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ロックダウン解除の動きで景気循環銘柄物色される
  • MRA商品市場レポート

2020年5月5日 第1738号(GW簡略版)商市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「ロックダウン解除の動きで景気循環銘柄物色される」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、総じて景気循環系商品が物色され、非景気循環銘柄が売られる流れとなった。新型コロナウイルスの感染拡大防止ペースの減速を受けて徐々に経済活動再開への動きが強まっていることが材料となった。

また、Royal Dutch Shellの減産方針など、非OPECプラス諸国も減産を余儀なくされる見通しであり、原油価格に上昇圧力がかかっていることが、地合いを強気にしている。

通常、エネルギー価格の上昇は消費国の負担増加となるため株価などにプラスに作用するべきものではないが、エネルギー価格の下落が生産者を直撃し、特にジャンク債市場や、金融機関のエネルギーセクター全体に対する与信動向が慎重になるため、結果的にクレジットクランチ懸念を強めて株価のマイナス要因となる。

株価を基準に経済政策運営を行うことが適切とは言えない。しかし、資産効果を通じて消費に影響を及ぼすため無視できないのも事実(ただし、日本では資産効果は欧米ほど顕著ではない)。

今年は食品インフレに警戒を、と指摘してきたが北米では肉類の価格が急騰している。詳しくは明後日のMRA's Eyeで解説予定だが、コロナウイルスの影響によるものである。

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https://marketrisk.jp/news-contents/news/3592.html

※月次の世界商品需給と期間構造
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※新型コロナウイルスの新規感染者数(更新しました)
https://marketrisk.jp/news-contents/contents/8925.html

※Brent・WTIの期間構造(更新しました)
https://marketrisk.jp/news-contents/contents/8377.html

【本日の見通し総括】

本日は、欧米でロックダウン解除の動きがみられ始めていることから、景気循環系商品価格に上昇圧力がかかる展開が予想される。ただ、今回の経済封鎖解除が本当に適切なものであるかはよくわからない。

予定されている統計では、米ISM非製造業景況指数に注目している。週末発表されたISM製造業指数は41.5(市場予想36.0、前月49.1)と市場予想程悪化していないが、より直接的に影響を受けている非製造業指数がどの程度の悪化になるかは注目である。

米ISM非製造業指数の市場予想は37.9(前月52.5)と大幅な悪化が見込まれているが、悪化は織り込んでいるため、むしろ強気に反応するのではないか。

【昨日のトピックス】

ここにきて、経済封鎖解除の動きが欧米で強まっている。感染拡大防止のために経済封鎖を続けてきたが、感染者の拡大ペースが鈍化傾向にあることが明らかであるためだ。

11月に大統領選挙を控える米国は、再選を目指すトランプ大統領は経済封鎖の解除に前向きである。そもそもあまり人が密集していない都市部ではないところが支持基盤である、という点が大きいとみられる。

また、封鎖を続け、その分を国の借金で保証するという対策を未来永劫続けることはできない。その点も経済封鎖解除に傾いた背景にある。

ただ、コロナウイルスのワクチン開発が完了していない中での拙速な経済封鎖の解除は、第二、第三の感染の波が訪れるリスクを高めることになる。我々人類は、そこまでコロナウイルスの全容を把握しているわけではない。

また、今回の件で懸念すべきは米中の対立が激化する可能性がある点だ。

今回のウイルスの影響を最も受けている国は米国である。ただ、トランプ政権の今回のウイルス問題への対応が遅れたことは事実であり、有権者の怒りの矛先をほかに向ける必用がある。

そのために中国を槍玉に上げている訳だが、今回のウイルスが武漢周辺で発生した可能性は高く、かつ、自身の「メンツ」のために情報を隠蔽、WHOにも圧力を掛けた可能性も低くはなく、責められるべき理由があるのもまた事実だ。

結果、医療面、IT技術、人工知能など、今回のコロナ対策で各国の力量が問われている分野での米中対立が深まることは必至であり、サプライチェーンの変更(友好国へのシフトなど)が起きる可能性は高い。

この結果、ポスト・コロナの世界ではモノの流れが変わり、かつ、商品需要にも影響がでて消費行動の変化で需要が減少する可能性もあり得る。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

<<マクロ要因>>

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速。

中国の製造業PMIは小幅な悪化、非製造業PMIは小幅な改善となった。国内の消費活動が回復している一方、輸出向けの需要は欧米ロックダウンの影響で低迷していることが影響したと見られる。

・世界景気の減速観測。IMFは2020年の経済見通しを大幅に引き下げ(+3.3%→▲3.0%)ている。ただし2021年には+5.8%への急回復を見込んでいる。

ただこの通りになるためには、コロナウイルス感染拡大収束が必要条件であり、第二次感染拡大となり得る冬場までの収束がなければ、それは難しかろう。

・FRBは合計で▲150bpの緊急利下げと、ドル需要ひっ迫の状況を緩和するための無制限の量的緩和も実施、債券買い入れもジャンク債も対象とするなど、打てる手は出し惜しみなく出しているため、徐々に不安は解消しよう。

ただし、持てる金融政策のカードをほとんど切ってしまったため、今後、不測の事態が発生した場合のリスクは小さくない。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q319の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.3%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

<<特殊要因>>

・中国の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けた、世界的な経済活動の鈍化長期化(景気循環系商品価格の下落要因、世界の経済構造変化も)。

・米中が通商面で再び対立(国営企業への補助禁止、人権面、知的財産権など)する可能性はあり、さらに新型コロナウイルスの感染拡大が収束したのちに、ウイルス問題を受けて対立が激化する可能性は高まっている。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫化し、域内景気への悪影響への懸念(下落要因)。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。今後は2020年12月末の移行期間までに条件で合意ができるか否か。場合によっては、ハードブレグジットの可能性も。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

<<投機・投資要因>>

・コロナウイルスの影響拡大によるリスク回避の株安が、景気循環系商品価格にマイナスの影響を与える場合。

・コロナウイルス対策のために大量に投入された資金が、コロナウイルス収束後にリスク資産買いに走り、暴騰するリスク。

◆主要ニュース


・4月東京消費者物価指数 前年比+0.2%(前月+0.4%)
 除く生鮮▲0.1%(+0.4%)、除く生鮮エネルギー+0.2%(+0.7%)

・4月日本国内自動車販売 前年比▲25.5%(前月▲10.2%)

・4月韓国製造業PMI 41.6(前月44.2)

・4月インド製造業PMI 27.4(前月 51.8)

・4月独製造業PMI改定 34.5(速報比+0.1、前月改定 45.4)
 ユーロ圏 33.4(▲0.2、前月改定 44.5)

・5月ユーロ圏センティックス投資家信頼感 ▲41.8(前月▲42.9)

・4月米製造業PMI改定 36.1(速報比▲0.8前月改定 48.5)

・3月米建設支出 前月比 +0.9%(前月改定▲2.5%)

・4月米ISM製造業景況指数 41.5(前月49.1)、仕入れ価格 35.3(37.4)
 生産 27.5(47.7)、新規受注 27.1(42.2)、受注残 37.8(45.9)
 在庫 49.7(46.9)、顧客在庫 48.8(43.4)、雇用 27.5(43.8)
 輸出 35.3(46.6)、輸入 42.7(42.1)

・4月米自動車販売年率 858万台(前月 1,137万台)

・3月米製造業新規受注 前月比▲10.3%(前月▲0.1%)
 製造業受注除く輸送機器▲3.7%(▲1.1%)

・3月米製造業耐久財受注改定
 前月比▲14.7%(速報比▲0.3%、前月改定+1.1%)
 除く輸送機器▲0.4%(▲0.2%、▲0.7%)
 製造業新規受注資本財非国防除く航空▲0.1%(▲0.2%、▲0.8%)

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】

・ベイカー・ヒューズ週間米国石油リグ稼働数325(前週比▲53)
 ガスリグ 81(前週比▲4)。

・Chevron、「歴史的な原油安への準備を怠った企業を救済するのは適切ではない。政府の介入で保護してもらう必要はない。」

・イスラエル軍、シリア攻撃を継続。

・Q120 ExxonMobil
 石油換算総生産量404万6,000バレル(前期401万8,000バレル、前年398万1,000バレル)

 液体石油生産 248万8,000バレル(243万6,000バレル、232万7,000バレル)
  米国 69万9,000バレル(66万5,000バレル、60万バレル)

 天然ガス生産 9,396MCF(9,495MCFD、9,924MCFD)
  米国 2,825MCFD(2,713MCFD、2,712MCFD)

 CAPEX 71億4,300万ドル(68億9,000万ドル、84億6,000万ドル)
  上流部門投資 51億2,600万ドル(60億9,100万ドル、53億6,100万ドル)

・Q120 BP
 石油換算総生産量 257万9,000バレル(前期269万8,000バレル、前年265万6,000バレル)

 液体石油生産 130万6,000バレル(132万8,000バレル、129万9,000バレル)

 天然ガス生産 7,387MCFD(7,945MCFD、7,872MCFD)

 CAPEX 38億6,100万ドル(41億900万ドル、56億3,500万ドル)

【メタル】
・Q120 Century Aluminum アルミ出荷 202,905トン(前期 202,870トン)

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ +7.71%/ ▲5.18%
2.NYM RBOB ( エネルギー )/ +7.20%/ ▲51.61%
3.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ +5.45%/ ▲8.95%
4.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +3.99%/ ▲55.55%
5.CBTオレンジジュース ( その他農産品 )/ +3.44%/ +17.70%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.原料炭スポット ( 鉄鋼原料 )/ ▲17.18%/ ▲20.26%
69.インド・センセックス ( 株式 )/ ▲5.94%/ ▲23.12%
68.ICE粗糖 ( その他農産品 )/ ▲5.20%/ ▲22.50%
67.ICEガスオイル ( エネルギー )/ ▲4.20%/ ▲65.68%
66.CBTもみ米 ( 穀物 )/ ▲3.43%/ +23.33%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :23,749.76(+26.07)
S&P500 :2,842.74(+12.03)
日経平均株価 :休場( - )
ドル円 :106.74(▲0.17)
ユーロ円 :116.42(▲0.98)
米10年債 :0.63(+0.02)
中国10年債利回り :休場( - )
日本10年債利回り :▲0.02(±0.0)
独10年債利回り :▲0.56(+0.02)
ビットコイン :8,921.68(+187.58)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :74.99(▲0.75)
エネルギー :254.63(▲2.21)
ベースメタル :23.80(+0.03)
貴金属 :28.89(▲1.5)
穀物 :24.60(+0.41)
その他農畜産品 :41.87(▲0.63)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :1180.15(▲2.51)
Brent :133.62(▲8.65)
米天然ガス :87.14(▲0.99)
米ガソリン :146.10(+1.19)
ICEガスオイル :113.81(▲3.92)
LME銅 :28.56(▲0.11)
LMEアルミニウム :19.40(▲0.31)
金 :13.60(+1.02)
プラチナ :24.18(▲0.94)
トウモロコシ :23.90(▲0.07)
大豆 :13.60(+1.02)

【エネルギー】
WTI :20.39(+0.61)
Brent :27.20(+0.76)
Oman :29.77(+0.89)
米ガソリン :82.15(+5.52)
米灯油 :80.31(+0.70)
ICEガスオイル :210.75(▲9.25)
米天然ガス :1.99(+0.10)
英天然ガス :13.81(+0.53)

【貴金属】
金 :1702.07(+1.65)
銀 :14.78(▲0.20)
プラチナ :768.00(+1.84)
パラジウム :1858.67(▲59.17)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,086(▲5:28C)
亜鉛 :1,895(▲15:12.5C)
鉛 :1,616(+7:23C)
アルミニウム :1,477(▲1:40C)
ニッケル :11,864(▲52:79C)
錫 :15,138(+241:127B)
コバルト :29,616(▲17)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5129.00(+23.00)
亜鉛 :1901.00(▲13.00)
鉛 :1632.00(+3.00)
アルミニウム :1484.50(±0.0)
ニッケル :11800.00(▲145.00)
錫 :15120.00(+90.00)
バルチック海運指数 :598.00(▲19.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :82.8(▲0.16)
SGX鉄鉱石 :82.04(▲1.80)
NYMEX鉄鉱石 :82.15(▲0.35)
NYMEX原料炭スワップ先物 :108.4(▲22.49)
上海鉄筋直近限月 :休場( - )
上海鉄筋中心限月 :休場( - )
米鉄スクラップ :308(+1.00)

【農産物】
大豆 :834.00(▲13.25)
シカゴ大豆ミール :283.30(▲4.10)
シカゴ大豆油 :25.80(▲0.34)
マレーシア パーム油 :2035.00(▲67.00)
シカゴ とうもろこし :310.75(▲0.75)
シカゴ小麦 :524.25(+2.75)
シンガポールゴム :133.30(▲1.70)
上海ゴム :休場( - )
砂糖 :10.40(▲0.57)
アラビカ :105.55(+1.10)
ロブスタ :1170.00(▲7.00)
綿花 :55.00(▲1.56)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :67.73(+4.85)
シカゴ生牛 :88.08(+0.83)
シカゴ飼育牛 :119.08(+1.25)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。