CONTENTSコンテンツ

米予算協議難航で軟調
  • MRA商品市場レポート

2020年10月14日 第1837号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米予算協議難航で軟調」

【昨日と本日の各セクターショートコメント】

◆エネルギー:上昇。IMFの2020年経済見通し上方修正と、中国の原油輸入増加が材料となった。

米国の追加経済対策動向、直前となった英国とEUの離脱を巡る協議の混乱から総じて軟調な推移に。本日はIEA月報が発表されるため注目。OPEC・DOE同様、需要見通しが下方修正されるか否か。

◆非鉄金属:下落。IMF見通し上方修正などのプラス材料はあったが、米追加対策協議の遅れや、最大貿易相手経済圏であるEU・英国のブレグジットを巡る混乱、これらを受けたドル高が材料。

引き続き政治的な動きと為替動向に左右される形となり、どちらかと言えば売り圧力が強まるが中国の国内向け需要が旺盛であり下値も堅い。レンジワーク。

◆鉄鋼・鉄鋼原料:下落。中国貿易統計での輸入増加確認はあったが、豪州・ブラジルからの輸入増加で港湾在庫の増加観測が強いこと、石炭に関しては豪石炭停止措置報道などが売り材料となった。

輸入需要の一巡観測が強まっており、本日は軟調推移か。

◆貴金属:下落。リスクオフのドル高進行が価格を下押し。

足元、説明力が上昇している為替動向に左右される展開継続。米追加経済対策期待後退とブレグジットを巡る混乱を受けたリスクオフのドル高で軟調な推移を予想。

◆穀物:トウモロコシは原油高に連れ高、大豆は中国輸入増で上昇、小麦はドル高が重石となり小幅下落。

米大豆の輸出好調で大豆につれる形でトウモロコシも上昇、小麦はもみ合い。

※より詳細な説明は以下をご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場はエネルギーやその他の農産品が上昇したものの、総じて軟調な推移となった、合意期待があった米国の追加経済対策を巡る与野党協議が決裂したことでリスクオフとなり、非景気循環銘柄が物色される流れとなった。

エネルギーはテクニカルな買い戻しの影響が大きいとは思うが、IMF見通しで2020年見通しが上方修正されたこと、中国の原油輸入が増加したことが材料にはされたようだ。

すべての商品がこれまでの材料を織り込み、目先、新たな材料は出ていない。総じて景気が回復ペースが鈍化し、これに対してどのような対策が打たれるか。どの国も金融面ではできることがもうないため、財政出動をどうするか、が価格を左右していると考えられる。

結果、政治が価格を左右するため、結果的に商品価格の変動性は高まることになる。

※ニュース解説は、不定期ですがFBでも行っていますので、ご興味のある方はフォローをお願いします。https://www.facebook.com/Market.Risk.Advisory/

※レポートのお申込みはこちらから
https://marketrisk.jp/news-contents/news/3592.html

※商品市場分析入門のお求めはこちらからhttps://www.amazon.co.jp/dp/447810445X/

※原材料価格のリスクマネジメントのお求めはこちらから
https://www.amazon.co.jp/dp/4478104468/

【本日の見通し総括】

本日も政治要因を受けて神経質な推移になると考えている。本日は手掛かり材料となりそうな経済統計の発表はないが、米連銀総裁やECB総裁、中国習近平国家主席の演説、といった政治的なイベントが多い。

恐らく連銀総裁は「金融政策でできることは限界ですよ、あとは政治家がどう動くかだけですよ、財政の崖リスクがありますよ」という発言に終始するとみられる。

恐らくECBラガルド総裁も同様で、緩和を考えなくもないがそれ以上に財政出動が重要といった趣旨の発言をするのではないか。結果、何も決まらない、金融面での追加支援はない、ということでリスクオフ的な動きになりやすいと考えている。

また、英国のEU離脱の移行に向けた交渉期限が明日に迫っており、これまでに妥結しないと日程的にハードブレグジットになる可能性が高まる。また、繰り返し材料となっている米国の追加対策を巡る協議もリスクオフマインドを高めるだろう。

これに加えて、対米強硬姿勢を強めている習近平国家主席が、深センでどのような趣旨の発言をするかにも注目が集まる。

こうした環境だと、商品価格は予測ができない政治要因に振らされることになる。通常、政治的な判断は経済合理性を重視して行われるが、現在の政治判断は経済合理性を無視したものが多い。結果的に、商品価格の変動性は増している。

弊社が算出している「MRAコモディティVIX指数」は足元、上昇傾向にある。

◆主要ニュース


・9月日本国内企業物価指数 前月比▲0.8%(前月▲0.6%)前年比▲0.2%(+0.1%)

・8月日本機械受注総額 前月比 +19.8%の2兆1,928億円(前月+7.0%の1兆8,311億円)、前年比▲16.5%(▲19.4%)
 船舶電力を除く民需 前月比+0.2%の7,525億円(+12.2%の7,513億円)、前年比▲15.2%(▲16.2%)

・9月日本 銀行貸出動向 銀行計 前年比+6.2%(前月+6.6%)、含信金 +6.4%(+6.7%)

・9月日本工作機械受注速報 前年比▲15.0%の841億4,300万円(前月▲23.2%の679億8,000万円)
 外需+1.8%の538億7,000万円(▲11.8%の449億1,100万円)

・9月日本マネーストックM2 前年比+9.0%(前月+8.6%)、M3 前年比+7.4%(+7.1%)

・9月中国貿易収支 370.0億ドルの黒字(前月589.3億ドルの黒字)
 輸出総額 前年比 +9.9%(+9.5%)、輸入総額 +13.2%(▲2.1%)
 輸出年初来ベース
  対米国 前年比 ▲0.8%(1-8月期▲3.6%)
  対欧州 +3.1%(+2.1%)
  対日本 ▲2.7%(▲2.7%)
  対アセアン諸国 +4.9%(+3.7%)

 輸入
  対米国 前年比 +0.2%(▲2.9%)
  対欧州 ▲3.6%(▲6.8%)
  対日本 +0.3%(▲1.4%)
  対アセアン諸国 +5.1%(+3.9%)

・9月独卸売物価指数 前月比±0.0%(前月▲0.4%)、前年比▲1.8%(▲2.2%)

・9月独消費者物価指数 前月比▲0.4%(前月▲0.2%)、前年比▲0.4(▲0.1%)

・10月ZEW独景況感調査期待指数 56.1(前月77.4)、現況指数 ▲59.5(▲66.2)
 ユーロ圏期待指数 52.3(73.9)

・9月米NFIB中小企業楽観指数 104.0(前月 100.2)

・9月米消費者物価指数 前月比+0.2%(前月+0.4%)、前年比 +1.4%(+1.3%)
 コア 前月比+0.2%(+0.4%)、前年比+1.7%(+1.7%)

・9月米実質平均賃金 前年比+4.1%(前月+3.8%)
 実質平均時給+3.3%(+3.2%)

・豪モリソン外務相、「中国が豪州炭の輸入を停止した、との報道を受けて中国政府に確認をしている。ただ、自国産業の保護のために輸入枠を設けることはよくあることだ。

・米民主党が政府案の修正を求めたのに対し、上院のマコネル院内総務はより小規模の対策を推進、ペロシ議長はこれを即座に却下。

・2020年10月 IMF世界経済見通し
 2020年 ▲4.4%(前回調査時比+0.8%)、2021年 +5.2%(▲0.2%)
  OECD諸国 ▲5.8%(+2.3%)、+3.9%(▲0.9%)
   米国 ▲4.3%(+3.7%)、+3.1%(▲1.4%)
   ユーロ圏 ▲8.3%(+1.9%)、+5.2%(▲0.8%)
   日本 ▲5.3%(+0.5%)、+2.3%(▲0.1%)

  非OECD諸国 ▲3.3%(▲0.2%)、+6.0%(+0.2%)
   中国 +1.9%(+0.9%)、+8.2%(±0.0%)
   インド ▲10.3%(▲5.8%)、+8.8%(+2.8%)
   ブラジル ▲5.8%(+3.3%)、+3.5%(▲0.1%)
   ロシア ▲4.1%(+2.5%)、+2.8%(▲1.3%)
   サウジアラビア ▲5.4%(+1.4%)、+3.1%(±0.0%)
   ナイジェリア ▲4.3%(+1.1%)、+1.7%(▲0.9%)
   南アフリカ ▲8.0%(±0.0%)、+3.0%(▲0.5%)

  世界貿易 ▲10.4%(+1.5%)、+8.3%(+0.3%)
 輸入   
   OECD諸国 ▲11.5%(+1.7%)、+7.3%(+0.1%)
   非OECD諸国 ▲9.4%(±0.0%)、+11.0%(+1.6%)
 輸出
   OECD諸国 ▲11.6%(+2.0%)、+7.0%(▲0.2%)
   非OECD諸国 ▲7.7%(+1.6%)、+9.5%(+0.2%)

 Brent価格 41.69ドル(+5.51ドル)、46.70ドル(+9.16ドル)

◆エネルギー・メタル関連ニュース


・9月中国石炭輸入 1,867.6万トン(前月2,066.3万トン)

・9月中国原油輸入 4,848万トン、1,196万バレル/日(前月4,748万トン、
1,133万バレル/日)
 精製石油製品輸入 186万トン(195万トン)
 輸出 395万トン(427万トン)

※原油1トン=7.4バレルとして算出。石油製品は種類の内訳が不明のためバレル換算していない。

・9月中国天然ガス輸入 866万トン(前月 936万トン)

・JERA、2050年までにCO2排出を実質ゼロに。

・IEA、「最も楽観的なシナリオでも、パンデミックは永続的な影響及ぼす。2030年に石油需要は横ばいになり、頭打ちとなる。石油需要の伸びの時代は次の10年で頭打ちになるだろう。石油の需要はコロナが来年制御下に置かれるならば、2023年に危機前のレベルに戻るだろう。」

・OPEC月報

 世界石油需要 Q121:95.4、Q221:97.0、Q321:96.6、Q421:98.3、2021:96.8

 非OPEC供給(含むNGLs) Q121:63.0、Q221:62.9、Q321:63.7、Q421:65.1、2021:63.7

 Call on OPEC Q121:32.4、Q221:34.1、Q321:32.9、Q421:33.2、2021:33.2

※2021年の需要見通しを下方修正。景気の回復の見通しは弱気に。Call On OPECは減少。

・ICE、2021年にUAEのマーバン原油を上場予定。

・IEAビロル事務局長、「太陽光が次の10年の再生可能エネルギー供給をけん引する。再生可能エネルギーは供給の伸びの8割を占める見込み。」

【メタル】
・9月中国銅輸入 72万トン(前月67万トン)
 銅鉱石・精鉱 214万トン(159万トン)
 アルミ(未加工品含む) 輸出 43万トン(40万トン)

・9月中国鉄鉱石輸入 1億855万トン(前月1億36万トン)
 鉄鋼製品輸入 224万トン(261万トン)
 鉄鋼製品輸出 368万トン(418万トン)

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.NYM WTI ( エネルギー )/ +1.95%/ ▲34.16%
2.CBT大豆油 ( 穀物 )/ +1.75%/ ▲2.23%
3.ICE Brent ( エネルギー )/ +1.75%/ ▲35.68%
4.DME Oman ( エネルギー )/ +1.50%/ ▲37.88%
5.ICE粗糖 ( その他農産品 )/ +1.23%/ +4.40%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
66.銀 ( 貴金属 )/ ▲3.84%/ +35.21%
65.ニューキャッスル炭 ( エネルギー )/ ▲3.78%/ ▲19.20%
64.パラジウム ( 貴金属 )/ ▲3.60%/ +19.36%
63.ICEココア ( その他農産品 )/ ▲2.58%/ ▲6.26%
62.欧州排出権 ( 排出権 )/ ▲2.51%/ +2.85%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :28,679.81(▲157.71)
S&P500 :3,511.93(▲22.29)
日経平均株価 :23,601.78(+43.09)
ドル円 :105.48(+0.15)
ユーロ円 :123.90(▲0.53)
米10年債 :0.73(▲0.05)
中国10年債利回り :3.19(+0.01)
日本10年債利回り :0.03(▲0.00)
独10年債利回り :▲0.56(▲0.01)
ビットコイン :11,434.88(▲133.52)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :35.22(▲0.23)
エネルギー :57.11(+0.42)
ベースメタル :19.85(▲0.43)
貴金属 :35.47(+0.36)
穀物 :25.83(▲0.66)
その他農畜産品 :34.82(▲0.46)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :47.68(▲0.44)
Brent :41.29(▲0.32)
米天然ガス :142.37(+0.38)
米ガソリン :48.47(▲0.86)
ICEガスオイル :42.53(+1.06)
LME銅 :20.44(+0.26)
LMEアルミニウム :17.81(▲0.18)
金 :23.41(▲2.13)
プラチナ :38.15(▲0.73)
トウモロコシ :21.93(▲1.13)
大豆 :23.41(▲2.13)

【エネルギー】
WTI :40.20(+0.77)
Brent :42.45(+0.73)
Oman :41.88(+0.62)
米ガソリン :118.27(+0.70)
米灯油 :116.90(+1.19)
ICEガスオイル :339.25(▲7.75)
米天然ガス :2.86(▲0.03)
英天然ガス :37.83(▲0.69)

【貴金属】
金 :1891.36(▲31.41)
銀 :24.14(▲0.96)
プラチナ :868.76(▲8.66)
パラジウム :2322.34(▲86.62)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :6,706(▲65:6C)
亜鉛 :2,447(▲10:18.5C)
鉛 :1,838(+9:11C)
アルミニウム :1,854(+7:13C)
ニッケル :15,199(▲58:52C)
錫 :18,315(+5:5B)
コバルト :33,487(▲5)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :6686.00(▲52.00)
亜鉛 :2409.00(▲44.50)
鉛 :1803.00(▲36.00)
アルミニウム :1853.00(▲3.00)
ニッケル :15040.00(▲160.00)
錫 :18245.00(▲15.00)
バルチック海運指数 :1,807.00(▲85.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :123.61(▲0.46)
SGX鉄鉱石 :121.22(▲1.89)
NYMEX鉄鉱石 :122.43(▲0.82)
NYMEX原料炭スワップ先物 :133.57(▲0.07)
上海鉄筋直近限月 :3,619(▲3)
上海鉄筋中心限月 :3,628(▲9)
米鉄スクラップ :302(+13.00)

【農産物】
大豆 :1044.00(+10.25)
シカゴ大豆ミール :358.50(+1.80)
シカゴ大豆油 :33.72(+0.58)
マレーシア パーム油 :3067.00(+7.00)
シカゴ とうもろこし :391.25(+2.25)
シカゴ小麦 :594.00(▲0.25)
シンガポールゴム :210.80(+2.50)
上海ゴム :12300.00(+50.00)
砂糖 :14.01(+0.17)
アラビカ :110.10(+0.95)
ロブスタ :1223.00(▲10.00)
綿花 :68.83(+0.46)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :77.80(▲0.38)
シカゴ生牛 :108.83(+0.48)
シカゴ飼育牛 :138.13(+0.83)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。