非景気循環系商品物色される
- MRA商品市場レポート
2020年8月18日 第1803号 商品市況概況
◆昨日の商品市場(全体)の総括
「非景気循環系商品物色される」
【昨日と本日の各セクターショートコメント】
◆エネルギー:上昇。OPECプラスの順守率の高さや、米統計の急減速を受けたドル安の進行が材料となった。
本日は目立った材料に乏しいが、OPECプラスの減産順守率が意識されているため高値圏を維持すると予想。
◆非鉄金属:中国人民銀行の金融追加緩和と、米統計減速を受けたドル安進行で上昇。
本日は追加材料に乏しいが、中国の緩和期待を材料に上昇余地を探る動きになると予想。
◆鉄鋼・鉄鋼原料:中国政府の追加緩和を受けた国内需要回復期待に加え、継続する供給懸念が材料に。
バルチック海運指数の上昇が中国の輸入需要が旺盛であることを示唆しており、堅調地合いを維持。
◆貴金属:米統計減速を受けた長期金利の低下・実質金利の低下、米中対立とベラルーシの政変懸念が材料で上昇。
緩和継続への期待が再び高まる中で高値圏維持。
◆穀物:先週米中西部で発生した暴風雨の影響で供給懸念が強まっていることが、引き続き材料となり上昇。
暴風雨の影響による供給懸念が急に台頭したため、堅調な推移に。
※より詳細な説明は以下をご参照ください。
【昨日の市場動向総括】
昨日の商品市場は結果的に非景気循環系商品が物色される流れとなった。米統計が強弱入り混じる内容になっていることはこのコラムでも指摘している通りで、各商品とも方向感が出難い。
それを打破するための材料として注目されていた米追加経済対策協議が進捗していないことがリスク資産価格の下押し要因となる一方、結局金融政策は緩和的にならざるを得ない、との見方が価格を下支えする構図となっている。
昨日は中国人民銀行が、中期貸出制度(MLF)を通じて1年物資金7,000億元を金融システムに供給。4,000億元のMLFが17日に、1,500億元が26日に満期を迎える予定だったが、それを上回る資金供給となった。
昨日の価格上昇の上位は特殊な材料があるものか、そうでなければ実需以外の影響を強く受ける貴金属セクターが物色されていることからもこの動きは説明が可能である。なお、貴金属セクターの上昇は、ベラルーシの政変への懸念も材料となっている(詳しくは昨日のトピックスをご参照ください)。
そのほか、暴風雨の影響で供給が懸念された米穀物、ウクライナ向けの輸出増加で域内需給タイト化が懸念されている欧州天然ガスの上昇が顕著だった。
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【本日の見通し総括】
本日は手掛かり材料に乏しい中、方向感に欠ける転回になると予想されるが、金融緩和や追加景気刺激策への期待から、総じて底堅い推移になると予想する。
その中ではベラルーシの政変や米中対立の激化、米与野党の追加経済対策協議といった政治イベントが価格を動かすことになると考えられる。
同じ政治的なイベントとしてはOPECプラスが今週予定されているが、減産順守が確認されるにとどまり大きな材料にはならないだろう。ただこのまま原油価格が上昇した場合、10月以降の増産が意識されるため当面は価格上昇を抑制する方向に、OPECプラスのイベントは影響しやすい。
なお、イランが政治的に対立していてもOPECプラスが普通に開催されているように、今回、UAEがイスラエルと国交正常化で合意したことは、それほど材料にはならないと考えている。
材料になるとすれば、その他の国がこれに追随する、ないしは物理的な衝突があった場合であるがOPEC会合からは切り離して考えたほうが良い。
【昨日のトピックス】
営業日ベースでは2日前となるが、先週発表された中国の重要統計は同国の経済活動が回復基調を維持していることを確認する内容となった。
しかし全体を見回してみると、工業セクターの回復が顕著であり、最終消費は弱い、との印象である。総じて、中国政府主導の公的需要に支えられた景気回復、と考えるのが適当だろう。
この数ヵ月、中国では「内循環」がホットワードとなっている。習近平国家主席は「国内を主体とする産業の循環」を目指していると発言しており、平たく言えば海外に依存しない、国内主導の経済活動に軸足を置くということだ。
コロナウイルス問題を契機に西側諸国は、「中国共産党の考え方は受け入れられない」という姿勢を強めており、今後、親中国・嫌中国で経済圏が分かれる可能性は低くない。
但し、その体制に移るとしてもそれなり以上の時間がかかることは明らかであり、直ちにブロック経済が形成されてコストアップとなる、というシナリオは極端との印象を受ける。
しかし方向性としては中国とのデカップリングに舵が切られていることは、恐らく間違いがない。結果、中国は国内の体制整備のためによりインフラ投資を、内陸部で実施することになるだろう。
結果、鉱物資源の需要は増加することが予想され、工業金属価格には中期的に上昇圧力が掛かりやすくなると考える。
なお、現在ベラルーシで大規模な反政府デモが起きている。これは1994年から大統領の席に着いたルカシェンコ氏が独裁を強める中、選挙で8割の支持を得たとして6選を果たしたことで住民の不満が爆発したもの。
ルカシェンコ氏は就任以降、ロシアとの統合を企図してきたがプーチン大統領が吸収統合を画策していることに反発して関係が悪化、ロシア側が今回の騒動鎮圧に軍を派兵することでベラルーシとの関係改善を画策する可能性はある。
しかし同時に、経済的に厳しいロシアが欧州との関係改善を図っていることも事実で、恐らく欧州側を刺激する選択をプーチン大統領は選択できないだろう。
結果、ベラルーシの体制が崩壊し、西側諸国に組み入れられる可能性はある。特に中国包囲網を築こうとしている西側諸国にとって、親ロシア、巡り巡って親中国国の数を増やすことは重要な戦略となる。そのため、今回のニュースは東欧の小さな政変、というレベルの出来ごとではない。
【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】
<<マクロ要因>>
・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の改善。
ロックダウン解除の動きが世界的に拡大しており、最悪水準まで低下したPMI・ISM指数には改善圧力が掛かり、景気循環銘柄価格の上昇要因に。ただし、ロックダウンを再開している地域も見られ、完全に元の状態に戻るには、ワクチン・治療薬の開発が必須に。
・世界景気の減速観測。IMFは2020年の経済見通しを大幅に引き下げ(▲3.0%→▲4.9%)ている。2021年に関しても+5.8%→+5.4%と下方修正した。
結局、コロナウイルスの影響が2021年意向も残存することが前提となっている。ただ、この冬場の再ロックダウン時の経済への影響は、2020年初に見られたほどの過激なものにはならず、半分程度にとどまるケースをメインシナリオとしている。
・各国中央銀行、特に先進国の中央銀行はコロナ対策で政策金利をほぼゼロ近傍まで引き下げており量的緩和規模も拡大、これ以上打てる手がなくなった状態。
もちろん、量的緩和規模の拡大や投資対象の拡大などの追加手段は考えられるが、経済への直接的な影響は、先行事例である日本や欧州を見るにそれほど大きくない。
クライシスが再び発生した場合のリスクはより高まっていると考えるべき。
・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q319の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.3%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。
※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。
・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。
<<特殊要因>>
・コロナウイルスの感染長期化の可能性。現在でも感染は世界的に拡大しており、北半球の冬場に再度感染拡大→経済活動自粛、という流れになるリスクも無視できず。
・米中の対立激化による新冷戦構造の発現。
米国が中国と共生体制になっていのは経済的なメリットがあったからだが、リーマンショック、コロナショックを通じて中国よりもデメリットが大きい(人民元安誘導など)ことがわかったため、米国が中国からのデカップリングを進める可能性は高い。
・米大統領選挙を巡る混乱。
反中に転じたバイデン氏が今のところ有利に選挙戦を進めているとみられるが、バイデン勝利の場合、より他国と連携して中国包囲網を強めるとみられるため、貿易量の減少を通じて景気循環系商品価格の下落要因に。
また、バイデン勝利の場合増税への懸念が強まるため株価にはマイナスと判断されており、この場合、株下落に伴う逆資産効果で商品価格の下押し要因となる可能性。
・生産拠点を自国に回帰させる動きや、リモートの定着による成長鈍化が、新興国(資源国の多くも新興国)の財政状況を悪化させ、自国を含む域内景気への悪影響を及ぼす懸念(価格の乱高下要因)。
・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。
・英国のFTA締結なしEU離脱のリスク。EUとFTAで合意できなければ関税引き上げが発生し、合意なき離脱に匹敵する混乱となる可能性(下落要因)。
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。
<<投機・投資要因>>
・ロックダウン解除の動きと量的緩和・信用緩和を受けた株高による、リスク資産の再物色の流れ。
コロナウイルス対策のために大量に投入された資金が、コロナウイルス終息後にリスク資産買いに走り、暴騰するリスク。
・年後半に再度ロックダウンが始まり、投機の買いで上昇したリスク資産価格(特に株)が下落するリスク。
・コロナウイルスのワクチンが年内に開発完了、欧米が集団免疫を獲得しコロナ禍が想定よりも早く収束した場合(多くの景気循環銘柄価格の上昇要因に)。
◆昨日の商品市場(個別)の総括
---≪エネルギー≫---
【原油市場動向総括】
原油価格は上昇した。OPECプラスに先立ち、OPECプラス諸国の減産順守率が95%に達したと報じられたことや、ニューヨーク連銀製造業指数が予想以上の大幅な悪化となったことで長期金利が低下、実質金利の低下を促し、ドル安が進行したことが材料となった。
昨日は原油価格の上昇が、さほど期待インフレ率には影響を及ぼさなかった。
【原油価格見通し】
各国の経済統計が徐々に強弱が入り混じった状態になっており、足元の原油需要の回復力は強いとは言えない(ないしは中期的に改善持続が可能かどうかは疑問)。
また、8月からOPECの増産が始まっていること、世界的なコロナの再拡大懸念を受けてやや軟調な推移になると考える。
各国とも経済対策を行っていること、金融緩和を積極的に実施していることからファイナンシャルな面で価格は下支えされると予想されるが、ここにきて長期金利に上昇圧力が掛かっており、これが価格の上昇を抑制するとみられる。
実需面、金融面ともに考慮すると当分はレンジワークとなりやすい。
ファイナンシャルな面、という意味ではお盆休みとなった8月10日の週に、WTIは200日移動平均線を上回っている。テクニカルにはさらに価格が上昇してもおかしくない。
但し、Brentはまだ200日移動平均線を上回っておらず、Brentの上値が重い中では、WTIの上昇も制限されることになるだろう。
また、米中対立やそれに伴う経済活動への悪影響、実は世界のコロナ感染者数の増加ペースが加速していることを考えると、このタイミングでプレ・コロナの頃の水準に経済活動が戻るとは考え難く、上昇リスクよりは、価格急落への備え(場合によってはプットオプションの活用など)を検討すべきと考える。
なお、DOEは2019年の水準に需要が回復するのは2022年頃になると予想している。
原油価格が低水準で推移した場合、米シェールオイルの生産者のコストは平均で40ドル近辺(32ドル~60ドル程度)、カナダのオイルサンドからの生産者のコストも40ドル程度であることから、時間経過とともに減産が進捗すると予想される。
場合によると経営破綻、という形で減産が進む可能性もあるが、価格下落リスクヘッジをしている生産者もファイナンスが困難になっているため、資金繰りが意識される3、6、9、12月末のリスクは高まるだろう。
生産調整の議論の次に考えるべきは、「コロナ終息後(ワクチン・治療薬の開発完了後)の供給」である。今のところ夏頃から経済活動が再開されるとみられるが、この時の減産規模縮小のタイミングを誤ると、価格が大きく上昇するリスクが出てくる。
現在すべての産油国が追加減産を実施しているが、減産後の稼働再開には時間が掛るため、供給が間に合わない可能性がある。中東の産油国でも1ヵ月程度、米シェール企業の場合は増産を決断してから実施されるまで、6~7ヵ月はかかる。
さらに価格低迷が産油国の体制を揺るがすため、供給が途絶して急騰、というリスクもあり得る。特に中東北アフリカ諸国ではコロナウイルスの感染が拡大した場合、治安の不安定化で政権の維持が困難になり、供給自体に支障をきたす可能性もある。
足元の価格上昇を受けてOPEC諸国が増産に転じれば、逆にその体制崩壊のリスク→価格上昇のリスクを高めることになる。
ただ、今のところ今年の冬に感染拡大の第2ラウンドが来る可能性は高く、むしろメインシナリオになりつつある。この場合、信用リスクにも波及し企業倒産がべースの需要を減じることから、現在の世界各地の減産では不十分となる可能性も充分にあり得る。
ただ、コロナに対する知見が増えたことから、この冬にみられたような大規模なロックダウンは回避されると予想され、影響は懸念したほどにはならないとみられる。
各国政府・中央銀行が財政・金融政策の大盤振る舞いは、市場参加者のセンチメントの改善を通じて今のところエネルギー価格の押し上げ要因となっている。
しかし、先進国中央銀行は持てる政策をすべて使ってしまったため、冬場に再ロックダウンがあった場合などの事態の悪化があった場合、打てる手段はほとんどないことは下落リスクと考えるべきだ。
原油価格の変動性は今後、需要が低迷するにも関わらず、さらに高まると考えておくべきである。
【石炭市場動向総括】
石炭先物市場は小幅に上昇した。中国の国内生産増加や経済活動回復の一服で、石炭価格は現状水準でのもみ合いを継続している。
【石炭価格見通し】
石炭価格は需給バランスの緩和観測で現状の低水準での推移を継続すると考える。
最大消費国である中国の景況感の回復を受けた需要増加が価格を押し上げるものの、世界的な天然ガス大幅な供給過剰や、中国の石炭国内生産増加が価格の上昇を強く抑制するため。
7月の中国の石炭輸入は前月から回復したが、前年水準を▲20.6%と大きく下回った。中国は国内の石炭産業の強化を目的に国内生産を増加させる方向性に舵を切っており、輸入を抑制する可能性を否定していない。
また、コロナ問題を受けて対中国批判を強める豪州に対し、牛肉や鉄鉱石、石炭輸入を削減ないしは停止すると中国政府が表明しており、実際にその通りとなれば豪州炭価格を押し上げよう(他国産石炭は上昇)。
しかし、水準を切り上げていた中国の港湾在庫は急速に減少し、過去5年レンジを大きく下回っていることから、一定の輸入需要が見込めると考えられさらなる価格下落余地も限定される。
石炭期間構造はコンタンゴで限月交代によるジャンプも起きにくく、価格変動性は10%程度(VaRの概念では、現在の価格を50ドル程度とすれば、7割の確率で1年後の価格が±5ドル程度しか変化しない)と通貨の変動率程度まで変動性が低下している。
結局、燃料炭価格は狭いレンジの中で、低いボラティリティを維持しつつ現状水準での推移を続けると予想される。
【価格変動要因の整理】
<<マクロ要因>>
・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産継続で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。
・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。
・最大消費国である米国の石油製品出荷は前年比▲2割の大幅減少の状態であり、短期的な需要の方向性はマイナス(原油価格の下落要因)。
世界2位の消費国である中国の需要の指標である工業生産は市場予想を上回るマイナス幅の縮小となったが、小売売上高は前月から改善
・1-6月期の中国工業生産は前年比▲1.3%(1-5月期▲2.8%)、6月+4.8%(前月+4.4%)とマイナス幅を縮小、月次ベースでも回復を継続している(フロー需要の回復=価格の上昇要因)
回復ペースは市場予想を上回っており、企業活動が加速していることをうかがわせる内容。
・1-7月期の中国小売売上高は、前年比▲9.9%の20兆4,459億元(1-6月期▲11.4%の17兆2,256億元)、月次ベースでは前年比▲1.1%の3兆2,203億元(前月▲1.8%の3兆3,526億元)となった。
回復基調となっているが、以前として前年比マイナスの状態となっており、最終需要は弱いものと考えられる(フロー需要の回復鈍化=価格の上昇を抑制)
・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。
・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。
・競合燃料である天然ガス・LNG価格が供給過剰で低迷、石炭価格の下落要因。
<<特殊要因>>
・UAEとイスラエルが国交正常化に向けて舵を切り、バーレーンやオマーンなどもこれに続き、中東の力学に変化が起きる可能性があること。
「イラン包囲網を敷く」という文脈となっているが、これが逆に同地域での親イラン国との対立を強める可能性。地政学的な不安定さは、巡り巡って供給懸念を引き起こし、価格の押し上げ要因に。
・原油価格下落とコロナウイルス感染拡大による治安悪化、コロナ問題を背景に米・欧軍が中東から撤退、それを受けたISの伸長が域内情勢を不安定化させ、原油生産・供給に悪影響を与える場合(価格の上昇要因)。
また、域内で武力衝突が発生し、難民が欧州に流入した場合欧州域内の政情が混乱するため景気を下押しし、原油価格の下落要因に。
<<投機・投資要因>>・WTI・Brentともロング・ショートとも増加しているが、WTIはネット買い越し幅を拡大、Brentは縮小している。市場参加者の先行き見通しが拮抗していることを示唆するもの。
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
WTIはロングが682,827枚(前週比 ▲10,925枚)ショートが161,892枚(+4,406枚)ネットロングは520,935枚(▲15,331枚)
Brentはロングが280,470枚(前週比+8,707枚)ショートが75,362枚(▲8,397枚)ネットロングは205,108枚(+17,104枚)
---≪LME非鉄金属≫---
【非鉄金属市場動向総括】
LME非鉄金属は上昇した。中国人民銀行が今月満期を迎える中期貸出プログラム5,500億元を上回る7,000億元の資金供給を実施したことで、中国の国内需要が増加するとみられたことが材料となった。
現状、需要が明確に回復しているのは中国のみといっても言い過ぎではなく、かつ、市場では金融緩和に反応しやすくなっているため今回の資金供給は買い材料となった。
また、米国時間に発表されたニューヨーク連銀製造業指数の悪化を受けたドル安進行も、価格上昇を支援した。
【非鉄金属価格見通し】
非鉄金属価格は高値圏を維持すると見る。北半球の夏場の大規模ロックダウンは回避される見通しであること、中国政府が内循環を標榜し、国内需要を喚起する政策を推進するとみられることが背景。
但し、南半球の生産者の生産が回復傾向にあると伝えられていることが、徐々に上値を重くしよう。
金価格の上昇余地が限定されるため、循環物色で工業金属が買われる、という流れはまだ続きそうだが、米国の長期金利の上昇を受けて金が上昇一服ではなく下落トレンドに入った場合、「遅れて循環物色された金属」の下落圧力が強まることは、意識しておきたいところ。
今回の米中の公共投資は、5G分野やEVステーションの整備、通常の公共投資が行われる見込みであり、銅、亜鉛、アルミの需要がその恩恵を受けると予想される。また予算を確保して行うため、需要としては「堅い」需要となる。
しかし、今年は北半球の冬場に再びロックダウンとなる懸念が拭えないため、北半球の夏場の非鉄相場は強いものの、大統領選後の冬場は南半球が夏になり、供給制限が緩和される見込みであることを考えると、年後半は需給両面で価格が下落するリスクは小さくないと考えている。
なお、中国南部での大規模洪水の影響であるが、これによって中国の建設活動が大幅に停滞し、需要が減速、価格の下押し要因となる。しかし洪水終息後は復興需要が見込めるため、価格の上昇要因になると整理するべきだろう。
個別商品では割安に推移してきたアルミは、中国の製錬キャパシティの拡大が2020前年比で▲130万トンの減少が見込まれ、アルミナの供給能力も、中国で180万トン程度が停止していることや、割安銘柄の循環物色から大幅な上昇となっている。
なお、米中が通商面で昨年・一昨年に行われたような「大規模な制裁」を実施することは両国にとってデメリットが大きいため、行われないと考えるのが常識的な見方だ。
しかし、コロナウイルスへの中国の対応(情報隠ぺい)を受けて、欧米の中国に対する今までの積年の不満が、香港・新疆ウイグル自治区問題、台湾問題で爆発しており、今後、欧米が協調して中国からのデカップリングを進める可能性は高い。むしろメインシナリオだろう。
反中に転じたバイデン候補が勝利した場合、欧州と連携して中国包囲網を強めると予想される。結果、貿易量の減少を通じて非鉄金属価格には下押し圧力が掛かることになる。
各国政府・中央銀行が財政・金融政策の大盤振る舞いは、市場参加者のセンチメントの改善を通じて今のところ非鉄金属価格の押し上げ要因となっている。
しかし、先進国中央銀行は持てる政策をすべて使ってしまったため、冬場に再ロックダウンがあった場合などの事態の悪化があった場合、打てる手段はほとんどないことは下落リスクと考えるべきだ。
冬場に突入する南半球の感染状況は、今後注意すべき重要指標になるだろう。
長期的には環境面に配慮した「省エネ金属」需要が高まることから非鉄金属価格は上昇すると予想される。
具体例を挙げると、社会インフラとしてのバッテリー向け、電気自動車に使用される金属が対象となる(銅、アルミ、ニッケル、リチウム、コバルトなど)。
再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インドの構造的な需要が顕在化するタイミングになるだろうが、中国が1994年に人口ボーナス期入りし、非鉄金属価格が上昇を始めたのが2000年頃からであることを考えると、2023~2024年頃になるのではないか。
【価格変動要因の整理】
<<マクロ要因>>
・7月中国製造業PMIは51.1(前月50.9)と改善した。内訳をみると、生産が小幅に回復(53.9→54.0)したが、新規受注の回復が大きかった(51.4→51.7)。輸出向け新規受注の持ち直し(42.6→48.4)と、国内の恐らく公的需要の増加が影響したとみられる。
一方、完成品・原材料在庫水準はやや積み上がり傾向がみられており、原材料・完成品在庫とも水準を切り上げた。これにより、新規受注・在庫レシオは水準を小幅ではあるが切り下げており、需給バランスの若干の緩和を示唆、価格の下押し要因となろう。
・8月中国銅線生産者 99.9%(前月101.6%、過去4年平均 87.1%) 銅棒生産者 75.9%(76.2%、75.4%) 銅板生産者 65.5%(65.0%、71.4%) 銅管生産者 79.1%(85.2%、77.3%)
・7月中国銅精錬業者稼働状況 大規模事業者 85.8%(前月89.0%、過去5年平均 89.6%) 中規模事業者 72.9%(71.9%、77.9%) 小規模事業者 72.0%(74.3%、53.6%)
・1-7月期の中国工業生産は前年比▲0.4%(1-6月期▲1.3%)、月次ベースでは+4.8%(前月+4.8%)前年比ベースの改善幅が頭打ちとなった(フロー需要の回復=価格の上昇要因)
回復ペースは市場予想を上回っており、企業活動が加速していることをうかがわせる内容。
・1-7月期の中国固定資産投資は前年比▲1.6%の32兆9,214億元(1-6月期▲3.1%の28兆1,603億元)と伸び率の前年比マイナス幅を縮小した(ストック需要の回復=価格の上昇要因)。
しかし、主に公的需要の回復の影響が大きく(公的 +2.1%→+3.8%、民間 ▲7.3%→▲5.7%)、民間部門は依然として前年比マイナスの状況。
・1-7月期の中国不動産開発投資は前年比+3.4%の7兆5,325億元(1-6月期+1.9%の6兆2,780億元)と伸びが加速(ストック需要の回復=価格の上昇要因)。
・7月の中国の銅地金輸入は前年比+81.5%の76万2,211トン(前月+98.8%の65万6,483トン)、銅鉱石・精鉱輸入は前年比▲13.3%の179万5,000トン(+8.4%の159万4,000トン)と、地金輸入が大幅な増加、銅鉱石輸入は減少傾向となっている。
銅精鉱のTCは8月6日段階で51.5ドルと2014年以降の最低水準になっており、鉱石市場の需給がタイト化、中国の消費者は精錬品を物色している。
ただ、上昇していた銅の現物プレミアムは再び低下しており、中国の国内需要が減少している可能性が出てきた。恐らく洪水の影響とみられるがこれが続くかどうかは注目する必要。
・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなど)
・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。
・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。
・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。
<<特殊要因>>
・中国の大規模洪水の影響で中国の兼摂活動が大幅に停滞し、需要が減速する場合(価格下落要因)。しかし洪水終息後は復興需要が見込めるため、価格の上昇要因に。
・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。
・資源ナショナリズムの高まり。インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。
・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展、インドの人種差別問題が反政府行動に繋がり、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)
<<投機・投資要因>>
・8月7日付のLMEロング・ショートポジションは金属ごとまちまちとなった。銅、アルミ、ニッケルはロングが増加すると同時に、ショートの買戻しが進んだ。
亜鉛と錫はロング・ショートとも増加したがロングの増加が大きく、鉛もロング・ショートとも増加したが、ショートの増加が顕著だった。
投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は89.9億ドル(前週83.7億ドル)と、買い越し幅を拡大している。買い越し幅の増加率は+7.3%。
買い越し枚数はトン数換算ベースで1,992千トン(前週1,738千トン)と買い越し幅を拡大した。買い越し枚数の増加率は+14.6%。
---≪鉄鋼原料≫---
【鉄鋼原料市場動向総括】
中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、原料炭スワップ先物は上昇、中国鉄鋼製品先物価格は直近限月が変わらず、中心限月が小幅に上昇した。
港湾在庫の日数ベースでの水準の低さや、中国人民銀行による資金供給による景気過熱への期待感が高まったことが材料。
【鉄鋼原料価格見通し】
鉄鉱石価格は高値圏での推移になると考える。南米の生産がコロナウイルスの影響で計画比下振れする可能性が高いことに加え、中国政府のインフラ投資が今後も継続する見込みであること、中国南部の洪水からの復帰、中国国内の足元の鉄鋼原料需給並びに今後の需給見通しがタイト化しているため。
中国は必要な鉄鉱石の確保に苦慮しているとみられ、通常輸入をしてこなかったカナダ(166万トン)、ウクライナ(186万トン)、インド(156万トン)を輸入しており、しばらくこの動きは続くことになるだろう。
急落していたバルチック海運指数の上昇は継続しており、鉄鉱石の調達が加速している可能性が高いことを示唆している。
但し、米中の対立が激しさを増しており最大消費国である中国の景気に悪影響を及ぼす可能性が高いことから、上値も重い。
減少を続けてきた鉄鉱石・鉄鋼製品在庫は季節性もあり、増加に転じている。中国の公共投資・ブラジルの供給懸念で需給がタイト化していた鉄鉱石市場であるが、徐々に環境に変化がみられることは意識しておきたい。
原料炭は中国の生産活動回復が継続していること、国内の鉄鋼需要が公共投資で底堅いことから、同様に底堅い推移になると考える。但し、中国政府は原料炭を含む石炭の国内生産を増加させる方針であることから上値も重い。
中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は過去5年平均程度での推移が続いていたが、この水準を下回り需給はタイト化している。
原料炭の先物期間構造としては、バックワーデーション幅が縮小しているが、期先が上昇する形での幅縮小であり、いわば限界生産コストが上昇している可能性がある。
結果、原料炭価格はしばらくの間、高止まりする公算が強まっている。
【価格変動要因の整理】
<<マクロ要因>>
・7月の中国鉄鋼業PMIは49.2と前月から小幅に低下した。これを見るに鉄鋼業界自体は比較的安定しているとみられる。
7月の中国南部での洪水によって鉄鋼市場も影響を受け、需要の下押し要因となった。新規受注は公共投資などの影響で回復しているが、まだ50を下回っている。なお、海外市場の再開から輸出向け新規受注は大幅に増加している(31.2→42.8)。
生産は洪水の影響で原材料の確保が難しく、57.5→54.5と減速。在庫水準も原材料・完成品在庫とも低下した(各々、44.2→43.2、44.3→40.2)。
引き続き鉄鋼市場の需給はタイトな状態が続くとみられ、価格は高値圏での推移を維持する公算。
・中国河北省の高炉稼働率は8月7日時点で79.2%(前週78.8%、過去5年平均81.7%)と小幅に上昇した。しかし、過去5年平均を下回った状態が続いており高炉の稼働率は高止まりしている。
・1-7月期の中国工業生産は前年比▲0.4%(1-6月期▲1.3%)、月次ベースでは+4.8%(前月+4.8%)前年比ベースの改善幅が頭打ちとなった(フロー需要の回復=価格の上昇要因)
回復ペースは市場予想を上回っており、企業活動が加速していることをうかがわせる内容。
・1-7月期の中国固定資産投資は前年比▲1.6%の32兆9,214億元(1-6月期▲3.1%の28兆1,603億元)と伸び率の前年比マイナス幅を縮小した(ストック需要の回復=価格の上昇要因)。
しかし、主に公的需要の回復の影響が大きく(公的 +2.1%→+3.8%、民間 ▲7.3%→▲5.7%)、民間部門は依然として前年比マイナスの状況。
・1-7月期の中国不動産開発投資は前年比+3.4%の7兆5,325億元(1-6月期+1.9%の6兆2,780億元)と伸びが加速(ストック需要の回復=価格の上昇要因)。
・中国の鉄鋼製品の輸入は通常、平均で110万トン程度なのだが、7月は261万トン(前月188万トン)と記録的な水準に。国内生産は6月時点で9,158万トン(9,227万トン)と記録的な水準となった前月からは減速したが、依然として過去5年の最高水準を上回っている。公共投資が中心と見られるが、国内需要が旺盛であることを示唆。
中国の鉄鋼製品在庫水準は前週比▲2.8万トンの1,532.6万トン(過去5年平均 1,039.1万トン)となった。例年よりも在庫水準は高く在庫は増加している。
・7月の中国の鉄鉱石・精鉱輸入量は過去2番目の水準となり、1億1,265万トン(前月1億168万トン)となった。中国の港湾在庫の水準は絶対水準が過去5年平均を下回り、在庫日数は過去5年の最低水準で推移しており、やはり国内のインフラ向け需要が旺盛であることを伺わせる内容。
一方で週次の鉄鉱石輸入は6月に以降減少を始めており、ブラジルや豪州の鉄鉱石週間輸出も減少を始めている。さらに減速するかどうかはブラジルについてはコロナウイルスの感染拡大状況、豪州はコロナを巡る中国との対立次第であるが、仮にそうなった場合、さらに海上輸送鉄鉱石価格は上昇することに。
中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比+70万トンの1億1,685万トン(過去5年平均1億2,033万トン)、在庫日数は+0.1日の23.5日(過去5年平均 29.3日)と例年と比較して在庫水準が低く、需給ファンダメンタルズはタイト。しかし、徐々にではあるが緩和感が出始めている点は注意か。
・7月の石炭輸入(燃料炭・原料炭の合算)は前月から回復したが、前年水準を▲20.6%と大きく下回る2,610万トン(前月▲6.7%の2,528万6,000トン)となった。輸入水準は過去5年平均程度まで低下。
中国は国内の石炭産業の強化を目的に国内生産を増加させる方向性に舵を切っており、輸入を抑制する可能性を否定していない
原料炭の輸入は6月は前年比▲4.5%の626万トン(前月▲19.1%の479万トン)とほぼ過去5年平均程度となった。国内の製鉄向け需要は旺盛だが、恐らく国内生産が増加したことによるもの。
・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、インフラ整備のための投資を拡大する方針(5年で約160兆円)であり、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。
<<特殊要因>>
・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。
・米国が中国に対する人権問題(香港・新疆ウイグル自治区問題)や、コロナウイルスへの対策に対する中国への不満が高まった場合、再び通商問題が議題に上がる場合(価格の下落要因)。
・コロナウイルスの感染拡大長期化による経済成長の鈍化。
<<投機・投資要因>>
・特になし。
---≪貴金属≫---
【貴金属市場動向総括】
金価格は上昇。米経済統計の減速を受けた実質金利の低下や、株高を背景としたドル安が進行したことが材料。また、米中対立の激化や、ベラルーシの体制崩壊への懸念も材料となったようだ。
銀価格は金価格の上昇を受けた買戻しで上昇。プラチナも銀価格の上昇に連れ高。
パラジウム価格も金価格に連れる形でほぼ一貫して上昇した。足元、200日位へをサポートラインとして底堅い推移が続いている。
【貴金属価格見通し】
金銀は高値圏を維持すると考える。FRBが実質金利をマイナスにする緩和策を容認していることもあり、かつ、2022年までは現状の政策が維持される見込みであること、米中の対立が経済制裁には至らないものの、領事館の閉鎖など、徐々に具体的な行動に移り始めており、安全資産需要が高まると予想されることが背景。
実質金利がさらに下落するには原油価格が高騰するなどの材料が必要であるが、期待インフレ率が原油価格とは乖離して上昇を始めており、実質金利を押し下げている。しかし、やはり原油価格の上昇余地は限定されるとみられることから、さらなる大幅な上昇は実質金利面からの上昇は難しい。
金価格の実質金利に対する感応度は1bpあたり3.5ドル程度だったが、現在は4.7ドルに上昇している。名目金利に対する感応度に至っては、2ドル程度だったのが直近9.7ドルまで上昇。
金利に対するアップサイドの感応度が高まっていることは、リスクの上昇によるものと整理するのが妥当だが、それ以上に「バブル」になっている可能性は高い。
現在の金の実質金利で説明可能な価格からの乖離(リスクプレミアム)は335ドルに上昇。米中対立の激化やベラルーシの体制崩壊への懸念などで安全資産需要が高まっているためと考える。
一方、現在の実質金利で説明可能な価格水準は長期金利の低下もあって、1,620~1,650ドル程度まで上昇しており、緊急時の換金による下落余地が限定されている。
※毎日回帰分析をアップデートし、リスクプレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない場合があります。
銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀レシオは現在、72.2倍と昨日は低下した。
過去1年を基準にすると95倍程度、5年では80倍、2000年以降では65倍程度が妥当だが、しばらくは節目となる70倍が意識されるだろう。
銀が金より割安、ということで物色されてきたがすでに年初来のパフォーマンスが金を上回っているため、割安感解消からの買いは見込めない。
ただ、思い返すと欧州危機・米国債格下げ危機があった2010年~2011年、銀価格は供給過剰にもかかわらずバブル状態となり、ハント兄弟事件以来の50ドルに迫った。
その後、危機の回避で急落することになるわけだが、過剰流動性が供給される中で、人工知能を使った機械取引が主流となる中、しばらくの間、強気のヘッドラインニュースだけで価格が急騰する可能性は十分にあり得るが、危機が去ったのち、金銀とも急落している。
一部の鉱山ではコロナの影響で減産も見られるようだが、供給不足に陥るまでの減産にはなっていないと考えられるため、やはり下落リスクを伴いながらの上昇になる。
対応が可能な場合は、プットオプションを活用しながら上昇リスクを回避(といっても、スポットで必要なものを拾っていくしかない)する必要があると考える。
市場参加者が現在、実際に供給不足になっているかを判断する材料としては、取引所在庫の水準で判断するしかない。更に銀在庫が減少する、ないしは金在庫が増加する、あるいはその両方が必要になる。
なお、金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)はCOMEX金在庫の急増によって低下、金銀レシオに下押し圧力をかけており、徐々に銀価格は対金で水準を切り上げる展開になると予想される。
なお、銀価格=金価格÷金銀レシオ であり、金銀レシオが低下することで金価格が変動した時の弾性値が上昇(ボラティリティは上昇し、足元金の2倍に上昇)している点は留意。
(例)金が2,000ドル、銀が20ドルのとき 金銀レシオが100倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1セント変化 金の変化率は±0.05%、銀は±0.05%
金銀レシオが1倍→金価格±1ドルの変化で銀価格は±1ドル変化 金の上昇率は±0.05%、銀は±5%
プラチナ価格は銀価格との連動性が高まっている。これは供給過剰で投機的な取引の影響が強まっていることによるが、各国の準備金や市場取引の担保価値が認められている金のほどの安全資産としては認知されていないため、金価格に主導される形で価格が形成されやすい。
しかし、値動きとしては銀価格と連動しやすく、銀価格が割安感から物色されやすい地合いとなっているため、プラチナ価格にも上昇圧力が掛かることになると予想する。
逆に、銀が下落した時に大きく下落する可能性もあるため、引き続き銀価格動向には注目する必要がある。
パラジウムは価格は景気の先行きが明確に悪いこと、自動車セクターの回復は緩やかなものにとどまる見通しであることから実需面は価格を下押ししやすい。
その一方で、貴金属のベンチマークである金価格は堅調な推移が予想されるため、結果、パラジウムは神経質にレンジワークでの推移になると考える。
7月の米自動車販売は年率1,452万台(市場予想 1,400万台、前月 1,305万台)と、市場予想を上回る回復となった。ただし、コロナ以前の水準に自動車販売が戻るには相当の時間がかかる見込みであり、PGM価格の押し上げ効果は限定的なものとなろう。
中国の6月の自動車販売は前年比+11.6%の230万台(前月+14.5%の219万台)と前月比プラスとなったが、前年比では伸びが減速した。引き続き年初来の販売累計は▲16.9%の1,026万台となっており、コロナの影響に伴う販売遅れを取り戻せていない状況。
中国の販売は欧米に先行して回復すると見るが、完全に経済活動が元に戻ることは難しく、回復ペースは緩慢なものに留まるだろう。
そして、コロナウイルスの影響が拡大する中で、日米欧も自動車販売が減速する可能性は高く、PGM価格の下押し要因になると予想される。
【価格変動要因の整理】
<<マクロ要因>>
・各国とも政策金利をゼロ近傍に下げており、量的緩和規模も拡大。あとは更に規模を拡大するか、量的緩和時の投資対象を拡大するぐらいしかなくなってきた。
これで追加の緩和手段はほぼなくなった状態であり、金価格の上昇余地は限定される。
・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。
・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働が不安定であることによる供給懸念。
・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するには数年単位で時間を要する)。
・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。
パラジウムはロシアでは銅・ニッケルの、南アフリカ・米国ではプラチナの副産物として生産されるため(副産物としての供給が8割)、急な増産が困難であり供給面の制限が価格を下支えする状況に変わりはない。
<<特殊要因>>
・コロナ対策で過剰な財政出動が行われており、終息後に各国の財政・信用不安が意識される場合(価格の上昇要因)。
・米中の対立激化。米国は今回のウイルス問題で、中国の医療面、人工知能を含むIT面に脅威を感じた可能性は高く、対立が激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。
・生産拠点を自国に回帰させる動きやリモートの定着による成長鈍化が、新興国の財政状況を悪化させる場合(価格の上昇要因)。
・原油価格低迷による財政状況の悪化、コロナウイルスの影響拡大に伴う国民の不満爆発、サバクトビバッタの大量発生による食糧危機などで、中東・北アフリカ有事が発生、それに伴う安全資産需要の高まり(上昇要因)。
・英国のブレグジットは、FTA合意なき離脱となるリスクが残存しており、その場合のインパクトは無秩序離脱と同レベルになると考えられ、金価格の上昇要因に。
・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。
<<投機・投資要因>>
・直近の投機筋のポジションは、金はロングが306,867枚(前週比 ▲14,980枚)、ショートが82,814枚(▲287枚)、ネットロングは224,053枚(▲14,693枚)、銀が67,428枚(▲8,070枚)、ショートが43,860枚(▲1,749枚)、ネットロングは23,568枚(▲6,321枚)
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
プラチナはロングが34,811枚(前週比 +1,407枚)ショートが12,539枚(▲1,359枚)、ネットロングは22,272枚(+2,766枚)
パラジウムが5,166枚(▲194枚)、ショートが2,468枚(+80枚)ネットロングは2,698枚(▲274枚)
---≪農産品≫---
【穀物市場動向総括】
シカゴ穀物市場は上昇した。先週の米中西部での暴風雨による被害報告が材料視された。
先週発表された米需給報告は以下の通り。
・8月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 152億7,800万Bu(151億7,654万Bu、150億Bu)大豆 44億2,500万Bu(42億5,950万Bu、41億3,500万Bu)小麦 18億3,800万Bu(18億3,268万Bu、18億2,400万Bu)
・8月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 27億5,600万Bu(28億2,375万Bu、26億4,800万Bu)大豆 6億1,000万Bu(5億2,632万Bu、4億2,500万Bu)小麦 9億2,500万Bu(9億4,770万Bu、9億4,200万Bu)
【穀物価格見通し】
米穀物は、8月10日に発生したデレチョと呼ばれる暴風雨の影響で供給への懸念が強まっていることから総じて堅調な推移になると考える。
しかしながら、トウモロコシ価格は、米経済活動の回復に一服感が出てきていることに伴う燃料向け需要ののび鈍化観測や、米国と中国の対立激化、生産地の生育環境改善で軟調な推移になると予想。
大豆は中国が米国との通商合意を履行する方針であるものの、両国の政治的な対立は激しくなっており輸出需要の減少につながりかねないこと、生産地の生育環境の改善価格を下押しすると予想。
小麦は黒海周辺諸国の生産減少見通しが強まっていたがここにきて例年通り、やはり供給が足りる見通しとなってきたことから上値重い推移に。
東アフリカ・中東地域で激増しているサバクトビバッタであるが、現在はインド・パキスタンで猛威を振るっている。
危機的な状況にあったエチオピア・ソマリア・ケニアはやや影響が緩和した。今後、懸念されるのはバッタが、モーリタニア、マリ、ニジェール、チャドにまで拡大している点。
今のところ大規模な被害になるとはみられていないが、夏場の繁殖期をこれらの地域で迎えるため、被害の拡大はリスクとなろう。
また、東南アジアでもトウモロコシやイネの大害虫であるツマジロクサヨトウが繁殖し、深刻な食糧危機をもたらしている
コロナウイルスの影響で播種に必要な人員を確保できない農家があったが、今度は収穫期にコロナウイルスの影響で人員が確保できず、収穫に影響が出る可能性がある。年後半にかけて、穀物価格の見通しは強気。
【価格変動要因の整理】
<<マクロ要因>>
・米穀物作付け意向面積トウモロコシ 9,699万エーカー(市場予想 9,412万エーカー)大豆 8,351万エーカー(8,502万エーカー)小麦 4,466万エーカー(4,495万エーカー)
・米穀物最終作付け面積トウモロコシ 9,201万エーカー(市場予想 9,514万エーカー)大豆 8,383万エーカー(8,483万エーカー)小麦 4,425万エーカー(4,472万エーカー)
・8月米需給報告生産見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 152億7,800万Bu(151億7,654万Bu、150億Bu)大豆 44億2,500万Bu(42億5,950万Bu、41億3,500万Bu)小麦 18億3,800万Bu(18億3,268万Bu、18億2,400万Bu)
・8月米需給報告在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 27億5,600万Bu(28億2,375万Bu、26億4,800万Bu)大豆 6億1,000万Bu(5億2,632万Bu、4億2,500万Bu)小麦 9億2,500万Bu(9億4,770万Bu、9億4,200万Bu)
・6月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 52億2,400万Bu(49億5,862万Bu、79億5,300万Bu)大豆 13億8,600万Bu(13億9,113万Bu、22億5,300万Bu)小麦 10億4,400万Bu(9億8,661万Bu、14億1,200万Bu)
<<特殊要因>>
・新型肺炎の影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。
・米・イランの対立激化により、穀物輸送に影響が出る場合(下落要因)。ただし非景気循環銘柄需要が高まり最終的には上昇要因に。
・夏場以降、北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の可能性があり、価格の上昇リスク要因に。
・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。
<<投機・投資要因>>
・直近の投機筋のポジションは以下の通り。
トウモロコシはロングが291,713枚(前週比 ▲2,501枚)、ショートが441,615枚(▲1,040枚)ネットロングは▲149,902枚(▲1,461枚)
大豆はロングが177,493枚(▲7,492枚)、ショートが99,204枚(+6,170枚)ネットロングは78,289枚(▲13,662枚)
小麦はロングが117,379枚(▲6,640枚)、ショートが113,824枚(+3,184枚)ネットロングは3,555枚(▲9,824枚)
◆本日のMRA's Eye
「パーム油は高値圏維持~マレーシアの需給タイト化」
価格が低迷していたマレーシアのパーム油だが、ここにきて急速に価格水準を切り上げている。
弊社がウォッチしている商品の中では、コロナの影響で生産調整が行われた木材や気温上昇による天然ガス、投機的に積極的に物色された銀に次ぐ前期比上昇となっている。
アブラヤシから生産されるパーム油は、食用油として用いられる他、マーガリンやバイオ燃料、日本でも発電燃料など用途が幅広く世界で最も消費されている植物油である。
主要生産国はインドネシア(生産シェア58.0%、米農務省資料より2020-2021年の見込み)とマレーシア(26.3%)で、合計の世界生産シェアは84.3%となり、両国の生産動向がパーム油の供給を決めているといっても過言ではない。
しかしこの2国を比較すると圧倒的にインドネシアの生産量の増加が顕著である。インドネシアのパーム油生産が転機を迎え増加基調が鮮明になったのは、米国の強いドル政策を背景に始まったアジア通貨危機(1997年)の影響でインドネシア経済が大きな打撃を受けた、1990年代後半からである。
アジア通貨危機はインドネシア経済にも大きな影響を与え、インドネシア政府は1998年1月に輸出主導型の経済成長を目指し、17世紀のオランダ植民地時代からインドネシア経済の主要部門であるプランテーション分野を強化する形でパーム油農園開発の外資参入を緩和、1999年2月には完全に撤廃した。
これを契機に生産増加が始まるが、その間、原油生産量の減少でインドネシアがOPECから脱退、環境面から国際的に石炭を回避する動きが強まったことで、代替エネルギーとしてのパーム油への関心が高まったことも生産増加に拍車をかけた。
但し、プランテーション開発のためにジャングルを切り開き、深刻な環境破壊をもたらしているとの指摘もあり、今後同じペースで開発が進むかどうかは不透明である。
しかし、米農務省の見通しでは、2020-2021年の世界のパーム油生産は増産基調を維持し、前年比+222万7,000トンとなる7,499万8,000トンと過去最高が見込まれている。生産の増加はその大半がインドネシア(+100万トン)、マレーシア(+70万トン)の増産によるものだ。
消費は生産量トップのインドネシアのシェアが大きく(20.4%)、インド(12.9%)、EU(8.9%)となっている。
2020-2021年の国内消費は前年比+302万1,000トンの7,285万8,000トンが予想されており、輸出需要の5,051万9,000トンを加えると総需要は1億2,377万7,000トンとなる見込みである。
期初在庫の水準が高いため供給不足は見込まれていない。しかし、期末在庫水準を需要で割った在庫率は13.8%と、1997-1998年に付けた10.9%以来の低水準になると見込まれており、2017-2018年から継続的に世界在庫は取り崩されていることになる。
マクロ感はこのように緩和状態が続く中でも需給がタイト化方向にあり、パーム油価格には緩やかな上昇圧力が掛かることになる。
しかし、短期的な値動きはミクロな需給環境に左右されやすく、指標となるマレーシアのパーム油価格は、インドネシアの需給動向よりもマレーシアの在庫水準の説明力が高い。
マレーシアのパーム油在庫は年初からの新型コロナの影響による需要の減少を受けて増加していたが、7月に同じ時期の過去最低水準である93万7,790トンを下回る、86万9,000トンとなった。
インド・パキスタン問題を背景に輸出が停止していたインド向けの輸出が5月以降再開していること、マレーシア政府が輸出促進のため関税を引き下げたことが影響している。
また、豚熱(豚コレラ)の影響で飼料向け需要が減少、供給減少によって大豆油価格が上昇していた中国も、大豆油輸入の増加に加えて、割安なパーム油の輸入を増加させていること、といった需要面の環境が変化したことが影響したとみられる。
今後については、中国・インド向けの輸出が堅調に推移するとみられること、9月の増産時期までは時間があることから8月もマレーシアのパーム油在庫の水準が低下する可能性は高く、上昇余地を探る動きになると予想される。
しかしながら、9月以降は増産時期に入ること、米国の実質金利緩和政策やユーロの財政統合期待を背景とするユーロ高・ドル安圧力の強まり、コロナウイルスの感染が比較的制御されていることによるマレーシア・リンギ高が続く見通しであることが輸入に一定の歯止めをかけることから、数ヵ月にわたる上昇にはならないと予想される。
また、秋から冬にかけて再びコロナウイルスの感染が拡大する可能性もあり、秋冬に向けて徐々に水準を切り下げる展開になるのではないか。
(※)参考文献? 俊輔「インドネシアにおけるアグリビジネス改革パーム油バリュー・チェーンの分析から」明石 光一郎「インドネシアのパーム油の生産と輸出動向」林田 秀樹「パーム油生産の急増とその需要側要因について-1990 年代末以降に焦点を当てて」
◆主要ニュース
・6月日本第3次産業活動指数 前月比+7.9%(前月▲2.9%)
・Q220日本実質GDP速報 前期比▲7.8%(前期確定▲0.6%)
前期比年率▲27.8%(▲2.5%)
GDPデフレータ 前年比+1.5%(+0.9%)
民間消費支出 前期比▲8.6%(▲0.8%)
民間住宅▲0.2%(▲4.2%)
民間企業設備投資▲1.5%(+1.7%)
公的固定資本形成(政府公共投資) +1.2%(▲0.5%)
・6月日本鉱工業生産改定 前月比+1.9%(速報比▲0.8%、前月改定▲8.9%)、前年比▲18.2%(▲0.5%、▲26.3%)
出荷+4.8%(▲0.4%、▲8.9%)、▲16.6%(▲0.3%、▲26.8%)
在庫▲2.4%(±0.0%、▲2.6%)、▲3.4%(±0.0%、▲0.5%)
・1-7月期中国工業生産 前年比▲0.4%(1-6月期▲1.3%)、7月+4.8%(前月+4.8%)
・1-7月期中国固定資産投資 前年比▲1.6%の32兆9,214億元(1-6月期▲3.1%の28兆1,603億元)
公的+3.8%(+2.1%)、民間▲5.7%(▲7.3%)
・1-7月期中国小売売上高 前年比▲9.9%の20兆4,459億元(1-6月期▲11.4%の17兆2,256億元)
7月▲1.1%の3兆2,203億元(前月▲1.8%の3兆3,526億元)
・1-7月期中国不動産開発投資 前年比+3.4%の7兆5,325億元(1-6月期+1.9%の6兆2,780億元)
・7月中国調査失業率 5.7%(前月5.7%)
・7月インド卸売物価指数 前年比▲0.58%(前月▲1.81%)
・7月インド貿易収支 ▲48億3,000万ドルの赤字(前月▲7億9,000万ドルの赤字)
輸出 前年比▲10.2%(▲12.4%)
輸入 ▲28.4%(▲47.6%)
・Q220ユーロ圏雇用速報 前期比▲12.1%(前期▲3.6%)、前年比▲15.0%(▲3.1%)
・7月米小売売上高 前月比+1.2%(前月+8.4%)
除く自動車+1.9%(+8.3%)
除く自動車ガソリン+1.5%(+7.7%)
除く自動車・建材+1.4%(+6.0%)
・Q220米非農業部門労働生産性速報 前期比年率+7.3%(前期確定▲0.3%)、単位当たり労働コスト+12.2%(+9.8%)
・7月米鉱工業生産 前月比+3.0%(前月+5.7 %)
設備稼働率 70.6%(68.5%)
製造業生産 +3.4%(+7.4%)
・6月米企業在庫 前月比▲1.1%(前月▲2.3%)
企業売上高+8.4%(+8.5%)
売上高在庫比率 1.37ヵ月(1.50ヵ月)
製造業在庫+0.6%(+0.2%)
製造業売上高+9.8%(+3.0%)
売上高在庫率1.51ヵ月(1.65ヵ月)
小売在庫▲2.6%(▲6.2%)
小売売上高+6.8%(+17.3%)
小売売上高在庫率 1.23ヵ月(1.35ヵ月)
卸売在庫▲1.4%(▲1.2%)
卸売売上高+8.8%(+5.7%)
在庫率 1.38ヵ月(1.53ヵ月)
・8月米ミシガン大学消費者マインド指数速報 72.8(前月72.5)
現況指数 82.5(82.8
先行指数 66.5(65.9)
1年期待インフレ率 3.0%(3.0%)
5年期待インフレ率 2.7%(2.6%)
・8月米NAHB住宅市場指数 78(前月 72)
・8月ニューヨーク連銀製造業景況感指数 3.7(前月17.2)
新規受注 ▲1.7(13.9)
受注残 ▲14.0(▲0.6)
在庫水準 ▲10.7(▲9.7)
雇用者数 2.4(0.4)
6ヵ月先景況指数 34.3(38.4)
・Q220米住宅ローン延滞率 8.22%(4.36%)
・Q220米MBA住宅ローン回収債権比率 0.68%(前期0.73%)
・米政府、華為への輸出禁止強化措置を発表。世界21カ国にあるファーウェイの関連企業38社を禁輸措置の対象に追加。
・中国人民銀行、中期貸出制度(MLF)を通じて1年物資金7,000億元を金融システムに供給。4,000億元のMLFが17日に、1,500億元が26日に満期を迎えるがそれを上回る資金供給を実施。
◆エネルギー・メタル関連ニュース
【エネルギー】
・ベイカー・ヒューズ週間米国石油リグ稼働数172(前週比▲4)
ガスリグ 70(前週比+1)。
・米国、イラン産原油を積載したタンカーを拿捕。112万バレルを押収。
・OPECプラス、7月の順守率は95%。JTC開催前の関係者のコメント。
【メタル】
・Vale、ブラジル北部Carajas地区のSerra Sul鉄鉱石サイトでの生産量を2,000万トン増強し、1億2,000万トンにする計画を承認。
◆主要商品騰落率
【上昇率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ビットコイン ( その他 )/ +4.73%/ +72.21%
2.銀 ( 貴金属 )/ +3.93%/ +53.96%
3.パラジウム ( 貴金属 )/ +3.85%/ +13.23%
4.LME亜鉛 3M ( ベースメタル )/ +3.38%/ +7.69%
5.CBT小麦 ( 穀物 )/ +3.30%/ ▲7.56%
【下落率上位5商品】
商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
65.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ ▲2.38%/ +20.16%
64.ブラジル・ボベスパ ( 株式 )/ ▲1.73%/ ▲13.88%
63.LIFFEココア ( その他農産品 )/ ▲1.54%/ ▲8.36%
62.TCMガソリン ( エネルギー )/ ▲1.39%/ ▲31.89%
61.TCM灯油 ( エネルギー )/ ▲1.17%/ ▲31.90%
※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。
◆主要指標
【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :27,844.91(▲86.11)
S&P500 :3,381.99(+9.14)
日経平均株価 :23,096.75(▲192.61)
ドル円 :106.00(▲0.60)
ユーロ円 :125.82(▲0.41)
米10年債 :0.69(▲0.02)
中国10年債利回り :2.94(+0.00)
日本10年債利回り :0.05(▲0.00)
独10年債利回り :▲0.45(▲0.03)
ビットコイン :12,327.28(+557.15)
【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :28.41(+0.12)
エネルギー :31.12(+0.89)
ベースメタル :16.49(+0.48)
貴金属 :52.57(+0.6)
穀物 :19.02(+1.06)
その他農畜産品 :29.29(▲0.95)
【主要商品ボラティリティ】
WTI :26.20(+0.86)
Brent :21.48(+0.34)
米天然ガス :69.80(+4.4)
米ガソリン :30.59(+0.78)
ICEガスオイル :35.14(▲0.1)
LME銅 :14.09(+1.03)
LMEアルミニウム :14.12(+0.4)
金 :13.72(+0.31)
プラチナ :42.61(+0.06)
トウモロコシ :22.44(+0.65)
大豆 :13.72(+0.31)
【エネルギー】
WTI :42.89(+0.88)
Brent :45.37(+0.57)
Oman :44.06(+0.21)
米ガソリン :127.00(+2.54)
米灯油 :123.91(+0.24)
ICEガスオイル :375.00(+0.50)
米天然ガス :2.34(▲0.02)
英天然ガス :22.48(+0.47)
【貴金属】
金 :1985.30(+40.18)
銀 :27.49(+1.04)
プラチナ :957.81(+13.39)
パラジウム :2202.95(+81.74)
※ニューヨーククローズ。
【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :6,428(+94:11.5B)
亜鉛 :2,424(+44:20.5C)
鉛 :1,974(+19:17C)
アルミニウム :1,757(▲9:37.5C)
ニッケル :14,602(+303:54C)
錫 :17,426(▲219:4B)
コバルト :33,049(▲17)
(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :6449.00(+83.50)
亜鉛 :2450.00(+80.00)
鉛 :1965.00(+15.00)
アルミニウム :1757.00(+16.00)
ニッケル :14635.00(+255.00)
錫 :17485.00(▲160.00)
バルチック海運指数 :1,595.00(+18.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック
【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :121.72(+1.01)
SGX鉄鉱石 :120.85(+0.62)
NYMEX鉄鉱石 :120.46(+0.32)
NYMEX原料炭スワップ先物 :107.93(+0.18)
上海鉄筋直近限月 :3,718(±0.0)
上海鉄筋中心限月 :3,821(+35)
米鉄スクラップ :286(▲1.00)
【農産物】
大豆 :912.50(+9.00)
シカゴ大豆ミール :298.30(+8.60)
シカゴ大豆油 :31.30(▲0.23)
マレーシア パーム油 :2774.00(▲29.00)
シカゴ とうもろこし :331.00(+6.50)
シカゴ小麦 :516.50(+16.50)
シンガポールゴム :170.40(+0.80)
上海ゴム :11095.00(±0.0)
砂糖 :13.06(▲0.04)
アラビカ :115.55(+0.85)
ロブスタ :1440.00(▲5.00)
綿花 :62.62(+0.33)
【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :53.53(▲0.30)
シカゴ生牛 :106.90(▲0.70)
シカゴ飼育牛 :142.73(▲1.20)
※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。