まちまち。コロナを巡る強弱材料混在で
- MRA商品市場レポート
2020年12月15日 第1872号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「まちまち。コロナを巡る強弱材料混在で」
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場はまちまち。ワクチン関連報道を受けた先行きへの楽観と、コロナの感染拡大を受けた経済活動の停止観測の綱引きとなった。
そもそも年末・クリスマス休暇を控えて市場参加者が減少する時期にあり、積極的に動きにくいということも方向感を出難くしている。
英国では新型コロナウイルスの変異種が見つかっており、現時点では既存のウイルスよりも感染速度が速いとされている。これに対してワクチンが有効に機能するのかどうかまだ不透明である。
一方、週末のレポートで指摘していた英国とEUの通商交渉は報道では「決裂」の可能性が高かったが、再び延長となった。結局、両者とも決裂は経済への打撃が大きいため、やはり回避はしたい、というのが本音だろう。
しかし、「10月上旬に妥結しなければ、事務的な処理が間に合わない」と両者とも発言していたが、12月中の妥結を目指すという。
ここまで来ると誰の発言であっても、その発言がほとんど信用できないため、結局のところ結論が出るまでは市場は材料にできない、ということである。
今後のシナリオとしては、1.12月中にFTAを妥結、2.FTA妥結断念、3.移行期間の延長、しか残されていない。
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【本日の見通し】
本日も12月末を控えて引き続き、様子見気分が強まる展開が予想される。再び米国でロックダウンの動きが見られることから、ドル高が進行して総じて軟調な推移になるのではないか。
本日の注目は現在、唯一と言っていい好調な経済を維持している中国の重要統計。市場予想は以下の通り改善見通しであり、特に鉱物資源価格の上昇要因になるとみている。
11月中国工業生産 市場予想 前年比+7.0%(前月+6.9%)、年初来+2.3%(+1.8%)
11月中国小売売上高 +5.0%(+4.3%)、年初来▲4.9%(▲5.9%)
11月中国固定資産投資 年初来 +2.6%(+1.8%)
11月中国不動産投資 年初来+6.7%(+6.3%)
11月中国調査失業率 5.2%(5.3%)
【セクター別動向と見通し】
◆エネルギー
原油価格は乱高下した結果、前日比プラスで引けた。米国株が買収関連報道を受けて上昇する中ドル安が進行したこと、サウジアラビアのジッダ港でタンカーが攻撃を受けて爆発したとの報道を受けて水準を切り上げたが、ニューヨーク市が完全なロックダウンの可能性を示唆したことでドル高が進行、OPEC月報での需給見通し下方修正により水準を切り下げた。
石炭価格は上昇。中国の国内景況感改善と冬場の気温低下に伴う電力向け需要増加、対豪制裁による輸入低下で国内の在庫が減少し、在庫積み増しの動きが継続している。
本日は最大消費国である米国のロックダウンの可能性を受けて、年末を控えた利益確定の売りに押されて軟調な推移になると考える。
固有の材料としてはIEA月報があるが、消費国を加盟国に多数有する組織が需要見通しについてどのような見解を出すかに注目している。
石炭に関しては投機的な売買余地があまりないため、足下の需給ファンダメンタルズのタイトさを背景に堅調な推移を予想。
◆非鉄金属
LME非鉄金属は総じて堅調な推移となった。最大消費国である中国の需要が堅調であり、需給ファンダメンタルズがタイトな状態が続いているため。
本日は中国の重要統計が発表されるが、鉱工業生産・固定資産投資・不動産投資とも改善傾向を持続する見通しであり、堅調な推移を予想。ただし、米国のロックダウン再拡大の動きを受けたドル高進行が重石となる見込み。
◆鉄鋼・鉄鋼原料
中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは下落、大連先物は上昇、豪州原料炭スワップ先物は横ばい、大連原料炭先物は上昇、鉄鋼製品先物価は直近限月が横ばい、中心限月は下落した。
中国鉄鋼業界が鉄鋼製品先物市場での投機的な取引に関して、当局に調査を依頼したことが売り材料となった。
本日も中国の鉄鋼製品需給、高水準な粗鋼生産を受けた鉄鉱石在庫日数の低さから、高値圏での推移を予想。
◆貴金属
金価格はニューヨークの全面ロックダウンの可能性を指摘する報道を受けたドル高進行が価格を下押しした。銀価格も金価格の下落を受けて小幅安。
PGMも金銀価格の下落に加えて株価が調整したことが売り材料となった。
本日も、リスク回避のドル高が進行しやすい地合にあるため軟調推移を予想。ただし株価調整・長期金利の低下から実質金利に低下圧力がかかることから、底堅い推移に。
◆穀物
シカゴ穀物市場はまちまち。トウモロコシ直近限月はドル指数に連れる形で上昇後下落し、前日比マイナス。
大豆価格はブラジルの植物油産業協会は2021年の同国大豆の輸入見通しを引き上げ、需給懸念が強まったことから上昇したが、ニューヨーク市のロックダウン関連報道を受けたドル高進行で、取引後半に水準を切り下げる展開。
小麦は下落。ロシアのレシェトニコフ経済発展相は、2月15日から6月30日にかけて、小麦の輸出に対してトンあたり25セント課税を課すと発表、小麦輸出枠も1,750万トンに設定すると発表。これにより、駆け込み的な輸出増加観測が強まり、価格を下押しした。
昨日発表の米主要穀物週間輸出検証高は以下の通り。
2020年12月10日時点トウモロコシ 886.94千トン(前週比 +133.93千トン)大豆 2,368.78千トン(▲216.79千トン)小麦 261.16千トン(▲275.72千トン)
本日はリスク回避のドル高が進行する見通しであり、軟調推移を予想。
※中長期見通しは個別セクターのコラムをご参照ください。
【昨日のトピックス】
昨日発表された日銀短観は、市場予想よりも強い内容となった。製造業、非製造業ともに回復感が強まっていることを確認する内容。しかしいずれも業況判断指数はマイナスであり、3ヵ月後の見通しもマイナス予想となっており、「景況感の回復は続くものの、好況、といえる状態に戻るまでにはまだ時間を要する」ことを確認する内容でもあった。
業界全体への影響が大きい自動車は、現状指数が▲13で先行き見通しが▲6と大幅な改善を見込んでいる。海外のワクチン開発報道を受けた消費活動の回復観測を織り込んでいるとみられる。また、中国向けも好調と見られる。
こうしたショックからの回復はサプライ側(製造業側)から起きるため、絶対水準の回復には時間が掛るが前期比での回復は継続するとみられる。ある程度の明るさが見えるのは、少なくとも欧米の経済活動がワクチンなどの影響で回復し、冬のコロナのピークが終わる4月頃になるのではないか。
コロナウイルスの影響を顕著に受ける宿泊・飲食サービス(現状指数▲66→先行き▲62)、対個人サービス(▲43→▲25)が改善見通しであり、一部で議論を巻き起こしているGoto政策が貢献していることをうかがわせる内容。しかし依然として非常に大きなマイナスであり、状況は厳しい。
今回の短観でやや気になったのが価格判断DI。販売価格判断DI(上昇-下落)は、大企業・中小企業ともマイナスであり、先行き見通しもマイナスだ。その一方尾で仕入れ価格判断DIはいずれも大幅な上昇を見込んでいる。
中国の景気回復や、資源価格(特に鉱物資源価格)の上昇によるものとみられる。販売価格DIの低迷は、雇用判断DIがまだこのことは企業業績が圧迫されることを意味しており、やはりしばらく日本企業の状況は厳しい状態が続こう。
なお、雇用関連はいずれの規模でも人手が不足している。そもそも人手不足はやや解消方向に向かっていたがコロナ前も不足していた。しかし、コロナの影響で巣ごもり消費が増加し、人手が不足する業種は増加している。
しかし、業績悪化と人手不足の中で新卒を教育している時間がない、ということから新卒の採用は回避されているものと見られる。雇用環境はまだらな状態が続くと見られる。
【マクロ見通しのリスクシナリオ】
・米大統領選挙前後の国内融和にバイデン次期大統領が失敗する場合。
・欧州の政治混乱(トルコと欧州の関係悪化、ハードブレグジットなど)によるリスク回避の動きの強まり。
・コロナウイルスの感染再拡大(または新たなウイルスの発生)によるロックダウンが景気循環系商品の需要を減じる場合。逆に想定以上にワクチン・治療薬の開発が速やかに行われた場合は需要の増加要因に。
・環境重視型社会への急激な転換による、経済活動の鈍化リスク。成長ドライバーの1つとして期待される、中東・北アフリカ産油国が人口ボーナス期を活かせない(逆に鉱物産出国は高成長となる可能性も)。
・米中対立激化による、新冷戦構造が発現しブロック経済圏が発生して貿易活動が鈍化する場合(場合によると武力衝突も)。
「能動的に」軍事を行う方針に舵を切った中国習近平政権が、台湾統一を目指して侵略する可能性は低くなくなった。
・次の最大の成長ドライバーとして期待される、インド経済が期待通りの成長をできない場合(人種差別問題による国民の離反、市場開放・規制改革の遅れ、中国との対立など)。
2018年にすでに人口ボーナス期入りしているため、鉱物・エネルギーをはじめとする景気循環系商品需要の増加は2023~2024年頃。
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速。
・米国の財政状況悪化、緩和規模拡大によるドル水準の低下リスク(ドル減価により、名目ドル建て資産価格の上昇要因に)。
◆昨日の商品市場(個別)の総括
---≪エネルギー≫---
【原油価格見通し】
原油価格は短期的には調整圧力が強まる展開を予想する。ファイザーのワクチン報道とOPECプラスの減産期間延長報道を受けて水準を切り上げてきたが、実際に需給環境が変わっている訳ではなく、期待先行の部分は否めないため年末年始を控えた利益確定の圧力が強まると予想されることから。
また、今回のOPEC・OPECプラス会合の段階的減産解除でももめたように、価格下落・価格上昇ともに生産国の抜け駆け増産を助長するため、そのことも価格を下押しすると予想する。
結局、OPEC諸国の足並みが混乱なく揃うのは、景気が回復して需要が順調な時のみ、といえる。結局辞任は見送ったが、サウジアラビアは一時、OPECプラスの議長ポストを辞任する意向を示しており、今後もOPECプラスの結束を維持することがいかに困難であるかをうかがわせる。
価格が上昇するには需給ファンダメンタルズの変化が必要で、ロックダウンが加速しやすく、ワクチン接種もまだ本格化していないことから価格上昇が肯定されるのは、恐らく3~4月以降になるのではないか。
中長期的には、報道通りのペースでワクチンが普及し、深刻な副作用が確認されなければ経済活動の回復とともに原油価格がわかりやすく上昇を始めるのは2021年後半になってから、と考えられる。
しかし、足下の市場は極端の景気先行きを楽観しており、株価対比で割安な原油を物色する流れが続いているため、ファンダメンタルズ以上に原油価格が上昇していることもまた事実であり、四半期末や年度末、期初、といったわかりやすい節目以外は、価格が高値で推移しやすい地合にあることは注意が必要か。
【見通しの固有リスク】
・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機的な売り圧力が高まる場合。
・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産継続で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。逆に価格低迷で歳入確保の増産が加速する場合、またはOPECプラスのプログラムの対象となっていない中東諸国の増産(価格下落要因)。
景気回復時の増産タイミングの見誤りによる、供給不足(価格上昇要因)。
・脱炭素の進捗、生活様式の変化による構造的な需要減少が加速した場合、
1.中東産油国の財政悪化によって情勢不安が顕在化、供給途絶リスクが高まる2.中東以外の産油国の生産者の破綻3.上流投資部門投資が減速し、インドなどの新興国需要顕在化時に供給が間に合わない場合4.価格面、数量面で予算を確保できない産油国が、OSPを大幅に引き上げる場合(第3次オイルショック)
などが価格上昇要因に。
・バイデン政権誕生で、シェールオイルのフラッキングが制限/禁止される場合、供給減少で価格上昇要因に(今のところ生産量の1割程度となる、国有地でのフラッキング禁止にトーンダウンしている)。
また、イランに対する制裁が緩和される場合、原油価格の下落要因に。ただし、米国内の反イラン感情の高まりで、直ちに制裁が緩和される可能性は低い。
・イランの反米感情が高まり、中東の不安定さが増す場合(価格上昇要因)。
今回、イランの核科学者であるファクリザデ氏が(恐らく)イスラエルによって殺害されたが、これによりイラン国内でイスラエルの背後にあると解釈されやすい米国に対する反米気運が高まっている。
これはイラン国内での反米感情を高め、米国を核協議に復帰させないための策略と考えられる。
・ワクチン・治療薬が想定以上に早く準備でき、移動制限が急速に解除される場合(価格上昇要因)。
【石炭価格見通し】
石炭価格は堅調な推移になると考える。中国政府は国内炭の供給能力増強にシフトしているが、冬場で炭鉱が稼働し難いこと、港湾在庫の水準の低さに反映されるように、供給が十分ではないことが材料。
ただし、豪州との対立や、環境規制強化のの中で石炭需要は減速するとみられること、非常に矛盾するが国内生産を増加させていることから徐々に海上輸送炭価格の上値は重くなると予想される。
なお、気温低下の影響で主要3国(豪州・インドネシア・ロシア)の輸出は、過去5年平均を回復している。
11月の中国の石炭輸入は前月から大幅に減少。前年水準を▲43.8%下回る1,167万1,000トン(前月▲46.6%の1,372万6,000トン)と減速傾向を持続した。
中国は国内の石炭産業の強化と政治的に対立する豪州からの輸入制限で、国内生産を増加させる方向性に舵を切っており、それが影響しているとみられる。
バルチック海運指数も過去5年平均程度で低迷しており、輸入の動きは鈍化。しかし一方で中国の港湾在庫は減少しているため、ピークシーズンということもあって堅調な推移となろう。
【見通しの固有リスク】
・世界的な環境重視型世界へのシフトを受けた、石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。短期的には価格の上昇要因。
・中国と豪州の対立、中国国内の生産能力増強に伴う、海上輸送炭需要の減少。
・北半球の夏場の猛暑(/冷夏)・冬場の厳冬(暖冬)。
【投機筋のポジション動向】
・WTIはロング・ショートとも減少しているが、Brentはロングが増加、ショートが減少している。欧州の感染者数がピークアウトしている可能性があることやOPEC増産幅が小幅に収まったことが材料となった可能性が高い。
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
WTIはロングが671,096枚(前週比 ▲6,251枚)ショートが156,467枚(▲3,715枚)ネットロングは514,629枚(▲2,536枚)
Brentはロングが335,130枚(前週比+24,839枚)ショートが62,267枚(▲2,160枚)ネットロングは272,863枚(+26,999枚)
---≪LME非鉄金属≫---
【非鉄金属価格見通し】
非鉄金属価格は中国の景気先行指数を見るに数ヵ月は強含みやすいとみているが、さすがに投機の期末を控えた売り圧力の強まりで調整すると考える。
現在の価格上昇は実際に中国の需要の増加による需給タイト化によるものであり、環境規制強化が牽引する価格上昇ではない。
例えば、中国の超高圧送電線網整備額は当初予定比+61%の1,811億人民元とする方針が今年の4月に示されており、電線向けの需要が銅、並びにアルミの需要を押し上げている。アルミは配電には利用されないが、超高圧電線には使用される。
このほか、バイデン政権の政策推進による環境重視の姿勢の強まりが、いわゆる「バイデン・トレード(化石燃料売り・省エネ金属買い、ただし金属生産の際には二酸化炭素が出ることは変わらない)」を加速させ、投機的な買い圧力を強めている。
バイデン・トレードは短期的には顕在化する需要ではないが、省エネ金属の需要増加は「今後10年・20年の大きなテーマ」となる可能性があるため、足下は期待選好で、総じて中長期的には物色されやすい地合が続くとみる。
具体例を挙げると、軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなどが挙げられる。
中国が豪州の銅鉱石輸入を禁止する方針を打ち出したことで、精錬銅の需要が増加し、ベンチマークの銅価格が堅調に推移していることも地合を強くしよう。
しかし、中国の最大貿易相手経済圏である欧州でロックダウンの動きが再び見られること、季節的に南半球の供給が再開される可能性が高いこと、11月・12月のファンド決算を意識した売り圧力の強まりが価格を押し下げるため上値も重いと考える。
【見通しの固有リスク】
・米国経済が正常化する中でドル高が進行し、投機買いが膨らんでいる非鉄金属市場で投機の手仕舞い売り圧力が高まる場合。
・高水準の投機筋買い越しポジションが急速に解消されたときの下落リスク。
・主に銅山を中心とする労使交渉長期化による供給減少が、2021年も継続する場合(コロナの影響もあって、2020年の鉱山生産は全体で184万1,000トン、コロナの影響で115万1,000トン減少する見込み)。
・ニューカレドニアのGoroプロジェクトはAntfagasutaが買収相手として急浮上しており、過剰な供給不足への懸念が後退していることは価格の下落要因に。ただし楽観はできず。
なお、同プロジェクトのニッケル生産は6万トン/年(シェア2.4%)。
・中国の環境規制強化やコロナの影響再発に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。
・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。
・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。
また、環境に配慮したメタル使用の義務化などが欧州で進む場合などのコストアップ(グリーン・メタルの義務化によるコスト増加)。
・資源ナショナリズムの高まり。インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。
・1月の米上院決定投票で民主党が過半数を確保し、「トリプルブルーリスク」が顕在化、脱炭素の動きが加速していわゆる省エネ金属の需要が増加する場合。
【投機筋のポジション動向】
・LME投機筋買い越し金額 前週比+6.5%の295億ドル(前週 277億ドル)・LME投機筋買い越し数量 前週比+2.6%の6,699.6千トン(前週 6,532.9千トン)
---≪鉄鋼原料≫---
【鉄鋼原料価格見通し】
鉄鉱石価格は、中国の景気先行指標をみるに堅調な推移を続けると考える。貿易統計で確認できるように鉄鋼製品輸入が増加し、輸出が減少。中国の顕在需要が増加していることを示唆している。鉄鉱石在庫は積み上がっているが日数ベースでは在庫水準は低く、需給はタイトとみられるため。
11月の中国の鉄鋼業PMIを見ると、閾値の50は下回っているものの、新規受注の改善(44.9→47.2)、輸出向け新規受注の悪化(52.0→45.9)を考えると、明らかに「国内向けの新規受注」が増加していることを示唆する内容。
今後も中国政府のインフラ投資を柱とする経済対策が、来年7月の中国共産党結党100周年記念まで続くと予想されること、中国国内の鉄鋼原料在庫水準が低いことから(鉄鋼製品在庫の水準は増加)在庫積み増し需要も継続する可能性が高く、基本は底堅い推移となる。
ただし価格上昇が需要の減少を引き起こすレーショニングが意識されるほか、南米生産者の増産見通しを考えると上値も重いと考える。
中国の鉄鋼製品の輸入は通常、平均で110万トン程度なのだが、11月は185万トン(前月193万トン)と減少傾向を持続した。10月の国内生産も9,220万トン(前月9,256万トン)と過去最高水準を記録した8月からは減速している。
その一方、鉄鋼製品輸出440万トン(前月404万トン)と増加している。このことは中国の鉄鋼製品の国内需要が減速し、顕在需要が減少を始めている可能性があることを示唆するものだ。
弊社はこの鉄鋼製品の輸出入動向に注目しているが、このまま輸入の減少・輸出の増加が続くようであれば、国内の景況感が悪化している可能性があるため要注意である。
なお、中国の鉄鋼製品需要は旺盛とみられるが在庫水準は前週比▲69万5,000トンの914万5,000万トン(過去5年平均 811万8,000トン)と、例年よりも在庫水準は高い。
しかし、国内の鉄鋼製品在庫の減少ペースは例年を上回っており、鉄鋼製品輸出も減少、輸入が増加している状況で、中国の鉄鋼製品需給はまだタイトな状態といえる。しばらくは鉄鋼製品の需要が鉄鉱石需要を牽引する状態が続くと見られる。
原料である鉄鉱石の11月の輸入は前年比+8.3%の9,815万トンと高い水準を維持している。しかし10月の前年比+14.9%の1億674万トン、9月の+9.2%の1億855万トンからは減速傾向となっており、中国の国内需要が減速している可能性を示唆する内容。それでも、前年比大幅なプラスであり、中国の国内需要の絶対水準は高い。
鉄鉱石港湾在庫は前週比▲285万トンの1億2,580万トン(過去5年平均1億2,199万4,000トン)、在庫日数は▲0.6日の25.2日(過去5年平均 31.6日)と例年と比較して在庫日数の水準は低く、輸入需要は持続するものと思料。
原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。しかし、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから、海上輸送原料炭価格の上値も重い。
一方、中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は急速に増加しているが、依然として過去5年の最低水準であることから価格の下支え要因となる。
【見通しの固有リスク】
・鉄鉱石価格の上昇がレーショニング(価格上昇による需要減少)を引き起こす場合。
・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。
・コロナウイルスの感染拡大長期化による、鉱山生産の減少リスク。
・カシミール地方を巡る中国との領有権争いが激化した場合、インドが中国に対して鉄鉱石輸出を制限する可能性(中国のFOBインデックスは上昇、その他の地域の鉄鉱石価格は低下)。
【投機筋のポジション動向】
---≪貴金属≫---
【貴金属価格見通し】
<<金>>
金は高値を維持すると考える。金融緩和の継続と、株価の上昇に伴う長期金利上昇圧力がせめぎ合う形で実質金利を現状水準に維持すると考えられることから。
なお、リスクオンはドル安で価格上昇、リスクオフで価格下落となる(詳しくは2020年10月12日付のMRA's Eyeをご参照ください)。
現在の金の実質金利で説明可能な価格(金基準価格)は長期金利の上昇で1,650ドルと、長期金利の低下による実質金利の低下が水準を押し上げている。そこからの乖離(リスク・プレミアム)は174ドルと前日比▲13ドル下洛した。
なお、金価格を実質金利要因と為替要因に分類した場合、為替要因はリスク・プレミアムのところに内包されると整理している(為替は名目金利の影響も受けるので、純粋に為替の要因のみ切り出すのが困難であることから)。
※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。
<<銀>>
銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、76.7倍。過去1年を基準にすると95倍程度、5年では80倍、2000年以降では65倍程度が妥当だが、足元、80倍程度で落ち着いている。
金は高値を維持する見通しだがバイデン大統領誕生見通しであり、太陽光発電向けに用いられる「バイデン銘柄」であることもあって、需要構造の変化が価格を下支え(金銀レシオは低下)するものと予想。
なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)する点は留意。
(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%
金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%
<<PGM>>
プラチナ価格は銀価格との連動性が高い。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによる。足下は、各国の自動車セクターの回復期待が強まっており、工業需要回復期待が価格を押し上げている状況。
仮に脱炭素が進んで水素が用いられ、燃料電池が進むのであればプラチナの構造的な需要が増加するシナリオは、需要・価格面でのポジティブリスクシナリオ。投機の比率が高い商品であるため、こうした観測記事だけでも材料に価格が反応しやすい。
パラジウムは価格は景気の先行き楽観が強まっているが、足下のコロナの感染拡大がこれを相殺するため、現状水準でのもみ合いを予想。
ETF残高とパラジウム価格の連動性が高まっており(管理在庫増加→価格上昇)、一時の、ETF管理在庫減少→価格上昇、のメカニズムから変化してきている。
在庫取り崩し→価格上昇は実際に需給がタイトで、現物確保のためにETFを取り崩さなければならなかったからだが、現在はこれと逆のことが発生している訳で、足元、パラジウムの需給は緩和していると見られる。今後はETFの動向に注目。
11月の米自動車販売は年率1,555万台(市場予想 1,610万台、前月 1,621万台)と減速した。長期金利の上昇が影響したと見られる。
中国の10月の自動車販売は中国自動車工業協会の速報で前年比+12.6%の257万3,000台(前月+13.0%の256万5,201台)。
自動車販売は回復しているが、不要不急の消費であるため中国を除いては本格的な回復にはまだ時間がかかる見込み。
【見通しの固有リスク】
・世界的な成長力の低下に伴い、各国の財政状況が悪化、地政学的リスクが顕在化する場合(中東・北アフリカのリスク顕在化の可能性は低くない)。リスク・プレミアム上昇を通じて貴金属価格の上昇要因に。
・米中の対立激化。米国は今回のウイルス問題で、中国の医療面、人工知能を含むIT面に脅威を感じた可能性は高く、対立が激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。
・英国のブレグジットは、FTA合意なき離脱となるリスクが残存しており、その場合のインパクトは無秩序離脱と同レベルになると考えられ、金価格の上昇要因に。
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。
・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。
環境重視型社会へのシフトはパラジウム需要を増加させるが、さらに加速して「水素社会」まで到達すると、燃料電池車需要が増加して構造的にプラチナ価格の上昇要因となる可能性。
・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が不安定であることによる供給懸念。
【投機筋のポジション動向】
・直近の投機筋のポジションは、金はロングが338,271枚(前週比 +13,927枚)、ショートが69,051枚(+5,021枚)、ネットロングは269,220枚(+8,906枚)、銀が79,310枚(+2,287枚)、ショートが30,934枚(+1,803枚)、ネットロングは48,376枚(+484枚)
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
プラチナはロングが36,299枚(前週比 +3,246枚)ショートが11,797枚(+770枚)、ネットロングは24,502枚(+2,476枚)
パラジウムが5,474枚(▲140枚)、ショートが2,863枚(+273枚)ネットロングは2,611枚(▲413枚)
---≪農産品≫---
【穀物価格見通し】
穀物価格はトウモロコシ・大豆は期末を控えた売りでいったん調整すると考える。
しかし、中国の大豆在庫水準の低さと大豆油価格の上昇を受けた大豆輸入需要は旺盛であり、当面、需要面が価格を支えると考える。
なお、中国の豚肉価格は下落する一方、豚肉の輸入量も減少している。このことは中国の畜豚数の増加(大豆ミール需要の増加)=大豆需要の増加、を示唆している。当面、中国向けの輸出が中国側の事情で増加すると見られることが価格を下支えすると予想。
小麦はさほど投機の買いポジションが積み上がっている訳ではないが、各地で生産見通しが引き上げられており、やや軟調に推移。
バッタ被害はLocust Watchでは、エチオピア、イエメン、ケニア、サウジアラビアの一部で深刻な状態が続いている。
西部に広がっていたバッタの固体(群棲相を形成していない)はチャドとモーリタニアで拡大しており、影響拡大への懸念がやや強まっている。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/201101forecast.jpg
やや懸念されるのが、サイクロン「Geti」がソマリアを通過すること。これにより水分が土壌に供給され、植物も生長することから越冬するバッタが増加するとみられる。来年のリスクは小さくなくなっている。
http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/20112306gati.jpg
【見通しの固有リスク】
・ラニーニャ現象の発生による穀物供給減少リスクの顕在化。害虫の発生、生産地の土壌破壊など(すでに一部顕在化)。
・環境重視型社会へのシフトにより、燃料向け穀物需要が増加する場合(価格の上昇要因)。現在はそれほどの数量でもない、バイオディーゼル向けの大豆需要増加など。
・新型コロナウイルスの影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。
【米農務省需給報告データ】
・米穀物作付け意向面積トウモロコシ 9,699万エーカー(市場予想 9,412万エーカー)大豆 8,351万エーカー(8,502万エーカー)小麦 4,466万エーカー(4,495万エーカー)
・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)
・12月米需給報告単収見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 175.8Bu/エーカー(NA、175.8)大豆 50.7Bu/エーカー(NA、50.7)小麦 49.7Bu/エーカー(NA、49.7)
・12月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 145億700万Bu(NA、145億700万Bu)大豆 41億7,000万Bu(NA、41億7,000万Bu)小麦 18億2,600万Bu(NA、18億2,600万Bu)
・12月米需給報告輸出見通し(実績/前月)トウモロコシ 26億5,000万Bu(26億5,0500万Bu)大豆 22億Bu(22億Bu)小麦 9億8,500万Bu(9億7,500万Bu)
・12月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 17億200万Bu(16億9,100万Bu、171億200万Bu)大豆 1億7,500万Bu(1億6,912万Bu、1億9,000万Bu)小麦 8億6,200万Bu(8億7,652万Bu、8億7,700万Bu)
・9月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 19億億9,500万Bu(22億6,554万Bu、52億2,400万Bu)大豆 5億2,300万Bu(5億7,838万Bu、13億8,600万Bu)小麦 21億5,900万Bu(22億4,035万Bu、10億4,400万Bu)
・12月CONABブラジル作付け面積(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1,844万ha(1,943万ha、1,844万ha)大豆 3,818万ha(3,845万ha、3,825万ha)
・12月CONABブラジル生産量(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 1億259万トン(1億938万トン、1億489万トン) 単収 5,564Kg/ha(5,630kg/ha、5,688kg/ha)大豆 1億3,445万トン(1億3,325万トン、1億3,495万トン) 単収 3,522Kg/ha(3,468kg/ha、3,528kg/ha)
【投機筋のポジション動向】
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
トウモロコシはロングが565,166枚(前週比 +3,923枚)、ショートが130,401枚(+4,110枚)ネットロングは434,765枚(▲187枚)
大豆はロングが310,089枚(▲6,464枚)、ショートが41,121枚(▲3,103枚)ネットロングは268,968枚(▲3,361枚)
小麦はロングが119,536枚(+3,093枚)、ショートが105,770枚(+1,258枚)ネットロングは13,766枚(+1,835枚)
◆本日のMRA's Eye
「中国の豚肉生産増加の影響」
先日発表された中国の消費者物価指数は、前年比▲0.5%(市場予想±0.0%、前月+0.5%)と予想を上回る低下となった。
中国の消費者物価指数が大きく動いたときは、豚肉の価格が大きく変化していることが多い。
今回は中国国内の豚肉供給が増加していることに加え、統計のマジック(現在の絶対価格の水準は高くても、前年との比較であればマイナスとなる)に因るものだが、総じて中国国内の養豚数は回復しているようだ。
米農務省のレポートでは、2021年の中国の豚肉生産は4,150万トンと豚熱の影響で生産が大幅に減少した昨年の3,800万トンからは回復する見通しである。実際、中国の豚肉輸入量は今年の7月に43万トンを記録したが、直近10月のデータでは33万トンに減少している。
しかし、輸入量が減少しているにも関わらず中国の豚肉卸売価格は水準を切り下げている。このことは価格高騰による国内の豚肉需要減少もあろうが、それ以上に国内生産がすでに回復基調にあることを示唆している。
ただし、豚熱発生前の5,400万トン水準への回復にはまだ時間が掛りそうだ。これに伴い、中国の豚肉輸入も2020前年比で▲30万トン少ない450万トンに減少するとみられるが、それでも豚熱発生前の2倍を超える水準であり、引き続き輸入市場は逼迫した状態が続くと予想される。
中国の養豚数の増加はその他の農産品価格にも大きな影響を及ぼすことになる。直接的に影響が大きいのは大豆であり、2020ー2021年の中国の大豆輸入は前年比+147万トンの1億トンに達する見込みである。
輸入増加の背景は、豚の飼料需要が減少したことに伴い国内の大豆ミール需要が減少していたが、養豚数の回復が見込まれることから大豆ミールの飼料向け需要が+591万トンの7,617万トンに増加すると予想されていることがある。
また、中国でも重要な食用油である大豆油も、食品向けの需要が+160万トンの1,869万トンに増加するとみられている。これに伴い代替品だったパーム油の需要を下押しするだろう。
こうした需要増加見通しが背景にあるものの、中国の大豆在庫水準は597万トンと同じ時期の過去5年平均である650万トンを下回っており、中国は輸入を増やさざるを得ず、米国と中国の通商合意履行の意思がなくとも、輸入は増加することが予想される。あくまで「中国の事情」に因るものといえるだろう。
しかし、このコラムでも何回か指摘しているように、現在のシカゴ先物市場での投機の買越しポジションは季節的に記録的な水準となっている。注目すべきは、この時期に米国大豆先物の投機ロングポジションが増加することはほとんどなかった点だ。
そのため、現物を必要としない投機筋は、いずれかのタイミングでポジション解消を行う可能性が高く、南米産大豆に需要がシフトする中で短期的に調整圧力が強まる可能性は高い。
しかし、中期的には上記の理由で中国の需要が旺盛とみられることや、コロナからの回復で輸送需要が回復する中で、バイオ燃料向けの大豆需要の増加も予想される。また、穀物生産への影響が大きいとされるラニーニャ現象の発生もあって、大豆を初めとする穀物は2021年も底堅い推移になるのではないか。
◆主要ニュース
・12月日銀短観業況判断DI(3ヵ月後見通し/現状/前回)
大企業製造業 ▲8/▲10/▲27
中堅企業製造業 ▲17/▲17/▲34
中小企業製造業 ▲26/▲27/▲44
大企業非製造業 ▲6/▲5/▲12
中堅企業非製造業 ▲17/▲14/▲23
中小企業非製造業 ▲20/▲12/▲22
雇用人員判断DI(過剰-不足)
大企業全産業 ▲7/▲4/▲2
中堅企業全産業 ▲12/▲10/▲7
中小企業全産業 ▲16/▲13/▲6
新卒採用計画(2021年度/2020年度)
大企業全産業 前年比▲7.5%/▲1.5%
中堅企業 ▲10.2%/▲3.5%
中小企業 ▲2.0%/▲2.9%
需給判断DI(需要超-供給超)
大企業製造業 ▲19/▲21/▲28、大企業製造業海外 ▲16/▲17/▲26
中小企業製造業 ▲34/▲35/▲43、中小企業製造業海外 ▲28/▲31/▲39
在庫判断DI(過大-不足、現状/前回)
大企業製商品在庫 18/24、中小企業在庫 20/25
大企業流通在庫 15/23、中小企業流通在庫 24/31
価格判断DI(上昇-下落)
大企業製造業販売価格 ▲7/▲6/▲8、大企業製造業仕入 11/5/2
中小企業製造業販売価格 ▲5/▲5/▲8、中小企業仕入 22/16/14
生産・営業設備判断DI(過剰-不足)
大企業製造業 9/13/15
中堅企業製造業 9/11/14
中小企業製造業 8/13/17
設備投資計画前年比(前年度) 大企業製造業 ▲0.5%(+4.3%)
中堅企業製造業 ▲4.5%(▲8.8%)
中小企業製造業 ▲11.3%(▲1.2%)
大企業非製造業 ▲1.6%(▲2.0%)
中堅企業非製造業 ▲3.3%(▲1.8%)
中小企業非製造業 ▲15.4%(+0.5%)
・10月日本鉱工業生産改定 前月比+4.0%(速報比+0.2%、前月改定+3.9%)前年比▲3.0%(+0.2%、▲9.0%)
出荷+4.9%(+0.3%、+3.9%)、▲3.0%(+0.2%、▲9.8%)
在庫▲1.8%(▲0.2%、▲0.5%)、▲8.1%(▲0.2%、▲5.7%)
・10月日本設備稼働率 前月比+6.0%(前月+6.4%)、前年比▲2.5%(▲8.1%)
・11月インド卸売物価指数 前年比+1.55%(前月+1.48%)
・11月中国新築住宅価格 前月比+0.12%(+0.15%)
・11月独卸売物価指数 前月比+0.1%(前月▲0.2%)、前年比▲1.7%(▲1.9%)
・米国、スーダンのテロ支援国家指定を解除。
・米バイデン候補、選挙人の過半数の票を確保。次期大統領確定。
◆エネルギー・メタル関連ニュース
【エネルギー】
・OPEC月報
世界石油需要 Q121:94.0、Q221:95.7、Q321:96.6、Q421:97.3、2021:95.9
非OPEC供給(含むNGLs) Q121:62.5、Q221:63.0、Q321:63.7、Q421:64.9、2021:63.5
Call on OPEC Q121:31.5、Q221:32.7、Q321:32.9、Q421:32.4、2021:32.4
※2021年の需要見通しを下方修正。コロナの影響を受けて需要の回復に不確実性が多いため。Call On OPECは減少。
・イラン ロウハニ大統領、「米国が核合意に復帰するならばイランもそのようにする。」
・イラン ザンギャネ石油相、「イランは原油・ガスコンデンセートで日量450万バレルの生産を目指す。米国が制裁を緩和すれば輸出を230万バレルに増加させる。」
・サウジアラビアのジッダ沖でサウジアラビアのタンカーが攻撃を受けて爆発。
【メタル】
・Freeport、Kisanfu銅・コバルトプロジェクトをChina Morlybdenum Coの子会社に売却。
・FreeportはChina Copper、Jiangxi Copper、Tongling Nonferrousと2021年のTC/RCについて59.50/5.95(2020年62.0/6.2)で合意。この10年で最低水準。
・中国鉄鋼メーカー、当局に対して投機的な取引の抑制を求める。
◆主要商品騰落率
【上昇率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ビットコイン ( その他 )/ +6.06%/ +168.21%
2.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +3.93%/ +55.04%
3.ICEアラビカ ( その他農産品 )/ +3.74%/ ▲4.74%
4.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ +3.51%/ +22.52%
5.SHFニッケル ( ベースメタル )/ +3.50%/ +19.46%
【下落率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.SGX鉄鉱石 ( 鉄鋼原料 )/ ▲2.50%/ +65.30%
65.CBT小麦 ( 穀物 )/ ▲2.42%/ +6.22%
64.ICE粗糖 ( その他農産品 )/ ▲2.15%/ +5.22%
63.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ ▲1.55%/ +17.54%
62.SHF亜鉛 ( ベースメタル )/ ▲1.49%/ +18.72%
※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。
◆主要指標
【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :29,861.55(▲184.82)
S&P500 :3,647.49(▲15.97)
日経平均株価 :26,732.44(+79.92)
ドル円 :104.05(+0.01)
ユーロ円 :126.36(+0.35)
米10年債 :0.89(▲0.00)
中国10年債利回り :3.30(±0.0)
日本10年債利回り :0.01(▲0.00)
独10年債利回り :▲0.62(+0.02)
ビットコイン :19,199.17(+1097.79)
【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :29.94(▲0.37)
エネルギー :35.01(▲0.8)
ベースメタル :18.14(▲0.29)
貴金属 :25.32(▲0.51)
穀物 :18.27(+0.48)
その他農畜産品 :38.78(▲0.51)
【主要商品ボラティリティ】
WTI :23.59(▲2.62)
Brent :22.46(▲0.8)
米天然ガス :65.16(+1.29)
米ガソリン :27.36(▲2.79)
ICEガスオイル :25.37(▲0.46)
LME銅 :16.78(▲1.75)
LMEアルミニウム :14.82(+0.13)
金 :14.26(+0.17)
プラチナ :30.27(▲2.2)
トウモロコシ :16.47(+0.67)
大豆 :14.26(+0.17)
【エネルギー】
WTI :46.99(+0.42)
Brent :50.38(+0.41)
Oman :50.61(+0.52)
米ガソリン :131.91(+1.14)
米灯油 :145.44(+1.75)
ICEガスオイル :417.75(+5.75)
米天然ガス :2.68(+0.09)
英天然ガス :48.17(+1.82)
【貴金属】
金 :1827.35(▲12.50)
銀 :23.84(▲0.11)
プラチナ :1010.72(▲2.07)
パラジウム :2301.99(▲19.76)
※ニューヨーククローズ。
【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :7,787(+27:24C)
亜鉛 :2,827(▲11:32C)
鉛 :2,053(▲7:8C)
アルミニウム :2,054(+20:11.5C)
ニッケル :17,651(+397:57C)
錫 :19,670(+165:20B)
コバルト :31,687(▲14)
(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :7780.00(+11.50)
亜鉛 :2836.50(+52.00)
鉛 :2030.00(▲27.00)
アルミニウム :2047.50(+15.50)
ニッケル :17640.00(+305.00)
錫 :19625.00(+95.00)
バルチック海運指数 :1,211.00(+50.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック
【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :159.25(+1.89)
SGX鉄鉱石 :151.3(▲3.88)
NYMEX鉄鉱石 :149.6(▲2.42)
NYMEX豪州原料炭スワップ先物 :101.21(±0.0)
大連原料炭先物 :235.95(+3.00)
上海鉄筋直近限月 :4,400(±0.0)
上海鉄筋中心限月 :4,026(▲82)
米鉄スクラップ :450(▲1.00)
【農産物】
大豆 :1169.50(+9.00)
シカゴ大豆ミール :380.80(▲3.30)
シカゴ大豆油 :40.11(+0.53)
マレーシア パーム油 :3740.00(+31.00)
シカゴ とうもろこし :419.25(▲5.00)
シカゴ小麦 :593.50(▲14.75)
シンガポールゴム :237.90(+5.90)
上海ゴム :14315.00(+115.00)
砂糖 :14.12(▲0.31)
アラビカ :123.55(+4.45)
ロブスタ :1349.00(+14.00)
綿花 :74.67(+0.59)
【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :64.90(+0.23)
シカゴ生牛 :109.10(+0.35)
シカゴ飼育牛 :140.03(+0.30)
※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。