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中国の米中通商合意遵守は困難か
  • MRA商品市場レポート

2020年5月25日 第1751号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米中対立激化懸念で景気循環銘柄下落~全人代の経済対策は新味なく」

【昨日と本日の各セクターショートコメント】

◆エネルギー:原油価格は下落後上昇。中国全人代に新味なく、米中対立が激化するとの懸念が強まったことが価格を下押しした形。

米中対立が激化することが価格を下押しするが、ロックダウン解除に伴う経済活動再開が相殺、英米市場休場もあり軟調地合いのなか方向感に欠ける展開。

◆非鉄金属:全人代が予想の範囲内だったことや、香港支配を巡って米中対立が激化するとの懸念が強まったため、期待先行で買われてきた非鉄金属全体に売り圧力が強まった。

英米市場休場ではあるが、期待先行で上昇していたこともあり調整売り継続。ただし実際の需給は生産調整でタイト化しており、下落余地も限定。

◆鉄鋼原料:鉄鉱石は上昇、原料炭は小幅上昇、鉄鋼製品はまちまちとなった。中国の鉄鉱石在庫積み増しの動きと、全人代がほぼ予想の範囲内で終わったことによる最終製品需要増加への期待がやや剥落したことから。

鉄鋼原料材料の需給バランスは需給両面でタイト化しており、週明け月曜日も高値圏を維持。鉄鋼製品は全人代への期待剥落と米中対立懸念で軟調。

◆貴金属:実質金利の上昇が価格を下押ししたものの、米中対立の激化が安全資産需要を高め、金銀価格は上昇。プラチナは小幅安。パラジウムは景気への懸念から大幅下落。

期待インフレ率の低下が価格を下押しするが、信用不安の高まりや、米中対立への懸念から上昇余地探る。パラジウムは続落。

◆穀物:目立った新規材料乏しく、トウモロコシはテクニカルに買いが入り小幅に上昇、大豆は米中対立の激化で下落、小麦はクロップツアーの報告を受けて上昇していたが、テクニカルにその反動売りで下落。

米中対立懸念でトウモロコシ・大豆は軟調、小麦は供給懸念で堅調地合いを維持か。

※より詳細な説明は以下をご参照ください。

市場データ・グラフ類の添付ファイルのサンプルはこちら。

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は、その他農産品や金銀などの経済動向の影響を受け難い安全資産系が物色されたが、景気循環系商品は広く売られることとなった。

市場の注目が集まっていた全人代は新味がなく、統計発表開始以降初めて成長目標の設定が見送られたことで、中国も自然体の回復にならざるを得ず、経済対策期待で買いが先行していた景気循環系商品の売り圧力が強まった。

また、中国は欧米諸国の目を気にせず、香港支配を露骨に強める方針を打ち出し、さらに台湾には反対派に独立阻止を促すなど、実質的に「一国二制度廃止の方針」を表明したことも、中国と各国の対立を強め、経済的にマイナスと判断されたようだ。今後、各地で地政学的リスクが高まることになるだろう。

なお、昨日アルゼンチンがデフォルトした。フェルナンデス大統領になってから「対外債務は支払わない」とあり得ない主張を継続、今年4月22日が期限だった5億ドルの支払いを5月22日まで延期していたが、交渉が決裂した。

ただし、支払い能力はあるものの支払わないテクニカルデフォルトに当たるとみられ、延長期限である6月2日までに合意できるかが次の焦点となる。

また、コロナ問題がその他の高債務国のデフォルトを誘発する可能性もあり、かつ、コロナ問題で各国とも債務が増加していることから、信用市場の動揺はリスク要因として常に意識しておく必要がある。

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【本日の見通し総括】

週明け月曜日の商品市場は景気循環系商品に売り圧力が強まるものの、米英がメモリアルデーやバンクホリデーで休場のため、様子見気分が強く方向感に欠ける展開になると予想される。

市場は世界的な経済活動再開を、リスク資産価格面でポジティブにとらえているが、米国・中国並びに場合によれば欧州・中国の対立が特に人権面で強まり、経済面に波及する可能性が高まっていることがこれを相殺すると考える。

【昨日のトピックス】

5月22日に開幕した全人代では、市場の予想通りであるが1990年の目標発表以降、初めて成長見通しを示すことができなかった。

中国の経済活動は回復しているものの、公的需要による回復が目立ち、特にGDPに占める比率が上昇している個人消費の戻りは鈍く、今後、積極的に失業や中小企業支援が行われなければ消費が戻らない可能性は高い。

そのため、基本的に財政出動を行って景気を刺激する、中小企業の資金繰り支援、人民の失業対策などを行う計画が表明されたが、正直、中国も財政的なゆとりは少ないとの印象だ。

2020年の財政赤字は対GDP比で3.6%(前年2.8%)、地方政府の特別債発行枠は3兆7,500億元(2兆1,500億元)、特別国債も1兆元発行することを発表。

地方政府特別債はインフラ投資、特別国債はコロナで打撃を受けた企業支援、消費喚起、中小銀行の資本増強に用いられる見込み。また、増値税の減税など、5,000億元規模の減税・手数料削減を実施することも表明した。

これらの対策を単純合算してGDP対比でみると減税も含めて5%程度となるが、金額通りの効果がでるかは不明である。

米国との通商合意に関しては、両国で遵守を徹底するとしているが、中国が米国との約束を守れる可能性は高くなく、今回のコロナ問題を受けて各国、特に米国の中国に対する反発は強まっており、欧州も独・仏・英を中心に中国との関係を見直す動きが強まっている。

既に華為技術に対する制裁が強化され、中国企業の株式市場の上場を廃止する(中国企業の不正を見逃してきたがこれを厳格にする)、年金基金の中国企業への投資禁止、香港・ウイグル自治区での人権弾圧に反対、といった動きがみられ始めている。特に人権問題での制裁は強まることになるだろう。

中国政府は香港議会を通さずに香港の支配を強める「香港国家安全法」を制定すると発表、台湾についても独立を諦めるよう露骨に訴えた。これに欧米が反発するのは必至の情勢。

中国は今回のウイルス問題を逆手に取り、アフリカや欧州の新興国を対象に、マスク・医療品外交を積極的に展開しており、今後、国際社会は「親中・嫌中」の踏み絵を踏まされることになる。旧東西経済圏のような経済圏の分断があるかもしれない。

この状況において、軍事費は過去最高額を計上しており、国民の不満を海外に向けるためにも、尖閣諸島を含む日本の島嶼の実効支配を強めると予想される。

なお、コロナ問題を受けて支持率を上げた文在寅政権が、反日行動を強め、竹島などの実効支配を強める可能性も高い。以上から、財政状況が厳しいが日本も軍事的な対応を余儀なくされるだろう。

中国はこれまで面従腹背の姿勢を取ってきたが、コロナ問題を巡る自国優先の対応に対する欧米の批判が高まっており、国内の独裁を進め、周辺地域への領土拡大の野望を隠さなくなってきた。

極東地域での軍事的衝突の発生の可能性は、高まったと考えるべきである。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

<<マクロ要因>>

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の改善。

ロックダウン解除の動きが世界的に拡大しており、最悪水準まで低下したPMI・ISM指数には改善圧力が掛かり、景気循環銘柄価格の上昇要因に。ただし、本格解除には至らず、改善余地も限定される公算。

・世界景気の減速観測。IMFは2020年の経済見通しを大幅に引き下げ(+3.3%→▲3.0%)ている。ただし2021年には+5.8%への急回復を見込んでいる。

ただこの通りになるためには、コロナウイルス感染拡大終息が必要条件であり、第二次感染拡大となり得る冬場までの終息がなければ、それは難しかろう。

・FRBは合計で▲150bpの緊急利下げと、ドル需要ひっ迫の状況を緩和するための無制限の量的緩和も実施、債券買い入れもジャンク債も対象とするなど、打てる手は出し惜しみなく出しているため、徐々に不安は解消しよう。

ただし、持てる金融政策のカードをほとんど切ってしまったため、今後、不測の事態が発生した場合のリスクは小さくない。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q319の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.3%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

<<特殊要因>>

・コロナウイルスの感染長期化の可能性。感染拡大ペース鈍化を受けて経済活動を再開させる動きが強まっているが、このウイルスは未知の部分が多く、再度感染拡大→経済活動自粛、という流れになるリスクも無視できず。

・米中の対立激化。中国は全人代で、実質的に一国二制度を廃止する方向に舵を切っており、欧米諸国の反発は必至。

また、コロナ問題を背景に米国が中国への制裁を強化することは確実であり、両国の対立が貿易活動の停滞を通じて景気循環銘柄価格の下押し要因となる見込み。

・ポスト・コロナの世界が、中国をはじめとする新興諸国を世界の工場とするのではなく、自国回帰が進む可能性があることは、サプライチェーンの在り方も見直される可能性があることを意味し商流を大きく変質させる可能性(景気循環系商品価格の下落要因)。

・生産拠点を自国に回帰させる動きや、リモートの定着による成長鈍化が、新興国の財政状況を悪化させ、自国を含む域内景気への悪影響を及ぼす懸念(価格の乱高下要因)。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。コロナウイルスの影響もあって、EUと英国が離脱を巡って建設的な議論はほとんどできていない状況で、移行期間中の条件合意が困難となっている。

今後は2020年12月末の移行期間までに条件で折り合えず、延期するのか、ハードブレグジットになるかが材料視されることになろう(下落要因)。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

<<投機・投資要因>>

・ロックダウンの動きを受けた株高による、リスク資産の再物色の流れ。

コロナウイルス対策のために大量に投入された資金が、コロナウイルス終息後にリスク資産買いに走り、暴騰するリスク。

・年後半に再度ロックダウンが始まり、投機の買いで上昇したリスク資産価格(特に株)が下落するリスク。

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

原油価格は下落後上昇したが、前日比マイナスで引けた。中国で全人代が開幕となり、李克強首相が大方針を演説したものの新味に乏しく、かつ、香港や台湾への支配を強める姿勢を鮮明にしたことで、米中対立への懸念が強まったことが材料となった。

【原油価格見通し】

原油価格は生産調整の進捗で下値を切り上げてきたが、中国の景気回復やロックダウン解除に伴う経済効果を過剰に先取してきた部分も否めず、全人代が予想の範囲内となり、米中対立が激化する可能性が高いことが経済的に両国に不利益をもたらすことが意識されているため、一旦下落すると考える。

しかし、価格下落に伴う生産調整が進捗していること、コロナの影響緩和で経済活動が再開する方向にあることから、下値水準は切り上がっていると考えられるため、下落余地も限定されるだろう。

一時、マイナス価格でやり取りされたWTIであるが、クッシング在庫の減少が続き、混乱のリスクは低下している。しかしそれでも貯蔵能力には限界があるため、再びマイナス価格となる可能性は排除できない。

米国の原油先物の受け渡しポイントは内陸のクッシングであり、輸出が容易な湾岸地区(例えばヒューストンなど)と異なり在庫の調整が行いにくい。米国は最大の産油国であると同時に、最大の消費国であるため、需要減速時の需給調整に時間がかかる。

直近の米石油統計では、クッシングの週間在庫の水準は5,686万バレル、タンクへの貯蔵量(輸送中の原油を除く)は5,477万バレルとなり、貯蔵施設の利用率は72.0%(前週79.3%)と低下した。同時に戦略備蓄基地への在庫搬入も進んでいる。

欧州や中東は自国消費があまりなく、輸出を前提としてインフラが整備されているためこのようないことが起きにくい。

なお、原油価格が低水準で推移した場合、米シェールオイルの生産者のコストは平均で45ドル近辺(30ドル~55ドル程度)、カナダのオイルサンドからの生産者のコストも40ドル程度であることから、時間経過とともに減産が進捗すると予想される。

場合によると経営破綻、という形で減産が進む可能性もあるが、価格下落リスクヘッジをしている生産者もファイナンスが困難になっているため、資金繰りが意識される3、6、9、12月末あたりではないだろうか。

特に6月は主要シェール企業の債務償還が多いため、6月危機のリスクはまだ過ぎ去っていない。

生産調整の議論の次に考えるべきは、「コロナ終息後の供給」である。今のところ夏頃から経済活動が再開されるとみられるが、この時の減産規模縮小のタイミングを誤ると、価格が大きく上昇するリスクが出てくる。

すでに全ての産油国が追加減産を余儀なくされる見込みであるが、実際に減産を行うと稼働再開には時間が掛るため、供給が間に合わない可能性がある。中東の産油国でも1ヵ月程度、米シェール企業の場合は増産を決断してから実施されるまで、6~7ヵ月はかかる。

さらに価格低迷が産油国の体制を揺るがすため、供給が途絶して急騰、というリスクもあり得る。特に中東北アフリカ諸国ではコロナウイルスの感染が拡大した場合、治安の不安定化で政権の維持が困難になり、供給自体に支障をきたす可能性もある。

足元の価格上昇を受けてOPEC諸国が増産に転じれば、逆にその体制崩壊のリスク→価格上昇のリスクを高めることになる。

逆に、コロナウイルスの感染拡大防止に失敗し、「今年の冬に第二ラウンドに突入」となると需要の回復は難しく、かつ、信用リスクにも波及し企業倒産がべースの需要を減じることから、現在の世界各地の減産では不十分となる可能性も充分にあり得る。

さらに影響がよく分からないのが、各国政府・中央銀行が財政・金融政策の大盤振る舞いをしている点。これによって株が急騰する可能性はあり、その場合エネルギーセクターにもリバランスの買いが入るため、投機的な観点から価格を押し上げる。現在、これが顕在化しつつある状況。

株価の急騰は再び実態経済と、株価の顕著な乖離をもたらすため、その後のリスク資産価格を乱高下させる要因となるため要注意だ。

逆に、先進国中央銀行は持てる政策をすべて使ってしまったため、さらなる事態の悪化があった場合、打てる手段はほとんどないことはリスクといえる。

原油価格の変動性は今後、需要が低迷するにも関わらず、さらに高まると考えておくべきだろう。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅に上昇した。中国の全人代は新味なく、予想の範囲内であり昨日の価格上昇はほぼ季節性に沿ったものと考えられる。

貿易統計では中国の輸入増加が確認されているが、中国の豪州に対する圧力強化で豪州炭価格には下押し圧力が掛かりやすい環境になることが予想される。

【石炭価格見通し】

石炭価格は需給バランスの緩和観測で軟調な推移になると考える。ただし過去5年レンジの最低水準まで価格が下落しており、その観点での割安感からの買いが入り、下落余地は限定されると考える。水準は低いが、小じっかり、ということだ。

4月の中国石炭輸入は3,095万トン(前月2,783万トン)と過去5年の同じ時期の最高水準を大きく上回っている。経済活動の再開と、季節的な在庫の積み増しの動きによるものと考えられるが、欧米の経済活動の回復の遅れや、中国国内の回復も順調とは言えないことから、早晩減速すると見る。

また、コロナ問題を受けて対中国批判を強める豪州に対し、牛肉や鉄鉱石、石炭輸入を削減ないしは停止すると中国政府が表明しており、実際にその通りとなれば豪州炭価格を押し上げよう(他国産石炭は上昇)。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・OPECプラスの減産と、非OPECプラス諸国の自主減産で需給がタイト化する場合(価格上昇要因)。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・最大消費国である米国の石油製品出荷は前年比▲3割の大幅減少の状態であり、短期的な需要の方向性はマイナス(原油価格の下落要因)。

世界2位の消費国である中国の需要の指標である工業生産は市場予想を上回るマイナス幅の縮小となったが、小売売上高は前月から改善

・1-4月期中国工業生産は前年比▲4.9%(1-3月期▲8.4%)とマイナス幅が縮小、月次ベースでは+3.9%(前月▲1.1%)と前年比プラスにまで回復(フロー需要の回復=価格の上昇要因)。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・競合燃料である天然ガス・LNG価格が供給過剰で低迷、石炭価格の下落要因。

<<特殊要因>>

・原油価格下落とコロナウイルス感染拡大による治安悪化、コロナ問題を背景に米・欧軍が中東から撤退、それを受けたISの伸長が域内情勢を不安定化させ、原油生産・供給に悪影響を与える場合(価格の上昇要因)。

また、域内で武力衝突が発生し、難民が欧州に流入した場合欧州域内の政情が混乱するため景気を下押しし、原油価格の下落要因に。

<<投機・投資要因>>・WTI・Brentともショートの減少が顕著。生産調整の進捗がより材料として意識されている。

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが692,017枚(前週比 ▲17,540枚)ショートが148,414枚(▲20,124枚)ネットロングは543,603枚(+2,584枚)

Brentはロングが226,290枚(前週比+576枚)ショートが67,851枚(▲1,787枚)ネットロングは158,439枚(+2,363枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME市場は下落した。全人代が開幕となったがほぼ市場予想通りであったが、香港に対する支配を強める方針を明確にしたことで、欧米との対立が懸念されたことが価格を下押しした。子の下落はほぼ予想通り。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、人権問題やコロナウイルス問題を受けた中国と米国(+欧州)の対立激化が経済活動を鈍化させること、これまで経済活動の再開期待で、先行して価格が上昇していたことも否めないため、一旦調整売りに押される展開になると考える。

ただし、中国の経済活動が再開していること(電線生産者の稼働率は100%を超えている、など)、供給制限から需給がタイト化していることも事実であり、銅の現物プレミアムも上海渡しでは100ドルを超えている。

そのため、ファイナンシャルな影響(期待先行)が剥落する中で下落するものの、需給ファンダメンタルズ面が価格を下支えすると考える。

通商面で昨年・一昨年に行われたような大規模な制裁は両国にとってデメリットが大きいため行われない、と考えるのが常識的な見方だが、香港・台湾・ウイグル自治区問題の支配は露骨に進んでおり、コロナ問題での不満もあり、欧米諸国がこれを看過するとは考え難い。

コロナウイルス問題も習近平国家主席のメンツ維持のため、情報隠ぺい工作に走ったことは事実であり、情報開示の遅れが死者の増加につながった、との見方をする欧米諸国は少なくなく、親中国だったドイツも対中政策を変更した可能性は高い。

今後、世界的に中国とのビジネスが停滞する可能性は高まり、世界の工場のポジションにまだある中国の鉱物資源需要を減じることになるだろう。

影響がなんとも言えないのが、各国政府・中央銀行が財政・金融政策の大盤振る舞いをしている点。これは景気が回復すれば先々の価格上昇リスクを強めることになる。

逆に、先進国中央銀行は持てる政策をすべて使ってしまったため、さらなる事態の悪化があった場合、打てる手段はほとんどないことは下落リスクと考えるべきだろう。コロナウイルスの影響が長期化する可能性は徐々に高まっている。

長期的には環境面に配慮した「省エネ金属」需要が高まることから非鉄金属価格は上昇すると予想される。

具体例を挙げると、社会インフラとしてのバッテリー向け、電気自動車に使用される金属が対象となる(銅、アルミ、ニッケル、リチウム、コバルトなど)。

再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インドの構造的な需要が顕在化するタイミングになるだろうが、中国が1994年に人口ボーナス期入りし、非鉄金属価格が上昇を始めたのが2000年頃からであることを考えると、2023~2024年頃になるのではないか。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・4月中国製造業PMIは50.8(前月52.0)と減速した。新規受注は国内を中心に回復しているとみられるが、欧米のロックダウンの影響で輸出需要が低迷(輸出新規受注46.4→33.5と急減速)した。

新規受注在庫レシオは前月急回復したが、今月は低下。やはり3月の同指数はエラー値だったとして処理するのが適切だろう。

・金属にもよるが、主要生産者がコロナウイルスの影響による生産調整が徐々に解除に向かう見通しであり、価格の下落要因に(影響を受けてきた主要鉱山は以下の通り)

(アルミ)Norsk Hydro Husnesアルミプラントの増産をQ320まで先送りアルゼンチン Aluar Puetro Madrynでの生産能力の▲50%を停止

(銅)南米の鉱山生産者(供給の約2割)は需要減と感染拡大防止のため、稼働率の引き下げを余儀なくされている状況Cerro Verde、Los Bronces、Constancia、Las Bambas、Collahuasi、Antaminaなど

(錫)PT Timah、需要の減少で当面錫生産を▲20%~▲30%減らす計画

(亜鉛)NewmontのPenasquito、Pan American SilverのLa Colorada、Grupo MexicoのBuenavistaとSan Martinなどが減産を決定

・5月中国銅製品生産者稼働状況

 銅線生産者 103.1%(前月100.4%、過去4年平均 89.8%) 銅棒生産者 80.3%(83.3%、78.9%) 銅板生産者 64.8%(68.3%、72.2%) 銅管生産者 82.7%(84.4%、75.4%)

・3月中国銅精錬業者稼働状況 大規模事業者 87.2%(78.3%、90.3%) 中規模事業者 73.2%(72.1%) 小規模事業者 73.1%(42.9%)

・1-4月期中国工業生産は前年比▲4.9%(1-3月期▲8.4%)とマイナス幅が縮小、月次ベースでは+3.9%(前月▲1.1%)と前年比プラスにまで回復(フロー需要の回復=価格の上昇要因)。

・1-4月期中国固定資産投資は前年比▲10.3%の13兆6,824億元(1-3月期▲16.1%の8兆4,145億元)とマイナス幅が縮小。

 公的部門は▲6.9%(▲12.8%)、民間部門とも▲13.3%(▲18.8%)マイナス幅を縮小。ただし前年比マイナスの状態は変わらず(ストック需要はマイナス=価格の下落要因)。

・1-4月期中国不動産開発投資は前年比▲3.3%の3兆3,103億元(1-3月期▲7.7%の2兆1,963億元)とマイナス幅を縮小。

ただし前年比マイナスの状態は変わらず(ストック需要の減少=価格の下落要因)。

・3月の中国の銅輸入は前年比+13.3%の44万トン(1-2月期85万トン)、銅鉱石・精鉱輸入は前年比+0.5%の178万トン(377万トン)となった。

銅地金の輸入は過去5年平均程度であるが、米中通商戦争が激化を始めた昨年に比べると高い水準。銅鉱石の輸入は、過去5年の最高水準だった昨年の水準を上回った。

いずれも中国の工業活動が平常状態に戻りつつあることを確認する内容であり、価格の上昇要因。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルト、リチウムなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。ただしTCが低下を始めており、徐々に需給は緩和方向へ。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

<<特殊要因>>

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

・資源ナショナリズムの高まり。インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展、インドの人種差別問題が反政府行動に繋がり、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)

<<投機・投資要因>>

・5月15日付のLMEロング・ショートポジションは、商品ごとに動きがまちまちとなった。

銅・ニッケルはロングが減少、ショートが増加、米中対立への懸念や南米生産者の稼働再開報道が材料となった模様。

亜鉛はロング・ショートとも減少しているが、ショートの減少が顕著。TCの低下にみられるように鉱石供給が低迷しており、製錬品供給への懸念が強まっているとみられる。

鉛はロングが増加、ショートが減少。中国工場稼働再開と、スクラップ供給懸念が材料。アルミは減産が進んでいないことからショートの積み上がりが大きい。錫のポジションは小動き。

投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は▲39.2億ドル(前週▲36.6億ドル)と売り越し幅を小幅に拡大。売り越し額の増加率は+7.2%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲1,538千トン(前週▲1,459千トン)と売り越し数量を拡大。ネット売り越しの増加率は+5.4%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、原料炭スワップ先物は小幅に上昇、中国鉄鋼製品先物価格はまちまちとなった。

全人代では景気刺激のためのインフラ投資が行われる方針が示されたが、新味なく、それ以上に港湾在庫の減少が続き、鉄鉱石在庫の積み増し需要が高まっていることが材料となった。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は堅調な推移になると考える。コロナウイルスの影響緩和による経済活動が世界的に再開の方向にあること、生産者側の生産再開に影響が出ていることから需給がタイトな状態が続くため。

ただし、中国武漢でコロナウイルス感染拡大が再確認されるなど、ワクチンの開発が終了するまでは「ロックダウン解除→ロックダウン→ロックダウン解除...」といった状態が続くと予想され、基本はレンジワークである。

しかし、ここにきて米国が中国に対して制裁を強化する方針を示したことで(コロナ、香港、ウイグル自治区問題、etc...)、同国の景況回復に遅れが出ることは必須であり、鉄鉱石価格を押し下げることになるだろう。

その一方、コロナ問題に対する中国の対応に対して豪政府が不満を表明したことで、中国政府がこれに反発、豪州産の鉄鉱石を購入しない可能性を示唆した。中国全体の需要が減少するわけではなく、ブラジルやインドの鉱石需要が増加するだろうが、豪州産の鉱石価格には下押し圧力が掛かることになるだろう(反対にブラジル鉱石価格は上昇)。

政策要因に振らされる形で、先々の鉄鉱石価格は乱高下しやすい。

中国河北省の高炉稼働率は5月15日時点で78.6%(前週78.3%)と小幅に上昇した。需要の回復が緩慢な中で、恐らく稼働率は当面、この水準程度で推移することになるだろう。

中国の鉄鋼製品は例年通り季節的な在庫の取り崩しが継続しているが、例年よりも在庫の減少ペースが速い。生産者の供給が十分ではない中、最終需要者の稼働が回復している可能性があることを示唆している。

原料炭は中国の生産活動再開の影響もあり、過去5年の最高水準での推移を続けると考える。

中国の港湾在庫の水準は鉄鋼の最大生産省である河北省の主要港である、京唐港の港湾在庫は過去5年レンジを上抜けしていたが、ここにきて急速に取り崩しが進んでおり、現在は過去5年平均を下回った。需給環境は徐々にタイト化していると考えられる。

先行指標であるバルチック海運指数は、4月以降低迷していたが、直近は持ち直しの動きを見せており、今後、輸入が増加して海上輸送市場の需給をタイト化させ、価格が上昇する可能性が高まっている。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・4月の中国鉄鋼業PMIは45.9(前月42.2)と回復した。主に生産の回復(39.3→53.4)によるところが大きい。

しかし、需要はほとんどが国内向けとみられ(新規受注 38.5→39.9)、輸出向け新規受注は27.8(27.3)と低迷が続いている、

海外のロックダウンが続く中で、国内主導の回復にならざるを得ないが、中国政府も財政的に厳しい部分があり需要が加速するという展開は考え難い。

・1-4月期中国工業生産は前年比▲4.9%(1-3月期▲8.4%)とマイナス幅が縮小、月次ベースでは+3.9%(前月▲1.1%)と前年比プラスにまで回復(フロー需要の回復=価格の上昇要因)。

・1-4月期中国固定資産投資は前年比▲10.3%の13兆6,824億元(1-3月期▲16.1%の8兆4,145億元)とマイナス幅が縮小。

 公的部門は▲6.9%(▲12.8%)、民間部門とも▲13.3%(▲18.8%)マイナス幅を縮小。ただし前年比マイナスの状態は変わらず(ストック需要はマイナス=価格の下落要因)。

・1-4月期中国不動産開発投資は前年比▲3.3%の3兆3,103億元(1-3月期▲7.7%の2兆1,963億元)とマイナス幅を縮小。

ただし前年比マイナスの状態は変わらず(ストック需要の減少=価格の下落要因)。

・4月の中国の貿易統計では、鉄鋼製品の輸出は前年比▲0.2%の631万9,000トンと前年比マイナスとなり、季節性に反して前月から減少した。

欧米各国がロックダウンしている影響によるものと考えられ、今後ロックダウンが徐々に解除される中で、緩やかに回復すると期待されるが実際にそうなるかどうかは不透明。

中国の鉄鋼製品在庫水準は前週比▲124.2万トンの1,795.8万トン(過去5年平均 1,137.2万トン)と、工場の再稼働で例年通り在庫の取り崩しが続いている。

ただし、例年よりも取り崩しのペースは早く、鉄鋼生産者の稼働が最終需要家の回復よりも遅れている可能性があることを示唆している。

・4月の中国の鉄鉱石の輸入量は前年比+18.5%の9,571万トンとなり、過去5年レンジを大幅に上抜けした。鉄鋼製品在庫の取り崩しが進んでいること、鉄鉱石の港湾在庫の水準の低さもあって、鉄鉱石輸入の動きが活性化した様子。

鉄鉱石の港湾在庫水準は、絶対水準ベース、在庫日数ベースとも過去5年平均を下回っており一定の在庫積み増し需要があると考えられる。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比▲100万トンの1億1,195万トン(過去5年平均1億2,285万トン)、在庫日数は▲0.2日の26.2日(過去5年平均 30.3日)と例年と比較して在庫水準が低い状態は続いている。

鉄鉱石の需給ファンダメンタルズはタイト化しているため、一定の鉄鉱石の輸入需要が価格を高止まりさせると考える。

・4月の石炭輸入(燃料炭・原料炭の合算)は前年比+22.3%の3,095万トンと増加し、過去5年レンジを超えた。中国の経済活動の再開を反映したもの。

原料炭の輸入は1-2月に前年比+47.5%の1,516万トンとなったが、3月は前年比▲8.1%の564万トンに落ち込んでいる。

中国の原料炭輸入の主要港である京唐港の石炭港湾在庫は過去5年レンジを上抜け増加していたが、急速に減少している。しかし依然として過去5年レンジを上回る水準を維持しており、輸入需要はさほど旺盛ではないとみられる。

石炭輸入動きを占う上で参考になるバルチック海運指数も再び急減速しており、過去5年レンジをした抜けした。中国の石炭調達意欲がさほど旺盛ではない可能性が高い。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、インフラ整備のための投資を拡大する方針(5年で約160兆円)であり、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

<<特殊要因>>

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

・米国が中国に対する人権問題(香港・新疆ウイグル自治区問題)や、コロナウイルスへの対策に対する中国への不満が高まった場合、再び通商問題が議題に上がる場合(価格の下落要因)。

・コロナウイルスの感染拡大長期化による経済成長の鈍化。

<<投機・投資要因>>

・特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

金価格は上昇した。全人代の結果を受けた原油価格の下落で実質金利が上昇したことが価格を下押ししたが、米中対立の激化懸念が強まったことや、アルゼンチンが債務再編期限を6月2日に延期、実質的にデフォルトしたことで安全資産需要が強まったことが背景。割安な安全資産である銀も上昇。

プラチナは銀と同じような動きとなったが、結局前日比でマイナス、パラジウムは景気への懸念から大幅に下落した。

なお、先物がないためPGMセクターの需給動向を占う上で参考にしているロジウムの価格は、前日比▲1.156%と下落している。

【貴金属価格見通し】

金銀は高値圏でのもみあいになると考える。米中対立激化が景気への懸念を強めていることが原油価格を下押し(=期待インフレ率を押し下げ・実質金利を押し上げ)。

その一方、米長期金利の低下余地が限定されることが金価格を下押しするが、中国が対香港の支配を露骨に強めていることや、米国とのコロナ問題をめぐる対立が激化するとみられることが安全資産需要を高めるため。

米中対立は激化が不可避の様相だが、両国の対立は世界各地での「親中・反中」の踏み絵を要求し、結果的に地政学的なリスクを高めること、コロナウイルス対策で各国とも財政支出を拡大しており、アルゼンチンで発生したようなデフォルト発生が意識されることが安全資産需要を高めることも、価格を押し上げると考える。

現在の金の実質金利で説明可能な価格からの乖離(リスクプレミアム)は257ドル(前日比+8ドル)。なお、現在の実質金利で説明可能な価格水準は1,450~1,480ドル程度。

※毎日回帰分析をアップデートし、リスクプレミアム自体の水準を見直しているため、前日比の整合性が取れていない点はご注意ください。

銀価格は金価格との比較感で売買されるが、金銀在庫レシオを元にした分析では120倍程度が妥当、となっているが実際は110倍程度となっている。

なお、金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)はCOMEX金在庫の急増によって低下、金銀レシオに下押し圧力をかけており、徐々に銀価格は対金で水準を切り上げる展開になると予想される。

また、金価格の上昇余地がそろそろ限界では、との見方が強まっていることから割安な大体安全資産として銀が物色される可能性は高い。

プラチナ価格は銀価格との連動性が高まっている。これは供給過剰で投機的な色彩が強まっているが、各国の準備金や市場取引の担保価値が認められている金のような安全資産としては認知されていないことによる。

しかし、値動きとしては銀価格と連動しやすく、銀価格が割安感から物色されやすい地合いとなっているため、プラチナ価格にも上昇圧力が掛かることになろう。

パラジウムは価格は、景気の先行きが明確に悪く少なくともQ220は景況感の低迷が続く見込みであること、株式市場の混乱も続いているため、工業向け需要低迷がから実需面は価格を下押ししやすい。

その一方で、貴金属のベンチマークである金価格は堅調な推移が予想されるため、結果、パラジウムは神経質にレンジワークでの推移になると考える。

Norilsk Nickelは2020年のパラジウムの需給見通しを▲20万オンスの供給不足から、+10万オンスの供給過剰に下方修正しており、上限は切り下がったと考えられる。

4月の米自動車販売は年率858万台(市場予想 700万台、前月 1,137万台)と、大幅な悪化となり、例年の半分程度まで落ち込んだ。ただし、市場予想は上回っており市場ほど悲観的な状況ではないようだ。

中国の4月の自動車販売は前年比+4.4%の207万台(前月▲43.3%の143万台)と急回復した。しかし、販売の多くが商用車であり、中国政府による景気テコ入れの成果だったともいえる。

今後、中国の販売は欧米に先行して回復すると見るが、完全に経済活動が元に戻っている訳ではないので、回復ペースは緩慢なものに留まるだろう。

そして、コロナウイルスの影響が拡大する中で、日米欧も自動車販売が減速する可能性は高く、PGM価格の下押し要因になると予想される。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・FRBは▲1.5%の緊急利下げ、無制限の量的緩和を決定、その他の中央銀行もこれに追随しており貴金属価格の上昇要因に。

ただしこれで追加の緩和手段はほぼなくなった状態であり、金価格の上昇余地は限定される。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・コロナウイルスの感染拡大による、最大生産国の1つである南アフリカの鉱山稼働全面停止による供給懸念。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するには数年単位で時間を要する)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

パラジウムはロシアでは銅・ニッケルの、南アフリカ・米国ではプラチナの副産物として生産されるため(副産物としての供給が8割)、急な増産が困難であり供給面の制限が価格を下支えする状況に変わりはない。

<<特殊要因>>

・コロナ対策で過剰な財政出動が行われており、終息後に各国の財政・信用不安が意識される場合(価格の上昇要因)。

・米中の対立激化。米国は今回のウイルス問題で、中国の医療面、人工知能を含むIT面に脅威を感じた可能性は高く、対立が激化する場合(安全資産価格の上昇要因)。

・生産拠点を自国に回帰させる動きやリモートの定着による成長鈍化が、新興国の財政状況を悪化させる場合(価格の上昇要因)。

・原油価格低迷による財政状況の悪化、コロナウイルスの影響拡大に伴う国民の不満爆発、サバクトビバッタの大量発生による食糧危機などで、中東・北アフリカ有事が発生、それに伴う安全資産需要の高まり(上昇要因)。

・トルコとシリアのイドリブ県を巡る対立はロシアとトルコが停戦で合意したものの、再び衝突する可能性は排除できない。この場合、安全資産需要を高め、価格の上昇要因に。

・英国のブレグジットは、移行期間中の合意は容易ではなく、無秩序離脱の可能性はまだなくなっていない。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

<<投機・投資要因>>

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが295,394枚(前週比 +17,623枚)、ショートが43,606枚(+8,663枚)、ネットロングは251,788枚(+8,960枚)、銀が54,391枚(+9,634枚)、ショートが23,463枚(+4,479枚)、ネットロングは30,928枚(+5,155枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが30,671枚(前週比 +2,418枚)ショートが8,658枚(▲1,440枚)、ネットロングは22,013枚(+3,858枚)

パラジウムが2,461枚(+305枚)、ショートが1,816枚(+50枚)ネットロングは645枚(+255枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場はトウモロコシが小幅上昇、大豆が下落、小麦が下落した。

米中対立の激化とドル高進行が価格を下押しする中、トウモロコシはテクニカルに買戻しが入り、大豆は中西部の好天予想が売り材料となった。

トウモロコシ・大豆は米統計悪化を受けたリスク回避のドル高と、米中対立激化に伴う中国向け輸出の減少観測が価格を下押しした。

小麦は気象状況の世界的な好転が売り材料となった。ただしクロップツアーの結果では、単収は悪化見通しである。

【穀物価格見通し】

トウモロコシ価格は米国のロックダウン解除の動きが進む見通しであり、ガソリン向け需要の段階的な回復が期待されること、採算が悪化したエタノールの生産調整も進むとみられることから、徐々に水準を切り上げると考える。

ロックダウン解除に伴う精肉工場の再稼働期待から、飼料向け需要も回復するとみられることも価格を押し上げよう。

ただし、ロックダウンが解除されても直ちに元の状態に戻るとは考えにくく、エタノール向け需要はやはり限定されることから上昇余地も限定される見込み。

大豆は国内の飼料向け需要の増加が予想されるが、米中対立の再燃による米国産大豆の輸出減速が予想されることから、上昇余地は限定されると考える。

小麦は北米の冬小麦の作柄が悪化していること、トウモロコシに連れ高を見込むが、やはり例年通り最終的には供給は帳尻が合うと予想されるため上昇余地も限定。

懸念すべきは東アフリカ・中東地域でサバクトビバッタが激増、東南アジアでもトウモロコシやイネの大害虫であるツマジロクサヨトウが繁殖し、深刻な食糧危機をもたらしている

また、コロナウイルスの影響で播種に必要な人員を確保できない農家が増えており、この作付けの遅れも価格を押し上げるだろう。年後半にかけて、穀物価格の見通しは強気だ。

【価格変動要因の整理】

<<マクロ要因>>

・トウモロ作付け意向面積トウモロコシ 9,699万エーカー(市場予想 9,412万エーカー)大豆 8,351万エーカー(8,502万エーカー)小麦 4,466万エーカー(4,495万エーカー)

・5月の米需給報告の生産見通し(今月/市場予想/前月)トウモロコシ 159億9,500万Bu(157億4,860万Bu、136億9,200万Bu)大豆 41億2,500万Bu(41億3,992万Bu、35億5,800万Bu)小麦 18億6,600万Bu(18億4,765万Bu、19億2,000万Bu)

・5月の米需給報告の在庫見通し(今月/市場予想/前月)トウモロコシ 20億9,800万Bu(22億7,792万Bu、24億4,500万Bu)大豆 40億5,000万Bu(43億2,240万Bu、48億万Bu)小麦 9億900万Bu(8億2,408万Bu、9億7,000万Bu)

・3月末四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 79億5,300万Bu(81億8,354万Bu、114億200万Bu)大豆 22億5,300万Bu(22億2,830万Bu、32億5,800万Bu)小麦 14億1,200万Bu(14億2,979万Bu、18億4,100万Bu)

<<特殊要因>>

・新型肺炎の影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

・米・イランの対立激化により、穀物輸送に影響が出る場合(下落要因)。ただし非景気循環銘柄需要が高まり最終的には上昇要因に。

・夏場以降、北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の可能性があり、価格の上昇リスク要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

<<投機・投資要因>>

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが218,328枚(前週比 +7,495枚)、ショートが417,374枚(+28,970枚)ネットロングは▲199,046枚(▲21,475枚)

大豆はロングが186,743枚(▲1,519枚)、ショートが99,142枚(+14,107枚)ネットロングは87,601枚(▲15,626枚)

小麦はロングが104,238枚(+2,314枚)、ショートが114,160枚(+17,022枚)ネットロングは▲9,922枚(▲14,708枚)

◆本日のMRA's Eye


「米国の対中通商制裁は再開か?」

コロナウイルスの感染拡大が各国の対応と季節性の要因などもあり、徐々に終息に向かっている。まだ全容が明らかになっていないウイルスであるため、今年の冬から感染再拡大する可能性も全く否定できないが、各国の経済活動は回復方向に向かうと考えられる。

その中で、コロナ禍下で棚上げとなっていた諸問題の議論再開や、コロナで発生した対立がより激しくなることが予想される。具体的には英国のEU離脱や、米国と中国の対立激化であるが、米中対立の激化はより農産品価格に影響を及ぼす。

米国は、コロナウイルスの影響を最も受けている国であり、経済的な影響も深刻である。今年の11月には大統領選挙が行われるが、コロナウイルスの感染拡大を受け有権者の視点は内政にシフトしやすい。

選挙で勝利するには経済立て直しは必須であるが、コロナウイルスの感染拡大が直ちに終了するわけではないことから、トランプ大統領は今回の問題を中国問題にすり替えている(すり替えている、と言っても中国政府のこれまでの対応に問題がある、と考えている国は多い)。

その結果、米国国内では反中機運が高まっており、これまでトランプ大統領の中国排斥を非難していたバイデン候補も、反中スタンスにシフトしている。このことは、米大統領選挙の結果、共和党政権になろうとも、民主党政権になろうとも、対中政策がより厳しいものになることを意味している。

既に米政権は華為技術に対する追加制裁や、年金資金に対して中国企業への投資を禁止することを決定しており、今後この動きは加速することになるだろう。

中国は国内景気の失速と米国の制裁という、内外の問題を抱えることになった訳だが、内政面は財政出動で対応しつつ、米国に対してはこの状況でも1月に合意した通商合意を遵守する方針を示し、懐柔を図っている。

しかし、これまで発表された貿易統計を見てみると、農畜産品分野において、中国が米国との通商合意を遵守することは困難になってきているといえる。

米国の中国向け農産品輸出の構成を見ると、通商合意の基準年となっている2017年の実績は、大豆などの油脂が63.5%を占め、10.9%がその他の穀物、9.2%が肉類となっている。

しかし、2020年1-3月の実績を見ると、大豆を含む油脂の輸出シェアが36.8%の10億8,056万ドルに低下している。

これは、大豆価格が2017年対比で▲10.4%低下している(原稿執筆時点)ことに加え、コロナウイルスの影響と、中国国内の豚熱の継続による飼料向け需要が減少したことで中国の輸入需要が低下、数量も減少(▲49.4%)したことによるもの。

また、米国の中国向け農畜産品輸出に占める大豆の輸出シェア低下は、豚熱の影響で中国の国内供給が制限され、肉類の輸出額が増加したことも影響した(1-3月期の肉類の輸出実績は2017年比+86.1%の8億4,683万ドルと増加している。なお、豚肉先物の価格は2017年1-3月期比で▲7.6%低下しており、ここまでの輸出額の増加は肉類の輸出数量が増加していることを意味している)。

この結果、1-3月の米国の中国に対する農畜産品の輸出総額は、前年比+5.9%の29億3,255万ドルと小幅な増加となったが、2017年と比較すると▲45.3%と大幅に減少している。

中国は2020年、2017年対比で125億ドル多い365億ドルの農畜産品を米国から輸入しなければならない。これを4月~12月の輸入で達成するには、その期間の輸入額を2017前年比で+137.8%増加させる必要が出てくる。

もし、中国の需要が増加しているならばそれもあり得るが、これまでの中国の輸入動向を見るにそれは困難だろう。

輸出元の国の輸出データの方が速報性が高いため、米国とブラジルの1月から5月上旬までの中国向け大豆輸出量を見てみると、前年比+25.8%の増加となっている。

これはデータが取得できた2018年の輸入量の57.6%、2019年の42.4%に相当する数量であり、中国が全体として大豆の輸入量を減らしているわけではないことを意味する。

米国産大豆の輸入量が2017前年比で減少していることは前述のとおりだが、一方で、ブラジルからの輸入は+169.1%と大幅に増加している。このことは、ブラジル産大豆へのシフトを積極的に進めていることを示唆している。

ブラジル産大豆の価格面やブラジルの生産能力増強もあるが、中国が米国への依存度を引き下げる戦略を長期的に志向していると考えるべきだろう。

今後、中国国内では豚熱の影響で豚の飼料向けの大豆需要が増加するとは考え難く、現在輸出が増加している豚肉に関しても、米国内のコロナウイルスの感染拡大防止のために多くの精肉業者が稼働を停止してきたことを考えると、米国が中国向けに輸出に回せる数量が大幅に増加するとは考え難い。

以上を総合すると、中国が米国との通商合意を遵守できるほどの農畜産品を輸入できるとは考え難い。

この状況を考えると、大統領選挙も睨み、下期以降に中国に対する制裁は強まることになるのではないか。仮に中国に対する制裁と報復があった場合、大豆を中心に中国向けの農産品輸出は停滞を余儀なくされるだろう。ただ、通商戦争が両国経済に深刻な影響を与えることは確認済であり、大規模な制裁にはならないと予想される。

また、米国内のロックダウン完全解除がそう簡単ではないと予想されることを考慮すると、エタノール向けのトウモロコシ需要も低迷が予想される。結果、年後半の米穀物価格は全体的に下押し圧力が強まることになる。

その一方で、今年の夏以降、ラニーニャ現象が発生する可能性があり、食料供給に影響が出るリスクが存在する。もちろん、エルニーニョやラニーニャが発生したところで必ずしも異常気象となって供給に問題が出るわけではない。

ただ、エルニーニョ・ラニーニャの発生に伴うサイクロン上陸の影響で、アラビア半島でバッタが大量発生して北東アフリカ諸国に深刻な食糧問題が発生している。このことを考慮すると、年後半の穀物価格は、上昇・下落両要因が混在する中、思惑的に変動性が高まると予想される。

◆主要ニュース


・4月日本全国消費者物価指数 前年比+0.1%(前月+0.4%)、除く生鮮▲0.2%(+0.4%)、除く生鮮エネルギー+0.2%(+0.6%)

・4月日本全国百貨店売上高 前年比▲72.8%の1,209億円(前月▲33.4%の3,404億円)
 東京都区部百貨店売上高 ▲76.1%の301億円(▲34.6%の929億円)

・日銀当座預金残高の預金金利 ▲0.1%(前回 ▲0.1%)、10年債金利の誘導目標 ±0.0%(±0.0%)

・日銀黒田総裁、「財務相と日銀総裁が政策総動員で一致。景気は必ずしもV字回復にならない可能性がある。必要に応じて躊躇なく追加緩和を実施する。」

・インド中銀、レポレートを▲40bp引き下げ、4.00%に 、リバースレポレートを3.35%(▲40bp)に引き下げ。

・アルゼンチンが9回目のデフォルト、22日が期限だった訳5億ドルの国債利払いを行わず。債務再編の起源を6月2日まで延長。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・ベイカー・ヒューズ週間米国石油リグ稼働数237(前週比▲21) ガスリグ 79(前週比±0)。

【メタル】
・特になし。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.ICEココア ( その他農産品 )/ +2.31%/ ▲5.75%
2.CME肥育牛 ( 畜産品 )/ +2.20%/ ▲11.37%
3.ICE欧州天然ガス ( エネルギー )/ +2.05%/ ▲69.55%
4.LIFFEココア ( その他農産品 )/ +1.95%/ +9.02%
5.ビットコイン ( その他 )/ +1.37%/ +28.26%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.TCM灯油 ( エネルギー )/ ▲4.89%/ ▲50.08%
69.パラジウム ( 貴金属 )/ ▲3.51%/ +1.00%
68.TCMガソリン ( エネルギー )/ ▲3.12%/ ▲47.64%
67.ICEガスオイル ( エネルギー )/ ▲2.95%/ ▲53.14%
66.TCM天然ゴム ( その他農産品 )/ ▲2.92%/ ▲23.07%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :24,465.16(▲8.96)
S&P500 :2,955.45(+6.94)
日経平均株価 :20,388.16(▲164.15)
ドル円 :107.64(+0.03)
ユーロ円 :117.34(▲0.49)
米10年債 :0.66(▲0.01)
中国10年債利回り :2.58(▲0.08)
日本10年債利回り :0.00(▲0.00)
独10年債利回り :▲0.49(+0.01)
ビットコイン :9,181.(+124.08)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :40.57(▲0.14)
エネルギー :89.23(▲0.81)
ベースメタル :21.34(+2.01)
貴金属 :28.53(+0.19)
穀物 :23.47(▲0.74)
その他農畜産品 :35.24(▲0.57)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :168.46(+1.16)
Brent :85.36(+1.77)
米天然ガス :69.48(▲1.36)
米ガソリン :77.75(+0.76)
ICEガスオイル :100.87(▲7.88)
LME銅 :20.21(+2.26)
LMEアルミニウム :13.06(+0.19)
金 :15.31(▲0.28)
プラチナ :27.71(+0.1)
トウモロコシ :18.38(▲0.44)
大豆 :15.31(▲0.28)

【エネルギー】
WTI :33.25(▲0.67)
Brent :35.13(▲0.93)
Oman :36.83(▲0.85)
米ガソリン :103.82(▲0.69)
米灯油 :98.20(▲0.70)
ICEガスオイル :287.75(▲8.75)
米天然ガス :1.73(+0.02)
英天然ガス :9.46(+0.19)

【貴金属】
金 :1734.68(+7.68)
銀 :17.21(+0.11)
プラチナ :835.73(▲1.92)
パラジウム :1964.98(▲71.43)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,272(▲142:29.5C)
亜鉛 :1,957(▲37:6B)
鉛 :1,620(▲51:16C)
アルミニウム :1,499(▲16:25.5C)
ニッケル :12,199(▲628:75C)
錫 :15,260(▲210:235B)
コバルト :29,690(±0.0)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5305.00(▲85.00)
亜鉛 :1985.00(+16.00)
鉛 :1647.50(▲6.50)
アルミニウム :1503.50(▲17.50)
ニッケル :12280.00(▲140.00)
錫 :15380.00(▲25.00)
バルチック海運指数 :498.00(+4.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR中国、1営業日前) :96.86(+0.91)
SGX鉄鉱石 :92.66(+0.48)
NYMEX鉄鉱石 :91.42(+0.22)
NYMEX原料炭スワップ先物 :112.79(+0.25)
上海鉄筋直近限月 :3,599(+46)
上海鉄筋中心限月 :3,547(▲1)
米鉄スクラップ :330(▲5.00)

【農産物】
大豆 :833.25(▲1.75)
シカゴ大豆ミール :284.10(+1.60)
シカゴ大豆油 :26.64(▲0.47)
マレーシア パーム油 :2240.00(▲36.00)
シカゴ とうもろこし :318.00(+0.25)
シカゴ小麦 :508.75(▲7.25)
シンガポールゴム :134.50(▲1.80)
上海ゴム :10080.00(▲45.00)
砂糖 :10.93(▲0.05)
アラビカ :103.60(▲1.15)
ロブスタ :1157.00(±0.0)
綿花 :57.61(▲0.45)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :58.78(▲0.58)
シカゴ生牛 :97.70(▲1.10)
シカゴ飼育牛 :128.80(+2.78)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。