
 金生産 273千オンス(223千オンス)

 CAPEX 388百万ドル(735百万ドル)

・インドネシアののPT-FIユニットはGresik精錬所を30%の拡張を検討。これにより銅精鉱の生産能力は30万トン増加するが、PT-FIユニットがコミットしている、新規の精錬所の開発規模は200万トンから170万トンに減少する見込み。

・Freeport、EVや再生可能エネルギー用途で利用される銅の需要は2025年までに米精錬銅市場とほぼ同等の規模となる160万トンを予想。

・2020年日本伸銅品生産 前年比▲14.4%の64万3,958トン。1975年以降で最低の水準。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CBTトウモロコシ ( 穀物 )/ +4.06%/ +9.97%
2.CME木材 ( その他農産品 )/ +3.89%/ ▲2.06%
3.CBT小麦 ( 穀物 )/ +2.58%/ +3.86%
4.CBT大豆油 ( 穀物 )/ +2.26%/ +1.34%
5.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ +2.08%/ +4.61%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.SGX天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲4.44%/ ▲3.33%
65.CBTエタノール ( エネルギー )/ ▲4.37%/ +6.77%
64.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲4.33%/ ▲4.08%
63.ビットコイン ( その他 )/ ▲2.09%/ +10.42%
62.中国CSI300 ( 株式 )/ ▲2.01%/ +5.79%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :30,937.04(▲22.96)
S&P500 :3,849.62(▲5.74)
日経平均株価 :28,546.18(▲276.11)
ドル円 :103.62(▲0.13)
ユーロ円 :126.00(+0.06)
米10年債 :1.03(+0.01)
中国10年債利回り :3.16(+0.03)
日本10年債利回り :0.04(▲0.01)
独10年債利回り :▲0.53(+0.02)
ビットコイン :32,017.04(▲684.25)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :28.14(▲0.42)
エネルギー :32.41(▲3.33)
ベースメタル :23.74(▲0.12)
貴金属 :29.11(▲0.06)
穀物 :28.54(+0.69)
その他農畜産品 :27.45(+0.33)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :25.87(+0.13)
Brent :25.46(▲0.39)
米天然ガス :67.74(▲2.39)
米ガソリン :29.32(▲0.09)
ICEガスオイル :19.66(▲0.05)
LME銅 :20.11(+0.05)
LMEアルミニウム :19.78(▲0.28)
金 :30.35(+0.57)
プラチナ :37.51(▲0.38)
トウモロコシ :32.01(+2.23)
大豆 :30.35(+0.57)

【エネルギー】
WTI :52.61(▲0.16)
Brent :55.91(+0.03)
Oman :55.47(▲0.19)
米ガソリン :158.07(+1.96)
米灯油 :159.84(+0.45)
ICEガスオイル :451.00(+2.50)
米天然ガス :2.66(+0.05)
英天然ガス :54.10(▲2.45)

【貴金属】
金 :1850.92(▲5.01)
銀 :25.47(+0.12)
プラチナ :1102.68(+1.83)
パラジウム :2328.75(▲13.58)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :7,962(▲29:4.5C)
亜鉛 :2,673(▲42:22C)
鉛 :2,054(▲6:18C)
アルミニウム :2,018(+12:7B)
ニッケル :18,197(▲93:55C)
錫 :22,790(+258:490B)
コバルト :40,350(+350)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :7995.00(▲10.50)
亜鉛 :2654.50(▲46.00)
鉛 :2078.00(+11.50)
アルミニウム :2023.00(+3.00)
ニッケル :18090.00(▲205.00)
錫 :22870.00(+400.00)
バルチック海運指数 :1,765.00(▲45.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :168.44(+0.33)
SGX鉄鉱石 :168.64(▲0.71)
NYMEX鉄鉱石 :169.52(▲0.26)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :120(+1.00)
大連原料炭先物 :282.28(+2.27)
上海鉄筋直近限月 :4,182(+16)
上海鉄筋中心限月 :4,325(+26)
米鉄スクラップ :495(±0.0)

【農産物】
大豆 :1370.25(+26.75)
シカゴ大豆ミール :436.50(+6.90)
シカゴ大豆油 :43.91(+0.97)
マレーシア パーム油 :3606.00(+56.00)
シカゴ とうもろこし :532.25(+20.75)
シカゴ小麦 :665.25(+16.75)
シンガポールゴム :215.00(▲10.00)
上海ゴム :14235.00(▲10.00)
砂糖 :15.74(±0.0)
アラビカ :124.50(+1.25)
ロブスタ :1317.00(+13.00)
綿花 :81.71(▲0.62)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :70.45(▲0.18)
シカゴ生牛 :117.00(+0.48)
シカゴ飼育牛 :135.65(▲0.90)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。