ワクチン開発期待と米中対立激化で高安まちまち
- MRA商品市場レポート
2020年7月16日 第1786号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「ワクチン開発期待と米中対立激化で高安まちまち」
【昨日と本日の各セクターショートコメント】
◆エネルギー:上昇。米石油統計で市場予想を上回る原油在庫の減少と、石油製品出荷の回復持続が確認されたことが材料となった。
本日はOPECプラスの共同閣僚監視委員会で減産規模の縮小が提案される見通しであり、需給緩和観測が強まることから本日は下落すると予想。
◆非鉄金属:米中対立を背景にここまで投機的な買戻しも含めて相場水準が切りあがってきたため、一旦調整売りに押された。
需給環境に大きな変化はないが、本日は過去の指標であるもののQ220の中国のGDPが発表され、恐らく市場予想を上回ると見込まれるため堅調な推移になると予想。
◆鉄鋼原料:材料変わらず、中国の公的需要への期待とブラジルの供給懸念で高値圏維持。
需給環境に大きな変化なく、本日も高値圏維持。ただし米中対立の激化による輸出減少観測で鉄鋼製品価格は軟調か。
◆貴金属:堅調。中国と米国の対立や、コロナウイルスのワクチン開発への期待などから株価が上昇するなど、強弱材料混在する中で実質金利の水準が低水準に維持されたことが材料となった。
本日は中国の重要統計が発表されるが恐らく貴金属には影響せず。実質金利低下が続くことから高値圏維持を予想。
◆穀物:シカゴ穀物市場は堅調。米石油統計でのエタノール生産増加、在庫減少を受けた需給のタイト化観測から。
米石油統計でのエタノール需要タイト化観測を受けて堅調な推移に。
※より詳細な説明は以下をご参照ください。
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は非鉄金属セクターが特に顕著に下落したが、その他の商品は総じて堅調な推移となった。コロナウイルスのワクチン開発で良好な結果が複数報告されたことがリスク資産価格を押し上げたが、米国の香港法案に対する中国制裁に対し、中国が反発したことで米中対立への懸念が強まったことが、価格を下押しした。
ここにきて多くの商品は上昇余地が限定され始めており、特殊要因がある商品、ないしは循環物色の中で他商品と比較した時の割安感が強い商品が物色される動きになっている。
なお、ここにきて銅価格の上昇が株式市場でも材料にされているが、「何が材料で価格が上昇しているか」を考える必要がある。需要が価格を押し上げるのは事実だが、供給面が問題で価格が上昇しているのであれば「景気が良い」と判断するべきではない。
弊社の見立てでは、中国の公的需要で価格が上昇していることは事実だが、供給面が押し上げていることも否めず、銅の価格上昇=(中国の)景気回復が過剰に評価されている可能性があるとみている。
※詳しくは2020年7月14日付MRA's Eye「銅価格は堅調~経済対策とコロナによる供給減」をご参照ください。
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【本日の見通し総括】
本日も総じて高値圏を維持すると予想されるが、ロックダウン解除に伴う軽罪活動の回復や、一連の過剰な経済対策を材料にして、ここまでのリスク資産価格の上昇が顕著だったため、今度は、米中対立の激化などを材料に、上値も重いと考える。
本日予定されている材料としては、中国のGDP、工業生産、小売売上高、固定資産投資、不動産投資など、中国の関連の統計が目白押しである。市場予想は以下の通り。
Q220中国GDP 市場予想 前年比+2.4%(前期▲6.8%)工業生産 前年比+4.8%(+4.4%)、年初来▲1.5%(▲2.8%)固定資産投資 年初来前年比 ▲3.3%(▲6.3%)不動産投資 年初来前年比 +1.0%(▲0.3%)
【昨日のトピックス】
昨日、非鉄金属市場では中国と米国の対立問題が材料視された。中国が一国二制度を事実上放棄し、自国内に取り込む意向を示したことで、米国が香港を中国以外の国として優遇する意味がなくなったことで、制裁を強化する方針が示されたためである。
リーマンショック以降、世界は景気維持のために協調して対策を行ってきたが、世界2位の経済大国になった中国が、自国の利益のみを優先して人民元を操作し、結果的に中国が利益を得る仕組みとなっている。
合理的に考えて欧米が中国に対する制裁を強化しない、とみられてきたのは「中国から得ているビジネス上の利益を放棄はできないから」というのが一般的な見方だが、このメリットを中国側が多く取っているのであればこのロジックは通らない。
今回のコロナ問題が引き金になったが、2~3年前から米国は「経済的なメリットよりもデメリットが大きく、かつ、安全保障上の脅威であるため、中国とデカップリングするべき」という考え方に傾いている。これは憶測ではなく、恐らく現実のものとなるだろう。
しかし、こうした議会側の意向に反してトランプ大統領は弱腰であり、昨日のニュースでも制裁対象として林鄭月娥(キャリー・ラム)香港行政長官や韓正副首相を含む高官のリストを作成していたが、トランプ大統領は追加制裁の見送りを指示した、と伝えられている。
あまり報じられていないが、バイデンもそもそも親中であるため、大統領になった場合、落としどころを探るような対応をすると予想される。
米国は議会政治であるため大統領がそのような意向であったとしても、大きな方向性は恐らく変わらない。しかし、米大統領の存在が中国の台頭を再び許すことになるかもしれないことは、ある意味、極東における地政学的なリスクを高めることになるため、日本としては無視できないリスクといえるだろう。
【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
<<マクロ要因>>
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の改善。
ロックダウン解除の動きが世界的に拡大しており、最悪水準まで低下したPMI・ISM指数には改善圧力が掛かり、景気循環銘柄価格の上昇要因に。ただし、本格解除には至らず、改善余地も限定される公算。
・世界景気の減速観測。IMFは2020年の経済見通しを大幅に引き下げ(▲3.0%→▲4.9%)ている。2021年に関しても+5.8%→+5.4%と下方修正した。
結局、コロナウイルスの影響が2021年意向も残存することが前提となっている。ただ、この冬場の再ロックダウン時の経済への影響は、2020年初に見られたほどの過激なものにはならず、半分程度にとどまるケースをメインシナリオとしている。
・各国中央銀行、特に先進国の中央銀行はコロナ対策で政策金利をほぼゼロ近傍まで引き下げており量的緩和規模も拡大、これ以上打てる手がなくなった状態。
もちろん、量的緩和規模の拡大や投資対象の拡大などの追加手段は考えられるが、経済への直接的な影響は、先行事例である日本や欧州を見るにそれほど大きくない。
クライシスが再び発生した場合のリスクはより高まっていると考えるべき。
・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q319の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.3%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。
※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。
・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。
<<特殊要因>>
・コロナウイルスの感染長期化の可能性。現在でも感染は世界的に拡大しており、北半球の冬場に再度感染拡大→経済活動自粛、という流れになるリスクも無視できず。
・米中の対立激化による新冷戦構造の発現。
米国が中国と共生体制になっていのは経済的なメリットがあったからだが、リーマンショック、コロナショックを通じて中国よりもデメリットが大きい(人民元安誘導など)ことがわかったため、米国が中国からのデカップリングを進める可能性は高い。
・生産拠点を自国に回帰させる動きや、リモートの定着による成長鈍化が、新興国(資源国の多くも新興国)の財政状況を悪化させ、自国を含む域内景気への悪影響を及ぼす懸念(価格の乱高下要因)。
・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。
・英国のFTA締結なしEU離脱のリスク。EUとFTAで合意できなければ関税引き上げが発生し、合意なき離脱に匹敵する混乱となる可能性(下落要因)。
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。
<<投機・投資要因>>
・ロックダウン解除の動きと量的緩和・信用緩和を受けた株高による、リスク資産の再物色の流れ。
コロナウイルス対策のために大量に投入された資金が、コロナウイルス終息後にリスク資産買いに走り、暴騰するリスク。
・年後半に再度ロックダウンが始まり、投機の買いで上昇したリスク資産価格(特に株)が下落するリスク。
◆昨日の商品市場(個別)の総括
---≪エネルギー≫---
【原油市場動向総括】
原油価格は上昇した。米石油統計で市場予想を上回る在庫減少が確認されたことと、米石油製品出荷が順調に回復していることが確認されたことが材料となった。
OPECプラス合同閣僚監視委では、現在の960万バレルから770万への緩和が支持されたが、同時にイラクなどへの「減産未遵守分の減産」を8月以降も要請しており、これが実施されれば、200万バレル程度とみられる増産が、100万バレル程度に緩和されることになる。
但し、小規規模な国が増産許容時に減産を実施できるとは考えにくく、想定以上の増産となる可能性は無視できない。
昨日発表された米石油統計は、市場予想比強気な内容だった。原油は生産が横ばい、輸入が減少(▲1.8MBD)、処理量が増加(+0.1MBD)したため、在庫は▲7.5MBの減少となった。しかし製油所の処理量・稼働率は例年と比較して著しく低い。
クッシング在庫は+0.95MB(+2.21MB)と増加を続けており、全米原油在庫減少の影響を緩和している。
石油製品はガソリン生産が増加(+0.1MBD)、輸入が減少(▲0.2MBD)、出荷が増加(+0.2MBD)したことで、在庫は▲3.1MBの減少に。
石油製品全体の出荷は回復を継続しており、全製品の出荷は前年比▲13.1%の18,075KBD(▲15.1%の17,778KBD)となり、輸出を含めると▲11.4%の22,931KBD(▲14.2%の22,514KBD)と、順調に回復していることを確認する内容だった。やはり北半球の夏場の経済活動の回復は続くことになり、原油価格を押し上げることになるだろう。
【原油価格見通し】
原油価格は最大消費国である米国の経済活動が回復していることから目先強含み易いものの、OPECの減産幅縮小観測や、世界的なコロナの再拡大懸念を受けて上値も重いと考える。
DOEは2019年対比で元の水準に戻るのは2022年以降と想定しており、原油需要の戻りや価格の戻りは制限されると考えられるが、OPECの減産によってすでに原油需給バランスが供給不足になっているとの見通しも示しており、下落余地も限定されるとみている。当面はレンジワークとなるだろう。
しかし、米中対立やコロナの影響継続、実は世界のコロナ感染者数の増加ペースが加速していることを考えると、このタイミングでプレ・コロナの頃の水準に経済活動が戻るとは考え難く、常に価格急落への備え(場合によってはプットオプションの活用など)を検討すべき時期にあると考える。
原油価格が低水準で推移した場合、米シェールオイルの生産者のコストは平均で40ドル近辺(27ドル~50ドル程度)、カナダのオイルサンドからの生産者のコストも40ドル程度であることから、時間経過とともに減産が進捗すると予想される。
場合によると経営破綻、という形で減産が進む可能性もあるが、価格下落リスクヘッジをしている生産者もファイナンスが困難になっているため、資金繰りが意識される3、6、9、12月末のリスクは高まるだろう。
生産調整の議論の次に考えるべきは、「コロナ終息後の供給」である。今のところ夏頃から経済活動が再開されるとみられるが、この時の減産規模縮小のタイミングを誤ると、価格が大きく上昇するリスクが出てくる。
すでに全ての産油国が追加減産を実施しているが、減産後の稼働再開には時間が掛るため、供給が間に合わない可能性がある。中東の産油国でも1ヵ月程度、米シェール企業の場合は増産を決断してから実施されるまで、6~7ヵ月はかかる。
さらに価格低迷が産油国の体制を揺るがすため、供給が途絶して急騰、というリスクもあり得る。特に中東北アフリカ諸国ではコロナウイルスの感染が拡大した場合、治安の不安定化で政権の維持が困難になり、供給自体に支障をきたす可能性もある。
足元の価格上昇を受けてOPEC諸国が増産に転じれば、逆にその体制崩壊のリスク→価格上昇のリスクを高めることになる。
ただ、今のところ今年の冬に感染拡大の第2ラウンドが来る可能性は高く、むしろメインシナリオになりつつある。この場合、信用リスクにも波及し企業倒産がべースの需要を減じることから、現在の世界各地の減産では不十分となる可能性も充分にあり得る。
各国政府・中央銀行が財政・金融政策の大盤振る舞いは、市場参加者のセンチメントの改善を通じて今のところエネルギー価格の押し上げ要因となっている。
しかし、先進国中央銀行は持てる政策をすべて使ってしまったため、冬場に再ロックダウンがあった場合などの事態の悪化があった場合、打てる手段はほとんどないことは下落リスクと考えるべきだ。
原油価格の変動性は今後、需要が低迷するにも関わらず、さらに高まると考えておくべきである。
【石炭市場動向総括】
石炭先物市場は小幅に上昇した。固有の材料に乏しい中、過去5年レンジの最低水準を季節性通りフォローする値動きとなっていたが、ここにきて上昇も、下落もしなくなってきている。
【石炭価格見通し】
石炭価格は需給バランスの緩和観測で軟調な推移になると考える。ただし過去5年レンジの最低水準まで下落しており、その観点での割安感からの買いが入り、下落余地は限定されると考える。
6月の中国の石炭輸入は前月から回復したが、前年水準を▲6.7%下回った。中国は国内の石炭産業の強化を目的に国内生産を増加させる方向性に舵を切っており、輸入を抑制する可能性を否定していない。
また、コロナ問題を受けて対中国批判を強める豪州に対し、牛肉や鉄鉱石、石炭輸入を削減ないしは停止すると中国政府が表明しており、実際にその通りとなれば豪州炭価格を押し上げよう(他国産石炭は上昇)。
しかし、水準を切り上げていた中国の港湾在庫は急速に減少し、過去5年レンジを大きく下回っていることから、一定の輸入需要が見込めると考えられさらなる価格下落余地も限定される。
石炭期間構造はコンタンゴで限月交代によるジャンプも起きにくく、価格変動性は12%程度(VaRの概念では、現在の価格を50ドル程度とすれば、7割の確率で1年後の価格が±6ドル程度しか変化しない)と通貨の変動率程度まで変動性が低下している。
結局、燃料炭価格は狭いレンジの中で、低いボラティリティを維持しつつ現状水準での推移を続けると予想される。
【価格変動要因の整理】
<<マクロ要因>>
・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産継続で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。
・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。
・最大消費国である米国の石油製品出荷は前年比▲2割の大幅減少の状態であり、短期的な需要の方向性はマイナス(原油価格の下落要因)。
世界2位の消費国である中国の需要の指標である工業生産は市場予想を上回るマイナス幅の縮小となったが、小売売上高は前月から改善
・1-5月期の中国工業生産は前年比▲2.8%(1-4月期▲4.9%)、4月+4.4%(前月+3.9%)とマイナス幅を縮小、月次ベースでも回復を継続している(フロー需要の回復=価格の上昇要因)
ただし回復ペースは市場予想を下回っている。
・1-5月期の中国小売売上高は前年比▲13.5%13兆8,730億元(1-4月期▲16.2%の10兆6,758億元)と回復は遅れており、5月単月でも▲2.8%の3兆1,973億円(前月▲7.5%の2兆8,178億元)と回復はしているがマイナスは継続(フロー需要の回復=価格の上昇要因)
ただし前年比マイナスの状態が続き、回復ペースは緩慢。
・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。
・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。
・競合燃料である天然ガス・LNG価格が供給過剰で低迷、石炭価格の下落要因。
<<特殊要因>>
・原油価格下落とコロナウイルス感染拡大による治安悪化、コロナ問題を背景に米・欧軍が中東から撤退、それを受けたISの伸長が域内情勢を不安定化させ、原油生産・供給に悪影響を与える場合(価格の上昇要因)。
また、域内で武力衝突が発生し、難民が欧州に流入した場合欧州域内の政情が混乱するため景気を下押しし、原油価格の下落要因に。
<<投機・投資要因>>・WTI、Brentともロングの解消売りが顕著。ロックダウン再開への懸念が影響したものと考えられる。
WTIはショートの買戻しが多く、Brentはショートの新規積み増しが顕著だった。
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
WTIはロングが686,543枚(前週比 ▲17,850枚)ショートが151,226枚(▲9,341枚)ネットロングは535,317枚(▲8,509枚)
Brentはロングが254,623枚(前週比▲10,315枚)ショートが55,367枚(+4,570枚)ネットロングは199,256枚(▲14,885枚)
---≪LME非鉄金属≫---
【非鉄金属市場動向総括】
LME市場は下落した。米国の香港法案を巡る制裁方針に対して中国が反発、駐中米国大使に中国側が抗議したことを受け、米中対立激化への懸念が強まったことが背景。
但し、LME指定倉庫在庫の減少は続いており、南米の供給不安も継続していることから下落したといっても余地は限定された。
【非鉄金属価格見通し】
非鉄金属価格は高値圏を維持すると考える。今のところ市場参加者は、北半球の主要国は夏場のロックダウンを想定していないと見られること、中国・米国のインフラ投資実施による公的セクターの需要下支えが期待されるうえ、コロナの影響による南半球、特に南米生産者の供給減少が意識されており、ベンチマークである銅価格が堅調に推移すると予想されることから。
弊社は7月2日に見通しをリバイスしたが、非鉄金属価格の多くはこの予想数値を10%~15%上回る可能性があり、いきなり見通しを外してしまったかもしれない。
ここにきて特に市場参加者は、鉱山供給の停止リスクを強く意識し始めている。鉱山を保有する国の多くが新興国であり、医療体制が充実していないなどコロナウイルスに対する体制が脆弱である。
特に南米はブラジルを中心に対策が遅れており、ベンチマークの銅の供給懸念は日に日に強まっている状況。これに米中のインフラ投資需要が重なっているため、通常は工場の稼働が夏休みで低下する夏場にかけて、相場は強含み易い。
今回の米中の公共投資は、5G分野やEVステーションの整備、通常の公共投資が行われる見込みであり、銅、亜鉛、アルミの需要がその恩恵を受けると予想される。
割安に推移してきたアルミは中国の製錬キャパシティの拡大が2020前年比で▲130万トンの減少が見込まれ、アルミナの供給能力も、中国で180万トン程度が停止していることから、秋口にかけての上昇リスクは小さくないとみる。
しかし、今年は北半球の冬場に再びロックダウンとなる懸念がぬぐえないため、北半球の夏場の非鉄相場は強いものの、大統領選後の冬場は南半球が夏になり、供給制限が緩和される見込みであることを考えると、年後半は需給両面で価格が下落するリスクは小さくないと考えている。
なお、米中が通商面で昨年・一昨年に行われたような「大規模な制裁」を実施することは両国にとってデメリットが大きいため、行われないと考えるのが常識的な見方だ。
ただし、コロナウイルスへの中国の対応(情報隠ぺい)を受けて、欧米の中国に対する今までの積年の不満が、香港・新疆ウイグル自治区問題、台湾問題で爆発しており、今後、欧米が協調して中国からのデカップリングを進める可能性は高い。むしろメインシナリオだろう。
特に、反中に転じたバイデン候補が勝利した場合、欧州と連携して中国包囲網を強めると予想される。
結果、貿易量の減少を通じて非鉄金属価格には下押し圧力が掛かることになる。
各国政府・中央銀行が財政・金融政策の大盤振る舞いは、市場参加者のセンチメントの改善を通じて今のところ非鉄金属価格の押し上げ要因となっている。
しかし、先進国中央銀行は持てる政策をすべて使ってしまったため、冬場に再ロックダウンがあった場合などの事態の悪化があった場合、打てる手段はほとんどないことは下落リスクと考えるべきだ。
冬場に突入する南半球の感染状況は、今後注意すべき需要指標になるだろう。
長期的には環境面に配慮した「省エネ金属」需要が高まることから非鉄金属価格は上昇すると予想される。
具体例を挙げると、社会インフラとしてのバッテリー向け、電気自動車に使用される金属が対象となる(銅、アルミ、ニッケル、リチウム、コバルトなど)。
再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インドの構造的な需要が顕在化するタイミングになるだろうが、中国が1994年に人口ボーナス期入りし、非鉄金属価格が上昇を始めたのが2000年頃からであることを考えると、2023~2024年頃になるのではないか。
【価格変動要因の整理】
<<マクロ要因>>
・6月中国製造業PMIは50.9(前月50.6)と改善した。内訳を見ると生産が回復、新規受注も50.9→51.4と改善、輸出向けの新規受注も大きく改善(35.3→42.6)しており、ロックダウン解除による国内の経済活動の回復と、海外市場の稼働再開が影響したことが鮮明となった。
これに伴い、原材料・完成品在庫とも水準を切り下げており、新規受注の増加と合わせた両要因で、新規受注・在庫レシオは水準を切り上げることになった。
中国国内の原材料・完成品需給はタイト化が予想され、特に鉱物資源価格の上昇要因となる。
・6月中国銅線生産者 97.1%(前月101.7%、過去4年平均 87.1%) 銅棒生産者 77.8%(80.4%、76.1%) 銅板生産者 63.5%(65.9%、70.8%) 銅管生産者 86.2%(83.4%、85.6%)
・5月中国銅精錬業者稼働状況 大規模事業者 90.9%(前月90.3%) 中規模事業者 73.3%(65.9%) 小規模事業者 73.1%(73.1%)
・1-5月期の中国工業生産は前年比▲2.8%(1-4月期▲4.9%)、4月+4.4%(前月+3.9%)とマイナス幅を縮小、月次ベースでも回復を継続している(フロー需要の回復=価格の上昇要因)
ただし回復ペースは市場予想を下回っている。
・1-5月期の中国固定資産投資は前年比▲6.3%の19兆9,194億元(1-4月期▲10.3%の13兆6,824億元)と回復基調を持続(ストック需要の回復=価格の上昇要因)
しかし、公的セクター▲1.9%(▲6.9%)は回復しているものの、より規模の大きな民間セクターの回復は▲9.6%(▲13.3%)と遅れており、回復力は然程強くない。
・1-5月期の中国不動産開発投資は前年比▲0.3%の4兆5,920億元(1-4月期▲3.3%の3兆3,103億元)とマイナス幅を縮小(ストック需要の回復=価格の上昇要因)。
ただし、前年比マイナスは続いており回復力は弱い。
・6月の中国の銅地金輸入は前年比+98.8%の66万トン(前月+20.8%の44万トン)、銅鉱石・精鉱輸入は前年比+8.4%の159万4,000トン(▲8.3%の169万ト)と、地金輸入が大幅な増加、銅鉱石輸入は減少傾向となっている。
銅のTC/RCは7月13日段階で54.5ドルと2014年以降の最低水準になっており、鉱石市場の需給がタイト化しており、中国の消費者は精錬品を物色している。
低下していた銅現物プレミアムも上昇しており、少なくとも北半球の夏場はコロナの影響が緩和しているため、この状況が続くことに。
・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなど)
・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。
・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。
・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。ただしTCが低下を始めており、徐々に需給は緩和方向へ。
・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。
・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。
<<特殊要因>>
・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。
・資源ナショナリズムの高まり。インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。
・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展、インドの人種差別問題が反政府行動に繋がり、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)
<<投機・投資要因>>
・7月3日付のLMEロング・ショートポジションは、亜鉛と錫を除いて引き続き総じてショートの買戻しが顕著だった。その他、鉛と錫を除き、ロングの積み増しも進んだ。需給両面で価格が上昇し易くなっていることを示唆。
投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は34.3億ドル(前週20.5億ドル)と、買い越し幅を拡大している。アルミ・亜鉛以外は買い越しに。買い越し幅の増加率は+67.1%。
買い越し枚数はトン数換算ベースで424千トン(前週101千トン)と買い越し幅を拡大した。買い越し枚数の増加率は+318.7%。
---≪鉄鋼原料≫---
【鉄鋼原料市場動向総括】
中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、原料炭スワップ先物は横ばい、中国鉄鋼製品先物価格は小動きだった。
中国の公共投資と南米の供給不安が引き続き材料となり、高値圏での推移が続いている。
【鉄鋼原料価格見通し】
鉄鉱石価格は高値圏での推移になると考える。中国鉄鉱石在庫が日数ベースで過去5年の最低水準で推移していること、中国政府のインフラ投資が今後も継続する見込みであることから、中国国内の足元の鉄鋼原料需給並びに今後の需給見通しがタイト化しているため。
中国のインフラ投資(公的需要)、米国の1兆ドルインフラ投資、ブラジルの供給減少が顕在化しつつあることも価格の押し上げ材料。足元、ブラジルなどの主要生産国からの供給面のほうが強く意識されつつある状況。
しかし上昇を続けてきたバルチック海運指数は下落に転じている。同指数は石炭輸送状況の影響を強く受けるが、ブラジル・豪州の中国向け鉄鉱石輸出が急速に減少している影響が顕在化しているためと考えられる。
コロナウイルス感染拡大や、人権問題をめぐって欧米と中国の対立が強まっており、両者の対立は交易量の減少を通じて鉄鋼製品価格・鉄鉱石価格を下押ししすることになる。
原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が好況投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。但し、中国政府は国内生産を増加させる方針であり、上値も重い。
中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は過去5年平均程度での推移が続いており、鉄鉱石よりは需給が緩和している。
インドネシア・豪州の中国向け石炭輸出は増加していたが、週間輸出実績は急減速している。バルチック海運指数にも低下圧力が掛かっており、今後の動向に注目したい。
【価格変動要因の整理】
<<マクロ要因>>
・6月の鉄鋼業PMIは49.3(前月50.9)と前月から悪化した。生産は引き続き高水準であるが(56.4→57.5)、新規受注が急減速(52.9→46.4)したことが影響した。輸出向け新規受注の水準も低下しており、鉄鋼製品の国内外向けの需要は急減速しているといえる。
鉄鋼業は中国政府の公共投資を受けて公的需要が増加していたと見られるが、それが一服したためと考えられる。やはり、中国もそこまで財政的にゆとりはないということだろう。
結果、完成品在庫・原材料在庫とも指数が上昇しており、今後、鉄鋼製品価格や鉄鉱石価格の下押し要因になると予想される。
・中国河北省の高炉稼働率は7月10日時点で78.6%(前週78.9%)と小幅に低下。鉄鋼製品生産の回復は頭打ちとなっていることをうかがわせる内容。
・1-5月期の中国工業生産は前年比▲2.8%(1-4月期▲4.9%)、4月+4.4%(前月+3.9%)とマイナス幅を縮小、月次ベースでも回復を継続している(フロー需要の回復=価格の上昇要因)
ただし回復ペースは市場予想を下回っている。
・1-5月期の中国固定資産投資は前年比▲6.3%の19兆9,194億元(1-4月期▲10.3%の13兆6,824億元)と回復基調を持続(ストック需要の回復=価格の上昇要因)
しかし、公的セクター▲1.9%(▲6.9%)は回復しているものの、より規模の大きな民間セクターの回復は▲9.6%(▲13.3%)と遅れており、回復力は然程強くない。
・1-5月期の中国不動産開発投資は前年比▲0.3%の4兆5,920億元(1-4月期▲3.3%の3兆3,103億元)とマイナス幅を縮小(ストック需要の回復=価格の上昇要因)。
ただし、前年比マイナスは続いており回復力は弱い。
・中国の鉄鋼製品の輸入は通常、平均で110万トン程度なのだが、6月は188万トンと記録的な水準に。国内生産は5月時点で9,227万トンと記録的な水準。一方で鉄鋼製品の輸出は370万トンと過去5年レンジを下回り、この5年の最低水準。圧倒的に国内需要が旺盛であることを示唆。
中国の鉄鋼製品在庫水準は前週比+12.3万トンの1,471.7万トン(過去5年平均 1,040万トン)となった。例年よりも在庫水準は高く、今週も例年と異なり在庫が増加している。
・6月の中国の鉄鉱石・精鉱輸入量は過去2番目の水準となり、1億168万トンとなった。中国の港湾在庫の水準は絶対水準が過去5年平均を下回り、在庫日数は過去5年の最低水準で推移しており、やはり国内のインフラ向け需要が旺盛であることを伺わせる内容。
一方で週次の鉄鉱石輸入は6月に入ってから減少を始めており、ブラジルや豪州の鉄鉱石週間輸出も減少を始めている。さらに減速するかどうかはブラジルについてはコロナウイルスの感染拡大状況、豪州はコロナを巡る中国との対立次第であるが、仮にそうなった場合、さらに海上輸送鉄鉱石価格は上昇することに。
鉄鉱石の港湾在庫水準は、絶対水準ベース、在庫日数ベースとも過去5年平均を下回っており一定の在庫積み増し需要があると考えられる。
中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比+30万トンの1億1,005万トン(過去5年平均1億1,961.6万トン)、在庫日数は+0.1日の22.0日(過去5年平均 29.0日)と例年と比較して在庫水準が低く、需給ファンダメンタルズはタイト。
・5月の石炭輸入(燃料炭・原料炭の合算)は前年比▲19.7%の2,205万7,000トン(前月+22.3%の3,095万トン)と減速し、過去5年平均程度まで落ち込んだ。中国の石炭国内生産が増加しているためとみられる。
原料炭の輸入は4月は前年比▲15.4%の628万トン(前年比▲8.1%の564万トン)と急減速した。おそらく国内生産が増加したことによるもの。
・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、インフラ整備のための投資を拡大する方針(5年で約160兆円)であり、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。
<<特殊要因>>
・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。
・米国が中国に対する人権問題(香港・新疆ウイグル自治区問題)や、コロナウイルスへの対策に対する中国への不満が高まった場合、再び通商問題が議題に上がる場合(価格の下落要因)。
・コロナウイルスの感染拡大長期化による経済成長の鈍化。
<<投機・投資要因>>
・特になし。
---≪貴金属≫---
【貴金属市場動向総括】
金価格はもみ合った結果、前日比プラスで引けた。実質金利の低下が維持されていることが価格を押し上げているが、昨日は米中対立などが材料となった模様。
銀は、銀金在庫レシオの低下(銀需給が金に対して相対的にタイト化)したことを受けて金銀レシオが低下、金以上に価格が上昇。プラチナも銀価格の上昇につれる形となった。
パラジウムは金価格の上昇と株高を受けて小幅高。
【貴金属価格見通し】
金銀は高値圏を維持すると考える。FRBが実質金利をマイナスにする緩和策を容認していることもあり、かつ、2022年までは現状の政策が維持される見込みであること、景況感とは乖離して上昇している株価下落への備え、といった観点で需要が高まると予想されるため。
また、米中対立激化がほぼ確実な情勢になっていることや、コロナ不況を背景とした新興国経済の混乱も安全資産需要を高めることになる。
ただ、実質金利がさらに下落するには原油価格が高騰するなどの材料が必要であるが、今のところそこまでの上昇は見込めないため金価格の上昇余地は限定される。そのため、割安感のある銀が代わりに物色されることになるだろう。
現在の金の実質金利で説明可能な価格からの乖離(リスク・プレミアム)は229ル(前日比変わらず)。
一方、現在の実質金利で説明可能な価格水準は長期金利の低下もあって、1,580~1,600ドル程度まで上昇しており、緊急時の換金による下落余地が限定されている。
※毎日回帰分析をアップデートし、リスク・プレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。
銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀在庫レシオを元にした分析では105倍程度が妥当、となっているが現在は93.2と大幅に低下している。銀÷金在庫レシオの低下が要因となったようだ。
過去1年平均を基準にすると95倍程度、全期間を通じた分析では80倍程度が妥当であり、これ以上の上昇があるかどうかに関しては、金価格動向次第か、更に金在庫の増加・銀在庫の減少が進む場合だろう。
なお、金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)はCOMEX金在庫の急増によって低下、金銀レシオに下押し圧力をかけており、徐々に銀価格は対金で水準を切り上げる展開になると予想される。
金価格の上昇余地がそろそろ限界では、との見方が強まっていることも、割安な大体安全資産として銀が物色される可能性は高い。
なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)している点は留意。
(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%
金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%
プラチナ価格は銀価格との連動性が高まっている。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによるが、各国の準備金や市場取引の担保価値が認められている金のほどの安全資産としては認知されていないため、金価格に主導される形で価格が形成されやすい。
しかし、値動きとしては銀価格と連動しやすく、銀価格が割安感から物色されやすい地合いとなっているため、プラチナ価格にも上昇圧力が掛かることになると予想する。
パラジウムは価格は景気の先行きが明確に悪いこと、自動車セクターの回復は緩やかなものにとどまる見通しであることから実需面は価格を下押ししやすい。
その一方で、貴金属のベンチマークである金価格は堅調な推移が予想されるため、結果、パラジウムは神経質にレンジワークでの推移になると考える。
6月の米自動車販売は年率1,305万台(市場予想 1,309万台、前月 1,221万台)と、市場予想には届かなかったが大幅な改善となった。ただし、経済活動が再開されているが、プレ・コロナの水準に戻るには相当の時間がかかる見込みであり、PGM価格の押し上げ効果は限定的なものとなろう。
中国の6月の自動車販売は前年比+11.6%の230万台(前月+14.5%の219万台)と前月比プラスとなったが、前年比では伸びが減速した。引き続き年初来の販売累計は▲16.9%の1,026万台となっており、コロナの影響に伴う販売遅れを取り戻せていない状況。
中国の販売は欧米に先行して回復すると見るが、完全に経済活動が元に戻ることは難しく、回復ペースは緩慢なものに留まるだろう。
そして、コロナウイルスの影響が拡大する中で、日米欧も自動車販売が減速する可能性は高く、PGM価格の下押し要因になると予想される。
【価格変動要因の整理】
<<マクロ要因>>
・各国とも政策金利をゼロ近傍に下げており、量的緩和規模も拡大。あとは更に規模を拡大するか、量的緩和時の投資対象を拡大するぐらいしかなくなってきた。
これで追加の緩和手段はほぼなくなった状態であり、金価格の上昇余地は限定される。
・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。
・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が不安定であることによる供給懸念。
・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するには数年単位で時間を要する)。
・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。
パラジウムはロシアでは銅・ニッケルの、南アフリカ・米国ではプラチナの副産物として生産されるため(副産物としての供給が8割)、急な増産が困難であり供給面の制限が価格を下支えする状況に変わりはない。
<<特殊要因>>
・コロナ対策で過剰な財政出動が行われており、終息後に各国の財政・信用不安が意識される場合(価格の上昇要因)。
・米中の対立激化。米国は今回のウイルス問題で、中国の医療面、人工知能を含むIT面に脅威を感じた可能性は高く、対立が激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。
・生産拠点を自国に回帰させる動きやリモートの定着による成長鈍化が、新興国の財政状況を悪化させる場合(価格の上昇要因)。
・原油価格低迷による財政状況の悪化、コロナウイルスの影響拡大に伴う国民の不満爆発、サバクトビバッタの大量発生による食糧危機などで、中東・北アフリカ有事が発生、それに伴う安全資産需要の高まり(上昇要因)。
・英国のブレグジットは、FTA合意なき離脱となるリスクが残存しており、その場合のインパクトは無秩序離脱と同レベルになると考えられ、金価格の上昇要因に。
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。
<<投機・投資要因>>
・直近の投機筋のポジションは、金はロングが337,030枚(前週比 +8,088枚)、ショートが69,672枚(+7,400枚)、ネットロングは267,358枚(+688枚)、銀が80,741枚(+1,995枚)、ショートが42,916枚(+1,771枚)、ネットロングは37,825枚(+224枚)
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
プラチナはロングが27,680枚(前週比 +955枚)ショートが10,365枚(▲512枚)、ネットロングは17,315枚(+1,467枚)
パラジウムが3,251枚(+217枚)、ショートが1,737枚(▲178枚)ネットロングは1,514枚(+395枚)
---≪農産品≫---
【穀物市場動向総括】
シカゴ穀物市場は総じて堅調。
トウモロコシは直近限月が下落したがその他の限月は総じて上昇した。中国のトウモロコシ購入報道や、米石油統計でのエタノール生産増加継続、在庫減少が材料視された。
大豆もトウモロコシの中心限月価格が、米石油統計を受けて上昇したことを材料に上昇。小麦もほぼこれに追随する動きとなった。
【穀物価格見通し】
トウモロコシ価格は米ガソリン出荷が回復基調を維持していることが統計で確認できていることを受け、投機の買戻しも入りやすく、堅調な推移になると予想。但し、生産地の生育環境の改善を受けて上値も重いと考える。
大豆も飼料向け需要の回復と、中国の合意履行遵守期待、トウモロコシの上昇を受けて堅調。
小麦は北米の冬小麦の作柄が良好ではなく、そもそも取引所在庫の水準が低い中、ロシアやフランスの生産減少観測が強まっていること、競合飼料であるトウモロコシも米石油製品出荷の回復で上昇し易くなっていることから、上昇余地を探る展開に。
東アフリカ・中東地域で激増しているサバクトビバッタであるが、現在はインド・パキスタン・イラン、エチオピア・ソマリア・ケニアにまたがる地域で猛威を振るっている。
懸念はアフリカ西部にバッタが飛来する可能性が指摘されている点。こうなると影響がアフリカ北部全域に広がることになり、食料危機を通じて北アフリカの治安が不安定化するリスクは無視できない。
また、東南アジアでもトウモロコシやイネの大害虫であるツマジロクサヨトウが繁殖し、深刻な食糧危機をもたらしている
コロナウイルスの影響で播種に必要な人員を確保できない農家があったが、今度は収穫期にコロナウイルスの影響で人員が確保できず、収穫に影響が出る可能性がある。年後半にかけて、穀物価格の見通しは強気。
【価格変動要因の整理】
<<マクロ要因>>
・米穀物作付け意向面積トウモロコシ 9,699万エーカー(市場予想 9,412万エーカー)大豆 8,351万エーカー(8,502万エーカー)小麦 4,466万エーカー(4,495万エーカー)
・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)
・6月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 150億Bu(150億4,085万Bu、前月159億9,500万Bu)大豆 41億3,500万Bu(41億5,430万Bu、41億2,500万Bu)小麦 18億2,400万Bu(18億4,372万Bu、18億7,700万Bu)
・6月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 24億4,800万Bu(27億3,052万Bu、33億2,300万Bu)大豆 4億2,500万Bu(4億2,389万Bu、3億9,500万Bu)小麦 9億4,200万Bu(9億5,019万Bu、9億2,500万Bu)
・6月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 52億2,400万Bu(49億5,862万Bu、79億5,300万Bu)大豆 13億8,600万Bu(13億9,113万Bu、22億5,300万Bu)小麦 10億4,400万Bu(9億8,661万Bu、14億1,200万Bu)
<<特殊要因>>
・新型肺炎の影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。
・米・イランの対立激化により、穀物輸送に影響が出る場合(下落要因)。ただし非景気循環銘柄需要が高まり最終的には上昇要因に。
・夏場以降、北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の可能性があり、価格の上昇リスク要因に。
・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。
<<投機・投資要因>>
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
トウモロコシはロングが256,472枚(前週比 ▲13,802枚)、ショートが363,711枚(▲64,007枚)ネットロングは▲107,239枚(+50,205枚)
大豆はロングが218,135枚(+14,579枚)、ショートが67,626枚(▲13,059枚)ネットロングは150,509枚(+27,638枚)
小麦はロングが116,056枚(+2,524枚)、ショートが130,325枚(+2,169枚)ネットロングは▲14,269枚(+355枚)
◆本日のMRA's Eye
「アルミ供給に懸念はないが価格には上昇余地」
2020年のアルミ需給は、コロナショックの影響で特に自動車セクターが大きな影響を受けたことから、中国の需要見通しが、前年比▲3.5%の3,497万8,000トンなることから、全体でも▲7.2%の5,979万6,000トンへの減少が見込まれる。
その一方で供給は目立った減産が起きておらず、中国の生産が▲0.7%の3,553万トンに減少、全体でも▲0.1%の6,389万3,000トンへの小幅な減少が見込まれている。結果、全体の需給は409万6,000トンの供給過剰と、前年の▲47万7,000トンの供給不足から大幅に需給が緩和する見込みだ。
2021年の需給バランスは改善の見込みだが、それでも220万5,000トンの供給過剰が見込まれている。
足元、世界各国の経済対策実施方針を受けて建設・自動車向けの需要の回復が期待されること、冬場の再ロックダウンのリスクを意識した駆け込みでアルミ価格が想定以上に上昇する可能性はある。
しかし景気回復のペースは緩やかなものに留まると見られ、不要不急の需要である自動車販売も回復には時間がかかると考えられる。各国の現物プレミアムには低下圧力が掛かっており、7月初に妥結した日本のQ320の現物プレミアムは60ドル程度である。コロナウイルスの影響で、日本の5月のアルミ出荷は、前年比▲24%の123,618トンに留まったためだ。
また、アルミに関しては今回のコロナ禍を受けても目立った減産が行われていないことから、上述の通り需給バランスは緩和した状態が続き、やはり上昇余地は限られると考えられる。
このような動きを受けて、アルミのLME指定倉庫在庫は3月の96万7,000トンから、足元166万3,800トンまで急速に増加している。
アルミの生産地は電力コストが安いところにシフトしていくため、2000年以降、世界の工場となった中国に生産拠点が移り、徐々に価格は中国の主要燃料である石炭価格との連動性を高めているのは、このコラムでも指摘している通りだ。
アルミ価格と中国の発電コストの指標である石炭価格との相関性は高いが、現在、石炭価格で説明可能な水準よりも低い水準で価格が推移している。これは需要が回復し始めているとは言え、需給バランスが緩和していることによる。
言葉を変えると需給バランスがタイト化の方向に向かえば、現在の石炭価格水準でも1,780ドル程度までの上昇余地があることになる。
ただし上述の通り、自動車販売や建設需要がコロナ禍で顕著に回復するとは考え難い。あるとすれば、中国の精錬キャパシティの増加が2021年は2020前年比で減少する見込みであり、2021年に入ってからか。
以上から、2020年のアルミ平均価格は各国政府の公共投資期待などで、1,585ドル/トン(前回見通し比+13ドル/トン)と小幅に上方修正、2021年については価格見通しは下方修正だが、供給過剰幅が縮小すること、各国のコロナ対策のための公共需要が増加すると期待されることから予想価格は1,631ドル/トン(▲38ドル/トン)と2020年比で上昇すると予想。
上記見通しのリスクは、各国の公共投資が過熱した場合、各国中央銀行の大規模緩和で株価が上昇し、「割安セクターの循環物色」が起きた場合。下落リスクはコロナウイルスの感染再拡大でロックダウンが起きる場合、米中対立が激化する場合、英国がFTA締結なくEUを離脱する場合など。
◆主要ニュース
・6月日本東京マンション販売 前年比▲31.7%の1,543戸(前月▲82.2%の393戸)
・6月インド貿易収支 ▲7億9,000万ドルの赤字(前月▲31億5,000万ドルの赤字)
輸出 前年比▲12.4%(▲36.5%)
輸入 ▲47.6%(▲51.0%)
・7月ニューヨーク連銀製造業景況感指数 17.2(前月▲0.2)
新規受注 ▲4.5(▲0.6)
受注残 ▲0.6(▲12.5)
在庫水準 ▲9.7(▲0.6)
雇用者数 +0.4(▲3.5)
6ヵ月先景況指数 38.4(56.5)
・6月米輸出物価指数 前月比+1.4%(+0.4%)、前年比▲4.4%(▲6.2%)
輸入物価指数 +1.4%(+0.8%)、▲3.8%(▲6.2%)
除原油 前月比+0.3%(+0.2%)
・6月米鉱工業生産 前月比+5.4%(前月+1.4%)
設備稼働率 68.6%(65.1%)
製造業生産 +7.2%(+3.8%)
・米MBA住宅ローン申請指数 前週比 +5.1%(前週+2.2%)
購入指数▲6.1%(+5.3%)
借換指数+11.9%(+0.4%)
固定金利30年 3.19%(3.26%)、15年 2.70%(2.77%)
・日銀当座預金残高の預金金利 ▲0.1%(前回 ▲0.1%)、10年債金利の誘導目標 ±0.0%(±0.0%)
・米ベージュブック、「7月初に回復初期の兆候を示した一方、新型コロナウイルス感染を巡る今後の状況がはっきりしないことから、景気の先行きは不透明。」
・中国外務省 鄭沢光次官、米ブランスタッド駐中国大使を呼び出し、香港への優遇措置を撤廃する大統領令に関して厳重に抗議。
・米政府、香港問題を巡り、中国に対して制裁を検討。米国務省は90日以内に香港の自由や自治を侵害した個人や団体を特定し、ドル資産の凍結などの制裁可否を検討(中国共産党最高指導部の韓正副首相を含む)。
第二次制裁として、その個人や団体と取引がある金融機関も対象。
1.米銀による融資の禁止
2.外貨取引の禁止
3.貿易決済の禁止
4.米国内の資産凍結
5.米国からの融資の制限
6.米国からの物品輸出の制限
◆エネルギー・メタル関連ニュース
【エネルギー】
・DOE米石油統計 原油▲7.5MB(クッシング+0.9MB)
ガソリン▲3.1MB
ディスティレート▲0.5MB
稼働率+0.6
原油・石油製品輸出 7,650KBD(前週比+140KBD)
原油輸出 2,795KBD(+20KBD)
ガソリン輸出 474KBD(+27KBD)
ディスティレート輸出 1,222KBD(+8KBD)
レジデュアル輸出 142KBD(+24KBD)
プロパン・プロピレン輸出 1,135KBD(+39KBD)
その他石油製品輸出 1,815KBD(+36KBD)
・サウジアラビア アブドルアジズ エネルギー相、「OPECプラスが予定通りに供給を一定規模回復させるものの、新型コロナウイルス危機で落ち込んだ需要が改善していることから、影響はほとんど感じられない。」現在の960万バレルから770万バレルの減産に。
・ブラジル Raizen、一時的に航空燃料の販売を停止。
・イラン南部の造船所で火災、舟7隻が燃える。破壊行為を指摘する声も。
【メタル】
・Q120Alcoa
ボーキサイト生産 12.2百万トン(前期11.6百万トン、前年11.3百万トン)
出荷 10.8百万トン(10.5百万トン、10.3百万トン)
アルミナ生産 3,371千トン(3,298千トン、3,309千トン)
第三者出荷 2,415千トン(2,365千トン、2,299千トン)
アルミニウム生産 581千トン(564千トン、533千トン)
出荷 789千トン(725千トン、724千トン)
CAPEX 77百万ドル(91百万ドル、前年89百万ドル)
◆主要商品騰落率
【上昇率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +5.26%/ ▲56.20%
2.CBT小麦 ( 穀物 )/ +4.95%/ ▲1.43%
3.ICE粗糖 ( その他農産品 )/ +4.42%/ ▲11.92%
4.DME Oman ( エネルギー )/ +3.46%/ ▲33.48%
5.CME木材 ( その他農産品 )/ +2.92%/ +48.04%
【下落率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.CBTもみ米 ( 穀物 )/ ▲25.90%/ ▲8.72%
69.TGE小豆 ( 穀物 )/ ▲4.55%/ ▲11.87%
68.欧州排出権 ( 排出権 )/ ▲2.67%/ +17.50%
67.CBTトウモロコシ ( 穀物 )/ ▲2.54%/ ▲15.86%
66.CBTエタノール ( エネルギー )/ ▲2.27%/ ▲12.36%
※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。
◆主要指標
【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :26,870.10(+227.51)
S&P500 :3,226.56(+29.04)
日経平均株価 :22,945.50(+358.49)
ドル円 :106.94(▲0.30)
ユーロ円 :122.04(▲0.21)
米10年債 :0.63(+0.01)
中国10年債利回り :2.96(▲0.04)
日本10年債利回り :0.04(+0.00)
独10年債利回り :▲0.44(+0.00)
ビットコイン :9,213.7(▲59.13)
【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :29.62(+1.75)
エネルギー :37.40(▲0.57)
ベースメタル :20.41(▲0.02)
貴金属 :17.02(+0.01)
穀物 :38.25(+11.16)
その他農畜産品 :29.58(+0.12)
【主要商品ボラティリティ】
WTI :34.92(▲0.99)
Brent :31.77(+0.47)
米天然ガス :68.64(▲2.09)
米ガソリン :44.95(▲1.34)
ICEガスオイル :31.13(+0.07)
LME銅 :18.68(▲0.35)
LMEアルミニウム :18.68(+0.07)
金 :11.99(+0.01)
プラチナ :21.34(+0.02)
トウモロコシ :29.07(+1.57)
大豆 :11.99(+0.01)
【エネルギー】
WTI :41.20(+0.91)
Brent :43.79(+0.89)
Oman :44.85(+1.50)
米ガソリン :126.45(+1.71)
米灯油 :124.48(+2.40)
ICEガスオイル :371.00(+4.50)
米天然ガス :1.78(+0.03)
英天然ガス :13.61(+0.68)
【貴金属】
金 :1810.29(+0.93)
銀 :19.42(+0.20)
プラチナ :832.61(+3.30)
パラジウム :1979.03(+4.99)
※ニューヨーククローズ。
【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :6,510(+19:3C)
亜鉛 :2,210(+11:11C)
鉛 :1,854(▲5:17.5C)
アルミニウム :1,686(+11:35C)
ニッケル :13,555(▲12:43C)
錫 :17,310(+140:88B)
コバルト :28,434(▲4)
(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :6394.50(▲105.50)
亜鉛 :2201.00(+9.00)
鉛 :1853.50(+2.50)
アルミニウム :1678.50(▲4.00)
ニッケル :13540.00(▲60.00)
錫 :17295.00(+10.00)
バルチック海運指数 :1,742.00(▲50.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック
【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :110.46(▲0.92)
SGX鉄鉱石 :109.11(▲0.11)
NYMEX鉄鉱石 :107.57(+0.12)
NYMEX原料炭スワップ先物 :113.86(±0.0)
上海鉄筋直近限月 :3,651(±0.0)
上海鉄筋中心限月 :3,739(+4)
米鉄スクラップ :277(+2.00)
【農産物】
大豆 :886.25(+4.00)
シカゴ大豆ミール :285.80(+2.10)
シカゴ大豆油 :28.80(+0.32)
マレーシア パーム油 :2540.00(±0.0)
シカゴ とうもろこし :326.25(▲8.50)
シカゴ小麦 :550.75(+26.00)
シンガポールゴム :151.00(+1.10)
上海ゴム :10700.00(±0.0)
砂糖 :11.82(+0.50)
アラビカ :95.95(▲0.75)
ロブスタ :1196.00(+11.00)
綿花 :62.59(▲0.10)
【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :47.33(+0.53)
シカゴ生牛 :101.30(+2.50)
シカゴ飼育牛 :139.43(+2.70)
※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。