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中国不在で景気循環系商品売られる
  • MRA商品市場レポート

2020年10月2日 第1831号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「中国不在で景気循環系商品売られる」

【昨日と本日の各セクターショートコメント】

◆エネルギー:大幅下落。ブレグジットを巡る混乱や欧州でのコロナ感染拡大、OPEC増産報道が売り材料となった。

本日は昨日の下落が大きかったため買戻しが入るだろうが、欧州中心に経済活動が停滞する可能性が高まっているため、総じて軟調な推移に。

◆非鉄金属:中国勢不在の中で利益確定の売りに押されて大幅に下落。

昨日の下落が大きかったことからまず買戻しが入ると考えられるが、中国勢が不在の中で買い手が減少しており、投機の売り圧力が強いことから、結局軟調な推移に。

◆鉄鋼・鉄鋼原料:鉄鉱石価格は下落、原料炭価格は横ばい、鉄鋼製品は中国市場が休場。

中国勢が長期連休で買い手不在の中、軟調な推移を予想。

◆貴金属:上昇。長期金利低下に伴う実質金利の低下が材料となった。PGMも金の戻りに連れ高。

欧州情勢不安もあり、高値圏でのもみ合い継続。PGMは米自動車販売が市場予想を上回る回復となったことを受け、需要増加観測で上昇へ。

◆穀物:トウモロコシは上昇、大豆は横ばい、小麦は下落。ポジション調整的な動きで。

四半期末在庫減少とドル安を受けて上昇余地を探る展開を予想。

※より詳細な説明は以下をご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、その他農産品や貴金属などのいわゆる非景気循環銘柄が売られ、原油や銅などの景気循環銘柄が売られる流れとなった。

世界の国で「前年よりもよくなっている」のは公共投資などの政府の対策にけん引されている中国程度だが、中国が10月の大型連休に突入したため買い手が不在となり、市場の需給バランスが短期的にでも緩和方向にシフトしている、とみられたことが売り材料となったようだ。

また、混乱している英国のブレグジット。EUが英国を提訴したことで、更に混乱するとみられたことも景気循環系商品価格の下押し要因となった。

昨日発表の経済闘鶏は一言で言えば悪くなく、むしろ良かったのだが、「改善ペースが鈍化」しており、この状態でさらに景気循環系商品を物色する、というマインドにはならなかったようだ。

金融政策は限界であり、市場は財政出動を期待している。その意味で政治的なイベントが価格に与える影響は非常に大きくなっている。

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【本日の見通し総括】

本日も「景気が良い」中国が大型連休で不在のため、景気循環系商品価格には下押し圧力が掛かる展開が予想される。しかし、緩和や経済対策への期待も根強いことから、下落余地も限定されると考えるのが妥当だろうか。

やや気になっているのが英国のブレグジット。おそらく年末までに何らかの合意にいたるとみているが、着地が見えないためにその間はリスクオフ材料となるだろう。

本日予定されている材料で注目は、やはり雇用統計。雇用者数の増加は前月比+87.5万人(前月+137.1万人)と増加ペースが鈍化する見込みで、市場は「回復ペースが弱まった」と判断するかもしれない。

より注目しているのは解雇者数と失業者数。一時解雇ではなく、正式に解雇される解雇数が先月は415万人と増加している。前回、リーマンショック発生時に解雇者数が400万人を超えたのが2008年10月、この水準を下回ったのが2014年5月だ。つまり、回復まで6年弱かかっていることになる。

米国の労働者数は多い時でも1億6,500万人程度であり、400万人オーダーの失業が定常化した場合、それは労働者数がこの水準で一定とするならば、2.4%に該当する。この水準が根雪のように失業率に影響し、それが長期化した場合、米経済への影響は小さくはない。

【昨日のトピックス】

昨日発表された日銀短観は、市場予想は下回ったものの、業況判断指数は総じて改善傾向が強まる形となった。

明らかにコロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウン解除の動きが強まっていることを示唆する内容だった。しかし、欧米ではコロナウイルスの感染再拡大が確認され始めており、コロナショック前の水準に戻るには至っておらず、その状態になるには相当の時間を要するだろう。

先行き判断DIは大企業製造業が▲17、非製造業が▲11と改善が見込まれている。しかしやはりサービス業の回復はより緩慢だ。

2020年度の設備投資計画は全産業で前年比▲2.7%と、前年の▲0.6%から減速する見込みであり、前回調査からも▲1.9%下方修正されている。

通常、短観における設備投資調査は、9月に強い数字がでて12月に下方修正されるという動きになるが今回は製造業・非製造業とも悪化し、過去5年レンジを大きく下回っている。やはり、コロナの影響と、円高の進行に伴い設備投資には慎重とみられる。

なお、景況感判断の指標として弊社が参考にしている大企業の需給判断DIは、弊社の想定よりも早く底入れしていることが確認されており、状態に大きな変化がなければ2021年の後半に景気回復感が強まる可能性がある。

しかし、コロナ問題が解決しているわけではなく、従来の統計とは異なる回復過程を経ると考えられることから、引き続き弊社は景気の先行きについては慎重な見方を崩すべきではないと考えている。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

<<マクロ要因>>

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標は回復基調にあるものの、米中以外はまだ低迷した状態。

製造業・サービス業とも経済活動が回復しているが、コロナ以降の生活様式の変化でロックダウン解除や政策を織り込んだ回復はそろそろ限界。今後、感染ピークになる可能性がある冬場に向けて一時的に調整する可能性。

・世界景気の減速観測。IMFは2020年の経済見通しを大幅に引き下げ(▲3.0%→▲4.9%)ている。2021年に関しても+5.8%→+5.4%と下方修正した。

結局、コロナウイルスの影響が2021年意向も残存することが前提となっている。ただ、この冬場の再ロックダウン時の経済への影響は、2020年初に見られたほどの過激なものにはならず、半分程度にとどまるケースをメインシナリオとしている。

・各国中央銀行、特に先進国の中央銀行はコロナ対策で政策金利をほぼゼロ近傍まで引き下げており量的緩和規模も拡大、これ以上打てる手がなくなった状態。

もちろん、量的緩和規模の拡大や投資対象の拡大などの追加手段は考えられるが、経済への直接的な影響は、先行事例である日本や欧州を見るにそれほど大きくない。

クライシスが再び発生した場合のリスクはより高まっていると考えるべき。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q319の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.3%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

<<特殊要因>>

・コロナウイルスが冬場に再拡大し、北半球の冬場に再度感染拡大→経済活動自粛、という流れになるリスク。

同時にワクチン開発が進捗して経済活動の回復が加速することも、景気循環系商品にとってはアップサイドのリスクに。

・米中の対立激化による新冷戦構造の発現。

米国が中国と共生体制になっていのは経済的なメリットがあったからだが、リーマンショック、コロナショックを通じて中国よりもデメリットが大きい(人民元安誘導など)ことがわかったため、米国が中国からのデカップリングを進める可能性は高い(むしろもうメインシナリオと考えるべきか)。

・米大統領選挙を巡る混乱。

反中に転じたバイデン氏が今のところ有利に選挙戦を進めているとみられるが、バイデン勝利の場合、より他国と連携して中国包囲網を強めるとみられるため、貿易量の減少を通じて景気循環系商品価格の下落要因に。

また、バイデン勝利の場合増税への懸念が強まるため株価にはマイナスと判断されており、この場合、株下落に伴う逆資産効果で商品価格の下押し要因となる可能性。

・生産拠点を自国に回帰させる動きや、リモートの定着による成長鈍化が、新興国(資源国の多くも新興国)の財政状況を悪化させ、自国を含む域内景気への悪影響を及ぼす懸念(価格の乱高下要因)。

・欧州の政治混乱(トルコと欧州の関係悪化、ハードブレグジットなど)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

<<投機・投資要因>>

・年後半に再度ロックダウンが始まり、投機の買いで上昇したリスク資産価格(特に株)が下落するリスク。

・コロナウイルスのワクチンが年内に開発完了、欧米が集団免疫を獲得しコロナ禍が想定よりも早く収束した場合(多くの景気循環銘柄価格の上昇要因に)。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格は大幅に下落した。9月のOPEC生産が増加したとの報道や、米統計が市場予想をやや下回ったこと、英国のブレグジットを巡る混乱、欧州でのコロナ感染拡大が材料となった。

正直、固有の材料に乏しく、周辺材料並びにチャートのテクニカル要因で価格が動いているとの印象だが、200日移動平均線が100日移動平均線に対してデッドクロスとなりかかっており、テクニカルに大きく調整刷る可能性が出てきている。

【原油価格見通し】

原油価格はまだもみ合うものと考える。本日は昨日の下げ幅が大きかったことから買戻しが入るだろうが、世界的な需要の回復の遅れや今後のロックダウン再開への懸念、引き続きチャートのテクニカル要因が価格に与える影響が大きいと考えられることから。

目先のテーマは大統領選や英国ブレグジットを巡る混乱などの政治要因だが、これらはどのように転ぶかわからないため、明らかになるまでは基本的には「リスクオフ」の材料とされやすい。

但し金融緩和は継続し、大きく下落する局面ではOPECプラスも追加減産をためらわないとみられること、減速しつつも景気は中期的に回復基調にあることから下落余地も限定されると考える。

やや懸念すべきは、需要減速、価格下落局面でよく見られることであるが、OPECの抜け駆けが続き、結束が揺らぐリスクである。この場合、原油価格は大きく下落することになる。10月に予定されているOPECプラスには注目したい。

米中対立やそれに伴う経済活動への悪影響、実は世界のコロナ感染者数の増加ペースが加速していることを考えると、このタイミングでコロナ以前の水準に経済活動が戻るとは考え難く、上昇リスクよりは、価格急落への備え(場合によってはプットオプションの活用など)を検討すべきだろう。

なお、DOEは2019年の水準に需要が回復するのは2022年頃になると予想している。

原油価格が低水準で推移した場合、米シェールオイルの生産者のコストは平均で40ドル近辺(32ドル~60ドル程度)、カナダのオイルサンドからの生産者のコストも40ドル程度であることから、時間経過とともに減産が進捗すると予想される。

場合によると経営破綻、という形で減産が進む可能性もあるが、価格下落リスクヘッジをしている生産者もファイナンスが困難になっているため、資金繰りが意識される3、6、9、12月末のリスクは高まるだろう。

生産調整の議論の次に考えるべきは、「コロナ終息後(ワクチン・治療薬の開発完了後)の供給」である。今のところ夏頃から経済活動が再開されるとみられるが、この時の減産規模縮小のタイミングを誤ると、価格が大きく上昇するリスクが出てくる。

現在すべての産油国が追加減産を実施しているが、減産後の稼働再開には時間が掛るため、供給が間に合わない可能性がある。中東の産油国でも1ヵ月程度、米シェール企業の場合は増産を決断してから実施されるまで、6~7ヵ月はかかる。

さらに価格低迷が産油国の体制を揺るがすため、供給が途絶して急騰、というリスクもあり得る。特に中東北アフリカ諸国ではコロナウイルスの感染が拡大した場合、治安の不安定化で政権の維持が困難になり、供給自体に支障をきたす可能性もある。

足元の価格上昇を受けてOPEC諸国が増産に転じれば、逆にその体制崩壊のリスク→価格上昇のリスクを高めることになる。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は横ばい。季節的に中国の輸入需用が増える時期にあるため水準が切り上がっている。

石炭輸入の指標であるバルチック海運指数が上昇していたこと、中国国内炭価格の上昇があったことで海外炭との価格差が拡大していたことが背景。

【石炭価格見通し】

石炭価格は海上輸送価格が上昇すると考える。最大消費国である中国の景況感回復を受けた国内炭価格の上昇と、ピークシーズンを控えた在庫積み増しの動きを受けて、割安な海上輸送炭価格に上昇圧力が掛かると予想されるため。ほぼ予想通りの展開。

また、欧州の在庫減少に伴う天然ガス価格の上昇も価格押し上げに寄与すると予想される。

8月の中国の石炭輸入は前月から減少。前年水準を▲37.3%の2,066万トン(前月▲20.6%の2,610万トン)と大きく下回っている。中国は国内の石炭産業の強化を目的に国内生産を増加させる方向性に舵を切っているが、足元は冬場に向けた在庫積み増しの動きが見られていると考えられる。

今のところそこまで豪州炭価格が上昇していないのは、中国の制裁による影響が大きいため。

なお、大きく水準を切り下げていた中国の港湾在庫は再び減少しており、足元、過去5年平均を下回っている。国内の需給は徐々にタイト化しているとみられる。

低い水準で安定していた石炭のボラティリティは40%を上回った。VaRの概念では、現在の価格を60ドル程度とすれば、7割の確率で1年後の価格が±24ドル変動する状態であり、価格の変動リスクは増している。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産継続で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・最大消費国である米国の石油製品出荷は前年比▲15%内外の大幅減少の状態であり、短期的な需要の方向性はマイナス(原油価格の下落要因)。

世界2位の消費国である中国の需要の指標である工業生産は市場予想を上回るマイナス幅の縮小となったが、小売売上高は前月から改善

・1-8月の中国工業生産は前年比+0.4%(1-7月期▲0.4%)、月次ベースでは前年比+5.6%(前月+4.8%)と回復が加速した(フロー需要の回復=価格の上昇要因)。

回復ペースは市場予想を上回っており、企業活動が加速していることをうかがわせる内容。

・1-8月の中国小売売上高は前年比▲8.6%の23兆8,029億元(1-7月期▲9.9%の20兆4,459億元)、月次ベースでは前年比+0.5%の3兆3,571億元(前月▲1.1%の3兆2,203億元)とプラスに転じた。

中国の個人消費が回復基調にあるのは事実だが、まだ年初来の累計はマイナスであり、欧州で再度ロックダウンの懸念が強まっているため輸出需要が減速する可能性があることは価格の下落要因となる可能性(フロー需要の回復鈍化=価格の上昇を抑制)

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・競合燃料である天然ガス・LNG価格が供給過剰で低迷、石炭価格の下落要因。

<<特殊要因>>

・UAEとイスラエルが国交正常化に向けて舵を切り、バーレーンもこれに続いた。中東の力学に変化が起きる可能性がある。

今後、オマーンやサウジアラビアなどがこれに追随するかどうかはまた不透明であり、メディアが取り上げる「イラン包囲網」が広がる可能性は高いとは言えない。

しかし、この動きが加速すれば、同地域での親イラン国との対立を強める可能性。地政学的な不安定さは、巡り巡って供給懸念を引き起こし、価格の押し上げ要因に。

・原油価格下落とコロナウイルス感染拡大による治安悪化、コロナ問題を背景に米・欧軍が中東から撤退、それを受けたISの伸長が域内情勢を不安定化させ、原油生産・供給に悪影響を与える場合(価格の上昇要因)。

また、域内で武力衝突が発生し、難民が欧州に流入した場合欧州域内の政情が混乱するため景気を下押しし、原油価格の下落要因に。

・原油価格下落を受けてOPECプラスの結束が揺らぐ場合。抜け駆け増産の加速で大幅な下落となるリスクも。

<<投機・投資要因>>・WTIは先週から転じてロング・ショートとも減少、期末を控えた動き。Brentはロング増加、ショートが減少し、これも先週と逆の動きとなった。同様に期末を控えた動きとみられる。

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが647,934枚(前週比 ▲1,159枚)ショートが175,165枚(▲24,184枚)ネットロングは472,769枚(+23,025枚)

Brentはロングが231,691枚(前週比+2,868枚)ショートが127,495枚(▲20,036枚)ネットロングは104,196枚(+22,904枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属は大幅に下落。最大の買い手である中国勢が昨日から大型連休で不在であり、買い手が不在である中、欧州情勢の不透明さから投機の利益確定の動きが強まったため。

新しい四半期に入りファンド勢が「スタートダッシュ」で利益確定の動きを強めた可能性は高い。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は中国勢不在の中、投機の売り圧力に押されて軟調な推移になると考える。

しかし、まだLME指定倉庫在庫の減少が続き、引き続き各国の経済対策期待や、最大消費国である中国の公共投資に主導された回復が続くと予想されるため、下落余地も限定されると予想する。

とはいえ、この四半期は政治的なイベントリスクが多くリスクマインドも高く、南半球も夏場に入って鉱山生産の回復が期待されることから、リスクは下向きとみている。

北半球の夏場の大規模ロックダウンは回避され、中国の公的需要に支えられた需要増加(今回の公共投資は5G分野やEVステーション設置などを予算を確保して行うため、規模はさておき「堅い」需要)が価格を支えるとしてきたが、すでに北半球は秋であり、南半球はコロナの影響が緩和すると期待される春だ。

欧州ではコロナの感染拡大が報じられており、経済活動の再停滞観測が強まりやすい。需給ファンダメンタルズの要件がこの数ヵ月で再び変わる可能性が有ることはリスク要因として意識しておくべきである。

なお、中国南部での大規模洪水は気象庁の異常気象モニターなどでは沈静化したようだ。
https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/weekly/

しかし現地のニュースを確認するとまだ洪水は続いている、とされておりなんとも言えない。洪水は中国の建設活動の停滞を通じて需要を下押しするが、洪水終息後は復興需要が見込めるため、価格の上昇要因になると整理できる。

なお、米中対立は選挙結果によらず、悪化すると予想される。トランプ大統領は米中デカップリングを公言してはばからず、野党民主党も手段の違いはあれどベクトルは同じだ。米中デカップリングは政権が変わろうとも、メインシナリオと考えるべきである。

長期的には環境面に配慮した「省エネ金属」需要が高まることから非鉄金属価格は上昇すると予想される。

具体例を挙げると、社会インフラとしてのバッテリー向け、電気自動車に使用される金属が対象となる(銅、アルミ、ニッケル、リチウム、コバルトなど)。

再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インドの構造的な需要が顕在化するタイミングになるだろうが、中国が1994年に人口ボーナス期入りし、非鉄金属価格が上昇を始めたのが2000年頃からであることを考えると、2023~2024年頃になるのではないか。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・9月の中国製造業PMIは51.5(前月51.0)と改善した。生産が回復し、新規受注も国内外ともに回復(新規受注 52.0→52.8、輸出新規受注 49.1→50.8)し、製造業を巡る環境が改善していることを伺わせる内容だった。

また、景況感を規模別に見てみても、悪化が続いていた中小企業の景況感が50を回復しており、想定以上に中国の製造業の状況は改善しているようだ。

ただし、完成品・原材料とも在庫が増加しており、新規受注/在庫レシオは低下しており中国国内の工業品需給は緩和し始めている可能性が高い。

・9月中国銅線生産者 98.7%(前月97.0%、過去4年平均 89.2%) 銅棒生産者 71.6%(72.7%、76.8%) 銅板生産者 69.4%(69.3%、72.5%) 銅管生産者 75.6%(77.9%、75.6%)

・8月中国銅精錬業者稼働状況 大規模事業者 90.9%(前月85.8%、過去5年平均 91.4%) 中規模事業者 85.2%(72.9%、74.8%) 小規模事業者 75.7%(72.0%、56.4%)

・1-8月の中国工業生産は前年比+0.4%(1-7月期▲0.4%)、月次ベースでは前年比+5.6%(前月+4.8%)と回復が加速した(フロー需要の回復=価格の上昇要因)。

回復ペースは市場予想を上回っており、企業活動が加速していることをうかがわせる内容。

・1-8月の中国固定資産投資には、年初来で前年比▲0.3%の37兆8,834億元(1-7月期▲1.6%の32兆9,214億元)と前年比プラスまでもう少しのところまできた。

すそ野の広い不動産開発も前年比+4.6%の8兆8,454億元(1-7月期+3.4%の7兆5,325億元)と回復基調が加速している(ストック需要の回復=価格の上昇要因)。

やや懸念すべきは、公的セクターの伸びが+3.2%(+3.8%)と伸びが減速、民間部門は回復しているが依然として▲2.8%(▲5.7%)と前年比マイナスである点。中国の需要の回復が公的需要にけん引されたものであることはほぼ間違いがないため、これまでの回復ペースにやや陰りが出た可能性がある。

・8月の中国の銅地金輸入は前年比+65.5%の66万8,486トン(+81.5%の76万2,211トン)、銅鉱石・精鉱輸入は前年比▲12.6%の158万7,000トン(▲13.3%の179万5,000トン)と、地金輸入が大幅な増加、銅鉱石輸入は減少傾向を継続している。

銅精鉱のTCは9月4日段階で51.5ドルと2014年以降の最低水準になっており、鉱石市場の需給がタイト化、中国の消費者は精錬品を物色している。

ただ、上昇していた銅の現物プレミアムは再び低下しており、中国の国内需要が減少している可能性が高い。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

<<特殊要因>>

・中国の大規模洪水の影響で中国の建設活動が大幅に停滞し、需要が減速する場合(価格下落要因)。しかし洪水終息後は復興需要が見込めるため、価格の上昇要因に。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

・資源ナショナリズムの高まり。インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展、インドの人種差別問題が反政府行動に繋がり、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)

<<投機・投資要因>>

・9月25日付のLME投機筋ポジションは再びロングが増加するながれだったが、銅や鉛、アルミなどではショートの積み上がりも顕著だった。

ここまでの価格上昇でショートがかなり買い戻され、ポジションが軽くなったことと、価格水準の高さが背景にあると考えられる。

投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は153.6億ドル(前週149.1億ドル)と、買い越し幅を拡大している。買い越し幅の増加率は+3.0%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで3,520千トン(3,420千トン)と買い越し幅を拡大した。買い越し枚数の増加率は+2.9%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向は海上輸送鉄鉱石スワップは下落、原料炭スワップ先物は横ばい、鉄鋼製品先物価格は休場だった。

中国勢不在で買い手が減少する中、売り圧力に押された形。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は高値圏で推移しつつも、水準を切り下げる展開を予想する。

南米の生産見通しはネガティブであるが、夏場が近いこともあり生産回復への期待が強いこと、鉄鋼業PMIを見るに鉄鋼業セクターの国内の状況はその他の統計の改善ほど良いとは言えないことが背景。

一方で、中国政府のインフラ投資が今後も継続する見込みであり、中国国内の鉄鋼原料在庫水準が低いことから在庫積み増し需要もあり、下落余地は限定されると考える。

中国南部の増水は継続しているようで、鉄鋼製品需要を減じること(終息後は復興需要で価格上昇要因となるが)、急上昇していたバルチック海運指数は減速しており、鉄鉱石の調達が減速する可能性を示唆している。ブラジルは鉱山生産を再開の見通しであるため、中国の需要面の影響による可能性がある。

原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。但し、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから上値も重い。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫はハリケーンの影響か、急速に減少しており過去5年の最低水準で推移している。

原料炭の先物期間構造は全ゾーンバックワーデーションとなっている。需給はタイト化している可能性が高い。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・9月の中国鉄鋼業PMIは43.9と前月の47.0から大幅に減速した。ピークシーズンの終了や、原材料価格の高騰がレーショニングを引き起こしたようだ。

しかし、降雨の悪影響が薄らぎ、自動車販売や不動産投資も好調であり、中国政府の公共投資需要などへの期待も強く見通しは強気の企業が多いようだ。

しかし冬場の暖房期に入ると発電向け需要が増加するため環境面から鉄鋼製品の増産には下押し圧力が掛かりやすく、新規受注在庫レシオも低下しており、鉄鋼製品・鉄鋼原料需給は緩和していることから鉄鉱石価格も下押しされよう。

・中国河北省の高炉稼働率は9月25日時点で77.1%(前週77.8%、過去5年平均81.1%)と小幅に低下した。しかし、過去5年平均を下回った状態が続き、高炉の稼働率はやや低水準で安定している。

・1-8月の中国工業生産は前年比+0.4%(1-7月期▲0.4%)、月次ベースでは前年比+5.6%(前月+4.8%)と回復が加速した(フロー需要の回復=価格の上昇要因)。

回復ペースは市場予想を上回っており、企業活動が加速していることをうかがわせる内容。

・1-8月の中国固定資産投資には、年初来で前年比▲0.3%の37兆8,834億元(1-7月期▲1.6%の32兆9,214億元)と前年比プラスまでもう少しのところまできた。

すそ野の広い不動産開発も前年比+4.6%の8兆8,454億元(1-7月期+3.4%の7兆5,325億元)と回復基調が加速している(ストック需要の回復=価格の上昇要因)。

やや懸念すべきは、公的セクターの伸びが+3.2%(+3.8%)と伸びが減速、民間部門は回復しているが依然として▲2.8%(▲5.7%)と前年比マイナスである点。中国の需要の回復が公的需要にけん引されたものであることはほぼ間違いがないため、これまでの回復ペースにやや陰りが出た可能性がある。

・中国の鉄鋼製品の輸入は通常、平均で110万トン程度なのだが、8月は224万トン(前月261万トン)と記録的な水準を維持している。国内生産も7月時点で9,336万トン(前月9,158万トン)と記録的な水準となっている。

このことは、中国の国内需要が旺盛であることを示唆している。

中国の鉄鋼製品在庫水準は前週比▲6.7万トンの1,553.5万トン(過去5年平均 1,037.5万トン)となった。例年よりも在庫水準は高い。

・8月の中国の鉄鉱石・精鉱輸入量は、1億36万トン(前月1億1,265万トン)と減速した。豪州からの輸出が中国の報復措置によって減少したことや、洪水の影響を受けて輸入が停滞したことが影響したためと考えられる。

ただし、中国の港湾在庫の水準は絶対水準が過去5年平均を下回り、在庫日数は過去5年の最低水準で推移しており、やはり国内のインフラ向け需要が旺盛であることを伺わせる。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比▲6.5万トンの1億1,830万トン(過去5年平均1億1,757万トン)、在庫日数は▲0.1日の22.6日(過去5年平均 27.4日)と例年と比較して在庫水準が低く、需給ファンダメンタルズはタイトな状態が継続している。

・8月の中国の石炭輸入は前月から減少。前年水準を▲37.3%の2,066万トン(前月▲20.6%の2,610万トン)と大きく下回った。中国は国内の石炭産業の強化を目的に国内生産を増加させる方向性に舵を切っており、輸入を抑制する可能性を否定していない。

原料炭の輸入は7月は前年比▲4.9%の737万トン(前月▲4.5%の626万トン)と前年比マイナスだが過去5年平均程度を上回り、再び輸入が加速した。

中国の主要な原料炭の輸入港である京唐の港湾在庫の水準は大幅に低下し、過去5年平均を下回っている。そのため輸入が回復したと考えられるが、国内生産の増加もあって前年比ではマイナスとなっているようだ。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、インフラ整備のための投資を拡大する方針(5年で約160兆円)であり、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

<<特殊要因>>

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・米国が中国に対する人権問題(香港・新疆ウイグル自治区問題)や、コロナウイルスへの対策に対する中国への不満が高まった場合、再び通商問題が議題に上がる場合(価格の下落要因)。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による経済成長の鈍化。

<<投機・投資要因>>

・特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金価格は上昇。米経済統計への評価は分かれたが、株高を見るに実需と関係ない市場ではリスクオンと判断され、ドル安進行と相まって金が買い戻された。

英国のブレグジットを巡る混乱、EUとの対立も買い材料となった(リスクプレミアムは上昇)。

結局、低金利政策持続に伴う実質金利の低下が「基準価格」を1,650ドル程度まで押し上げており、下落局面ではディップ拾いの買いが入りやすい状況。

銀は金よりも変動性が高く、大幅な上昇、プラチナ、パラジウムも金に連れ高。

【貴金属価格見通し】

金銀はもみ合うものと考える。新しい四半期に入ったこと、米統計の改善や経済対策期待のドル安が短期的にも見込めることが材料。

また、金融緩和が継続することは間違いがなく、名目金利が低い水準に抑制されること、ハードブレグジットの可能性がまだあることも、金価格を底堅く推移させよう。

FRBの政策が奏功すれば期待インフレ率の上昇が名目金利の上昇を上回ることになるため、実質金利低下を促し金価格にはプラスとなる。但しそれはまだ先になると考えられる。

金価格の実質金利に対する感応度は1bpあたり3.5ドル程度だったが、現在は6.3ドルに上昇している。名目金利に対する感応度は9.5ドルまで上昇していたが現在は1.7ドルと低下している。

現在の金の実質金利で説明可能な価格からの乖離(リスクプレミアム)は261ドルと前日から+13ドル上昇した。

一方、現在の実質金利で説明可能な価格水準は長期金利の低下もあって、1,650ドル程度で、緊急時の換金による下落余地は限定されている。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスクプレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、81.2倍と上昇。銀÷金在庫レシオが上昇していることで、銀の金に対する相対需給が緩和していると判断されたようだ。

過去1年を基準にすると95倍程度、5年では80倍、2000年以降では65倍程度が妥当だが、結局70ドルラインは堅い。

銀価格は下落しているが、このコラムでも指摘したように、ややバブル的に物色されていたことによる反動がおきているとみられる。

これは欧州危機・米国債格下げ危機があった2010年~2011年、銀価格は供給過剰にもかかわらずバブル状態となり、ハント兄弟事件以来の50ドルに迫った後、急速に価格を切り下げたときと程度は違うが展開が類似する。

なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)している点は留意。

(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%

 金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%

プラチナ価格は銀価格との連動性が高まっている。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによるが、各国の準備金や市場取引の担保価値が認められている金のほどの安全資産としては認知されていないため、金価格に主導される形で価格が形成されやすい。

パラジウムは価格は景気の先行きが明確に悪いこと、自動車セクターの回復は緩やかなものにとどまる見通しであることから実需面は価格を下押ししやすい。

その一方で、貴金属のベンチマークである金価格は堅調な推移が予想されるため、結果、パラジウムは神経質にレンジワークでの推移になると考える。

9月の米自動車販売は年率1,634万台(市場予想 1,570万台、前月 1,519万台)と、市場予想を上回る回復となった。ただし、コロナ以前の水準に自動車販売が戻るには相当の時間がかかる見込みであり、PGM価格の押し上げ効果は限定的なものとなろう。

中国の8月の自動車販売は中国自動車工業協会の速報で前年比+11.3%の218万台になると予想されている。7月は前年比+16.8%の211万台(前月+11.6%の230万台)と前月比マイナスだったが、前年比では伸びが拡大した。

年初来の販売累計は▲12.6%の1,234万台(前月▲16.9%1,023万台)と前年比マイナスの状態は変わらず。

中国の販売は欧米に先行して回復すると見るが、完全に経済活動が元に戻ることは難しく、回復ペースは緩慢なものに留まるだろう。

但し、自動車販売が政策のサポートもあって回復トレンドにあることは事実であり、PGM価格の上昇要因になると考える。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・各国とも政策金利をゼロ近傍に下げており、量的緩和規模も拡大。あとは更に規模を拡大するか、量的緩和時の投資対象を拡大するぐらいしかなくなってきた。

これで追加の緩和手段はほぼなくなった状態であり、金価格の上昇余地は限定される。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が不安定であることによる供給懸念。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するには数年単位で時間を要する)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

パラジウムはロシアでは銅・ニッケルの、南アフリカ・米国ではプラチナの副産物として生産されるため(副産物としての供給が8割)、急な増産が困難であり供給面の制限が価格を下支えする状況に変わりはない。

<<特殊要因>>

・コロナ対策で過剰な財政出動が行われており、終息後に各国の財政・信用不安が意識される場合(価格の上昇要因)。

・米中の対立激化。米国は今回のウイルス問題で、中国の医療面、人工知能を含むIT面に脅威を感じた可能性は高く、対立が激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・生産拠点を自国に回帰させる動きやリモートの定着による成長鈍化が、新興国の財政状況を悪化させる場合(価格の上昇要因)。

・原油価格低迷による財政状況の悪化、コロナウイルスの影響拡大に伴う国民の不満爆発、サバクトビバッタの大量発生による食糧危機などで、中東・北アフリカ有事が発生、それに伴う安全資産需要の高まり(上昇要因)。

・英国のブレグジットは、FTA合意なき離脱となるリスクが残存しており、その場合のインパクトは無秩序離脱と同レベルになると考えられ、金価格の上昇要因に。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

<<投機・投資要因>>

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが309,015枚(前週比 ▲15,497枚)、ショートが89,955枚(+6,420枚)、ネットロングは219,060枚(▲21,917枚)、銀が75,009枚(▲1,995枚)、ショートが36,062枚(▲2,593枚)、ネットロングは38,947枚(+598枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが30,418枚(前週比 ▲4,749枚)ショートが20,158枚(+4,428枚)、ネットロングは10,260枚(▲9,177枚)

パラジウムが5,483枚(▲130枚)、ショートが2,433枚(▲28枚)ネットロングは3,050枚(▲102枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場は上昇した。ドル安が進行したこと、四半期在庫での在庫減少が引き続き材料となった。大豆も同様だったが、生産者の売りでよこばい。

小麦は四半期在庫を受けた上昇が続いたが、結局、この間の上昇があまりに大きかったことから、利益確定の売りに押された。

2020年9月24日時点の米穀物輸出成約高は以下の通り。トウモロコシ 2,027.10千トン(前週▲111.9千トン)大豆 2,591.20千トン(▲603.5千トン)小麦 507.60千トン(+156.4千トン)

【穀物価格見通し】

トウモロコシ価格は想定よりも四半期末在庫水準が低かったことや、ドル安基調の回復で上昇余地を試す展開になると考える。ただし輸送燃料需要の回復は遅れており、エタノール向け需要の先行きは不透明であり、上値も重い。

大豆は中国が米国からの輸入を増加させる方針を継続していること、ドル高の一服が価格を押し上げると予想。

小麦も在庫の水準低下、ユーロ安・ドル高基調の一服で上昇余地を探る動きに。

バッタ被害はエチオピア、イエメン、ケニアで深刻な状態が続いているが、インド・パキスタンでの拡大はやや沈静化。季節性の問題もありそろそろバッタ問題は収束の可能性が出てきた。

しかし、スーダン、チャド、ニジェール、マリ、モーリタリアにバッタが飛来していることが確認されており今後の被害拡大リスクは無視できない。但し現時点では群棲相を形成しておらず今のところはその懸念は大きくない。

また、東南アジアでもトウモロコシやイネの大害虫であるツマジロクサヨトウ、やクルマバッタモドキが繁殖し、深刻な食糧危機をもたらしている

コロナウイルスの影響で播種に必要な人員を確保できない農家があったが、今度は収穫期にコロナウイルスの影響で人員が確保できず、収穫に影響が出る可能性がある。年後半にかけて、穀物価格の見通しは強気。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・米穀物作付け意向面積トウモロコシ 9,699万エーカー(市場予想 9,412万エーカー)大豆 8,351万エーカー(8,502万エーカー)小麦 4,466万エーカー(4,495万エーカー)

・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)

・9月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 149億Bu(148億9,064万Bu、152億7,800万Bu)大豆 43億1,300万Bu(42億9,179万Bu、44億2,500万Bu)小麦 18億3,800万Bu(18億3,268万Bu、18億2,400万Bu)

・9月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 25億300万Bu(24億6,136万Bu、27億5,600万Bu)大豆 4億6,000万Bu(4億6,854万Bu、4億4,250万Bu)小麦 9億2,500万Bu(9億2,604万Bu、9億2,500万Bu)

・9月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 19億億9,500万Bu(22億6,554万Bu、52億2,400万Bu)大豆 5億2,300万Bu(5億7,838万Bu、13億8,600万Bu)小麦 21億5,900万Bu(22億4,035万Bu、10億4,400万Bu)

<<特殊要因>>

・新型肺炎の影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

・米・イランの対立激化により、穀物輸送に影響が出る場合(下落要因)。ただし非景気循環銘柄需要が高まり最終的には上昇要因に。

・夏場以降、北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の可能性があり、価格の上昇リスク要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

<<投機・投資要因>>

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが361,514枚(前週比 +21,613枚)、ショートが204,620枚(▲23,447枚)ネットロングは156,894枚(+45,060枚)

大豆はロングが284,803枚(+12,621枚)、ショートが66,237枚(+4,190枚)ネットロングは218,566枚(+8,431枚)

小麦はロングが127,833枚(+2,039枚)、ショートが101,612枚(+4,026枚)ネットロングは26,221枚(▲1,987枚)

◆主要ニュース


・9月日銀短観業況判断DI(3ヵ月後見通し/現状/前回)
 大企業製造業 ▲17/▲27/▲34
 中堅企業製造業 ▲30/▲34/▲36
 中小企業製造業 ▲38/▲44/▲45

 大企業非製造業 ▲11/▲12/▲17
 中堅企業非製造業 ▲25/▲23/▲27
 中小企業非製造業 ▲27/▲22/▲26

 雇用人員判断DI(過剰-不足)
 大企業全産業 ▲5/▲2/▲3
 中堅企業全産業 ▲10/▲7/▲6
 中小企業全産業 ▲10/▲6/▲6

 需給判断DI(需要超-供給超)
 大企業製造業 ▲23/▲28/▲32、大企業製造業海外 ▲19/▲26/▲29
 中小企業製造業 ▲41/▲43/▲454、中小企業製造業海外 ▲34/▲39/▲42

 在庫判断DI(過大-不足、現状/前回)
 大企業製商品在庫 24/25、中小企業在庫 25/28
 大企業流通在庫 23/24、中小企業流通在庫 31/33

 価格判断DI(上昇-下落)
 大企業製造業販売価格 ▲8/▲8/▲10、大企業製造業仕入 6/2/▲3
 中小企業製造業販売価格 ▲9/▲8/▲8、中小企業仕入 20/14/12

 生産・営業設備判断DI(過剰-不足)
 大企業製造業 11/15/15
 中堅企業製造業 13/14/14
 中小企業製造業 12/17/17

 設備投資計画前年比(前年度) 大企業製造業 +3.5%(+4.3%)
 中堅企業製造業 ▲2.9%(▲8.8%)
 中小企業製造業 ▲12.0%(▲1.2%)

 大企業非製造業 +0.1%(▲2.0%)
 中堅企業非製造業 ▲4.5%(▲1.8%)
 中小企業非製造業 ▲18.4%(+0.5%)

・9月日本国内自動車販売 前年比▲15.6%(前月▲18.5%)

・9月独製造業PMI改定 56.4(速報比▲0.2、前月改定 52.2)

・9月ユーロ圏製造業PMI改定 53.7(速報比変わらず、前月改定 51.7)

・8月ユーロ圏生産者物価指数 前月比+0.1%(前月+0.7%)、前年比 ▲2.5%(▲3.1%)

・8月ユーロ圏失業率 8.1%(前月 8.0%)

・米週間新規失業保険申請件数 837千件(前週873千件)
 失業保険継続受給者数 11,767千人(12,747千人)

・9月米チャレンジャー社解雇者数 前年比 +185.9%(前月+116.5%)

・8月米個人所得 前月比 ▲2.7%(前月+0.5%)
 個人支出+1.0%(+1.5%)
 実質支出+0.7%(+1.1%)
 PCEデフレータ 前月比+0.3%(+0.4%)、前年比+1.4%(+1.1%)
 コアデフレータ 前月比+0.3%(+0.4%)、前年比+1.6%(+1.4%)
 貯蓄率 14.1%(17.7%)

・9月米ISM製造業景況指数 55.4(前月56.0)、仕入れ価格 62.8(59.5)
 生産 61.0(63.3)、新規受注 60.2(67.6)、受注残 55.2(54.6)
 在庫 47.1(44.4)、顧客在庫 37.9(38.1)、雇用 49.6(46.4)
 輸出 54.3(53.3)、輸入 54.0(55.6)

・8月米建設支出 前月比 +1.4%(前月改定+0.7%)

・ダラス連銀カプラン総裁(投票権あり・中間派)、「米金融政策の方向性は市場にとって明白。2023年までFF金利はゼロに留まるとみている。」

・ECBデギントス副総裁、「PEPPの調整を急いで決定する必要ない。」

・東証、システム障害で終日取引停止。EUフォンデアライエン委員長、EUを離脱した英国の法案が、英国とEUが結んだ離脱協定に違反仕手いるとして法的手続きに入ったと表明。英国が1ヵ月以内に正式に回答しなかったり、内容が不十分な場合、EU司法裁判所への提訴につながる可能性。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米石油統計 原油▲2.0MB(クッシング+1.8MB)
 ガソリン+0.7MB
 ディスティレート▲3.2MB
 稼働率+1.0

 原油・石油製品輸出 7,711KBD(前週比+145KBD)
 原油輸出 3,018KBD(+127KBD)
 ガソリン輸出 657KBD(+24KBD)
 ディスティレート輸出 1,181KBD(+8KBD)
 レジデュアル輸出 165KBD(▲3KBD)
 プロパン・プロピレン輸出 1,027KBD(+75KBD)
 その他石油製品輸出 1,612KBD(▲90KBD)

・ロイター、9月のOPEC生産は2,438万バレルと前月から+16万バレル増加。

・イスラエルとレバノン、海上の境界線を定めるための協議開始で合意。

【メタル】
・9月ブラジル鉄鉱石輸出、180万トン/日(前年152万トン、前月149万トン)

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.原料炭スポット ( 鉄鋼原料 )/ +12.12%/ +1.51%
2.ICE粗糖 ( その他農産品 )/ +3.90%/ +1.19%
3.TCMガソリン ( エネルギー )/ +2.91%/ ▲33.11%
4.MDEパーム油 ( その他農産品 )/ +2.85%/ ▲3.98%
5.TCM灯油 ( エネルギー )/ +2.63%/ ▲32.22%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.LME銅 3M ( ベースメタル )/ ▲5.14%/ +2.81%
65.NYM RBOB ( エネルギー )/ ▲4.03%/ ▲32.12%
64.ICEガスオイル ( エネルギー )/ ▲3.79%/ ▲48.37%
63.SGX天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲3.78%/ +16.24%
62.NYM WTI ( エネルギー )/ ▲3.73%/ ▲36.59%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :27,816.90(+35.20)
S&P500 :3,380.80(+17.80)
日経平均株価 :23,185.12(±0.0)
ドル円 :105.53(+0.05)
ユーロ円 :123.98(+0.34)
米10年債 :0.68(▲0.01)
中国10年債利回り :休場( - )
日本10年債利回り :0.02(+0.00)
独10年債利回り :▲0.54(▲0.01)
ビットコイン :10,606.06(▲100.89)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :35.07(▲0.87)
エネルギー :55.14(▲0.32)
ベースメタル :17.55(▲1.15)
貴金属 :29.94(▲0.21)
穀物 :25.21(+0.01)
その他農畜産品 :38.25(▲1.6)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :48.74(+0.7)
Brent :37.91(▲0.01)
米天然ガス :140.06(▲0.67)
米ガソリン :46.02(+1.87)
ICEガスオイル :41.22(▲3.08)
LME銅 :15.52(▲0.99)
LMEアルミニウム :13.25(▲1.11)
金 :22.52(▲0.03)
プラチナ :33.90(▲0.46)
トウモロコシ :24.84(+0.05)
大豆 :22.52(▲0.03)

【エネルギー】
WTI :38.72(▲1.50)
Brent :40.93(▲0.02)
Oman :40.30(▲0.12)
米ガソリン :115.24(▲4.84)
米灯油 :112.50(▲2.04)
ICEガスオイル :317.00(▲12.50)
米天然ガス :2.53(±0.0)
英天然ガス :36.71(▲0.29)

【貴金属】
金 :1906.01(+20.19)
銀 :23.79(+0.56)
プラチナ :899.17(+5.97)
パラジウム :2329.87(+19.10)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :6,628(+16:14C)
亜鉛 :2,383(▲44:18C)
鉛 :1,833(+11:23C)
アルミニウム :1,754(▲17:38C)
ニッケル :14,479(+56:49C)
錫 :17,529(+35:23C)
コバルト :33,946(▲22)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :6342.50(▲343.50)
亜鉛 :2320.00(▲83.00)
鉛 :1795.00(▲32.00)
アルミニウム :1738.50(▲24.50)
ニッケル :14300.00(▲170.00)
錫 :17495.00(+45.00)
バルチック海運指数 :1,725.00(+67.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :121.76(+4.61)
SGX鉄鉱石 :121.37(▲2.61)
NYMEX鉄鉱石 :121.43(▲2.55)
NYMEX原料炭スワップ先物 :138(+14.92)
上海鉄筋直近限月 :休場( - )
上海鉄筋中心限月 :休場( - )
米鉄スクラップ :300(▲5.00)

【農産物】
大豆 :1023.50(±0.0)
シカゴ大豆ミール :345.00(+5.30)
シカゴ大豆油 :32.65(▲0.72)
マレーシア パーム油 :2920.00(+81.00)
シカゴ とうもろこし :382.75(+3.75)
シカゴ小麦 :570.25(▲7.75)
シンガポールゴム :193.30(▲7.60)
上海ゴム :休場( - )
砂糖 :13.58(+0.51)
アラビカ :107.05(▲3.90)
ロブスタ :1288.00(▲17.00)
綿花 :64.61(+0.12)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :74.15(+1.35)
シカゴ生牛 :108.53(▲0.03)
シカゴ飼育牛 :140.93(▲0.43)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。