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コロナ禍終息への楽観続く~状況は激変せず
  • MRA商品市場レポート

2020年5月6日 第1739号(GW簡略版)商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「コロナ禍終息への楽観続く~状況は激変せず」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、エネルギーが物色される流れが継続、WTIが30ドルを回復した。その他は米国時間に株価が上昇、畜産やその他農産品価格も上昇した。

エネルギーはExxonMobileなどの主要生産者が原油価格の下落を受けて減産見通しを示したこと、欧米でロックダウン解除の動きが強まっていることが価格を押し上げている。

ただし、FRBクラリダ副議長は、新型コロナウイルスが米国経済に与えた影響に関し、年後半の回復に楽観的な見方を示したものの、米経済の回復には政府からの追加支援が必要とも指摘、景気の先行きが不透明であることも引き続き意識されているため、上昇している商品でも上値は重かった。

ちなみに話題になった原油ETFも、多くのETFが「期先への乗り換え」を進めたことでロールオーバー時のリスクが若干緩和されたことで、比較的堅調な推移となっている。ただ、ETFのパフォーマンスは(その商品の設計にもよるが)期間構造に強く影響を受けるため、基本的に購買・販売に向けた価格リスクヘッジには向かない

※原油ETFの仕組みや、価格リスクヘッジに用いる場合のリスクはこちらから。
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※月次の世界商品需給と期間構造
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※新型コロナウイルスの新規感染者数(更新しました)
https://marketrisk.jp/news-contents/contents/8925.html

※Brent・WTIの期間構造(更新しました)
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【本日の見通し総括】

本日は、雇用統計の前哨戦であるADP雇用統計に注目している。市場予想は▲210万人(▲2万7,000人)の雇用者の減少を見込んでいる。ただし市場は「雇用統計は月次であり、足元の状況を表していない」ことから、さほど材料視している感じはない。

雇用関連統計をはじめとする、いわゆるハード指標は経済バックミラーであるが、今より必要なのはフォワードルッキングな指標である。

その意味でマインド系の指標であるPMI・ISM製造業景況指数が重要になるが、「市場が予想しているよりも」悪い統計になっていない点には注目だろう。

本日はそのほか、米石油統計に注目している。通常は在庫の増減が注目されるが、特に米石油製品出荷と米原油生産動向に注目したい。

DOE米在庫統計市場予想は以下の通り 原油在庫 前週比+8,667KB(前週+8,991KB) ガソリン在庫 +496KB(▲3,669KB) ディスティレート在庫 +2,881KB(+5,092KB) 背由緒稼働率 前週比 ▲0.57%(+2.00%)

【昨日のトピックス】

コロナウイルスの感染ペースが鈍化していることに伴い、ロックダウン解除の動きが強まっているが、このウイルスは未知の部分も多く大幅な緩和にはならないと予想され、むしろまだ世界的にロックダウンの動きは継続しているとみるべきだ。

米国や欧州は中東に展開していた軍を感染拡大防止(すでに感染者が確認されているケースも多数)のために、軍を自国に戻す動きを加速させている。

しかしこれに乗じ、イスラム国が中東地域で活動を再開しているようだ。そもそもトルコがシリアに進軍した段階で投獄されていたイスラム国の兵士が脱走し、中東各地に展開する形となった。

中東・北アフリカ地域は原油価格の下落で各国とも財政状況が悪化しており、さらにはサバクトビバッタの影響で食糧危機が起きかねない状況にあるなど、「治安がさらに悪化する下地」ができている点は無視できない。

この中で、シェア拡大を狙うサウジアラビア(生産した原油をどこかで受け入れてもらえないと負担が増す)が、6月のOSPをどのように決定してくるかは注目である。

ドバイのスプレッドから推測されるOSPは4月が▲1ドル、5月が4.5ドル程度だったが、実際は各々▲4.05ドル、▲7.40ドルと、3ドル程度OSPが低かった。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

<<マクロ要因>>

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速。

中国の製造業PMIは小幅な悪化、非製造業PMIは小幅な改善となった。国内の消費活動が回復している一方、輸出向けの需要は欧米ロックダウンの影響で低迷していることが影響したと見られる。

・世界景気の減速観測。IMFは2020年の経済見通しを大幅に引き下げ(+3.3%→▲3.0%)ている。ただし2021年には+5.8%への急回復を見込んでいる。

ただこの通りになるためには、コロナウイルス感染拡大終息が必要条件であり、第二次感染拡大となり得る冬場までの終息がなければ、それは難しかろう。

・FRBは合計で▲150bpの緊急利下げと、ドル需要ひっ迫の状況を緩和するための無制限の量的緩和も実施、債券買い入れもジャンク債も対象とするなど、打てる手は出し惜しみなく出しているため、徐々に不安は解消しよう。

ただし、持てる金融政策のカードをほとんど切ってしまったため、今後、不測の事態が発生した場合のリスクは小さくない。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q319の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.3%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

<<特殊要因>>

・中国の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けた、世界的な経済活動の鈍化長期化(景気循環系商品価格の下落要因、世界の経済構造変化も)。

感染拡大ペース鈍化を受けて経済活動を再開させる動きが強まっているが、このウイルスは未知の部分が多く、再度感染拡大→経済活動自粛、という流れになるリスクも無視できず。

・米中の対立激化。米国は今回のウイルス問題で、中国の医療面、人工知能を含むIT面に脅威を感じた可能性は高く、サプライチェーンの在り方も見直される可能性があり、「ポスト・コロナ」後の商流を大きく変質させる可能性も(景気循環系商品価格の下落要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫化し、域内景気への悪影響への懸念(下落要因)。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。今後は2020年12月末の移行期間までに条件で合意ができるか否か。場合によっては、ハードブレグジットの可能性も。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

<<投機・投資要因>>

・コロナウイルスの影響拡大によるリスク回避の株安が、景気循環系商品価格にマイナスの影響を与える場合。

・コロナウイルス対策のために大量に投入された資金が、コロナウイルス終息後にリスク資産買いに走り、暴騰するリスク。

◆主要ニュース


・2月ユーロ圏生産者物価指数 前月比▲1.5%(前月▲0.7%)、前年比 ▲2.8%(▲1.4%)

・4月米サービス業PMI改定 26.7(速報比▲0.3、39.8)、コンポジット 27.0(▲0.4、40.9)

・4月米ISM非製造業景況指数 41.8(前月52.5)新規受注 32.9(52.9)
 受注残 47.7(55.0)、在庫増減 46.9(41.5)
 在庫景況感 62.6(47.8)、雇用 30.0(47.0)

・米トランプ大統領、「追加経済対策に給与税減免は不可欠。」

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米在庫統計市場予想 原油+8,667KB(前週+8,991KB)
 ガソリン+496KB(▲3,669KB)
 ディスティレート+2,881KB(+5,092KB)
 稼働率▲0.57%(+2.00%)

・API石油統計 原油在庫+8.44MB、クッシング+2.68MB
 ガソリン▲2.24MB、ディスティレート+6.14MB

・ExxonMobile、Chevron、ConocoPhillipsは6月末までに合計▲66万バレルの減産を計画。

・日本政府、イランに対してアビガンを無償供与など支援。

・新型コロナウイルスの影響による欧米駐留軍の撤退で、イラク、エジプト、シリアでイスラム国が勢力を拡大。

【メタル】
・Glencore ザンビアのMopani銅山稼働を再開の予定。

・Umicore、コロナウイルスの影響で世界の自動車生産は前年比▲25%減少するため、EV向けのコバルト需要も減少する見込み。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ +7.71%/ ▲5.18%
2.NYM RBOB ( エネルギー )/ +7.20%/ ▲49.97%
3.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ +5.45%/ ▲2.97%
4.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +3.99%/ ▲55.55%
5.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ +3.44%/ +17.70%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.原料炭スポット ( 鉄鋼原料 )/ ▲17.18%/ ▲20.26%
69.インド・センセックス ( 株式 )/ ▲5.94%/ ▲22.70%
68.ICE粗糖 ( その他農産品 )/ ▲5.20%/ ▲22.50%
67.ICEガスオイル ( エネルギー )/ ▲4.20%/ ▲61.97%
66.CBTもみ米 ( 穀物 )/ ▲3.43%/ +23.33%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :23,749.76(+26.07)
S&P500 :2,842.74(+12.03)
日経平均株価 :休場( - )
ドル円 :106.74(▲0.17)
ユーロ円 :116.42(▲0.98)
米10年債 :0.63(+0.02)
中国10年債利回り :休場( - )
日本10年債利回り :▲0.02(±0.0)
独10年債利回り :▲0.56(+0.02)
ビットコイン :8,921.68(+187.58)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :74.99(▲0.75)
エネルギー :254.63(▲2.21)
ベースメタル :23.80(+0.03)
貴金属 :28.89(▲1.5)
穀物 :24.60(+0.41)
その他農畜産品 :41.87(▲0.63)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :1180.15(▲2.51)
Brent :133.62(▲8.65)
米天然ガス :87.14(▲0.99)
米ガソリン :146.10(+1.19)
ICEガスオイル :113.81(▲3.92)
LME銅 :28.56(▲0.11)
LMEアルミニウム :19.40(▲0.31)
金 :13.60(+1.02)
プラチナ :24.18(▲0.94)
トウモロコシ :23.90(▲0.07)
大豆 :13.60(+1.02)

【エネルギー】
WTI :20.39(+0.61)
Brent :27.20(+0.76)
Oman :29.77(+0.89)
米ガソリン :82.15(+5.52)
米灯油 :80.31(+0.70)
ICEガスオイル :210.75(▲9.25)
米天然ガス :1.99(+0.10)
英天然ガス :13.81(+0.53)

【貴金属】
金 :1702.07(+1.65)
銀 :14.78(▲0.20)
プラチナ :768.00(+1.84)
パラジウム :1858.67(▲59.17)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,086(▲5:28C)
亜鉛 :1,895(▲15:12.5C)
鉛 :1,616(+7:23C)
アルミニウム :1,477(▲1:40C)
ニッケル :11,864(▲52:79C)
錫 :15,138(+241:127B)
コバルト :29,616(▲17)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5129.00(+23.00)
亜鉛 :1901.00(▲13.00)
鉛 :1632.00(+3.00)
アルミニウム :1484.50(±0.0)
ニッケル :11800.00(▲145.00)
錫 :15120.00(+90.00)
バルチック海運指数 :598.00(▲19.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :82.8(▲0.16)
SGX鉄鉱石 :82.04(▲1.80)
NYMEX鉄鉱石 :82.15(▲0.35)
NYMEX原料炭スワップ先物 :108.4(▲22.49)
上海鉄筋直近限月 :休場( - )
上海鉄筋中心限月 :休場( - )
米鉄スクラップ :308(+1.00)

【農産物】
大豆 :834.00(▲13.25)
シカゴ大豆ミール :283.30(▲4.10)
シカゴ大豆油 :25.80(▲0.34)
マレーシア パーム油 :2035.00(▲67.00)
シカゴ とうもろこし :310.75(▲0.75)
シカゴ小麦 :524.25(+2.75)
シンガポールゴム :133.30(▲1.70)
上海ゴム :休場( - )
砂糖 :10.40(▲0.57)
アラビカ :105.55(+1.10)
ロブスタ :1170.00(▲7.00)
綿花 :55.00(▲1.56)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :67.73(+4.85)
シカゴ生牛 :88.08(+0.83)
シカゴ飼育牛 :119.08(+1.25)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。