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米国株「ロング・ショートの手仕舞い」か~変化の兆しと円相場
  • MRA外国為替レポート

2020年7月20日号

◆先週の市場総括


先週は前週末にかけて報じられたワクチンや治療薬開発の進展に関する報道で日経平均は堅調に推移。一時23,000円に迫った。

米国では決算発表を前にハイテク関連株には利食い売りが先行。相対的に景気敏感株が堅調となった。

中国の経済指標は4-6月のGDPが前期比プラスとなり景気後退を回避。ただ政府主導の投資や企業部門の回復がみられた一方で雇用や消費はもたつき。上昇を続けていた中国株は利食い売りに押された。

米国の経済指標も生産・小売が回復を示したが水準としてはなお低く、雇用改善のペースの鈍さも確認された。米国内での感染拡大は加速する地域・減速する地域、規制再強化・再開へ前進とまちまち。米国株は週末にかけて上値が重くなった。

為替市場では総じてリスク選好が維持され株価が堅調だったことから、ドルと円が軟調、ユーロが堅調となった。ドル円相場は107円台前半を中心に方向感なく上下。ドル安が強まった局面では107円割れ。週末は107円ちょうど近辺。

ユーロ円相場は121円割れで始まりジリ高。週後半は122円台前半でもみ合いとなった。ユーロドル相場は1.13ちょうど近辺から1.14台前半に上昇した。

EU首脳会議で復興基金設立に向けた議論が進展するとの思惑でユーロは週末にかけて堅調だった。

月曜日の東京市場では株価が堅調。円安が進んだ。日本株は前週末の米国株上昇やその背景となった治療薬やワクチン開発の進展などを受けて投資家心理が改善し全業種が上昇。

日経平均は22,600円近辺で高寄りした後に一段高。22,700円近辺でもみ合い引け際にさらに上昇して22,785円近辺で取引を終えた。上海株の上昇も後押しに。アジア株は全般に上昇した。

ドル円相場は106円90銭で始まり80銭にやや押されたが、午後に入ると堅調となり欧州時間にかけて107円10銭に。ユーロ円相場も120円90銭近辺のもみ合いで始まり121円10銭中心に推移。夕刻にかけて30銭へ上昇。ユーロドル相場は1.1310中心に上下した後1.1330中心に上下。欧州時間にかけてユーロ高ドル安基調となった。

欧州株は続伸。米国株はまちまち。ナスダックは前週末比▲226ドルの大幅反落。これまで上昇してきたハイテク関連株に決算前の利益調整売りが入った。NYダウは200ドルほどの上昇から反落してほぼ週末と同水準。

カリフォルニア州が全域でバーの営業停止、飲食店の店内営業を禁止、など行動制限が1か月前に逆戻り。経済活動再開への期待が後退した。

米10年債利回りは0.62%に小幅低下。ユーロドル相場は1.1370に上昇していたが1.1340~50に反落。ユーロ円相場はさらに上昇して121円90銭近辺でもみ合いから反落して70銭近辺で引け。ドル円相場はさらに上昇し107円20銭~30銭でもみ合い引けは107円30銭。

火曜日の東京市場で株価は軟調。日経平均は感染拡大による経済活動鈍化懸念で電機・サービスなど幅広く下落。22,600円近辺で安寄りした後も軟調となり22,550円近辺に下げ引けにかけて持ち直し22,590円近辺で取引を終えた。この日は上海株も利食い先行で下落した。

ドル円相場は107円30銭で始まり20銭~30銭中心にもみ合い夕刻は107円30銭。ユーロ円相場は121円70銭で始まり一時50銭に下落。その後は60銭~70銭中心に上下。ユーロドル相場は1.1350で始まり1.1340中心にもみ合い。

欧州時間に入ると弱い経済指標にもかかわらずユーロは堅調。ユーロドル相場は1.1360へ、ユーロ円相場は121円90銭~122円ちょうど。

発表されたドイツZEW景況感指数(7月)は期待指数が59.3と前月63.4から悪化。弱い数字で回復への道のりが遠いことを示した。

ドイツ株は反落。ユーロは米国時間にさらに上昇して1.14ちょうど近辺、122円20銭~30銭に上昇した。

米国株が大きく上昇するなかリスク選好のもとでドル安、円安、ユーロ高。ドル円相場は107円20銭~40銭で上下し引けは20銭台。

米国株は3指数とも上昇。NYダウは前日比+557ドルの26,642ドル、ナスダックは+98ドルの10,488ドル。大型ハイテク株は朝方から利食い売りに押され大幅安。その後持ち直すも小幅高にとどまった。一方ワクチンへの期待感から景気敏感株が上昇した。

水曜日の東京市場では米国株・景気敏感株高を受けて日経平均が22,800円台で大幅高寄り。その後900円台に上昇し一時押されたものの引けは22,945円と高値圏で引けた。中国・上海株総合指数は米中対立激化を嫌気して反落。

この日は日銀金融政策決定会合の2日目が開催され、展望レポートの公表、黒田総裁の会見が行われたがとくに市場には影響がなかった。

ドル円相場は107円20銭~30銭でもみ合い。ユーロ円相場は概ね122円20銭~40銭で上下。欧州時間に入る夕刻にはユーロ高ドル安。ユーロドル相場は1.1430~50に上昇。ドル円相場は106円90銭に下落。さらに米国時間には106円70銭に下落した。

米国株はワクチン開発を巡り有望なデータが得られたとの報道に旅行関連株などに買い。堅調な経済指標も支えとなり全般に上昇。ただ午後は伸び悩み。ハイテク株の一角が売られたことが重石となった。NYダウは前日比+227ドルの26,870ドル。ナスダックは+62ドルの10,550ドル。VIX指数は27.76ポイントに低下。

リスク選好でドル売りが先行したが、その後は持ち直し。ドル円相場は106円90銭~107円ちょうどでもみ合い。ユーロドル相場は1.14ちょうど~1.1410に反落。ユーロ円相場は121円80銭に下落した後122円ちょうど近辺で推移。

発表されたNY連銀製造業景気指数(7月)は17.2と前月▲0.2から大きく改善して予想9.3を大きく上回った。2月以降で初めてのプラス。

鉱工業生産(6月)は前月比+5.4%、製造業生産は同+7.2%で伸び率としては1947年以来の高さ。設備稼働率は前月64.8%から68.6%に持ち直し予想67.6%を上回った。

この日、FRBはベージュブック(地区連銀経済報告)を公表。経済活動はほぼ全地区で持ち直してきたが、感染拡大前より大きく落ち込んだまま。営業再開で小売売上高は回復したが、経済再開規制に小売・サービス業が苦慮している。製造業の稼働状況も上向いたが、あくまでも極めて低水準からの持ち直し、とされた。

給与保障プログラムが期限を迎える8月までに売上が上向かなければ大量解雇もありうる、との見方が示された。

木曜日の東京市場では日経平均が22,850円~900円でもみ合いの後、終始ジリ安となり引けは22,770円。発表された中国の経済指標は景気回復を示したものの一部に弱さもみられた。

4-6月期GDPは前年同期比+3.2%と前期のマイナス6.3%からプラスに転じて2期連続のマイナス=景気後退を回避。予想+2.5%を大きく上回った。

一方、その他の指標はまちまち。鉱工業生産(6月)は前年同月比+4.8%と前月+4.4%から加速して予想+4.7%よりやや強め。小売売上高は同▲1.8%と前月▲2.8%よりマイナス幅は減ったがプラスに転じるとの予想を下回った。

都市部固定資産投資は同▲3.1%で前月▲6.3%から改善。失業率は5.7%と前月5.9%から改善したが小幅。全般に、景気回復は政府の投資、企業・生産中心で、消費は緩慢な回復にとどまり、雇用・消費の改善に遅れがみえた。

上海株は大幅反落して前日比▲4.5%。ドル円相場は106円90銭~107円ちょうどで小動き。ユーロ円相場は122円ちょうどを挟んで上下、もみ合い。底固い値動き。ユーロドル相場は1.14ちょうど~1.1410中心にもみ合い。

欧米市場ではリスク選好が後退して株安、ドルが堅調。米国株は3指数そろって下落。ハイテク関連株が引き続き下落を主導。感染拡大が懸念されるなか失業保険申請の高止まりが嫌気された。

NYダウは前日比▲135ドルの26,734ドル、ナスダックは▲77ドルの10,473ドル。VIX指数は28.0に小幅上昇。米10年債利回りは一時0.60%を割ったが0.62%。

ユーロドル相場は1.1380に下落し1.1440と上下した後、引けは1.1380。ユーロ円相場は122円50銭に上昇した後反落して122円10銭~20銭。ドル円相場は107円ちょうどから107円10銭中心のもみ合い。その後30銭~40銭に上昇した。

この日開催されたECB理事会では政策は据え置き。ラガルド総裁は会見で、これまでの対策に効果がみられる、今後も景気回復に向かう、と前向きに評価したが、なお先行きに不透明感が残るとの認識も示し、欧州復興基金の合意に期待を述べた。

米国の経済指標は、小売売上高(6月)が前月比+7.5%と前月+18.2%からさらにプラスとなり予想を上回った。フィラデルフィア連銀製造業景気指数(7月)は24.1と前月27.5から悪化したが予想20.0は上回った。

週次の失業保険新規申請件数は1,300千件と前週1,314千件とほぼ変わらず。継続受給者数も17,338件と前週17,760件から小幅な減少にとどまった。

金曜日の東京市場のドル円相場は107円30銭で始まりジリ安。夕刻は107円10銭。ユーロ円相場は122円10銭で始まり一時30銭に上昇したがじり安で夕刻は122円割れ。ユーロドル相場は1.1380~90で上下。

日経平均は22,800円台で高寄りもジリ安。22,670円で引けた。国内での感染拡大は懸念材料。

欧州市場に入る時間帯にはユーロが上昇。ユーロドル相場は1.1410~20へ、ユーロ円相場は122円40銭へ。その後もユーロはジリ高となった。この日から18日土曜日にかけて2日間、EU臨時首脳会議が開催され、7,500億ユーロ規模のEU復興基金について議論されることとなっており、その進展期待が引き続きユーロを支えた。

米国株はまちまち。ハイテク関連株は売り先行となったが持ち直して小幅反発。前日比+29ドルの10,503ドル。NYダウは小幅安で売り買い交錯、もみ合い、横ばい。同▲63ドルの26,672ドル。VIX指数はさらに低下して25.68ポイント。

米国時間でもドルは全般に軟調。ユーロドル相場は1.1440に上昇し引けは1.1430。ドル円相場は107円10銭~20銭から下落して106円90銭~107円ちょうど。ユーロ円相場はユーロ高の流れに122円50銭台に上昇し、その後はジリ安に転じて引けは122円30銭。

発表された米国の住宅着工件数(6月)は季節調整済み年率換算で1,186千戸と前月1,011千戸から増加し強め。一方、ミシガン大学消費者信頼感指数(7月)は73.2と前月78.1から悪化し改善予想79.0に反した。感染再拡大が消費者心理に悪影響を及ぼした可能性がある。

アリゾナ州では感染拡大が加速、一方、フロリダ州では減速。ムニューシン財務長官は、議会はPPP(中小企業向け給与保証プログラム、融資・少額返済免除)の期間を延長すべき、と述べた。

◆今週の3つの注目ポイント


東京市場は月曜日、火曜日、のみで、水曜日から金曜日まで3日間休場となる。

1.決算発表・株価動向

米国では先週から始まった6月期決算発表がさらに佳境を迎える。足元の業績動向、さらに今後の見通しはどうか。米国ではこのところハイテク関連株に対する利食い売りが強まり、一方で景気持ち直し期待から景気敏感株が相対的に堅調となる動きがみられた。企業業績回復の主役交代への思惑がサポートされる内容となるか。

また国内でも決算発表がスタートする。日経平均は23,000円の大台回復を目前にして足踏みしているが、さらなる上昇を後押しするか。市場全体としてリスク選好を後押しするか、一服となるか。ドルの強弱やクロス円相場の動向を通じてドル円相場にも影響するので留意を要する。

2.米国の経済指標

引き続き景気回復、とくに雇用回復の勢いに鈍化がみられないか、留意を要する。

火曜日 シカゴ全米活動指数(7月)

水曜日 住宅価格(5月)、中古住宅販売(6月、季節調整済み年率換算、予想450万戸、前月391万戸)

木曜日 景気先行指数(6月、前月比、予想+2.2%、前月+2.8%)、カンザスシティ連銀製造業指数(7月)、週次の新規失業保険申請関数・継続受給者数

金曜日 新築住宅販売(6月、季節調整済み年率換算、予想688千戸、前月676千戸)、PMI景況感指数(7月、製造業、予想51.5、前月49.8、サービス業、予想51.0、前月47.9)

PMIは欧州でも発表されるが、いずれも50を超えるかどうか、が注目点。

3.日本の国内感染動向、経済指標

国内での感染が再拡大しているが、今週のうちに感染加速が緩和するか、加速するか。先行きへの懸念が高まらずに済むか、リスク回避を強めるか。感染者数の動向は留意。株価や円相場に影響を与えないか。

月曜日には貿易収支(6月)が発表される。輸出不振や貿易赤字拡大が確認されれば円相場にとってネガティブな材料。

火曜日には消費者物価指数(6月)が、水曜日にはPMI景況感指数(7月)が発表される。また月曜日には日銀金融政策決定会合議事要旨が公表される。

このほか再開される米議会の動向にも注目。夏休み前10日間の短い会期となるが、PPP(給与保証プログラム、融資・給付)の期間延長がなるか、7月末に期限を迎える週600ドルの失業給付金上乗せなど各種措置が延長となるか、1兆ドル規模の追加財政政策が承認されるか、注目される。

◆今週のMRA's Eye


米国株「ロング・ショートの手仕舞い」か~変化の兆しと円相場

先週の米国株は従来と異なる動きをみせた。その前週まではナスダックが堅調、NYダウは相対的に上昇が鈍く、ハイテク主導の上昇が顕著だった。

ナスダックは10,000ドルの大台に乗せて史上最高値を次々と更新してきた。その背景は言うまでもなく、コロナ感染拡大のもとでの「新しい生活様式」や「経済活動の変化」、「企業・消費者行動の変化」をテーマとする投資戦略。景気回復の兆しから全般的には企業業績の回復期待が高まったものの、行動制限が続くなかで業種や企業により業績が「二極化」するとの見方にもとづく動き。

景気回復が全体としては「左右逆の√型」ないし「U字型」あるいは「ナイキのロゴ型」。そのなかで企業部門においては二極化した「K字型」との認識だ。

それがここにきてハイテク関連株が売りに押され、むしろ景気敏感株が堅調となり、それまでの株価動向と逆になった。米国では6月期の決算発表が本格化する。その前に、大きく上昇してきたハイテク株に短期的な利食い売りが嵩んだとみられる。

あるいは株価全体がそれほど下落しないなか、ハイテク関連株と景気敏感株の相対的な強弱が逆転していることからすれば、ヘッジファンドがポジションを手仕舞った結果とも想定される。

ヘッジファンドは景気全体の「U字シナリオ」ないし「逆√シナリオ」、さらに企業部門のおける「K字シナリオ」にもとづいて「ハイテク関連株買い・景気敏感株売り」のポジションをとっていたと推察される。

株式市場全体のリスク、株価全体の下落リスクをヘッジしつつ「K字シナリオ」のメリットを享受しようと、典型的な「ロング・ショート戦略」をとっていた可能性が大きい。ワクチンや治療薬の開発によって経済活動再開から景気回復が本格化すれば、これまで低迷していた景気敏感株にメリットが大きく、株価上昇の主役がハイテク関連株から景気敏感株へバトンタッチする、との見方は根強かった。

問題は、実際にワクチンや治療薬の開発が進展して景気回復の足取りがしっかりしてきたのか、景気敏感株が業績回復を明確に示す兆しがあるのか。

株価動向からはハイテク関連株が景気敏感株より低迷する逆転現象がみられたとしても、それがヘッジファンドや投資家のロング・ショートポジション解消であれば、好感すべき話ではない。リスクポジションを圧縮するなかで生じただけの値動きだ。

景気敏感株を単純にロングにする、あるいは、景気敏感株ロング・ハイテク関連株ショートのポジションを新たに構築するというのなら、それは好感すべき動き。ただ現実にはそこまで行っていないのではないか。

株価が景気ないし企業業績を反映するものであって、株価動向の根拠である景気動向や業績動向そのものを差し置いて、株価動向から逆に景気や業績動向を推し量るのは危険だろう。

決算前の手仕舞いだけであれば、利食い売りによりリスクを抑制しているだけ、これまでの相場動向から逃げているだけだ。

これが短期的な動きにとどまるのか。あるいはこれまでバブル的に上昇してきたハイテク関連株もいよいよ行き詰まり、中期的な大相場の終わりの始まりなのか。

感染動向、景気動向、業績動向、と株価動向を併せて、よく観察し相場動向の背景を読み解く必要がある。

リスク選好が中期的に小休止するのか、リスク選好のけん引役が後退して明るい世界、強気の相場が続くのか。米国の感染動向あるいは国内の感染動向、米国の雇用改善の不安定性を踏まえれば、まだまだリスクが多いようにみえる。

為替相場はリスク選好・リスク回避で通貨強弱が決まる部分もある。そこに個別のテーマがからんでくる。また最終的には通貨に対する需給で決まる。

投機的なポジションがどのように「味付けをする」のか、持続可能なシナリオを描くのか、ということもある。

このところは、リスク選好でドル安・円安・ユーロ高、リスク回避ならその逆、というのがコンセンサスだ。

株価上昇のもとでドルは軟調、ドル円相場はもみ合い、ユーロが独歩高、となってきた。ユーロに関しては、感染拡大によるユーロ圏内の「二極化」、南欧の不振と中心国の堅調、財務体力の二極化をさらに拡大し、「分断」を助長するのではないか、というのが当初の懸念だった。

しかしその後、欧州復興基金構想が登場し、財政統合への第一歩となるのではないかとの見方が強まって、「分断から統合へ」との期待が高まっている。それを材料とするユーロ買いが膨らんでいるようだ。

そうした期待にはリスクもある。それによってユーロがドルに代わる基軸通貨として台頭することになる、との見方は行き過ぎだろう。

円に関してはこの間のリスク回避局面でもさほど円買いは盛り上がっていない。ユーロ高円安の反動の範囲内で円高に振れているだけのようにみえる。シカゴ通貨先物のポジションは円ロングとなってはいるが、積極的な円買いは弱い。

リスク回避で円高・円買い、という市場のコンセンサス、慣性は弱まってきたのではないか。

いわゆる「円キャリートレード」が旺盛な時期には、リスク選好=円売り、となっており、リスクイベントの発生で一気にポジションが解消=円買いとなって円高を招いた。

しかしグローバルに超低金利化するなかで内外金利差は消失し、もはや円キャリートレードが流行する状況にない。

リーマンショックは欧米の金融経済危機であり相対的な日本の安全性を消去法的に強調した。積極的な円買い・円資産への逃避を促す状況が生じたが、それが「リスク回避=円高・円買い」神話を助長した面もある。

しかし今回の経済危機はグローバルで日本が安全とはいえない。感染者数だけは欧米に比べ圧倒的に少ないが、政府のオペレーションは海外から疑問視されている。円資産は逃避先ではなさそうだ。

そうした変化を踏まえたうえで、さらに株価動向やリスク選好・回避の変化した場合、円相場にどのように影響するか。

そもそも足元の株価動向の変化が株価調整・リスク回避に転ずる兆しかどうか、吟味する必要があるが、仮にそうだとしても、すでに円高になりにくい構造、投資家・投機家心理の変化が生じているのではないか。

円高が生じるとしても、大幅かつ長期にわたる可能性は低そうだ。とくに3月の極端なドル安円高からドル高円安への急激な切り返しを経験した後ではとくにそうだろう。

◆主要指標


【対円レート】
ドル :107.02(▲0.25)
ユーロ :122.32(+0.21)
英ポンド :134.508(▲0.14)
豪ドル :74.876(+0.10)
カナダドル :78.817(▲0.19)
スイスフラン :114.031(+0.61)
ブラジルレアル :19.8718(▲0.25)
中国人民元 :15.318(▲0.01)
韓国ウォン(日本円=100) :8.89(▲0.01)

【対ドルレート】
ユーロ :1.1428(+0.004)
英ポンド :1.2568(+0.002)
豪ドル :0.6996(+0.003)
カナダドル :1.358(+0.001)
スイスフラン :0.9386(▲0.007)
ブラジルレアル :5.3863(+0.054)
中国人民元 :6.9924(+0.003)
韓国ウォン :1205.1(▲0.33)

【主要国政策金利】
米国 :0.25
ユーロ :0.00
日本 :0.00

【主要国長期金利】
米10年債 :0.63(+0.01)
米2年債 :0.15(+0.00)
日本10年債利回り :0.02(▲0.00)
日本2年債利回り :0.02(+0.02)
独10年債利回り :▲0.45(+0.02)
独2年債利回り :▲0.66(+0.02)

【主要株価指数・ビットコイン】
NY ダウ :26,671.95(▲62.76)
NASDAQ :10,503.19(+29.36)
S&P500 :3,224.73(+9.16)
日経平均株価 :22,696.42(▲73.94)
ドイツ DAX :12,919.61(+44.64)
インド センセックス :37,020.14(+548.46)
中国上海総合 :3,214.13(+4.03)
ブラジル ボベスパ :102,888.30(+2,335.00)
英国FT250 :17,347.93(+26.64)
ビットコイン :9157.69(+54.08)

【主要商品価格】
WTI :40.59(▲0.16)
Brent :43.14(▲0.23)
米ガソリン :122.45(▲0.94)
米灯油 :121.91(▲0.88)

金 :1810.42(+13.26)
銀 :19.33(+0.17)
プラチナ :840.24(+15.08)
パラジウム :2020.36(+29.49)
銅 :6447.00(+63:7.5B)
アルミニウム :1654.50(▲6:36.5C)
※貴金属はニューヨーククローズ。ベースメタルは3ヵ月公式セトル価格。
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

シカゴ大豆 :898.00(+4.50)
シカゴ とうもろこし :333.00(+2.75)
シカゴ小麦 :534.75(▲0.50)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。
※ 「休場」となっているものは、取引所が休場ないしはデータ更新時点で最新データを取得できなかった場合を指します。