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米経済対策期待で広範に買戻し
  • MRA商品市場レポート for PRO

2020年3月11日 第1703号 商品市況概況

◆昨日の商品市場(全体)の総括


「米経済対策期待で広範に買戻し」

【昨日の市場動向総括】

昨日の商品市場は軒並み上昇した。市場の安定化のために米トランプ政権が所得税減税の方針を示したことで、リスク資産全体に買戻しが入る流れとなった。

正直、コロナウイルスの影響拡大によって世界の為政者は合理的な判断をできているとは言い難く、情緒的な政策決定が非常に目立つ。その結果、リスク資産価格が乱高下してしまう状態が続いている。

コロナウイルスは恐らくほとんどの国に感染拡大しており、パンデミックになっている可能性は高い(WHOがこの期に及んで「コントロール可能」と表現するのは中国に対する忖度か)。

特に懸念されるのが、医療体制の整っていないアフリカ。アフリカは資源獲得のために多数の中国企業が進出しており、感染者が多い可能性は高い。この場合、資源供給(特に鉱物資源)の供給に懸念が生じる可能性がある。

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【本日の価格見通し総括】

本日は、前日の米国市場がトランプ政権の減税策表明を受けて安定したことから、一旦買戻しが入るものの、コロナウイルスの感染拡大防止に伴う防疫の動きはさらに加速する可能性が高く、上値も重いと考える。

予定されている材料には目立ったものがなく、本日も市場の混乱を受けた為政者の混乱で市場は不安定な推移が続くことになる。

【昨日の世界経済・市場動向のトピックス】

週末のレポートでは第2次OPECショック織り込めなかったが、この2日間、各メディアで解説を依頼されたので、いかに現状と弊社の見通しをまとめておく。

OPECとロシアの交渉決裂の経緯を簡単にまとめると、1.景気減速局面にあった、2.ここにコロナウイルスの話が加わったので需要大幅減、3.減産しないと価格維持できない、4.国内事情もあってロシアは協力できず、5.怒ったサウジ(ムハンマド皇太子)が「じゃあ俺も増産」、という流れ。

構図は2014年11月のOPECショックと同じ。あの時も、ムハンマド皇太子がキレて、ヌアイミ石油相の最後の花道になるはずだった、OPEC総会を途中で止めさせて帰国させるという、「開戦」となるならあり得るが平時であればあり得ない対応をしたが、今回も同様だろう。

原油の増産も、現在の余情生産能力を超える増産を表明、市場水準を無視して公式販売価格を引き下げるなど、サウジアラムコという上場企業ではありえない決断をしている。

前回のOPECショックでは、2016年11月のOPEC・非OPEC協調減産合意まで2年掛かったので、今回も長期戦を視野に入れているかもしれない。

あの時、協調減産に踏み切ったのは、2010年以降に胡錦濤政権が行った過剰投資の巻き戻しと、不正撲滅の動きを習近平が実施、中国のデレバレッジの進捗で上海株ショックが発生、金融市場が動揺し原油価格を押し下げた。

これに加えて2016年1月のイランの制裁解除による増産観測、といった金融面・需給面でマイナスの材料が続き、WTIが26ドルを付ける事態となった。

つまり、今回に関しても産油国が「痛み」を感じ始めないと減産がない可能性があるということだ。

依然として、メインシナリオは6月頃にOPECプラスが開催されて協調減産再開、と考えている。というのも、2014年のOPECショック時よりも産油国、特にサウジアラビアの財務体力は低下しているからだ。

しかし、世界中の為政者が大混乱していて、日々、「あまり詳細に議論されていない政策決定」が発生しており、「合理的な分析」があまり意味を成さない。当面市場は混乱が続くだろう。

【景気循環銘柄共通の価格変動要因整理】

(マクロ要因)

・各国のPMI・ISMなどのマインド系指標の減速。特に中国の製造業・非製造業PMIの減速はショッキングであり、今後、中国以外の国が中国ほど苛烈ではないにせよ、感染拡大防止策を講じた場合、同様の影響が出る可能性があることは需要面での価格下落要因。

今後は、これが短期的な減速で止まるのか、長期的なものになるのかは各国政府の対応に掛かっている。

・世界景気の減速観測。IMFは2020年の経済見通しを引き下げ(+3.4%→+3.3%)ているが、コロナウイルスの感染拡大でさらに改定される見通しでは2019年(2.9%)を下回る見込み。

・FRBの利下げに打ち止め感が広がっていたが、新型肺炎の影響で▲50bpの追加利下げが行われた。しかし市場はさらに3回の利下げを市場は織り込んでいる(▲75bp程度)。景気の減速が懸念されているため追加利下げは景気循環系商品価格の下支え要因に。

・景気減速を受けた、各国政府・中銀の財政政策・金融緩和は価格の上昇要因(Q319の中国GDPは前年比+6.2%、前期+6.3%と1992年の統計発表以来の低水準となり、減速懸念が再び意識されている)。

※一方、鉱工業生産や固定資産投資などは政府の対策の影響が徐々に顕在化している形。

・2018年からインドが人口ボーナス期入りしており、構造的な需要の増加が見込めることは中長期的な価格の上昇要因。

(特殊要因)

・中国の新型肺炎の世界的な感染拡大(パンデミックリスクの顕在化)を受けた経済活動の鈍化(景気循環系商品価格の下落要因)。

・米中が通商面で再び対立(国営企業への補助禁止、人権面、知的財産権など)する可能性はあり、景気循環銘柄価格の下振れ要因に。ただし、新型肺炎の影響で当面は中国の合意不履行は問題視されない可能性が高まった。

・欧州の政治混乱(伊仏の対立、ポピュリズムの台頭、トルコと欧州の関係悪化、トルコの景気減速など)によるリスク回避の動きの強まり(下落要因)。

・中東情勢が再度緊迫化し、域内景気への悪影響への懸念(下落要因)。可能性は低いが、イランと米国の散発的な衝突は続き、軍事衝突懸念が再びつよまる可能性があることは排除できず。

・英国のEU離脱が無秩序なものになるリスク。今後は2020年12月末の移行期間までに条件で合意ができるか否か。場合によっては、ハードブレグジットの可能性も。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速(下落要因)。

・日韓対立によるハイテク分野の市場混乱や、極東地区の地政学的リスクの高まり(下落要因)。

(投機・投資要因)

・コロナウイルスの影響拡大によるリスク回避の株安が、景気循環系商品価格にマイナスの影響を与える場合

◆昨日の商品市場(個別)の総括


---≪エネルギー≫---

【原油市場動向総括】

昨日の原油価格は反発した。週末を挟んだ「第2次OPECショック」の発生で10ドル以上の下落を見せた原油市場だったが、30ドルの攻防ラインを維持したことで安値拾いの買いが入ったこと、米トランプ政権がコロナ対策で減税を行う方針が示されたことが買戻しを誘った。

また、ロシアがOPECとの会合を否定しなかったことも、需給緩和の解消期待を高めた。

【原油価格見通し】

原油価格は現状水準でもみ合うものと考える。コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の強制減は継続すること、各国政府の財政出動による経済対策期待が需要面で価格を押し上げる一方、OPEC・OPECプラスの増産が4月以降に実施されること、Q120の企業決算発表で恐らく需要見通しが下方修正される可能性があること、といった強弱材料が混在するため。

今後は、1.ロシアが何らかの譲歩を行う(6月に会合がもたれる、というのがメインシナリオだが、2014年の第1次OPECショックの時は2年増産が続いたため長期化の可能性も)、2.コロナウイルスの感染拡大が終息する、といったことが相場反転の必要条件となる。

しかし、感染のピークは恐らく今月~5月頃とみられており、一部で言われている「暖かくなって終息」「抗体を獲得した人間の増加で終息」ということが仮に事実だとしても、Q220以降になると予想される。もちろん、薬効のある薬が発見されれば話は別だが。

価格見通しは3ヵ月ごとに更新であるため、次回更新は4月となるが、恐らくQ220のBrentの価格見通しは情勢に変化がなければ、Brentで35~40ドル、WTIで30~35ドルといったところが平均価格予想となる。

このように需給バランスのあるべき水準がわからない状況では、短期的に価格予想にファンダメンタルズ分析はあまり意味がない。

市場は需要減少リスク側に傾いており、現時点ではよりプットオプション動向が注目される。

Brentは40ドルに19,155枚、35ドルに7,093枚積み上がっているが、それより下の水準は真空地帯だ。これらの攻防ラインを下回るとさらなる下落となる。この攻防線で価格はもみ合うものと考える。

ちなみにWTIは35ドルに6,696枚、30ドルに3,791枚の建玉が積み上がっているが、それ以下はBrent同様、真空地帯である。

中国は早期の可能性が高まっているが、それでも終息は政府の報道が正しいとすれば4月末の見込み。一方、中国以外の国での感染者数が増加しておりWHOも最高レベルの警戒を勧告、6月末頃の終息が市場のコンセンサスとなりつつある。しかし、年末を越える可能性も出ており予断を許さない。

唯一、参考になるデータは新規感染者数の推移のみであり、しばらくこれに左右される展開が続くと考えられる。ただし今後は、より中国以外の感染者数の増加に注目する必要がある。

トランプ大統領の中東和平案を受けて、イスラエルとパレスチナの軍事的な衝突は激しさを増している。

ただ、今回の中東和平案はトランプ政権になってからの親イスラエルによる現状変更を追認した形であり逆回転は難しい。米国のエネルギー中東依存度も低く、米国の中東政策は「雑」になりやすい。

イデオロギー的にはアラブ諸国の敗北だが、武装集団や反イスラエル勢力がこの状況を看過するとは考え難い。イスラム国がイスラエルに攻撃を仕掛けるとも表明しており、特にシーア派三日月地帯の治安は悪化し、供給懸念が高まっているのも事実だ。

米・イラン問題は国同士の衝突リスクは低下した。しかし、イランの選挙では反米の保守派が大勝、反米機運が高まる可能性が高く中東の地政学的リスクは高まろう。

シリアとリビアに対する関与を強めているトルコの動向も、地政学的リスクを高めるため懸念されるところ。シリアへの介入はイドリブ県のクルド人を巡る対立で、シリアと全面戦争の可能性もある。リビア介入は、イスラエルのガス田からのガス輸送にかかわる権益の問題。

この他、新型コロナウイルスが中東でも拡大しており、政府への対応の不満がさらに高まって、暴動に発展する可能性が出てきた(暴動事態が感染拡大につながるため、感染拡大中は起きないだろうが、終息後に生活困窮で暴動が起きる可能性)。

米中合意は市場に一定の安心感をもたらしたが、米中合意の履行が肺炎の影響で困難であるため、当面、中国の合意順守未達が材料視されることはなかろう。

FOMCは、緊急利下げを行ったが市場はさらなる利下げを見込んでいる。ファイナンシャルな面で一定の価格下支え効果をもたらすだろう。

【石炭市場動向総括】

石炭先物市場は小幅に上昇した。新型コロナウイルスの影響で企業活動が低迷していること、中国の港湾再稼働などの強弱材料が混在する中、レンジでの推移を継続している。

【石炭価格見通し】

価格は中国製造業の稼働再開が域内需要の回復期待を高めているものの、新型肺炎の影響拡大は継続しており終息までは時間がかかることから、電力需要が鈍化、現状水準でもみ合うものと考える。

ただし、中国の石炭輸入は季節的に回復する可能性がある。実際、バルチック海運指数には徐々に底入れ感が出てきている。

長期的には同様の環境規制の強化が石炭供給を減じるため、価格の押し上げ要因となる。欧州の脱炭素の動きは非常にトリッキーだ。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・OPEC・OPECプラスの交渉が決裂、さらにサウジアラビアはOSPを大きく引き下げており、価格競争の様相を呈しており、2014年の第1次OPECショックの時と同様、長期化した場合(価格下落要因)。

・産油国の財政悪化による上流投資部門投資の減速は、インドなどの新興国需要顕在化時の価格上昇要因。

・世界2位の消費国である中国の輸入減少。1-2月はコロナウイルスの影響はあったが、輸入量は1,062万バレル/日(前月1,007万バレル/日)と高い水準を維持。

しかし、コロナウイルスの影響で3月以降、各国の輸入量が減少する可能性は高く、特に輸送燃料の減少リスクは無視できない状況。

・EV普及による需要の伸び鈍化を、軽量化目的の樹脂向け需要増加が相殺(世界の需要が減少を始めるのは2050年頃からか)。

・世界的な石炭上流部門への投資規制強化による、供給減速懸念。価格上昇要因(石炭)。

・競合燃料である天然ガス・LNG価格が供給過剰で低迷していることは、石炭価格の下落要因に。

(特殊要因)

・中国の新型ウイルスの世界的な影響拡大に伴う、世界的な景気減速懸念の強まり。

・米国とイランの軍事衝突リスクは回避されたが、「レッドゾーン」の水準が低く設定されたこともあり、偶発的な衝突が軍事力行使の懸念を強め、価格が上昇するリスクは残存している。

・米国の中東への関与低下や原油価格の下落、新型コロナウイルスの影響拡大に伴う不満爆発で、中東・北アフリカでの暴動発生。特にシーア派三日月地帯とリビアでの発生リスク。

・シリアイドリブ県を巡る、トルコとシリアの武力衝突懸念(中東の不安定化による供給懸念と、難民流入による南欧州の景況感悪化)。

・米朝交渉は目立った進捗がなく、制裁は継続する見込みであり北朝鮮炭の供給制限も継続されることは、価格の上昇要因(石炭)。

(投機・投資要因)

・WTIはロング・ショートとも増加。しかし明確にショートの増加圧力が強い。恐らく価格下落に備え、生産者が下落リスクヘッジを掛けたためと考えられる。

Brentはロングが減少、ショートが増加。イタリアの感染拡大と、OPEC減産も影響が限定されるとの見方から弱気のポジション取りに。

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

WTIはロングが563,904枚(前週比 +5,106枚)ショートが175,535枚(+48,203枚)ネットロングは388,369枚(▲43,097枚)

Brentはロングが340,024枚(前週比▲50,869枚)ショートが112,239枚(+9,421枚)ネットロングは227,785枚(▲60,290枚)

---≪LME非鉄金属≫---

【非鉄金属市場動向総括】

LME非鉄金属価格は上昇した。OPECショックに伴う株価の急落を受けて水準を切り下げたが、米トランプ政権が所得税減税の方針を示したことで株価が反発、LME非鉄金属にも安値拾いの買いが入ったため。

【非鉄金属価格見通し】

非鉄金属価格は、各国政府の経済対策期待や、最大消費国である中国のコロナウイルスの影響緩和が価格を押し上げるものの、金融市場の動揺は続くと見られ、中国以外の国でのコロナウイルスの感染拡大による経済の強制停止の可能性も高いことから、上値も重いと考える。結局低い水準でのレンジワークになると考える。

実需の手掛かり材料、特に実際の需給がどうだったか、といった統計は2ヵ月程度のかなりの時間差を以って発表されること、市場はまだパニック状態にあることから、原油と同様、オプションの建玉動向が価格動向を占う上で参考になる。

ベンチマークである銅のプットオプションは、5,500ドル、5,300ドルに、コールは5,900ドルと6,000ドルに積み上がっており、この価格帯が攻防線となる。原油価格の急落もあって、もし5,600ドルラインを割り込むと、レンジは5,300ドル~5,600ドルに切り下がると予想されるが、OPECショックで現在は下のレンジに切り下がっている。

2月の中国製造業PMIも、35.7(前月50.0)とリーマンショック時の最低水準を下回った。3月は事態の改善で徐々に稼働は戻ってこようが、時間はかかると予想される。

直近2月のデータが取得できた銅製品生産者の2月の稼働状況は、銅線生産者が34.7%(過去4年平均50.7%)、銅棒生産者40.4%(51.2%)、銅板生産者38.6%(51.8%)、銅管生産者46.5%(63.2%)と低い。

非鉄金属の取引所在庫は急速に積み上がっており、最終製品を製造している企業の稼働は上記の通り低い。非鉄金属業者が政府に対して在庫の買取を要求していることからもわかるように、当面需要が弱い状態が続き、価格も低迷すると予想される。

製造業PMIを詳細にみると、完成品在庫の水準は消費手控えでやや高く(46.0→46.1)、原材料在庫の水準は港湾の機能停止の影響で低い(47.1→33.9)。今後、港湾機能が回復する中で原材料在庫の積み増しが発生、非鉄金属価格にも上昇圧力が掛かると考えられる。

ただし、非鉄金属価格が上昇するには景気への影響が限定されることが必要条件で、さらに中国国内の詳細な情報がもたらされることや、WHOが終息宣言を出すことが必要条件となる。

しかし、中国の新規受注は29.3(前月51.4)と低迷しており、状況は厳しく、回復には時間を要するだろう。現在の感染拡大状況を勘案すると当初見込みの4~5月に終息、との見方は楽観的過ぎるかもしれない。

米中合意は市場に一定の安心感をもたらしたが、新型コロナウイルスの影響で困難であるため、当面、中国の合意順守未達が材料視されることはなかろう。

FOMCは、緊急利下げを行ったが市場はさらなる利下げを見込んでいる。ファイナンシャルな面で一定の価格下支え効果をもたらすだろう。

新型コロナウイルスの影響で、各国とも財政出動に動くとみられる。米国もすでに新型コロナウイルス対策で78億ドルの支出を下院で可決している。

中長期的には環境面に配慮した「省エネ金属」需要が高まることから非鉄金属価格は上昇すると予想される。具体的には社会インフラとして「バッテリー」としての需要が高まると予想される、電気自動車に使用される金属が対象となる(銅、アルミ、ニッケル、リチウム、コバルトなど)。

再び非鉄金属が持続的な上昇に転じるのは、インドの構造的な需要が顕在化するタイミングになるだろうが、中国が1994年に人口ボーナス期入りし、非鉄金属価格が上昇を始めたのが2000年頃からであることを考えると、2023~2024年頃になるのではないか。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・最大消費国である中国の製造業PMIは急減速し、リーマンショック時に記録した最低水準を下回った。状況は改善していると伝わっているが、回復にはまだ時間を要する見込み(価格の下落要因)。

在庫水準はほぼ変わっていないが、新規受注(主に国内)が堅調に推移しており、新規受注/完成品在庫レシオには上昇圧力が掛かっている。

・1-12月期中国工業生産は前年比+5.7%(1-11月期+5.6%)と小幅な改善となったが、12月単月では+6.9%(前月+6.2%)と伸びが加速(フロー需要の増加=価格上昇要因)。

・1-12月期中国固定資産投資 前年比+5.4%の55兆1,478億元(1-11月期+5.2%の53兆3,718億元)と減速、公的+部門は6.8%(+6.9%)と減速したが、民間部門は+4.7%(+4.5%)とやや持ち直し(ストック需要の改善=価格上昇要因)。

・1-12月期中国不動産開発投資 前年比+9.9%の13兆2,194億元(1-11月期+10.2%の12兆1,265億元)と減速傾向が顕著に。

中国政府は景気刺激に住宅セクターを用いない、と発言しているため伸びが加速するとは考え難い。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

・1-2月の中国の銅地金・製品の輸入量は2ヵ月で85万トン(前月53万トン)と前年比で+7.2%と増加、銅鉱石・精鉱 377万トン(198万トン)と前年比▲1.2%と小幅な減少となった。

・環境規制の強化で特殊需要が増加する(軽量化目的のアルミ、EV向けのニッケル・銅(通常25キロ/台の銅が使われるが、EVは80キロ/台)、蓄電池としての鉛、コバルトなど)

・中国の環境規制強化に伴うスクラップの調達難による、新塊需要の増加。

・上流部門投資不足並びに鉱石の品位低下による、鉱山供給の制限。

・亜鉛の精錬キャパシティ不足に伴う需給のタイト化。一方鉱山生産は増加しており、亜鉛精鉱需給は緩和、TCはやや軟化したが高水準を維持。

・環境規制強化・米制裁の影響による石炭価格上昇が、中国の非鉄金属製造コストを高止まりさせる場合。

・インドをはじめとする新興国の構造的な需要増加(中長期的な要因)。

(特殊要因)

・中国の新型ウイルスの影響拡大に伴う、世界的な景気減速懸念の強まり。

・米国が中国に対する人権問題(香港・新疆ウイグル自治区問題)を強めた場合、再び通商問題が議題に上がる場合(価格の下落要因)。

・中国政府が地方政府に債券発行枠の増枠を促し、シャドーバンキングを含むアンダーグラウンドな資金調達を認めてでも公共投資を進める方針を示したことは、需要面で価格の上昇要因に。

・環境問題や人権問題(コンフリクト・メタルの問題)を背景とする鉱山供給の減少。

・資源ナショナリズムの高まり。インドネシアのニッケル未処理鉱石禁輸措置再開(銅とボーキサイトは2022年から実施の予定)。

・インドとパキスタンの対立が武力衝突に発展、インドの人種差別問題が反政府行動に繋がり、インドが人口ボーナス期の成長メリットを生かせない場合(下落要因)

・LME指定倉庫在庫の減少が、LMEの倉庫運営ルール変更に伴う保管場所変更の取引の影響である場合、ルールが見直された際に再度、LME指定倉庫在庫が急増する可能性(下落要因)。

(投機・投資要因)

・3月6日付のLMEロング・ショートポジションの動向はまちまちとなったが、アルミと錫以外はネットロングを減少させた。

投機筋のLME+CME銅ネット買い越し金額は▲87.6億ドル(前週▲87.2億ドル)と売り越し幅を拡大した。買い越し額の増加率は+0.5%。

買い越し枚数はトン数換算ベースで▲2,409千トン(前週▲2,387千トン)とCME銅、アルミ、錫以外の金属で売り越し幅を拡大している。ネット売り越しの増加率は+0.9%。

---≪鉄鋼原料≫---

【鉄鋼原料市場動向総括】

中国向け海上輸送鉄鉱石スワップは上昇、原料炭スワップ先物は上昇、中国鉄鋼製品先物価格も上昇した。

中国の高炉の稼働率は引き続き低下しているものの、中国では新型コロナウイルスの影響が小さい地区での工場可動が再開するとの期待と、ブラジルの供給減少観測が価格を押し上げた。

【鉄鋼原料価格見通し】

鉄鉱石価格は中国の港湾が再稼働を始めるとの期待感と、ValeやCompanhia Siderurgica Nacionalの生産減少が価格を押し上げるものの、新型コロナウイルスの影響が世界的に拡大しており、経済活動の鈍化懸念が強まる中で需要が減少するため、価格は現状水準でもみ合うと考える。

中国河北省の高炉稼働率は3月6日時点で72.5%(前週72.7%)と再び減速している。鉄鋼製品在庫は積み上がっているが、原材料在庫の水準が低いことが背景にあると考えられる。

2月の鉄鋼業PMIは、総合指数が36.6(前月47.1)と急低下、生産指数も31.3(46.7)と大幅に低下している。新規受注の伸びが国内外で低迷していること(新規受注 32.7(43.8)、輸出新規受注 42.5(49.7))が影響した。

その一方で、完成品在庫は57.5(45.3)と高く、原材料在庫は29.2(51.1)と非常に低い。工場が再稼働して鉄鋼製品在庫の水準が調整されれば、原材料在庫の水準が低いため、再び鉄鉱石価格に上昇圧力が掛かると考えられるが、中国工場の本格稼働は恐らく4月に入ってからと予想される。

米中の通商合意は景況感の改善で鉄鉱石価格・鉄鋼製品価格の上昇要因となるが、しばらくは米中合意の履行が肺炎の影響で困難であるため、当面、中国の合意順守未達が材料視されることはなかろう。

Valeは生産計画を下方修正したが、それでも2020年は同社の生産が本格再開の可能性が高いこと、景気の底入れは夏以降であると予想されることから、鉄鉱石価格の見通しはやや弱気である。

原料炭は新型肺炎の影響に加え、鉄鋼需要の伸びが欧州・中国を中心に減速していることから、下値余地を探りやすくなっている。しかし、世界的な石炭生産制限の流れを受けて鉄鉱石とは異なり、原料炭の価格中期見通しはやや強気である。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・直近の中国鉄鋼業PMIは36.6(前月47.1)と急速に悪化。新規受注も新型で新規受注も32.7(43.8)に低下している。

一方、最終需要の鈍化で完成品在庫の水準は57.5(45.3)と高く、港湾の稼働停止で原材料在庫の水準は29.2(51.1)と低い。工場再稼働が起きれば、原材料在庫の不足から輸入が増加し、海上輸送鉄鉱石価格の上昇要因となる。

・1-12月期中国工業生産は前年比+5.7%(1-11月期+5.6%)と小幅な改善となったが、12月単月では+6.9%(前月+6.2%)と伸びが加速(フロー需要の増加=価格上昇要因)。

・1-12月期中国固定資産投資 前年比+5.4%の55兆1,478億元(1-11月期+5.2%の53兆3,718億元)と減速、公的+部門は6.8%(+6.9%)と減速したが、民間部門は+4.7%(+4.5%)とやや持ち直し(ストック需要の改善=価格上昇要因)。

・1-12月期中国不動産開発投資 前年比+9.9%の13兆2,194億元(1-11月期+10.2%の12兆1,265億元)と減速傾向が顕著に。

中国政府は景気刺激に住宅セクターを用いない、と発言しているためさらに伸びが加速するとは考え難い。特に建材であるアルミや配電に用いられる銅の下落要因に。

1-2月の中国の貿易統計では、鉄鋼製品の輸出は前年比▲27.0%の1,075万トンと減速、コロナウイルスの感染拡大の影響で企業活動が鈍化していることが確認された。

また、燃料炭・原料炭の内訳が出ていないが、石炭輸入は急速に増加し、前年比+33.1%の6,806万トンとなった。「新たなアノマリー」となった中国の季節的な輸入増加によるものだ。

・中国の1-2月の鉄鉱石の輸入量は前年比+1.5%の1億7,684万トンとなった。鉄鋼製品在庫の増加によって生産活動が鈍化している一方、鉄鉱石の港湾在庫の在庫日数は低下しており、一定の在庫積み増し需要があると考えられるため。

中国の鉄鉱石港湾在庫は前週比▲70万トンの1億2,625万トン(過去5年平均1億2,638万トン)、在庫日数は+1.6日の27.6日(過去5年平均 36.6日)と在庫日数ベースは過去5年平均を下回り、鉄鉱石の需給ファンダメンタルズはタイト化しているため、鉄鉱石の輸入需要は堅調に推移すると見られる。

・中国の鉄鋼製品在庫水準は前週比+145.8万トンの2,509万トン(過去5年平均1,611.1万トン)とコロナウイルスの影響で製造業の工場の稼働が低迷しているためか、急速に増加している。

なお、1-2月の鉄鋼製品の輸出は前年比▲27.0%の781万トンと大幅に減速しており、やはりコロナウイルスの影響が顕在化した形に。今後は徐々に回復すると見られるが感染終息状況次第である。

・長期的には人口ボーナス期入りしているインドが、すでにインフラ整備のための投資拡大方針(5年で約160兆円)を示しており、鉄鋼製品・鉄鉱石価格を押し上げ。

(特殊要因)

・中国の新型ウイルスの影響拡大に伴う、世界的な景気減速懸念の強まり。

・中国政府の経済対策(金融緩和や公共投資など)は価格の上昇要因。

・世界的に広がる環境規制強化の流れで、鉄鉱石や原料炭などの生産に一定の影響が起きる場合。

(投機・投資要因)

・特になし。

---≪貴金属≫---

【貴金属市場動向総括】

貴金属価格はもみ合った結果、高安まちまち。

金は米トランプ政権が所得税減税の方針を打ち出したことで株価が急騰、それに伴う長期金利の上昇で実質金利が上昇したため金価格を押し下げた。銀価格も同様。

プラチナは上昇、パラジウムは下落した。PGMは最大生産者のAnglo AmericaのRustenburgのWaterval精錬所で爆発の影響で下値も限定。

【貴金属価格見通し】

金価格はコロナショック・OPECショックの影響で金融市場が混乱していることから、現状の高値圏を維持すると考える。

金価格動向を占う上で実質金利の動向は重要だが、正直、実質金利の大きな変化に金価格が追い付いておらず、リスクプレミアムを適正に反映した価格での推移になっていない。

結果、実質金利が上昇したため、再びリスクプレミアムは248ドル(前日比+3ドル)に上昇している。今回の変動で分かったことだが、金融市場の混乱が発生した場合、金価格は実質金利で説明できる価格変化にはならず(というよりは、リスクプレミアムが適正に評価されない)、価格は大きく変化しない。

言葉を替えるとリスクプレミアムを織り込むには、実質金利が大きく動かない中でリスクイベントが意識されることが需要、ということだ。その観点では前回の100ドル上昇して1,800ドルを目指す可能性がある、という見通しはやや行き過ぎの可能性がある。

リスクプレミアムが大幅に上昇するのは感染拡大の長期化と大規模化によって、信用リスクの拡大につながり、終息後に改めて景況感の悪化が意識され、地政学的リスクが高まる場合が考えられる。

なお、米中合意は第二弾合意が困難とみられること、中国が米国の要求通り合意を履行するかどうか不明なこと、中国の人権問題が俎上に載せられる可能性があること、などからむしろ今後は金銀価格の上昇リスクとなる可能性がある。

ただ、しばらくは米中合意の履行が肺炎の影響で困難であるため、当面、中国の合意順守未達が材料視されることはなかろう。

銀価格は金銀在庫レシオ(銀在庫÷金在庫)は再び上昇を始めている。なお、金銀在庫レシオから類推される金銀レシオは、80倍程度が適切と考えられ、20ドル前後まで価格が上昇してもおかしくない。

特にリスク回避姿勢が強まり金が割高となる局面では、割安な銀が投機的な観点から物色される可能性は高かろう。

PGM価格は金銀価格が高値圏を維持する見込みであることから同様に高値を維持すると考えるが、新型コロナウイルスの影響拡大で景気後退懸念が強まっているため、対金銀で割安に推移しよう。

しかし、Anglo Americaのフォースマジュールの影響は小さくなく、しばらくは固有材料で価格は上昇しやすい地合いに。

中国・世界の自動車販売は前年比マイナスが続いているが、徐々に前年比マイナス幅が徐々に縮小し始めていることから、需要面で価格を押し上げる可能性は高い。

2月の米自動車販売は年率1,683万台(市場予想 1,671万台、前月 1,684万台)と、市場予想ほどではないが前月から若干減速した。一方、コロナウイルスの影響が出始めた中国は▲18.0%の194.1万台と減速傾向を持続。

今後、コロナウイルスの影響が拡大する中で、自動車販売が減速する可能性は高く、PGM価格の下押し要因となるだろう。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・FRBは▲0.5%の利下げを行ったが、さらに3回の利下げを市場は織り込んでいる。

ECBに関しては緩和余地がないため、今後は財政出動に動く可能性。日本は追加利下げも、追加財政出動もほとんど余地がない。

・景気の先行きを懸念した株価下落とそれに伴う長期金利・実質金利の低下(金銀価格の上昇要因)。ただし、欧州の政情安定化や、各国の金融緩和などを背景とする景況感の改善で株価が上昇した場合には金銀価格の下落要因。

・世界的な自動車販売の減速(米欧中)による、自動車向け排ガス触媒需要の減少(PGM)。

・排ガス規制強化に伴うパラジウムへのシフト観測(プラチナがパラジウムを代替するには数年単位で時間を要する)。

・パラジウム需要増加に伴うPGMの増産により、結果的にプラチナが供給過剰となり価格の下落要因に(プラチナ)。

パラジウムはニッケルやプラチナ鉱山からの副産物としての生産が大半(80%)であり、プラチナ価格が低迷する中では増産されにくい、

(特殊要因)

・中国の新型ウイルスの世界的な拡大に伴う、安全資産需要の高まり。

・原油価格低迷による財政状況の悪化、コロナウイルスの影響拡大に伴う国民の不満爆発、サバクトビバッタの大量発生による食糧危機などで、中東・北アフリカ有事が発生、それに伴う安全資産需要の高まり(上昇要因)。

・米中通商交渉が部分合意したが、第二弾合意は中国側にメリット少なく、むしろ今後は状況が悪化する可能性の方が高いか。この場合安全資産需要増加で価格の上昇要因。

・トルコとシリアのイドリブ県を巡る対立はロシアとトルコが停戦で合意したものの、再び衝突する可能性は排除できない。この場合、安全資産需要を高め、価格の上昇要因に。

・英国のブレグジットは、移行期間中の合意は容易ではなく、無秩序離脱の可能性はまだなくなっていない。

・中国地方政府・中堅中小企業の財政状況悪化に伴う景気減速による安全資産需要の増加。

(投機・投資要因)

・金はロング・ショートとも減少。株価の下落でポジション解消の動き。銀はロングが減少、ショートも小幅増加している。

PGMは景気への懸念からロングの解消圧力が顕著である。

・直近の投機筋のポジションは、金はロングが366,173枚(前週比 ▲23,166枚)、ショートが46,440枚(▲7,034枚)、ネットロングは319,733枚(▲16,132枚)、銀が82,570枚(▲24,920枚)、ショートが34,267枚(+1,570枚)、ネットロングは48,303枚(▲26,490枚)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

プラチナはロングが49,931枚(前週比 ▲14,042枚)ショートが15,894枚(+2,122枚)、ネットロングは34,037枚(▲16,164枚)

パラジウムが6,936枚(▲1,553枚)、ショートが3,940枚(▲735枚)ネットロングは2,996枚(▲818枚)

---≪農産品≫---

【穀物市場動向総括】

シカゴ穀物市場は上昇した。トランプ政権の所得税減税報道を受けて株式市場が落ち着きを取り戻して上昇したことで、広く売られた商品に買戻しが入る流れを受けて。

【穀物価格見通し】

シカゴ穀物価格は再びコロナウイルスの影響への懸念が広がっていることが、非景気循環系商品需要を高めること、FRBの利下げによるドル安進行から価格は押し上げられると考える。

金融緩和や財政出動が起きたとしても、感染拡大防止のためのヒトやモノの移動規制は継続するとみられるため、上昇余地は限定されると考える。新型コロナウイルスの影響は世界各地で五月雨式に発生しており、影響の評価が非常に難しい。

ファンダメンタルズ面では、米トウモロコシの受け渡し可能在庫は過去5年の最高水準を上回っており、大豆も過去5年平均を大幅に上回っている。

しかし、冬場の降雨の影響で2年連続で米生産地が洪水に見舞われており、作付けが予想を下回る可能性が出てきた。

小麦は豪州火災や干ばつ、ロシア・ウクライナの悪天候の影響で供給に懸念が出ていること、シカゴの小麦在庫は過去5年の最低水準を引き続き下回っていることから、上昇圧力が掛かりやすい展開が予想されるが、最終的には帳尻が合いやすい(世界各地で生産されているため)。

今後の市場の注目は大豆、トウモロコシの作付け意向面積。米農務省の予想では、トウモロコシが9,400万エーカー(2019年 8,970万エーカー)、大豆は8,500万エーカー(7,610万エーカー)、小麦が4,500万エーカー(4,520万エーカー)と、トウモロコシの作付けが増加すると見られている。

【価格変動要因の整理】

(マクロ要因)

・3月の米需給報告の生産見通しトウモロコシ136億9,200万Bu(前月136億9,200万Bu)大豆 35億5,800万Bu(35億5,800万Bu)小麦 19億2,000万Bu(19億2,000万Bu)

・3月の米需給報告の在庫見通し(実績/市場予想/前月)トウモロコシ18億9,200万Bu(市場予想18億9,509万Bu、前月18億9,200万Bu)大豆 4億2,500万Bu(4億2,809万Bu、4億2,500万Bu)小麦 10億Bu(9億9,417万Bu、10億Bu)

・12月末の四半期在庫(実績/市場予想/前月)トウモロコシ 113億8,900万Bu(114億7,171万Bu、22億2,100万Bu)大豆 35億5,200万Bu(31億9,033万Bu、9億900万Bu)小麦 183億4,000万Bu(190億300万Bu、23億4,600万Bu)

(特殊要因)

・新型肺炎の影響拡大による、輸出活動の停滞(シカゴ定期を含む生産地価格の下落要因)。

・米中通商交渉は部分合意、シカゴ穀物の買い材料となる。しかし、問題の本質は両国の軍事を巡る覇権争いであり、二次合意も難しく中国の合意不履行を材料に両国関係が再び悪化する可能性も考えられ、シカゴ定期の下落要因に。

ただし新型肺炎の影響で、しばらくの間、中国が合意を履行しなくても問題視はされないと予想される。

・米・イランの対立激化により、穀物輸送に影響が出る場合(下落要因)。ただし非景気循環銘柄需要が高まり最終的には上昇要因に。

・エルニーニョ現象は終息したとみられるが、より北米の穀物生産に影響を与えるラニーニャ現象の発生の懸念は排除できず、特に今年の春先以降、価格が上昇する可能性があり、価格の上昇要因に。

・中国の豚コレラ被害の拡大により、飼料需要が減少した場合は価格の下落要因(逆に終息すれば上昇要因)。

・トランプ政権が製油業者に対する再生可能燃料基準(バイオ燃料の混合を義務付け)の適用を31の製油業者に対して免除していたが、これを撤廃するよう指示したと伝えられたことは、国内向けのエタノール・バイオディーゼル向け需要増加観測を強め、価格の上昇要因に。

(投機・投資要因)

・直近の投機筋のポジションは以下の通り。

トウモロコシはロングが325,870枚(前週比 +4,042枚)、ショートが320,305枚(▲8,655枚)ネットロングは5,565枚(+12,697枚)

大豆はロングが149,082枚(+834枚)、ショートが137,704枚(▲41,102枚)ネットロングは11,378枚(+41,936枚)

小麦はロングが120,563枚(▲28,347枚)、ショートが93,824枚(▲12,219枚)ネットロングは26,739枚(▲16,128枚)

◆主要ニュース


・2月日本 銀行貸出動向 銀行計 前年比+2.2%(前月+2.0%)、含信金 +2.1%(+1.9%)

・Q419日本実質GDP改定 前期比▲1.8%(▲0.2%、前期確定±0.0%)
 前期比年率▲7.1%(▲0.8%、+0.5%)
 GDPデフレータ 前年比+1.2%(▲0.1%、+0.6%)
 民間消費支出 前期比▲2.8%(+0.1%+0.5%)
 民間住宅▲2.5%(+0.2%、+1.2%)
 民間企業設備投資▲4.6%(▲0.9%、+0.5%)
 公的需要+0.3%(▲0.1%、+0.8%)

・2月日本景気ウォッチャー調査 現状判断DI 27.4(前月41.9)、先行き判断DI 24.6(41.8)

・2月日本マネーストックM2 前年比+3.0%(前月+2.8%)M3 前年比+2.5%(+2.3%)

・2月日本工作機械受注速報 前年比▲30.1%の767億1,400万円(前月▲35.6%の807億7,700万円)
 外需▲34.2%の447億6,500万円(▲34.9%の511億9,100万円)

・2月中国消費者物価指数 前年比+5.2%(前月+5.4%)、生産者物価指数▲0.4%(+0.1%)

・1月独経常収支 166億ユーロの黒字(前月248億ユーロの黒字)
 貿易収支139億ユーロの黒字(152億ユーロの黒字)
 輸出 前月±0.0%(+0.2%)、輸入+0.5%(▲0.3%)

・1月独鉱工業生産 前月比▲1.3%(前月改定▲5.3%)、前年比 +3.0%(▲2.2%)

・3月ユーロ圏センティックス投資家信頼感 ▲17.1(前月5.2)

・Q419独労働コスト 前期比±0.0%(前期+1.0%)、前年比+3.0%(+3.1%)

・Q419ユーロ圏実質GDP改定 前期比+0.1%(速報比変わらず、前期確定+0.3%)、前年比+1.0%(+0.1%、+1.2%)
 総固定資本 前期比+4.2%(+3.9%、▲3.8%)
 政府支出 +0.3 %(▲0.1%、+0.6%)、家計消費 +0.1%(▲0.4%、+0.2%)

・2月米NFIB中小企業楽観指数 104.5(前月 104.3)

・米トランプ大統領、「FRBはお粗末で行動が遅い。金利を他国水準まで引き下げるべきだ。」この他、10日に包括的な経済対策を公表すると発言。経済対策には給与減税と病欠の有給扱いが含まれる可能性が高い。

・中国 習近平国家主席、武漢を初めて視察、「新型コロナの拡散を抑えた」

・欧州、シリア難民流入阻止へ向け、トルコと首脳会議。

◆エネルギー・メタル関連ニュース


【エネルギー】
・DOE米在庫統計市場予想
 原油+2,105KB(前週+2,855KB)
 ガソリン▲2,691KB(▲2,079KB)
 ディスティレート▲2,691KB(▲1,888KB)
 稼働率+0.09%(▲0.37%)

・API石油統計
 原油在庫+6.41MB
 クッシング+0.36MB
 ガソリン▲3.09MB
 ディスティレート▲4.68MB

・ロシア ノバクエネルギー相、「近い将来最大で50万バレルを増産することは可能だ。次回のOPECプラス会合は5月か6月に予定されており、市場の動向を改めて評価する機会になり得る。」

・サウジアラビア、生産能力を超える1,230万バレルを4月から生産。在庫の取り崩しも同時に行う可能性。

・サウジアラビア アブドルアジズ エネルギー相、「5月か6月に、OPECプラス会合を行う考えはない。」

・IEA月報
 世界石油需要 Q120:96.7、Q220:99.2、Q320:102.0、Q420:101.7、2020:99.9
 非OPEC供給(含むNGLs) Q120:66.2、Q220:66.8、Q320:67.6、Q420:67.8、2020:67.1
 Call on OPEC Q120:30.5、Q220:32.4、Q320:34.4、Q420:33.9、2020:32.8

※需要見通し大幅下方修正で、2020年のCall on OPEC減少。

・ナイジェリア シルバ石油相、「OPECと非OPECは再び減産協議を行う必要があるかもしれない。」

・米国、対イラン緊張緩和を背景に中東増派の米軍撤退開始。

【メタル】
・宝山鉄鋼、4月積み鋼板価格を圧延コイルで▲50元/トン、酸洗と冷延、溶融亜鉛めっき鋼板を▲100元、電気亜鉛めっき鋼板を▲100元、無方向性電磁鋼板は中低グレード品を据え置き、高効率品を+100元、高グレード品を+300元引き上げ、方向性電磁鋼板・厚板・形鋼は据え置いた。

◆主要商品騰落率


【上昇率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
1.TCM原油 ( エネルギー )/ +13.58%/ ▲43.48%
2.TCMガソリン ( エネルギー )/ +10.57%/ ▲37.25%
3.NYM WTI ( エネルギー )/ +10.38%/ ▲43.73%
4.TCM灯油 ( エネルギー )/ +9.14%/ ▲38.24%
5.NYM米天然ガス ( エネルギー )/ +8.89%/ ▲11.56%

【下落率上位5商品】

商品名(カテゴリー)/前日比上昇率/年初来上昇率
70.TGE大豆 ( 穀物 )/ ▲5.93%/ +4.55%
69.パラジウム ( 貴金属 )/ ▲3.19%/ +24.32%
68.金 ( 貴金属 )/ ▲1.85%/ +8.71%
67.米国債先物 ( 先進国債券 )/ ▲1.26%/ +7.11%
66.銀 ( 貴金属 )/ ▲0.72%/ ▲5.37%

※弊社が重要と考える主要商品の前日比騰落率上位・下位5品目です。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。

◆主要指標


【為替・株・金利・ビットコイン】
NY ダウ :25,018.16(+1167.14)
S&P500 :2,882.23(+135.67)
日経平均株価 :19,867.12(+168.36)
ドル円 :105.64(+3.28)
ユーロ円 :119.17(+1.97)
米10年債利回り :0.80(+0.26)
独10年債利回り :▲0.79(+0.07)
日10年債利回り :▲0.05(+0.12)
中国10年債利回り :2.61(+0.08)
ビットコイン :7,999.1(+137.90)

【MRAコモディティ恐怖指数】
総合 :35.09(+1.35)
エネルギー :77.67(+4.24)
ベースメタル :20.47(+2.19)
貴金属 :35.45(+0.72)
穀物 :18.39(+0.27)
その他農畜産品 :30.17(+0.39)

【主要商品ボラティリティ】
WTI :117.70(+8.37)
Brent :111.33(+5.42)
米天然ガス :56.00(+10.16)
米ガソリン :93.22(+0.61)
ICEガスオイル :68.91(+1.37)
LME銅 :16.25(+1.84)
LMEアルミニウム :18.85(+2.65)
金 :14.02(+0.62)
プラチナ :35.38(+0.07)
トウモロコシ :18.90(+0.86)
大豆 :14.02(+0.62)

【エネルギー】
WTI :34.36(+3.23)
Brent :37.22(+2.86)
Oman :35.07(+2.02)
米ガソリン :115.71(+2.02)
米灯油 :124.99(+8.70)
ICEガスオイル :369.00(+9.75)
米天然ガス :1.94(+0.16)
英天然ガス :23.01(+1.39)

【石油製品(直近限月のスワップ)】
Brent :37.22(+2.86)
SPO380cst :199.05(+30.29)
SPOケロシン :47.21(+4.75)
SPOガスオイル :48.76(+4.98)
ICE ガスオイル :49.53(+1.31)
NYMEX灯油 :126.33(+4.15)

【貴金属】
金 :1649.40(▲31.07)
銀 :16.89(▲0.12)
プラチナ :874.02(+8.84)
パラジウム :2418.81(▲79.60)
※ニューヨーククローズ。

【LME非鉄金属】
(3ヵ月公式セトル)
銅 :5,609(+114:10.5C)
亜鉛 :2,020(+70:20C)
鉛 :1,837(+19:22.5B)
アルミニウム :1,709(+42:19.5C)
ニッケル :12,890(+425:55C)
錫 :16,950(+375:145C)
コバルト :33,086(▲6)

(3ヵ月ロンドンクローズ)
銅 :5585.00(+61.00)
亜鉛 :1995.00(+17.50)
鉛 :1800.50(▲4.50)
アルミニウム :1702.00(+13.00)
ニッケル :12735.00(+135.00)
錫 :16830.00(+35.00)
バルチック海運指数 :627.00(+11.00)
※C=Cash-3M コンタンゴ、B=Cash-3M バック

【鉄鋼原料】
62%鉄鉱石スポット(CFR青島) :休場( - )
SGX鉄鉱石 :90.21(+2.86)
NYMEX鉄鉱石 :90.15(+2.08)
NYMEX原料炭スワップ先物 :158.37(+0.78)
上海鉄筋直近限月 :3,465(+28)
上海鉄筋中心限月 :3,464(+64)
米鉄スクラップ :297(+3.00)

【農産物】
大豆 :873.00(+9.50)
シカゴ大豆ミール :295.90(▲0.70)
シカゴ大豆油 :27.44(+0.13)
マレーシア パーム油 :2339.00(+3.00)
シカゴ とうもろこし :380.00(+5.75)
シカゴ小麦 :526.75(+4.50)
シンガポールゴム :160.60(+3.50)
上海ゴム :10485.00(±0.0)
砂糖 :12.59(▲0.02)
アラビカ :114.25(+5.30)
ロブスタ :1254.00(+32.00)
綿花 :61.41(+0.02)

【畜産物】
シカゴ豚赤身肉 :65.00(+2.00)
シカゴ生牛 :105.45(+2.60)
シカゴ飼育牛 :127.75(+1.55)

※全ての価格は注記が無い限り、取引所で取引される通貨建。
※限月交代に伴う価格の不連続性は考慮されていません。予めご容赦ください。