WHOパンデミック宣言とOPEC増産、ドル高で軟調
- MRA商品市場レポート for MANAGEMENT(エネルギー)
2020年3月12日 第1704号
◆昨日のエネルギー市場総括
「WHOパンデミック宣言とOPEC増産、ドル高で軟調」
WHOパンデミック宣言を受けた感染拡大への懸念。
WHOはようやくパンデミックを宣言、市場参加者が改めてコロナの影響が大きいことを認識、景気への影響が需要を減速させる状況が継続するとの見方は、景気循環系商品価格の下落要因に。
OPEC・非OPECは増産に舵。
OPECと非OPECの交渉は決裂、サウジアラビアは1,230万バレルまでの増産のほか、1,300万バレルに生産能力を拡充、UAEも増産に舵を切り、ロシアも50万バレルの増産を検討するなど、増産合戦が起きていることは原油価格の下落要因に。
ドル指数の上昇。
市場は米国の利下げを織り込んでおり、これ以上下げ余地が限られるとの見方が強まる中、米政府が財政出動を伴う対策実施を検討していることで債券需給緩和観測で金利が上昇、ドル高が進行したことはドル建て資産価格の下落要因に。
◆今日のエネルギー市場見通し
「経済対策期待はあるも供給増と経済の強制停止続きもみ合い」
各国の経済対策実施期待。
各国中央銀行は余地は少ないが金融緩和に動いている一方、より直接的に企業や国民支援となる減税を含む財政政策に各国とも舵を切っており、対策の進捗期待が高まっていることは景気循環系商品価格の上昇要因に。
新型コロナウイルスの影響による消費減速観測。
中国はピークアウトしたように見えるが、ほぼ1ヵ月の時間差を以って中国以外の国でも感染が拡大、WHOもパンデミックを宣言、経済活動の強制減速の可能性は高く今後世界各地の経済活動が鈍化し消費が落ち込むと見られていることは景気循環系商品価格の下落要因に。
OPEC・非OPECの増産観測。
OPECと非OPECの交渉は決裂、産油国各国は収入確保のための増産に舵を切っており、この状況がしばらく続くと見られることは原油価格の下落要因に。
昨日発表のニュース一覧(総合・エネルギー)/主要指標/セクター別パフォーマンス/CFTC投機筋ポジション/米原油石油製品在庫など、詳しい解説は「MRA商品レポート for MANAGEMENT」にてご確認いただけます。
【MRA商品レポート for MANAGEMENT】について