需要減少観測と統計悪化で下落
- MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(エネルギー)
2020年3月27日 第1714号
◆昨日のエネルギー市場総括
「需要減少観測と統計悪化で下落」
IEA事務局長需給見通しを大幅下方修正。
IEAビロル事務局長は世界の需給見通しを「最大で2,000万バレルの供給過剰になる」との見通しを示したことは、需給バランスが想定以上に緩和するとの観測を強め、原油価格の下落要因に。
米政府は国内原油の買取案を取り消し。
米政府は国内原油を戦略備蓄として購入する計画を立てていたが、予算的に困難でありこれを取り消したことは需給悪化観測を強め価格の下落要因に。
米雇用関連統計記録的な大幅悪化。
米週間新規失業保険申請件数が300万人を超える大幅な増加となり、米国の雇用環境が急速に悪化しているとの見方が強まったことは、景気循環系商品価格の下落要因に。
◆今日のエネルギー市場見通し
「一旦買戻しも需要減少観測の強まりと増産観測で軟調」
新型コロナウイルスの影響拡大を受けた経済活動の鈍化。
新型コロナウイルスが南極大陸以外のすべての大陸に拡大、最大消費国である米国の雇用環境は大幅に悪化している可能性が高く、その他の国でも都市封鎖の動きが強まっていることは、需要減少観測を強め、景気循環系商品価格の下落要因に。
産油国の増産開始観測。
サウジアラビアは4月から原油生産を大幅に引き上げる見込みであり、その他のOPEC諸国も追随、ロシアも増産観測を打ち出していることは供給面で原油価格の下落要因に。
各国の経済対策実施を受けた景気の底入れ期待。
経済の強制停止で需要見通しはネガティブだが、これを支えるための財政出動・金融政策はフル稼働状態であり、景気循環系商品価格の下支え要因に。
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