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原油市場混乱一服 買戻しで上昇
  • MRA商品市場レポート

2020年4月24日 第1734号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「原油市場混乱一服 買戻しで上昇」

【昨日と本日の各セクターショートコメント】

◆エネルギー:総じて上昇。WTIの限月交代に絡む市場の混乱が一巡、最大消費国である米国の製造業PMIが市場予想程悪化しなかったことが材料に。

一時的な混乱終息は上昇要因だが、状況に大きな変化がない中、週末を控えた手じまい売りで軟調。

◆非鉄金属:高安まちまちも総じて堅調。供給減少、市場予想を下回る欧州PMI、市場予想ほど悪くない米PMIで。

中国回復と供給減少で上昇しやすい地合い。ただし、独IFO指数減速や米コア資本財受注悪化、週末を控えた手仕舞いで軟調か。

◆鉄鋼原料:南アフリカのロックダウン段階解除(5月1日)を受けた供給懸念後退で鉄鉱石軟調、原料炭も下落。鉄鋼製品は中国回復期待で上昇。

生産者の生産調整と在庫水準(在庫日数)の低さから鉄鉱石は高止まり、原料炭は在庫高でやや軟調、鉄鋼製品は中国景気回復期待で底堅い。

◆貴金属:上昇。長期金利の低下と、原油価格の上昇に伴う実質金利の低下を受けて。

原油市場が落ち着きを取り戻し、価格が上昇する中で実質金利が下押しされるため、実質金利の低下で上昇。

◆穀物:軒並み上昇。エタノールの上昇や中国のトウモロコシ輸入増加観測で総じて堅調。

原油が買戻しで上昇すると見るため、トウモロコシ高で穀物セクターにも買戻し継続。

※より詳細な説明は以下をご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は軒並み上昇した。大混乱していた原油市場が通常の状態に戻る中で上昇し、株価にもプラスの影響を与えたためリスクテイクが回復したのが背景。

ただし昨日発表された欧州のPMIは市場予想を下回っており、欧州情勢はZEW景況観指数でみられたような改善はまだ見られていないと見られたことは、価格の上昇余地を限定した。

なお、市場の話題をさらった原油ETFだが、クレディスイスやその他の業者も上場廃止の方針を示しており、市場での取引ボリュームは減少する可能性が高く、影響は低下する。

また、目論見書と異なる、直近限月から第二限月「以外」の限月への乗り換えを進めたものもあり、納会日の直近限月価格への影響は限定されることになる。

しかし原油ETFは、「コンタンゴの状態ではロールオーバー損を毎月計上しながら、原油価格の大幅な上昇を期待する(あるいはバックワーデーションになることを期待する)商品」になった、といえるだろう。

商品設計と顧客に対する説明に不備があっただけであり、「商品先物市場は危険な、怪しいもの」というわけではないことは、改めて強調しておきたい。

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https://marketrisk.jp/news-contents/news/3592.html

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※新型コロナウイルスの新規感染者数(更新しました)
https://marketrisk.jp/news-contents/contents/8925.html

※Brent・WTIの期間構造(更新しました)
https://marketrisk.jp/news-contents/contents/8377.html

【本日の見通し総括】

本日は、原油市場が戻りを試す中で総じて堅調な推移になると見るが、週末ということもあってここまでの上昇を受けた手仕舞いの動きが出るため、上昇余地も限定されると考える。

本日発表予定の統計で注目は、ドイツの日銀短観に該当するIFO景況感指数。市場予想は79.7(前月86.1)、期待指数は75.0(79.7)、現況指数は80.5(93.0)といずれも悪化の見込み。

また、悪くなることは確実であるが、米設備投資の先行指標であるコア資本財受注(市場予想 前年比▲6.7%、前月▲0.9%)と悪化の見込み。

やはりこれらを見てみても、売られすぎの買戻しがあったとしても、上昇を継続する十分条件(需要の持続的な回復)を満たしていないため、やはり上昇余地は限られるという結論となる。

【昨日のトピックス】

昨日発表された欧州のPMIは、予想を下回る悪化となった。先日発表された独ZEW景況感指数が予想外の改善となったため、改善するのでは?との期待もあったが完全に裏切られた形。

コロナ対策が他国と比較してもうまく機能しており、早期の復帰が期待されていたドイツに関しては、製造業PMIが34.4(前月改定 45.4)、サービス業が15.9(31.7)となった。ユーロ全体では製造業PMIが33.6(前月改定 44.5)、サービス業が11.7(26.4)。

感染者数の増加や医療崩壊が続いていた4月上旬のアンケートであり、悪化は止むを得ない。

米国に時間に発表された米製造業PMIは市場予想が35.0に対して36.9(前月改定 48.5)とやや強気の内容となったが、サービス業は30.0に対して27.0(39.8)と下回った。

まとめると、世界的にサービス業の悪化は非常に顕著であり、かつ、その状況は日増しに厳しくなっていることを示す内容。一方、製造業の悪化はやや歯止めがかかったように見える。

なお、米週間新規失業保険申請件数は4,427千件(前週5,245千件)とこの数週間の累計で2,500万人を超えた。失業保険継続受給者数は15,976千人(11,976千人)に達しており、失業率が15%に上昇する可能性は高まっている。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

<<マクロ要因>>

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速。

中国の製造業・非製造業PMIは大幅な改善となったが、アンケートの取り方が「前月からの商況の変化」であるため、これを額面通りは評価し難い。もう数ヵ月この統計を見ていく必要があるだろう。

・世界景気の減速観測。IMFは2020年の経済見通しを大幅に引き下げ(+3.3%→▲3.0%)ている。ただし2021年には+5.8%への急回復を見込んでいる。

ただこの通りになるためには、コロナウイルス感染拡大終息が必要条件であり、第二次感染拡大となり得る冬場までの終息がなければ、それは難しかろう。

・FRBは合計で▲150bpの緊急利下げと、ドル需要ひっ迫の状況を緩和するための無制限の量的緩和も実施、債券買い入れもジャンク債も対象とするなど、打てる手は出し惜しみなく出しているため、徐々に不安は解消しよう。

ただし、持てる金融政策のカードをほとんど切ってしまったため、今後、不測の事態が発生した場合のリスクは小さくない。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q319の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.3%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

<<特殊要因>>

・中国の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けた、世界的な経済活動の鈍化長期化(景気循環系商品価格の下落要因、世界の経済構造変化も)。

・米中が通商面で再び対立(国営企業への補助禁止、人権面、知的財産権など)する可能性はあり、さらに新型コロナウイルスの感染拡大が終息したのちに、ウイルス問題を受けて対立が激化する可能性は高まっている。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫化し、域内景気への悪影響への懸念(下落要因)。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。今後は2020年12月末の移行期間までに条件で合意ができるか否か。場合によっては、ハードブレグジットの可能性も。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

<<投機・投資要因>>

・コロナウイルスの影響拡大によるリスク回避の株安が、景気循環系商品価格にマイナスの影響を与える場合。

・コロナウイルス対策のために大量に投入された資金が、コロナウイルス終息後にリスク資産買いに走り、暴騰するリスク。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格は上昇した。WTIの限月交代やETFの乗り換えに伴う市場の混乱が解消する中、米製造業PMIが市場予想程悪くならなかったことで買戻しが継続した。

なお、原油ETFの一部は「マイナス評価となったため上場廃止」となったり、そもそも、目論見書と反するが「さらに期先への乗り換え」を進めたため、とりあえず目先の材料にはならなくなっている。

現物の受け渡しリスクが伴わない期先にシフトしたため、今回のような「逆スクイーズ」のリスクは低減したが、コンタンゴの状態が続くならば「毎月、ロールオーバーのコストを支払いながら、原油価格の絶対水準の上昇を待つ(あるいはバックワーデーションになるのを待つ)商品になった」といえる。

【原油価格見通し】

原油価格は世界的な供給過剰感が再び意識されていることから軟調な推移になると考える。ただ、ゆっくりではあるが感染拡大ペースが鈍化し、需要面の改善が見こまれること、価格低迷、場合によるとマイナス価格での販売を余儀なくされる状況が、生産者の減産を加速させるため、やはり中期的な見通しは強気である。

ただし、景気回復ぺースは緩やかにならざるを得ず、上昇余地も限定されると見る。

一大産油国であり、消費国でもある米国の貯蔵スペース枯渇の問題が顕在化したことから、しばらく米国原油は、「処理コスト発生リスク混み」の低水準で取引されると見る。

最近では原油の輸出も増加しているが、国内の需要が減少した時に海外に積極的に原油をさばいていくインフラが、長い間輸出を前提に整備されている中東や欧州と比較した時に、充分ではない。

米国は、国内の使用量が他国と比してケタ違いに多いため、需要が減少した時の調整は容易ではない。特に、原油のベンチマークの受け渡し場所が内陸にある場合、先物市場を活用している人の在庫はクッシングに向かいやすい。

やはり受け渡しポイントは湾岸近い、ヒューストンなどに変更することが望ましい。こうしたインフラの差がリーマンショック後にBrentとWTIの格差が大きく開いた一因である(この時はクッシングから湾岸に原油を輸送するためのパイプラインのキャパシティも問題となった)。

もちろん米国は、現在では日量300万バレルを超える原油を輸出する一大産油国に成長しており、以前と比較すれば格段に輸出能力は改善している。なお、主な輸出先はカナダ(59万バレル、韓国(55万バレル)、オランダ(30万バレル)、台湾(24万バレル)、英国(24万バレル)。

この状態が続くと生産者の破綻が相次ぐことになるため、米政府が戦略備蓄として原油を受け入れる可能性はある。ただ、それでも貯蔵量が膨大、といわけではないし、輸送の問題も残る。

「ここに空きがあるから、そこに入れておけば」と机上でその理屈は成り立つが、商品の場合あくまで目的地まで運ぶ、という当たり前のことが起きなければならない。

現在の戦略備蓄貯蔵能力は7億1,350万バレル、戦略備蓄量は6億3,497万バレル。数字の上では7,853万バレルの備蓄が可能だ。米エネルギー省はこの4月、7,700万バレルの貯蔵スペースを開放する方針を示しているが、貯蔵設備までの輸送の問題もあり、この問題が片付くにはしばらく時間が掛るだろう。

輸出することを前提とている中東や欧州はインフラ整備がなされているため、需給調整が行いやすい。しかし、直近のデータでは世界の洋上在庫が増加(主にアジア)しており、2016年の第一次OPECショックの水準をはるかに上回った。

※世界の洋上備蓄
https://marketrisk.jp/news-contents/contents/10410.html

このまま生産調整が進まなければ、洋上備蓄のスペースもなくなることが予想され、1.WTIのように欧州・中東原油もマイナス価格で売られる、2.OPECプラス諸国、非OPECプラス諸国の減産、もあり得る。

日本はドバイとオマーンの平均価格に産油国が決める調整価格を加えた価格で原油を輸入しているが、現在この調整価格は▲7ドル程度。ドバイが船積み月の月間平均価格ベースで7ドルを下回ると、マイナス価格で購入できることになる。

ただ、長年の関係性もあり、この場合の購入価格は産油国と輸入者の間でマイナスにならないよう調整があるのではないか。

2.については、OPECプラスも「原油の保管場所がない」状態で増産を続ける意味はなく、早晩減産に応じるだろう。ただ、「非OPECプラスが減産しないのは不公平だ」と考えているため、経済合理性の観点で生産継続が困難な非OPECプラスの減産進捗が起きてからになるだろう。

となると、減産が遅れ、取引の前提となるドバイやBrentの先物・先渡し価格がマイナス価格状態になる可能性は否定できない。

現在の価格水準が継続すれば米国やカナダも2割程度、自動的に減産が行われる可能性は高く、結果的に全世界で2割程度の減産になると見ている。

米シェールオイルの生産者のコストは50ドル近辺、カナダのオイルサンドからの生産者のコストも40ドル程度。現在の価格水準ではほとんどの生産者が利益を確保できない。

価格下落リスクヘッジをしている生産者も、引き受け手がいない原油を保有している訳にも行かないため、操業を停止するところが出てくるだろう。纏まった数の企業破綻が起きるとすれば、ヘッジ期間の目処である3、6、9、12月末。

生産調整の議論の次に考えるべきは、「コロナ終息後の供給」である。今のところ秋から世界の経済活動が回復に向かうというのが楽観的ではあるが、メインシナリオである。

この時の減産規模縮小のタイミングを誤ると、価格が大きく上昇するリスクが出てくる。

すでに全ての産油国が追加減産を余儀なくされる見込みであるが、実際に減産を行うと稼働再開には時間が掛るため、供給が間に合わない可能性がある。中東の産油国でも1ヵ月程度、米シェール企業の場合は増産を決断してから実施されるまで、6~7ヵ月はかかる。

さらに価格低迷が産油国の体制を揺るがすため、供給が途絶して急騰、というリスクもあり得る。特に中東北アフリカ諸国ではコロナウイルスの感染が拡大した場合、治安の不安定化で政権の維持が困難になり、供給自体に支障をきたす可能性もある。

逆に、コロナウイルスの感染拡大防止に失敗し、「今年の冬に第二ラウンドに突入」となると需要の回復は難しく、かつ、信用リスクにも波及し企業倒産がべースの需要を減じることから、現在の世界各地の減産では不十分となる可能性も充分にあり得る。

さらに影響がよく分からないのが、各国政府・中央銀行が財政・金融政策の大盤振る舞いをしている点。これによって株が急騰する可能性はあり、その場合エネルギーセクターにもリバランスの買いが入るため、投機的な観点から価格を押しあげよう。

株価の急騰は再び実態経済と、株価の顕著な乖離をもたらすため、その後のリスク資産価格を乱高下させる要因となるため要注意だ。

逆に、先進国中央銀行は持てる政策をすべて使ってしまったため、さらなる事態の悪化があった場合、打てる手段はほとんどないことはリスクといえる。

原油価格の変動性は今後、需要が低迷するにも関わらずさらに高まると予想される。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は下落した。原油価格急落の市場混乱は落ち着いたものの、中国の港湾在庫の水準の高さが意識された。

【石炭価格見通し】

石炭価格はしばらく下値余地を探る動きになると考えている。

季節的に夏場前の不需要期であること、中国の港湾在庫が急増しており過去5年平均を上回ったことが背景。

ただし早晩夏場のピークに差し掛かることや、中国の工場再稼働も緩やかながら始まっていることを考えると今後、季節的な価格上昇はあると考える。とはいえ、回復のペースは緩慢であり上昇余地も限定。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・最大消費国である米国の石油製品出荷は前年比▲3割の大幅減少の状態であり、短期的な需要の方向性はマイナス(原油価格の下落要因)。

世界2位の消費国である中国の需要の指標である工業生産は市場予想を上回るマイナス幅の縮小となったが、小売売上高は前月から改善

・1-3月期中国工業生産は前年比▲8.4%(1-2月期▲13.5%)と回復。ただし前年比マイナスの状態は変わらず(フロー需要の減少=価格の下落要因)。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・競合燃料である天然ガス・LNG価格が供給過剰で低迷、石炭価格の下落要因。

<<特殊要因>>

・原油価格下落とコロナウイルス感染拡大による治安悪化が、中東情勢を悪化させ供給リスクにつながる場合。

・米国が中国に対する人権問題(香港・新疆ウイグル自治区問題)や、コロナウイルスへの対策に対する中国への不満が高まった場合、再び通商問題が議題に上がる場合(価格の下落要因)。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による経済成長の鈍化。

・シリアイドリブ県を巡る、トルコとシリアの武力衝突懸念(中東の不安定化による供給懸念と、難民流入による南欧州の景況感悪化)。

<<投機・投資要因>>

・WTIは4月14日時点でロングが増加、ショートも増加したがネットロングは増加。Brentはロングが増加、OPEC減産見通しでショートが減少。

いずれも需給タイト化を意識した、強気のポジション取りに。

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが700,474枚(前週比 +44,703枚)ショートが189,805枚(+18,929枚)ネットロングは510,669枚(+25,774枚)

Brentはロングが232,362枚(前週比+2,751枚)ショートが120,908枚(▲5,088枚)ネットロングは111,454枚(+7,839枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME市場は高安まちまちとなったが、ベンチマークの銅は続伸した。欧州PMIは市場予想を下回るわるい内容だったが、米製造業PMIが市場予想程の悪化にならなかったことで、供給不安を背景に買戻しが継続した。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は底堅い推移になると考える。企業活動の現在の状況を正確に把握することは困難であるが、最大消費国である中国の経済活動が再開し、上海在庫の減少継続が確認されていること、チリ・ペルーなどの生産国でもコロナウイルスの感染拡大が確認され、鉱山生産が減少していることから。

実際、上海在庫は季節性通り減少しており、中国の生産活動の回復が意識されている。

しかし、価格が持続的な上昇になるためには需要の回復が必須。ここまでの価格上昇はどちらかといえば3月末を越えたことで、売りポジションを拡大していた投機の買戻しの動きが強まったことによる、テクニカルな上昇の側面が強い。

今のところ、それでも7月~8月頃に世界経済は再稼働を始めるという、希望的観測も含めた見通しをメインシナリオとしているが、経済活動の抑制状態が続いている状況に変わりはなく、あと数ヵ月は通常状態よりも需要が抑制された状態が続くと見られるため、再び非鉄金属価格は下落に転じるだろう。

結局、下値余地が徐々に限定され始め、緩やかに価格は水準を切り上げるが当面、上昇余地は限定される、ということだ。

基本的に戻りは緩やかなものになると見ているものの、稼働停止となっている鉱山の稼働が速やかに再開されるのか不明であり、各国政府・中央銀行が財政・金融政策の大盤振る舞いをしている点も先々の価格上昇リスクを強めている。

逆に、先進国中央銀行は持てる政策をすべて使ってしまったため、さらなる事態の悪化があった場合、打てる手段はほとんどないことは下落リスクだろう。コロナウイルスの影響が長期化する可能性は徐々に高まっている。

長期的には環境面に配慮した「省エネ金属」需要が高まることから非鉄金属価格は上昇すると予想される。

具体例を挙げると、社会インフラとしてのバッテリー向け、電気自動車に使用される金属が対象となる(銅、アルミ、ニッケル、リチウム、コバルトなど)。

再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インドの構造的な需要が顕在化するタイミングになるだろうが、中国が1994年に人口ボーナス期入りし、非鉄金属価格が上昇を始めたのが2000年頃からであることを考えると、2023~2024年頃になるのではないか。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・3月の中国製造業PMIは52.0(前月35.7)と大幅な改善となり、好不況の閾値である50を回復。ただし、統計の強制的な不連続性発生により、統計が安定して評価できるようになるには数ヵ月を要する見込み。

生産活動が回復(27.8→54.1)、新規受注も回復しているが(29.3→52.0)、輸出新規受注の回復が緩慢であることを勘案すると(28.7→46.4)、やはり国内向けの回復によるもの。

新規受注在庫レシオも急回復しており、ファンダメンタルズ的には非鉄金属価格を押し上げ(ただし輸出需要の回復が緩慢であり影響は限定)。

・金属にもよるが、主要生産者がコロナウイルスの影響による生産調整に動いており、供給面で価格を押し上げ(労働力が集まらない、業績悪化に伴う設備投資の減額、採算性悪化に伴う減産など、理由は様々)

(アルミ)Norsk Hydro Husnesアルミプラントの増産をQ320まで先送りアルゼンチン Aluar Puetro Madrynでの生産能力の▲50%を停止

(銅)南米の鉱山生産者(供給の約2割)は需要減と感染拡大防止のため、稼働率の引き下げを余儀なくされている状況Cerro Verde、Los Bronces、Constancia、Las Bambas、Collahuasi、Antaminaなど

(錫)PT Timah、需要の減少で当面錫生産を▲20%~▲30%減らす計画

(亜鉛)NewmontのPenasquito、Pan American SilverのLa Colorada、Grupo MexicoのBuenavistaとSan Martinなどが減産を決定

・3月銅製品生産者稼働状況

 銅線生産者 75.8%(前月34.7%、過去4年平均 82.9%) 銅棒生産者 53.6%(25.9%、75.3%) 銅板生産者 32.6%(59.8%、74.4%) 銅管生産者 76.9%(39.1%、83.3%)

・1-3月期中国工業生産は前年比▲8.4%(1-2月期▲13.5%)と回復。ただし前年比マイナスの状態は変わらず(フロー需要の減少=価格の下落要因)。

・1-3月期中国固定資産投資は、前年比▲16.1%の8兆4,145億元(1-2月期▲24.5%の3兆3,323億元)と減速感が改善。公的部門は▲12.8%(▲23.1%)とマイナスながらも前月からマイナス幅が縮小、民間部門も▲18.8%(▲26.4%)とマイナス幅が縮小した。

ただし前年比マイナスの状態は変わらず(ストック需要の減少=価格の下落要因)。

・1-3月期中国不動産開発投資は前年比▲7.7%の2兆1,963億元(1-2月期▲16.3%の1兆115億元)とやはりマイナス幅が縮小した。

ただし前年比マイナスの状態は変わらず(ストック需要の減少=価格の下落要因)。

・3月の中国の銅輸入は前年比+13.3%の44万トン(1-2月期85万トン)、銅鉱石・精鉱輸入は前年比+0.5%の178万トン(377万トン)となった。

銅地金の輸入は過去5年平均程度であるが、米中通商戦争が激化を始めた昨年に比べると高い水準。銅鉱石の輸入は、過去5年の最高水準だった昨年の水準を上回った。

いずれも中国の工業活動が平常状態に戻りつつあることを確認する内容であり、価格の上昇要因。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。ただしTCが低下を始めており、徐々に需給は緩和方向へ。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

<<特殊要因>>

・コロナウイルスの感染拡大長期化による経済成長の鈍化。

・米国が中国に対する人権問題(香港・新疆ウイグル自治区問題)や、コロナウイルスへの対策に対する中国への不満が高まった場合、再び通商問題が議題に上がる場合(価格の下落要因)。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

・資源ナショナリズムの高まり。インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展、インドの人種差別問題が反政府行動に繋がり、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)

<<投機・投資要因>>

・4月17日付のLMEロング・ショートポジションは、商品ごとに動きがまちまちとなった。銅は需要の増加(在庫の減少)と供給不足でロング増加、ショートが減少、ニッケルも同様。

その他はロング・ショートとも増加したが、亜鉛、鉛、アルミがロング<ショートで売り越し幅を拡大、錫はロング>ショートだった。

投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は▲48.7億ドル(前週▲50.0億ドル)と売り越し幅を縮小した。売り越し額の減少率は▲2.6%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,688千トン(▲1,728千トン)とCME銅とニッケルが売り越し幅を縮小、錫は買い越し幅を拡大。亜鉛、鉛、アルミは売り越し幅が拡大した。ネット売り越しの減少率は▲2.3%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは下落、原料炭スワップ先物は下落、中国鉄鋼製品先物価格は小幅に上昇した。

南アフリカが5月1日からロックダウンを部分解除するとの報道で若干の供給緩和観測が強まったことが背景。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は中国の工場の稼働再開と、インドなどの生産国がコロナウイルス対策の影響で鉱山の稼働を停止したり、輸送を停止したりということが顕在化し始めていることが価格を押し上げるが、コロナウイルスの影響で景気減速は必定であり、現状水準でもみ合うものと考える。

ただ、原油価格の急落で市場参加者のマインドが大きく低下していることもあり、目先は下押し圧力が強まる展開を予想。

中国河北省の高炉稼働率は4月3日時点で78.5%(前週77.8%)と上昇を続けており、中国の工場稼働が回復していることが伺える。

今後、中国以外の国でコロナウイルスの影響が拡大することを考えると、鉄鋼業の景況感の回復にはやはり時間がかかることになると予想される。

中国の鉄鋼製品は例年通り季節的な在庫の取り崩しが始まったが、例年よりも在庫の減少ペースが速い。生産者の供給が十分ではない中、最終需要者の稼働が回復している可能性があることを示唆している。

原料炭は新型コロナウイルスの影響で世界の経済活動が鈍化、鉄鋼需要の伸びも欧州・中国を中心に減速していることから、下値余地を探りやすくなっている。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は過去5年のレンジを上抜けしており、足元の需給も緩和している。

しかし、生産側も同様に影響を受けていること、世界的な石炭生産制限の流れを受けて、鉄鉱石とは異なり原料炭価格の中長期見通しは強気である。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・3月の中国鉄鋼業PMIは42.2と前月の36.6から大幅に改善。

生産が回復したことと(31.3→39.3)、原材料在庫が積み上がったこと(29.2→44.9)によるもの。

受注は国内は改善したがむしろ海外向けは減速(新規受注 32.7→38.5、輸出新規受注 42.5→27.3)しており、需要面が価格を下押ししやすい。

・1-3月期中国工業生産は前年比▲8.4%(1-2月期▲13.5%)と回復。ただし前年比マイナスの状態は変わらず(フロー需要の減少=価格の下落要因)。

・1-3月期中国固定資産投資は、前年比▲16.1%の8兆4,145億元(1-2月期▲24.5%の3兆3,323億元)と減速感が改善。公的部門は▲12.8%(▲23.1%)とマイナスながらも前月からマイナス幅が縮小、民間部門も▲18.8%(▲26.4%)とマイナス幅が縮小した。

ただし前年比マイナスの状態は変わらず(ストック需要の減少=価格の下落要因)。

・1-3月期中国不動産開発投資は前年比▲7.7%の2兆1,963億元(1-2月期▲16.3%の1兆115億元)とやはりマイナス幅が縮小した。

ただし、前年比マイナスの状態は変わらず(ストック需要の減少=価格の下落要因)。

・3月の中国の貿易統計では、鉄鋼製品の輸出は前年比+2.3%の647万6,000トンと回復した。ただし前年の水準は米中対立の影響で過去5年の中でもほぼ下限に近く、中国外のロックダウンによる需要減少が顕在化した形。

中国の鉄鋼製品在庫水準は前週比▲99.3万トンの2,275.9万トン(過去5年平均1,383.4万トン)とコロナウイルスの影響で在庫が急増していたが、工場の再稼働で例年通り在庫の取り崩しが始まっている。

ただし、例年よりも取り崩しのペースは早く、鉄鋼生産者の稼働が最終需要家の回復よりも遅れている可能性があることを示唆している。

・3月の中国の鉄鉱石の輸入量は前年比▲0.6%の8,591万トンとなり、過去5年水準を下回った。鉄鋼製品在庫の高さもあって、鉄鉱石輸入の動きは鈍い。

しかし、在庫日数ベースの港湾在庫の水準は低く一定の在庫積み増し需要があると考えられる。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比+40万トンの1億1,905万トン(過去5年平均1億2,613万トン)、在庫日数は+0.1日の28.4日(過去5年平均 30.9日)と依然として在庫水準は低い。

鉄鉱石の需給ファンダメンタルズはタイト化しているため、一定の鉄鉱石の輸入需要が価格を高止まりさせると考える。

・3月の石炭輸入(燃料炭・原料炭の合算)は前年比+18.5%の2,783万トンと増加し、過去5年レンジを超えた。中国の経済活動の再開を反映したもの。

ただし、石炭輸入動きを占う上で参考になるバルチック海運指数は回復してはいるものの昨年の水準を下回っている。これは主要用途である電力向けの石炭在庫の水準が高いこと、コロナからの回復が緩慢であることを示唆している。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、インフラ整備のための投資を拡大する方針(5年で約160兆円)であり、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

<<特殊要因>>

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・米国が中国に対する人権問題(香港・新疆ウイグル自治区問題)や、コロナウイルスへの対策に対する中国への不満が高まった場合、再び通商問題が議題に上がる場合(価格の下落要因)。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による経済成長の鈍化。

<<投機・投資要因>>

・特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金銀価格は上昇した。原油価格が上昇したこと、長期金利が低下したことで実質金利が低下したことが材料となった。銀価格は小幅な上昇(率は金を上回る)。

PGMはプラチナが銀の上昇を受けて上昇、パラジウムは金高・株高で上昇。

【貴金属価格見通し】

金銀は高値圏で推移すると考える。コロナウイルスの感染拡大ペースは鈍化しているものの、中国の感染者数が再び増加を始めるなど、不安要素が多いこと、価格への影響はさほど大きくないと見られるがOPECプラス+αの減産合意で、原油価格の下落余地が限定され始め、実質金利が低下しやすいことが材料。

現在の金の実質金利で説明可能な価格からの乖離(リスクプレミアム)は258ドル(前日と変わらず)。コロナ・OPECショック前の水準(250ドル程度)を取り戻した。現在の実質金利で説明可能な価格水準は1,450ドル程度で安定している。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスクプレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない点はご注意ください。

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀在庫レシオを元にした分析では、金在庫の急増もあって115倍程度が妥当である。関係性が薄れているとはいえCOMEX銀在庫が過去最高水準で推移しているため、しばらくは100倍を超える状態が続くと考えられる。

コロナ・OPECショックによる相場急変で、金価格と銀価格の過去の関係性が完全に崩壊してしまっており、新しい関係性が構築されるまでには時間が掛りそうだ。

PGM価格は、景気の先行きは明確に悪く、少なくともQ220は悪い状態が続きそうであること、株式市場の混乱も続いているためしばらくは軟調地合いの中、神経質なレンジワークを継続することになると考える。

プラチナ価格は銀価格との連動性が高まっている。これは供給過剰で投機的な色彩が強まっているが、各国の準備金や市場取引の担保価値がみとめられている金のような安全資産としては認知されていないことによる。

銀価格は上記の通り当面低迷する可能性が高いため、プラチナ価格も低迷するだろう。

パラジウムは、世界的な景気減速に伴う自動車向け需要の減速が価格を下押しするものの、コロナウイルスの感染拡大で南アフリカの鉱山がすべて停止するなど、供給途絶リスクが顕在化しているため、高値圏での推移になると考える。

ただ、Norilsk Nickelは2020年のパラジウムの需給見通しを▲20万オンスの供給不足から、+10万オンスの供給過剰に下方修正しており、上限はさらに切り下がったと考えられる。

3月の米自動車販売は年率1,137万台(市場予想 1,270万台、前月 1,683万台)と、急速に悪化している。明らかにコロナウイルスによる消費手控えの影響によるものである。

中国の3月の自動車販売は前年比▲43.3%の143万台(前月代▲79.1%の31.0万台)となり、コロナウイルスの感染拡大防止に伴うロックダウンの影響を強く受けた。

今後、中国の販売は欧米に先行して回復すると見るが、完全に経済活動が元に戻っている訳ではないので、回復ペースは緩慢なものに留まるだろう。

今後、コロナウイルスの影響が拡大する中で、日米欧も自動車販売が減速する可能性は高く、PGM価格の下押し要因になると予想される。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・FRBは▲1.5%の緊急利下げ、無制限の量的緩和を決定、貴金属価格の上昇要因に。

ただしこれで追加の緩和手段はほぼなくなった状態であり、金価格の上昇余地は限定される。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働全面停止による供給懸念。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するには数年単位で時間を要する)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

パラジウムはニッケルやプラチナ鉱山からの副産物としての生産が大半(80%)であり、プラチナ価格が低迷する中では増産されにくい、

<<特殊要因>>

・中国の新型ウイルスの世界的な拡大に伴う、安全資産需要の高まり。

・米国が中国に対する人権問題(香港・新疆ウイグル自治区問題)や、コロナウイルスへの対策に対する中国への不満が高まった場合、再び通商問題が議題に上がる場合(金銀価格の上昇要因)。

・原油価格低迷による財政状況の悪化、コロナウイルスの影響拡大に伴う国民の不満爆発、サバクトビバッタの大量発生による食糧危機などで、中東・北アフリカ有事が発生、それに伴う安全資産需要の高まり(上昇要因)。

・トルコとシリアのイドリブ県を巡る対立はロシアとトルコが停戦で合意したものの、再び衝突する可能性は排除できない。この場合、安全資産需要を高め、価格の上昇要因に。

・英国のブレグジットは、移行期間中の合意は容易ではなく、無秩序離脱の可能性はまだなくなっていない。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

<<投機・投資要因>>

・金銀は、ロング・ショートともが増加し、キャッシュ化の動きが鎮静化。

プラチナはロング・ショートとも減少、パラジウムは小幅な変化に留まった。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが286,617枚(前週比 +6,737枚)、ショートが34,116枚(+3,178枚)、ネットロングは252,501枚(+3,559枚)、銀が48,003枚(+1,532枚)、ショートが17,449枚(+695枚)、ネットロングは30,554枚(+837枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが29,126枚(前週比 ▲1,433枚)ショートが11,330枚(▲208枚)、ネットロングは17,796枚(▲1,225枚)

パラジウムが2,101枚(+39枚)、ショートが1,285枚(▲56枚)ネットロングは816枚(+95枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場は上昇。原油、まちまち。トウモロコシはエタノール価格の上昇や中国の関税免除観測を受けて水準を切り上げた。大豆もトウモロコシに連れ高。

小麦も上昇。引き続き巣籠消費需要や、黒海周辺地域の供給不安、競合飼料であるトウモロコシに価格上昇が材料に。

2020年4月16日次点の米穀物輸出成約高は以下の通り。

トウモロコシ 670.80千トン(前週比▲298.7千トン)大豆 345.40千トン(+40.7千トン)小麦 399.90千トン(▲197.8千トン)

【穀物価格見通し】

穀物価格は高安まちまちになると考える。

トウモロコシは作付け意向面積の増加と、コロナウイルスの感染拡大に伴うエタノール向け需要の減少や原油価格の低迷が価格を下押しするが、同時にエタノール生産者の大幅な減産が見込まれていることが価格を下支え。

大豆はコロナウイルスの影響による輸出減速観測や、トウモロコシのエタノール向け需要の減少に伴う飼料向け需要の増加から、競合飼料の関係にある大豆ミール需要も減少すると見られ軟調に。

小麦はそもそもシカゴの受け渡し可能在庫水準が低く、かつ、コロナウイルスの感染拡大や干ばつの影響で、ロシアがQ220の輸出を制限するとの見方による供給懸念や、欧州・北アフリカ消費者の巣籠需要で高値圏を維持すると考える。

懸念すべきは東アフリカ・中東地域でサバクトビバッタが激増、深刻な食糧危機をもたらしており、これに伴う食品需要が増加する場合。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・トウモロ作付け意向面積トウモロコシ 9,699万エーカー(市場予想 9,412万エーカー)大豆 8,351万エーカー(8,502万エーカー)小麦 4,466万エーカー(4,495万エーカー)

・4月の米需給報告の生産見通しトウモロコシ136億9,200万Bu(前月136億9,200万Bu)大豆 35億5,800万Bu(35億5,800万Bu)小麦 19億2,000万Bu(19億2,000万Bu)

・3月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 79億5,300万Bu(81億8,354万Bu、114億200万Bu)大豆 22億5,300万Bu(22億2,830万Bu、32億5,800万Bu)小麦 14億1,200万Bu(14億2,979万Bu、18億4,100万Bu)

<<特殊要因>>

・新型肺炎の影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

・米・イランの対立激化により、穀物輸送に影響が出る場合(下落要因)。ただし非景気循環銘柄需要が高まり最終的には上昇要因に。

・夏場以降、北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の可能性があり、価格の上昇リスク要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

<<投機・投資要因>>

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが231,417枚(前週比 +3,799枚)、ショートが304,711枚(+21,318枚)ネットロングは▲73,294枚(▲17,519枚)

大豆はロングが177,134枚(+12,780枚)、ショートが80,210枚(+8,957枚)ネットロングは96,924枚(+3,823枚)

小麦はロングが107,952枚(+2,117枚)、ショートが74,175枚(+4,080枚)ネットロングは33,777枚(▲1,963枚)

◆主要ニュース


・4月日本製造業PMI速報 43.7(前月改定 44.8)
 サービス業 22.8(33.8)、コンポジット 27.8(36.2)

・2月日本景気動向指数改定
 先行指数 91.7(速報比▲0.4、前月改定 90.5)
 景気一致指数 95.5(▲0.3、95.2)

・5月独GfK消費者信頼感調査 ▲23.4(前月 2.3)

・4月独製造業PMI速報 34.4(前月改定 45.4)
 サービス業 15.9(31.7)、コンポジット 17.1(35.0)

・4月ユーロ圏製造業PMI速報 33.6(前月改定 44.5)
 サービス業 11.7(26.4)、コンポジット 13.5(29.7)

・米週間新規失業保険申請件数 4,427千件(前週5,245千件)
 失業保険継続受給者数 15,976千人(11,976千人)

・4月米製造業PMI速報 36.9(前月改定 48.5)
 サービス業 27.0(39.8)、コンポジット 27.4(40.9)

・3月米新築住宅販売件数 前月比▲15.4%の62.7万戸
(前月改定▲4.6%の74.1万戸)

・4月カンザスシティ連銀製造業活動 ▲30(前月 ▲17)

・ECBラガルド総裁、「欧州GDPは最大▲15%減少もとEU首脳に報告。」

・日本月例経済報告、「景気は新型コロナウイルス

・国境封鎖の南アフリカ北部で暴動。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE天然ガス稼働在庫 2,140BCF(前週比+43BCF)
 東部 400BCF(変わらず)
 中西部 493BCF(+6BCF)
 山間部 96BCF(+1BCF)
 太平洋地区210BCF(+7BCF)
 南中央 941BCF(+29BCF)

・イラン ザンギャネ石油相、「減産を加速すべきであり、必要であればOPEC加盟国と非加盟国は次の措置を講じる必要がある。重要なことは米国やカナダのようなシェールオイル業者など、何も約束していない生産業者が対策を講じる必要があるということだ。」

・イラン、「安全を脅かす米国船があれば撃沈する。」

・イラン、軍事衛星の打ち上げに成功。

【メタル】
・Goldman、「亜鉛の需要は今年、前年比▲7.5%となり、供給過剰は+99万トン(従来見通し+40万トン)。3ヵ月予想は1,760トン、12ヵ月は2,000トン。」

・インドネシア、ニッケル鉱石を▲3%以上の割引価格で購入することを許可せず。

・3月日本電線出荷量 前年比▲1,435トンの57,400トン(前月 55,013トン)

・米アルコア、米ワシントン州のインタルコ製錬所を閉鎖。施設老朽化により生産コストが高止まりし、以前から稼働率を落としていたが、コロナウイルスの影響で相場が下落し、採算がさらに悪化したため。

・日本、金小売価格が過去最高値を更新。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.TCM灯油 ( エネルギー )/ +34.75%/ ▲58.56%
2.NYM WTI ( エネルギー )/ +22.42%/ ▲72.37%
3.TCMガソリン ( エネルギー )/ +14.97%/ ▲63.68%
4.CME豚赤身肉 ( 畜産品 )/ +7.94%/ ▲28.63%
5.ICE Brent ( エネルギー )/ +6.58%/ ▲67.11%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.DME Oman ( エネルギー )/ ▲10.45%/ ▲69.25%
69.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ ▲6.34%/ ▲17.04%
68.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ ▲4.23%/ ▲55.52%
67.CME生牛 ( 畜産品 )/ ▲3.37%/ ▲31.07%
66.CME牛乳 ( 畜産品 )/ ▲1.64%/ ▲31.73%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :23,515.26(+39.44)
S&P500 :2,797.80(▲1.51)
日経平均株価 :19,429.44(+291.49)
ドル円 :107.60(▲0.15)
ユーロ円 :115.96(▲0.66)
米10年債 :0.60(▲0.02)
中国10年債利回り :2.50(▲0.04)
日本10年債利回り :0.01(+0.01)
独10年債利回り :▲0.42(▲0.02)
ビットコイン :7,541.59(+422.25)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :74.41(▲0.31)
エネルギー :242.82(▲1.1)
ベースメタル :24.81(▲0.74)
貴金属 :32.53(+0.29)
穀物 :20.75(▲0.17)
その他農畜産品 :46.44(+0.04)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :1174.04(+6.63)
Brent :154.08(+2.35)
米天然ガス :77.68(▲0.74)
米ガソリン :155.25(▲15.49)
ICEガスオイル :89.20(+0.11)
LME銅 :25.85(▲2.21)
LMEアルミニウム :20.83(+0.35)
金 :12.57(+0.3)
プラチナ :26.46(+0.1)
トウモロコシ :19.70(+0.12)
大豆 :12.57(+0.3)

【エネルギー】
WTI :16.87(+3.09)
Brent :21.71(+1.34)
Oman :20.73(▲2.42)
米ガソリン :63.40(▲0.44)
米灯油 :72.48(▲0.63)
ICEガスオイル :214.50(+2.50)
米天然ガス :1.82(▲0.12)
英天然ガス :13.82(▲0.61)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :21.71(+1.34)
SPO380cst :123.01(▲3.37)
SPOケロシン :21.11(+0.19)
SPOガスオイル :26.49(+0.17)
ICE ガスオイル :28.79(+0.34)
NYMEX灯油 :78.82(+0.21)

【貴金属】
金 :1730.51(+16.43)
銀 :15.26(+0.16)
プラチナ :766.32(+7.47)
パラジウム :1976.99(+37.12)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,148(+86:27C)
亜鉛 :1,868(▲45:13C)
鉛 :1,657(▲7:24C)
アルミニウム :1,510(+8:36C)
ニッケル :12,089(+123:79C)
錫 :15,050(+190:135B)
コバルト :29,666(▲4)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5139.00(+30.50)
亜鉛 :1874.50(▲24.50)
鉛 :1646.00(▲16.00)
アルミニウム :1510.00(▲10.00)
ニッケル :12185.00(+245.00)
錫 :14980.00(+115.00)
バルチック海運指数 :694.00(▲34.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :83.73(▲0.59)
NYMEX鉄鉱石 :84.04(▲0.09)
NYMEX原料炭スワップ先物 :133.21(▲1.29)
上海鉄筋直近限月 :3,525(+19)
上海鉄筋中心限月 :3,356(+17)
米鉄スクラップ :休場( - )

【農産物】
大豆 :839.25(+4.50)
シカゴ大豆ミール :288.70(+0.40)
シカゴ大豆油 :25.61(+0.04)
マレーシア パーム油 :2162.00(+42.00)
シカゴ とうもろこし :319.25(+1.75)
シカゴ小麦 :547.00(+4.00)
シンガポールゴム :137.00(+0.10)
上海ゴム :9635.00(+220.00)
砂糖 :9.84(+0.01)
アラビカ :111.05(+0.45)
ロブスタ :1113.00(+29.00)
綿花 :56.88(+0.60)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :50.98(+3.75)
シカゴ生牛 :85.95(▲3.00)
シカゴ飼育牛 :119.43(+0.95)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。